AWSがウェブベースの機械学習用IDE「SageMaker Studio」を発表

AWSのCEOであるAndy Jassy(アンディ・ジェシー)氏は米国時間12月3日、re:InventカンファレンスでSageMaker Studio発表した。機械学習ワークフローを構築し、トレーニングするためのウェブベースのIDEだ。データサイエンティストが仕事を始めるために必要なものすべて、つまりノートブック、データセット、コード、モデルなどを編成するための手段が含まれている。とにかく始めるために必要な、すべての機械学習ツールと成果のワンストップ・ショップになることを目指したもの。

Studioの中核には、同じプロジェクトに対して作業している他のユーザーと、プロジェクトやフォルダを共有する機能もある。そこには、ノートブックや成果について議論する機能も含まれている。

そうしたモデルもトレーニングする必要があるので、当然ながらこのサービスも、AWSのSageMaker機械学習サービスに統合されている。そのサービスは、ユーザーのニーズに応じて自動的にスケーリングされる。

Studio本体に加えて、Studioに統合されることになるSageMakerの他の多くの部分のアップデートも発表された。そうした機能のほとんどは、Studioの内部で実行されるが、スタンドアロンのツールとして使用することも可能だ。その中には、デバッガ監視ツール、それにAutopilotが含まれる。Autopilotは、ユーザーのデータに基づいて、最適なモデルを自動的に作成してくれるもの。どのような判断によってモデルを構築したかを、詳細に可視化する機能もある。

これに関連してAWSは、SageMaker Notebooksも発表した。これもStudioに統合される。これは、本質的にマネージドサービスとしてのノートブックだ。必要に応じてインスタンスを自動的にプロビジョニングしてくれるため、データサイエンティストが自らプロビジョニングする必要はない。

Studioを利用することで、より広範なデベロッパーにとって、モデルの構築が身近なものになる、というのが理想だ。AWSでは、これをスタックのミドルレイヤーと呼んでいる。機械学習を実践する人が、あまり詳細を掘り下げなくても、実質的なコントロールがしやすいものになることを意図したものだ。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

ウェブ版のVisual Studioが試用可能に

Microsoft(マイクロソフト)は今年のデベロッパーカンファレンスことBuildで、Visual Studio IDEのウェブ版を開発中だと発表した。

当時、Visual Studio Onlineは一部のデベロッパ向けにプライベートプレビューとして公開されていた。そして今回のIgniteカンファレンスで、同社はこのサービスを試用したいすべてのデベロッパーに公開した。

Visual Studio Onlineを使えば、開発者は自分のリポジトリ用に完全に設定された開発環境を素早く立ち上げることができる。そして、ウェブベースのエディタを使用してコードを編集できる。

「Visual Studio Onlineは、Visual Studio、クラウドにホストされた開発環境、どこからでもアクセス可能なウェブベースのエディタを統合し、開発者の生産性をこれまで以上に向上させる」とマイクロソフトはプレス資料で述べている。「プル・リクエストのような共同作業のオープンソース・ワーク・フローが普及するにつれ、開発者は生産性を損なわずにコードベースとプロジェクトを素早く切り替える必要がある」。

現時点では、このサービスは同社のGitHubと深く統合されているが、同社によると、開発者は自分の物理マシンと仮想マシンをVisual Studioベースの環境に配置することもできる。開発者はWindowsやMac、Linuxにて人気が高まっているVisual Studio Codeから、オンライン環境を作ることもできる。

今回はクラウドベースの環境とVisual Studio Codeの拡張サポートがプレビューされている。

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(翻訳:塚本直樹Twitter

クラウドIDEのCodeanywhereがCodebenderを買収して今後はArduino開発もサポート

WebアプリケーションやWebサイトを作るためのクラウド上のIDE Codeanywhereが、Arduinoデバイスを作るための同じくIDE Codebenderを買収した。Codeanywhereにとって初めての買収だが、その価額等は公表されていない。

