アップルが「リーダー」アプリの外部リンク使用を許可、ただし承認が必要

Apple(アップル)は米国時間3月30日、App Store(アップストア)で販売される一部のアプリケーションが、外部ウェブサイトにリンクし、ユーザーがアプリデベロッパーのアカウントを作成したり管理したりできるようにすることを許可すると発表した。このApple App Storeレビューガイドラインの変更は、同社が「reader(リーダー)」アプリと呼んでいるカテゴリーのみに適用される。すなわち雑誌、書籍、オーディオ、音楽、ビデオなどある種のデジタルコンテンツへのアクセスを提供することを主として作られたアプリだ。Appleの計画が最初に発表されたのは、2021年9月に日本の規制機関であるJapan Fair Trade Commision(JFTC、公正取引委員会)と和解したときのことで、2022年初頭に実施されるとされていた。

以前同社は、この変更が有効になる時には全世界のリーダーアプリが対象になると言ったが、正確な実施日付は明らかにしなかった。

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3月30日、AppleのApp Store Reviewガイドラインは改定され、リーダーアプリがこの機能を実装する方法を説明する新たな記述が加わった。

具体的に、Appleはデベロッパーに対し、この機能を自社アプリで提供するために必要な同社が External Link Account Entitlement(エクスターナル・リンク・アカウント・エンタイトルメント)と呼ぶものを申請するよう指示している。この資格は、特定の機能をどのデベロッパーが実装可能であるかどうかに関して、Appleが支配を維持するために用いられる。つまり、App Storeのルールを単に変更して、対応するカテゴリーの全アプリに対してこの種の振る舞いを認めるのではなく、この資格取得プロセスでは、デベロッパーが特殊な利用形態として申請し、承認を得ることが必要になる。こうしてAppleは、リンクの追加を許可されたアプリをアプリ・レビュー・チームに任せきりにするのではなく、会社として入念に検査することができる。

さらに同社は、外部リンク・オプションの使用を許可されたデベロッパーのために、 Usage Guidelineおよび実装の詳細を公開した。その中でAppleは、デジタル・コンテンツへのアクセスを提供しているアプリすべてが承認されるのではないことを説明している。デジタル・コンテンツのアクセスがアプリの「主要な機能』でなければならない、とAppleは述べた。例えばソーシャルネットワークアプリ(例えばFacebook)のように動画のストリーミングもできるアプリには適用されない。

Appleはまた、資格を得るためにはアプリがユーザーに、以前そのアプリ以外で購入したコンテンツやサービスどアクセスもできるようにしなくてはならず、家庭教師、フィットネスインストラクション、不動産内見ツアー、医療コンサルテーションなどの個人対個人サービスは実施できない。

画像クレジット:Apple

Appleが、External Link Account Entitlementの利用を選択したアプリは、iPhone、iPadいずれにおいてもアプリ内購入を提供できなくなると言っていることは注目に値する。二者択一の状況だ。

Appleの解説には、リンクがどのように動作すべきか、たとえば新規にブラウザーウィンドウを開かなくてはならず、アプリ内のWebViewではいけないことや、リンクの表示方法などが詳細に書かれている。デベロッパーのウェブページでは、App Store以外で提供される価格を宣伝することも禁止されている。書けるのは「example.comへ行ってアカウントの作成・管理をおこなってください」などごく簡単なことだけだ。他にもいくつか技術的制約がある。

もう1つ注目すべきなのは、この変更が政府の規制のために実施されただけのものであり、AppleがこれをApp Storeのあるべき姿だと信じたからではないことだ。このサポートの高圧的なやり方や利用に関する規則からみても、Appleがこれを最終的にApp Storeの収益減少につながる危険な坂道であると見ていることは明白だ。

今回の変更は、反競争的行為に対する訴えを受けた議会や規制当局がアプリストア提供者であるAppleとGoogle(グーグル)に圧力をかける中で起きた。戦いは法廷でも行われており、AppleとGoogleは現在、「Fortnite(フォートナイト)」の開発元であるEpic Gamesと係争中で、Appleは現在上訴中だ。他にもデベロッパーがアプリ内で収集した連絡先情報を使って、支払い方法について顧客と連絡を取ることを許すようAppleに圧力をかける集団訴訟も起きている。

この日のリーダーアプリに関する変更に加えて、韓国ではAppleとGoogleがデベロッパーに対してそれぞれの独自決済システムの使用を強制することを禁止する法案が通過している。さらに、超党派によるAppleとGoogleを標的にしたアプリストア法案が上院司法委員会で承認され、法制化が近いことを示している。しかし、先行してアップストアの運用を全面見直しする代わりに、Appleは規制を遵守しようとする中でさえ、最後までその支配力にしがみついている。この姿勢は悪化の一途をたどっており、オランダではデートアプリのサードパーティー決済対応に関する新ルールの不履行を巡ってAppleは10回にわたって罰金を課せられた

Appleは本日、External Link Account Entitlementの申請受付を開始したが、リーダーアプリの開発・テストに必要なAPIが利用可能になるのは近日提供予定のiOSおよびiPadOSのベータ版だと同社は言っている。

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nob Takahashi / facebook

アップルが「M1チップ」搭載のiPad Air 5を発表、ノートパソコンの代わりに

米国時間3月8日開催されたイベントで、Apple(アップル)はピカピカの新しいiPad Airを発表した。M1 Appleシリコンチップが、私たちがよく知るiPad Airのボディに収められている。

A15チップではなくM1チップを採用したことは、iPadが単に大きくなったiPhoneではなく、ノートパソコンの代替品としての志を持っていることを示している。これは、iPad Proに搭載されているのと同じ種類のチップだ。iPad Air 5には12メガピクセルの超広角カメラが搭載され、iPadの全ラインナップが、ビデオ通話にカメラオペレーターを加えるセンターフレームをサポートするようになったことを意味している。

iPadのエンジニアリングプログラムマネージャーであるAngelina Kyazike(アンジェリーナ・カイザイク)氏は「これはiPad Proに搭載したのと同じM1チップで、8コア設計のCPUは前世代のiPad AirのA14に比べて最大60%高速のパフォーマンスを実現します」と発表した。「8コアのGPUは驚くべきグラフィックス性能を発揮し、実際、最大2倍の速さを実現します。新しいiPad Airに搭載されたM1は、最も速い競合タブレットよりも速く、同価格帯のベストセラーWindowsノートパソコンよりも最大2倍速くなっています」。

新しいiPad Air 5を紹介するiPadのエンジニアリングプログラムマネージャー、アンジェリーナ・カイザイク氏

新しいiPadは5Gチップを搭載し、従来よりも高速なUSB-Cポートを備え、Apple Pencilをサポートする。より優れたマルチタスクを可能にするiOSのiPadOSバージョンを搭載し、驚くような価格のデバイスに、率直にいってとんでもないパワーを詰め込まれている。

IPad AirはSmart Keyboard FolioとMagic Keyboardをサポートしており、ユーザーがiPad Airを機能的なノートパソコンにするために必要な追加機能が追加されている。

気候変動に敏感な筆者としては、Appleが持続可能性に向けた取り組みを続けていることに勇気づけられる。新しいAirは、筐体に100%リサイクルされたアルミニウムを採用し、ロジックボードのはんだなどにも多くのリサイクル素材を使用している。どれも小さなことだが、違いを生む。

スペースグレイ、スターライト、ピンク、パープル、ブルーと虹のようなカラーバリエーションが用意されている。価格は従来のiPad Airと同じ599ドル(日本での価格は税込7万4800円)を維持し、3月11日から注文を受け付け、3月18日に出荷を開始する。

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画像クレジット:Apple

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(文:Haje Jan Kamps、翻訳:Nariko Mizoguchi

アップルがiOS 15.2.1リリース、iPhoneとiPadにHomeKitの欠陥に対するパッチを適用

Apple(アップル)は、iOSおよびiPadOSに存在するセキュリティ脆弱性を修正した。この脆弱性は、HomeKitを介して悪用され、持続的なサービス拒否(DoS)攻撃の標的となる可能性がある。

Appleは米国時間1月12日にiOS 15.2.1およびiPadOS 15.2.1をリリースし、セキュリティ研究者のTrevor Spiniolas(トレバー・スピニオラス)氏によって1月初めに開示された、いわゆる「doorLock」と呼ばれる欠陥を修正した。このバグはiOS 14.7からiOS 15.2を搭載したiPhoneおよびiPadに影響するもので、Appleのスマートホーム基盤であるHomeKitを介して発生する。

このバグを悪用するには、攻撃者はHomeKitデバイスの名前を50万文字を超える文字列に変更する必要がある。この文字列がユーザーのiPhoneやiPadに読み込まれると、デバイスのソフトウェアがサービス拒否(DoS)状態に陥り、フリーズを解除するために強制リセットが必要になる。しかし、デバイスが再起動し、ユーザーがHomeKitにリンクされたiCloudアカウントにサインインし直すと、再びバグがトリガーされる。

ユーザーがHomeKitでデバイスを1つも追加していなくても、攻撃者は偽のHomeネットワークを作成し、フィッシングメールでユーザーを騙して参加させることができる。さらに悪いことに、攻撃者はdoorLock脆弱性を利用して、iOSユーザーに対してランサムウェア攻撃を仕かけ、デバイスを使用できない状態にロックして、HomeKitデバイスを安全な文字列長に戻すために身代金の支払いを要求することができると、スピニオラス氏は警告している。

