インスタはカラオケ歌詞表示でTikTokに一歩先行

リップシンク(口パク)は、TikTokInstagramに代わって、ティーンズカルチャーの中心に急浮上させた。そこでFacebookの所有するInstagramは、新しい機能で反撃に出た。Musicスタンプ機能を使って追加したビデオStoryのサウンドトラックに、歌詞(Lyric)を同期表示させることができるようになるのだ。歌詞が表示されることで、クリエイターとファンたちが一緒に歌うことができるようになる。そして視覚的なきらめきは、アマチュアMTVコンテンツを、より見栄えのするものにしてくれるだろう。

Instagramが、歌詞付きStoryのデモビデオとして、「怖いポップ現象」として人気を誇るBillie Eilishをフィーチャーしたところ、絶大な支持を得た。このビデオはInstagram Musicが提供されているすべての国(米国、ドイツ、そしてフランスなど。ただし現在日本ではまだ提供されていない)で視聴可能になっている。

この機能を利用するには、撮影する前にMusicレンズタイプ(オプションとしてはBoomerangなど)を選ぶか、撮影後にMusicスタンプを選択する。曲を選ぶと、音楽の再生したい部分を特定するのに役立つ歌詞が、ポップアップ表示される。その後は、伝統的なカラオケ歌詞表示、歌が進むにつれて表示されて行くタイプライター型、そして大きくピカピカしたビルボードフォントなどの中から、スタイルを選択することができる。

「MusicはInstagram上での表現で大きな部分を占めることが可能です。Storyに音楽を加えることと、アーティストとつながること、歌の録音を送り合うことなど、Instagramの上で音楽とつながる手段は沢山あるのです」とInstagramの広報担当者は私に語った。「現在私たちは、音楽機能を開発しながら、ユーザーがストーリーに歌を追加したときに歌詞も追加できる機能も追加しているところです」。Instagramが提供してきたほとんどすべてのものと同様に、この機能はまず、TechCrunchにしばしばタレコミを行うリバースエンジニアリングマスターのジェーン・マンチュン・ウォン(Jane Manchun Wong)氏によってAndroidのコードから掘り出されて、世界へ知らされることになった。彼女が最初にLyrics気が付いたのは3月だった。それを受けて私たちは4月にプロトタイプについて言及した記事を書いている。

だがTikTokもただ待っているわけではない。本日TikTokは、ビデオにオーバーレイされたキャプションを加える、独自のテキスト機能を開始した。通常、クリエイターたちがテキストを加えるためには、Snapcat、Instagram Stories、またはデスクトップ編集ソフトウェアを使用する必要があった。クリエイターたちが、TikTok上のテキスト表示のための、爆笑もののユースケースをたくさん見つけてくれるのは確実だ。そしてそれは、これまでキャプションを紙の上に書いて、クリップの中で見せるという、よくあるやり方を置き換える手助けになるだろう。

こうした機能のすべてが、ソーシャルビデオの鮮度を保つためのものである。The Atlantic上でTaylor Lorenzがきっちりと示したように、手入れの行き届いた、骨の折れるポーズをとるInstagramの美学は終わりを告げたのだ。ファンは完璧さにうんざりしていて、それは嫉妬を生み出し、偽物や不正なもののように感じさせている。コメディ、不条理、そして現実世界の生々しさが、ソーシャルメディアの新しい「外観」になりつつある。歌詞とテキストをオーバーレイするためのツールは、より複雑なジョークを表現したり、単に馬鹿げた振る舞いをする自由をクリエイターたちに与える。Billie Eilish自身のおどろおどろしくシックなファッションと、彼女自身の不安を表現しようする意欲に対する人気の高さは、このシフトを示す例だ。なので彼女をビジュアルコミュニケーションの次の波を表す顔として使ったInstagramはスマートなのだ。

【Japan編集部追記]現在日本ではInstagram Musicそのものがまだ提供されていないため、歌詞表示機能も提供されていない。

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(翻訳:sako)

Instagramインフルエンサーの何百万もの個人情報がネットに晒される

Instagramの何百万人ものインフルエンサー、著名人、ブランドアカウントの連絡先情報を含む膨大なデータベースがオンラインで公開されているのが発見された。

そのデータベースは、Amazon Web Servicesによってホストされていて、パスワードも付けず誰でも中身を見られる状態で公開されていた。この記事を書いている時点では、データベースには4900万件を超えるレコードがあり、数時間に渡って増加し続けていた。

そのデータをざっと見てみると、各レコードにはインフルエンサーのInstagramアカウントから抜き出した公開データ、つまり履歴、プロフィール画像、フォロワー数、検証状態、国、都市レベルの住所、などが含まれている。しかし、それに加えて非公開の連絡先情報、つまりアカウント所有者の電子メールと電話番号も含まれているのだ。

このデータベースを発見したのは、セキュリティ研究者のAnurag Sen氏だ。彼は、TechCrunchに一報を入れるとともに、データベースの所有者を探し、データを保護しようと務めた。データベースの所有者は、ムンバイに本拠を置くソーシャルメディアマーケティング会社であるChtrboxであることが突き止められた。インフルエンサーを雇って、スポンサー付きのコンテンツを各自のアカウントから投稿させる会社だ。データベース内の各レコードには、個々のインフルエンサーのアカウントの価値を算出した数字も含まれている。フォロワー数、エンゲージメント、リーチ、お気に入りおよび共有の数に基づいて計算したものだ。この数字は、その会社がInstagram上のインフルエンサーや著名人に、広告の投稿に対して支払うべき金額を決める際の指標として使われる。

TechCrunchは、公開されたデータベースの中に、何人もの有名なインフルエンサーが含まれていることを確認した。その中には、著名なフードブロガー、著名人、また他のいろいろなソーシャルメディアのインフルエンサーも含まれていた。

我々は、データベースに情報が含まれていた何人かをランダムにピックアップして連絡を取り、電話番号を確認してもらった。そのうちの2人から返答があり、データベースに載っていた電子メールアドレスと電話番号は、彼らがInstagramアカウントの設定に使っていたものであることを確かめてくれた。いずれの人も、Chtrboxにはまったく関与していなかったとのことだ。

われわれが連絡を取った直後に、Chtrboxはデータベースをオフラインにした。同社の創立者兼CEOのPranay Swarup氏は、これについてのコメントのリクエストには応じず、同社がどうやってInstagramアカウントのプライベートな電子メールアドレスと電話番号を入手したか、といった質問にも答えてはくれなかった。

今回の漏洩は、Instagramがデベロッパー向けAPIのセキュリティ上のバグを認めてから2年も経過してから明らかになったもの。そのバグを利用して、ハッカーは600万のInstagramアカウントから電子メールアドレスと電話番号を入手したのだった。その後、ハッカーはビットコインと引き換えに、それらのデータを売り払っている。

今や10億人以上のユーザーを抱えるInstagramは、そのバグの発覚から数カ月後に、単位時間あたりのAPIの呼び出し回数を絞っている。アプリやデベロッパーが、プラットフォームに対して発行できるリクエストの数を制限するためだ。

Instagramを所有しているFacebookは、この問題について現在調査中だとしている。

「私たちは、ご指摘のあった電子メールや電話番号を含むデータが、Instagramから出たものなのか、あるいは他の情報源からのものなのかを判断するために調査中です」とFacebookは答えた。「私たちは、Chtrboxにも連絡して、そのデータがどこから出たものか、どうしてそれが公開されてしまったのかについて問い合わせています」と、付け加えている。

アップデート:Facebookからのコメントを受けて記事を更新済み。

画像クレジット:Jaap Arrien/Getty Images

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

Instagramは「いいね!」数の非表示などの新機能をカナダで公式テストへ

もしInstagramの投稿に「いいね!」の数が表示されなかったら、どう感じるだろう? 妬ましい気持ち、恥ずかしさ、対抗意識は減るだろうか。Instagramは、そんなふうに考えている。カナダで始める実験では、投稿を見る側の人からは、「いいね!」の数がわからないようにしている。

投稿した人は、相変わらず「いいね!」ウィンドウを開けば、投稿にハートマークを付けたすべての人の名前を確認できる。Instagramは最近、プロフィールのデザインを変更して、フォロワーの数をそれほど目立たないようにもしている。これは、アプリの責任者Adam Mosseri氏からの情報だ。

たとえ表示されなくても「いいね!」の数の合計は、Instagramのアルゴリズムによるフィード内の投稿のランク付けには影響するはずだ。それでも、この非表示設定が全ユーザーに展開されれば、Instagramはもはや人気コンテストではなく、自身を表現するメディアとしての性格が強いものになる。

ユーザーも、「いいね!」の数が少ないからという理由で写真やビデオの投稿を削除してしまうことが少なくなるかもしれない。あるいは、いわゆる「フィンスタ」アカウントを使って、完璧ではないがフェイクでもないものを投稿しようという気持ちも薄れるかもしれない。友達やインフルエンサーが、自分よりも多くの「いいね!」をもらっているかどうかも分からなくなるので、妬みの気持ちに悩まされることも少なくなるかもしれない。そして、ちょっとゴタゴタしているとしても、本当の自分を表現しようと思うようになるかもしれない。なぜなら、もう「いいね!」の数で競い合うことはないのだから。

「今週(カナダ時間5月第1週)後半から、フィード、パーマリンクのページ、プロフィールで、写真やビデオに「いいね!」の数を表示しないようにするテストをカナダで始めます」と、Instagramの広報担当者はTechCrunchに明かした。

「このテストの目的は、『いいね!』の数ではなく、ユーザーが共有している写真やビデオそのものに、フォロワーが注目するようになってくれることです」。このテストに参加するのは、カナダのユーザーのごく一部だが、フィードの最上部に「いいね!の表示方法の変更」といった注意が表示される。今回の発表は、FacebookF8カンファレンスで、多くの新製品の紹介と並んで明らかにされた。

1つ大きな懸念がある。インフルエンサーが報酬付きのプロモーションに抜擢されたり、スポンサー付きのコンテンツを投稿する場合、「いいね!」の数や「いいね!」を付けた人のリストのスクリーンショットで評価される場合が多いことだ。「それが多くのクリエイターにとって重要であることは理解しています。このテストはまだ予備的な段階にありますが、彼らがブランドパートナーに自分の価値を伝える方法については別途検討しています」と、Instagramの広報担当者はTechCrunchに語った。

