月軌道へのペイロード輸送を2022年第4四半期に行うとSpaceflightが発表

衛星ライドシェアサービスを提供するSpaceflight Inc.(スペースフライト)は、企業が月軌道やそれ以上の軌道に簡単にアクセスできるようにするという長期的なビジョンの一環として、2022年に月フライバイ・ミッションで顧客の荷物を送り届ける。

シアトルに本社を置くSpaceflightは、過去数年間にわたってテストを行ってきた軌道遷移機(OTV)「Sherpa(シェルパ)」の最新版である推進型OTV「Sherpa EScape(シェルパ・エスケープ、略称Sherpa ES)」を使用してペイロードを輸送する予定だ。このSherpaは、ロケットで宇宙空間に到達した後、顧客の希望する軌道にペイロードを展開するための、宇宙におけるラストマイル輸送を担当する役割を果たす。

Spaceflightの電気推進型OTV「Sherpa-LTE」は、2021年6月にSpaceX(スペースX)のTransporter-2(トランスポーター2)ミッションで打ち上げられ、その電気推進器の稼働に成功している。さらに2021年12月には、化学推進型の「Sherpa-LTC」が、SpaceXのTransporter-3で打ち上げられる予定だ。同社はこれまでにSherpa OTVで50基の顧客の宇宙機を展開することに成功している。

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Sherpa-ESは、2つの主要な航空宇宙プライムから1000万ドル(約11億円)の資金調達を終えたばかりの軌道上給油会社Orbit Fabと(オービット・ファブ)と、新会社GeoJump(ジオジャンプ)のペイロードを運ぶ予定だ。GeoJumpもライドシェアリング事業に参入しようとしている会社らしく、同社のウェブサイトでは、小型衛星に「静止軌道への新しいルート」を提供すると謳っている。このミッションでは、SpaceXの「Falcon 9(ファルコン9)」ロケットによる打ち上げが予定されている。

画像クレジット:Spaceflight

このライドシェアは、NASAのCommercial Lunar Payload Services(商業月面輸送サービス)プログラムに選ばれた数少ない企業の1つであるIntuitive Machines(インテュイティブ・マシーンズ)が実施するロボットによる月面着陸ミッションの一部だ。Intuitive Machinesは、まずは2022年前半に予定されている14日間のミッションで、重量約2000キログラムの「Nova-C(ノヴァC)」着陸機を月面に送ることになっている。この着陸機は約130kgのペイロードを輸送する。

Intuitive Machinesは、2022年第4四半期に予定されているこの着陸機の2回目のミッションもSpaceXに依頼した。この着陸機は月の南極に着陸する最初の物体で、月の氷を掘削する最初の物体になると、同社は述べている。

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画像クレジット:Spaceflight

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

宇宙スタートアップIntuitive Machinesが2回目の月面着陸機ミッションでスペースXと契約

最初の商業月着陸船は早ければ2021年にも月への飛行を開始する予定だが、今回は別の着陸船の契約が確認された。Intuitive MachinesはSpaceX(スペースX)のFalcon 9で2機目の着陸機を送り込む予定で、打ち上げ時期は早くて2022年頃になると予想されている。同社はスペースXと最初の着陸船ミッションをすでに予約している。スペースXはNASAの商業月輸送サービス(CLPS)プログラムの下で月面着陸を目指している、他の民間企業のペイロードもホストしている。

Intuitive MachinesのNova-C着陸機は、最大100kg(約222ポンド)の荷物を月面に運び、ミッションの結果を地球に送信することができる。内部および外部の両方にペイロードを積載でき、NASAの商業パートナーシッププログラムを通じて、さまざまな顧客の科学実験装置を月面に運ぶ予定で、有人月面着陸であるアルテミス計画を含む将来のNASAのミッションをサポートすることも計画に含まれている。

Intuitive Machinesの最初の月着陸機ミッションでもNova-Cが使用される予定で、現在のスケジュールによれば2021年の第4四半期(10月〜12月)中に実施される予定だ。これには「月の表面から天の川銀河の中心の最初の画像撮影」を目指す月面撮影ミッションが含まれ、第2のミッションでは他のペイロードに加えて、NASAに代わってドリルによる月極地の資源採掘と、スペクトロメーターの月南極への輸送が含まれる。

カテゴリー:宇宙
タグ:Intuitive MachinesSpaceX

画像クレジット:Intuitive Machines

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(翻訳:塚本直樹 / Twitter