IoTを妨害する最大の敵は当のプロダクトのオーナーだ

[筆者: Lisa Jackson]

編集者注記: Lisa Jacksonはfrogの役員で戦略部長。

物のインターネット(Internet of Things, IoT)は、確かに大きな好機だ。それにより、企業の場でも生活の場でも、これまでよりも正しいデータに基づいて意思決定ができるようになるだろう。企業の役員や管理職にとっては、新しいツールにより職場における無駄と非効率を減らせるようになる。

でもそんな未来が実際に訪れるためには、IoTの財務的妥当性や、そのための戦略的パートナーシップ、そしてプラットホームの複雑性が、IoTの最大の天敵であるプロダクトのオーナーに与える影響を、よく知らなければならない。

財務的妥当性

これまでプロダクトは、いくつかの段階から成る製品開発の過程を経てローンチし、ROIやマージンの計算が意思決定をガイドした。このような従来的なレンズを通して見ると、IoTデバイスはそのほかの投資対象候補と比べて全然魅力的に映らない。IoTはプロダクトのコストを急騰させ、しかもそれは使われるセンサの費用だけではない。そのほかに、既存の製品が新しい工業デザインを必要とし、電力や(インターネットへの)接続性の要求に対応するために製造ラインも更新しなければならない。

たとえばWhirlpoolの試算では、皿洗い機にインテリジェンスを加えると一台あたりのコストが5ドル上昇する。それにソフトウェアの費用(開発、運用、資本支出)が加わると、古典的なCFOの目の玉が飛び出るような、とてつもない回収期間になる。

Clay ChristensenがHarvard Business Reviewに寄稿した記事“The Capitalist’s Dilemma”(資本家のジレンマ)の中で、成功の測度として一般的によく使われる財務指標が、成長への投資を妨げている、と指摘している。そこでIoTの分野では、役員たちはむしろ、決算報告のためのレンズではなく、エコシステムのレンズを使って価値創造の機会を見つけるべきだ。

Philips社が 照明システムHueを作ったとき、必要な投資を営業利益だけで正当化しなかっただろう。むしろ同社は、デベロッパコミュニティの参加性に期待し、結果的にそのコミュニティは今日まで、Hueのプラットホーム上で200近いアプリケーションをローンチした。

物やサービスやドルやデータのフローに対しては、長期的な評価が必要であり、そしてその予想利益は、エコシステム内のすべての機会可能性に基づいて算出されなければならない。そういう、対象視野範囲の広い試算技術によってのみ、IoTへの投資の真の事業価値が認められ、実現され、そしてその長期的な計量が可能になる。

戦略的パートナー

IoTデバイスそのものの直接的な売上は少ないし、それは最初から当然視されていることも多い。そしてパートナーシップによる売上は、新たな見込み客生成やデータの収益化により相当大きいことが多い。正しいパートナーシップを確立するためには、起業家的取り組みが必要である。そういう路線で、NestはMercedes-Benzと、JawboneはWhirlpoolと組んだのだ。このような事業展開は、飛び込み営業や、シリアスな交渉の積み重ねを必要とする。IoTに死をもたらす天敵であるプロダクトのオーナーは、そういうB2B方面のやる気や能力を完全に欠いていることが多い。彼らが、時間がない、を、言い訳にするのは、もってのほかだ。

プロダクトのオーナーは事業展開における自己のロール(役割)に関してあらためて自覚とやる気を出し、同じくエコシステムのレンズを活用して、重要なパートナーシップを築くための機会を見つける必要がある。関係の構築に関して能力と経験のあるスタートアップの人材を、スカウトするのもよい。その場合、技術や製造過程に関して彼らにオープンにするリスクを覚悟しないと、彼らもパートナーとしての十分な活躍はできない。プロダクトのオーナーには、それまでのノンコミュニケーションでぬくぬく快適な繭(まゆ)を破って、自ら外へ出てくる元気が必要である。

プラットホームの複雑性

IoTデバイスはソフトウェアとクラウドプラットホームを必要とする。ソフトウェアという言葉を聞いてビビるようなハードウェアメーカーは、ソフトやクラウドがからむ開発過程や組織展開を、登頂不可能なヒマラヤの高峰のように感じる。物づくりは上手だがソフトウェアの能力を欠いていた企業(通信事業者や家電メーカーなど)は、インターネットに接続されたデバイス(コネクテッドデバイス, connected devices)を商業化するために完全なリストラをやるべきである。Honeywellは、温度計の製造とセキュリティシステムの制作が別事業部だったが、シームレスなスマートホームソリューションを売っていくために、組織と製品開発計画の、思い切った整理統合を行った。

インターネットに接続されたデバイスの未来は、新しい前向きの仕組みに基づく価値の測度を必要とする。

プラットホームというハードルを克服するために、ほかの業界から学ぶのもよい。たとえば成功事例の一つであるMedtronicのCareLinkプラットホームは、医師がインターネット経由で患者の医療器具をチェックできるシステムだ。成功企業の共通点は、できるかぎりアウトソーシングすること、組織の設計に戦略的投資を行うこと、そして買収をためらわないことだ。IoTの世界には敏捷なスタートアップたちが迅速に行動して価値あるリソースを提供している。Samsungが最近買収したSmartThingsなどは、その好例だ。

あらゆる業界で、プロダクトのオーナーは、1)財務的妥当性と2)戦略的パートナーシップの構築、および3)プラットホームの複雑性というハードルに直面している。企業のデジタル部門は、単純素朴なプロダクトマージン(という伝統的な視点)と、中核的事業が築くべき新しい価値との、違いを理解してもらう必要性に(社内的に)迫られている。私が見てきた小売企業たちは、組織改変をせずに個々のインターネット接続プロダクトをその都度ローンチしてきたため、いつまでもスケーラブルなプラットホームを欠き、行き詰まってしまった。組織を整理統合して、十分に大きくてスケーラビリティのあるプラットホームを持つべきである。また資本調達力が十分にある公益企業は、しかし事業展開のスキルがないため、小規模で実験的なIoTしかできないところが多い。

搾乳器のメーカーMedelaの場合は、顧客である多くのママさんたちが、センサを内蔵してインターネットに接続された搾乳器による、適切な授乳の指導(授乳量など)を期待していた。MITの研究室がたまたま、そんなコンセプトのための搾乳器ハッカソンを開催した。しかしMedelaは、市場で噂されたにもかかわらず、そんなイノベーションに乗らなかった。それは、現状で十分利益が上がっており、マーケットシェアも大きく、既存のパートナーシップは主に流通方面だけだったからだ。同社にはIoTに向かうインセンティブがなく、そのハードルが高すぎた。

IoTプロダクトのオーナーたちよ、同情はするけど許しはしない。コネクテッドデバイスの未来は、その価値が、新しい前向きの仕組みによって測られるようにならないかぎり、開けない。自分の事業をエコシステムのレンズを通して見ることによってのみ、IoTの真のポテンシャルを探求できる。戦略的パートナーシップと、複雑なプラットホームへの思慮深い投資によってのみ、そのポテンシャルを実らせることができる。

コネクテッドデバイスのネットワークが大きくブレークする臨界質量に達するためには、プロダクトのオーナーがこのチャレンジに取り組み、われわれみんなが待ち焦がれている未来のヒーローになる必要がある。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Ubuntu CoreのIoT用バージョンをCanonicalがローンチ

物のインターネット(Internet of Things, IoT)をLinuxで実装したい人は多いし、またその中には、裸のLinuxカーネルを自分でいじるのは面倒、と感じる人も多いだろう。そこでCanonicalは、同社のLinuxディストリビューションUbuntuのIoT用バージョンを出すことにした。それは前にもご紹介した、軽量快速バージョンUbuntu Coreがベースだ。これまでの数か月間同社は、そのUbuntu Coreの“さくっとした(snappy)”バージョンを、さまざまなクラウドコンピューティングサービス上でローンチしてきたが、Coreの基本概念は、要らないものをすべて削ぎ落としたぎりぎり痩身バージョンの、デベロッパが自分のニーズに合わせて自由にカスタマイズできるUbuntuだから、次の必然的なステップは、IoTやロボティクスに当然なる。

Ubuntu CoreではデベロッパがOSの基本部分をインストールし、その上に必要なアプリケーションやサービスを加える。それらのアプリケーションは自分専用のサンドボックス環境で動く。Ubuntu Coreは、アップデートの際のエラーリカバリを確実に行うトランザクション(的)アップデートをサポートしているから、ダウンロードエラー時のロールバックが確実に行われる。