TechCrunchは2週間前、Jane Manchun Wong氏の発見によって、Instagramが「いいね!」数を公開しないようなプロトタイプを作成していることを初めて記事にした。Instagramは、その機能が開発されたことは認めたが、まだ公にはテストしていないとしていた。そのニュースは、またたくまに、多くのユーザーからのコメントの嵐を巻き起こした。多くの人は、最初はショックを受けたものの、Instagramの利用が健康的なものになり、ちっぽけな数字に中毒的に囚われることも少なくなるだろうと思うようになったようだ。

ところで、なぜカナダでテストするのだろうか?「カナダ人は非常に社交的でテクノロジーに精通しており、毎月2400万人を超える人たちが、私たちのアプリのファミリーを通してつながっています。私たちは、Instagramの盛況なコミュニティの中で、デジタル慣れしたユーザーに対して、この機能をテストしたかったのです」と、Instagramの広報担当者は説明している。

いじめとの戦いをリードする

F8のステージでMosseri氏は、Instagramがいじめを防ぐだけでなく、いじめに対するインターネットの戦いを主導したいのだという決意を明らかにした。その考えに沿って、Instagramのアプリの中毒性を軽減し、憎悪を助長することのないものにするため、以下のような新機能のテストも発表した。

  • ユーザーが何か攻撃的なコメントをしようとしている場合、新たな「ナッジ」機能が警告してくれる。この機能は、検閲には当たらないが、実際にいじめが起こる前に対処することができる。
  • 「アウェイモード」は、ユーザーがInstagramからちょっと離れて一息つけるようにする。たとえば転校など、人生の重要な時期に設定することを想定したもの。アカウントを削除することなく、継続的な通知から開放され、人からどう思われるかを気にする必要がなくなる。
  • 「交流の管理」では、ユーザーが特定の相手をやりとりする際の限度を設定できる。相手を完全にブロックする必要はない。たとえば、投稿にコメントして欲しくはないが、「いいね!」は付けてもいい、といった相手に使える。あるいは、投稿した写真が見られることは何とも思わないが、ダイレクトメッセージは受け取りたくないという相手にも有効だ。

こうした機能に、デジタル社会を健全なものにする効果があると認められれば、Instagramは全ユーザーが使えるものにするつもりだ。

創立者のKevin Systrom氏とMike Krieger氏が去った後でも、このようにInstagramが健全な利用を意識した新機能を追加しようとしていることは心強く感じられる。特にSystrom氏は、ソーシャルメディア上の妬みと偽りを減らすことの必要性を強く提唱してしていた。そのためもあってInstagramは、ユーザーが生活の中の飾らない自分を表現できる「ストーリー」を開発したのだった。昨年9月に彼が会社を去る前に、Instagramは「アクティビティダッシュボード」を導入して、1日あたりのアプリの平均利用時間を表示可能にした。さらに「コンテンツは以上です」の表示を加えて、過去2日以内の新規投稿がすべて既読になったことを明示し、それ以上スクロールしなくても済むようにした。

Krasnova氏らによる2013年の研究によれば、その実験に参加した人が、妬みが元になった状況に遭遇したうちの20%がFacebook上でのことだった。研究結果は、Facebookが有害な嫉妬を引き起こしていると結論づけている。

「ただ単に他人をフォローしているだけでも、長期的にはユーザーの人生の満足度を低下させる傾向にある。それが社会的な競争意識の引き金となり、不愉快な感情を刺激するからだ」としている。

Instagramの場合、イメージ作りや見映えを気にした外観に重点を置いているのだから、嫉妬の度合いはさらに強くなるかもしれない。「いいね!」の数を隠すことは、自分自身を判断し過ぎないようにすることへの、確かな一歩になるのだろう。

以下のバナーをクリックすると、Facebookのデベロッパーカンファレンスに関するTechCrunchの記事の一覧をチェックできる。

訂正:Instagramは当初、投稿した本人からも「いいね!」の数が見えないようにしたとしていた。しかしその後、「いいね!」数が見えなくなるのは投稿を見る側の人からだけだと訂正したので、それに合わせて記事も修正した。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

Instagramはクリエイターやインフルエンサーによる直売を可能に

Instagram(インスタグラム)では今、マネタイズ(収益化)が最大のテーマとなっている。米国時間4月30日、FacebookはF8デベロッパーカンファレンスで、その最新の成果を発表した。Instagramでは、クリエイターが商品にタグを付けることで、投稿やストーリーを見た人に直接販売することができるようになるという。

今のところこの機能は、Instagramが米国内で試行している新たなチェックアウトのベータプログラムに参加しているビジネスアカウントによってタグ付けされた商品でのみ有効だ。

このような機能は、このところInstagramが商取引に注力しようとしている大きな流れの一環だ。これまでにも見られた、消費者至上主義を擁護し、インフルエンサーがInstagramの何十億ものユーザーに働きかける環境を整える、といった流れを大きく発展させるものだ。

Instagramはまた、ストーリーに寄付ステッカーを追加することも明言した。これは、TechCrunchが数カ月前に報じたことが現実となったもの。

クリエイターやインフルエンサーがタグを付けられるようになるのは、商品へのタグ付けという観点からすれば大きな進展となる。これまでは企業やブランドのアカウントにのみ可能で、個人には許されていなかったからだ。

ただし、現時点での目的は、クリエイターがそうした商品の売上に対して手数料を受け取れるようにすることではないようだ。Facebookは「現時点では」投稿を見た人がリンクをクリックして実際に買い物をしても、投稿したクリエーターがその分け前を得ることはないとしている。これは、やがてはそうなるという意味かもしれない。

むしろ重要なのは、クリエイターが身に着けているのは何か、それはどこで売っているのか、といったような質問が何度も繰り返されるのを防ぐことだという。「すでにコメントやダイレクトメッセージを使って商品について質問をすることで、クリエイターから買い物をしている人たちもいます」と、広報担当者は説明する。「商品にタグを付けることで、クリエーターは自分のフォロワーが欲しがっている情報を提供できるようになります。それによって、自分を表現したり、考えていることを共有することに集中できるのです。それは結局フォロワーにとっても良いことなのです」。

とはいえ、もちろんInstagramにも抜かりはない。広報担当者によれば、クリエイターには、エンゲージメントや買い物についてのインサイトなど、ショッピング投稿に関する詳しい情報を提供することになるという。インフルエンサーとしての地位によって生計を立てているような人にとって、ブランドとの報酬の交渉を有利に進める上で、こうした情報は長期的に役立つものとなるはずだ。

Instagramは、最初は少数のクリエーターで、数週間テストすることにしている。例えば、Gigi HadidKim Kardashian WestKris JennerKylie JennerLeesa Angelique(@saytheleesの運営者)といったアカウントが対象となる。

「私の仕事は、美しさの秘密とコツを共有することです」と、彼女は新機能について語った。「私はこれまで、使っている新製品について長々と詳しい説明を書いていました。このツールがあれば、私が身に着けているものについて、どこで買ったのかということから細かなことまで、本当に簡単にみなさんに知らせることができるようになります」。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

今週のサイバーセキュリティ関連ニュースまとめ

今週も忙しかった。 サイバーセキュリティに関するものだけでも、すべてのニュースについていくのは大変だ。そこで、今週の重大なサイバーセキュリティ関連記事を、TechCrunchに掲載されたものを中心に、いくつか集めてみた。最新のハッキング、プライバシー侵害、セキュリティに関する話題。どれも知っておくべきものばかりだ。

Facebookはパスワード漏洩が「数百万」のInstagramユーザーに影響を及ぼしたことを表明

TechCrunch:William Barr司法長官が、非常に期待されていたMuellerのレポートの概要を1週間以内に発表することにしたというニュースに世間の注目が集まっていた最中、Facebookは自ら1ヶ月前に公開したブログ記事を密かに書き変えていた。数年に渡って放置されていた、パスワードを平文で保存するというバグによって影響を受けたInstagramのアカウントの数を変更していたのだ。Facebookは、最初に見積もった「数十万」ではなく、「数百万」のアカウントが影響を受けていたことを認めた。そのタイミングは偶然ではなかった。Facebookにとって良くない知らせを隠すための絶好の機会だったのだ。CNNのDonie O’Sullivan氏は、これを、米国の中間選挙の前日に、Facebookがミャンマーでの大量虐殺に果たした役割を詳しく記した報告書を削除して以来、「最も卑劣な」行為だと非難した。

【日本語版関連記事】
Facebookがパスワードが漏れたInstagramユーザー数を「数百万人」に訂正

ユタ州は警察が令状なしにデジタルデータを検索することを禁止

Fobes:プライバシー擁護派には朗報だ。今週、ユタ州では合衆国憲法修正第4条の大きな抜け穴がふさがれた。以前は、州の法執行機関は、インターネットプロバイダーや、クラウドプロバイダーに対する召喚状さえあれば、誰のものであれ、電子メール、写真、ビデオ、オーディオといったデジタルコンテンツにアクセスすることが可能だった。今後は、HB 57、つまり電子情報またはデータのプライバシー保護法の導入によって、警察は相当な理由に基づく令状を必要とするようになった。もはや、令状なしの法的尋問は許されない。

謎のエージェントがイランのハッカーをハックしてコードを破棄

Wired:今週のニュースに埋もれそうになっていた驚くべき発見がある。未だ何者か知れない誰かが、OilRigまたはAPT34として知られるイランのハッカーグループの秘密を、Telegramチャンネルで暴露し始めたという。これは、Alphabetのサイバーセキュリティ会社、Chronicleからの情報だ。もし事実なら、これはそのハッカーグループの運用上のセキュリティに対する壊滅的な侵害となるだろう。Shadow Brokersが、NSA(米国家安全保障局)によって開発された極秘のハッキングツールを盗んで公開してから、まだほんの2、3年しか経っていない。

ウェザーチャンネルが1時間以上オフラインに

ウォールストリートジャーナル:米国時間4月18日木曜日、The Weather Channelはランサムウェアの攻撃により、1時間以上にわたってオフラインとなった。ウェザーチャンネルのツイートによると、バックアップシステムを使って起動した後で、ようやくライブ番組を回復させることができたという。FBIは調査中と述べている。これは、アルミニウムメーカーのNorsk Hydroや、飲料大手のArizona Beveragesに続く、ランサムウェアが大企業を襲った最新の事例だ。

