知らなかった、iPhoneからiPadへ魔法のように画像をコピーできるなんて

iOSは、各メジャーリリースごとにたくさんたくさんの機能を導入するが、その中には残念ながら明らかではないものもある。そういったものがTikTok上で「あなたの知らないiPhoneの機能」というネタを生み出しているのだ。例題#4123131。この動画を見てみよう。

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Appleの昔からあるContinuity(コンティニュイティ)機能や新しいUniversal Control(ユニバーサルコントロール)については、もうご存知だろう。スマートフォンからノートパソコンにリンクをコピー&ペーストすることは、特に画期的なことではない。しかし、上に示したように、元Apple社員でさえ、ピンチジェスチャー(指3本使用)を使ってiPhoneとiPadの間で、まるで技術通の魔法使いがタロットカードの上でダイスをふるように、画像をコピー&ペーストすることができることを知らなかった。すでに何カ月も前からある機能を、よりクールに、より魔法使いっぽくしたものだ。同じApple IDを持つタッチスクリーン式のAppleデバイスを、2台使っていれば実行できる。

すでにご存知だった方、おめでとう。しかし、TechCrunch内のSlack(スラック)上の息抜きチャンネルでは、たむろしていたポッドキャストライター5人全員が、こんなことができるなんて知らなかったのだ。

画像クレジット:PM Images / Getty Images

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(文:Amanda Silberling、翻訳:sako)

アップルがiPhone SEの生産をウクライナ侵攻とインフレ懸念で20%削減との報道

チップ不足が続く中、Appleの最新決算報告では、同社が予想を上回る成果を上げたことが明らかになった。他のほとんどの市場が縮小する中、AppleはiPhoneの販売台数で9%の伸びを記録している。サプライチェーンに関わる場合、最大手であれば有利になる多くある。

しかし、Appleのような巨大企業でさえ、世界情勢の影響を受けないわけではない。パンデミックの初期には、Appleは不確実性を理由にガイダンスを提供することを行わなかった。ここ2年間の世界の状況を考えれば、それはおそらく正しい行動だろう。そして現在、最新のiPhone SEは、世界的な問題の「パーフェクトストーム」のようなものになりつつある。

Nikkei Asiaが事情に詳しい情報筋からの話として報じたところによると、AppleはiPhone SEの生産を20%削減するという。ウクライナ侵攻とインフレのワンツーパンチのため、少しは消費者が減るだろうとは考えられていたのは間違いないが、その数字の大きさは同社の最新スマホにとって驚きだった。この落ち込みは、同四半期で200〜300万台に相当する。

2022年3月初め、Appleは隣国ウクライナへの侵攻を受けて、ロシアでの販売を停止することを発表した。同社は当時「我々は状況を評価し続け、取るべき行動について政府と連絡を取り合っている。我々は平和を求める世界中の人々とともに行動します」。

Appleにとって最大のライバルであるSamsung(サムスン)をはじめ、他の多くの主要な消費者向けハードウェア企業が同様の行動をとっている。両ブランドとも、日常的に米国内のスマートフォン市場シェアのトップ5にランクインしている。

世界的なチップ不足は、広範なインフレ問題とともに、依然として購買決定に影響を及ぼす要因だ。スマートフォンのような非必需品に分類される製品の販売数には、必ずこうした経済的な懸念が関係している。少なくとも、ユーザーが旧型の端末を長く使うようになるという効果はある。

SEへの影響とともに、AirPodsの注文数も2022年全体で約1000万と大幅に増加したという。一方、iPhone 13の生産台数減少は、季節的な需要の変動によるところが大きいとされている。

TechCrunchは、Appleにコメントを求めている。

画像クレジット:Apple

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(文:Brian Heater、翻訳:Katsuyuki Yasui)

米アリゾナ州がApple Walletに運転免許証と州IDを登録できる最初の州に

米国時間3月23日、Apple(アップル)はアリゾナ州が、運転免許証や州IDをApple Walletアプリにデジタル保存できる機能を住民に提供する米国初の州となることを発表した。同社はすでに2021年秋に、この新機能を最初に提供する州を確定したと発表していた。今回のサービス開始により、Appleデバイスの所有者は、フェニックス・スカイハーバー国際空港の一部のTSAセキュリティチェックポイントから、iPhoneまたはApple WatchをタップしてIDを提示できるようになる。

