ImprobableのMMOプラットホームをUnityから利用できる、バトルロワイヤルのブームか?

Fortniteのようなバトルロワイヤルゲームは、複数のプレーヤーがいて各人が他の全員と戦う。ゲーム企業が理解し始めているのは、それが大量のオーディエンスを一度に呼びこむ仕掛けであることだ。そういう願望は前から存在していたが、しかし資金量十分なスタートアップImprobableは、そのような広大なオンライン世界を、さらに多くのゲームデベロッパーにとって、可利用にするつもりだ。

AIベースのゲームプラットホームメーカーImprobableは、同社のマルチプレーヤープラットホームSpatialOSを用いるゲームSDKを、人気の高いゲーム開発プラットホームUnityに加える、と発表した。今では、ビデオゲームの約半分がUnityを使って作られている、と言われる。

Improbableはマルチプレーヤーゲームに関して壮大なビジョンを持ち、それが大量のベンチャー資本を吸引している。ロンドンに拠を置く同社は、複数のユーザーが同時に広大なオンライン空間を共有するデジタル世界の実現に向けて、これまで6億ドルあまりの資金を調達した。同社のSpatialOSプラットホームを使うと、オンラインゲームの一つのインスタンスが複数のサーバーを横断して動き、各サーバーから他のサーバーが見えることによって世界を一つに縫い合わせる。これをゲームの言葉で言い換えれば、何百人ものゲームプレーヤーがお互いに相手を見られて、彼らのゲーム内のアクションはその世界のどこにいても同じ機能を発揮する。

同社の技術は今、多くのゲームデベロッパーの意欲をかきたてている。このプラットホームを利用したゲームをリリースしたデベロッパーも、すでに数社/数名いる。

今日(米国時間10/11)のニュースは同社の大きな一歩であり、Unityの人気に乗っかって大量の若いゲームデベロッパーたちがMMOの開発により容易に取り組めるようになる。これまでもUnityからSpatialOSを利用することはできたが、それはあくまでも限定的かつ実験的だった。Unityはほかに、Unreal EngineCryEngineによる開発もサポートしている。

今日のリリースでデベロッパーは、同時プレーヤー数最大200名までのSpatialOSゲームを開発できる。そのSDKはデベロッパーに、マルチプレーヤーのネットワーキング機能と、プレイの世界を拡大するための関連機能を提供する。また、デベロッパーがSpatialOSを利用して作ったゲームは、Improbableのサーバーがホストし、そのさまざまなWebツールでメンテナンスしてくれる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

AR/VRは空ブームが去って小休止、巨額な投資の大半は大物企業の底入れに向かう

拡張現実や仮想現実の技術に取り組んでいるテクノロジー企業は2017年に、30億ドルあまりのベンチャー資金を調達した。このニュースを報じたアナリティクス企業Digi-Capitalのデータによると、ARやVRをめぐる空騒ぎは下火になったものの、そこに注ぎ込まれるキャッシュの量は相変わらず増え続けている。

たしかに2017年の金額は2016年の投資額に比べて増えているが、しかしディールフローそのものは軽くて、わずか4つの案件が総額30億ドルの大半を占める:

億単位の資金を調達したNiantic, Improbabl, Unityなどの大物はAR/VR技術の将来性を投資家たちにうまく売り込んだと思われるが、それだけの資金量を獲得できた背景には、強力で伝統的なゲーム業界がある。

その中にあってMagic Leapは、業界の最大の一匹狼だ。彼らの最初の製品がどんなものか、そろそろわかりかけてきた今日では、彼らがだんだん、まともな企業に見えてきている。その製品がいつなんぼで出るのか、それはまだ不明だが、もっと分からないのは、彼らが企業市場と消費者市場のどっちに軸足を置くのか、という点だ。

2016年と2017年にVRのプロジェクトでシードラウンドを稼いだ小さめの企業は、Crunchbaseが示すように案件は徐々に減少し(右図)、泡沫企業の整理と、AR/VRスタートアップに対する継続投資の先細り、そして廃業が続くものと思われる。

2017年の後半はヘッドセットを使うVRからモバイルのARに焦点が移り、AppleのARKitやGoogleのARCoreなどが関心を集めた。しかし実際のアプリケーションは単なる視覚化があまりにも多く、平凡なものばかりだったので、受けはあまり良くなかった。消費者向けARヘッドセットは市場が大きく枯渇し、AppleやMicrosoft、Magic Leapなどが10年後の消費者に向けて今年以降何をやるか、様子見モードに入った。