ムラーレポートから、選挙のハッキング、暗号化されたメッセージ、トロール工場など

TechCrunch:2016年の米大統領選挙から2年、ロシアによる選挙妨害に対する特別検察官による捜査は終了した。TechCrunchは、技術的な視点から、次のような知っておくべきポイントを取り上げた。つまり、背後にロシアがつくハッカーがHillary Clinton氏の選挙運動に侵入した方法、暗号化されたメッセージングアプリを使って捜査を妨害した方法、ロシアによる選挙システムへの侵入はどの程度成功したのか、トロール(荒し)工場とその偽情報が選挙に対してどのような役割を果たしたのか、などについて解説した。

【日本語版関連記事】
ムラー特別検察官報告の公表で民主党ヒラリー候補の大統領選に新しい光

FTCはプライバシー侵害についてマーク・ザッカーバーグ氏との対決を望む

ワシントン・ポスト紙コロンFacebookは、これまで以上にFTC(連邦取引委員会)から厳しい視線で見られている。今週のレポートによると、ソーシャルメディア大手の創立者であるMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏もFTCの照準に入る可能性があるという。これは、Cambridge Analyticaのスキャンダル以降の、Facebookに対する継続的な責任追求の一環だ。その後も、次から次へとセキュリティに関する事件が起こり、消費者データの不適切な管理や、重大な倫理規定違反があったことを受けてのもの。

サイバーセキュリティ会社Verintがランサムウェアにやられる

ZDNet:サイバーセキュリティ会社のVerintも、今週ランサムウェアの被害を受けた。「この上ない皮肉」と揶揄されるのも無理はない。同社は感染に対処するため、別のセキュリティ会社に頼らざるを得なかった。これは、インド最大のアウトソーシング企業の1つ、Wiproがハッカーに打撃を受けたのと同じ週に起こった。Wiproは、当初侵入されたことを否定していたが、このニュースを報じたセキュリティ関連のレポーター、Brian Krebs氏が、侵入のあった翌日に開かれた同社の決算説明会に出て真実を正した。もちろん、このやり取りは記録され、Wiproの最高執行責任者、Bhanu Ballapuram氏は、それが事実であることを認めざるを得なかった。

フランス政府のメッセージングアプリのセキュリティ欠陥により機密の会話が暴露

TechCrunch:Baptiste Robert氏は、ユーザーアカウントの作成に成功した。このアプリは、オープンソースのSignal Protocolを使用している。不注意から政府関連以外の電子メールアドレスによるアクセスを許可し、アプリの公開チャンネルを露出してしまったのだ。

画像クレジット:Shutterstock

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

Instagramが「いいね!」数公開を中止を検討、群衆心理の抑制を狙う

Instagramではデザインに小さいが重要な変更を加えることを検討している。これは最近問題になっている群衆心理的なユーザー行動を抑制することを狙っている。Instagramはこう述べている。

「我々はユーザーが単に投稿の「いいね!」数に注目するのではなく、フォローしている相手のコンテンツそのものに注意を払うよう期待している。今回のプロトタイプでは、実際に投稿したたユーザーだけが自分の投稿の「いいね!」数を見ることができるユーザーインターフェイスをテストしている」。

「いいね!」数の一般公開を中止することはInstagramユーザーが群衆心理に陥って暴走するのを減少させるの効果がある。ことにユーザーが投稿を共有するまでば「いいね!」数を知ることができないとなれば数を競い合う傾向を抑えることができるだろう。また「いいね!」の数ではなく、投稿のコンテンツの質に集中するようクリエーターを促す効果もあるはずだ。

新しいUIデザインがテストされていることはリバース・エンジニアリングのプロ、Jane Manchun Wong氏が発見した。Wong氏はこれまでもたびたび正式発表の前にInstagramの新機能を発見し、TechchCrunchに情報提供してくれた。Wong氏はInstagramのAndroidアプリのソースコード中に新UIを発見し、上のようなスクリーンショットを生成することができたという。

画像左側のInstagramのフィードでは「いいね!」数のトータルはわからないが、「いいね!」したユーザーのプロフィールはいくつか表示される。自分自身の投稿には「いいね!」数が表示されるが、「これを見ることができるのは投稿者本人だけ」という注意が表示される。

多くのInstagramユーザーは期待したほど「いいね!」が集まらなかった投稿を削除したり、本来のアカウントに投稿するのがはばかられるようないかがわしいコンテンツをFinstagram(フィンスタ)などと呼ばれる別アカウントに投稿したりする。「いいね!」数が一般公開されなくなれば、こうした無益な競争や気遣いが減少し、投稿のコンテンツにもっと集中するはずだ。

TechchCrunchの取材に対し、Instagramの広報担当者は新しいUIをテストしていたことがあるのを認め、以下のように述べた。

「現在、このプロトタイプのテストは行っていないが、Instagramのユーザーが感じがちな競争的圧力を減らす方策の一環として各種の新しいデザインを検討してきたのは事実だ」。

TechCrunchがこれまで報じてきたビデオチャット、ストーリーのサウン、アプリの利用時間を示すダッシュボードなど、テスト中の新機能はその後すべててInstagramの正式な機能として追加されている。

Instagramのプロトタイプ (左から)フィードへのクイックリアクション、ストーリーで歌詞を追加、ダイレクトメッセージのスタンプ

Wong氏はこれまでもAndroidアプリのソースコードからいくつかプロトタイプを発見している。チャット内スタンプビデオチャットのARフィルターチャットでのビデオ共同視聴ストーリーへのカラオケ式歌詞追加フィードへの絵文字スタンプコマース用ショッピングバッグなどだ。

「いいね!」カウンター非表示のフィード画面

Won氏が発見した他のプロトタイプ機能同様、「いいね!」カウンターの表示範囲制限も近く正式機能となる可能性が高い。この変更は「いいね!」数をめぐる競争が非生産的であり、場合によってはユーザー心理に有害な影響をもたらしているという見方が強まったいることに対応するものだろう。Instagram の共同創業者のケビン・シストロム氏は2016年に私のインタビューに答えてInstagramがストーリーをスタートさせたのはユーザーを「いいね!」競争の重圧から少しでも遠ざけるためだったと語った。

先月、Twitterはリツイート数を知るためには余計にタップする必要があるというプロトタイプをテストしている。これもリツイートの件数を競い合うという不健全なユーザー行動を抑制するのが目的だった。Snapchatはこれまで「いいね!」数もフォロワー数もユーザーに表示したことがない。【略】

こうしたユーザーインターフェイスはインフルエンサーには不利に働くがユーザーが群衆心理で暴走するのを抑えるのには役立つだろう。ユーザーが「いいね!」数に夢中になり過ぎるとナルシシズム、嫉妬、自尊心の喪失などを招く危険性がある。

【訳者注】TechCrunchではNetflixのヒット映画に影響されて目隠して危険な動作をする「バードボックス・チャレンジ」という動画投稿の流行について解説している。InstagramやTwitterなどのソーシャルメディアに投稿して「いいね!」数を競う心理の広がりが「目隠し運転」などの愚行を助長しているという意見が強まっていた。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Facebookがパスワードが漏れたInstagramユーザー数を「数百万人」に訂正

Facebookは、同社のパスワード漏出問題の影響を受けたInstagramユーザーが当初発表した「数万人」ではなく「数百万人」に上ることを正式に認めた。ソーシャルメディアの巨人は、3月21日に公開された公式ブログ記事を更新してこの新情報を正式に発表した。

「我々は、Instagramのパスワードがテキスト形式で保存されたログを新たに発見した」と同社は言った。「現在当社は、この問題が数百万人のInstagramユーザーに影響を与えたと推測している。これまでと同様、該当ユーザーには通知する予定だ」。

「当社の調査の結果、保存されていたこれらのパスワードは社内、社外を通じて悪用もしくは不正使用されていないという結論を下した」と更新記事は伝えているが、どうやってその結論に達したかについては未だに発言していない。なおソーシャルメディアの巨人は、影響を受けたのが何百(何千)万人なのかも言っていない。

先日Facebookは、「数億人」のユーザーアカウントやパスワードが何年にもわたり通常テキスト形式で保存されていたことを認め、その時期は2012年にまで遡ると言われている。同社によると、その暗号化されていないパスワードは、エンジニアやデベロッパー約2000人がアクセス可能なログの中に保存されていた。ただしデータは社外には漏出していない。Facebookは未だにこのバグがどのようにして起きたのかを説明していない。

Facebookがブログを更新したのは午前10時(米国東海岸時間)で、ロシア選挙介入に関するムラーレポートが発表される1時間前だった。広報担当のLiz Bougeois氏に問い合わせたところ、Facebookは未だに「正確な数字」は掴んでいないと言い、新たなログが発見された正確な時期についても発言を拒んだ。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Instagramストーリーの公開範囲にバグがあった

米国時間4月10日、またもFacebookのアプリにバグが発覚した。Instagramのストーリーの公開範囲を設定するプロセスにバグがあり、フォローしていないユーザーにも表示されてしまう例が起きて起きていた。

Facebookの声明によれば現在は修正ずみだというが、TechCrunchが最初にこの問題を知ったのはInternetRyanが自分のInstagramストーリーのトレイに見知らぬユーザーが現れたの気づいたとツイートしたときだった。InternetRyanは私をメンションして調査するよう促した。 下にエンベッドしたスクリーンショットはInteretRyanが撮ったもので、名前が黒く塗られているユーザーをフォローしていないことは青い「Followする」ボタンが表示されていることでも明らかだった。TechCrunchがこの問題を Instagramに問い合わせたところ、「バグが存在したが、修正された」という回答があった。

Instagramではさらに原因を調査中だが、バグそのものは気づいてから数時間後には修正したという。フォローしていないユーザーのプロフィール画像をクリックしてもInstagramのプライバシー設定機能に弾かれてしまい、コンテンツそのものを見ることはできなかったのは幸いだった。Facebookのストーリーズには影響はなかった。しかしこのバグは5億人といわれるInstagramストーリーズのユーザーのプライバシーを正しく処理できる能力がFacebookという企業にあるのかどうかについて深刻な疑問を投げかけることになった。