Canonicalのファウンダで、ときどき宇宙カウボーイにもなるMark Shuttleworthが、今日の発表声明の中でこう言っている: “自律型ロボットという科学の大きな進歩により、防犯やエネルギーの効率的利用など、さまざまな分野で奇跡が実現した。世界はスマートマシンによって変わりつつあり、それらのマシンは過去にはありえなかった五感…視覚、聴覚、触覚等…を持ち、外部とコミュニケーションできる。Ubuntu Coreはそういう超スマートな連中のためのセキュアなプラットホームであり、また最新のソフトウェアをご自分のデバイスに簡単に実装してクラウドに容易に接続できるために、アプリストアもご用意している”。

このUbuntu Coreの初期の採用例の一つが、Ninja Blocksのホームオートメーション構築ブロックNinja Sphereだ。Ninja BlocksのCEO Daniel Friedmanは、“Ninja SphereのオープンなコントローラはUbuntu Coreをそのベースに使用しており、それは家庭内のデバイスやセンサと対話するアプリを構築するための、完璧な基盤だ”、と言っている。また教育用ドローンErle-Copter(上図)を作っている Erle Roboticsも、Ubuntu Coreの初期的ユーザの一つだ。そしてOpen Source Robotics Foundationの各種プロジェクトも、主にUbuntu Coreを使っている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Sony若手チームが「物のメッシュネットワーク」でクラウドファンディング…”事前知名度”をねらう

昨年、シンプルなeペーパースマートウォッチをクラウドファンディングしたSonyが、またIndiegogoにプロジェクトを出している。どうもSonyにとってクラウドファンディングは、新しいアイデアの有効性を、宣伝しながらテストする試験紙なのかもしれない。

その最新のプロジェクトMeshは、すでに目標額の半分近い22000ドルを集めている。それはセンサを使うDIYのためのプラットホームで、複数のデバイス上のセンサはBluetoothで互いに通信し、またiPadのアプリとワイヤレスで対話する。それら物のネットワークの機能を、アプリのドラッグ&ドロップインタフェイスで構成する。その用途例は、Indiegogoのページの最初の方に書かれている。

MeshのセンサコンポーネントはTagと呼ばれ(上図)、LEDと動き検出センサとワイヤレスのボタンとデジ/アナ入出力用のGPIOなどが用意されている。システムはそこから、対象デバイス(照明器具、モーターなど)のセンサと対話することになる。

またソフトウェアのTagもあり、たとえば天気予報のサービスからアラートを送ったり、カメラやマイクなどタブレット上のハードウェアを使ったりする。

複数のMesh Tagが接続され、iPadアプリで構成される。アプリのインタフェイスがシンプルなので、複数のTagが接続されたプロジェクトを技術者でない人でも作れる。またMeshのSDKがあるので、デベロッパは独自のソフトウェアTagを作って、より高度なカスタムプロジェクトを作れる。

いわば複数の多機能なTag群をメッシュネットワークで接続して一つのプロジェクトを仕上げるのだが、具体的にはどんなプロジェクトだろうか? Sonyが例として挙げているのは、たとえば、ドアが急に開いたらその瞬間に、びっくり顔の自己像を撮る写真撮影システムとか、何かが持って行かれそうになったら通知をするシステムなどだ。あるいはゲーマーの動きをTagが感知して、それにふさわしい効果音を発する、とか。要するにいろんなTagを組み合わせた作った一つのメッシュネットワークが、特定の、ユーザやデベロッパが狙った機能を発揮するのだ。アイデアやニーズは、無限にありえる。

クラウドファンディングの目標額が得られれば、Meshのキットは5月にまず、合衆国と日本で発売される。Indiegogoの支援者なら、ベーシックなキットが105ドル、GPIO Tagはやや高くて、別途55ドルだ。

過去に類似製品として、ワイヤレスのセンサキットSAMや、デベロッパ向けにはrelayrのWunderBar、健康とフィットネス専門のBITalinoなどがあった。しかし何よりも興味深いのは、今回のように消費者電子製品の大企業が、クラウドファンディングに頼るスタートアップのような形で、社内の創造性を育てようとしていることだ。

MeshのチームはIndiegogoのページ上で、“Sonyの社内起業育成事業から生まれた熱心な技術者たちの小さなチーム”、と言っている。Bloombergの記事によると、Sonyは昨年から、既存の組織分けになじまないような新しいプロジェクトを見つけて、スピーディーにそれらを育てるための、新しい部署を作った。いわばSonyの社内の起業家的社員たちが、Sonyという名の社内VCにアイデアを売り込んで、必要な資金とともにゴーサインをもらう、という形だ。最初のアイデア売り込み大会は、昨年6月に行われたそうだ。

このMeshも、その最初のピッチ大会から生まれて、その後のプロトタイピング等により実現のめどが立ったので、今年の前半までに製品化できる、という確信を持ったのだろう。クラウドファンディングの目標額は5万ドルで、期限まであと53日ある。

でも、Sonyほどの有名大企業が、なぜクラウドファンディングを頼るのか。それは、このところ企業イメージがひたすらダウンしている旧タイプの古参企業が、スタートアップ全盛のこの時代に、そういう新しい世界の一員になって、AppleやSamsungに負けないフレッシュな企業イメージを確立したいからだ。言い換えるとクラウドファンディングを利用することによって、Sony自身からも体にたまった垢が落ち、自分自身も、若い熱心な技術者チームが引っ張る若い企業になれる。少なくともイメージ的には。

しかもクラウドファンディングには、資金が得られるだけでなく、コミュニティが形成されるメリットがある。そこでは彼らは、エリート企業のエリート社員ではなく、ふつうの若者として、コミュニティの一員になれるのだ。しかも、忌憚のないフィードバックが、無料で得られる。

“Meshをさらに良くしていくための、どんなアイデアでも歓迎します。あなたならどんなものを作るか、それを知りたいのです”、とチームはIndiegogのページのオーディエンスに語りかけている。

Sonyという老朽企業が、滝に打たれて若返るための、謙虚な修行の場。それが、彼らにとってのクラウドファンディングと、スタートアップ界隈のコミュニティだ。それは、世の中に対して教える企業から、世の中から教わる企業への、180度の変身だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


モノのインターネットは、単なる新しいオモチャではない

編集部注: Marc CanterInterfaceのCEO。Interfaceはモノのインターネット向けのパーソナライズド・アプリ/体験を、簡単に作るための新しいオーサリングシステムを開発している。

モノのインターネット(IoT:Internet of Things)は、最新かつ最大のバズワードであり、IT企業、製造会社、大型小売店から医療業界まであらゆる大型プレーヤーが、IoTを次の大ブームであると宣言している。それぞれの業界が、小さな低消費電力スマートデバイスあるいはセンサーの活用方法を探りつつ、それぞれの未来製品戦略の中にIoTを組み入れている。

業界はIoTに興奮するあまり、口角泡を飛ばす勢いのヒステリー状態に陥っている ― 例えばCiscoにいたっては、呼び名を “Internet of Everything”[あらゆるモノのインターネット]にしようと試みている。Ciscoが何かの名前を変えようとする時は(「ヒューマンネットワーク」の時と同じように)、何か悪いことが起きるとわかっている。

Qualcommは複数のIoTプラットフォームを持ち、Intelは独自の標準を打ち出し、AppleとGoogleはその囲い込み戦争を再演している ― いずれもわれわれの予想通りだ。

かつての主要技術トレンドと同じく、IoTは、展示会やカンファレンス、アクセラレーター、ベンチャー基金、さらには地域のミートアップやDIY共同作業スペース等、様々な機会を生み出してきた。そして、McKinsey、Accenture、KPMG以下、あらゆるコンサルティング会社が、今やIoT部門を持ちその営業している。

私にとって最大の驚きは、一般人にとってのIoTの利益が何であるか ― そしてIoTそのもの ― の明確な定義が完全に欠けていることだ。

世間にはすでにIoTに対する否定的態度が見られるが ― Google Glassとそのろくでなしユーザーに対する拒絶反応であれ、フィットネス端末の放置率50%以上という数字であれ ― 今も売れていると同時に放置されている。

消費者は、機械同志の通信(M2Mと呼ばれることもある)やクラウド自体を理解しておらず、ターミネーターに出てくるスカイネットの一種か何かだと思っている。NSAのスパイ行為に対する大衆の反応を踏まえると、IoTの根本的課題は、平均的消費者の心理の中に基本的信頼感を植えつけることにあると私は考える。