今後伸びるであろう芽はいくつかあるが、AR/VRの空騒ぎは2017年で一掃され、勢いはなくなった。次の一歩は、Google, Apple, Facebook, Microsoftなどの大金持ちたちの動静次第だ。スタートアップのための資金は今年も潤沢と思われるが、AR/VRのような新興技術は、落ち込みがしばらくは続くだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

ソフトバンクがVR/AR開発ツールのImprobableに出資――調達総額は5億200万ドル

仮想世界やシミュレーションの開発ツールを手がけるロンドンのImprobableは米国時間5月11日、新たに資金を巨額な調達して同社のプロダクトおよびディベロッパー・エコシステムの拡大を図ると発表した。サンフランシスコにもオフィスを構えるImprobableは、リード投資家のソフトバンク、そして既存投資家のAndreessen HorowitzとHorizons Venturesなどが参加する調達ラウンドで合計5億200万ドルを調達した。

同社はバリュエーションを公開していないが、共同創業者兼CEOのHermann Narula氏によれば、今回投資家が入手した株式は全体の過半数に満たない数だという。今回の資金調達以前にImprobableが調達したのは5000万ドルのみ。当時のバリュエーションはおよそ10億ドルだった。

いくつかの数字付きで今回の資金調達のうわさが最初に流れたのは数週間前のことだった。

Narula氏が私に話してくれたところによると、今回のソフトバンクによる出資はVision Fundを通して行なわれたものではない。Vision Fundは1000億ドル規模の巨大ファンドで、Appleもパートナーとして参加している ― ただし、このファンドに関する正式なアナウンスはまだ行なわれていない。将来的にはVision Fundからの出資を受ける可能性もあるとNarula氏は加えた。

今回の資金調達によって、Improbableは大きな一歩を踏み出したことになる。VR/AR業界の他社と比べると話題にのぼることが少なかった同社のことを見て、「improbable(日本版注:起こりそうにもないの意)」だと感じた人もいるだろう。

「機は熟しました」とNarula氏は語る。「コアとなるソリューションを提案することができる状態になりました。エコシステムとテクノロジーに大きく投資するべき時が来たのです」。

Improbableの名を世に知らしめたのは、同社が開発したSpatialOSと呼ばれるプラットフォームの存在だ。昨年ローンチしたSpatialOSを使うことで、ディベロッパーは機械学習テクノロジーが利用された分散クラウドコンピューティング・ストラクチャーを用いて仮想現実の世界を細部まで作りこみ、構築することができる。

Google VRやUnreal Engineと同じように、SpatialOSは仮想現実世界の構築を加速するための方法を提供しているといえる。近い将来、私たちは様々なサービス―実用的なものから、そうでないものまで―を仮想現実の中で利用することになるだろう。

「私たちの目標は、巨大なスケールの仮想現実世界の構築方法を再定義する、巨大なスケールのインフラストラクチャーをつくり上げることです」とNarula氏は話す。

今のところ、SpatialOSによって作られたのはVR/ARゲームが多い―マルチプレイヤー・ゲームのWorlds Adriftなどがその例だ。Narula氏は、ゲーミング分野は今後も大きな市場になると話している:彼はSupercellとの協力関係は「今のところはない」と話しているが、Improbableがソフトバンクとのコネクションを獲得したことで同社とSupercellのあいだに良い関係が生まれる可能性はあるだろう。

Improbableとソフトバンクが手を組んだことは財務的な意味だけをもつものではない。これにより、Improbableは他のビジネス領域へとつづく扉を開けることができたのだ―その例が交通分野であり、次世代のマッピング技術や自動運転技術は現代のテックゲームの主役だ。Improbableのプラットフォームによって作られる仮想世界と同じように、同社にとっての市場機会は巨大なのだ。

今回の出資により、ソフトバンクのマネージング・ディレクターであるDeep Nishar氏がImprobableの取締役に就任する。

「Improbableがもつ技術は革新的なものであり、彼らのプラットフォームは世界中のゲーム業界にとって欠かせないものとなるでしょう」と彼は話す。「可能性はゲームだけではありません。彼らが生み出した巨大なスケールでのシュミレーションによって私たちがより良い意思決定を下せるような世界になるかもしれません」。

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(翻訳:木村拓哉 /Website /Facebook /Twitter