スピニオラス氏によると、Appleは2021年のセキュリティアップデートでこの問題を修正することを約束していたが、これが「2022年初頭」まで延期されたため、同氏はこの遅れがユーザーに「深刻なリスク」をもたらすことを恐れてバグを公開したとのこと。

「Appleはセキュリティ問題を確認し、私はこの4カ月間に何度もこの問題に真剣に取り組むよう彼らに促したにもかかわらず、ほとんど為されていませんでした」と同氏は書いている。「頻繁に要求したにもかかわらず、この問題に関するステータスの更新は稀で、並外れて少ない詳細情報しか得られなかったのです」。

「Appleの透明性の欠如は、しばしば無償で活動しているセキュリティ研究者を苛立たせるだけでなく、セキュリティ問題に関するAppleの説明責任を低下させることで、日々の生活でApple製品を使用している何百万人もの人々にリスクをもたらしています」とも。

このアップデートは現在ダウンロード可能で、iPhone 6s以降、iPad Pro全モデル、iPad Air 2以降、iPad第5世代以降、iPad mini 4以降、iPod touch(第7世代)が対象となる。

画像クレジット:file photo

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(文:Carly Page、翻訳:Aya Nakazato)

アップルが韓国でサードパーティ製アプリの決済オプションを許可

韓国放送通信委員会(KCC)は現地時間時間1月11日、開発者が韓国でサードパーティ製の決済手段を、少なくした手数料で利用できるようにするための遵守計画をApple(アップル)が提出したと発表した。

KCCはまた、手数料の料金体系やその支払いオプションが有効になる正確な日程など、さらなる詳細についてAppleと協議するとも述べている。

この発表は、韓国当局が10月に、Google(グーグル)やAppleなどのグローバルなアプリストア運営会社に対し、アプリストア運営会社が開発者に自社の決済システムを使用するよう強制することを禁止した、同国の新法に対する詳細な計画の提出を求めたことを受けたものだ。

Appleは2021年10月、KCCに対し、同社はすでに新法を遵守していると説明し、Googleは9月に施行された「反グーグル法」とも呼ばれるこの新法に従う動きとして、韓国のアプリストアで代替決済システムを提供する戦略の概要を11月に明らかにした。

Googleはブログで、開発者の手数料を4%引き下げると述べた。例えば、これまでGoogle Playの課金システムを通じて取引に15%を支払っている開発者は、Googleの代替課金システムを通じて11%を支払うことになる。

一方、Appleの韓国におけるトップで、アプリストアのシステムを担当していたBrandon Yoon(ブランドン・ユン)氏が、11月上旬に突然、同社を退社している。メディアの報道によると、ユン氏の離職はアプリの代替決済システムとは関係がないようだ。

2021年8月下旬、韓国の国会で、世界的なハイテク大手企業が開発者にアプリ内課金システムの利用を強制するのを防ぐための世界初の法案が可決された。

関連記事:世界初、韓国がグーグルとアップルのアプリ内課金手数料を抑制する「反グーグル法」可決

Appleの広報担当者は「我々は、韓国のユーザーのためになる解決策について、KCCおよび開発者コミュニティと協力することを楽しみにしています」と述べている。

Appleは声明の中で、韓国で活動するアプリ開発者の数は約58万人に増え、2008年以降、韓国のApp Storeで140万以上のアプリが利用可能になったと述べている。同社はApp Storeを通じて、韓国の開発者が世界約200カ国の市場と顧客にアクセスするのを支援してきたという。

「Appleは、韓国の法律を尊重し、韓国の優秀なアプリケーション開発者と強い協力関係を築いてきました。私たちの仕事は、App Storeをユーザーのみなさまが愛するアプリケーションをダウンロードするための、安全で信頼できる場所にし続けることを常に念頭に置いています」と広報担当者は述べている。

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(文:Kate Park、翻訳:Akihito Mizukoshi)

アップルは2021年、アプリ開発者に約7兆円支払う

数々の反トラスト訴訟や特定マーケットでの規制強化に直面しながらも、Apple(アップル)は米国時間1月10日、2021年のApp Storeの成長率が記録的なものであることを示す新たなデータを公表した。同社はプレスリリースの中で、App Storeが登場した2008年以来、アプリ開発者に支払った金額は現在2600億ドル(約29兆9710億円)を超えたと明らかにした。この数字は同社が2020年末に報告した2000億ドル(約23兆550億円)から増加している。つまり、2021年だけでも開発者に少なくとも総額600億ドル(約6兆9165億円)を支払ったことになる。

この数字は、過去に報告された支払い額よりもずっと大きい。

ちなみに、Appleは2019年末までに、App Storeのデビュー以来、開発者に計1550億ドル(約17兆8680億円)を支払った。その前年は、約1200億ドル(約13兆8335億円)だったと明らかにした。行間を読むと、開発者への支払いは2018年から2019年にかけて350億ドル(約4兆330億円)増え、その後2019年から2020年にかけてさらに450億ドル(約5兆1855億円)増加したことになる。

残念ながら、個々のアプリによって支払われる割合が異なるため、Appleが共有した支払額の数字は、もはやApp Store全体の経済状況を明らかにする助けにはならない。

App Storeのビジネス慣行に対する規制当局による監視の強化、独占禁止をめぐる苦情、訴訟(現在控訴中のEpic Gamesとの裁判を含む)が増すなかで、Appleは近年、開発者収益の自社の取り分を減らすために手数料体系を調整してきた。

2020年11月に発表されたAppleのSmall Business Programの開始にともない、同社は対象となるアプリ(年間売上高が100万ドル[約1億1520万円]以下)に対して、手数料を30%から15%に引き下げた。2021年にはまた、一部のメディアアプリを対象に、Apple News Partner Programに参加することを選択した場合に手数料を引き下げた。Appleは、実際にこうした機会を利用した開発者やメディアの数については明らかにしていないが「大多数」のアプリが零細事業割引の対象となると指摘している。

Appleは、App Storeの新たな記録を発表するにあたり、通常の自社宣伝と、膨大な利益に対する過剰な注目との間の微妙なラインを行き来しているようだ。同社は、2021年のクリスマスイブから大晦日にかけて、App Storeの顧客が「これまで以上に」お金を使い、前年から2桁の伸びを記録したと明らかにした。

しかし、Appleは2021年同様、このマイルストーンを記録する明確な数字を提示しなかった。2021年は2020年のクリスマスイブから大晦日までの1週間に消費者はデジタル商品とサービスに18億ドル(約2070億円)を費やし、これは主にゲーム支出によるものだと指摘していた。

1月10日に発表された数字は、App Storeにとって過渡期の1年だったことを示している。

App Storeは、米議会の公聴会で取り上げられたApp Store詐欺や、App Reviewプロセスに現在も伴っている難しさについて、開発者からの反発をこれまで以上に受けている。Appleは2022年、Epic訴訟の判決により、サードパーティの決済方法へのリンクを許可するようApp Storeの変更を命じられたが、その後、この訴訟が上訴されている間、裁判所から土壇場で猶予を与えられた。しかし、日本韓国など他のマーケットでは、規制当局がAppleに外部ウェブサイトへのリンクを許可するよう迫り、手数料を抑制するためのその他の措置を取ったため、同社はApp Storeに対する支配力を緩めざるを得なくなった。

App Storeの数字に加えてAppleはApple Arcade、Apple Fitness+、Apple Music、Apple TV+、Apple News+、Apple Podcasts、Apple Books、Apple PayとWallet、Apple Maps、iCloud+といった他のサービス事業に関する最新情報も提供した

特筆すべきは、Arcadeが今や200以上のゲームを扱い、Apple Musicには9000万曲超のロスレスオーディオがあり、Apple TV+は190の業界賞を獲得したことだ。また、Apple Fitness+には2000セッション近くのワークアウトコンテンツがあり、Apple Newsは提供されているすべてのマーケットで引き続きナンバーワンのニュースアプリとなっている。Apple Payは約60カ国・地域で提供されていて、ユーザーは2021年にApple Walletで3000万枚のNFCチケットを利用した。

画像クレジット:Apple

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

Chipolo、アップルの「探す」アプリ対応の「カード型紛失物トラッカー」でTileに対抗

AirTag(エアタグ)とTile(タイル)のライバル、Chipolo(チポロ)が発表した新製品は、ユーザーが紛失したものをAppleの「Find My(探す)」アプリで見つけたり、うっかり置き忘れた時に通知を受けることができる。Chipolo CARD Spot(チポロ・カード・スポット)は、同社の既存のスマートカード製品の改良版で、同社のもう1つの紛失物トラッカーであるChipolo ONE Spot(小さな丸形デバイスでAirTagと直接競合する)と同じように、Appleの「探す」ネットワークを利用できるようになった。

新しいスリムなスマートカードは、キャッシュカード並の薄さで、サイズは3.35 x 2.11インチ(8.5 x 5.4 cm)と財布のクレジットカードポケットに入れることができる。

デバイスを追跡するには、まずChipolo CARD Spotを「探す」アプリのサードパーティ製ハードウェアアクセサリー追跡機能を使って、iPhoneまたはiPadとペアリングする。このシステムは、AppleのMFi Program(MFiプログラム)に支えられているもので、デバイスメーカーは、iPhoneなどのAppleデバイスとやり取り可能なアクセサリーを開発するために必要な仕様やリソースの提供を受けることができる。これは、AppleがAirTagで参入する前から忘れ物トラッカー市場をリードしてきたTileとの争点でもあった。