しかしIoTの本当の問題は、人々がこれをピカピカのおもちゃと考えていて、万能の、世界を変える、未来に備えるものであるという、その真の姿に気付いていないことだ。

IoTを単なる「もう一つのニュートレンド」と見ることは、未来の可能性を見過ごすことになりかねない。可能性はそれよりはるかに大きい ― 正直なところ私は、驚くべき可能性を持つ物事が正しく理解されずに「単なる新しいトレンドかブーム」として扱われるところを見るのにうんざりしている。

魔法のような技術が(ユーザーの活動や行動パターンに基づく)リアル世界データと組み合わさった時、そこには必ず「スマート」な未来のソリューション新時代への兆候が見られるはずだ。

分散ネットワーク環境で同期化組織化による相互運用を行う技術プラットフォームは、私のようなソフトウェア人の刺激を大いにかき立てる ― しかし、同時にこの流行語ベースの集合的ヒステリー行動が心配になることもある。

私はIoTを、あらゆる現代テクノロジーの頂点であり、オンライン技術とリアル世界の統合をようやく実現するものであると考えている。

エンドユーザーとそれを取り巻く世界のコンテキストを理解することによって、今われわれは本当の、「媒介された対話」、リアルタイムの介入と支援、日常体験のオンライン補助、そして遂には「コンテキスト対応」したアプリを作ることができる。。

この急成長する「コンテキストの時代」(ロバート・スコーブルとシェル・イスライルが同名の著書でそう呼んでいる)に関していちばんワクワクさせられる物事が何かを、われわれはまた知らない。たしかに未来は不透明で漠然としているが、それがスマートウォッチやリストバンド(あるいはスマートホーム)に始まる一連のテクノロジーに基づくものになることは間違いない。コンテキストのある最新データを(クラウドの中の)「知能」に送り込むと、このデータが分析されリアルタイムでコンテキストに対応した体験が生み出される。きっとそんな世界だ。

こうした体験は、モバイルデバイスとソーシャルグラフの友達、同僚、家族らと共に作られ、デジタルコンテンツのストリーミングも入ってくるだろう。それは、単なるピカピカのニュートレンドをはるかに越えるものだ。

私の頭のに中は新しいタイプのソリューションと創造体験があふれているが、IoTにはモバイルアプリとソーシャルなつながりも必要であることを私は知っている。そして、デジタルメディアとストリーミングコンテンツも忘れてはならない。

というわけで、今後IoTという言葉を聞いた時には、必ずその本来の意味を考え、たまたま何兆ドルもの価値を持った単なるニュートレンドではないことを思い出してほしい。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


センサなどからのストリーミングビッグデータをリアルタイムで処理するRapidMinerのStreamsサービス

RapidMinerが今日(米国時間12/17)発表したStreamsサービスは、データのストリームをリアルタイムで捕捉して処理する。RapidMinerのMichele Chambersの説明によると、このサービスがとくに便利なのは物のインターネット(Internet of Things, IoT)の分野におけるデータの捕捉と処理や、工業分野におけるセンサデータの取得とそれに対する瞬時の対応だ。

Streamsサービスはユーザのソースからデータを取り込み、それをもとにデータのブレンディングや、ストリーミングデータの分析、データからのモデル作成、などの処理をすべて、Apache Stormのクラスタで行う。ユーザがコードを書く必要はない。ユーザはRapidMinerが開発したバックエンドに対する指示をGUIのフロントエンドから行うだけである。データの処理は、最大遅延5秒という準リアルタイムで行われる。

このプロダクトは、これまでの1年間未発表のまま温めてきたが、その理由の一部は、Apache Stormが商用製品に使えるほどの安定に達していなかったからだ。そのテスト期間にRapidMinerは、某メディア企業のセットトップボックスから得られる視聴者のビヘイビアデータの取得と分析を行った。その結果に基づいて同社は、個々の視聴者に適切なリコメンデーションを送り、また広告ネットワークに対してはターゲティング広告のための情報を提供した。

同じくこのベータ時期に、コンクリート企業がその生コン製造機械やコンクリート打ち込み機械などからのセンサデータを捕捉して分析した。そういうコンクリート関連の機械装置は酷使によってすぐに壊れるので、最大能力の75%ぐらいでしか稼働できなかった。しかしStreamsのリアルタイムデータ分析により、機械の損傷に導く二大要素が振動と湿気であることが分かった。この二つの要素を適切にコントロールすることにより、安定稼働率が95%に上がった。

RapidMinerがStreamsでねらっているのは、こういうタイプのユーザニーズだ。Chambersによると、Storm以外のもうひとつのオープンソースソフトウェアの成熟を待って、来年の第一四半期にはStreamsのアップデートを行う。

さらにChambersによると、このプロダクトは同社のこれまでの製品系列との相性も良く、顧客に提供するビッグデータ処理オプションがまた一つ増えた、という形になっている。

また、同社は近く、データ視覚化のQlikや検索のApache Solr、WebスクレイピングのMozendaなど用のコネクタもリリースする。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


ベンチャーキャピタル、IoT(モノのインターネット)に狙いを定める―過去1年で投資3億ドルに急増

編集部: この記事の筆者、Christine MageeはCrunchBaseのアナリスト

日本発のパーソナル・モビリティ、Whillからワイヤレス充電のuBeamまで、家庭や自動車やオフィスにイノベーションを起こそうとするIoT〔Internet of Things=モノのインターネット〕のスタートアップが何百万ドル単位の資金調達に成功する例が相次いでいる。Kickstarterなどのクラウンドファンディング・プラットフォームではスピーカーやバッテリー充電器にもなるスマート・クーラーボックスとかカスタマイズできるスマートウォッチなどがヒットを飛ばしている。

それにとどまらず、最近ベンチャーキャピタルもホームオートメーションやホームセキュリティーの分野への投資を急増させている。GoogleのNest買収SamsungのSmartThings買収といった大型買収に刺激されて、この分野へのベンチャーキャピタリストの関心がかつてなく高まっている。

過去1年でベンチャーキャピタルは97回のラウンドで3億ドルをIoTスタートアップに投資した。しかも案件の半数は最近の四半期に実施されている。四半期での シードラウンドの件数は過去最高を記録している。

この件数急増の一因はIoTを対象としたアクセラレーターの整備によるものだ。R/GA、TechstarsのニューヨークのIoTアクセラレーター、Microsoft Venturesがシアトルに開設したホーム・オートメーション・アクセラレーター、 グローバルなアクセラレーターのHAXLR8Rなどがその目立つ例だ。ベンチャー投資家がIoTスタートアップの動向を注視していることはシードラウンドだけでなくSeries Aラウンドの数も新記録だったことでも推測できる。

Galvanize VenturesのNick Wymanは「この分野への投資を決断したもっとも大きな理由はIoTこそ将来だというコンセンサスが出てきたことだ。ビッグデータの取得と利用、スマート・ホーム、ホーム・セキュリティー、いずれもIoTテクノロジーが中心的な役割を果たすことになる」と説明する。

先週、GalvanizeはIoTスタートアップのKeen Homeへの投資ラウンドを実施した。これには損保のAmerican Family Insuranceやコミュニケーション企業のComporiumが戦略的投資家として参加している。Keenの最初の製品はスマート換気システムで、家の所有者は部屋ごとに換気をコントロールすることで室温を快適に保ちながら省エネを実現できる。「われわれは今後新しく現れてくる市場に投資している」とWymanは言う。Galvanizeは室内ガーデニングのスタートアップ、Grove Labsや家庭でビールを醸造するキットを開発したBrewBotにも投資している。

Keen Home自体はパズルの小さなピースかもしれないが、家のスマート化というその全体像は巨大だ。個別システムが多数登場すると、それらを協調させるハブの存在が強く求められるようになる。

BoxGroupDavid Tischは現在の状況を「Apple (Homekit)にせよ、 (Nest)、(SmartThings)、GE (Wink)にせよ、こうしたホームオートメーション・プラットフォームが最終的にどのような形を取るのか、まだ見えていない。今のところIoTエコシステムはまったく不透明な状況だ」と考えている。

Tischは去る7月のSamsungの買収に先立って、SmartThingsの1500万ドルのラウンドに参加していた。しかしそれ以後はホームオートメーションの分野で大きな投資の決断をしていない。先行きへの不透明感が、件数は多いものの大型投資案件が比較的少ないという傾向を招いているようだ。IoT分野での大勢が決まるまではあまり大きなリスクを取りたくないというのが投資家の心理なのだろう。ただGoogleなりAppleなりによってホームオートメーションのハブの事実上の標準が成立すれば、投資家には朗報だが、一部の消費者は、そういった巨大プロットフォームにもっとも重要なプライバシー情報をコントロールされたくないと反発するかもしれない。

