マスクを取らなくてもiPhoneをアンロックできる機能をアップルが開発中

Face IDは素晴らしい技術だが、新型コロナウイルス(COVID-19)の蔓延により世界中の人がマスクをするようになってからは無用の長物になってしまった。

もちろんApple(アップル)は人々の悩みを知っていた。

ユーザーの報告によると、iOS 13.5の最新のデベロッパーバージョンには、マスクを取らなくてもiPhoneを簡単にアンロックできる、ちょっと微妙な機能がある。

TwitterでRobert Petersen(ロバート・ピーターセン)氏とGuilherme Rambo
ギルヘルム・ランボ)氏が共有したビデオでは、マスクを検出したFace IDがパスコード入力画面へジャンプする。それは、1日に何十回もアンロックする人、つまり我々全員にとって便利であるだけでなく、マスクを取らないからウイルスに触れないという点でもありがたい。

iOS 13.5ベータに搭載されているアップルの新しいFace IDアンロック機能(提供:Guilherme Rambo)

この機能が最終的にiOSの正式バージョンに載るのか、それはまだわからない。しかし、確実に載るであろう機能は、アップルとGoogle(グーグル)が共同開発した濃厚接触追跡APIだ。これを利用して国の公衆衛生機関などが、ユーザーが新型コロナウイルス感染者に接触したことを、プライバシーを侵さずに見つけるアプリを作ることができる。

iOS 13.5のリリースは数週間後に予定されている。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

iOS 13.2.2でバックグラウンドアプリが突然終わるバグを修正

あなたのiPhoneは最近、バックグラウンドで動いているアプリのシャットダウンがちょっと早すぎると感じるだろうか。もしそうなら、アップデートすべきだ。

アップルは米国時間11月7日にiOS 13.2.2をリリースし、バックグラウンドアプリが突然終わるという問題にパッチを当てている。そのほか2〜3件の迷惑現象へのパッチもある。重要な新しい機能は何もないが、マルチタスクが正常に動くためのアップデートなのだろう。

そのほかのフィックスは以下のとおり。

  • 通話終了後にiPhoneで一時的に電話ができなくなる
  • S/MIMEで暗号化した一部のメールが読めなくなる
  • SafariでKerberos(ケルベロス)のシングルサインオンを使ったときの問題
  • Lightningポート対応のYubikeyを2段階認証に使ったときの充電の問題

このパッチの登場は、iOS 13.2のリリースからわずか数日後だ。それは大量の絵文字を導入し、またiPhone 11とiPhone 11 ProでDeep Fusionによる画像処理ができるようになった。まだiOS 13.2にアップグレードしていない人には、今がいいタイミングだ。ただしiOS 13.3がすでにデベロッパベータだから、間もなく出るのだろう。

いつもどおり、13.2.2へのアップデートは「設定」→「一般」→「ソフトウェアアップデート」から実行できる。

画像クレジット: TechCrunch

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

アップルがiOS 13.2をリリース、低照度で低ノイズの写真を撮れるDeep Fusionあり

Apple(アップル)は、iPhoneとiPadに向けてiOS 13.2、iPadOS 13.2をリリースした。このアップデートは通常のバグフィックスとセキュリティの改善が主だが新しい機能もいくつかある。

まず、iOS 13.2には大量の絵文字が加わった。同社はこのバージョンからUnicode 12.0を公式にサポートする。手をつないだカップルはどんな性や肌の色でも作れる。アクセシビリティ指向の介護犬とか、車椅子に乗った人、義手や義足、目の不自由な人が使う杖などがある。動物の種類が増え、あくびをしている顔や新しい食べ物もいろいろとそろっている。

iPhone 11やiPhone 11 Proでは、iOS 13.2が機械学習で画像の質、特に暗い画像の明るさをアップするDeep Fusionが使える。ビデオは「カメラ」アプリから直接、解像度やフレームレートを変えられようになる。

iOS 13.2では、アップルの社員とSiriの録音を共有することをオプトアウトできるほか、Siriの命令履歴の削除も可能だ。「設定」→「プライバシー」→「解析と改良」で切り替えればいい。

関連記事:アップルはSiriの音声録音のグレーディングのオプトインと履歴の削除をベータ化

そしてiOS 13.2は、HomeKit対応カメラでHomeKit‌ Secure Videoを有効にできる。新たに発表されたAirPods Proのサポートも加わった。

iOS 13.2にアップデートする前に、必ずデバイスをバックアップすること。iCloudのアップデートが最新であることを「設定」アプリで確認しよう。具体的な手順は、トップのアカウント情報とデバイス名をタップ。iOSデバイスをPCにつないで、iTunesで手作業でバックアップしてもいい。macOS Catalinaの場合はFinder上でバックアップ可能だ。

iTunesやFinderでバックアップするなら、暗号化を忘れないように。暗号化しておけば、誰かがコンピューターをハックしても安全だ。暗号化したバックアップには、保存されていたパスワードや健康データも含まれる。そのため、すべてのオンラインアカウントに再接続しなくてもいい。

バックアップを終えたら、iOSの「設定」アプリ→「一般」→「ソフトウェアアップデート」を開く。「アップデートがリクエストされました」と表示されて、ダウンロード可能な場合は自動的にダウンロードが始まるはずだ。

画像クレジット: TechCrunch

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

SpotifyがApple TVに、iOS 13ではSiriもサポート

米国時間10月7日、音楽ストリーミングの大手であるSpotifyのサービスがついにApple TVで使えるようになった。またiOS 13に対応した最新のSpotifyアプリがSiriをサポートしたことも発表された。 音楽を聞くときにSiriの音声コマンドが使える。「Hey Siri, play」の後に楽曲名を付け加え、最後に「on Spotify」と付け加えればいい。

Siriのサポートがテストされていることは今年に入って発見されていたが、一般向けにサポートされる日時についての正式な発表はなかった。

Spotifyによれば、AirPods、CarPlay、HomePodでもSiriはサポートされているという。また最新のSpotifyアプリは、データ帯域幅が問題になる場合に役立つ、iOSのデータセーバーモードにも対応する。

アプリのアップデートは順次行われているのでApple TVでSpotifyが使えるようになるまでいま少し待つ必要があるユーザーもいるかもしれない。

これまでSpotifyでSiriがサポートされていなかったのもSpotifyの責任ではなかった。Siriを使ってアプリに音声コントロール能力を与えるAppleのSiriKititフレームワークがiOS 13でやっとサードパーティに公開されたのだ。これでSpotifyなどの音楽サービスはオーディオ再生や、曲のスキップや移動、トラック情報の取得などの機能を音声で操作できるようになった。

iOS 13になって、まずPandora、Googleマップ、WazeなどがSiriのインテグレーションを行った。 つまり日頃Appleのライバルである企業もSiriのサポートができるようになれば即座に飛びつくということが証明されたわけだ。

もちろんSiriの音声コマンドが使えるのは一般ユーザーにとって便利だし、結局アプリの運営者のビジネスにもメリットがあることになる。SpotifyはこれまでAppleの行動を反トラスト法に違反する疑いのある競争制限的なものとして対立していたが、こうした事情がその主張を軟化させたようだ。

長らくSpotifyはAppleのアプリプラットフォームは反競争的であり、自社アプリやApple Musicのような自社サービスを不当に優先するビジネス慣行を継続させてきたと非難してきた。そうした不満の最たるものがAppleがSiriに自社のアプリ、サービスを優先させていることだった。またApp StoreにおけるAppleの取り分が30%であることもSpotifyの成長を妨げる要因だとしていた。

この3月にSpotifyはEUに対しAppleに対して反トラスト的ビジネス慣行の申立を行っていた。また米議会もAppleに関する反トラスト法調査に関連して情報を提供するようSpotifyに接触しているとReuters(ロイター)が報道している。

iOS 13でSirikitがサードパーティに公開され、Siriが使えるようになってもSpotifyは「これでは十分でない」という立場を維持するだろう。たとえばユーザーがSiriにSpotifyを操作させるためにはいちいち「on Spotify」と付け加える必要がある。ユーザーがいつもSpotifyで音楽を聞いているなら、このサービスを音楽再生のデフォルトに設定できる機能があれば大いに手間が省けるわけだ。またSiriのサポートが行われたのはすべてのiOSではなくiOS 13のデバイスのみだ。

Spotifyは本日、Google Nest Home Max、Sonos Move、Sonos One SL、Samsung Galaxy
Foldに加えて、スマートウオッチではMichael Kors(マイケル・コース)のAccessシリーズ、Wear OSを搭載したDiesel(ディーゼル)やEmporio Armani(エンポリオ・アルマーニ)のサポートも発表している。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

iOS 13の細かすぎる便利機能、テザリングしながらAirDrop可能に

共感する人は少ないかもしれないが聞いてほしい。iOS 13にアップデートすると、テザリング中でもAirDropで写真や画像をテザリング先のMacやiPadなどに送れるようになるのだ。

一体何のことを言っているのかわからない人も多いかもしれない。詳しく説明すると、テザリングとはiPhoneなどのスマートフォンが利用しているモバイル回線をタブレット端末やノートPCなどのデバイスで共有して、インターネット接続を可能にする機能だ。iOSでは「インターネット共有」と呼ばれており、同じApple IDを使っているMacやiPadでは通常のWi-Fiアクセスポイントを選ぶ感覚でパスワード入力なしで利用できる。

