お店のショーウィンドウのマネキン人形と商店街の買い物客がBLEビーコンで対話…イギリスで実用テスト始まる

ショーウィンドウの中のマネキン人形が、通りすがりの買い物客のスマートフォンに商品情報を送る、という試みがイギリスの3つの小売店で行われている。

そのための基本技術VMBeaconについては、今年の初めごろにご紹介したが、それはマネキン人形やそのほかの商材が、消費電力の少ない室内用Bluetooth(Bluetooth Low Energy, BLE)送信機を持つことによって、これまでのいわゆるウィンドウショッピングを‘クリックをして買い物をする’行為に変えてしまうのだ。

店主はまた、展示物と買い物客たちとの対話的なやりとりの記録を、あとで分析できる。ただし、アプリ(Iconeme)のユーザは、お店と共有してもよい個人情報(年齢、性別、居住地域など)を事前に限定できる。

VMBeaconIconemeを作っているスタートアップが、今日から実際の店舗でのテストを開始した。テストに参加したお店は、アバディーンのHouse of FraserのOnline Store(←物理店舗の名前だ)、ロンドンのHawes & Curtis、そしてキングストンアポンテムズのBentallsだ。いずれも、同社がパートナーしているイギリスと合衆国の小売企業のお店だ。

まず最大の問題はIconemeのユーザアプリ(iOSまたはAndroid)をダウンロード〜インストールしてもらうことだ。だから完全にオプトインマーケティングだが、普及浸透に時間はかかっても、スパムとして嫌われるおそれはない。

ユーザが、VMBeaconを発しているマネキン人形から50メートル以内に接近すると、自動的にアラートが着信する。送られる情報は、その服の素材、アクセサリ、値段、Webサイト上で買えるためのリンク、店内にそれがある場所など、何でもよい。もっと詳しい写真や情報を送ってあとで見てもらってもよいし、友だちとシェアしてもよい。別の特売品やサービス企画の情報へのリンクがあってもよい。

ABI Researchの最新の調査によると、Bluetoothのビーコンが使えるデバイスの市場は5年後に6000万台に達する。その低電力送信装置が当面の市場としてねらうのは、やはり小売企業であり、消費者サイドのメディアとしてはスマートフォンがメインだ。この技術により、地域のモバイルマーケティングチャネルが構成されることになる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))