HAXアクセラレータから巣立ったForm Devicesはそういった懸念に答える形で、 「ソフト・セキュリティー」を提唱している。これは従来のセキュリティーがカメラやセンセーといったデバイスに依存する「ハード・セキュリティー」だったのと対照的なアプローチだ。今週、 Kickstarterでプロジェクトを公開しているが、このシステムは24時間常時セキュリティー情報を記録するのではなく、ソフトウェアによって「何らかの異変」が感知されたときのみ、情報の記録を開始する。ユーザーは大量のプライバシー情報が外部のシステムに蓄積されてしまうことに対する不安を覚えずにすむわけだ。

「いずれにせよ、IoTの進展によって収集されるデータの量は飛躍的に増加する。それにともなってこのデータを効果的に処理、分析することから大きなチャンスが生まれ、ビジネスのあり方に革新が起きる。家庭、自動車、オフィスからIoTが始まろうとしている。その影響はドミノ倒しのようにあらゆる分野に急速に広がっていくだろう。インパクトは巨大だ」とR/GAのConnected DevicesプログラムのJenny Fieldingは予想する。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


Google、アプリを介さずモノのインターネットと会話できる標準規格Physical Webを開発中

Googleのユーザー体験デザイナーのScott Jensonは一度Goolgeを離れた後、昨年11月にChromeチームに戻ってきた。そのJensenがオンデマンド・インタラクションを提供するThe Physical Webという開発中のプロジェクトを紹介している。

その目的はアプリの仲介なしに各種のスマート・デバイスを使ってモノのインターネットと会話できるようにすることだ。ユーザーがスマートフォンを持ってバス停に近づくと、特別のソフトウェアを開かずに、次のバスがいつ来るか知ることができるようになる。

このプロジェクトはスマートデバイスの将来を大きく変えようという大胆な賭けだ。アナリストの予測によれば、インターネットに接続されるデバイスの数は向こう数年で爆発的に増大するという。Ciscoは2020年までに500億個のインターネット接続デバイスが活動するようになると予測している。Intelは来年中に150億個が接続されると考えている。Jensonが指揮するGoogleのプロジェクトはこのインターネット接続デバイスを日常簡単に使えるようにするための試みだ。

「いちいち専用のアプリを立ち上げたり、インストールしたりする必要なしに、スマートフォンやスマートウォッチを持っているだけで、レンタカー、自動販売機、おもちゃ、ポスター、バス停などに近づくだけで会話ができるようになる。すべてワンタップだけでつながる」とJensonはPhysical Webのページで説明する。

しかしPhysical WebはGoogleのOSやデバイスだけの利用を考えておらず、ウェブ規格同様、誰もが自由に使えるオープンな標準を目指している。オープン化はモノのインターネットの実用性を大きく拡大するはずだ。しかしこの種のテクノロジーではAppleはiBeaconとそれに関連するiOS 8のコンテキスト的推薦機能で独自のテクノロジーを構築する方向に進み始めている。

Jensonはプロジェクト・ページでPhysical Webの実用的な応用について、パーキング・メーターや自販機に対してアプリなしで支払いができるなどの例を上げている。またこれを拡大して、現実店舗での販売をモノのインターネットで自動化したり、ZipCarなど共有型レンタル自動車が駐車場の看板と会話できるようにして希望の場所で車の貸出、返却、支払いが自動的に行われるといった応用も提案している。当面Chromeがこのプロジェクトのユーザー・インターフェイスを担うことになるが、Jensenのチームはサイロ型の独自規格とネーティブ・アプリの並立を排除し新しい「スマートデバイスのウェブ標準」を目指すという。

実際に公的な標準化が進むのは(実現するとしても)何年か先のことだろうが、中央集権的なハブやSmartThingsのような専用アプリを必要としないモノのインターネットの標準化というアイディアは魅力的だ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


物のインターネットにメッシュネットワークを構成させるOpen Garden…インターネットがなくても互いに通信して情報を伝達

Open Gardenは2年あまり前のTechCrunch Disrupt NYでローンチした。当時の同社は、Androidスマートフォンによるメッシュネットワークの構築がメインだったが、その後、オフラインチャットのFireChatで成功した。そして今同社は、物のインターネット(IoT)への進出をねらっている。

Open GardenのMobile Network for IoTデバイスは、同社がそのモバイルアプリのために開発したものと同じメッシュネットワーキング技術を使って、互いに対話をする。また対話だけでなく、そのシステムは単一のアクセスポイントにより情報をインターネットに渡せる(上図)。つまり、そのネットワークの中にインターネットに接続しているデバイスは一つだけあればよい。

Open Gardenの技術を採用した最初のデバイスは、車のキーや財布やペットを見つける TrackRだ。一般的には、キーが何らかの形でインターネットに接続していれば、それを見つけることができる。しかし、キーが家のカウチの後ろにあるなら問題ないが、路上でなくしたのだったら、そいつはあなたにpingできない。でもOpen Gardenなら、ほかのTrackRユーザや、Open Gardenのアプリをインストールしているデバイスを持ってる人が、紛失物から100フィート以内に来ると、彼らの電話機が接続をセットアップしてオーナーにアラートする。

TrackRはこれまで、約25万台のデバイスを売った。Open Gardenのモバイルアプリと、FireChatと、TrackRアプリを合わせて、Open Gardenはまあまあのリーチを確保しているが、まだまだユビキタスにはほど遠い。範囲が広く、密度が密になるためには、たくさんのパートナーとの積極的な提携関係が必要だ。同社はそれを目指して、いろんなデバイスメーカーにAPIを公開し、彼らのすべてのデバイスがOpenGardenのメッシュネットワークをサポートしている状態の実現を、目指している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


半導体投資の回復

[筆者: Ilgiz Akhmetshin]

編集者注記: Ilgiz AkhmetshinはSKTA Innopartnersで事業開発とマーケティングを担当している。IlgizはITと情報システムの分野で、さまざまな経験を積み重ねてきた。

これまでの数年間、半導体への投資は低迷していた。SGAの調査によると、2010年の北米、ヨーロッパ、およびイスラエルでは、半導体企業へのシリーズAの投資はわずか5件、出口はわずか10件だった。それまで半導体企業に投資してきたVCも、スケーラビリティが大きくて出口までの期間が短く、失敗のコストが低いソフトウェアのスタートアップに軸足を移してきた。

しかしながら、半導体投資は2013年に底を打ち、徐々に回復に向かっていると私は思う。CrunchBaseなど一般に公開されている取り引きデータを見ても、最近の投資トレンドには明るい材料がいくつか見つかる。

VCの集団脱走

資本費用の高騰

半導体スタートアップがVCにとって魅力薄になった理由はいくつかある。第一の理由は、コンセプトの段階から概念実証の段階へ進むために必要な資本の大きさだ。半導体製品は通常、試作品を設計してコンセプトをテストするまでに最大18か月/100万ドルを要し、最初のサンプルチップができあがるまでにさらに200万ドルを要する。

半導体スタートアップを起業するために必要とされる資本の額はVCたちに、緩和努力のありえない大きなリスクをもたらす。半導体開発はソフトウェアと違って、フェイルファスト(fail fast, 早い失敗, 失敗が早めにわかること)の機会がないからだ。この投資構造のゆえに、ベンチャーキャピタリストは半導体スタートアップを避けようとする。

買収による整理統合

半導体がVCにとって魅力がなくなった第二の理由は、半導体業界における大規模な整理統合だ。ほんの数社の巨大企業が残り、買収能力のあるそのほかの企業(出口機会)や、またスタートアップがスケールしていけるための大きな顧客は、もうほとんど残っていない。

たとえば、今の業界の最大の問題のひとつは、10ナノメートル未満の加工技術に必要な安価で信頼性の高いEUVがないことだ。優秀なソリューションを抱えたスタートアップが数社あり、それぞれが製品を市場に出すまでに200〜300万ドルを必要としていた。ところが、彼らにスケールアップの機会、出口の機会を与えうる顧客はASML一社しかなく、しかも同社はすでにCymerに投資していた。このような状況があるため、スタートアップが資金を調達することはきわめて難しいのだ。