同じApple ID同士の機器間のデザリングは利便性が高いので取材時によく利用しているのだが、これまではAirDropと併用できなかった。AirDropとは、Wi-FiとBluetoothを利用して近くのiPhoneやiPad、Macに画像や写真、各種ファイルなどを手早く送信できる機能だ。

iOS 13では排他仕様だったテザリングとAirDropが一緒に使える。一体何が便利なのかというと、取材先などでMacをiPhoneのテザリング経由でネット接続しながら、そのiPhoneで撮影した写真をAirDropを使って素早くMacに送信できる点。テザリング中のiPhoneからテザリング先のMacに画像などのデータを送る方法としては、Gmailの下書きに添付ファイルとして保存する、Dropboxなどのファイル共有サービスを使うという方法がある。しかし、複数の画像の一括送信やビデオの送信には時間がかかるため、これまではテザリングを一時解除してAirDropで送っていた。

これがiOS 13では、iPhoneでテザリングしたまま複数の画像をテザリング先のMacに送り込める。テザリングを一時解除する必要がないのは、1秒でも時間が惜しい速報記事の執筆時にかなり重宝する。

一般的な利用方法としては、iPhoneとテザリングしているiPadから写真を、そのiPhoneに素早く送りたいときなどに便利するかもしれないが、正直いまいち適した使用方法を思いつかない。注目機能というほどではないが、覚えておいて損はないだろう。

なお今回は、iOS 13を搭載したiPhone 11 ProとiPhone XSで試しただけなので、ほかの機種では使えない可能性があることに留意してほしい。

iOS 13へのアップデートにあたって知っておきたいセキュリティとプライバシーの新機能

ようやくiOS 13が正式にリリースされた

Apple(アップル)の新しいiOS 13は、人気の高いiPhone用OSの13番目のメジャーリリースであり、すでにダウンロード可能となっている。ここでは、新しいセキュリティ機能とプライバシー機能に焦点を当ててiOS 13を試し、どこが新しいのか、それらはどう動くのかを検証した。

知っておくべきことは以下のとおりだ。

ユーザーの位置を追跡するアプリについては通知が表示される

どのアプリが自分の位置を追跡しているのだろう、と疑問に思ったことはないだろうか? もう、そのような疑問を抱く必要はない。iOS 13は、バックグラウンドで現在地を追跡しているアプリについて、定期的に通知する。その通知は、最近どのアプリが、何回、ユーザーの位置を確認したかを、折に触れて知らせてくれる。その際には、確認された位置を示す地図も表示される。通知のダイアログに配置されたボタンによって、そのアプリがユーザーの位置を追跡することを「常に許可」したり、追跡を制限することもできる。

アプリによる現在位置の確認を1回だけ許可できる

どのデータへのアクセスを許可するか、ということをより細かく設定できるようにする機能として、iOS 13は、アプリに位置情報へのアクセスを1回だけ許可することができるようになった。以前は、「常に許可」、「許可しない」、「使用中のみ」というオプションがあった。これでは、許可しない以外の選択では、アプリを使用中には必ずリアルタイムの位置情報収集を許可することになってしまう。それが、アプリが実際に位置情報を使用しようとするたびに、ユーザーがアクセスを許可できるようになった。プライバシーが気になる人には嬉しい機能だ。

Bluetoothにアクセスしようとするアプリを拒否できる

Bluetoothにアクセスしようとするアプリも、ユーザーの同意を求めるようになった。アプリはBluetoothを使用して、フィットネスバンドやスマートウォッチなどのガジェットに接続することができる。しかしその状態では、ビーコンと呼ばれるBluetooth対応の追跡デバイスを利用した位置の追跡が可能となっている。そうしたビーコンは、普通の店舗からショッピングモールまで、いたるところに置かれている。それにより、ユーザーのデバイス固有のBluetooth識別子を取得し、ユーザーの物理的な位置の移動情報をつかむことができる。そうして、ユーザーがどこに行って何をしたかを、だいたい把握できる。これはたいていターゲティング広告に使われる。明らかにその必要がないと思われるアプリのBluetooth接続を拒否することは、プライバシーの保護に有効だ。

「探す」アプリが統合され、オフライン追跡が可能に

これまでの「iPhoneを探す」と「友達を探す」が、1つの「探す」アプリに統合され、オフライン追跡も可能となった。これまでは、たとえばMacBookをなくした場合、そのデバイスが最後にWi-Fi接続した場所を頼りに探すことしかできなかった。これからは、行方不明になったデバイスはBluetoothを使って固有の識別子を発信する。その近くにあるiPhoneや他のApple製品は、携帯電話の電波を使ってAppleのサーバーに、そのデバイスの位置情報を安全にアップロードする。その位置データは暗号化され、匿名化されているので、行方不明になったデバイスの所有者以外には、Appleも含めて、位置情報が知らされることはない。

アプリは連絡先に含まれるメモを盗み見できなくなった

Appleは「連絡先」についても、アクセスの制限を厳しくした。これまでも、連絡先にアクセスしようとするアプリは、その前にユーザーの許可を求めてきた。しかしいったん許可されたアプリは、連絡先の項目の中に書いた個人的なメモにもアクセスすることができていた。もしそこに、自宅のアラームコードや、テレフォンバンキングの暗証番号などが書いてあったら、それも読まれてしまうのだ。今後は、連絡先へのアクセスを許可されたアプリも、個々の項目の「メモ」の内容を見ることができなくなった。

「Appleでサインイン」すると、リレー専用メールアドレスが使える

これは、iOS 13で使えるようになった新機能の中でも特にすごいと思えるもの。Appleの新しいサインイン機能を使えば、ユーザーはアプリやサービスに1タップでサインインすることができる。その際、機密やプライバシーに関わる情報を引き渡してしまう心配はない。どんなものにせよ、サインインを必要とするアプリは、必ず「Appleでサインイン」のオプションを有効にしなければならない。その際ユーザーは、自分の本物の電子メールアドレスをアプリの会社に伝えるか、個人に割り振られた「リレー」電子メールアドレスを代わりに伝えるかを選択できる。後者の場合、ユーザーの本物のアドレスを隠すことができ、アプリはAppleが個別に生成したアドレスしか知ることができない。Apple自体は、ユーザーのデータを収集しないとしているので、これはかなりプライバシーを重視した方策となるだろう。この機能は、AndroidデバイスやWebサイトを含む、あらゆるデバイスでも使える。

未知の発信者からの電話の呼出音は鳴らさない

迷惑通話を撲滅するのに有効な手段も提供される。iOS 13では、未知の発信者からの電話は自動的に留守電状態にすることができる。連絡先のリストに含まれていない人は、不明な発信者と見なされる。

写真から位置情報のメタデータを取り除くことができる

iPhoneは、写真を撮るたびに、撮影された場所の正確な位置情報を写真ファイルのメタデータとして保存する。しかしその情報から、ユーザーの自宅や勤務先など、機密性が求められる個人の位置情報が明らかになってしまう場合もある。通常、iPhoneで撮影した写真をSNSやその他のサービスで共有する場合、いちいち位置情報のメタデータを削除したりはしない、という人が多いだろう。これからは、それも簡単にできる。数回のタップで、位置情報のデータを削除してから写真を共有できるようになる。

Safariも優れたアンチトラッキング機能を装備した

Appleは、クロスサイトトラッキングや、ブラウザのフィンガープリンティング防止機能など、新しいトラッキング防止技術を、純正のSafariブラウザ上で進化させ続けている。これらの機能により、広告がウェブサイトをまたいでユーザーを追跡することは、これまでよりはるかに難しくなった。またiOS 13では、クロスサイトトラッキング防止技術が、デフォルトで有効に設定されているため、ユーザーは使い始めたときから直ちに保護される。

この記事は、7月19日に掲載したものをベースに、iOS 13のリリースを受けて更新した。

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画像クレジット:Apple/YouTube

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

iOS 13のオーディオ共有機能がBeatsヘッドフォンでも来週から使える

オーディオ共有機能は、iOS 13アップデートで使えるようになるうれしい機能の1つだ。この機能により、複数のユーザーが近くにあるデバイスから流れる音楽を共有できるようになる。ヘッドフォンスプリッターを買ったり、あなたのイヤホンの片側を誰かに貸したりといったことの、2019年版のようなものだ。

AirPodsに加えてその他の比較的新しいヘッドフォンでもこの新機能が使えるようになると、Beatsが米国時間9月20日にTechCrunchに教えてくれた。これは、Beatsが数年前にAppleに買収されたことを考えればさほど驚きではない。私が最近愛用しているPowerbeats Proのほか、Studio3 Wireless、BeatsX、Powerbeats3 Wireless、Solo3 Wirelessなど、H1またはW1のチップを搭載するモデルを使用している人にはちょっとしたボーナスだろう。

この機能の使い方は2つある。1つは、ユーザーが2台のiOSデバイスを近くに置き、それぞれに音楽を流す。すると、最初のペアリングプロセスで見られるようなShare Audioのダイアログボックスが現れる。あとはShare Audioをタップするだけでいい。

もう1つは、2つのヘッドフォンを1台のデバイスにペアリングする方法。もしデバイス2台にアクセスしないのであれば、こちらのほうがいいだろう。しかしApple(アップル)の技術を持ってしてもプロダクト間で切り替えるのはちょっとした手間だ。いずれにしろ、長い通勤時にプレイリストをシェアできるというのは素敵なオプションとなる。