Instagramの広報担当者は以下のように声明した。

われわれは少数のユーザーのInstagramストーリーのトレイにフォローしていないユーザーが表示されるという問題が起きたことを認識している。アカウントが非公開に設定されていれば、ストーリーの内容をフォローしていないユーザーが見ることはできない。この問題の原因となったバグはすでに修正されている。

この1年はFacebookのプライバシーとセキュリティーのチームにとって多難なものとなった。メディアで大騒ぎされたフェイクニュースや大統領選介入疑惑などの政治的問題を別としても、FacebookとInstagramgは数々の技術的トラブルに襲われた。Facebookでは」1400万人のユーザーのプライバシー設定が勝手に変わってしまった680万のユーザーの写真が投稿できなかったなどの問題が起きた。Instagramはバグでフォロワーアカウントが壊れたりフィードが横にスクロールしてしまったりした。Facebookでは昨年、5000万人の個人情報が漏洩するという大惨事が起きたが、先月は創立以来最大、最長のダウンに見舞われた。

FacebooとInstagramは過去に人類が経験したことがない大規模ネットワークを作り上げた。この巨大なスケールはFacebookを極めて資本効率の高い企業に押し上げたが、同時に多数の技術的問題も浮上することとなった。ひとたび不具合が起きればその影響も巨大となる。これだけ問題を起こしている以上、早急にFacebookのシステムに対する監査体制の整備が必要とされる。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

InstagramとTwitter上の悪意のあるコメントを自動的に隠すRespondology

「コメントは読むな」というのは、1つの決まり文句となっている。そう言われ続けるのには、それなりの意味があるからだ。もしかすると、それは最高のアドバイスかもしれない。しかし、Respondologyのチームが、その状況を変えようとしている。

この会社は、ブランドがソーシャルメディア上のメッセージを見つけて、それに応答するのを支援することから始めた。セールス担当副社長のAaron Benor氏は、その仕事に付随して、「オンラインのソーシャルメディア上の不愉快な毒、つまり辛辣な書き込み」に対処するためのツールも開発した、と説明する。

「私たちは、このツールが思っていたよりもはるかに将来有望であることに気付いたのです。そこで、それに注力することにして、広告ビジネスは収束させることにしました」と、Benor氏は述べた。「私がこの新製品について本当に気に入っているのは、長い目で見て、大きく言えば、ネット上のいじめを終わらせることができる、ということです」。

それは大きな目標だし、明らかにRespondologyも、ただちに達成しようとしているわけではない。とりあえず同社は、The Modと呼ばれる製品をリリースした。個々のブランドやインフルエンサーが、InstagramとYouTube上の、悪意のある、荒らしと見なされるような、あるいはスパム的なコメントを取り除くことを可能にする。それにより、そのようなコメントは、ほとんどのフォロワーからは見られなくなる。

Benor氏は、この製品には2つの防衛ラインがあると説明する。まず1つは、自動的なキーワード検出で、それによって特定の単語を含むコメントにフラグを付ける。ユーザーは、どのようなカテゴリをふるい落とすかを選択することができる。たとえば、軽い罵り、辛辣な罵り、性的表現、人種差別的発言、といったものだ。そして、Respondologyのダッシュボードを使って、フラグの付いたコメントを見たり、元に戻したりすることもできる。

Respondologyの設定画面

もう1つは、同社が集めた約1500人のモデレータからなるチームだ。その人たちは、まだフラグの付いていないコメントを実際にすべて読んで、それが適切なものかどうかを判断する。それにより、コメントに明らかに不適切なキーワードが含まれていなくても、人間の判断によって検出することができるのだ。さらに用心深い顧客のために、コメントを非表示にするか、そのまま表示するかについて、複数のモデレータの投票によって決めるオプションも用意されている。

Benor氏は、テスト用のInstagramアカウントを使って、私にシステムのデモを見せてくれた。私は、彼の求めに応じ、荒らしの役を演じて、いくつかのコメントを投稿してみた。毎回、コメントはわずか数秒間表示されただけ。Respondologyシステムがすぐに作動して、コメントは消えてしまった。

下品な言葉を含むコメントには、自動的にフラグが立てられ、隠されたままになったが、その他のコメントはモデレーション用のアプリに表示された。もし承認されれば、再びInstagram上にも表示される。このような動作はすべて、私の側のアカウントからは見えないようになっている。私が書いたコメントは、どれも普通に公開されているように見えるのだ。

もちろん、大手のソーシャルメディアのプラットフォームは、独自のモデレーションツールを稼働させている。それでも、この問題が未解決であるのは確かだ。Benor氏によれば、プラットフォームのモデレーション機能が進化したとしても、問題はないという。「私たちのツールは、独善的なものではありません。ユーザーは完全に選択の自由を持っています。これは、与える側の立場で『これがわれわれから提供するなものだ。これがあなたにとってうまく機能するはずのものだ』、と言うような大それたものではないのです」。

最近The Vergeに掲載された記事で、有毒なコンテンツのモデレーション作業自体が、作業者の精神的、感情的な健康に与える影響が大きいと論じていることをぶつけてみた。しかしBenor氏によれば、Facebookのモデレータは、ほとんどの時間を「最悪の中の最悪のもの」に対処することに費やす必要があるのに対し、Respondologyのチームはほとんどの場合、無害なコメントを承認しているにすぎないというのだ。さらに、彼らはフリーランサーなので、働きたいときにだけ働き、いつでも止めることができるという。

「否定的なフィードバックは耳にしたことがありません」とBenor氏は付け加えた。「私たち自身も、みなモデレータとして仕事をしています。自分で実際にやってみることが、その製品を知り、理解するための優れた方法だからです。その際も、私が自分の目でみたことにショックを受けたことは一度もありません」。

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Responsologyが設定しているThe Modの料金は、コメントの量に応じたものとなっている。Benor氏によると、その価格は「月に数ドルから、月に数千ドル」の範囲になるそうだ。

同社は最終的には、非商用ユーザーのためのバージョンもリリースしたいと考えている。それを利用すれば、たとえば親が、子供のアカウントに対する悪辣なコメントを自動的に隠す、ということも可能になるはずだ。

画像クレジット:Tero Vesalainen

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

独禁法推進派がもくろむFacebookの分社化

議会の反トラスト法委員会の、新たに任命された議長に呼び出されたら、いよいよ心配すべき時が来たと覚悟すべきだろう。

ニューヨークタイムズ紙に掲載された論説で、ロードアイランド州選出のDavid N. Cicilline議員は、連邦取引委員会に対し、反トラスト法に抵触する可能性がないかどうか、Facebookの活動を調査するよう求めた。Cicilline氏は、同社が密かな報酬と引き換えに10代の若者のデータを収集していたというTechCruchの独自の調査報告や、その他のスキャンダルを論拠としている。

「何か悪事が明らかになるたびに、Facebookは否定、中身のない約束、謝罪キャンペーンを順番に繰り返します」と、Cicilline氏は書いている。「それでも、何も変わりません。だからこそ私は、反トラスト法と、商業および行政法に関する下院小委員会の委員長として、Facebookの行為が反トラスト法に違反しているかどうかの調査を求めます」。

Cicilline氏の論説は、本来は有効な規制機関であるはずのFTCに圧力をかけることを狙ったものだ。それが現在までFacebookに対して何もできていないために、「重大な信頼性の危機に直面している」と、Cicilline氏は非難している。またCicilline氏は、FTCに対して行動を促す一方で、同じ論説では、Facebookの行為の何が特に問題と考えているのかについて、洞察に満ちた見解を提示している。ちなみに、Cicilline氏が今年、反トラスト法と商業および行政法に関する下院司法の小委員会の有力メンバーに選出された際に、元ニューヨーク市長のBloomberg氏は、彼のことを「ハイテク業界に関する最も強力な人物」と讃えた。

その委員会は、今やハイテク大企業の解体を主軸に据えるまでに関心を高めつつある民主党によって率いられている。そして、シリコンバレーを牛耳る独占的な黒幕に対して、反トラスト法に沿った行動を起こすための強力なメカニズムになり得るものと考えられている。

「何年もの間、プライバシー擁護団体は、Facebookが同意した契約に基づく責務を果たしていない可能性があると、その委員会に警告してきました。委員会は、命令を遂行させることができなかっただけでなく、FacebookによるWhatsAppとInstagramの買収を阻止することもできませんでした。Facebookの支配の拡大を許してしまったのです」と、Ccilline氏は書いている。そして、その巨大企業に何らかの打撃を与えるには、数十億ドル規模の罰金が必要だとしている。先月にもレポートしたように、FTCは数十億ドル規模の罰金を検討していると伝えられているものの、そのような大金による懲罰は、まだ実行に移されていない。

同議員は、Facebookの「略奪的な買収戦略」も問題にしている。将来競合しそうな企業を、脅威となる以前に買収するものだ。それにより、イノベーションが妨げられることになる。Cicilline氏はまた、競合しそうな製品からのAPIアクセスを制限するという同社の決定は、このソーシャルメディアの巨人の「反競争的行為の証拠」だとみなしている。

Cicilline氏は、Facebookがプライベートメッセージング機能を実現するために、自社のいくつかの製品を統合するというマーク・ザッカーバーグ氏の最近の発表を、もはや当然のごとく皮肉に満ちた目で見ている。それは「反トラスト法の施行を妨げようとする危険な権力の掌握」だとしている。2020年の大統領選挙に向けて、反トラスト的な向かい風が勢いづくであろうことを考えると、そうした見通しは、Facebookが今後直面しなければならないことを、はっきりとわれわれに垣間見せてくれる。

「米国の半トラスト法の関連機関は20年以上に渡って重大な独占状態を追求してきませんでした。その間に、企業の集中と独占の脅威は、歴史的レベルに達してしまったのです」と、Cicilline氏は書いている。

「厳格な施行が、長い間先送りにされてきたことは間違いありません」。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

Instagramの新機能、投稿写真の商品を選べばその場で購入できる

Instagramはまったく新しい収入源を開拓している。ついに、その米国内の1億3000万人のユーザーは、ショッピング用の投稿に載っている商品に付いたタグをタップするだけで、直接アプリの中で買えるようになる。あらかじめ支払い情報を登録しておくことは必要だ。「Checkout on Instagram」は、Adidas(アデイダス)、Kylie Cosmetics(カイル・コスメティクス)、Warby Parker(ワービーパーカー)をはじめとする、20以上のトップブランドを対象に、米国時間3月19日から米国内で使えるようになる。もはや、顧客を各ブランドのウェブサイトに誘導して購入してもらう必要はなくなった。