また、設計ツールの費用も高い。メーカーはCadenceSynopsys、わずか2社だ。彼らは小さなスタートアップに対して一人一年あたり50000〜75000ドルのライセンス料を課金する。これによってスタートアップのバーンレート(資本燃焼率)が大きく上昇する。

販売サイクルが長い

販売サイクルが長いことも、半導体スタートアップが投資家にとって魅力薄である理由の一つだ。あるスタートアップが、あらゆる問題を解決克服して最良のチップを作ったとしよう。そのチップは、最終設計の完成から市場で一般的に入手可能になるまで、平均3年を要する。かつて優れた製品を作ったCalxedaは、この長い坂の途中で息切れ(資金切れ)し、落伍した。半導体スタートアップは市場からの需要の牽引力を早めに得ることができないため、投資家も初期の投資(育成的投資)をためらうのだ。

半導体スタートアップへの投資が戻ってきた

上で挙げたようなさまざまな問題があるにもかかわらず、半導体企業への投資は徐々に回復している。2014年の最初の6か月のデータを見ると、2013年に比べ、投資ラウンドの回数は30回から35回に増加し、投資を受けたスタートアップは27社から31社に増加した。

この程度の増加は統計的に意味がないかもしれないが、しかし真の変化はその細部にある。

2012年の前半における32回の投資ラウンドのうち、新しい企業への投資はわずかに2件だった。そのほかの投資は、すでに投資をされている企業への追加的ラウンドだ。2013年の前半も同じ傾向で、スタートアップへの投資はわずかに3件だった。ところが今年は、1月から6月までで、新しい半導体スタートアップへの投資が20件近くに達した。

またLPたちも半導体企業とコア技術への関心を新たにしているようだ。Walden Internationalは最近、半導体向けのファンドとして1億ドルを確保した。噂では、某ファウンドリ企業が、スタートアップインキュベータ/アクセラレータ事業の立ち上げを検討している、といわれる。

過去数年間、資本集約型のスタートアップにとって、投資の欠如が致命的な問題だった。しかしながら、投資家たちはこの分野に戻りつつあるようだ。このトレンドが今後も続き、コアテクノロジにおけるイノベーションに火をつけ、新世代のIoTデバイスを可能にし、業界を大きく変貌させるアプリケーションが作り出されることを、期待してやまない。


資料:

  1. CrunchBase Data Export
  2. GSA Capital Lite Working Group Update

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Samsung、モノのインターネットのSmartThingsを2億ドルで買収

覚えておいでだろうか? 去る7月、本誌はSamsungがモノのインターネットのSmartThingsを2億ドルで買収することを検討していると報じた。

その通りになった

Kickstarterでスタートを切った会社が、また大きな出口を見つけた。

その名の通りSmartThingsは、、、スマートなモノを作っている。照明スイッチ。水センサー。ドアロック。すべてが彼らのiOS/Androidアプリとつながっていて、どこからでも監視、制御できる。

SmartThingsは、これまでに計約1550万ドル(Kickstarterで集めた120万ドルを含めず)を調達しており、最近では、2013年11月にシリーズAで$1250万ドルを獲得した

同社は、今後もSmartThingsブランドの下で独立運営していくが、オフィスはSamsungのパロアルト支店に移転すると言っている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


bttnはWebの汎用クライアントをシンプルな物理ボタンにして広範なB2B市場を開拓

IFTTTというWebサービスは、レシピと呼ばれるプログラムに基づいて複数のWebアプリケーション間の動的関係を自動化する。たとえば「もしもFoursquareでチェックインしたら、Facebookのステータスをアップデートせよ」、なんて。なかなか便利なサービスなので、ファンやマニアも多い。

でも、難しいプログラムを書かないと人生が快適にならないのはいや、という方のためには、Webサービスではなく、bttnという名のハードウェアがある。これは、すでに用意されているいくつかのレシピに基づいて、画面上のボタンではなく、実物のボタンを押すとアクションが実行される(上図)。

今日(米国時間5/27)、69ユーロで予約受付を開始したbttnは、インターネットに接続された物理的なボタンで、そのボタンが何をトリガするかによって、実際に起きるアクションが決まる。あなたが設定した条件に基づいて実際にアクションを実行するのは、フィンランドのThe Button Corporationのサーバだ。あなたはこのサーバに、SMSや携帯/スマートフォンやWiFiなどで指示を送る。ボタンの電源は、電池またはUSBケーブルだ。サーバにあなたが送る指示(コマンド)は、ブラウザ上でカスタマイズできる。

では、一体、何をカスタマイズできるのか?

サーバは、bttnが押されたときに起きるさまざまなアクションを提供する。それらのアクションはユーザが構成可能である。シンプルなウィザードを使ってさまざまなインターネット技術…HTTP、RSS、IFTTT、SmartThings、Twitter、Facebook、メール、SMSなどなど…を利用できる。われわれはたえず、これらの選択肢の増加に努めている。

使い方の例としては、子どもが帰宅してbttnを押すと、帰ったよというSMSが親に送られる(自分の携帯を使わないですむ)、というのがわかりやすいだろう。あるいは、高齢者が、気分が悪くなったときにbttnを押すとSMSが送信され、介護者が来てくれる、というシナリオもありえる。逆に、今日はなんでも自分でできたから、来なくてよいよ、というメッセージでもよい。

ボタンを押したあとでbttnのグリーンのLEDが点灯したら、コマンドが正常に実行された、を意味する。黄色なら、“待機中”、赤は“エラー”だ。

このLEDライトを、ユーザへのプロンプト(“ボタンを押せ!”)として利用することもできる。たとえば、ゆっくり点滅したら“押してね”、急速に点滅したら“大至急押して!”の意味にするとか。高齢者などの場合は、決められた時刻にボタンが押されなかったらプロンプトを点滅させる、という使い方がよいだろう。

このプロンプト機能は、家庭内で一定時間ごとに薬を服む/服ませる、とか、高齢者の無事を確認する、という使い方ができる。bttnのファウンダHarri Rautioの最初の発想が、後者だった。

コマンド実行のフィードバックとプロンプト機能は今後、ライトの色や点滅だけでなく、音声の利用も考えている。コマンドをサーバに送ることも、音声でできるようにしたい、という。

IFTTTに対しては、bttnの作者たちは、あくまでも補完的な位置づけだ、と考えている。とりわけ、コンピュータやスマートフォンなどがない、あるいは使えない場面では、bttnが重宝するだろう、と。もちろん、さっさと用をすませたい、いちいちコンピュータやアプリを立ち上げるのは面倒、という場面もありうる。

他製品との競合については、同社はこう言っている: “単一目的のレガシーな製品やサービスが数多くある。たとえば子どもや高齢者の連絡用、など。でもそれらの多くは供用範囲がローカルだ。bttnは多目的に利用でき、インターネットのおかげで供用範囲はグローバルだ”。

“多目的でグローバルといえば、IFTTTなども競合相手になるかもしれないけど、実際にはこれらは、競合というよりも相補的な関係にある。うちのような物理的なボタンでなく、画面上の仮想ボタンを押す類似サービスも、すでにいろいろある”。

“bttnの、他にない抜きん出た特長は、非常にシンプルで使いやすいこと、自由度、低価格、クライアント側にコンピュータやスマホなどが要らないこと、そして、パートナーが自己ブランドでデバイスとサービスを提供できることだ”。

というわけで、同社がメインの収益源と考えているのは、あくまでもb2bの市場だ。もちろん最初の立ちあげ時には、ハードウェアマニアのような個人にも、一回かぎりの低額料金で提供されるのだが。

b2bの例として同社はすでに、フィンランドのタクシー/マイクロバスサービスの大手Kajon Oyを顧客にしている。bttnを、レストランやホテルなど、町のあちこちに置くことによって、タクシー等の利用者を増やすとともに、“毎回いちいちタクシー会社に電話をする”というお客さん側の手間も省くのだ。

またもうひとつの顧客、映画館チェーンのFinnkinoでは、館内の随所にbttnを置いて、来館者サービスを充実させている。

同社は2013年9月に創業され、今年の初めまで、一定の顧客とベータのユーザグループにサービスを提供していた。資金はすでに、SuperCellの発明者Jari Ovaskainenやフィンランド政府のテクノロジ企業育成ファンドTekesから得ている。これまでの調達総額は100万ユーロ弱だ。

同社のb2bを中心とするビジネスモデルは、月額の料金制だ。企業パートナーの方が、個人ユーザよりもお金を払いやすいのである。でも今回の予約受付に応じた初期ユーザは、無料で利用できる。彼らの手に製品が届くのは、10月の予定だ。