この機能は9月23日から利用できる。

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(翻訳:Mizoguchi)

iOS 13を早速使ってみた、ダークモードやBTスキャニングオフなど多数の新機能

Apple(アップル)は、iOSの主要アップデートiOS 13を公開した。これはiPhoneの使い方が変わるような大改革ではない。しかし、Appleは多大な努力を払ってさまざまな細部にわたる機能を改善した。

多くの面でiOS 13は「生活の質」アップデートだと私は感じている。デベロッパー用語で「生活の質」アップデートとは、すでに動いている機能に磨きをかけることを言う。何かを1秒早くしたり、今より簡単にできるようにすることだ。

これからその細かい改善について詳しく書いていくが、まず、中でも重要だと思われる2つに焦点を絞る。ダークモード、そしてプライバシーに対するAppleの取り組みだ。

ダークモードがやってきた

ある時から、スマートフォンメーカーは大画面のスマホを作り始めた。そして、夜目がくらまないためにはダークモードが必須となった。少々時間はかかったが素晴らしい出来栄えだ。

iOS 13のダークモードはシステム全体に適用される。「設定」アプリに行くか、コントロールセンターを開いて明るさ調節アイコンを長押しすれば有効にできる。これでiPhoneのルック&フィールは一変する。

一部のサードパーティーはすでにアップデートされているが、多くのデベロッパーはこの新しい設定に対応するためのアップデートを提供する必要がある。願わくば6カ月以内には、ダークモードをオンにしてアプリからアプリに移動しても、白い画面を見なくても済むようになるだろう。

設定で「自動」モードにしておくのがお勧めだ。現在地と時刻を使って日の入りと日の出にあわせてシステムが変えてくれる。あなたのiPhoneは夜になると暗くなり、朝になると明るくなる。

ダークモードで変わるのはアプリだけではない。ウィジェット、通知、その他のユーザーインターフェースのボタンも暗くなる。Appleは純粋な黒を使用しており、OLEDディスプレイで素晴らしく見える。カスタム壁紙を夜暗くすることもできる。

プライバシー

この夏に多くのギークたちがiOSを試した。しかし、この秋に何千万人もの人たちがダウンロードするのはまったく別の話だ。iOS 13には待望されていたプライバシー関連の変更が加えられたため、一部のデベロッパーにとっては厄介なことになりそうだ。

Appleはユーザーが個人情報をコントロールする方法を追加した。アプリが何らかの理由で位置情報を必要としたとき、ユーザーは位置情報を一度だけアクセスさせることができる。次回はまた許可を得る必要がある。

同じように、iOS 13はアプリがこっそりとユーザーの位置を追跡しようとした時、そのことをユーザーに教えられるようになった。

まるでデベロッパーを辱めるかのように、Appleは「このアプリは過去2日間にバックグラウンドで40カ所の位置情報を利用しました」と言って地図を表示する。そのポップアップから位置情報アクセスを無効にすることができる。Facebookはすでにうろたえて、先週ブログ記事でユーザーのプライバシーを尊重していることを伝えようとした。

関連記事:iOS 13: Here are the new security and privacy features you need to know

さらにiOS 13は、全アプリでBluetoothのスキャニングをデフォルトで無効にした。多くのアプリが近くのBluetoothアクセサリーを検索し、世界中のBluetoothデバイスのデータベースと比較している。言い換えればそれは、ユーザーから位置情報の利用を許可されていないアプリが位置を知るための方法だ。

これからは本当にBluetoothデバイスを探す必要のあるアプリのために標準の許可ポップアップが表示される。デバイスとつながるため、あるいは近くのユーザーとの個人間支払いを行うためにBluetoothを必要とするアプリもある。

しかし、その他ほとんどのアプリはBluetoothスキャニングを乱用している。念の為に書いておくと、Bluetoothスキャニングを禁止しても、Bluetoothヘッドホンは使える。オーディオは今までどおりちゃんとヘッドホンに送られる。

アプリ開発者においては、今使っているサードパーティー製SDKを見直してほしい。多くの広告支援型アプリはアドテク会社のコードを埋め込んでいる。しかし、そのSDKがユーザーのプライバシーを脅かすことは必ずしも明記されていない。

そしてAppleはついに「Appleでサインイン」(Sign in with Apple)を導入した。これは「Googleでサインイン」や「Facebookでサインイン」に代わるものだ。ユーザーは、メールアドレスをシェアしたり、デベロッパーがちょっとした個人情報を取得できるかどうかを決められる。これが普及するかどうか、興味深い。

関連記事:今すぐ知りたい「Sign in with Apple」の15の疑問にお答えします

基本機能の改善

オペレーティングシステムレベルでいくつか変更があった。まず、アニメーションが最適化され、わずかにスピードが速くなった。スワイプ、アプリの開始と終了が早く感じる。

次に、(英語)キーボードで「なぞり入力」が可能になった。Android端末やサードパーティー製キーボードを使ったことのある人なら、どうやって使うかはわかるだろう。文字から文字へ指を離さずになぞって入力できる。まるで魔法のようだ

そして、写真やリンクをシェアする画面が改定された。3つの部分に分かれていて、一番上の行には、写真などを送る相手の候補が重要度に応じて表示される。

その下には別のアプリを使って開くためのアプリのアイコンが並んでいる。

さらにスクロールするとアプリごとに異なるさまざまなアクションのリストがある。

自動化に関しては、iOS 13ではショートカットアプリが標準装備になった。多くのユーザーはアプリを開いて初めてショートカットを見ることになるだろう。音声起動のSiriショートカットもショートカットアプリから利用できる。

ショートカットの起動も自動化できるようになったのは興味深い。たとえば、CarPlayや位置情報、さらには小さなNFCタグに関するシナリオも作ることができる。

  • iPhoneをCarPlayに接続したり、Bluetoothを使って車に接続した時、ミュージックのプレイリストを開く。
  • 機内モードをオンにした時、画面を暗くして低電力モードに切り替える。
  • ナイトスタンドのNFCステッカーの上にiPhoneを置いたら、フィリップスのHueライトを消す。

アプリの新機能

Apple製アプリの大きな変更をいくつか紹介する。

「Apple Arcade」がやってきた。使うためにはiOS 13にアップデートする必要がある。ファーストインプレッションは別の記事で読むことができる。

iOS 13 5

「写真」アプリが最も大きく変わったかもしれない。メインタブのデザインが全面変更された。4つのサブタブからさまざまなビューでフォトライブラリーを見られる。

「すべての写真」に加えて「年別」をタップして年を指定したり、「月別」で日付ごとにまとめたスマートアルバムを見たりできる。そこでイベントを開くと「日付」タブに移ってベストショットが表示される。

(月別表示で月別にまとめてではなく日付ごとに並ぶなど)ボタンの名称には少々疑問があるが、数年前の写真を見つけるのに便利なことは間違いない。写真編集が大きく改善された。サードパーティーアプリで行っていたような基本的な編集はだいたいできそうだ。

「マップ」は興味深いアプリになった。Appleは地図データの改善に努めてきたが、カリフォルニア州に住んでいる人以外は気づきにくい。しかしGoogleストリートビューによく似たLook Aroundはかなり魅力的だ。これは単なる360度写真ではなく、前景と背景かからなる街路の3D表現になっている。サンフランシスコの地図を見てLook Aroundを試してみることをお勧めする。

「メッセージ」アプリはWhatsAppに似てきた。プロフィール名と写真を選んで友達や家族とシェアできる、という意味だ。AppleばMemoji「ミー文字」を使えと言っているが、好きな写真を選ぶことができる。メッセージの検索機能もずっと良くなった。

「ヘルスケア」アプリは少しデザインが変わった。しかし、最大の機能追加は同アプリ内で月経周期を追跡できるようになったことだ。サードパーティーアプリをインストールする必要はない。


「リマインダー」アプリにもいくつか新機能が入った。クイックツールバーから時刻、日付、位置を追加できる。項目のインデント、スマートリストの作成なども可能になった。To Doアプリは好みの違いが大きいが気にいる人もいると思う。

「探す」(Find My)は「iPhoneを探す」と「友達を探す」の各アプリが統合された新しい名前だ。もうすぐAppleがTile風の忘れ物防止タグを発表したら、いろんなものを探せるようになるかもしれない。

「メール」「メモ」「Safari」などのアプリも少し改善された。メールのリッチテキスト編集、メモのギャラリービュー、Safariでデスクトップサイトの表示やコンテンツブロッカーの無効化、リーダービューへの切り替えなどを行うサイト設定ポップアップなどが加わっている。

「ファイル」アプリがSambaファイルサーバーにも使えるようになり、
ファイルのZIP/UNZIPがアプリで直接できるようになりショートカットは必要ない。カスタムフォントのインストールもできるようになった。

ご覧のとおり、iOS 13には全般にわたって大きな変更小さな改善がたくさんある。たしかに少々バグがある印象もある。しかしこれは意欲的なアップデートであり、AppleはiOSリリースのペースを遅くするつもりはないとみんなに言っている。そしてAppleはプライバシー面でいい進展を見せている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

iOS 13が正式公開されダウンロード可能に、iPadOS 13は9月24日

Apple(アップル)はつい先ほどiOS 13の最終バージョンを公開した。このアップデートには、切望されていた数多くの生活の質向上をもたらす改良のほか、新機能もたくさんある。