画像クレジット:Chipolo

TileはAppleが権力を乱用して市場を支配しようとしていると主張し、同社のようなデバイスメーカーが独自のモバイルアプリを経由してユーザーに直接アクセスするのをやめさせて、Appleのテクノロジーに統合させようとしていると訴えた。しかもAppleは、AirTagが発売されて顧客基盤ができあがるまでそのテクノロジーの利用を遅らせた(Tileは最近、Life360に227億円で買収された。競合が激化する中でスタンドアロン企業としての将来を見限ったようだ)。

関連記事
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しかしChipoloは違うアプローチをとった。Appleと喧嘩するのではなく、同社はAppleのネットワークを活用し、AirTagに似た同社独自のトラッカーを「探す」対応にした。これによってChipoloの認知度は高まり、Appleの新製品プロモーションのおかげで紛失物トラッカーとその能力を初めて知った人たちにリーチすることができた。

Chipolo CARD Spotの発売によって、同社は「財布を追跡するスマートカード」というAppleにない「探す」対応製品の可能性に賭けている。

しかし、この新しいアクサセリーは、Tileの薄型ウォレットトラッカーであるTile Slim(タイル・スリム)と直接競合する。

画像クレジット:Chipolo

Tileのスマートカードと同じく、Chipoloカードは財布が手元を離れるとアラームを鳴らしたり、Lost Mode(紛失モード)になる。アラームは音は大きく(105dB)、カードは「探す」の200フィート(60m)範囲内で位置を特定できる。

Chipoloの新デバイスは、防水(IPX5)だが、この点ではTile SlimのIP67が上を行っている。Chipoloカードのバッテリー寿命は約2年間。その時点でユーザーには新製品を50%ディスカウントで購入できる通知が送られ、古いデバイスはリサイクルのために送り返すことができる。ちなみにTile Slimは最大3年間のバッテリー寿命を約束している。

Chipoloデバイスは1台35ドル(約4060円)、3台60ドル(約6959円)だが、TileはSlimを値下げして1台29.99ドル(約3480円)、2台で59.99ドル(約6958円)にした。

しかしChipoloの強みは、顧客は「探す」アプリで使えるデバイスを選ぶ可能性が高いということで、Tileは対応していない。

また、消費者がAirTagの安全性について懸念し始めている(デバイスがストーカー行為やカージャックに使われていると記事は伝えている)ことから、ユーザーは「探す」対応製品の方を選ぶかもしれない。Appleの同アプリは、未知のデバイスがユーザーを追いかけていると先を見越して警告してくれるからだ。Tileはまだ、アンチストーカー機能に取りかかっている段階だ。

関連記事:TileがApple AirTagのライバルとなる次期製品Tile Ultraを含む新製品ラインナップを発表

Chipoloの新デバイスは、現在予約受付中で、公式ウェブサイトおよびNomad(ノマド)で申し込める。出荷は2月の予定。

画像クレジット:Chipolo

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nob Takahashi / facebook

アップル、iPad上でアプリ開発ができるSwift Playgrounds 4をリリース

Apple(アップル)が、Swift Playgrounds 4の公式ローンチを発表した。最初の発表と予告は、2021年6月のWWDCで行われている。今回のローンチにより、ユーザーはSwiftUIによるiPhoneやiPadのアプリの作成を直接iPad上で行えるようになり、アプリに変更を加えた場合、その結果をリアルタイムでプレビューできるようになる。Appleによると「App Store Connect」が統合されているため、完成したアプリをApp Storeにアップロードすることもできる。

「Swift Playgroundsは、プログラミングを学ぶ最良で、最も簡単な方法です。あなたが書いたコードは、アプリの制作と並行してライブの(リアルタイムの)プレビューにすぐ反映され、アプリをフルスクリーンで表示しながら実行できます。Swiftのパッケージに基づく新しいオープンプロジェクトフォーマットは、iPad用のSwift Playgroundsの中でオープンしエディットできますが、同じくMac上のXcode内でも行えるため、iPadとMacの両方で使用できるアプリを開発できる幅広い多機能性が提供されます」とブログで語られている。

画像クレジット:Apple

Appleによると、このソフトウェアにはインラインコードの提案機能があるため、コードをより速く正確に書くことができる。検索機能は個別のファイルではなくプロジェクト全域を対象とするので、一度に複数のファイルを検索できる。また、Swiftパッケージのサポートにより、ユーザーは公開されているコードを含めてアプリを強化することができるとしている。なお、このソフトウェアの「Snippets Library」は、何百種類ものSwiftUIのコントロールやシンボル、カラーなどをユーザーに提供する。

Swift Playgrounds 4の狙いは、iPhoneとiPadの新人デベロッパーがMacを使わなくても容易にアイデアを試せることだ。新機能を利用するためには、iPadOS 15.2以上が必要となる。Swift Playgrounds 4は、現在、iPad向けのApp Storeでアクセス可能だ。

画像クレジット:Apple

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(文:Aisha Malik、翻訳:Hiroshi Iwatani)

iPadで視線によるタイピング、会話、アプリ操作が可能になるケース「TD Pilot」をTobiiが発売

アイトラッキング(視線計測)技術を手がけるスウェーデンのTobii(トビー)は、その技術をApple(アップル)製のタブレットに導入し、iPadを身体障がい者のための強力なオールインワンツールにするためのケース「TD Pilot」を発表した。iPadにTD Pilotを装着したユーザーは、視線だけでアプリを起動したり、すばやくタイピングしたり、合成音声で話したりすることができる。

iPadOS 15では、iPadにアイトラッキング用ハードウェアをネイティブに統合することが可能になったが、Tobiiはおそらく、その分野で最も知られた名前だろう。

筆者はオールインワンのスクリーン型アイトラッカーや、独立型のPC用周辺機器など、同社の製品を数多くチェックしてきたが、いずれも非常にうまく機能した。しかし、Apple側の制限があったせいで、アイトラッキングは主にWindowsマシンで行われてきた。筆者は個人的には気にならないものの、iOSを好む人もいるだろう。今後はiOSでも同じようにアイトラッキングが利用できるようになる。

画像クレジット:Tobii

TD PilotはiPadに装着する大型のケースで、前面にはアイトラッキング装置(実際には驚くほど小さく、カメラが内蔵された小さな帯状のもの)、背面にはステレオスピーカーに加えて、テキストを表示するための小さなスクリーンが備わる。このデバイスのユーザーは、Tobii独自のテキスト音声変換アプリ「TD Talk(TDトーク)」または他の任意のアプリを使って、テキストまたは音声でコミュニケーションをとることができる(単に話すだけではなく、その気になればDJにだってなれる)。

このデバイスは、設定や記号コミュニケーションなど、Tobiiが用意する他の小さなアプリ群も利用できる。

「医学的にも認証されており、Appleの性能基準を満たしていると認定されています」と、Tobii Dynavox(トビー・ダイナヴォックス)のFredrik Ruben(フレドリック・ルーベン)CEOは述べている。「これにより、ユーザーは市場をリードするこの技術にアップデートとサポートが継続されると知ることができ、信頼して使うことができます。また、人気のある技術に向けて開発される可能性がある、安全ではない『ワンタイムハック』を避けることができます」。この発言は間違いなく、アイトラッキングをネイティブにサポートしていない以前のバージョンのOS用に作られた他社のソリューションを暗に示しているのだろう。

Tobiiのアイトラッキングデバイスは誰でも購入することができるが、同社の説明によると、個人のニーズに合わせたソリューション提供の一環として、医師やセラピストから指示されるケースが多いという。その場合は保険でカバーされるが、当然ながら個人によって異なる。筆者は具体的なコストを尋ねたが、Tobiiは回答を避けた。

願わくは、アイトラッキングソリューションによって最も力を得られる人たちが、保険やその他の方法でこの便利なガジェットを簡単に手に入れることができるようになって欲しいものだ。この製品はすでに出荷が始まっているので、発売を待つ必要はない。下の動画で、実際に使用している様子を見ることができる。

画像クレジット:Tobii

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(文:Devin Coldewey、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

アップルがiOS 15.0.2リリース、「活発に悪用されている」バグのセキュリティを修正

Apple(アップル)は米国時間10月11日、活発に悪用されているゼロデイバグに対する「重要なセキュリティアップデート」を含む、iOS 15およびiPadOS 15の2回目のマイナーアップデートを公開した。

現在、サポート対象デバイスでダウンロード可能なiOS 15.0.2およびiPadOS 15.0.2には、アプリケーションがデバイスの最高レベルのアクセス権を持って任意のコードを実行できるメモリ破壊の脆弱性に対する修正が含まれていると、Appleはセキュリティサポートページで述べている。

関連記事:【インタビュー】アップル幹部が語る次期iPad OSのメンタルモデルとマルチタスクの強化

この脆弱性の詳細は今のところ明らかにされていないが、Appleは「活発に悪用されている可能性がある」と警告している。したがって、すぐにでもデバイスをアップデートすることをお勧めする。

今回のアップデートでは、MagSafe対応のiPhoneレザーウォレットが「探す(Find My)」サービスに接続できない問題「持ち物を探す(Find My‌ Items)」タブにAirTagsが表示されないことがあるバグ、CarPlay(カープレイ)でオーディオアプリが開けなかったり、再生中に接続が切断される問題など、iOS 15およびiPadOS 15の他の多くの不具合にも対応している。また、メッセージアプリからライブラリに保存した画像が、関連するスレッドやメッセージを削除すると削除されてしまう不具合も修正された。

