Reddit創業者のアレクシス・オハニアン氏がInitialized Capitalを去ることに

Reddit(レディット)の共同創業者であるAlexis Ohanian(アレクシス・オハニアン)氏が、2011年にGarry Tan(ギャリー・タン)氏と共同設立した投資会社であるInitialized Capital(イニシャライズド・キャピタル)を去る。ニュースサイト「Axios」が最初に報じ、TechCrunchが確認した。オハニアン氏がRedditの取締役会から公に退任した数週間後の動きで、後任にはY Combinator(Yコンビネーター)の社長Michael Seibel(マイケル・サイベル)が就いた

オハニアン氏は、2011年に700万ドル(約7億5000万円)の投資ビークルとともにInitialized Capitalを立ち上げた。サンフランシスコに拠点を置く同社はそれ以降大きく成長し、Flexport、Instacart、Cruise、Coinbase、Codecademyなどのアーリーステージで投資した。最近では2018年に同社の4号ファンドとなる2億2500万ドル(約240億円)の投資ビークルを立ち上げた(未訳記事)。

Initialized CapitalはTechCrunchへの声明で、オハニアン氏が同社を去るのは「テクノロジーの分野に限らず創業者らをサポートする新しいプロジェクト」に取り組むためだと述べた。Axiosによると同氏はInitializedを離れて、プレシードの案件への関与を深める。Ititializedはウェブサイトで、同社が関わる多くのチームがすでに製品を発売していたり、収益を上げる計画を持っていたりすると説明している。

「当社は製品とビジネスモデルが進化することは理解している。だが、チームがどのように製品を出荷し、協働できるかを非常に具体的に見るのは良いものだ」と同社は書いている。オハニアン氏がプレシードファンドを立ち上げた後に、この方法にどう変革をもたらすかが興味深いところだ。

オハニアン氏はコメントの要求に対し直接の回答を控えた。

これは言及する価値があると思うが、ベンチャーキャピタルでパートナーが離脱しても、それが明確な分裂につながることはほとんどない。Initializedは、オハニアン氏が法的関係により同社の既存の投資ビークルとポートフォリオ企業に引き続き関与すると確認した。同氏が現在取締役として名を連ねる会社の取締役会に今後も残るかは不明だ。取締役を務めるRo(ロー)は、コメントの要請に対しすぐには回答しなかった。

大きな問題の1つは、オハニアン氏の退任により会社のリミテッドパートナーシップ契約のキーマン条項が発動されるかどうかだ。リミテッドパートナーシップ契約で一般的な「キーマン」条項は、特定の人(通常は会社にとって重要な人材)が会社に継続的に所属し、積極的な投資家であることを求める。キーマン条項が発動されると、リミテッドパートナーには自らのファンドへの投資を守るために、新規雇用に関する権限からファンドへの投資の引き上げまで、さまざまな手段が利用可能になることが多い。

今回の場合、オハニアン氏がキーマンでなかったとしたら驚くべきことだ。同氏は主要なゼネラルパートナーの1人であり、会社の創業者でもあるからだ。

同氏は2018年にRedditの日常業務への関与をやめ、最近は警察の残虐行為に抗議した後、同社の取締役を退任した。同氏は、Redditに対して黒人の取締役を指名するよう要望した。Redditは最終的にY CombinatorのCEOであるマイケル・サイベル氏を選任してポジションを埋めた。

Initializedのもう1人の設立パートナーであるタン氏は、YCの初期の成長に貢献した。有名なアクセラレーターの内部ソフトウェアシステムとレイターステージの資金調達プログラムの開発を支援した。「タン氏はInitialized Capitalを今後もリードし続け、これまでの約10年と同様、優れた起業家を見つけて資金を提供していく」と同社はTechCrunchへの声明で明らかにした。「ギャリーとアレクシスは、長年の友人でありビジネスパートナーとして互いにコミットし続ける。同社はアレクシスの将来の活動を全面的にサポートしていく」。

Initialized Capitalは現在5億ドル(約540億円)の資産を管理しており、これまで200を超える企業に投資している。

追記:Danny Crichton

画像クレジット:TechCrunch

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(翻訳:Mizoguchi

マットレスの直販で成功したCasperのスタッフが今度は高級ドッグフードの直販に挑戦

ベッド用マットレスで成功したCasperの元メンバー3人が作ったスタートアップであるJinxは、CEOのTerri Rockovich(テリ・ロコビッチ)氏の言い方では「Casperのやり方」でドッグフードを売る。