Instagramの広報担当者はTechCrunchに、「販売手数料を設定して、チェックアウトを可能にするための仕組みや設備の費用をまかない、取引に関連するコストも埋め合わせます」と説明した。その「販売手数料」として販売者に請求する金額を尋ねたところ、担当者は「今のところその具体的な数字は公表していません。非公開ベータ期間中に、手数料についても販売者と試行しています。それによって、消費者が払う商品の価格が変わることはありません」と答えた。このことからしてInstagramでは、向上が期待できる顧客転換率の見返りとして、販売者に高めの手数料を請求し、アプリ上で購入するための料金をユーザーの支払額に上乗せするようなことはしないようだ。

Checkoutの導入によって、Instagramの広告ビジネスもさらに繁栄するだろう。そこから購入に至るまでに必要なステップも短縮されるので、Instagramを利用したほうが、投資に対する見返りが大きいとブランドに納得させることができるからだ。現時点では、Checkoutボタンは、発表時にパートナーとなっている販売者によるオーガニックな投稿にのみ表示され、広告には表示されない。しかし、Checkout機能を付加した広告は、Instagramにとって金脈になる可能性もある。というのも、Facebookのニュースフィード広告ビジネスの先行きは怪しく、CEOのマーク・ザッカーバーグ氏も、2019年のロードマップに不可欠なものとして、商取引を挙げているからだ。

Checkoutのタグは、非公開ベータに参加しているブランドのフィード投稿、ストーリーズ、発見タブのコンテンツに表示される。Instagramではいずれ、より多くの企業に、この機能を公開する予定だ。ユーザーが投稿をタップして商品のタグを表示し、それを開くと、これまでの「View on Website」ボタンの代わりに「Checkout on Instagram」ボタンが表示される。

初めて利用する際には支払い情報を入力する。それは保存されて、その後の買い物にも使われる。「保護された支払い情報を1カ所に保存しておけば、毎回ログインしたり、同じ情報を何度も入力しなくても、お気に入りのいろいろなブランドの商品を購入できます」と、Instagramは説明する。ブランドごと別々にサインアップしなければならないと、ユーザーはイラついて、カートに商品を入れただけで、途中で放棄してしまうことも少なくない。それを防ぐことができるのも、この機能の重要なメリットだ。TechCrunchでは、最近Instagramがストーリーズで、「資金調達中」のステッカーをプロトタイピングしていることをレポートした。それも同様に支払い情報を保存するものだった。Instagramが、支払い情報のデータベースを構築したいと考えているのは確かだろう。

ユーザーが何かをInstagram内で購入した後は、自分のプロファイル内に新設された「Orders」セクションでトラッキングできるようになる。そこには、注文の状況が表示され、オプションで注文をキャンセルしたり、返品や販売者に連絡することも可能となる。そして注文が出荷されたら、Instagramから直接通知を受け取ることになる。興味深いのは、Instagramでは、メッセージ機能に領収書発行機能を付加していない。FacebookのMessengerとは対照的だ。

販売者は、連絡先や住所など、注文を処理するための必要最小限な情報しか知ることができない。支払い情報は通知されないのだ。ユーザーは、任意で、販売者に電子メールのアドレスを伝えて、その後に商品やサービスの情報などを受け取ることもできる。Checkout on Instagramでは、ユーザーが販売者のウェブサイトで直接購入した時に比べて、少ない情報しか販売者に伝わらない。しかしInstagramは、その購入がどの投稿で発生したのかという情報は、販売者に伝えるとしている。

ユーザーは、PayPal、Visa、Mastercard、American Express、そしてDiscoverによる支払いが可能となっている。Instagramでは、販売者が、Shopify、BigCommerce、ChannelAdvisor、CommerceHub、その他のツールを、Checkout機能と統合できるようにすることを計画している。またInstagramは、Checkout機能の使われ方が、ユーザーがよく見るコンテンツのランキングのヒントとしても利用される可能性を認めている。支払いはPayPalによって処理される。そのビジネス分野には、Facebookも侵略するつもりはない。PayPalに支払う手数料は、おそらくInstagramが受け取る販売手数料から出ることになる。

「私たちが商品にタグを付けることによって、顧客にとって買い物がより便利なものになります」と、Warby Parkerの共同創立者兼CEOのNeil Blumenthal氏は述べている。「Checkoutは、買い物の体験を一歩進んだものにします。その場で買いたいとひらめいた商品を見つけた人にとって、より直感的でシームレスな買い物ができるようになるのです」。発表時にパートナーとなっている全ブランドを挙げておこう。Adidas、Anastasia Beverly Hills、Balmain、Burberry、ColourPop、Dior、Huda Beauty、H&M、KKW Beauty、Kylie Cosmetics、MAC Cosmetics、Michael Kors、NARS、Nike、NYX Cosmetics、Oscar de la Renta、Outdoor Voices、Ouai Hair、Prada、Revolve、Uniqlo、Warby Parker、そしてZaraだ。

今のところ、開発中と伝えられていたInstagramの独立したショッピングアプリが登場する兆候は見られない。その代わり、発見タブの中に専用のショッピングチャンネルを設置し、ストーリーズにタグも追加した。6カ月前のことだ。また最近我々は、私的に保存した投稿のコレクションを公開できる、Pinterestに似たような機能を、Instagramがプロトタイピングしているのを発見していた。その機能は、インフルエンサーにとってCheckoutが使える商品を他の人に勧めるのに適した手段となるだろう。Facebookはこの5年をかけて、さまざまな「購入」ボタンを試してきた。それが今ようやく自然な居場所に落ち着いたわけだ。

Instagramは、アプリの外にリンクする権利を必死に守り続けてきた。それは、コンテンツを着実に消費し続けてもらうためだ。今や世界で10億人以上のユーザーを抱えるまでに成長したInstagramは、人々の注目をずっと内部に閉じ込めてきた。そしてついに、その中で販売する権利を売るための準備が整ったのだ。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

注目のコスメブランドGlossierからインスタ映えする新ラインが登場

主張しすぎないコスメのラインアップでミレニアル世代のインスタグラマーからカルト的な人気を誇るGlossier(日本未発売)が、初のスピンオフブランドとなるカラフルな「Glossier Play」を発売した。

美容ブログ「Into The Gloss」で人気を博したEmily Weiss氏は、トップクラスのD2C投資家であるForerunner Ventures、Index Ventures、IVPから合計9,200万ドルのベンチャーキャピタル資金を調達し、創業者兼CEOとしてGlossierをおよそ4億ドルのビジネスにまで成長させた。AIを利用したパーソナルスタイリングサービス、Stitch Fixの創業者Katrina Lake氏とForerunner Venturesの創業者兼ジェネラルパートナーKirsten Green氏が、同社の取締役に就いている。

Weiss氏は2014年に、クリーンなスキンケアと自然な美しさを提唱するGlossierを創業した。現在までにWeiss氏自身の持つ繊細でナチュラルな雰囲気を再現するかのような、すっぴん風メイクのための製品ラインアップを揃えて、D2Cビジネスを加速させている。1970年代のノスタルジアからインスパイアされたGlossier Playは、同社としては初めて鮮やかな発色やグリッターを取り入れた、テンションの上がる製品ラインだ。

Glossier Playブランドとして初めて登場したラインアップには、カラーアイライナー(15ドル)、ハイライター(20ドル)、マルチユースのグリッタージェル(14ドル)、「ビニールリップ」(16ドル)などがある。新製品がセットになった「The Playground」(60ドル)もある。

インスタグラムを活用した広告キャンペーンには、人気インスタグラマーのDonté ColleyとミュージシャンのTroye Sivanが起用されている。この新ラインのGlossier Play、そして今後のスピンオフブランドをもってすれば、Glossierはエスティローダーやロレアルといった既存の化粧品ブランドと戦えることになるだろう。化粧品市場は2024年までに7,500億ドルの規模になると推定されている。

ニューヨークに本社を構えるGlossierの従業員数は200人。同社のソーシャルメディアのフォロワーが200万人近くいて、しかもその数が増え続けていることを考えれば、従業員数は相当少ない。同社はTechCrunchに対し、2018年の年間売上高は1億ドルを超え、100万人の新規顧客を獲得したと語っている。 Glossierは、スキンケア、メイクアップ、ボディケア、フレグランスのカテゴリーにわたって計29種類の製品を販売している。

Glossierは、2019年中にさらに新ブランドを立ち上げる予定はなく、同社はブランドインキュベーターではないと明言している。

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(翻訳:Kaori Koyama)

Pinterest競合に?Instagramのコードにはコレクション公開機能が仕込まれている

Facebookが所有するInstagramは、かつてSnapchatに対して行ったことと同様のやり方で、Pinterestを攻撃しようとしている。Android用Instagramに埋め込まれたコードを見ると、Instagramが複数のユーザーが投稿できる公開「コレクション」を作成するオプションをプロトタイプしていることがわかる。2年前にInstagramは、フィード上に現れるお気に入りの投稿を保存する手段として、プライベートコレクション機能の提供を開始した。だが、ユーザーがコレクションを公開できるようにすることで、InstagramはPinterestの直接的な競合相手になるだろう。

Instagramの公開コレクションは、コンテンツキュレーションの新たな媒体を生み出す可能性があるのだ。人びとは、この機能を使って、自分たちの好きなミーム、旅行先、ファッションアイテム、そしてアートなどをまとめることができる。これまではスクリーンショットを使い他人の投稿を再投稿する、F*ckJerryのようなミーム「クリエイター」たちが世の反感を招いていたが、代替手段が提供されることによって、勝手なコンテンツの盗用を減らすことができるだろう。自分自身のコンテンツで自身を表現する代わりに、自分の愛するものを示すことで(たとえそれが自分が撮影したものでなくても)自分のアイデンティティを表現することが可能になる。もしこの話をどこかで聞いたなと感じるならば、これが目前に迫ったPinterestの120億ドルIPOにとって、問題になりかねない理由が理解できるだろう。