こうした主要アップデートは多くの人たちが同時にダウンロードしようとする。通常Appleは待ち行列を設定して、順番が回ってきた人は迅速にダウンロードできるように工夫している。

iOS 13はiPhone 6s以降、iPhone SEおよび第7世代のiPod Touchに対応している。iPadを持っていてiPadOS 13を待っている人は9月24日にiOS 13.1とiPadOS 13.1がリリースされる予定だ。

ただし、まずバックアップを取ること。iCloudのバックアップが最新状態になっているかどうかは設定アプリのアカウント情報から確認できる。iOSデバイスをパソコンに接続してiTunes経由で手動バックアップすることもできる(もちろん両方やってもいい)。

iTunesのバックアップは暗号化するのを忘れずに。誰かがパソコンに侵入したときの安全性を高められる。暗号化されたバックアップには保存されたパスワードやヘルスデータも入っていに。このためオンラインのアカウントにログインし直さなくてすむ。

バックアップができたら、設定アプリで「一般」→「ソフトウェアアップデート」に行って指示に従えば、サーバーの準備が整い次第自動的にダウンロードが始まる。

iOS 13の新機能を簡単に紹介する。今年は、ダークモードに加えてどのアプリもなんらかの生活の質向上アップデートによって改善されていると感じる。写真アプリには新しくギャラリービューが出来て、Live Photosとビデオの自動再生、スマートキュレーションなどが加わりより没入的なデザインになった。

このバージョンでは新しいサインイン方法の「Sign in with Apple」(Appleでサインイン)、BluetoothとWi-Fiの確認画面やバックグラウンド位置情報追跡などのプライバシーポップアップなど、プライバシー面がかなり強調されている。AppleマップにはGoogleストリートビュー風のLook Around機能が入った。まだ、ごく一部の都市でしか利用できないが、周囲を見回してみることをお勧めする。すべてが3Dで表示される。

多くのアプリがアップデートされた。「リマインダー」アプリは全面改訂され、「メッセージ」アプリでは「連絡先」アプリに登録された人とプロフィール写真を共有できるようになった。「メール」アプリの書式設定が改善され、「ヘルスケア」アプリでは月経周期を追跡できる。「ファイル」アプリにはデスクトップ風の機能が追加され、Safariには新しいウェブサイト設定メニューが付いた。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebookの情報収集に対抗するiOS 13のポップアップの奮闘やいかに?

スマートフォンのOSがプライバシー保護を重視する方向に変化すると、これまで陰で行われていたサードパーティー製アプリの活動が表沙汰となり、利益目的でユーザーの追跡や個人情報の収集を行う、巨大アドテック企業が展開した監視インフラが浮き彫りになってきた。

すなわち、今週末に一般公開されるiOS 13は、すでにFacebookの魅力的なアプリがBluetoothを使って近くのユーザーを追跡していることを突き止めたということ。

“Facebook”がBluetoothの使用を求めています。

Facebookはなぜ、こんなことをしたがるのか?Bluetooth(およびWi-Fi)のIDをマッチングさせ、物理的な位置情報を共有することで、同社のプラットフォーム上でのユーザー同士の活動をデータマイニングして、少しずつ情報を集めてソーシャルグラフを補完していくのが狙いだ。

こうした位置の追跡は、個人が(少なくとも)近くにいたことを物理的に確認できる手段となる。

それを個人情報と組み合わせることで、Facebookは人々とつながり続け、位置そのものの性質に関連する周辺データ(例えば、バーにいるとか、家にいるとか)を確保できる。それが、Bluetoothという短距離無線通信技術を逆手に取って、近接していると判断された人と人の関係性を推論するための、明確な道筋をFacebookにもたらす。

個人を対象にしたターゲティング広告を収入源とするFacebookには、人の交友ネットワークを詳しく知りたい明確な商業的理由がある。

Facebookは、人々がデバイスの接続などの善良な目的で使用するBluetoothに便乗し、その広告ビジネスを人々と“ペアリング”しようとしている。その卑怯な手口がiOS 13によって摘発されたわけだ。

広告がFacebookの事業だと、CEOのMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏が米上院で話したことは、よく知られている。しかし、このソーシャルネットワークの巨大企業が出会い系サービスにも手を伸ばそうとしていることにも注目したい。同社はそこに、人々がどこで誰と時間を過ごしているかを詮索したくなる、新しい製品主導の誘因を持ち込もうとしている。

共通の好みなど無機的な信号に基づくアルゴリズムによるマッチメイキングは、別段、目新しくはない。今のところFacebookで考えると、同じページやイベントに「いいね」をしたといったものになるだろう。

しかし、誰が誰とどこでいつ会っているかといった、温かい血の通った信号(Bluetoothの機能を逆用して個人の物理的な位置を追跡することで人と人の交流に関する情報を収穫する)を加味すれば、Facebookは、人の行動をカーテンの影でこそこそ行っていた監視を、次のレベルに引き上げることができる。

Facebookのアプリのユーザーが、自分のデバイスで位置の追跡を許可すれば、つまり、位置情報サービスを有効にすると、人々の動きの追跡に対して無抵抗になってしまう。位置情報サービスは、GPS、Bluetooth、クラウドソースのWi-Fiホットスポットや携帯電話基地局の機能に関係している。

Facebookの出会い系サービスを使うには位置情報サービスが必要であることは驚きにあたらない。位置情報サービスが無効なとき、有効に切り替えるようアプリがユーザーに促すと、Facebookは私たちに明言した。またFacebookは、ユーザーが位置情報サービスを無効にしている場合は、位置の特定にWi-FiもBluetoothも使わないと私たちに述べている。

さらに同社は、ユーザーはいつでも位置情報サービスを無効にできると強調した。だが、Facebookの出会い系サービスを使いたくなければの話だ。

いつものとおり、Facebookはデータ処理の別々の目的をごちゃまぜにして、人々が自分のプライバシーを有効に守るための選択の幅を狭めている。そのため、Facebookの出会い系サービスのユーザーには、このサービスを使うか、またはFacebookによる物理的な位置情報の追跡を全面的に拒否するかの選択肢しかない。否が応でも、それしかない。

iOS 13の新しいプライバシー保護機能は、アプリのバックグラウンドでの活動をポップアップで知らせてくれるのだが、これは、AppleのCEO、Tim Cook(ティム・クック)氏が言うデータ産業複合体の不誠実な手法への明らかな対抗手段だ。手動でBluetoothの位置追跡(上記の例を参照)を無効にできる第3の選択肢を提供し、ある程度の管理権をユーザーの手に取り戻してくれる。

Android 10も、ユーザーによる位置追跡の管理権を拡大した。アプリの使用時のみ位置情報を共有できるという機能だ。しかしこのGoogle製OSは、アップルがきめ細かいポップアップで提示したものに比べるとずっと遅れている。

Facebookは、(自社にとって)厄介なスマートフォンレベルでのプライバシー保護環境の変化に対処すべく、先週、位置情報サービスの更新を行った。これは、iOSユーザーがiOS 13にアップデートした途端にFacebookのアプリから洪水のごとくあふれ出るであろうデータ取得関連の警告に、先手を打つものだ。

ここでFacebookは、「お知らせ」という形で通知を出し、バックグラウンドでの追跡戦術を積極的に表に引っ張り出そうとするアップルを混乱させる手に出た(ちょっと目先を変えただけで)。

Facebookは「Facebookでは、あなたの位置を知らせる相手を選べます」と主張するが、そこには厚かましいまでの矛盾がある(ユーザーはスマートフォンやタブレットの位置情報サービスを使って、追跡を拒否できると話している)。だが、位置情報サービスを無効にしても、Facebookがユーザーを追跡できなくなるわけではないことを、後から付け加えている。

自分の位置情報を収集して欲しくないという明らかなメッセージをFacebookにぶつけたところで、Facebookはそれを尊重するはずはない。あり得ない!

