アプリ統合プラットフォームJitterbitがローコードサービスのPrimeAppsを買収

APIトランスフォーメーションカンパニーのJitterbit(ジタービット)は、トルコのローコードアプリケーション開発サービストルコPrimeApps(プライムアプス)を買収したことを米国時間1月12日に発表した。Jitterbitは自社のAPIプラットフォームをPrimeAppsと組み合わせることで、非技術者がビジネスアプリを簡単に作れるエンド・ツー・エンド・プラットフォームを提供する。ビジネスアプリには、ほぼまちがいなく、複数のデータソースの統合が関与している。この新しいプラットフォームは2022年4月に提供開始される予定だ。

両社は、本件の金額面の詳細を公表していない。JitterbitのCEOであるGeorge Gallegos(ジョージ・ガレゴス)氏は「数十億ドル(数千億円)の取引と比べてお買い得で」と信じているとだけ語った。

Jitterbitはちょっとした買収まつりの状態にある。2021年11月には中南米をターゲットにしているエンタープライズ向けiPaaS(サービスとしての統合プラットフォーム)プロバイダー、Wevo(ウィボ)を買収、5月にはこれもiPaaSサービスでオンプレミスあるいはクラウドベースのeコマースとCRMシステムの間でデータ統合を可能にするeBridgeを買収した。こうした動きを可能にした理由の一部は、未公開株式投資会社Audax(オーダックス)が2020年に行った同社への投資だ。

Jitterbitは最近、自社プラットフォーム上にノーコードあるいはローコードサービスを載せることにチャンスを見出した。ガレゴス氏によると、会社は設立当初からビジネスプロセスの自動化に焦点を合わせてきた。多くの場合、この種の統合や新しいワークフローから生まれるユーザー体験は、デベロッパーが作らなくてはならない。「これが繰り返し起きていることに気づきました。それを自分で開発するか誰かを探すかを考えていた時にPrimeAppsを見つけ、それはすばらしく最適な組み合わせでした」とガレゴス氏は言った。「これは当社の現行顧客がエンド・ツー・エンド・ソリューションを1つだけもてばよいようにするという私たちの能力を加速するための鍵です」。

PrimeAppsは、Serdar Turan(サーダー・トゥーラン)氏が2015年に設立して以来、外部資金調達を一切行っていない。同社の従業員25名は全員Jitterbitに移る。「以前から世界に進出する機会を常に伺っていました。しかし、簡単ではなく、現実は厳しいものでした」とトゥーラン氏はいう。「Jitterbitの訪問を受けた時、彼らはすでにこの分野でかなり大きく、私たちに欠けていたものを見事に補っていました。私はチャンスだと感じ、力を合わせて成長を目指すことにしました」。

PrimeAppsブランドはこの契約の一環で消滅し、サービスはJitterbitに完全に統合され、顧客も時間をかけて移行される、とトゥーラン氏は言った。

Jitterbitのガレゴス氏によると、同社はMuleSoft(ミュールソフト)やBoomi(ブーミ)などとiPaaSビジネス分野で競合している。そして、これらの会社はJitterbitが今回PrimeAppsとの統合によって実現したエンド・ツー・エンド・ソリューションの類を提供していないため、今後彼らが似たような動きをしてもおかしくない。

「ローコード開発の未来は現実になりつつあります。Jitterbitと一緒になることで、私たちはこの革命を進める先駆者となり、それによって仕事の進め方は大きく変わります」とトゥーラン氏は語る。「Jitterbitの高度なiPaaSとAPI管理ソリューションを得ることで、当社のプラットフォームは、顧客の一番近くにいる一般人デベロッパーに、多数のITエンジニアの力を借りることなく迅速にビジネス課題を解決する新たなデジタル体験を作り出す力を与えます」。

画像クレジット:blackred / Getty Images

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Nob Takahashi / facebook