Instagram、ダイレクトメッセージの専用アプリをテスト中

Instagramは2012年にFacebookに買収されて以来、大きく変わってきた。

初期のコンセプトは実にシンプルだった。わずかなクリックで写真を美しくして友達と共有する。スクロールとダブルタップで友達の写真にいいね!をつける。

今やInstagramにはビデオやGIFアニメ(Boomerang)もある。独自のスーパースター集団もいて、アルゴリズムを利用したフィードは、スターたちがユーザー(私を含む)のフィードを占拠するのに一役買っている。そして今度はダイレクトメッセージシステムだ。

本日(米国時間12/7)Instagramは、スタンドアロンのInstagram Directアプリを公開し、テストを行っている。現時点でこのアプリを利用できるのは、ウルグアイ、地理、トルコ、イタリア、およびイスラエルのみ。

The Verge が最初このテストに気づいた。

Instagramはこのテストについこう言っている。

われわれは、Instagramがユーザーのあらゆる瞬間を保管し、親しい友達と共有する場になることを望んでいる。そうやって人と人とが簡単に楽しくつながるために、Directのテストを開始した。DirectはカメラファーストのアプリでInstagramアプリとの間をスムーズに行き来する。

新アプリでは、ストリーリーの作成と共有ができるほか、特別なフィルター、BoomerangをはじめとするInstagramのクリエイティブツールを利用できる。そして、もちろんInstagramの友達は全員新しいInstagram Directアプリにも即時に追加される。

ここで疑問がわいてくる。すでにInstagramで利用できる機能をなぜ別アプリにするのか?一番わかりやすい答えは、InstagramがSnapchatに向けた集中砲火の一つだということ。

実際うまくいっている。去る1月にTechCrunchはInstagram StoriesがSnapchat Storiesの利用を減少させたと報じた。プライベート性が高く、1対1の親密な会話がコンセプトのInstagram Directは、Snapchatのダイレクトメッセージ機能に同じような効果を与える可能性が高い。

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Messengerとの関係も気になる。FacebookはFacebook Messenger Kidsを公開したことで、Facebookプラットフォームに若年層を呼び戻す方針を明確に打ち出した。Instagram Directは、その戦略の一環かもしれない。

現在われわれの手元にある詳細情報は(これを詳細といえるなら)、このアプリはInstagramがバグを修整しユーザーフィードバックに答えたあと、来年に全世界で提供されるということだけだ。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Instagram Directは人気機能となるだろうか?

すでにご存知のことと思うが、InstagramはInstagram Directという、プライベートなメッセージング機能をリリースしている。

特定の人々にのみ写真を送り(最大15人まで)、そして送られた人たちの間のみでいろいろとチャットを楽しもうというものだ。

新機能は人気を集めていくだろうか。

まず、ともかくInstagramにプライベートなメッセージング機能を持たせることは必要なことだったと思う。FacebookやInstagramが公開性に注力している中、SnapchatやTwitterなどのライバルがダイレクトメッセージ(個人間のメッセージのやりとり)機能を充実させ、それで人気を集めている面もあるからだ。

しかしInstagram Directは、他のアプリケーションからの乗り換え組が出るような魅力は備えていないように感じる。

また、スマートフォンが総体としてなんでもできれば良いのであって、ひとつのアプリケーションでなんでもかんでもやろうとする必要はないのだと主張する人もいる。

そうした考えを念頭に置きつつ検討してみたが、取り敢えず明らかに言えることがひとつある。Instagram Directにはオリジナリティーが全くないということだ。

議論の詳細は上に掲載したビデオをご覧頂きたい。

原文へ

(翻訳:Maeda, H


サービスの方向性が迷走し、新たな可能性は感じられない。Instagram Directは失敗だと思う

友だちは誰もInstagram Direct(IGDと略す)を使っていないようだ。少なくとも今のところは使っていないらしい。先週の木曜日にスタートしてから、これまでに受け取ったIGDメッセージは2件だけだ。その間、頻繁にメッセージのやり取りをする友だちのうち20名以上がInstagramに画像を投稿している。あるいはやはり同一期間内で、18名から60通ほどのSnapchatメッセージを受け取った。始まったばかりのサービスを云々するのは時期尚早なのかもしれないが、しかしどうやらIGDは失敗に終わるのではないかという思いを強くしつつある。