Codebenderとその関連サービスedu.cobebender.ccとblocks.cobebender.cc は存続し、CodeanywhereがそれらをサポートしてCodeanywhere,Inc.の提供物になる。CodeanywhereとCodebenderを合わせると、ユーザー数は100万を超える。

パロアルトに本社のあるCodeanywhereは、7つの投資家からの3回のラウンドで84万8000ドルを調達しており、テクノロジー方面の逸材の多いクロアチアで創業された。同社と競合するCodenvyは、900万ドルを調達してから今年の5月にRed Hatに買収された。また630万ドルを調達したcloud9ideは、昨年Amazonに買収された。そこで明らかに今、Codeanywhereの立ち位置は良い。

2013年ギリシア生まれのCodebenderはこれまで100万ドルあまりを調達し、約10万のユーザーを惹き寄せ、そのプラットホームで30万以上のプロジェクトをホストしている。Arduinoのエコシステムの中では、最大のコミュニティおよびコードリポジトリのひとつだ。

CodeanywhereのCEOで協同ファウンダーのIvan Burazinは曰く: “Codeanywhereのロードマップには、われわれのビジョンに合うデベロッパーツールの増加があり、Codebenderのプロダクトを加えることはまさにその目標にかなっている。コードの開発は、どこでも、いつでも、誰とでもできなければならない、とわれわれは確信している”。

CodebenderのCEO Vasilis Georgitzikisはこう述べる: “CodebenderがCodeanywhereの中に家を持つことは、全然たいへんなことではない。前から知っているし、今回の話し合いの中で、Codebenderがその家ですばらしい、持続可能なプラットホームに成長しうることが明らかになった。それは、われわれがこれまで、つねに努力してきたことだ”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Red Hatがコンテナ化アプリケーションを開発するためのクラウドIDE、OpenShift.ioを立ち上げ

Red Hatが今日(米国時間5/2)、OpenShift.ioを立ち上げた。それは同社としては初めての、本格的なクラウドベースのデベロッパーツールだ。その名が示すように、OpenShift.ioは、Kubernetesをベースとする同社のコンテナ管理プラットホームOpenShiftを使用し、クラウドネイティブでコンテナを利用するアプリケーションの構築に必要なツールを提供する。それらは、チームコラボレーションのためのサービス、アジャイルプランニングのツール、デベロッパーのワークスペース管理、コーディングとテストのためのIDE、モニタリング、そしてもちろん、継続的インテグレーションとデリバリのサービスだ。

方向性はやや違うが、これはいわば、MicrosoftのVisual Studio Team ServicesのRed Hatバージョンだ。しかしRed Hatがここでやっているのは、fabric8, Jenkins, Eclipse Che, それにもちろんOpenShiftといった既存のオープンソースプロジェクトをひとつのサービスにまとめて、主にコンテナベースのアプリケーションにフォーカスした体験を提供することだ。

OpenShift.ioは中でもとくに、チームのコラボレーションを重視し、そのためのさまざまな開発方法論や哲学をサポート、そしてソースコントロールシステムを提供している。またプロジェクトマネージャーやビジネスアナリストなど、チーム内のノンプログラマーがプロジェクトの状態を追えるためのツールも、充実している。

Red Hatでプロダクトとテクノロジーを統轄するPaul Cormier社長が、今日のブログ記事で述べている: “Red Hatは、クラウドネイティブと従来型の両方のアプリケーション開発に取り組むための、オープンで自由度が高く安全なツールを、標準的ツールをベースとする全体的に斉合性のあるプラットホームとして提供している。今日私たちはご覧のように、Red HatのコンテナプラットホームOpenShiftを利用してコンテナ化されたアプリケーションを構築するための、クラウドベースのフレームワークを立ち上げる。それは、今日の類似製品の中でもっとも総合的な、エンタープライズ向けKubernetesプラットホームだ”。

Red Hatは今日、OpenShift.ioのほかに、Red Hatおよび同社のISVパートナーたちのすべてのコンテナ関連製品の、セキュリティや安定性などを調べて評価できるContainer Health Indexを発表した。またもうひとつ今日ローンチしたRed Hat OpenShift Application Runtimesは、マイクロサービスのための、構築済みのコンテナ化ランタイムの基盤群だ。これらのランタイムには、Node.js, Eclipse Vert.x, WildFly Swarmなどのサポートが含まれる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