「それでも私たちは、チェックイン、イベント、インターネット接続情報などから、あなたの地位を把握できます」と書かれている。Facebookの「把握」という言葉をより深く理解するためには、これを「失敬」に置き換えるといい。

さらに厚かましいひと言は、個人情報の収集に対抗してOSがプライバシー保護対策を固めているのは、あたかもFacebookの手柄であるような主張だ。Facebookは、この前向きなお知らせを、こう締めくくっている。「私たちは、あなたがいつどのようにご自分の位置情報を共有するか、その管理方法をより容易にするための努力を続けてまいります」

広範な個人情報収集をもみ消すための誤解を招きやすい言葉(「容易にする」など)をFacebookが持ち出すのは、いつものことだ。しかしFacebookは、変革の風がびゅーびゅー吹きつけるなかで、プライバシーに関する罪を覆い隠す薄っぺらな木の葉が、いつまで耐えられると思っているのだろう。一寸先はわからない。

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(翻訳:金井哲夫)

Apple Arcadeが9月20日のリリースを待たず、iOS 13プレビューでプレイ可能に

Apple(アップル)の新しいゲームサブスクリプションサービスであるApple Arcadeは世界で今週(日本では9月19日)リリースされるが、MacRumorsが発見したところによれば、iOS 13ないし13.1のプレビュー版をインストールしているユーザーはすでに利用を開始できるという。

Apple Arcadeの作動にはiOS 13、tvOS 13、macOS Catalinaがインストールされていることが必要だ。つまりデバイスに新しいOSをインストールするまでArcadeの体験はおあずけだった。iOS
13安定版が正式に配信されるのは今週木曜の9月19日の予定だ(日本のAppleサイトによれば9月20日に登場)。

広告が表示されないゲームプラットフォームを準備中だということは、今年始めにAppleがからアナウンスされていた。このサービスでプレイできるゲームには広告が出ないだけでなく、アプリ内課金もない。

つまりユーザーは4.99ドル(日本では600円)の月額サブスクリプション料金の負担だけで好きなだけゲームをダウンロードできる。同一のサブスクリプション契約で家族6人までがプレイ可能で、最初の1カ月はトライアル期間とjなって無料だ。

現在すでに53タイトルのゲームが登録されているが、Appleによればこの秋のうちに100タイトルになるという。

Apple Arcade 1

それぞれのゲームはApp Storeのページを持ち、トレーラー、スクリーンショット、年齢制限、カテゴリー、プレイヤー数などが表示される。

App Storeでこうしたゲームのページを見つけたがArcadeのサブスクリプションを申し込んでいない場合、「無料でApple Arcadeのトライアルを開始できる」というボタンが表示される。またアプリ名上部には「Apple Arcade」と表示される。

Apple Arcade 2

【Japan編集部追記】 日本のAppleのプレスリリースによればArcadeはiPadOS、tvOSでは9月30日、macOSでは10月以降。なおiOS 13の場合、9月19日から利用可能とある。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

iOS 13のプライバシー強化が競争を阻害するとアップルを非難するデベロッパー

アプリのデベロッパーのグループが、Apple(アップル)のCEO、ティム・クック(Tim Cook)氏に文書をしたためた。AppleのiOS 13に加えられるプライバシー重視の変更が、彼らのビジネスに悪影響を与えると訴える内容だ。The Informationのレポートによれば、デベロッパーは、アプリからユーザーの位置情報へのアクセスを可能にする機能について、Appleに反競争的行為があると非難したという。

AppleはiOS 13で、一企業としての大局的なプライバシー保護に対する取り組みの一環として、ユーザーの位置を追跡する機能の、アプリによる悪用を防止することを目指している。

現在、多くのアプリは、最初に起動された際に、アプリに対して位置情報の利用を「常に許可する」よう求めている。ユーザーは、これに1回タップするだけでいい。しかしその結果、多くの場合、実際に必要とされているより、はるかに多くの位置情報へのアクセスを、意図せずに許可してしまうことになる。

しかしAppleは、iOS 13で、アプリが位置情報へのアクセスをリクエストする方法を変更した。

起動時にユーザーに提示される確認についても、「1回だけ許可」という新たなオプションが追加された。これは、アプリが自分のニーズに合っているかどうかを判断するための猶予をユーザーに与えるためのもの。もし使えそうだと判断したら、アプリに対して継続的な位置情報のアクセスを許可すればいい。このオプションが、これまでにもあった「使用中のみ」および「許可しない」に並んで表示されるようになる。

「常に許可」のオプションも引き続き使用可能だが、ユーザーはiOSの「設定」を開いて、手動で有効にする必要がある。定期的に表示されるポップアップには「常に許可」のオプションも含まれるが、そのオプションはすぐに表示されるわけではない。

アプリのデベロッパーは、この変更が、あまり技術に詳しくないユーザーを混乱させる可能性があると主張している。

そのような変更がアプリに与える影響や、それに対するユーザーの行動を考えれば、こうしたデベロッパーの論点にも一理ある。アプリを機能させるためのスイッチを切り替えるために、いちいち「設定」を開かなければならないとなれば、ユーザーはそのアプリを使うこと自体をやめてしまいかねない。またこれは、Safariの広告ブロッカーや、iOSのキーボードを入れ替えるアプリなどが、けっして主流になれない理由を説明するものである。そうしたものも、iOSの「設定」を変更するという余計な手間をユーザーに課しているのだ。

とはいえ、AppleがiOS 13で導入する変更が、そうしたアプリを完全に機能不全にしてしまうわけではない。アプリを使い始めるための手続きを、うまくユーザーに説明することが必要となったのだ。いきなり「常に許可」を選ぶよう求めるのではなく、ユーザーに「設定」の変更方法を分かりやすく示したり、「常に許可」を選択してもらえるまでは、アプリの機能を制限しておく、といった配慮が必要となる。

また、デベロッパーの文書では、Apple純正の付属アプリ(「探す」など)は、このような扱いを受けていないことを指摘し、それが反競争的だという懸念を示している。

またこの文書は、AppleはiOS 13で、PushKitをインターネット上の音声通話(VoIP)以外の目的で使うことをデベロッパーに許していないことについても言及している。これは、一部のデベロッパーが、このAPIを悪用してユーザーの個人情報を収集していたことに端を発している。

レポートによると、その文書には「私たちは、一部のデベロッパー、主にメッセージングアプリのデベロッパーが、ユーザーのデータを収集するためのバックドアとして、これを使っていたことを理解しています」と記されている。「このような抜け穴が塞がれるべきであることには同意しますが、今Appleが(インターネット経由の音声通話機能へのアクセスを)無効にすることは、意図しない結果を招くことになるでしょう。それによって、リアルタイムの位置情報を正当な理由で必要とするアプリが、実質的に使えないものになってしまいます」。
(訳注:iOS 13では、バックグラウンドでVoIPサーバーに接続し続けることが禁止されると言われている)

この文書は、TileのCEO、CJ Prober(CJ プロバー)氏、Arity (Allstate)の社長、Gary Hallgren(ゲイリー・ホールグレン)氏、 Life360のCEO、Chris Hulls(クリス・ハルス)氏、デートアプリHappnのCEO、Didier Rappaport(ディディエ・ラパポート)氏、Zenly(Snap)のCEO、Antoine Martin(アントワーヌ・マーティン)氏、ZendriveのCEO、Jonathan Matus(ジョナサン・マタス)氏、ソーシャルネットワーキングアプリTwentyの最高戦略責任者、Jared Allgood(ジャレド・オルグッド)氏によって署名されている。

AppleはThe Informationに対して、オペレーティングシステムに対する変更は、すべて「ユーザーのためにする」ものであり、ユーザーのプライバシーを保護するためだと述べた。また、App Store上で配布するアプリは、すべて同じ手続きを遵守したものでなければならない、と念を押した。

これは、ユーザーのプライバシーの向上を狙った措置を誤ると、結果的にさまざまな弊害や使いにくさをユーザー自身に負わせかねない、という教訓と捉えることができる。考えられる解決策の1つは、個々のアプリ内で、iOSの「設定」画面を開けるようにすることだろう。そこで、アプリのすべての許可設定をユーザーが直接変更できるようにするのだ。位置情報へのアクセスから、プッシュ通知の許可、モバイルデータ通信の利用、Bluetooth共有の許可まで、すべての設定だ。

このニュースは、ちょうど米司法省がAppleの反競争的行為を調査することを検討している最中に伝えられた。AppleがThe Informationに伝えたところによれば、PushKitを利用していて、変更の影響を受けるデベロッパーの一部については、Appleも協力して別の解決策を探っているところだという。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

もっと前から欲しかったiOS 13の新セキュリティ機能

あとほんの数週間後には、Apple(アップル)の高い人気を誇るiPhoneソフトウェアの13番めのメジャーリリース、iOS 13が正式に登場する。それと同時に、iPhoneやiPadの新モデルも発売されるだろう。後者のOSは、それにふさわしいiPadOSと改名された。すでにここ数週間に渡って、iOS 13を試してみる機会を得た。ここでは、セキュリティとプライバシーに関する機能に絞って、何が新しいのか、それはどのように動くのか、というあたりを見ていこう。

いずれも知っておくべきことばかりだ。

ユーザーの位置を追跡するアプリについては通知が表示される

どのアプリが自分の位置を追跡しているのだろう、と疑問に思ったことはないだろうか? もう大丈夫だ。 iOS 13は、バックグラウンドでユーザーの位置を追跡しているアプリについて、定期的に通知を表示するようになる。その通知は、最近どのアプリが、何回、ユーザーの位置を確認したかを、折に触れて知らせてくれる。その際には、確認された位置を示す地図も表示される。通知のダイアログに配置されたボタンによって、そのアプリがユーザーの位置を追跡することを「常に許可」したり、逆に追跡を制限することもできる。

アプリによる現在位置の確認を1回だけ許可できる

どのデータへのアクセスを許可するか、ということをより細かく設定できるようにする機能として、iOS 13は、アプリに位置情報へのアクセスを1回だけ許可することができるようになる。以前は、「常に許可」、「許可しない」、「使用中のみ」というオプションがあった。これでは、許可する場合、アプリを使用中にはリアルタイムの位置情報収集を許可することになってしまう。これからは、実際に使用するたびごとに、アプリのアクセスを許可できるようになる。プライバシーが気になる人には嬉しい機能だ。