Appleは現在、最初のメジャーアップデートとなるiOS 15.1のテストを行っている。このアップデートでは、FaceTime(フェイスタイム)のSharePlayが再び有効になり、iPhone 13 ProおよびPro Maxのカメラの新機能が追加され、Apple Walletに新型コロナウイルスの予防接種証明カードを追加できるようになる。おそらく、いくつかのバグ修正も含まれるだろう。

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アップルがiPhone、Macなど全端末でセキュリティアップデート、政府機関も利用するというNSOのゼロデイ脆弱性を修正

画像クレジット:Apple

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(文:Carly Page、翻訳:Aya Nakazato)

アップルがiPhone、Macなど全端末でセキュリティアップデート、政府機関も利用するというNSOのゼロデイ脆弱性を修正

Apple(アップル)は、すべてのiPhone、iPad、Mac、Apple Watchに影響を及ぼす、新たに発見されたゼロデイ脆弱性のセキュリティアップデートを公開した。この脆弱性を発見したとされるCitizen Labは、ユーザーに対して直ちにデバイスをアップデートするよう呼びかけている。

テクノロジーの巨人Appleは、iPhoneおよびiPad向けのiOS 14.8、ならびにApple WatchおよびmacOSの新アップデートにより「積極的に悪用された可能性がある」とされる少なくとも1つの脆弱性が修正されるという。

Citizen Labは、ForcedEntryの脆弱性の新たな痕跡を発見したとしている。この脆弱性は、バーレーンの活動家の少なくとも1人が所有する「iPhone」をひそかにハッキングするために使用されていたゼロデイ脆弱性の利用に関する調査の一環として2021年8月に初めて明らかにされた。

関連記事:iPhoneのセキュリティ対策もすり抜けるスパイウェア「Pegasus」のNSOによる新たなゼロクリック攻撃

8月、Citizen Labは、ゼロデイ脆弱性(企業が修正プログラムを提供するまでの期間が0日であることから、このように名づけられた)は、AppleのiMessageの欠陥を利用しており、イスラエルの企業であるNSOグループが開発したスパイウェア「Pegasus」を活動家の携帯電話に送り込むために悪用されたと発表された。

Pegasusは、政府機関の顧客に対してターゲットの個人データ、写真、メッセージ、位置情報など、そのデバイスにほぼ完全にアクセスできるようにする。

この脆弱性は、当時最新のiPhoneソフトウェアであるiOS 14.4および5月にリリースされたiOS 14.6を悪用していたため、大きな問題となった。また、この脆弱性は、AppleがiOS 14に搭載した「BlastDoor」と呼ばれる、潜在的な悪意のあるコードをフィルタリングすることでサイレントアタックを防ぐはずの新しいiPhone防御機能を突破していた。Citizen Labでは、AppleのBlastDoor保護機能を回避できることから、この特別な脆弱性を「ForcedEntry」と呼んでいる。

Citizen Labによる最新の調査結果によると、サウジアラビアの活動家のiPhoneに、当時最新バージョンのiOSを実行していたForcedEntryエクスプロイトの証拠を発見した。研究者によると、このエクスプロイトは、Appleのデバイスがディスプレイに画像を表示する際の弱点を利用しているという。

Citizen Labによると、このForcedEntryエクスプロイトは、これまで最新のソフトウェアを実行していたすべてのAppleデバイスで動作するという。

Citizen Labは、米国時間9月7日に発見した内容をAppleに報告したとのこと。Appleは、この脆弱性(CVE-2021-30860)のためのアップデートを公開した。Citizen Labは、ForcedEntryの攻撃はNSO Groupが行ったものだと確信しており、これまでに公表したことのない証拠を挙げている。

Citizen Labの研究者であるJohn Scott-Railton(ジョン・スコット-レイルトン)氏は、TechCrunchに対し、iMessageのようなメッセージングアプリは、ますます国家によるハッキング活動の標的となっており、今回の発見は、メッセージングアプリのセキュリティを確保する上での課題を明確に示していると述べている。

Appleはコメントを控えている。NSOグループは、我々の具体的な質問への回答を拒否した。

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画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

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(文:Zack Whittaker、翻訳:Katsuyuki Yasui)

アップルが日本の公正取引委員会と和解、アプリ内の外部リンクを承認

Apple(アップル)は、日本の規制当局と和解し、「リーダー」アプリの開発者がユーザーアカウントを管理するための独自のウェブサイトにリンクできるようにすることを決定した。この変更は2022年初頭に有効になる。

これまで、日本の公正取引委員会はAppleに対して、「リーダー」アプリに対する同社のポリシーを変えるよう迫っていた。リーダーアプリとは、NetflixやSpotify、Audible、Dropboxなどのように、ユーザーが購入したコンテンツやコンテンツのサブスクリプションを提供するアプリで、そのコンテンツはデジタル雑誌や新聞、本、オーディオ、音楽、ビデオなどさまざまだ。

AppleでApp Storeを統轄しているPhill Schiller(フィル・シラー)氏は、「私たちは日本の公正取引委員会をとても尊敬しており、これまでともに成し遂げたことも高く評価しています。今後、『リーダー』アプリの開発者は、ユーザーのために自分のアプリやサービスをセットアップし管理することが、より容易になり、また同時に、ユーザーのプライバシーの保護と信頼の維持が可能になるでしょう」と述べている。

声明によると、この変更が有効になる2022年まで、Appleは「リーダー」アプリのユーザーのためにガイドラインとレビュープロセスのアップデートを続け、ユーザーと開発者の両方にとってより良いマーケットプレイスでありたいという。

Apple Storesは先週、いくつかのアップデートを発表を行い、開発者が顧客にもっと柔軟に接することができるようにし、また地元のジャーナリストをサポートするためのNew Partner Programをローンチしている。

なお、「リーダー」アプリに関するこの変更はグローバルに適用される。

Appleやその他のテクノロジー巨大企業に対しては、世界中の政府や議会がその市場支配をますます厳しく監視しようとしている。オーストラリアの競走・消費者委員会も、AppleとGoogle、WeChatのデジタル決済システムに対する規制を検討しており、また韓国ではAppleとGoogleがアプリ内での購入に独自の決済システムを課すことを制限する最初の国となった

Appleの登録開発者は3000万人を超えている。

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画像クレジット:Kiichiro Sato/AP

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(文:Kate Park、翻訳:Hiroshi Iwatani)

ツイッターが有料の「チケット制スペース」展開をiOSで開始

Twitter(ツイッター)は米国時間8月26日、同社のライブオーディオ機能「スペース」の一部のホストが「チケット制スペース」へのアクセスを販売できるようになったことを発表した。チケット制スペースは、18歳以上で、過去30日間に3つのスペースをホストし、1000人以上のフォロワーを持つユーザーを対象に、6月に募集を開始している。

Twitterの担当者はTechCrunchに対し「すでにチケット制スペースのためにスペースをホストしている人たちと緊密に連携していきます」と述べている。Twitterは、これまでに何人のユーザーに本機能を提供したか、またいつユーザーが一般的に利用できるようになるかについては明らかにしなかった。現在のところ、iOSユーザーは誰でも、本機能にアクセスできるユーザーが主催するスペースのチケットを購入できる。

Twitterは以前、チケット制スペースから得られるクリエイターの収益の3%を受け取ると発表していた。しかし、この機能は現在iOSでしか利用できないため、Twitterは30%のAppleのアプリ内課金の対象となるため、クリエイターにはチケット販売の67%しか還元されないことになる。ただし、チケット制スペースとSuper Followsを含むクリエイターのTwitterでの生涯収益の合計が5万ドル(約550万円)を超えた場合、同社は3%の手数料を20%に引き上げる。

チケット制スペースにより、Twitterはライブオーディオの競合他社と一線を画すことになる。ClubhouseやInstagramでは、リスナーがスピーカーにチップを渡したり、ライブオーディオスペースでバッジを授与したりすることができるが、これらのアプリはチケットの事前販売はできない。

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画像クレジット:Twitter

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Katsuyuki Yasui)

YouTubeが米国の全iOSユーザーにピクチャー・イン・ピクチャー表示を展開、Premium加入者から

YouTubeは2018年からAndroid端末でピクチャー・イン・ピクチャーの視聴をサポートしているが、米国時間8月26日、TechCrunchに対して、米国のすべてのiOSユーザーにiPhoneとiPadの両方でこの機能を提供開始する予定であることを明らかにした。現在のところ、YouTubeはプレミアム加入者を対象に、他のアプリを閲覧しながらミニプレイヤーでピクチャー・イン・ピクチャーの動画を視聴できるこの機能のテストを募集している。プレミアムユーザー向けのテスト期間は10月31日までとなっているが、米国のすべてのiOSユーザーがこの機能を利用できるようになる時期は、明らかにされていない。

これはモバイル向けの機能だが、プレミアムに加入しているユーザーは、デスクトップのYouTube experimentsサイトでテストできるようにする必要がある。2020年、YouTubeはプレミアム会員の特典として「実験」を始めた。

実験サイトを下にスクロールすると「iOSでのピクチャー・イン・ピクチャー」が表示され、試すためのオプションが表示される。その後、YouTubeアプリで動画を見ると、アプリからナビゲートしたときに動画のピクチャー・イン・ピクチャー表示が表示されるはずだ。

TechCrunchがとったスクリーンショット

ピクチャー・イン・ピクチャーで動画を表示すると、動画の表示位置や大きさを調整することができる。動画をタップすると、YouTubeアプリに戻る。端末をロックすると、ビデオは一時停止する。