AmazonのAWSがついにIDEを統合、40のプログラミング言語をサポートするCloud9を買収

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Amazon Web Servicesが、そのクラウドサービスを一層充実させるための買収をまた行った。今回買ったサンフランシスコのCloud9は、Web開発やモバイル開発をコラボレーションでやっていくためのIDE(integrated development environment, 統合開発環境)だ。

ニュースはCloud9の側から発表され、同社のサイト上に声明文が載った。それによると、AWSのための新しいツールは作るけれども、既存のサービスも継続する、と言っている。AWSを経由しなくても(Amazonの一部になっても)Cloud9を従来どおり単独で使える、ということ。

“Amazonに買収されたことを真っ先にユーザーのみなさまにご報告できることを、嬉しく思っています。今後はAmazon Web Servicesの家族に加わり、ほかのみんなと一緒にすばらしいサービスを顧客に提供していけると思います”、と協同ファウンダーのReuben Danielsが書いている。“これまでのCloud9は今後もこれまでどおりですから、安心してこれまでどおり、お使いいただけます。これまでCloud9に投資した時間や体力が、無駄になることはありません。オープンソースコミュニティAceとの協働関係も継続しますし、世界中の何十万もの顧客のみなさまに、弊社の革新的なサービスを引き続きご提供して参ります。いずれは、私たちがAWSでやることも、みなさまのお役に立つと思います”。

2010年に創業されたCloud9は、今では40種類のプログラミング言語をサポートし、互いにリモートの複数のチームが協働してコードの開発やエディットができる(オンラインのコードエディターを提供しているしまたUbuntuのワークスペースを使ってもよい)。コードのテストができる環境も、各種のブラウザーとオペレーティングシステムの組み合わせの種類・数でいうと、300種類を超えている。

最近はチームが地理的に分散していることが多いので、このようなグローバルなコラボレーション環境が必須だ。今では、SoundcloudやAtlassian、SalesforceなどもCloud9を使っている。Cloud9のサービスはフリーミアムで、有料は月額19ドルからだ。エンタープライズ・プランになると、課金に従量制の要素が入ってくる。AWSの下ではいくらになるのか、まだわからないが、薄利多売に徹しているAmazonのことだから、またまた、競合他社を蹴散らすような安い料金になるのかもしれない。

どんなに安くしてもAWSのメリットは大きい。昨年AWSは、アクティブユーザーが100万を超え売上が73億ドルを超えたが、今度の買収も、これまでと同じく、AWSの新規ユーザーを(Cloud9からの流れで)増やすとともに、(Cloud9が)AWSの既存のユーザーからお金を稼ぐ新しい商機にもなるのだ。こうやってAmazonもAWSも、ビジネスをどんどん増やしていく。

NitrousやKodingのような既存のサードパーティのIDEプロバイダにとっては、嬉しくない知らせかもしれないが、AWSはMicrosoftのAzureなどと並んで、モバイルアプリの開発や、スタートアップのサービス提供基盤として人気の高いプラットホームだから、IDE↔AWS間(かん)のワークフローがよりシームレスになる(スタンドアロンのIDEを使ってるときよりは)という意味で、Cloud9を買ったことの意義は大きい。

IDEを統合したコラボレーション型クラウドプラットホームという点では、Microsoftと、もしかしたらSlackも競合相手になる。後者は昨年画面共有サービスのScreenheroを買収したが、それはデベロッパーたちがそれぞれ単独のコーディング環境を使わずに済むためだ。

Cloud9はこれまで、AccelやBaldertonなどから500万ドルあまりを調達している(ソース: CrunchBase)。これはシリコンバレーでは、比較的おとなしい額だ。

買収の条件は公表されていないが、今本誌はそれを見つけようとしている。Amazonにも、今回の取引の直接の確認を求めているところだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))