“Make Collection Public”(コレクションを公開する)オプションは、TechCrunchに頻繁に情報を提供してくれるリバースエンジニアリングの専門家Jane Manchun Wongによって発見された。このコードは一般公開されていないが、Android用Instagramのコードから、彼女はプロトタイプのスクリーンショットを生成することができた。この画面からは、コレクションの公開属性を切り替える機能と、コレクションに追加することができる他のユーザー名を指定する機能があることがわかる。これまで、コレクションは、ずっとプライベートなものであり、2016年の末に公開されたInstagramの保存機能を通して、ブックマークを整理するための独立機能だった。

InstagramはTechCrunchに対して「私たちはこの機能のテストはしていない」と回答した。もちろんこういう言い回しは、一般利用者には公開されていないが、内部で開発が進んでいる製品に関する、メディアに対しての標準的回答だ。Instagramがその機能の実験を公に始めたり公開をしたりするまでにはまだ時間がかかるかもしれない。もちろんオプションをお蔵入りさせてしまう可能性もある。しかしこの機能は、ユーザーたちがInstagram上でできることや共有を増やすための賢明な手段である。このプロトタイプはアプリの戦略への洞察を与えてくれる。Facebookは、Pinterestスタイルをとった独自の共有可能セットを2017年に公開し、12月には共有可能コレクションを公開した。

現在Instagramのコードには、ユーザーが互いのコレクションをフォローできる機能は入っていないが、それは次のステップとしては論理的で強力な一手だ。Instagramユーザーたちは、今でもハッシュタグをたどって、新しい投稿を自分のフィードに引き込むことができる。コレクションをフォローするための手段を提供することで、他人のコンテンツを剽窃することなく、ユーザーたちを(スタークリエイターというよりは)スターキュレーターにすることができる。なおWongはInstagramのIGTVピクチャインピクチャのプロトタイプも発見している。これを使うことで、アプリを閉じた後でも携帯電話を操作しながら、長時間のビデオを見続けることができる。

Instagramではユーザーが投稿を保存できる。それらはコレクションに追加することが可能だ。

最近Mark Zuckerbergがロードマップ上で大きな部分を占めると発言したInstagramの商業活動戦略を、パブリックコレクションは促進する可能性がある。既にInstagramは、ExploreにパーソナライズされたShoppingフィードを提供している。そしてThe VergeのCasey Newtonは昨年、Instagramが専用のショッピングアプリに取り組んでいることを報告している。デザイナーや雑誌、そしてブランドたちが、お気に入りの購入可能商品コレクションを共有してくることは容易に想像できる。

InstagramがSnapchat Storiesのそっくり機能を、Snapが公開されるわずか6か月前に公開したことを思い出す価値はあるだろう。予測されていたが、このことがSnapchatの成長率を88%押し下げた。それから2年が過ぎて、Snapchatはまったく成長しておらず、その株価はピーク時のわずか3分の1に過ぎない。月間10億人以上、1日当たり5億人のユーザーを抱えるInstagramは、Pinterestの4倍の規模である。おそらくInstagram支持者たちは、Pinterest上でゼロからソーシャルグラフを構築するよりも、既にそこにある「実用上十分な」パブリックコレクションを使うほうが簡単だと考えるかもしれないのだ。

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(翻訳:sako)

Instagram、フォロワー数カウントが減少するバグを確認

今日(米国時間2/13)、Instagramは一部のアカウントにフォロワー数が減少するバグが存在することを確認した。半日ほど前からフォロワー数が大きく減少していることに気付いて困惑するユーザーが出ていた。

Instagramは最近スパム対策の一環として休眠アカウントや不正アカウントの削除を大規模に進めていたため、その影響を疑う声もあった。

一部のユーザーのアカウントでフォロワー数に変化をもたらす問題が存在することを認識している。現在われわれは問題解決のために全力を挙げている。(Instagram)

Instagramのバグが発見される数時間前にTwitterでも「いいね」の数が正しく計測されないバグが発生している。一部のユーザーはアカウントが凍結されたのか、自分のツイートがよほど評判が悪かったのかと頭を悩ませていた。

(日本版)Forbesの記事によればカイリー・ミノーグ、ケイティ・ペリーなどのセレブのアカウントでも数百万単位でフォロワー数減少が起きているという。

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滑川海彦@Facebook Google+

Instagramのアカウント・リンクはFacebook Loginの後継になるのか?

十代のFacebook離れは同社のフィード広告収入を損なうだけでなく、個人認証プロバイダーとしての支配にも影響を及ぼす。Facebook Loginは、他のサービスに別のユーザーIDとパスワードを使うことなくログインできるようすることでアクセスを容易にして、ユーザーの囲い込みを狙っている。しかし、Instagramを選んでFacebookを捨てた(あるいは無視した)若者ユーザーについては、ITの巨人はわれわれの生活に打ち込まれた最強のくさびを失いつつある。その一方でInstagram愛好者は、個人用、サブ、ビジネス用など複数アカウントの個人認証を使い分ける面倒を強いられている。

しかし、現在開発中の新機能は、複数のInstagramアカウントの扱いを楽にすると同時に、InstagramをFacebook Loginの後継にしようとしている。Instagramは、ユーザーが自分のプロファイルの1つを主アカウントにして他のアカウントにリンクできるようになる「メインアカウント」機能のプロトタイプを作った。メインアカウントにログインすると、他のアカウントにも自動的にログインする。その後はメールアドレス/ユーザー名とパスワードの組み合わせを1つだけ覚えていればよい。ログインの簡易化によって、Instagramでのアカウント切り替えや投稿が増え、愛着も深まる。

アカウントのリンクはInstagramの現在のログインプラットフォームのパワーアップにもなる。現在同プラットフォームを使っているサードパーティーアプリは、フィード投稿とストーリーズを作成してInstagramでシェアしたり、ビジネスアカウントのアクティビティーやメンションを測定することができる。Instagramはこのログインプラットフォームを拡張して、Facebook Loginと同じようにユーザーの個人情報やプロファイル情報を他のアプリに今以上に提供する可能性がある。これでサードパーティーアプリにInstagramのメインアカウントを通じてログインしたあと別のアプリからシェアするときにどのプロフィールを使うかを選べるようになれば、もっとうまく行くかもしれない。

TechCrunchは、Android版InstagramアルファバージョンのAPKファイルの中に “Account Linking” のコードが入っていることを、ソーシャルメディア研究家のIshan Agarwalから情報提供を受けた。コードには次のような記述があった。「1組のIDとパスワードで、ユーザーの全Instagramアカウントに素早く安全にログインする…アカウントの1つをメインアカウントにすると、それを使って他のアカウント全部に同時にログインできる…アカウントは別々のまま、ログインは早く簡単になる…メインアカウントのパスワードを知っている人なら誰でも、そこにつながっているアカウントをアクセスできるようになる」

Instagramは本機能についてのコメントを拒んだ。これは何かのプロトタイプを作って社内でテストしているが外部テストをまだしていない会社としては、標準的対応だ。しかし、この段階でアプリのコード内で見つけられた機能の多くが結局一般公開されている。Instagramビデオ通話ネームタグサウンドトラックなどがそうだった。

Facebookはそのログインプラットフォームを使ってウェブを植民地化し、同サービスのロゴをさまざまなサイトにばらまくことによって、サービスごとに新規アカウントを作らずにすむようにした。これがFacebookのユーザーベース拡大を助け、ユーザーを囲い込むことで、Facebookがフィードコンテンツの新たな情報源を開拓し、ユーザーがウェブ界隈で何をしたかのデータを集めることを、やめさせるのを困難にしている。Facebookでヘビーな投稿や閲覧をやめたユーザーの多くが、その後もつながり続けているのはSpotifyやNetflixなどのサービスへのログインをFacebookに頼っているためだ。

実際、Facebookのログインプラットフォームは、同社にとって最も価値の高い機能の一つであり、強力なライバルもいない。Googleは独自の認証プラットフォームを運営しているが、Gmailアカウントを守るために2要素認証などのセキュリティー機能を使うユーザーが増えていることから、使うのが少々面倒に感じることがある。SnapchatもPoshmarkと提携して独自のログインプラットフォームSnap Kitを普及サせようとしているが、アカウント作成に採用している主要アプリはほとんどない。

Instagramはその他の個人認証関連機能にも手を出している。同社はストーリーを親友だけにシェアするための親しい友達機能を公開したほか、独自の2要素認証オプションや、フィード投稿を自分が管理する複数アカウントに同時配信する機能を追加した。ユーザーにメインアカウントを確立させることで、Facebookが自分とInstagramとWhatsAppを横断する暗号化メッセージ機能を提供する計画もスムーズになる。InstagramがFacebookと異なり実名ポリシーを強制していないことから、メインアカウントを真のアイデンティティーの代用として使うことも考えられる。

Instagramを単なるFacebookの類似品ではなく、避難所か後継のどちらかと考えはじめると、Facebookの中核をなす資産がどうやって変遷を乗り切るのかを考えることが重要になる。最近のプロフィールのデザイン変更によって、既にFacebookはInstagramプロフィールを個人のオンライン・パーソナリティーの中心に据える実験をしている。あちこちに散らばったアイデンティティーをアカウント・リンクを通じて統一できれば、ウェブを横断して1つのパーソナリティーを使えるようになる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebook、Instagram Storiesユーザーが5億人/日を突破。新サービスも計画中

10億人のInstagramユーザーの約半数が、Instagram Storiesを毎日使っている。1日5億人というこの数字は、2018年6月には4億人だった。現在200万組の広告主がFacebook傘下サイトのStories広告を利用している。

CEO Mark ZuckerbergはStoriesについて、Facebookにとって最後の革新的大型機能と言っていたが、昨年セキュリティーに集中したあと、現在同社は人々の生活を「大きく改善する」製品をさらに出荷する計画だ。

今日の2018年Q4決算会見でZuckerbergは、今年Facebookが新製品を投入するいくつかの分野について説明した。

  • セキュリティーとプライバシーのために、これまでより多くの機能に暗号化と短期消滅を適用する
  • メッセージング機能によって、MessengerとWhatsAppを「[あなたの]ソーシャル表現の中心」にする
  • WhatsApp支払いを利用できる国を拡大する
  • Storiesに新しくプライベートシェアのオプションを追加する
  • グループに友達や家族と同等の組織機能を持たせる
  • ビデオがニュースフィードから移動することによりFacebook Watchが今後主流にしることをZuckerbergは期待している
  • ARとVRを改善し、Oculus Questを今春出荷する
  • Instagramコマースとショッピングに新機能を追加する