一部のユーザーからは、YouTubeアプリを削除して再インストールしないと動作しない場合があるとの報告がある。

この機能は、YouTubeのiOSアプリに搭載されている既存のピクチャー・イン・ピクチャー機能とは異なり、スマホで移動している間でも動画の視聴を続けることができる。同様の機能は、Netflixなどのストリーミングアプリにもすでに搭載されている。

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画像クレジット:YouTube

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Katsuyuki Yasui)

アップルが最新iOS 15のベータ版をすべての人に公開、開発者アカウント不要

iOS、iPadOS、watchOSの未来を垣間見ることができるチャンスだ。Apple(アップル)は先日、iOS 15iPadOS 15、watchOS 8の最初のパブリックベータ版をリリースした。これらのリリースは、iPhone、iPad、Apple Watch用OSの次期メジャーバージョンとなる。開発者向けベータ版とは違い、これらのベータ版は誰でもダウンロードすることができる。99ドル(約1万1000円)の開発者アカウントは必要ない。ただし、ベータ版であることをお忘れなきよう。

同社はまだ、2021年秋にiOS 15、iPadOS 15、watchOS 8の最終バージョンをリリースする予定だ。しかし、Appleは夏の間、数週間ごとにベータ版をリリースするという。できるだけ多くのバグを修正し、多くのユーザーからデータを集めるには良い方法だ。

いつものように、Appleのパブリックベータは、デベロッパーベータのリリースサイクルに従っているようだ。Appleは米国時間6月30日、iOSとiPadOS 15の2回目のデベロッパーベータもリリースしている。つまり、最初のパブリックベータは、2回目の開発者用ビルドとほぼ同じビルドのようだ。

ただし、忘れてはいけないのは、ベータ版をメインで使っているiPhoneやiPadにインストールしてはいけないということだ。問題はバグだけではない。一部のアプリや機能の中にはまったく動作しないものもある。稀なケースだが、ベータ版ソフトウェアによってデバイスが壊れて使えなくなることもある。また、iCloud上のデータが失われることもある。十分な注意を払って欲しい。

余分なiPad、iPhone、Apple Watchを持っている人のためにダウンロード方法をお知らせしよう。インストールしたいデバイスからAppleのベータ版ウェブサイトにアクセスし、設定プロファイルをダウンロードする(watchOSベータ版の場合は、iPhoneからダウンロード)。この小さなファイルは、パブリックベータ版へのアップデートを、通常のソフトウェアアップデートと同様に行うためのものだ。

ファイルがインストールされたらデバイスを再起動し「設定」(または「Watch」)アプリにアクセスする。アップデートが表示されるはずだ。2021年9月になると、デバイスは自動的にiOS 15、iPadOS 15またはwatchOS 8の最終バージョンにアップデートされ、設定プロファイルを削除できるようになる。

iOS 15における最大の変更点は、新しいフォーカスモードだ。「Do not disturb」に加えて、さまざまなモードを設定することができる。通知を受け取りたいアプリや人を選び、何をしているかによってフォーカスを変えることができる。例えば「仕事モード」「睡眠モード」「ワークアウトモード」などを作ることができる。

新しい天気予報アプリ、「マップ」の地図の更新、SharePlayを搭載したFaceTimeの改良版など、全体的に多くの新機能が用意されている。また、Safariも一新されている。

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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:iOSiOS 15iPadOSiPadOS 15watchOSAppleベータ版OS

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(文:Romain Dillet、翻訳:Katsuyuki Yasui)

【インタビュー】アップル幹部が語る次期iPad OSのメンタルモデルとマルチタスクの強化

2021年のWWDCカンファレンスで発表されたiPadの新しいソフトウェアに、非常に大きな期待が寄せられている。iPadのラインナップ、特に大型のiPad Proでは、ここ数年、驚異的なペースでハードウェアのイノベーションが行われてきた。その一方、iPadのソフトウェア、特に複数のアプリを同時に使用できる機能や、プロのソフトウェア開発者向けのプロセスで使用できる機能のイノベーションが明らかに遅いことに、厳しい視線が注がれている。

そのような意見に反論しようとするかのように、iOS 15とiPadOS 15に関する2021年の発表では、マルチタスク機能の使い勝手が大幅に改善されていることや、システム全体に関する機能のほぼすべてに開発者向けAPIが塔載されていることが紹介された。筆者は、Apple(アップル)のワールドワイド製品マーケティング担当VPのBob Borchers(ボブ・ボーチャーズ)氏と、Appleのインテリジェントシステムエクスペリエンス担当VPのSebastien(Seb)Marineau-Mes(セバスティアン[セブ]・マリノー・メス)氏に、iPadOS 15のリリースについて話を聞き、これらのさまざまな改善点について意見を交わす機会を得た。

マリノー・メス氏は、Appleのソフトウェア担当SVPであるCraig Federighi(クレイグ・フェデリギ)氏のチームメンバーであり、今回の新バージョンの開発において中心的な役割を果たした人物だ。

iPadには、SharePlay、Live Text、Focuses、Universal Control、オンデバイスのSiri処理、プロトタイプ作成ツールとして設計された新しいSwift Playgroundsなど、多くの新しいコア機能が搭載されている。ただし、iPad Proユーザーが最も期待しているのは、Appleのマルチタスクシステムの改善だ。

iPadOSに関するTechCrunchの記事を読んだことがある読者なら、ジェスチャーを重視したマルチタスクインターフェイスを批判する声があることをご存知だろう。筆者もその1人だ。条件さえそろえば便利かもしれないが、ジェスチャーシステムは見つけにくく、さまざまな種類のアプリを組み合わせた階層構造が複雑であるため、初心者はおろか、上級ユーザーでも、ジェスチャーを正しく使うことは少し難しかった。

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iPadが市場で唯一成功したタブレット端末であることから、Appleは、業界でどのようなパラダイムが標準として確立されるかを左右する唯一無二の立場にある。このようなデバイスで作業したらこのように感じられるようにすべきだ、このように見えるようにすべきだと言える立場にある企業はそうそうない。

そこでボーチャーズ氏とマリノー・メス氏にマルチタスクについて少し話を伺った。具体的には、iPadOS 15のマルチタスクの設計におけるAppleの哲学と、旧バージョンからのアップデートについてである。旧バージョンでは、指のアクロバティックな動きと、画面の端から飛び出す物体に対する強い空間認識が必要だった。

私が空間的な動きについて話すと、ボーチャーズ氏は次のように言った。「その通りだと思います。しかし私たちが考えているのは、一歩前進して、マルチタスク化により見つけやすさ、使いやすさ、高性能化を実現することです。これまでマルチタスクは上級者が利用していた機能ですが、もっと普及させたいと考えています。なぜならマルチタスクは多くの人々に役立つと思うからです。だからこそ見つけやすさや使いやすさが重要なのです」。

「空間モデルに関するあなたの指摘は、非常に核心をついています。私たちの目標の1つは、エクスペリエンスにおける空間モデルをより明確にすることでした」とマリノー・メス氏は語る。「明確な空間モデルでは、例えば分割表示にして、ウィンドウの1つを交換する場合、カーテンを開けて、別のアプリを横に押し込むと、そのアプリを見ることができます。これは隠れたメンタルモデルではなく、非常に明示的なモデルです」。

マリノー・メス氏はこう続ける。「もう1つの好事例は、スイッチャーアプリを使用してウィンドウを再構成する際に、分割表示の並べ替えやアプリの削除などをドラッグ&ドロップで行うことです。つまり「隠された」メンタルモデルではありません。ユーザーにとって明示的なモデルを使い、あらゆるアニメーションやアフォーダンスを通じて空間モデルを強化することを目指しています」。

マリノー・メス氏によると、Appleの今回の目標は、マルチタスクが選択肢の1つであることをユーザーに理解してもらうために、アフォーダンスを加えることだった。アフォーダンスはすべてのアプリとウィンドウの上部にある一連の小さな点であり、利用可能な構成を明示的に選べるためのものだ。これまではアプリをドックに追加して切り替えていた。同氏は続けて、このバージョンのOSでは一貫性が重要な指標だったと述べている。例えば、Slide Overアプリは、他のすべてのアプリと同じようにスイッチャービューに表示される。つまりボタンを使ってアプリの設定を選択しても、スイッチャーでドラッグ&ドロップしても同じ結果が得られるということだ。

マリノー・メス氏によると、ダッシュボードでは「実行しているすべてのアプリをひと目で見ることができる他、iPadのインターフェイスを使ってアプリをどのように操作しているかを示す完全なモデルが表示される」という。

この「ひと目でわかる」システムマップは、上級ユーザーにとっては歓迎すべきものだ。非常に積極的なプロのユーザーである筆者でさえ、開いているウィンドウの数と使用するタイミングを把握できないSlide Overアプリは、何よりも厄介だった。スイッチャー自体にSlide Overアプリを組み込む機能は、Appleが何年も前からOSに塔載したいと考えていた機能の1つであるが、今回ようやくiPadに塔載されることになった。組織の粘り強さこそが、取り組むべき重要な課題だったのだ。

「私たちは、強い信念を持って、iPadのどこに何があるかがわかるようなメンタルモデルを構築しています。そして粘り強さに関しては、あなたのおっしゃる通りです。例えばホーム画面についても粘り強く取り組む必要があると思っています。ユーザーはホーム画面や設定したすべてのアプリのどこに何があるかについて、非常に強いメンタルモデルを持っています。だからこそ、そうしたメンタルモデルをしっかりと維持しつつも、ユーザーがスイッチャーでアプリを再編成できるようにしているのです」。