同社はオールスターのような顔ぶれの投資家たちから565万ドル(6億1300万円)を調達した。その面々はInitialized CapitalのAlexis Ohanian(アレクシス・オハニアン)氏、Align Ventures、Brand Foundry、Wheelhouse Group、Will Smith(ウィル・スミス)氏と彼の家族、ラッパーのNas、歌手のHalsey(ホールジー)、YouTubeのスターで深夜番組のホストであるLilly Singh(リリー・シン)氏、テレビのパーソナリティーで元NFLのスターであるMichael Strahan(マイケル・ストレイハン)氏だ。

ロコビッチ氏はCasperで顧客獲得定着マーケティング担当の副社長だったとき、のちにJinxの共同創業者となるSameer Mehta(サメール・メタ)氏とMichael Kim(マイケル・キム)氏に出会った。3人とも犬大好き人間で、3人とも食べ物の好き嫌いの激しい犬に給餌した経験がある。そして3人とも、もっとミレニアル世代の消費者の感覚に合ったブランドに飢えていた。

しかしそれは、ふつうのドッグフードを変わったやり方で売ることでもない。ロコビッチ氏によると、米国では犬の56%が太り過ぎまたは肥満だ。そこで大きな栄養士団体から出向しているJinxの栄養士は、ほどほどにアクティブな動物のための、オーガニックなプロテインと起源が多様なプロテインと消化しやすい炭水化物から成るフードとおやつを開発した。

Jinx

Jinxの計画では、最初の製品を1月に発売する。ターゲットは、一定のライフスタイルを持った飼い主たちだ。例えば、アパートに居住、散歩を犬の散歩士に頼んでいる、ベッドで犬と一緒に寝るなどのライフスタイルだ。そして彼らに、これまで使っていたドッグフードの原料をよく調べるよう教育する。それは、Jinxで買ったものか、それともよそで買ったものか。

ロコビッチ氏は「身体の中に入ってライフスタイルの原動力になるものを作るのは、すごくシリアスな仕事である。私たちはそれを強く意識している。正直に言って、最初のスケジュールより遅れている。すべてを正しくやらなければならなかったから」と語る。

価格に関して同氏は「Jinxは高額商品になる」とコメント。高級ドッグフードのブランドをご存知の方のために申し上げると、それはBlue BuffaloとOrijenの中間ぐらいだ。ウェブサイトから消費者に直接売るが、ロコビッチ氏によるとCasper時代に学んだのは特にリテールの場合のIRLプレゼンス(In Real Life、オフライン性、実物性)の重要性だ。

関連記事:人間の食事並みの高級ドッグフードを犬の特性に合わせて調整するOllie

画像クレジット: Jinx

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

教師の住宅購入を支援するLanded、750万ドルを調達

教師の給料が低いのは周知の事実だろう。だが住宅はとても高額だ。その状況を変えようとしているのが、最近、Initialized CapitalがリードするシリーズAラウンドで750万ドルを調達したLandedだ。

Landedは頭金を援助することで、教師たちの自宅の購入の手助けをする。住宅がないために多くの教師が仕事を辞めており、たとえば、カリフォルニア州のバークレーでは、学区の従業員の半数以上が、家賃が高いために退職を検討していると報告している。

「私たちの使命は(教師たち)にとって経済的に安全な環境を築き、彼らが自分たちの地域社会に献身的であり続けられるように支援すること」

そう話すのはLanded共同創業者のAlex Lofton。

「我々は可能な限り人々の理想を叶えるため、柔軟な対応を心がけている。そのため、特定の都市で(住居を)買うように要求することはない」(Lofton)

Landedは、これまでに、サンフランシスコのベイエリア、デンバー、およびシアトルで200人以上の教育者の住宅購入を支援してきた。

Landedが現在提供するサポートの最大額はベイエリアだと12万ドル。Loftonによると、通常、ユーザーはそれよりも少ない金額を受け取るそうだ。一部の市営の住宅支援プログラムとは異なり、Landedでは収入による制限を設けていない。Loftonいわく、ユーザーの多くは市営のプログラムを利用するには収入が高すぎるのだという。