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Apple、WWDCでスマートホーム用プラットフォームを発表か

Appleがスマートホーム分野に本格参入しようとしているとFinancial Timesの最新記事が報じた。同社はiPhone等のiOSデバイスを、スマートホーム機器用プラットフォームに変え、照明やセキュリティーシステム等の〈つながる家電〉を制御可能にしようとしている。プラットフォームはiPhoneに内蔵され、複数のサードパーティーアプリに分散するのではなく、集中制御方式をとると同紙は伝えている。新プラットフォームは来週のWWDCで披露される。

対応機種にはiPhone、iPadだけでなく、Apple TVも含まれると記事は伝えており、Apple TVは今年中に新機種が出るという。これらを組み合わせることにより、例えば部屋に入ると照明が点灯したり、家を離れるとセキュリティーシステムが有効になる等の自動化が可能になる。サードパーティーハードウェアの「Made for iPhone」プログラムと同じく、Dropcam、Next、Philips等のアクセサリーメーカーは、自社のスマートホーム機器がAppleの自動化プラットフォームで動作することの認定を受けることができる。

FT紙はこれをAirPlay、CarPlay、およびiBeaconと比較し、自動化機能の一部に低電力Bluetoothが利用されることを示唆している。また、次期iPhoneのNFC採用を予測するアナリストがいることも指摘しており、NFCはこの種のスマートホームシステムと相性が良い。

Appleがこの分野に参入することは、SmartThings等すでに同様のサービスを提供しているスタートアップにとっては悪いニュースかもしれないが、消費者のスマートホーム機器導入を著しく促進する可能性がある。スマートホーム技術は、Philips、Honeywell等の伝統的家電メーカーの参入にもかかわらず、消費者への普及に関してはまだ初期段階にある。Googleも、すでにモノのインターネットおよびスマートホーム技術に注力する意向を明らかにしていることから、Appleが積極的に領有権を主張することは理にかなっている。

来週のWWDCでは、iOSおよびOS Xの新バージョンが発表されることも予想されており、6月2日月曜日の基調講演では多くの魅力ある発表が行われるだろう。本誌は現地からライブでニュースを届ける予定だ。

Image: Composite with Shutterstock photo

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リモートで愛猫をモニタしながら遊んでやれるKittyo, わずか一日でKickstarterの目標額を突破

あなたはご自分の猫といつも一緒にいないといやな方(ほう)ですか?(もしそうなら、猫にとっては理想の飼い主ね)。猫は、わがままな個人主義者でありながら、室内で飼われていると、歩き回ったり、刺激を求めたり、たっぷりとエクササイズをしたくなったりするものなのだ。動物愛護団体、Humane Societyもそう言っている。ここでご紹介するKittyoは、飼い主が猫をリモートで監視しながら猫と遊んでやれる、というデバイスだ。

これのKickstarterキャンペーンは二日前に始まったばかりだが、すでに目標額3万ドルの4倍、12万ドル近くが集まっている。一見、小さなコーヒーメーカーのような形をしているが、KittyoはiOSやAndroidのアプリでコントロールして床や壁にレーザービームを投射し、猫はそれを追っかけて遊ぶ。おやつを出してやることや、内蔵のカメラとマイクで猫の姿をモニタしたり、ビデオに撮ることもできる。

スピーカーもあるので、猫に話しかけることもできる。猫にその気があれば、耳を傾けてくれるだろう。猫にとって残念なのは、Kittyoに猫パンチを食らわせてひっくり返し、粉々にしてしまうことはできない。壁や棚にクランプで固定されるからだ。

クリエイティブディレクターのLee Millerは、友だちの子猫の世話を頼まれたときに、Kittyoを発想した。ひっきりなしに彼からテキストや写真のアップデートを求められるので、彼女はさとった。猫を飼っている人は、その毛むくじゃらのお友だちに夢中なのだ。Kittyoを実際に作ったのは、製品開発スタジオのIon Designだ、そして生産過程はEastbridge Engineeringが監督した。

合衆国のペット市場の規模は555億ドルといわれ、またインターネット接続型デバイスの市場は2020年に3090億ドルになると予想されている。その中には当然、犬や猫をリモートで世話したり、遊んでやるデバイスも含まれるし、その製品はますます多様化するだろう。本誌TechCrunchが最近取り上げたものの中には、電脳給餌器PetNetや、同じくリモートでペットと遊んでやれるPetcubeなどがある。

Kittyoの小売予価は189ドルだが、Kickstarterの出資者には50ドル以上安くなる。発売は11月の予定だ。

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製造業の自己革新を懸けてSiemensが$100MのVCファンドを創設

ヨーロッパ最大のエンジニアリング企業Siemensの投資部門Siemens Venture Capitalが、このたび新たに1億ドルのファンドを立ち上げた。このファンドの投資目的は、オートメーションの新しいやり方など製造業に革命と革新をもたらすデジタル技術を追究する若い草創期のスタートアップの育成だ。同社は過去二か月ですでに、3D視覚化のLagoaと、次世代のサイバーセキュリティソフトを作るCounterTackの二社に投資を行っている。

既存企業系のベンチャーキャピタルはこれまで、“鈍い”と評されることが多かったが、本誌TechCrunchの昨年11月の記事にも見られるように、最近では専業VCと変わらぬ鋭敏な動きを見せるところもある。事実、2013年10月には48件のVC投資ラウンドが総額7億1900万ドルの投資を行い、しかもその14%がCVC(corporate venture capital, 企業のベンチャーキャピタル)からの出資だった。CrunchBaseのデータによると、それはCVCの参加率が昨年で最高の月だった。

SiemensやGEなどのエンジニアリングと製造業のコングロマリットは、自分たちのデバイスやマシンが捉えたデータやインサイトを有効利用したいと考えている。またインターネットとそのほかのデジタル技術を組み合わせた新しい製造技術をGEらは“Industrial Internet”(産業インターネット)と呼んでいる。The New York Timesの昨年11月の記事は、これまでの古いエンジニアリングとソフトウェアによる新しいソリューションが、明確に区別されるというよりむしろ、今では両者が融合しつつある、と述べている。とくにその傾向を顕著に裏書するのが、“物のインターネット(Internet of Things, IoT)”と呼ばれる新しいネットワーキング技術の勃興だ。それにより、極論すれば、Generl ElectricもGoogleもある面では共にソフトウェアを基盤とする物作り企業となり、両社の業態が見かけ上同じになってしまうのだ。

Siemensの企業~産業界向け部門Siemens Industry SectorのCEO Siegfried Russwurmは、次のように述べている: “製造業の企業がグローバルなマーケットプレースで競争するためには、今やデジタル化とソフトウェアがますます重要だ。今回のファンドは、Siemensの“Industrie 4.0”(第四次産業革命)戦略の一環として、製造業と産業の自動化のあり方を変える可能性のある、革新的な技術とビジョンに資本を提供していく”。

同社の声明文によると、この新たなファンドは創生初期のスタートアップ企業を支援し、彼らとのパートナーシップを育むことによって、彼らの新しい技術により、長期的には既存市場の変革と、まったく新しい市場の創造を喚起していく。

今Siemensに、このファンドに関するより詳しい情報を求めているので、得られ次第この記事を更新したい。

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Google、モノのインターネットの戦略的要衝を次々に占領中

昨年12月にロボット関連のスタートアップ7社を一気に買収する以前は、Googleのモノのインターネット戦略は箱を開けたばかりのジグソーパズル同様、まったく全容が見えないものだった。

しかしBoston DynamicsNest、そしてDeepMindの買収が発表された現在、Googleの狙いが人工知能とロボットを利用したリアルライフのインターネット化にあることが明らかになった。その影響は交通システム、製造業一般から消費者の日常生活のあらゆる側面にまで及ぶ可能性がある。

Googleのリアルライフ・インターネット戦略は、ウェブ検索やオンライン広告など枠組みをはるかに超えたものだ。Googleは来るべきモノのインターネット時代において、自らをハードウェア製造ではゼネラル・エレクトリック、人工知能分野ではIBMをしのぐ存在にしようとしているように見える。

ともかく現在Googleはハード、ソフトを問わず分析テクノロジーであれ人工知能であれロボットであれこの線に沿う会社を次々に飲み込みつつある。Boxのファウンダー、CEOのAaronLevieは

とジョークを飛ばしている。

Googleのこれまでの活動の歴史を振り返れば、Googleが伝統的なコンピューティングの枠をはるかに超えた領域を狙っていることはスマート・ホーム・デバイスのNestを買収したことでも推測がつく。2014年にも買収攻勢は続くだろう。

昨年のクリスマス以降、Googleは Boston Dynamicsなどロボット企業7社、モノのインターネットのNest、AIのDeepMindの買収に40億ドルを費やし、 Androidの父、Andy Rubinをロボット事業のトップに任命した。

しかしGoogleはIBMとGEでさえなし得えていないことをどうやって達成しようと考えているのだろう?