マリノー・メス氏は、アプリが起動しているすべてのインスタンスやウィンドウを表示する新しい「シェルフ」機能についても言及した。同氏がいうには、シェルフ機能をシステム全体の機能ではなくアプリごとの機能として実装したのは、シェルフを特定のアプリと関連づけるほうが、構築しようとしている全体的なメンタルモデルに合致するからだ。2021年後半には、1つのプロジェクト中に多くの文書やウィンドウを一度に開いてアクティブにできる、より専門的なアプリがリリースされる。その時、このシェルフの価値をさらに強く実感できるかもしれない。

iPadOS 15では、上級者の要望に応えて、システム全体で使える豊富なキーボードショートカットも提供されている。インターフェイスが矢印キーで操作できるようになった他、多くの高度なコマンドも用意されている。ゲームコントローラを使ってiPadを操作することも可能だ。

「2021年の主な目標の1つが、システム内のあらゆるものを基本的にキーボードを使って操作できるようにすることでした」とマリノー・メス氏は述べ、次のように続けた。「そのため、キーボードから手を放したくなければ、放す必要はないのです。新しいマルチタスクのアフォーダンスと機能は、すべてキーボードショートカットで操作できます。新しいキーボードショートカットメニューバーには、利用できるすべてのショートカットが表示されるため、非常に発見しやすい環境が実現しています。ショートカットを検索することもできます。またこれは細かいことですが、MacとiPadOSのショートカットの合理化には、かなり意識的に取り組みました。そのため、例えばユニバーサルコントロールを使用している場合、ある環境から別の環境にシームレスに移動することができます。どの場所でも一貫性を確保することを目指しています」。

一方でジェスチャーも、ジェスチャーに慣れている既存のユーザーに配慮し、一貫性を保つために残される。

筆者がより興味深く便利だと感じた改善点の1つは、Center Window(センターウィンドウ)とそれに付随するAPIの導入である。メール、メモ、メッセージなどのいくつかのAppleアプリは、重なり合うウィンドウにアイテムをポップアウトできるようになった。

この新しい要素を加えたことについて、マリノー・メス氏は次のように語る。「非常に慎重に決断しました。フローティングウィンドウを使用できることで、新たなレベルの生産性がもたらされます。フローティングウィンドウの後ろにコンテンツを表示できるため、シームレスなカット&ペーストが可能になります。これは、従来のiPadOSモデルではできないことでした。またセンターウィンドウが分割表示ウィンドウの1つ、または全画面表示になり、その後センターウィンドウに戻ることができるようにして、他のマルチタスク機能との一貫性を保つことも目指しています。私たちはこれをすばらしい追加機能だと考えており、サードパーティーがこの機能を採用してくれることを楽しみにしています」。

最も強力なクリエイティブアプリの多くはサードパーティーによって構築されており、これらのアプリを真に役立つものにするには、こうした技術を採用しなければならない。そう仮定すると、Appleが発表したiPadOS 15の新機能の早期導入には不安要素がある。しかしボーチャーズ氏によると、Appleは、これらの新しいパラダイムや技術がプロ向けアプリにできるだけ多く採用されるように懸命に取り組んでいるという。その結果、2021年秋頃になれば、iPadは、プロが望む高度な作業を行うための快適なホストとして認識されるだろう、とのことだ。

iPadが存在するこのマルチモーダルな世界を可能にしているものの1つがユニバーサルコントロールだ。この新機能では、Bluetooth信号、ピア・ツー・ピアWiFi、iPadのタッチパッドのサポートを利用し、デバイスを互いに近づけ、マウスを画面の端にスライドして、MacやiPadにシームレスに接続することができる。ユーザーの意図を読みとって巧みに活用している事例だ。

カリフォルニア州クパチーノ。2021年6月7日、Appleのソフトウェアエンジニアリング担当上級副社長クレイグ・フェデリギ氏が、Apple Parkで開催されたAppleのWorldwide Developers Conferenceの基調講演ビデオの中で、ユニバーサルコントロールの使いやすさを紹介している(画像クレジット:Apple Inc.)

「プロユーザーかどうかに関わらず、1人でMac、iPad、他のiPhoneを持っているユーザーが多いということに気づきました。そして私たちは、これらを連携することが強力なパワーを発揮すると信じています」とボーチャーズ氏は言い、続けて次のように述べた。「AppleのContinuityモデルを拡張して、iPadOSというすばらしいプラットフォームを利用しながら、その隣でMacを操作できるようにするのは、当然だと感じました。大きな課題は、魔法のようなシンプルな方法でそれをどう実現するかでした。そしてセブ氏とそのチームがそれを成し遂げたのです」。

「これはContinuity機能とSidecarで築いた基盤の上に成り立っています」とマリノー・メス氏は付け加えた。「私たちはセットアップを可能な限りシームレスにする方法や、デバイスが隣り合っていることを検出する方法について、検討に検討を重ねました」。

「もう1つ考えたことは、人々が求めているワークフローとは何か、そのワークフローに不可欠な機能は何かという点でした。私たちは、プラットフォーム間でコンテンツをシームレスにドラッグしたり、カット&ペーストしたりする機能などが非常に重要だと思いました。それこそが体験に魔法をかけるものだと考えたからです」。

ボーチャーズ氏は「これによりすべてのContinuity機能がより見つけやすくなる」と付け加えた。例えば、Continuity機能の共有クリップボードは常に機能しているが、目に見えない。それをマウス駆動型の視覚的なモデルに拡張することは理に適っていると言える。

「当然ながら、プラットフォームのどこにでもコンテンツをドラッグできます」とボーチャーズ氏はいう。

「ボブ、あなたは『当然』と言いましたよね」とマリノー・メス氏は笑いながら言った。「しかし長年プラットフォームに取り組んできた私たちにとって、『当然』を実現するのは技術的に非常に難しく、まったく当然なことではないのです」。

iPadOS 15の有望な拡張機能が見られるもう1つの分野は「アプリ内」という考えを脱却した、システム全体に関わるアクティビティだ。例えば、アプリに埋め込まれるレコメンデーション機能、ビデオ通話が見つかると表示されるShareplay、あらゆる写真を、キーボードで検索可能なインデックス付きアーカイブに変えるLive Textなどである。

もう1つのシステム拡張機能はQuick Noteである。システムのどこからでも画面の下隅からスワイプして使用できる。

「Quick Noteではいくつかおもしろいことができます。1つはリンクです。SafariやYelpなどのアプリで作業しているときに、表示しているコンテンツへのリンクをすばやくQuick Noteに追加することができます。あなたはどうか知りませんが、私は調べものをするときに頻繁にこの動作をしています」とマリノー・メス氏はいう。

「以前は、カット&ペーストしたり、おそらくスクリーンショットを取ったり、メモを取ったりしていたことでしょう。それが今では、システム全体で非常にシームレスに、流れを止めずに行うことができるようになりました。逆に、Safariを起動中に、Safari内のそのページについて記載したメモがあれば、画面の右下隅にサムネイルとして表示されます。私たちは、このメモ体験をシステム全体に適用し、どこからでも簡単にアクセスできるようにしようと本当に努力しました」。

AppleがiPadOS 15とiOS 15に導入しているシステム全体にわたる機能の多くは、開発者が利用できるAPIを備えている。AppleのAPIは長い間、アプリを強化する手段として開発者に提供されるものではなく、多くの場合、フレームワークの一覧のプライベートセクションに存在していた。しかし最新のAPIは必ずしもそうではない。ボーチャーズ氏によると、これはシステム全体に「より広範なインテリジェンスの基盤」を提供する意図的な動きである。

この広範なインテリジェンスには、Siriが大量のコマンドをローカルスコープに移動させることも含まれる。そのために、Appleの音声認識の大部分を新しいOSのデバイス上の構成に移す必要があった。ボーチャーズ氏曰く、その結果、毎日のSiri体験が大幅に改善され、多くの一般的なコマンドが要求に応じてすぐに実行されるようになった。これまでは一か八かの勝負をしているようだった。Siriには、クラウドに届いたコマンドは決して戻ってこないという悪い評判がある。そうした風評をなくすことで、Siriの有用性に対する公共認識が改善する可能性がある。

Apple Neural Engine(ANE)がもたらすインテリジェンスをデバイスに導入することにより、システム全体、過去、現在、その瞬間のあらゆる写真に含まれるテキストをインデックス化することも可能だ。

「Live Text機能を使用できるのはカメラと写真だけでしたが、私たちは、Safariやクイックルックなど、画像があるところならどこでも、Live Textを使用できるようにしたかったのです」とマリノー・メス氏は語った。「私がLive Textのデモで気に入っているのが、Wi-Fi接続用の長く複雑なパスワードを入力するフィールドでLive Textを使用するデモです。キーボードでパスワードを表示して写真を撮り、写真の中のテキストをコピーしてフィールドに貼り付けるだけです。まさに魔法のようです」。

iPadOS 15の開発者向けサービスに関しては、筆者はSwift Playgroundsについて具体的に話を聞いた。Swift Playgroundsには、アプリを記述し、コンパイルし、App Storeでリリースできる機能が追加されている。iPadで初めての機能である。これは開発者が望んでいたネイティブのXcodeではない。しかしボーチャーズ氏によるとSwift Playgroundsは「単にプログラミングを教える」ためのものでから「多くの開発者が実務で使用する」ものへと進化しているという。