Bluetoothにアクセスしようとするアプリを拒否できる

Bluetoothにアクセスしようとするアプリも、ユーザーの同意を求めるようになる。アプリはBluetoothを使用して、フィットネスバンドやスマートウォッチなどのガジェットに接続することができる。しかしその状態では、ビーコンと呼ばれるBluetooth対応の追跡デバイスを利用した位置の追跡が可能となっている。そうしたビーコンは、普通の店舗からショッピングモールまで、いたるところに置かれている。それにより、ユーザーのデバイス固有のBluetooth識別子を取得し、ユーザーの物理的な位置の移動情報をつかむことができる。そうして、ユーザーがどこに行って何をしたかを、だいたい把握できる。これはたいていターゲティング広告に使われる。明らかにその必要がないと思われるアプリのBluetooth接続を拒否することは、プライバシーの保護に有効だ。

「探す」アプリが統合され、オフライン追跡が可能に

これまでの「iPhoneを探す」と「友達を探す」が、1つの「探す」アプリに統合され、オフライン追跡も可能となる。これまでは、たとえばMacBookをなくした場合、そのデバイスが最後にWi-Fi接続した場所を頼りに探すことしかできなかった。これからは、行方不明になったデバイスはBluetoothを使って固有の識別子を発信する。その近くにあるiPhoneや他のApple製品は、携帯電話の電波を使って、そのデバイスの位置情報をAppleのサーバーに安全にアップロードする。その位置データは暗号化され、匿名化されているので、行方不明になったデバイスの所有者以外には、Appleも含めて、位置情報が知らされることはない。

アプリは連絡先に含まれるメモを盗み見できなくなる

Appleは「連絡先」についても引き締めを図ろうとしている。これまでも、連絡先にアクセスしようとするアプリは、その前にユーザーの許可を求めてきた。しかしいったん許可されたアプリは、連絡先の項目の中に書いた個人的なメモにもアクセスすることができていた。もしそこに、自宅のアラームコードや、テレフォンバンキングの暗証番号などが書いてあったら、それも読まれてしまうのだ。今後は、連絡先へのアクセスを許可されたアプリも、個々の項目にある「メモ」の内容を見ることができなくなる。

「Appleでサインイン」すると、リレー専用メールアドレスが使える

これは、もうすぐiOS 13で使えるようになる新機能の中でも特にすごいと思えるもの。Appleの新しいサインイン機能を使えば、ユーザーはアプリやサービスに1タップでサインインすることができる。その際に機密やプライバシーに関わる情報を引き渡してしまう心配はない。どんなものにせよ、サインインを必要とするアプリは、必ず「Appleでサインイン」のオプションを有効にしなければならない。その際ユーザーは、自分の本物の電子メールアドレスをアプリの会社に伝えるか、個人に割り振られた「リレー」電子メールアドレスを代わりに伝えるかを選択できる。後者の場合、ユーザーの本物のアドレスを隠すことができ、アプリはAppleが個別に生成したアドレスしか知ることができない。Apple自体は、ユーザーのデータを収集しないとしているので、これはかなりプライバシーを重視した方策となるだろう。この機能は、AndroidデバイスやWebサイトを含む、あらゆるデバイスでも使える。

未知の発信者からの電話の呼出音は鳴らさない

迷惑通話を撲滅するのに有効な手段も提供される。iOS13では、未知の発信者からの電話は自動的に留守電状態にすることができる。連絡先に登録されていない番号からの電話は、すべて未知の発信者とみなされる。

写真から位置情報のメタデータを取り除くことができる

iPhoneは、写真を撮るたびに、撮影された場所の正確な位置情報を写真ファイルのメタデータとして保存する。しかしその情報から、ユーザーの自宅や勤務先など、機密性が求められる個人の位置情報が明らかになってしまう場合もある。通常、iPhoneで撮影した写真をSNSやその他のサービスで共有する場合、いちいち位置情報のメタデータを削除したりはしない、という人が多いだろう。これからは、それも簡単にできる。数回のタップで、位置情報のデータを削除してから写真を共有できるようになる。

Safariも優れたアンチトラッキング機能を装備する

Appleは、クロスサイトトラッキングや、ブラウザのフィンガープリンティング防止機能など、新しいトラッキング防止技術を、純正のSafariブラウザ上で進化させ続けている。こうした機能により、広告が複数のウェブサイトにまたがってユーザーを追跡することは、かなり難しくなっている。iOS 13では、クロスサイトトラッキング防止機能がデフォルトで有効になる。ユーザーは最初から保護されることになるわけだ。

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画像クレジット:Apple/YouTube

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

iOS 13ベータにFaceTimeの視線補正機能を発見、ビデオチャットの対話性が大きく向上

Apple(アップル)はこの秋に一般公開予定のiOS 13のFaceTimeに視線を補正する機能を追加していることが判明した。 Attention Correctionと呼ばれる機能はiOS 13のデベロッパー向けベータ版で発見されたもので、FaceTimeを利用したビデオチャットの体験を劇的に改善する。一般向けベータ版は今週中に公開されるはずだ。

ビデオチャットで会話するときユーザーは画面を見つめているため、視線はカメラに向いていない。しかし新しい補正機能を使えば実際に相手の目を見ながら対話している効果を与える。

FaceTimeで会話するとき画面の中の相手の視線がずれているのが大きな違和感となっていた。我々は画面の中の相手を見ているので画面の外の小さな黒い丸、つまりカメラのレンズを見ていないからだ。

iOS 13でFaceTime Attention Correctionを発見した。これはすごい。テスト画像を添付した。(左が修正後、右が修正前)

今のところFaceTimeの視線修正機能はiPhone XSとXS Maxでのみ利用できるようだ。つまりアップルの最新のカメラテクノロジーを利用しているのだろう。iPhone XS、XS Maxには新しい画像プロセッサーに加えて強力なA12チップが搭載されている。このためHDRやポートレートモードの照明効果などビデオ画像処理全般にわたって現行モデルより改善されている。

今までの例ではiOSのベータ版に登場した機能はその後利用できるモデルが拡大されることもあれば、一般公開時には消えていることもあった。iOS 13でも秋の一般公開でこの機能がどうなるか予測するのは難しい。しかしFaceTimeを使ったビデオ通話はアップルのモバイルチャットの中心をなす重要な機能であり、視線修正はFaceTimeの利用体験の改善に極めて高い効果があるので、一般公開でも維持されることを期待したい。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

iOS 13に画期的新機能は少ないがクオリティ・オブ・ライフの改善が満載

デベロッパーの間で「クオリティ・オブ・ライフのアップデート」と呼んでいるのは「すでに動いている機能をさらに洗練させる」ことを意味する。地道な改良を積み重ねることが快適なユーザー体験を実現する道だ。iOS 13でAppleが力を入れたのもまさにそこだった。

一見して気づく派手な新機能はダークモードくらいだったが、これは悪いことではない。iOS 13はiOS 12より明らかに快適だが、その理由はさまざまな面でのクオリティ・オブ・ライフの改善にある。

以下はiOS 13ベータを実際に使ってみた感想だ。

ダークモードはゴージャス

ダークモードは快適だ。これはあらゆるアプリに適用可能なシステムレベルの改良なので実際にiPhoneで動かしてみないと実感しにくいかもしれない。いちばん簡単なのは画面をスワイプしてコントロールセンターを開き、輝度調整を長押しする。

マニュアルで起動する他に自動モードも設定できる。今のところ私のiPhoneでは夜になるとダークモードになり、朝になると解除される。朝夕の判定は現在地の日没、日の出時刻を使っているようだ。

Appleはノート、メール、メッセージ、Safariその他、自社提供のアプリについてすべてダークモードをサポートするようにアップデートした。こうしたアプリではダークモードはきわめて自然だ。

しかしサードパーティーのアプリの多くは残念ながらダークモードをサポートするアップデートを実施していない。しかし秋に正式版が公開されるまでにはポピュラーなアプリの大部分がアップデートされるものと期待している。

すでにアプリの設定でダークモードを選べるものも出ているが、Appleではいちいちマニュアルでダークモードをオンにしなくてもアプリがデフォルトでサポートするようになることを期待している。もちろんこの場合もアプリもアップデートが必要だ。

ハードよりレイヤーの改良

ダークモードを別にすれば、iOS 13は現行iOSと見た目はほぼ同様だ。 しかし注意深く観察するといくつかの点に気付くだろう。一つはアニメーションがスピードアップした。アンロック、アプリの起動と終了、スワイプ、通知のポップアップなどの動作が目につくほど高速化されている。

2つ目はFace IDの使い勝手の改善だ。ドラマティックというほどではないが顔認識が少し速くなっている。最新デバイスに買い換えなくもiOSのアップデートだけで高速化されるのはありがたい。

また新iOSではキーボードにスワイプ入力が追加された。キーボードのレイアウトもアップデートされ、3つのエリアに分割された。最上部は写真やリンクなど送信する重要な連絡先候補が表示される。

その下の部分には通常の連絡先やアプリを開くためのアイコンが並ぶ。さらに下にスクロールするとアプリごとに異なるアクションのリストにアクセスできる。

Siriの音声もこれまでより自然になった。またiショートカットも使い勝手が向上しSiriとの連携も密接化された。ショートカットはiOSにバンドルされてデフォールトでインストールされる。これはiPhoneでスクリプトやオートメーションを利用するために非常に便利だ。