もちろん根拠を示すためのデータがあまりに個人的なものではある。しかしいろいろ考えても、やはり自分の考えが正しいのではないかと思うのだ。

多くの人が使うサービスの中で、新しい機能を提供してもあまり流行らないことが多いという一般論もある。しかしInstagramについては当てはまらなそうだ。Instagram Videoは、かなり広まっているようにも思えるからだ。IGDの問題は「新しい機能」ではなく「全く違うもの」を同じ器に盛ろうとしたことにあると思う。

Instagramは、写真をみんなと共有したいと願う人々の気持ちに訴えて大流行することとなった。写真を撮って(今はビデオにも対応している)、それをシェアする。より正確に言えば、フォローしている人たちとシェアする。今回、IGDの導入により、Instagramはプライベートな共有空間の構築を目指すこととなった。写真やビデオを撮って、それを知り合いないし、知り合いグループに送るという使い方だ。この両者は、コミュニケーションのスタイルとして全く異なるものであると思うのだ。

これまでの利用パターンと全く異なる利用法を提示して、それでもアプリケーションを使ってもらおうというのはなかなか難しい話だ。また、その「全く異なる利用法」が、他のアプリケーションで行えることであるとなれば、難しさは一層増すことになる。

もし限られた人とのみ写真を共有したいのなら、テキストメッセージで掲載場所を伝えたり、メールしたり、あるいはFacebookのメッセージング機能を使って行えば済む話だ。いずれもIGDよりも自由に使うことができる。たとえば送られてきた写真に、別の写真でレスポンスすることもできる。ちなみにIGDでこの機能を搭載していないのは、個人的には最大の謎だ。また、少しの人と写真をシェアしようとするのに手間が掛かり過ぎるのも問題だ。送る人を選んでタイトルを付けるという作業に時間がかかりすぎるように思う。仲間内で手軽に写真をシェアして愉しむという目的に沿っていないように思うのだ。

そしてこの分野にはもちろんSnapchatという存在がある。Snapchatは目的もはっきりしていてメッセージが消滅するという特徴もあり、利用者を惹きつけている。メジャーなメッセージングサービスにはメッセージが自動的に消えるという機能はなく、あまりに馬鹿馬鹿しいものや、あるいはちょっときわどいものなどを送りたいときには、自然とSnapchatを使いたくなるというわけだ。

まとめてみるなら、Instagram DirectはInstagramとは「違いすぎ」、しかしながら「新たな可能性はない」というところにあるようだ。

実はFacebookは、このことを以前に学習済みだ。もちろんSnapchatへの対抗ビジュアルコミュニケーションツールとしてのPokeをリリースした際の話だ。この試みは失敗に終わった。Facebookとしては「こちらのツールを使ってくれ」と言っていたわけだが、利用者にとっては乗り換えるメリットが全くなかったのだ。しかもFacebookは、何かを半永久的にシェアする場所として利用されることが多い。そのような中、Facebook上に自己消滅型メッセージをやりとりするというのは違和感を与えるものでもあったのだ。また、これまでにプライバシー面でも問題をいろいろと指摘されたこともあるわけで、利用者としては、本当にメッセージがきちんと消滅するのかどうか危ぶんだという面もあるだろう。いずれにせよ、Pokeが単なるSnapchatのクローンであり、新たな可能性をもっていなかったことに失敗の要因がある。

個人的には、Instagramがメッセージング機能を実装することには賛成で、先週にはInstagramはプライベートメッセージングを提供すべきだという記事も書いた。利用者がより多くの時間をサービス上で過ごすようにする仕掛けが必要だという視点から記したものだ。しかし実装にあたって、Instagramは自身のサービスを補完するものとしてではなく、ライバルに表面的に対処するようなものを作ってしまったように感じる。Instagramは、写真を利用したメッセージのやり取りを簡単に行えるような仕組みや、あるいは既に公開している写真についての話が行えるようなツールを構築すべきだったのではなかろうか。他のアプリケーションでもできるようなことではなく、Instagramならではのエクスペリエンスを提供する仕組みを熟考すべきだったと思う。

Instagramは、カメラとソーシャルネットワークをダイレクトに結びつけることにより、写真のあり方を変えた。Instagram Directは、何も新しい面白さを提供してくれないように感じている。

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(翻訳:Maeda, H