「ここで得られた有用な知見の1つは、多くのプロの開発者がSwift Playgroundsをプロトタイプ用プラットフォームとして利用していることです。何かを試してみたいとき、それがバスの中であろうが公園であろうが、場所を問わずに非常に簡単に使えるため、『コードを学びたい』ときに非常に便利です」。

「開発者であれば、作業しているデバイス上でアプリを実行できると優れた忠実性を得られるため、生産性が上がります。またプロジェクト形式がオープンであるため、XcodeとPlaygroundsの間を行き来できます。ボブがいうように、私たちが想定しているのは、他の開発環境を持ち歩かなくても、Playgroundsを使用して外出先で多くのラピッドプロトタイピングを実行できることです。そのためPlaygroundsは、2021年開発ツールに追加された本当に強力な機能になると考えています」と、マリノー・メス氏は付け加えた。

2018年に、筆者はAppleの新しいチームを紹介した。このチームは、(当時は明かされていなかった)新しいMac Pro、iMac、MacBook、iPadなどのマシンが関連するプロセスがうまく進むように、Appleが実世界のユースケースに対応していることを確認できるテスト装置を構築していた。当時注目を集めたデモの1つが、Logicなどの音楽アプリと緊密に連携することによってiPadの入力モデルがコアアプリを補完できるようにするものだった。タッチインターフェイスを使用して、より直感的にパッド上でリズムを刻んだり、色や音声を調整したりできるようにした。最近のAppleの取り組みの多くは、ユーザーがさまざまなコンピューティングプラットフォームをシームレスに行き来し、それぞれの強み(元々ある能力、携帯性、タッチなど)を活かしてワークフローを補完することを目的としているようだ。iPadOS 15の多くは、このような方向性を持っていると思われる。

「ソフトウェアが原因で十分に力を発揮できない作業デバイス」というiPadのイメージをiPadOS 15が覆せるかどうかの判断は、2021年後半にiPadOS 15がリリースされるまで保留にしたい。しかし筆者は、短期的には慎重ながら楽観的な見方をしており「アプリの枠」を超えた一連の機能強化、単一アプリの内外でマルチタスクを実行するためのより明確なアフォーダンス、そしてAPIサポートへの献身的な取り組みは、拡張を推進しようとするiPadソフトウェアチームの精神の表れだと感じている。概して良い兆候だと思う。

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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:AppleWWDC2021iPadOS 15iPadiPadOSインタビュー

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(文:Matthew Panzarino、翻訳:Dragonfly)

マルチタスクが改善されたiPadOS 15、新Swift Playgroundsでアプリ作成から公開まで可能に

米国時間6月7日、Apple(アップル)はウィジェットを増やしマルチタスク機能を改善した新バージョンのiPadOSを発表した。発表は同社のデベロッパーカンファレンスWWDC 21で、同社副社長のCraig Federighi(クレイグ・フェデリギ)氏が行った。今回発表された機能は歓迎すべきアップデートだが、iPadに切望されていた重要なアップデートにはほど遠い。iPadの新機能は、同じく発表されたiOS 15の数多くの機能やアップデートに、加えて発表されたものだった。

「iPadOS独自の数々の機能で、iPadをどんなニーズでも使えるようにしました」と録画された動画でフェデリギ氏は述べている。

iPadOS 15の全般的なルック&フィールは、iPad用OSの現状を維持したものだ。新OSとしての重要なアップデートは、主にマルチタスク関連のものとなる。またiPadOS 15では、ウィジェットのサポートが大幅にアップデートされている。ウィジェットは大きくなり、より没入感がありダイナミックだ。また、iOSのAppライブラリがやっとiPadでも使えるようになり、ユーザー体験のきめ細かい向上に寄与するだろう。この機能がiPhoneに加わったのは2020年で、これからはiPadでもアプリを整理された状態で見ることができる。

また、iPadOS 15には、新しいマルチタスクシステムが追加される。Split Viewと名づけられたこのシステムは、画面上部のドロップダウンメニューから、いくつかのマルチタスクやマルチウインドウのオプションを呼び出すことができる。このシステムは、隠され、しかもギクシャクした現行iPad OSのマルチスクリーンオプションよりもはるかにスムーズに見える。Split Viewでは、Shelfと呼ばれる機能があり、異なるスクリーンやスクリーンのグループを簡単に切り替えることができる。

「これらの新しいマルチタスク機能により、ユーザーのみなさんの生産性が向上し、iPad上でより多くのことができるようになります」とフェデリギ氏はいう。「本当にすばらしいのは、指一本動かすことなくこれらすべてを実行できる新しいキーボードショートカットを用意していることです」。

Appleは、iPad OSのメモシステムをアップデートし、iPadの大画面をより有効に活用できるようにした。「クイックノート」と呼ばれる新機能では、メモを取るためのウィンドウを他のアプリケーションの上に浮かべられる。これにより、ユーザーはアプリを切り替えることなくメモを取ることができる。この機能はSplit Viewとは別のもので、Appleが徐々に(そして最終的に)デスクトップ体験を受け入れていることの証拠だ。

さらにiPadOS 15では、iPadおよびiPhoneアプリを学び、作成し、App Storeに提出することができる新バージョンのSwift Playgroundsが搭載されている。これは、Appleのアプリ開発の世界において、大きな前進を意味する。今後ユーザーは、Macを使わずにSwiftを学び、アプリを投稿することができる。

これらの機能は、AppleがよりパワフルなiPadを発売し始めてからわずか数週間後に搭載されたものだが、多くの技術評論家たちはAppleに対して、新しいハードウェアの可能性に合わせてiPadのOSをアップデートするよう求めている。iPadOS 15はiPadの進化であって、多くの人が望んでいる革命ではない。

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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:AppleWWDC 2021WWDCiPadOSiPadOS 15

画像クレジット:Apple

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(文:Matt Burns、翻訳:Hiroshi Iwatani)

WWDC 2021で期待される発表は?iOS 15、iPadOSリニューアル、もしかしたら新Macも

あらゆることを考え合わせると、Apple(アップル)は2020年、非常に洗練されたバーチャルWWDCを開催した。Microsoft(マイクロソフト)やGoogle(グーグル)のような他の企業がよりライブ感のある(あるいはライブスタイルの)体験を選択したのに対し、Appleは、スムーズなドローン撮影と巧みなトランジションを駆使して出演した幹部たちを引き立てた。そして最初の1年を経て、同社がどのように新しい境地に達するか見ものだ。

キックオフからニュースを提供するWWDCの基調講演はいつも大盛況だが、今回もその例に漏れず、さらに多くの新情報が発表される可能性が高い。iOS / iPadOS、watchOS、macOS、tvOSなど、開発者向けの標準的なアップデートに加えて、このイベントで新しいハードウェアが発表される可能性もある。

いつものようにライブでニュースをお伝えしていくが、今回はライブブログを復活させる。ライブニュースをさまざまな方法でフォローすることが可能だ。イベントは、太平洋標準時6月7日(月)午前10時(日本時間6月8日午前2時)に開始される。

YouTubeのライブストリームはここで見ることができる。

例年通り、このイベントではiOSが最大の目玉となる。なんといっても、Appleは他の何よりも多くiPhoneを販売しているからだ。2020年には特に、同社の最新5Gデバイスが低迷するモバイル市場に救いの手を差し伸べた中でその傾向が強まった。

少なくとも最初の段階では、iOS 15はAndroidの最新バージョンほど過激なアップデートには見えない。しかし、今日から6月7日の朝までの間に、多くのことが起こり得る。(少なくとも今のところ)最重要課題は通知機能のアップデートのようだ。報道によると、モバイルOSの新バージョンでは、睡眠中、仕事中、運転中などのステータスに応じてカスタマイズ可能な通知が提供されるとのこと。

また、iOS 15には、新しいアクセシビリティ機能が多数追加されると考えられている。

画像クレジット:Apple

さらに大きなニュースは、待望のiPadOS 15へのアップデートだろう。最新のiPad Proのレビューではこの古いソフトウェアが問題となっていたが、iPadOS 15は、タブレット端末用のOSをモバイルOSからさらに遠ざけるための重要なステップになりそうだ。現在のiPadOS 15は、ほとんどの意図と目的においては、iOSをタブレット向けにスケールアップしたものとなっている。

関連記事:【レビュー】アップルのiPad Pro 2021は今回もすばらしい、だが……

まだ詳細は明らかになっていないが、ホーム画面はウィジェットを含めて大幅にアップデートされる予定だと言われている。これにより、大きくなったホーム画面をより有効に活用できるようになると思われる。また、新しい通知機能やiMessageの大幅な改良など、iOSの新しいアップデートも行われるはずだ。

Big Surで行われた大規模なオーバーホールの後、macOS 12はより小さな波となることが予想される。ここでのビッグニュースは、ハードウェアかもしれない。噂では、Appleの超高速M1チップがアップデートされると囁かれている。M1X(現在の呼称)は、14インチと16インチの新型MacBook Proと一緒に登場する可能性があり、そうなればAppleのラップトップ製品ラインのハイエンドとローエンドの間に、ようやく少しだけ日が差すことになる。

画像クレジット:Brian Heater

また、今のところ情報が少ないものの、watchOSも大きなアップデートの時期に来ているように見える。特に合併したばかりのGoogleとFitbit(フィットビット)と競合しているAppleにとって、新しい健康機能は確実な賭けだろう(最近発表されたSamsungのアシストはいうまでもない)。