音声起動のSiriショートカットがウィジェットになり、iOS 12以降「ヘイ、Siri、Citymapperで帰宅ルートを教えて」と命じてCitymapperを起動して乗り換え案内を参照できるようになった。iOS 13では Siriショートカットを起動するためのボタンが追加された。

さらに便利なのは一定の条件で自動的にショートカットを起動する設定ができるようになったことだ。たとえばCarPlayの位置情報やもっと手軽なNFCタグを使って特定の動作を実行させるシナリオを設定できる。たとえば、

  • CarPlayやBluetoothを利用したカーオーディオにiPhoneを接続すると自動的にプレイリストを再生する。
  • 機内モードに設定するとスクリーンの照度を落とし、省電力モードになる。
  • ベッドサイドスタンドにiPhoneを置くとPhilips Hueスマートライトを消灯する、等。

アプリのリファイン

Apple製アプリはすべてアップデートされた。その度合はアプリごとにさまざまだ。特に写真アプリには非常に大きな変化があった

写真: デザイン、機能ともまったく別物になった。これまでの平凡なグリッド表示ではなくメインタブの下に4つのタブが置かれ、ライブラリーの検索がはるかに効率的にできる。

「年」タブにはその年に撮影した写真がまとめられる。「月」タブではiOSがAIの力を借りて写真を同一イベントにまとめ、もっとも興味を集めそうな写真から表示する。その日に撮影した写真は「日」タブにまとめられる。なんらかの理由で同一の写真が保存された場合、重複分は自動的に隠される。

「すべての写真」タブには従来どおり延々と続くグリッドにカメラロールの写真がすべて表示される。e. Live PhotosやLive Videosはプレビューで自動再生される。私自身は自動再生は好みではないが、ユーザー間で要望が多かったのだろう。

カメラの改良はさほど大きなものではないが、ポートレートモードで人物の髪の切り抜き精度がアップした。また編集機能も多少改良された。

マップ: マップ・データが引き続き改善されているが、一般ユーザーは気づきにくいかもしれない。乗り換え案内がリアルタイム情報になり、場所のリストを友だちと共有できるようになった。もっともCitymapper、FlightLogger、Mapstrなどの専用アプリを代替できるところまでは行っていない。

Look Around機能が追加され、現地の写真が見られるようになった。これはGoogleマップのストリートビューに似た機能でAppleストリートビューといえば分かりやすい。私は土地勘のあるサンフランシスコのマップで試してみたが、単に360°パノラマというだけでなく、立体感の高い3Dにもなる。

メッセージ: 以前から要望が多かった機能がいくつか追加されている。プロフィールに名前、写真を表示できるようになった。私はデフォールトの灰色のそっけないアバターが嫌いなのでこれはありがたい。

ミー文字を表示できるデバイス(A9チップ搭載)であればステッカーで共有できる。検索機能も強化され、やっと実際に役立つものになった。アドレスや特定のメッセージをすばやく探して当てることができる。

ヘルス: デザインは変更されたが機能そのものにはさほど大きな変化はない。ただし新iOSでは生理周期のトラッキングと予測ができるようになっている。

プライバシーとセキュリティー

iOS 13はこの部門に力を入れている。特に注目は「Apple IDでサインイン」の機能だ。残念ながら私のベータ版にはこの機能が表示されないのでまだ実地に試していない。しかし同僚のSarah Perez記者が詳しく解説しているので参考にしていただきたい。

現在新たにサービスやアプリにアカウントを作る場合、メールアドレスを始め多数の個人情報の入力を求められるのが普通だ。「Googleでサインイン」や「Facebookでサインイン」もこれらのアカウントが持っている個人情報がどれほどサードパーティーに渡るの不明だった。これに対して「Appleでサインイン」の場合、Appleがランダムに個人情報を生成してアカウントを生成する。Appleはアカウントの継続利用に必要なユニーク識別子以外のデータを保存しないためプライバシーを侵害されるおそれが非常に少なくなる。識別子はiCloudのキーチェーンに保存される。

またiOS 13では位置情報に関するプライバシー・コントロールも強化されデフォルトでBluetoothのスキャンをブロックする。これはユーザー知らないうちにアプリが現在置情報をアップロードするのを防ぐため4だが、多くのアプリは自動的に周囲のBluetoothを探すよう設定されているので作動に問題が生じる可能性がある(略)。

その他

iOS 13には下記のような改善も含まれている。

  • アプリのアップデートの際、ファイルサイズが小さくなり、スピートがアップした。iOSはすべてのファイルをダウンロードするのでなく、当該デバイスに必要なファイルだけを要求する。
  • アーカイブ・ファイルをzip/unzipできる。
  • メールのフォントの種類、サイズ、色などをカスタマイズできる。インデントができ、ブレット付もリストを作れる。
  • 「iPhoneを探す」と「友だちを探す」が「アプリを探す」に統合された。まだ試したわけではないが、理論的には「友だちがどこかに置き忘れたデバイスを探す」こともできるはずだ。情報はすべてエンド・ツー・エンドで暗号化されているためのぞき見されることはない。

まだ試せていない機能

  • CarPlayが一新されたというが残念ながら私は自動車を持っていない。
  • セキュリティーカメラがHomeKit互換ならファイルをiCloudに保存できるという。
  • ARKitも改善されたらしい。
  • App Storeからカスタム・フォントをインストールしてアプリで利用できる。
  • 音楽アプリで歌詞をカラオケ・スタイルで同期表示できる。
  • リマインダーのデザインが改良されたというが、以前のリマインダーを使ったことがないので評価できなかった。新しいリマインダーの評判はいいようだから使ってみるべきかもしれない。.

全体としてiOS 13にフレッシュな空気感が漂っている。すべての機能が少しずつ改善され、使いやすくなっている。ドラスティックな変化はほとんどなかったが、iOSのプラットフォームとしての快適性は大いに向上したと思う。

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滑川海彦@Facebook

アップルがiOS 13、iPadOS 13のベータ版を一般公開

iOSやiPadOSが今後どうなるのか誰でも試してみることができるようになった。Apple(アップル)は先ほどiOS 13、iPadOS 13の最初のベータ版を一般公開した。

これらのOSはモバイルデバイスの2大陣営の一方であるiPhoneとiPadに搭載される。このバージョンは.現在デベロッパー向けに公開されているベータとは異なり、99ドルの有料デベロッパーアカウントを取得する必要がない。ただしあくまでベータ版だということに留意すべきだろう。

正式な安定版が公開されるのは今秋これまでの例だと9月だが、それまでの間もベータ版は数週間ごとにアップデートされる予定だという。一般のユーザーに実際の環境で利用してもらいフィードバックを収集するのはバグフィックスに非常に効果的な方法だ。

いつものとおり、アップルの一般向けベータのアップデートはデベロッパー向けベータのアップデートと同期しているはずだ。アップルはiOS/iPadOS 13のベータのv2を先週公開したところだ。今回の一般向けベータはデベロッパー向けベータのv2とほぼ同内容と考えていいだろう。

ただしベータ版は普段メインで使っているデバイスにはインストールしないほうがいい。各種のバグが含まれていることに加えて、いくつかの新機能はまだ作動しない可能性がある。レアケースだが、相性によってはベータ版はデバイスを文鎮化することもないではない。

私はデベロッパー版ベータを使っているが、まだバグが非常に多い。開けないサイトもあるし、作動しないアプリもある。

万一作動しなくなっても仕事や生活に支障ないiPhone、iPadを持っていて、いち早くベータ版を試してみたいなら、インストール方法は次のとおりだ。アップルのベータサイトを開き、コンフィギュレーションプロファイルをダウンロードする(Apple IDとパスワードの入力を求められる)。このファイルはiPhone、iPadにベータ版を正式版のアップデートと同様にインストールするようを指示する。

コンフィギュレーションプロファイルはデバイス上のSafariから入手することもできるし、AirDropを使って転送することもできる。再起動して「設定」アプリを開く。9月の正式版ではこうした手続は不要で自動的にアップデートが行われるはずだ。このときにベータ用コンフフィギュレーションプロファイルを削除できる。

ここでiOS 13の新機能について簡単に復習しておこう。デザインの変更では暗めの場所で見やすいダークモードが目立つが、これ以外にも全アプリ共通で使い勝手、感触が改善されている。写真アプリではギャラリー表示が可能になり、写真やビデオのオープレイ、高度な編集も可能人なった。

新バージョンの重要な変更点の1つはプライバシー全般の強化とSigh in with Apple(アップルでサインイン)のサポートだ。これにより個人情報をサイトやアプリの運営者に渡すことなくアカウントが作れるようになった。サードパーティーがBluetoothやWi-Fiからバックグラウンドで位置情報などを入手しようとすると、警告のポップアップが出る。Look
Aroundという新しい機能はアップルのマップにGoogleのストリートビュー的な現場写真を追加する。これは今のところ一部の都市のみカバーしているが、3D表示可能なので試してみる価値がある。

メール、リマインダー、メッセンジャーをはじめアップル製アプリ多数アップデートされている。リマインダーには各種の操作を簡単に実行できるツールバーが新設された。メッセージではユーザーのプロフィール写真が表示できる、アニ文字やユーザー独自のミー文字を共有できるようになった。メールはヘルスケアアプリでは生理周期をモニターする機能が追加されている。またデスクトップパソコンのようにファイルを操作できるようになった。Safariではサイトごとの設定機能が強化された。その他iOS 13の新詳細はTechCrunchのこの記事(英語)を参照いただきたい。NFC(短距離無線通信)のサポートについてはこちらに詳しい。