IBMは人工知能のWatsonプロジェクトに10億ドルをかけてきた。IBMはこのプロジェクトが今後数年で100億ドルの売上をもたらすと期待している。Facebookもまた人工知能チームを立ち上げ、The Informationの情報源によれば、ユーザーの感情を理解するアルゴリズムを開発中だという。情報源によればFacebookはDeepMindの買収競争に参加しており、4億5000万ドルを提示したという

老舗のGEも産業用機器のインターネット化に全力を挙げている。Googleの戦略と似ているが、GEの対象は産業設備であるところが違っている。

現在IBMは全面的に(あるいは頑固なまでに)AI戦略をWatsonに頼っている。Watsonが人気クイズ番組ジョパディで人間のチャンピオンを打ち破って華々しくデビューしてから3年間、IBM はWatsonのテクノロジーをヘルスケアやテレコム企業に売り込もうと努力してきた。しかしWall Street Journalの先月の記事によると、IBMは予期した成果を挙げられていないようだ。GEも同様に収益化に苦闘しているらしい。

一方、Andy Rubinは、New York Timesのインタビューで、Googleが作りたいものとして「雨が降り始めると自動的に動き出す車のワイパー」という例を挙げた。一見あまりにもささいな応用のように思えるが、GoogleがAIの実用化にあたって地に足の着いたレベルで素早いスタートを切っていることをうかがわせる。ことにGoogleには世界でも稀なユーザーデータの巨大な集積がある。これにはユーザーの行動の分析と予測に関して競争相手を大きく引き離す優位点となるだろう。

またGoogleの持つ世界最大級のサーバー・ネットワークがAI処理のために役立つのはもちろんだが、Google Xが研究している Loonプロジェクト (成層圏上層に多数の気球を飛ばして僻地にインターネットアクセスを提供する)が各種のロボットをインターネットにつなぐくとになるかもしれない。

モノのインターネットの到来はわれわれが考えていたより急速かもしれない。

映画「her/世界でひとつの彼女」の画像はIMDB, Warner Brosから

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


ハードウェア音痴が物のインターネットのアプリケーション開発を容易に試行できるWunderBarセンサモジュールキット

【抄訳】

ヨーロッパのスタートアップrelayrは、昨年の1月に創業され、今でもアクセラレータStartupBootcampの屋根の下にいるが、このほど、将来の市場が大きいと言われる物のインターネット(Internet of Things, IoT)のためのアプリケーション開発をデベロッパが容易に実験できるためのハードウェアキットで、クラウドファンディングによる資金募集を開始した。

たとえばそれは、オフィスのビール用冷蔵庫を誰かが開けたことを知らせてくれるアプリケーションでもよいし、センサのグローバルなネットワークから得られる気温データを共有するアプリケーションでもよい。ネットワークI/Oのうち、I、またはO、またはその両方が人ではなく「物」であるネットワークアプリケーションを物のインターネットと総称している。ちなみにここで例として挙げた二つのアプリケーションは、どちらもIだけが「物」だ。

Relayrは、どこにでも置けて、ワイヤレスでネット上に信号を送出するセンサ素子として、上図のような板チョコ状のブロックを考えた。これらの信号を受信して何かをするソフトウェアは、AndroidやiOS、あるいはNode.jsで動く。

このハードウェアキットはWunderBarと名づけられ、合計7つの‘板チョコ’から成る。資金提供額の大きい人には、このほかに、これらのセンサモジュールのためのケースも提供される。センサモジュールは、温度、近接性、光、色、湿度、動きの6種類、残る1つのモジュールはARMのプロセッサとWiFiチップを搭載したメインモジュールだ。

WunderBarの狙いは、IoTのアプリケーション開発を試行するデベロッパに、センサの取り付けや配線、ハンダ付けなどで苦労をさせないことだ。またこれらのモジュールの利用を前提としたアプリケーション開発のための、ライブラリやチュートリアルも提供される。

適当なセンサモジュールをどこかに置けば、すぐにそのためのソフトウェアを書き始めることができる、そんな簡便さがねらいだ。

relayrの協同ファウンダJackson Bondは次のように語る。“ハードウェアのレベルではいろんな“メーカー”指向のプロジェクトが出回っているが、われわれの調査によると、ハードウェアにすぐに対応して仕事ができるアプリケーションデベロッパはあまりいない。うちのハードウェアキットを使えば、ハードウェアのことを何も知らなくても仕事ができる。多くのソフトウェアデベロッパにとって、便利な環境を提供できると信じている”。

センサモジュールからのデータの転送やアップロードにはBluetooth Low EnergyとWiFiを利用し、すでに用意されているSDKとAPIを使ってデベロッパはふつうにプログラムを書ける。個々のセンサモジュールには、LEDライト、ボタン、そして専用の電池がある。なお、BLEはセンサモジュールとメインモジュール間の通信に使われ、WiFi機能はメインモジュール上にある。

類似製品として、医療用機器の開発試行を行うためのバイオセンサキットBITalinoがあるが、WunderBarは分野を特定しない実験用キットだ。なお6つのセンサモジュールのうち2つは、中に入れるセンサのタイプがクラウドファンディングにおける投票で決められる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Revolveは手頃な価格で簡単にスマートホームを実現する―モノのインターネット、さらに一歩前進

ホームオートメーションという考えは別に新しいものではない。何十年も前から家庭の器具や設備をインターネットに接続しようとする努力が続けられてきたが、たいていは手間や価格に見合わない効果しか得られなかった。しかしそこに「モノのインターネット」(Internetof Things)が登場した。

スマートスピーカーのSonos、スマート照明のHue、スマートロックのKwiksetなとはどれもロケット科学者でなくても誰でも簡単に設定して利用できるプロダクトだ。箱を開いて説明書のとおりにスマートフォン・アプリをインストールするだけでよい。すばらしい。しかしスマートデバイスの数が増えてくると、それぞれ個別のアプリで操作するのは煩わしくなってくる。

そこにコロラド州ボウルダーに本拠を置くTechStar出身のスタートアップRevolvが登場した。299ドルのデバイスで、家中のスマートデバイスをコントロールするハブとなってくれる。統合スマートホームシステムの完成だ。スマートデバイスが普及するにつれて多数のスマートデバイスを一括してコントロールできるシステムが必須になってくる。Revolvはその最初の重要な試みだ。いわばモノのインターネット実現における「ミッシング・リンク」といえる。

私の家にはNestのサーモスタットWeMo照明スイッチ 、Kwiksetのロックなどのスマートデバイスが設置されている。これまではそれぞれのアプリで個別に管理しなければならなかった。同じ家に設置されていてもスマートデバイス同士はお互いを知らない状態だ。NestはKwiksetと会話できず、したがって玄関のKwiksetが解錠されたらエアコンの温度を上げるようNestに指示することもできない。

Sonosのオーディオシステム、PhilipsのHue照明、Insteon、GEスマートシステムなどが設置された家では話はもっと複雑になる。Revolvは多数のスマートデバイスの管理ダッシュボードを一つにまとめるだけでなく、あらかみめさまざまな自動化マクロが用意されている。

Revolvのスマートアクション機能は意味的に同一の機能をまとめてコントロールできる。たとえばオーナーの位置情報について、家から100ヤード以上離れた場合の動作を複数のデバイスに指定できる。つまりNestに玄関の施錠させ、エアコンを停止し、Sonosには留守番の犬のためのBGMを流させる。逆にオーナーが100ヤード以内に入ったら玄関を解錠し、エアコンを作動させ、Sonosで好みの音楽を流す、などだ。

これにBelkinのWeMo照明スイッチ、PhilipsのHue照明システムなどが加われば応用範囲はさらに広がる。アロマ・キャンドルを温め、足湯を用意し、照明を落としてリラックスして映画を見る雰囲気を作ることもできる。


設定は驚くほど簡単だ。Revolvを電源に接続し、スマートフォンにアプリをインストールする。あとはアプリのガイドに従えばよい。一部のスマートデバイスは自動的にRevolvを認識して接続が完了するが、マニュアル操作が必要なデバイスもある。Kiwkset錠の場合は裏面の小さなボタンをいくつか押す必要があった。