Zuckerbergは、Facebook Messenger、Instagram、およびWhatsAppを横断して暗号化メッセージングを可能にするために基盤を統一する、という NYTのMike Isaacが最近報じた計画について質問を受けた。Zuckerbergは計画について、ビジネスの利益のためではなくユーザー体験を向上するためだと説明した。具体的には、WhatsAppが支配する地域のマーケットプレイスの買い手と売り手が、Messengerの代わりにWhatsAppでチャットできるようにする。また、MessengerをSMSクライアントとして使っているAndroidユーザーは、基盤の統一によってメッセージを暗号化して送れるようになる。彼は暗号化の拡大をFacebookが非中央集権化し、ユーザーデータをサーバーに置かないことで安全性を高める方法として考えている。しかし、それには時間がかかり「2020年頃」になるだろうと言った。

現在Facebookファミリーのアプリである、Facebook、Instagram、Messenger、およびWhatsAppを合わせると月間アクティブユーザーば27億人になる、と同社は言っている。しかし、Facebook CFO David Wehnerは、「将来弊社について語るとき、ファミリー全体のデータが主要な役割を果たすようになると考えており、いずれFacebookのみのデータは公開をやめる予定だ」と語った。これはユーザーベースが従来型のソーシャルネットワークからInstagramとそのメッセージングアプリへとシフトしていることを、同社自身が意識していることを表している。ファミリーのみの数値は、ティーンが逃げ出していることを隠すことになる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Instagramは禁止したはずのフォロワー販売サービスの広告をいまだに掲載

Instagramは以前、そのソーシャルネットワークにスパム広告を溢れさせるというビジネスで収益を得てきた。しかし同社は、今でも猫をかぶり、金を取って偽のフォロワーを増やしたり、顧客にフォローバックさせるために自動的に他人のフォローやフォローの取り消しを行うサービスに広告スペースを販売している。11月にはそうしたサービスを禁止する処置を何度も繰り返し、そのような活動を行うアカウントに警告を送ってきたにも関わらずだ。

TechCrunchが調査したところ、Instagramの規約に公然と違反して、偽のフォロワーの販売やフォロワーをおびき寄せるためのスパム広告の自動投稿をInstagram上で行うサービスが、まずは17件見つかった。これは明らかに、Instagramが自身のアプリやプラットフォームの監視を適切に行っていないことの証拠だ。そのような怠慢のおかげで利用者は、ボットや偽のアカウントが作り出すフォローや「いいね」に惑わされている。そうしたサービスから金を掻き集めてきたInstagramは、Instagramの通知の質を貶め、利用者の貴重な時間を奪っている。

我々の調査に反応してInstagramは、すべての広告を排除し、我々が報告した規約違反サービスのFacebookページとInstagramアカウントもすべて無効にしたと私に話した。ページもアカウントも、それ自体は違反ではないが、そこが流している広告が、FacebookとInstagramから追放されたということだ。しかしその翌日、TechCrunchは、同様のサービスの広告を2件、Instagramに発見した。また、フォロワー数を増やす規約違反のサービスに金を払っている企業5社も新たに発見した。

ここで大きな疑問がわく。Instagramは果たして、スパム業者から真剣にコミュニティーを守る気があるのかということだ。技術的にも人材的にも投稿内容をチェックする機能が備わっているだろうに、なぜ自社の規約に堂々と違反している広告や業者の存在を、一介のジャーナリストの調査から教えられなければいけないのか。Facebook傘下にあるInstagramというアプリの、ユーザー基盤とビジネスを拡大するために「迅速に動く」という信条は、どうやら自らの監視の目が届かないところまで走って行ってしまったようだ。

スパム業者を追え

私はこの調査を、GramGorillaというサービスのInstagramストーリー広告に悩まされたことをきっかけに、1カ月前に開始している。オールバックの格好をつけたセールスマンが、このサービスでどれほどのフォロワーを得たかをまくし立て、同じだけ金を払えば私も同じ数のフォロワーが付くと宣伝している。この広告は、Krends Marketingのウェブサイトにリンクされている。月に46ドルから126ドルを支払えば、1000から2500のInstagramのフォロワーを保証するというのだ。

このような広告の中には、フォロワーを直接販売しているところもあるが、大抵は偽アカウントだ。それでフォロワー数は増えるかも知れないが(その業者が摘発されて追放されなければの話)、そのフォロワーは自分が見せたいものに興味を示すわけでもなく、ビジネスの足しになるわけでもない。結果としてフォロワーの質は薄められ、投稿を実際に見てくれる人の数は減ってしまう。しかし、GramGorillaつまりKrendsなどのInstagramのフォロワーを販売するアプリには、もっと困った点があることを私は知った。

これらのいかがわしい業者に、自分のユーザー名とパスワードを与えてしまうということだ。しかも、関連する話題や個人情報も彼らに渡り、自動的に誰かをフォローしたり、フォローを解除したり、「いいね」を付けたり、知らない人のInstagramプロフィールに勝手にコメントを書き込んだりといった行為を許すことになる。その目的は、知らない人たちがそれを見て、好奇心を抱いたり、仲良しになりたいと思うようになり、フォロワーになってくれることを期待して通知を送ることにある。このようなスパム通知を大量に発信することで、大勢の知らない人たちが引っかかりフォローしてくれる。それで月額に見合うだけの体裁を保つというわけだ。

そこに私は腹が立った。FacebookもInstagramも、その他のソーシャルネットワークも、アクション、広告のビュー、毎日のユーザー数を増やすための裏技を教える通知を大量に送ってくる。しかし、彼らはそれが利用者の気分を損ね、ユーザーがすべての通知を非表示にしてしまうリスクを考えた方がいい。フォロワーを販売する業者は、Instagramが汚れようと、ユーザーが不快な思いをしようと、どうでもいいのだ。金が儲かりさえすればいい。彼らは、私たちの大切な共有資源における「コモンズの悲劇」の典型的な悪役だ。

そこから私は、スパム広告を記録するようになり、どれだけ多く存在することかと驚くことになった。間もなく、Instagramの広告ターゲティングと再ターゲティングのアルゴリズムが暴発し始め、Instagramの規約に違反している同類の企業からの広告が、私に意図的に送られてくるようになった。

私が最初に記録した、フォロワー販売とスパムの17のサービスは、Krends Marketing / GramGorillaSocialUpgradeMagicSocialmEZ-GrowXplod SocialMacurex、GoGrowthlyInstashop / IG ShopsTrendBee、 JW Social Media MarketingYR CharismaInstagrocerySocial SensationalSocialFuseWe Grow SocialIG WildfireGramflareだ。TrendBeeとGramflareは、Instagramがその活動を禁止したと発表した後も、ずっとInstagramで広告を出し続けていることがわかった。Instagramが取り締まりを行ったとされた後でも、これまでの調査では、禁止されているフォロワーの販売を行なっているサービスが見つかった。それは、FireSocialInstaMason/IWentMissingNexStore2019InstaGrowServantifyの5つだ。

悪いと知って井戸に毒を投げ入れる

私は、それらの企業はInstagramの規約に違反していることを知っているのか、スパムを配信することをどう正当化するのかを知りたいと思った。大抵のサービスは連絡先を伏せていて、顧客サポート用のメールアドレスだけが掲載されている。しかし私は、何人かの創設者に直接電話をかけることに成功した。

「私たちが行っていることは、明らかにサービス規約に違反しています」と、GoGrowthlyの共同創設者は、氏名の公表は拒否しながらも話してくれた。「私たちは彼らの無料のプラットフォームに便乗しているだけなので、彼らには何ひとつ利益はありません。Instagramは私たちを嫌っています。私たちは、顧客の位置情報に基づくプライベートなプロキシを利用しています。それが、あらゆる負担を軽減するための私たちの秘策です」というわけで、顧客のアカウントが停止されることはないのだそうだ。「Instagramとは慎重に足並みを揃えています。これは、SEO業者とGoogleとの関係に似ています。Googleは顧客に最大の結果を与えたいと考え、顧客は彼らに最大の結果をもたらしたいと考えている。じつに繊細なダンスなのです」と、Macurexの創設者Gun Hudsonは話していた。

EZ-Growの共同創設者Elonは、姓の公開を拒んだが、こう話してくれた。「(顧客は)いつも新しいものを求めています。最初はフォローといいねでした。今は、ストーリーに注目しています。Instagramが新しい機能を導入するごとに、私たちには、それを顧客にわかりやすく見せるという点で常に優位性があります」。EZ-Growは、広告費として1日500ドルをInstagramに支払っていて、それが、新しい顧客を開拓するための中核的な戦略なのだと彼は言う。SocialFuseの創設者Aleksandr(姓は非公表)は、InstagramとFacebookの広告費として1日数百ドルを使っていて、11月に彼の会社が行っているサービスの停止をInstagramが繰り返し訴えたときは、心配になったと言う。しかし、こうも話している。「もう停止は避けられないと覚悟したのですが、結局、何も起こりませんでした」

何人かの創設者は、スパム通知のサービスを擁護して、自分たちは少なくとも偽フォロワーを販売しているわけではないと抗弁している。自分のことは棚に上げて、MacurexのHudsonはこう言った。「やり方を間違えれば、利用者の楽しみを台無しにしてしまいます。そこには、下劣でスパム的な手法をとるマーケティング業者が群がっています。Instagramは、そうした業者の監視を続ける必要があります」。GoGrowthlyの創設者は私にこう明言した。「ターゲットを絞った交流によって、私たちは実際にコミュニティーにとって良いことをしています」と。またやはり姓の公表を拒んでいるWeGrowSocialの共同創設者Brandonなどは、競合他社であるSocialSensationalがフォロワーを売っていると告げ口したい風だった。

ただ、EZ-GrowのElonだけは正直だった。「ターゲティングは、適切な人を選ぶものなので……受け取った人は嬉しいはずです。スパムではありません」と話した後に、彼はあることに気がついた。「まあ、スパムと言えないこともないですが」