今回始めてアップルはiPhone向けと別個にiPad向けOSを発表した。iPadOSのリリースにより大画面を生かした複数アプリの表示や高機能なスタイラス、Apple Pencilのサポートなどタブレット特有の機能の追求が可能になった。またパフォーマンス面でもSafariその他のアプリがmacOS同等の能力を備えるようになった。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

iOS 13はマイナンバーカードや英国パスポートも読み取り可能に

NFC(近距離無線通信) テクノロジーはiOSでApple Payその他の基盤として広く活用されている。たとえばLaunch Center Proのアイコンをタップして複雑な動作をさせるアプリもNFCを利用している。WWDCで詳細が発表されたiOS 13ではNFC機能も大幅に強化される。

この一般公開されるiOS 13では、iPhoneでNFCタグを読み取るだけでなく直接タグに書き込めるようになる。また相互通信もネイティブなプロトコルとしてサポートされる。Apple(アップル)は先週のWWDCで、デベロッパーはICパスポートの情報を読み取ったり非接触型スマートデバイスと会話するアプリが簡単に開発できるようになると述べた。

先ごろ、アップルとGoogle(グーグル)はニューヨークの地下鉄でApple PayGoogle Payを利用したNFCで料金が支払えるようになると発表した。ポートランドの公共交通機関や他の大都市でも同様の試みがスタートしている。

iOS 13のアップデートでNFCフレームワークはさらに強化され、できることが飛躍的に増える。新機能を利用するプロジェクトが多数開発中だ。

例えば日本では、iOS 13のローンチに合わせて、iPhoneによるマイナンバーカードの読み取りをサポートする準備を日本政府が進めているとEngadget Japan日経が報じている。.このニュースは日本のCIO補佐官である楠正憲氏のツイートで確認された。

英国政府もNFCを利用したパスポート読み取りアプリを準備しており、iOS 13が公開されれば一般に利用できるようになるとReadIDの公式ブログが確認している。【略】

iOSアプリはID読み取り以外にもNFCタグの書き込み(NDEF)が可能だ。デベロッパーは一度書き込んだタグが後で変更されないようにするロック機能を持たせることもできる。

iOS 13のNFCフレームワークは今回発表されたNFC NDEFタグだけでなく、Mifare、FeliCa、ISO 7816(パスポート)、ISO 15693標準による読み書きをサポートする。iOS 13では言及された以外の場所でも広くNFCが活用されることになるだろう。

Above Image Credit: Ata Distance, which covers Apple Pay and contactless news

アップルはWWDCに先立ってラスベガスで開催されたにTransactカンファレンスでApple PayにおけるNFCを活用サービスについて発表していた。

通販のBonobos、パーキングメーターのPayByPhoneなどがNFCを利用したサービスに参入することを表明している。「支払いはApple Payだけで完結するため専用のハード、ソフトは必要とされない」と電動スクーターのシェアリングサービスを展開しているBirdのSteve Moser氏はツイートしている。【略】

Launch Center ProのデベロッパーであるDavid Barnard氏は、iOS 13が公開されれば、ブランクのNFCステッカーに内容を書き込めるようになるとツイートした。NFCステッカーはAmazonからバルクで買えるという。これにともない現在のプロダクトは値下げされる。

デベロッパーはこの間NFCの機能の拡充を求めてきた。一般消費者にとってNFCテクノロジーの詳細を理解するのは難しい。Near Field Communicationnの頭文字だということを知らないユーザーも多いだろう。それでもiOS 13ではNFCを通じてタップするだけけ複雑な仕事ができるようになる。ユーザーは自然に仕組みを覚えて使いこなすようになる違いない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

iOS 13からアプリは連絡先のメモ欄を読めなくなる

Apple(アップル)は、アプリ開発者がユーザーのデリケートな個人情報をアクセスするおそれのある抜け穴を塞いだ。iOS 13から、ユーザーの連絡先データを要求したアプリは連絡先の「メモ」欄のデータを読めなくなる。

過去何人もわたってセキュリティー専門家は、連絡先にプライベート情報を書き込まないよう警告してきた。保護も暗号化もされていないので盗まれる恐れがあるからだ。

それでも、アドレス帳をパスワードマネージャー代わりにする人は後を絶たない。あるいは、さまざまなプライベート情報をメモ欄に記入する人もいる。

ATMの暗証番号、家のドアを開けるためのコード、金庫のコード、社会保障番号、クレジットカード番号等々。人に聞かれたくない個人情報も入っているかもしれない。

しかし、iOSアプリがユーザーの連絡先を要求すると、名前、住所、メールアドレス、電話番号とともにメモ欄のデータも返ってくる。Appleは今週のWWDCカンファレンスで、今後そういうことはなくなると発表した。

メモフィールドには、ボスの悪口などデリケートな情報が書かれている可能性がある。実際には多くのユーザーのメモ欄にもっとまずいものが入っていることがある。

このプライベートなメモ情報を必要としているアプリはほとんどないので、影響はないはずだとAppleは言った。もしメモ欄を必要とする正当な理由があるという開発者がいれば、例外を要求することができる。

ほとんどのユーザーはこの問題についてよく考えたことがないだろう。連絡先を秘密情報のために使わない賢明な人は、この変更の影響がないので気にする必要がない。

そして事情を知らなかった人たちのためには、Appleが代わってプライベートデータをプライベートなままにしてくれる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

アップルがヘルスケアアプリにヘッドフォン難聴の防止機能新設

最近のWHOITUの共同調査によれば、世界の12歳から35歳までの人々のほぼ半数が聴力に深刻な障害を受けるリスクにさらされている。これは11億人という驚くべき数だ。

問題はスマートフォンの普及とともにパーソナルリスニングデバイス、つまりヘッドフォンやイヤフォンの利用も拡大したところにある。若い層はヘッドフォンなどのボリュームを目一杯にアップして大音量で音楽を聞きたがる。これがヘッドフォン難聴と呼ばれる回復不可能の外傷性難聴を引き起こす大きな原因になっている。

昨日(米国時間6月3日)のWWDCのキーノートでアップルが触れなかったヘルスケアアプリの新機能の1つがヘッドフォンのボリュームコントロールだ。この機能はAirPods、Beatsなどのヘッドフォン類のボリューム・レベルをモニターし、音量が大きすぎるとユーザーに警告を発する。

Apple WatchのノイズアプリはWatch内蔵のマイクで環境ノイズを測定する。ヘルスケアアプリはこの情報とヘッドフォンのボリュームを比較し、音量が90dBに達している場合、「音量が大きすぎる」と通知する。このレベルの音量に長時間さらされると聴力の喪失を招く危険がある。

残念ながらこの音量モニターの動作はプロアクティブではない。まずユーザーは音量モニター機能にオプトインする必要がある。それでもこうした機能が設けられたのは良いことだ。私自身、ジムで運動をしているとき、不快なBGMが流されていたのでついヘッドフォンのボリュームをアップして対抗していたことがある。このときの音量は長時間聴くには危険なレベルに達していた可能性がある。

12歳から35歳までの層も当然歳を取る。つまり問題は今後はるかに深刻化するだろう。大音量は聴力に重大な危険を及ぼすことが早急に認識される必要がある。

【Japan編集部追記】日本耳鼻咽喉科学会のページにヘッドフォン難聴の危険性が解説されている。ヘッドフォンなどは1日1時間以上の利用で危険性が増大する。またノイズキャンセリング機能は予防効果があるという。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

iOS 13では位置情報の利用を「1回だけ」許可できる

アップルは、アプリに対してiPhoneの位置情報の利用を1回だけ許可できるようにする。これまで位置情報の利用には「常に許可」「許可しない」「このAppの使用中のみ許可」の3つの選択肢があった。

「1回だけ」位置情報の利用を許可するのは、小さな変更ではあるが、プライバシーを重視する人々には魅力があるだろうとアップルは述べた。

アップルのソフトウェアエンジニアリング担当上級副社長、Craig Federighi(グレイグ・フェディリギ)氏は米国時間6月3日にWWDCで「アプリに位置情報を1回だけ共有できる。その後、アプリが位置情報を必要とするときにはあらためて利用者に許可を求める。これは初めて登場する設定だ」と話した。

あるアプリを使うにはリアルタイムの位置情報が必要だが、常に自分の居場所の情報を提供したくはない。そういうアプリをダウンロードする人に役立つ機能だ。

さらにアップルは、位置情報を利用するアプリはiPhoneにレポートの形式で情報を記録すると説明した。「だから利用者はアプリが何をしているかを知ることができる」とフェディリギ氏は言う。

アプリは利用者の位置情報を常にGPSから特定しているわけではない。たいていの場合、Wi-Fiネットワークの情報、IPアドレス、さらにはBluetoothのビーコンのデータも利用して位置情報を特定し、広告のターゲットの精度を上げている。位置情報の利用を1回だけ許可する設定について「こうした乱用を封じるものだ」とフェディリギ氏は語った。

きめ細かくなった新しい位置情報の許可の設定は、今秋登場のiOS 13に搭載される予定だ。

画像:Screenshot / TechCrunch

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(翻訳:Kaori Koyama)