Revolvもまだ完全ではない。たとえばまだ複数のスマートフォンを認識しない。私が家から100ヤード離れると、妻が家にいても自動的にエアコンを切ってしまう。しかしこうした点はすぐに改良されるだろう。

家にスマートフォンでコントロールされるスマートデバイスを複数設置しているならRevolvは文句なしに買いだ。話の種になるだけでも価格だけの価値はある。インストールしたとたんに「あ、これが必要だったのだ!」と読者の頭の上に(漫画の)電球が灯るだろう。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Gecko―モノのインターネットへの小さな一歩、スマートフォンにとって大きな跳躍

「モノのインターネット(Internet of Things)」が水平線上に姿を現してきた。われわれが使用するあらゆるデバイスがすべてインターネットに接続し、デバイス同士でコミュニケーションができるという未来的コンセプトが実現段階に入っている。

とはいえ、モノのインターネットが本当にやってくるまでにはまだ少々待たなくてはならないのも事実だ。そこでとりあえずGeckoはいかがだろう? このIndiegogoプロジェクトは小さなガジェットをスマートフォンに接続することでモノのインターネットの実現に一歩近づこうとする面白い試みだ。

Geckoは加速度センサーを内蔵し、BLE〔低エネルギーBluetooth〕でスマートフォンと通信するデバイスだ。Geckoにはジェスチャー機能が内蔵されており、リモートでスマートフォンを操作することができる。また逆にスマートフォンからデバイスをコントロールすることもできる。

Geckoの接続機能は対象物に内蔵されているわけではなく、デバイスに対象物に装着することによってもたらされる。たとえば装着した対象物が動かされるとGeckoの内蔵加速度センサーがそれをキャッチし、BLE経由でスマートフォンに情報が送られる。するとスマートフォンのGeckoアプリが情報を解釈して特定の動作が実行されるなどだ。

GeckoにはTI CC2541システム・オン・チップ、取り外し可能なボタン型電池(使用条件によるが最大数年もつという)の他にアラートを発するためのブザーとLEDライトが内蔵されている。.

Geckoをカメラ(現在Canon製品の一部をサポート)に取り付けてスマートフォンをワイヤレス・リモコンとして撮影したり、逆にポケットに入れたGeckoをバッグの中のスマートフォンの音楽再生のリモコンにする、などがシンプルな応用ケースとして挙げられている。 カメラのリモコンとして利用する場合、付属のアプリで連続撮影はインターバル撮影などの設定ができる。

Geckoが認識可能なジェスチャーは、右あるいは左に傾ける、1度振る、2度振る、の4種類だ。

一方、Geckoはモニタリング・デバイスとしても利用可能だ。ドアに取り付けておけば、開閉のたびにスマートフォンに通知が行く。 薬のケースに取り付けておけば、留守の間にママが薬を飲み忘れていないかチェックできる。ペットや小さい子供に装着すれば30メーター程度の半径から出ていくと同時にスマートフォンがアラートを表示する。

このプロジェクトは最近Indiegogoに登録されたばかりで、締め切りまであと40日あり、目標額は5万ドルだ。デバイスの完成度は高く、時間は十分ある。ウォズことスティーブ・ウォズニアックに好意的に評価されたことも追い風だ。

われわれが紹介してきたモノのインターネット系のガジェットにはSamsungのTecTilesNestの学習するサーモスタット、スマート錠前のLockitronなどがある。

Geckoプロジェクトに興味がある読者はIndiegogoのサイトを訪問するとよい。出資額は20ドルからいろいろ。

〔日本版〕サポートされるスマートフォン、タブレットは、Bluetooth 4.0サポートのiOSデバイス(iPhone 4S、iPhone 5、iPad3代目、iPad mini)、Android 4.3とBluetooth 4.0をサポートするAndroidデバイス各種。Samsung Galaxy S4とNexus 7タブレットで動作確認ずみ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+)</P


ARMが物のインターネットのSensinodeを買収, そろそろスマホ/タブレット依存から脱却へ

ARMのプロセッサを使ったWindowsマシンやAppleデバイスが、このところマスコミを賑わしている。最近の話題は、Surface 2とNokiaの初のWindowsタブレットと近く出るiPhoneの新機種だ。しかしイギリスのケンブリッジに本社を置く強力な半導体企業ARMは最近ますますその野望…インターネットに接続されるすべてのデバイスを駆動すること…を肥大させているようだ。今日(米国時間8/27)同社は、フィンランドで物のインターネットのためのソフトウェアを作っているSensinode Oyを買収した、と発表した

これは既存のパートナーシップの総仕上げのような買収だ。ARMによると、これで同社は今後も、SensinodeのNanoStackおよびNanoService製品を、ARM Cortex®系列のプロセッサやmbedのコラボレーションプロジェクトと並行して、売っていくことができる。

買収の金額条件等は、公表されていない。

ARMといえばAppleがARMベースのチップを設計していることが示すように、現状は何よりもまずスマートフォンとタブレットを連想するが、しかし同社はかなり前から市場を別世界へ拡大しようと努力している。その意図と姿勢の現れは、今回のIoT企業の買収が初めてではない。

長年CEOを務めたWarren Eastが昨年身を引き、生え抜きの元エンジニアであるSimon Segarsに指揮を譲ったとき、ARMはその長期戦略を明かにした。当時の声明等では漠然と、いわゆる“モバイルデバイス”依存から脱却し、車や家電、FAなど、仕事関連であれレジャー関連であれ、なにしろネットに接続されるものなら何でも動かしていく、と言われていた。上の図はSensinodeのサイトにあるイラストだが、まさにそういう意味での“何でも”を表している。

ARMはIoTの将来性との関連で大量の例を挙げている: “IoT技術の対応市場は、ワイヤレスセンサ、ネット接続型電脳家電、家庭用保健医療アプリケーション、着脱式(ウェアラブル)電子製品などである。この技術はさらに、セルラー接続を使用するM2Mアプリケーションや、デバイス管理のための軽量M2Mの規格であるOMAにも対応する”

退任に際してEastは、次のように言っていた: “弊社の経営については非常に長期的な視野を持っている。そして、今こそがリーダーシップを一新する最良のタイミングであり、成長の次のフェーズに踏み出し、長期計画の視野をさらに遠い未来にまで広げるべき時期だと信ずる”。

というわけで、本日の買収のニュースは、彼が具体的に何を考えていたのかということの、一つの例である。ARMがIMS Researchに委託して行った研究調査では、2020年にはインターネットに接続された「物」の総数が300億個に達する。これに対し、昨年出荷されたARMベースのデバイスは87億台だ。今すでにこれだけ好調かつ好評なのだから、それをベースとして、300億の大きな部分が自分たちのものだ、とARMは考えているのだ。

ARMのシステムデザイン部でEVPとゼネラルマネージャを務めるJohn Cornishは、今日の声明文の中でこう言っている: “ARMはあくまでもスタンダードに基づく物のインターネットの実現に傾注していく。そこでは、何十億ものありとあらゆるタイプおよび能力のデバイスが、Internet ProtocolsとWebサービスを介して相互運用されていく”。つまり彼の言うスタンダードとは、IPとWebがベースだ。

そしてこれは当然、Intelなどとの企業競争に伍していくためにも、力を緩めることが許されない分野だ。IoTは、今や各社が狙っている。

ARMはSensinodeについて、次のように説明している: “インターネットに接続される低価格で低電力消費のデバイスのためのソフトウェアにおける、パイオニア的企業群に属し、IoTのオープンスタンダードに対する重要な寄与貢献者である”。それらのスタンダード努力には、ローコストローパワーデバイスのための6LoWPANおよびCoAP規格の作成も含まれる。同社が今寄与貢献しているのは、IETF、ZigBee IP、ETSI、OMAなどにおける各種の標準化努力である。

今回の買収はSensinodeにとっては、プラットホームの拡大と対象デベロッパの増大という大きな機会を意味する。同社の技術を使ってチップやデバイスを作るデベロッパの数が、一挙に増えるのだ。Cornishは、次のように書いている: “Sensinodeの専門知識と専門技術がARMのmbedプロジェクトを介してARMのパートナーたちからアクセス可能になることにより、今後は何千もの新しい革新的なIoTアプリケーションの迅速な展開ができるようになる”。

これはどうやら、ARMにとって二度目の買収のようだ。最初も今回と同じく戦略的買収で、それは2011年のProlific、ナノテクノロジソフトウェアのデベロッパだった。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))