Instagramはついにスパム業者を追放

私たちの調査に応えて、Instagramの広報担当者は、私たちが発見した規約違反の広告やアカウントを停止する旨を正式に伝える長々とした声明文を発表した。その中で、Instagramは懸命に努力していると主張しているが、努力が足りないことも認めている。

スパム的なフォローや「いいね」やコメントを受け取って喜ぶ人はいません。Instagramでは、みなさまに本物の交流をしていただくことを何よりも重視しているため、このコミュニティーからスパム的な行いを締め出すよう懸命に努力しています。不正な「いいね」やコメントやフォロワーによってアカウントの人気を高めるサービス、およびそうしたサービスを宣伝する広告は、Instagramでは禁止しています。ここに示したサービスに対して私たちは、違反広告の削除、ページおよびアカウントの停止、ページへのさらなる広告掲載の禁止といった対策をとってきました。このうよな広告が、みなさまの目に触れる前に発見し、排除するためのシステムを私たちは複数導入していますが、私たちのプラットフォームに日々アップロードされる広告の数が膨大であるため、ときして、いくつかが網の目をくぐり抜けてしまことは避けられません。この件に関して、さらなる努力し、責任を持って改善を進める必要があることを、私たちは認識しています。

Instagramは、人気を高めるためのサードパーティーのアプリを利用しているアカウントを機械学習ツールを使って特定していると私に話してくれた。また、ユーザーが通知を受け取る前に、そのような不正な介入を排除していると主張している。そうしたサービスの効果をなくすことで、その魅力を失わせることができるとInstagramでは考えている。彼らは、公開される前に、画像、文章、そしてそれらすべての広告のリンク先のページを評価し、一部を人間の審査担当者に送るという自動化されたシステムを採用している。これにより、規約違反の広告のほぼすべてを捕まえることでき、そこをかいくぐったものは、ユーザーが通報できるようにしていると言う。

しかし、そうした広告や、それに関連するアカウントは、「フォロワーを集めよう」「Instagramのフォロワーを増やそう」「本物のフォロワー」「交流を拡大しよう」「承認を得よう」「交流の自動化」などといった、規約違反のサービスに強く結びついた言葉で満ち溢れている。そのことから、Instagramのこの問題に対する本気度が疑われる。彼らは最初から、スパムのボットや偽アカウントを見抜く、安価で、柔軟に規模の変化に対応できる技術的アプローチに頼ればよかっただけの話だ。行儀よく広告をスクリーニングしたり、人間の審査担当者を大勢雇い入れてネットワークを監視させる必要などなかったのだ。

そうした的外れなAIや技術的ソリューションに依存したがるのは、この業界の傾向のようだ。私が先日報告したように、子どもの性的虐待の画像はWhatsAppMicrosoft Bingで簡単に探すことができる。この2つの検索エンジンはどちらも、複雑なアルゴリズムでは見つけられない違法コンテンツを、常識で判断できる人間の審査チームが足りていないように思える。Instagramと同様、それらの検索エンジンも大変に儲かっている親会社の下にあり、規約を守らせるための予算はもっと使えるはずなのだ。

不正なサービスをInstagramから追放することは重要な一歩だが、もっと積極的にならなければいけない。ソーシャルネットワークとセルフサービス型の広告ネットワークは、あまりにも長い間、効率のいい金の成る木だとされてきた。そこから得られた利益は、今度はそれを取り締まるために振り向けられるべきだ。そうしなければ、我々の金や関心を盗み取る悪党どもを喜ばせるだけだ。

Instagramの未来に興味のある方は、この記事の著者Josh ConstineによるSXSW 2019の基調講演をご覧ください。Instagramの共同創設者Kevin SystromとMike Kriegerも、彼らが同社を去ってから初めて、ここで顔を合わせています。

 

Microsoft Bingは小児ポルノを見せるだけでなく、お薦めもしている(英語)

 

WhatsaAppが抱える暗号化された小児ポルノの問題(英語)

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(翻訳:金井哲夫)

Instagram、フィードの「タップして次へ」を誤って公開(修正済み)

Instagramは、本日(米国時間12/27)午前誤って公開されたフィード方式の重大な変更によって、従来のスクロール方式がストーリーズのような「タップして次へ」方式に置き換えられたことを正式に認めた。去る10月にTechCrunchは、Instagramがタップで次の投稿へ進む方式をExplore[発見]タブでテスト中だと報じた。しかし、今朝目覚めた多くのユーザーは使い慣れた縦スワイプで、メインフィード進められなくなったことにショックを受けた。その多くは直ちにこのジェスチャーが使いにくく鬱陶しいと苦情を訴えた。

「本日、バグが原因で一部のユーザーのフィードで表示方法が変わった。われわれはすぐに問題を修正し通常通りに戻った。混乱を招いたことをお詫びする」とInstagram広報担当がTechCrunchに伝えた。同社は今でもこのナビゲーションスタイルをExploreでテストしていることを認めている。

Instagramは同機能をごく一部のユーザーでテストするつもりだったが、バグのため予定より何桁も多くの人たちに広く公開されてしまった、とInstagramの責任者、Adam Mosseriがツイートした

「タップして次へ」は記事全体が常に表示され、スクロールのように上端や下端が切れないよう調整する必要がないため記事間の移動が容易だ。しかし、スクロール方式はまず投稿者がわかりその後コンテンツ、キャプションの順に表示されるので、合理的で直感的な閲覧方法だ。「タップして次へ」方式ではユーザーの視線が画面上を動き回るため極度に疲れる。しかしもっと重要なのは、人々が8年間Instagramのフィードをスクロールすることに慣れていたことだ。突然その行動パターンを乱すことが人々の怒りを買うのは間違いない。

将来Instagramがメインフィードに「タップして次へ」を導入する可能性はまだある。しかし、今回の怒りの反応を見る限り、その変更によってユーザーの滞在時間が伸びることをデータが示さない限り、考え直したほうがいいかもしれない。

以下に「タップして次へ」の動作と使い方を説明するユーザーへの告知を貼っておく。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

フェイクフォロワーを見つけるためのデータをCaptiv8が年末レポートで教えてくれる

インフルエンサーマーケティングのためのツールを提供するCaptiv8が、今年度の総括レポート2018 Fraud Influencer Marketing Benchmark Reportをリリースした。その目標は、マーケターたちにフェイクフォロワーを見つけるためのデータを提供することだ。それにより、本物のフォロワーのいるインフルエンサーと、作り物の‘らしさ’だけを見せつける連中を区別できる。

レポートは、この問題が企業に実損をもたらし、2017年にインフルエンサーマーケティングにさまざまな企業から21億ドルが投じられたInstagramは対策に乗り出している、と言っている。2017年には、Instagram上のエンゲージメントの11%が偽のアカウントからだった。

Captiv8はこう言っている: “インフルエンサーマーケティングが本当に効果を上げるためには、フェイクフォロワーや偽のエンゲージメントを正しく見つける方法を持ち、彼らのパフォーマンスをベンチマークし、ソーシャルネットワークに投じたマーケティング費用の真の効果を測定すべきだ”。

そこで同社は、さまざまなカテゴリー(ペット、子育て、美容、ファッション、エンターテインメント、旅行、ゲーム、フィットネス、食べ物、人気者セレブ、など)にまたがる、5000名のインフルエンサーのエンゲージメント引き込み能力を、今年の8月から11月にかけて調べた。

そして、評価の基準となる標準的な活動を定義し、それを外れていたらマーケターが危険を察知できるようにした。ソーシャルメディアのオーディエンスには誰でもフェイクフォロワーが多少いるが、カテゴリーによって偽物率が違う。Captiv8によると、もっとも多いファッションでは、アクティビティの14%が偽だった。セレブは低率で、偽物率は4%だった。

Captiv8 report

レポートによると、インフルエンサーのフォロワーの数の一日の変化率は、平均で1.2%である。変化率がこれより相当大きいのは、怪しい。

オーガニックでスポンサーのあるコンテンツの平均エンゲージメント率は、食品の1.19%からエンターテインメントの3.51%までのばらつきがある(上図)。そして低いエンゲージメント率は、フォロワー数がボットやフェイクフォロワーによって膨らまされている確率が高い。

逆に、クリエイターのオーディエンスへのリーチやユーザー一人あたりのインプレッションが業界標準より高いのも、警戒のサインだ。たとえばファッションの画像はオーディエンスの平均リーチが22.69%、ユーザー一人あたりのインプレッションが1.32だ。

レポート全文はCaptiv8のWebサイトでダウンロードできる。

関連記事: Captiv8が、インフルエンサーデータベースを無料で公開

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Instagramは、オブジェクト認識技術を使用して視覚障碍者のための写真説明を追加する

Instagramはビジュアルなサービスだ。利用者が撮影した写真や動画をフィードする。だが同社はいくつかの新しい機能を導入することで、視覚障碍をもつユーザーに向けてのサービスを充実させようと再検討を行っている。

本日行われたアクセシビリティに重点を置いたアップデートでは、視覚障碍のあるユーザーのために、投稿内容に関する代替テキスト説明を提供する2つのオプションが用意されている。1つはユーザーによる代替テキスト入力を利用するもので、もう1つはFacebookのオブジェクト認識技術を使って説明を生成させる方法だ。

入力/生成された説明は、画面読み上げ機能を利用しているユーザーは聞くことができる。写真を投稿する際には、「詳細設定」の中に、ユーザーによる代替テキスト入力オプション(英語版では”Write Alt Text”という項目)が提供される(もちろんそれは少しばかり遠回りの方法だが)。もちろん人間が記入することでしか達成できないレベルのビジュアルな説明がある一方で、同社によって使われているオブジェクト認識ソフトウェアが、メインフィード、検索、そしてプロフィールといったセクション内に対する、ほぼ全ての項目へのテキストによる説明を生成する。

これは、これまでビジュアルに熱中させるフィードを推進しながら、テキストや外部へのナビゲーションは避けて、ほぼ完全にビジュアルであることで有名になったサービスとしては興味深い方向性だ。これまでは、Instagramは主流ユーザーを相手にしており、視覚障碍者(この機能を発表したブログ記事によればその数は2億8500万人である)も相手にはしてこなかったからだ。

(訳注:日本時間2018年11月30日0時の時点では、訳者のiOSアプリケーションはまだアップデートされていない。全部に行き渡るにはある程度の時間がかかるものと思われる)

写真クレジット:Getty Images

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(翻訳:sako)