Landedは、テック企業のIPOの影響で市場がより困難な状況になることを想定している。だが、Loftonは「IPOによる影響はある」と説明しつつも「(Landedの)ミッションは終わりではない」と加えた。

確かに潜在的な住宅購入者を落胆させるような状況ではあるが、Landedでは他市場での展開、そしてサービス提供エリアの拡大に向けての準備ができている。

調達した資金をもとに、Landedはより多くの都市でのサービス展開、そしてK-12(幼稚園の年長から高等学校を卒業するまでの13年間の教育期間)の枠組みの外の教師たちを援助するため、加速する。

(本稿は米国版TechCrunchの記事を翻訳・編集したものです)

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企業に健康食を配達するOh My Greenがシード資金として$20Mを調達、全米展開を目指す

Oh My Greenは、Initialized Capital, Powerplant Ventures, Backed VC, ZhenFund, Talis Capital, そしてStanford StartX Fundらによる最初の本格的な投資ラウンドで2000万ドルを調達し、アメリカ中のオフィスに健康的な食べ物を届けようとしている。

このコンシエルジュ的なサービスはアクセラレーターY Combinationを2016年に終了して、サンフランシスコやロサンゼルス、シアトル、シカゴ、オースチン、デンバー、ボストン、ニューヨーク、そしてナッシュビルの企業に、正しい栄養学に基づくおやつや食事を提供している。同社はオフィスのおやつ戸棚の在庫を満たし(テクノロジー企業にとっておやつは必須である)、イベントのケータリングをやり、(企業の)カフェを管理し、(企業の)健康事業(ダイエットなど)を手伝う。同社の目標は、企業の健康的な食生活のためのワンストップショップ(なんでもできる)になることだ。

同社は2014年にサンフランシスコでMichael Heinrichが創業した。今週初めに彼と交わした会話によると、彼は本誌TechCrunchのおやつ戸棚を認めないらしい。なにしろ、一年前のスキットルズ(フルーツキャンディー)やエムアンドエムズ(チョコ)やフルーツバイザフット(グミ)があるんだからね。

彼は語る: “自分の人生で、もっと意味のあることをしたかったんだ。難しい仕事をいろいろしてきたし、そこで出会った人びとや問題も楽しかったけど、でも日常手に入れられる食べ物を見ると、加工しすぎや砂糖の使い過ぎのものがとても多い”。

“シュガークラッシュ(sugar crash, 糖質の摂り過ぎ→禁断症状による低血糖症)で仕事の生産性がガタ落ちになったとき、文句を言わずに自分で違いを作りだすべき、と気づいたんだ”。

Oh My Greenは機械学習を利用して顧客たちに個人化された推奨おやつや推奨食事を提供している。企業顧客は今約200社で、その中にはLyft, Apple, Y Combinatorなどもいる。今回の投資は全米展開に注ぎこみ、いずれは海外進出を目指す。

関連記事: The Lobbyは求職者のためにウォール街(一流金融業界)のウォール(壁)を壊す

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Yコンビネーターのタガルとタン、Redditの共同ファウンダーと共に3900万ドルのファンドを立ち上げ

Y Combinatorのパートナー、Garry TanとHarj Taggarは、初期段階スタートアップの「東海岸大使」でRedditの共同ファウンダー、Alexis Ohanianと共に、3900万ドルInitialized Capitalを設立した。本日(米国時間8/1)のSEC提出資料による。

3人はいずれもこの数年間それぞれ個人的に投資を行っており、Initialized CapitalにY Combinatorとの公式なつながりはない。彼ら独自のファンドだ。

彼らはまず質の高い起業家を探し、次にその会社が攻めようとしている市場を何らかの形で支援あるいは理解しようと試みる。ファンドはあらゆる会社が対象であり、Y Combinatorプログラムに参加していたかどうかによらない。

これは彼らにとって2番目のファンドで、以前には700万ドルを集めてZach VerdinのNew Hiveなどの会社を支援している。

Y Combinatorはこれまで、1万1000ドルおよびファウンダー1人につき3000ドルと引き換えに、スタートアップの2~10%を手に入れてきた。時には、それ以上投資することもある。しかし、歴史的に本格的な追加投資を行ったことはなく、それはエンジェルやベンチャーキャピタル会社のより広いコミュニティーの手に任せている。

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(翻訳:Nob Takahashi)