そして、最も興味をそそられるミステリーがhomeOSだ。求人情報ではこの謎のOSが参照されていたが、これは単なるタイプミスかもしれない(その後、求人案件では「HomePod」に変更された)。

画像クレジット:Apple

噂のまとめということで、より大きなものにつながるかもしれない可能性を指摘しておく。これは、既存および近々発売されるAppleのホーム製品と連動するように設計された、より統合的なホームオペレーティングシステムだと思われる。おそらく、tvOSともう少し密接に統合するものだろう。長期にわたる噂の中心にあるのは新しいApple TVデバイスだが、これまでのところ、その点は確認されていない。

他には、新しいMac Miniの噂もある(ただしこちらは、2020年末にリフレッシュされたばかりだが)。また、Beats Studio Budsに関する噂も興味をそそられる。LeBron James(レブロン・ジェームズ)が未発表のハードウェアを身につけているのを見れば、人々は話題にせざるを得ない。しかしAppleは従来、Beatsチームに独自の発表を任せ、このような大きなイベントはAirPodsのような自社ブランドのオーディオ製品のためにとっておくことを選んできた。

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(文:Brian Heater、翻訳:Aya Nakazato)

iOS用ドキュメント作成アプリCraftが約8.8億円調達、ブラウザベースエディターも提供予定

2020年11月に発表されたばかりのドキュメント作成・共有アプリ「Craft(クラフト)」は、iOS用アプリとしてゼロから構築されたものだが、Creandum(クリーンダム)が主導するシリーズAラウンドで、800万ドル(約8億8300万円)の資金を調達した。このラウンドにはInReach Ventures(インリーチ・ベンチャーズ)や、Skyscanner(スカイスキャナー)の共同設立者で元CEOのGareth Williams(ガレス・ウイリアムズ)氏をはじめとする多くのテック系起業家(その多くは元Skyscanner)が参加した。

現在、iOS、iPadOS、MacOS用に提供されているCraftは、2021年にいくつかのAPIや拡張統合、そしてブラウザベースのエディターの提供を開始する予定だ。Notion(ノーション)と同じような製品になることを目指しており、同社の創業者でCEOを務めるBalint Grosz(バリント・グロス)氏は、Zoom(ズーム)のビデオ通話で次のように筆者に語った。「NotionはライティングやWikiなどに非常に重点を置いています。私たちの製品にはNotionから多くのユーザーがきていますが、私たちは主に文章によるコンテンツを扱う人々にとって、より良いソリューションを提供できると信じています。Notionは、データベースや構造的なコンテンツに非常に強く、人々は図らずもそれ以外のものにも使っているだけなのです。製品が似ていることもあり、ユーザーからは非常に強力な競争相手として見られていますが、両者の市場が重なることはあまりないと思います。現時点では、外部にNotionから我々の製品に乗り換える人がいて、そういう人々が競争相手として認識しているようです」。

これはアプリの体験そのものよりも「階層化されたコンテンツ」によるものだとグロス氏はいう。「私たちの製品は、ノートの中にノートを作ることができる構造を持っています。つまり、テキストの塊ごとにコンテンツを追加し、スタイルをナビゲートして、その中に追加していくことができます。Notionも同様です。これは他の多くの製品にはない機能であり、それが当社とNotionが比較される最大の理由です」。

Craftは、Notionに対する主な優位性として、UX、データの保存とプライバシー(Craftはオフラインファーストで、リアルタイムの同期とコラボレーションが可能。iCloudのようなサードパーティーのクラウドサービスも利用できる)、他のツールとの統合を挙げている。

グロス氏は、以前在籍していたDistinction(ディスティンクション)がSkyscannerに買収された後、同社のモバイル戦略を担当していた。

CreandumのゼネラルパートナーであるFredrik Cassel(フレドリック・カッセル)氏は、声明の中で次のように述べている。「最初に話し合いを持った時から、ユーザーがCraftに寄せる愛情の大きさと、美しさとパワフルさを同時に兼ね備えた製品を作るチームのユニークな能力の両方に感銘を受けました。今後予定されているコネクティビティやデータアクセシビリティに関する機能は、Craftを競合製品とは一線を画したものにするはずです」。

CraftのiPad用アプリ(画像クレジット:Craft)

InReach Venturesの共同創業者であるRoberto Bonanzinga(ロベルト・ボナンジンガ)氏は、次のように付け加えた。「何百万人もの人々が自分の考えを構成し、最も効果的かつ美しく書き留める方法を再発明するという、バリントのビジョンの明快さと大胆さに魅了されて、私たちはCraftに迷わず投資しました」。

Craftの起ち上げと資金調達は「Skyscanner マフィア」のようなものが出現していることを示唆している。Skyscannerは、2016年に中国最大の旅行会社である現在のTrip.com Group(トリップドットコム・グループ)、当時のCtrip(シートリップ)に17億5000万ドル(約1934億円)で買収された。

その他の支援者には、元SkyscannerのCPOでGoCardless(ゴーカードレス)のCTPOだったCarlos Gonzalez(カルロス・ゴンザレス)氏、元Skyscannerの戦略担当VPだったFilip Filipov(フィリップ・フィリポフ)氏、元Dorsai(ドルサイ)のCEOでTravelPerk(トラベルパーク)のCPOであるRoss McNairn(ロス・マクナイアン)氏、元Apple(アップル)のテクノロジー&パートナー・マネージャーだったStefan Lesser(ステファン・レッサー)氏、元Skyscannerの技術責任者でShapr3D(シェイパースリーディー)のエンジニアリング担当VPであるAcos Kapui(アコス・カプイ)氏などがいる。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:CraftアプリiOSmacOSiPadOS資金調達テキストエディター

画像クレジット:Craft

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(文:Mike Butcher、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

アップルがiPhoneやiPad、Watch向けにゼロデイ脆弱性に対するセキュリティアップデートをリリース

Apple(アップル)はハッカーによる活発な攻撃を受けているiPhone、iPadおよびApple Watch向けに、セキュリティ脆弱性を修正するアップデートをリリースした。

このセキュリティアップデートiOS 14.4.2およびiPadOS 14.4.2としてリリースされており、iOS 12.5.2などの旧機種に対するパッチも含まれている。さらに、watchOSも7.3.3にアップデートされる。

Appleによると、この脆弱性はGoogle(グーグル)のProject Zeroのセキュリティ研究者によって発見されたもので、ハッカーによって 「積極的に悪用された」 可能性があるという。このバグは、 すべてのAppleデバイスのSafariブラウザーで利用されているブラウザーエンジンのWebKitに存在する。

誰がこの脆弱性を積極的に悪用しているのか、また誰が被害者になったのかは不明だ。Appleはこの攻撃が少数のユーザーを対象としたものなのか、より広範なものなのかについては明らかにしなかった。同社が積極的な攻撃を受けて、脆弱性を修正するためにセキュリティのみのアップデートを実施したのは(我々が調べた限り)これで3回目だ。Appleは6月に入り、WebKitに存在する同様の脆弱性に対するパッチをリリースした。

今回のアップデートは早めに適応するのが望ましい。

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カテゴリー:セキュリティ
タグ:AppleiOSiPadOSwatchOSゼロデイ脆弱性

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

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(文:Zack Whittaker、翻訳:塚本直樹 / Twitter

Google StadiaがiOSとiPadOSでも利用可能に

iOSサポートの発表から数週間後、Google(グーグル)のクラウドゲームサービスがiPhoneとiPadをサポートした。予想通り、サービスへのアクセスはウェブアプリが使用される。またグーグルによれば、今週リリースされた最新のiOSアップデートであるiOS 14.3にアップデートする必要がある。

無料または有料のStadiaアカウントで試したい場合は、iOSデバイスからstadia.google.comにアクセスする必要がある。そしてGoogleアカウントにログインし、ホーム画面にショートカットを追加してウェブアプリを開く。

その後、ゲームを起動してプレイを開始できる。ほとんどのゲームにはゲームパッドが必要となるので、iPhoneやiPadとゲームパッドをペアリングしておくといい。

iOSは専用のコントローラーだけでなく、Bluetoothを使ったXbox OneやPlayStation 4のコントローラーにも対応している。Stadiaのコントローラーを使って遊ぶこともできるが、それは必須ではない。ゲームタイトルをチェックしたいだけなら、タッチコントロールでの操作にも対応している。

Stadiaはクラウド上で動くコンソールのように動作する。プラットフォーム専用のゲームを購入する必要があり、その後に近くのデータセンターからストリーミングされる。最近の追加作品には「Cyberpunk 2077(サイバーパンク2077)」と「Assassin’s Creed Valhalla(アサシン クリード ヴァルハラ)」がある。

これらのゲームをプレイするための追加のサブスクリプションは必要はないが、オプションでStadia Proのサブスクリプションを契約することもできる。これによりプラットフォームで購入したゲームに加えて、ゲームのライブラリにアクセスすることができ、4Kストリーミングが利用できる。Stadia Proは月額9.99ドル(約1030円)だ。

他のStadia関連ニュースでは、今週初めにUbisoftが同社の無制限サブスクリプションサービスであるUbisoft+に加入すれば、Stadiaからゲームにアクセスできると発表した。現在のところ、これは米国でベータ版のみ提供されている。

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カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:GoogleGoogle StadiaiOSiPadOS

画像クレジット:Google

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(翻訳:塚本直樹 / Twitter