メアリー・ミーカー、『インターネット・トレンド2017』 を発表――ハイライトとスライドを掲載

インターネットで何が起きているのか、そのトレンドをつかむにはこれが一番スピーディーな方法だ。Kleiner Perkinsのパートナー、メアリー・ミーカー(Mary Meeker)が今年もInternet Trendsを発表した。テクノロジーの世界の「大統領一般教書」と思えばよい。待望のスライドには資金調達の状況、インターネットの普及、有力なインターフェイス、次の大きな波などあらゆる重要事項が簡潔にまとめられている。

われわれはこの記事に2017年版スライドをエンベッドした。こちらは2016版だ

ハイライトを選び、簡単な解説を加えたスライドショーはこちら。 “The best Meeker 2017 Internet Trends slides and what they mean”

2017年版の主要な項目をピックアップしてみた。

  • スマートフォンの売上、インターネットの普及速度は両方とも減速
  • 「モバイル化」は「モバイルへのシフト」ではなく「モバイルの追加」。アメリカではデスクトップの利用は目立って減少していないが、モバイルの利用は1日1人あたり3時間まで急上昇。
  • モバイル利用時間に比べてモバイル広告収入は追いついていない。今後モバイル広告プラットフォームには大きな成長が見込まれる。
  • オンライン広告の規模拡大の85%をGoogleとFacebookが占めた。
  • 向こう半年以内にインターネット広告額はテレビ広告額を追い越す
  • Spotify等が主導する音楽ストリーミングの売上は物理的メディアの売上を上回った。音楽ビジネスは16年ぶりに売上増
  • オンライン・スポーツは爆発的に成長中。対前年比で視聴者40%アップ。ミレニアル世代の半分は伝統的中継に対して強くオンライン・スポーツを選好
  • 悪意あるファイルを添付したメールスパムはクラウドの利用拡大と歩調をあわせて拡大。クリックするときは細心の注意が必要
  • テクノロジー企業が中国経済の成長の動力源。ライブストリーミングと自転車共有が急拡大中
  • インドではデータのコストが低下したためインターネットの普及が進んだ。スマートフォン価格は高止まり。
  • アメリカにおけるテクノロジー系時価総額トップ企業の60%は第一世代または第二世代の移民によって創立された。テクノロジー系非公開トップ企業の場合、第一世代の移民が50%を創立していた。

スライドは巨大で全部で355枚もある。われわれの作成したハイライトはこちら。

“The best Meeker 2017 Internet Trends slides and what they mean”

〔日本版〕過去のメアリー・ミーカーのレポートについてのTechCrunch記事はこちら

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

メアリー・ミーカーが恒例のインターネット・レポートを発表―2016年版のハイライトとスライド完全版

2016-06-02-trends-title16

テクノロジーの世界で何が起きているかを学ぶいちばん手っ取り早い方法はこのレポートを読むことだ。 KPCBのパートナー、メアリー・ミーカー(Mary Meeker)が今や伝説的となったインターネット・トレンドの年次レポートを発表した。

これにはインターネットの進化の現状を考える際に不可欠の統計が多数収集されている。ベンチャーキャピタルの動向、スマートフォン普及率、巨大企業の現状、優秀なターとアップ、その他、メアリー・ミーカーのレポートにはすべてが含まれている。

この記事の末尾に 2016版レポートのスライド全体をエンベッドしておいた。

ハイライトをいくつか拾ってみると―

  • 世界のインターネット普及率は対前年比9%と頭打ち。 世界人口の42%にあたる30億人が利用している。
  • スマートフォン普及率の伸びも減速。Androidのシェアは増大するもデバイス単価は下がる
  • ビデオ視聴は急成長、SnapchatとFacebook Liveは有望。 ビデオ広告の有効性には疑問符。
  • Facebook、WeChatなどッセージ・サービスは急成長。単純なテキスト・チャットから新たな「ホーム画面」に成長し、自己表現の場となる。コマースも有望。
  • アメリカのデジタル広告はさらに成長。GoogleとFacebookで市場の76%を支配。ただしオーディエンスの新メディアへのシフトと比較すると広告主はレガシー・メディアに不相応の支出を続けている。
  • ミーカーの予測によれば音声インターフェイスには高い将来性がある。速く、使いやすく、個人別に特化され、ハンズフリー、しかも安い。Android版Google検索の20%はすでに音声。Amazon Echoの販売も増加。ただしiPhoneは減速。
  • アメリカの自動車産業は1959年以來縮小を続けてきたが、TeslaとGoogleのおかげで再活性化中。Uber/UberPoolなどの共有経済がメインストリームになるにつれ、自動車所有率は減少。
  • 中国のインタネットのトレンドはアメリカより有望。世界の大国のインターネットは引き続き成長中。
  • さまざまなインプットデバイスの普及によりデータが次世代のプラットフォームになってきた。これにより非テクノロジー分野の巨大企業がテクノロジー企業を買収し、デジタルにシフトすることによって成長を活性化しようとする動きが目立つ。

詳細はこちら。 Here’s our breakdown of the most important insights from the 2015 Internet Trends report

〔メアリー・ミーカーは元モルガン・スタンレーの上級アナリストで、インターネットの動向をまとめた詳細なレポートが高い評価を得るようになった。2010年からはベンチャーキャピタルの名門KPCBのパートナー。TechCrunchでも毎年紹介している。2015年版2014年版(ハイライト付)

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

伝説的アナリスト、メアリー・ミーカーの2014年版「インターネット・トレンド」発表

元モーガン・スタンレー証券の上級アナリストで現在は名門ベンチャーキャピタル、KPCBのパートナーであるMary Meekerはインターネット・アナリストとして伝説的名声を博している。毎年Meekerがまとめている「インターネット・トレンド」の2014年版がRe/codeが主催するCodeカンファレンスで今朝(米国時間5/28)発表された。

ここにはインターネットに関わる大量の重要なデータが手際よくまとめられており、投資家、起業家、ジャーナリスト、その他誰であれテクノロジーに関心を持つものにとって必読の資料となっている。

Meekerの2014年のインターネット・トレンドの要約はこちらをクリック

下にスライド全体(100枚以上ある)をエンベッドした。

中でも重要な事実をいくつかピックアップすると―

– インターネットの成長速度は減速している。この傾向は以前から知られていたが、ますます顕著になっている。現在の成長率は10%を切っている。

– スマートフォンの成長率は20%だが、こちらも減速中。現在の成長を主として支えているのは新興市場。

現在バブルの傾向があるにしても、ドットコムバブルの2000年に比べれば程度は非常に軽い。

– インターネット広告はまだ成長中だが、大きなチャンスはモバイル広告にある。

–消費者が印刷メディアを読む時間は減っているのに依然として広告費の大きな部分を占めている。逆にモバイル利用時間は非常に長くなっているのにそれに見合う広告費が支出されていない。

–ソーシャル・ネットワークはこれまでのブロードキャスト的な仕組から、よりプライベートなメディアに変化しつつある。その原動力はSMSを代替する各種の国際的メッセージ・サービスの急成長だ。

– Tinder、Airbnb、Alibaba、GrubHubはホテル産業など既存のビジネスに破壊的革新をもたらすと同時に、消費者がバーやレストランを利用するなどの日常の行動パターンを大きく変えている。

– BuzzFeedはこの1年でユニーク訪問者を3倍に増やす急成長を遂げた。

– 暗号化によるバーチャル通貨については、この1年でBitcoinウォレットの利用が8倍に増加した。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+