Appleの説明によると、この機能を使い始めるには、アリゾナ州在住の人は、iPhoneのWalletアプリの画面上部にあるプラス「+」ボタンをタップし「運転免許証または州ID」を選択し、画面の指示に従ってセットアップと認証プロセスを開始する。本人はカメラで自撮りした後、既存の運転免許証または州IDの裏と表の両方をスキャンすることで認証を受ける(つまり、これはそもそも陸運局でIDや免許を取得することの代替にはならないということだ)。

また、セットアップの過程で、顔や頭の一連の動作を行うようユーザーに求める不正防止ステップも追加されている。このアプリでは、ユーザーがカメラに写真をかざすなどして不正を行っていないことを確認する手段として、頭を横に向ける必要があるカメラ映像が表示される。

これらのスキャン画像とユーザーの写真は、発行州に安全に提供され、確認される。さらにAppleは、IDを提示した人がそのIDの所有者であることを確認するための数値コードも送信する。なお、認証の際に要求された、提示者が頭を動かしている映像は送信されない。

承認プロセスは通常数分で完了し、クレジットカードを追加するときと同様に、IDがWalletで利用可能になるとユーザーに通知される。

画像クレジット:Apple

IDや免許証がWalletに追加されると、ユーザーは対応するTSAチェックポイントでIDや免許証にアクセスすることができるようになる。ユーザーは、どのような情報が要求されているかを確認し、Face IDまたはTouch IDで情報を提供することに同意することができる。これはApple Payと同様の仕組みで、ユーザーはこの機能を使うためにiPhoneのロックを解除する必要もない。そして、同意を得た情報は暗号化された通信でIDリーダーに送信されることになる。

情報はデジタルで共有されるため、ユーザーは物理的なIDカードを渡す必要はなく、デバイスを渡す必要もないとAppleは述べている。TSAのリーダーは、さらなる確認のために旅行者の写真も撮影する(これは、TSAの職員が免許証を見てから、顔を見てその人物が本人かどうかを判断するのと同じことだ)。

画像クレジット:Apple

Appleによると、まもなくコロラド州、ハワイ州、ミシシッピ州、オハイオ州、プエルトリコの領土などでもこの機能が提供されるようになるという。そしてアリゾナ州に加え、コネチカット州、ジョージア州、アイオワ州、ケンタッキー州、メリーランド州、オクラホマ州、ユタ州の7州が搭載予定であることを以前から発表していた。

Appleは2021年の開発者会議で、Apple Walletで運転免許証やIDをサポートする計画を初めて紹介していた。しかし、11月にiOS 15のウェブサイトで公開されたアップデートで、Appleはこの機能が2022初頭まで延期されることを静かに明かしている。同社はもちろん、ユーザーのIDを確認しなければならないことを考えると、州政府の意向もこのような機能の実現に影響する。

画像クレジット:Apple

この機能を利用するには、ユーザーはApple Walletの利用規約と、州が要求する可能性のある追加の利用規約に同意する必要がある。ただし、それらの条件が何であるかは、州レベルで決定される。

スマートフォンにIDを保存することを警戒する人もいるかもしれないが、AppleはIDデータを検証のためにアリゾナ州に送る際に暗号化し、Appleのサーバーに一時的にでも保存することはないと顧客に保証している。IDがデバイスに追加されると、そこでも暗号化されている。

つまり、デバイスのSecure Enclaveプロセッサに関連付けられたハードウェアキーによって暗号化され、保護されているのだ。Face IDやTouch IDを使っている顧客、またはその顧客のパスコードを持ってWalletにアクセスできる人だけが、IDの詳細を見ることができる。

また、セキュアエレメントにはハードウェアキーが関連付けられており、ユーザーがAppleデバイスを介してTSAにIDを提示する際に使用される。そして、デバイスが運転免許証やIDのデータに署名し、依拠当事者(TSA)はデバイスの署名だけでなく州の署名も調べることで、これが有効な州のIDであることを暗号的に検証することができる。これは、もし誰かがユーザーのデバイスからID情報を取得できたとしても、デバイスのハードウェアと結びついているため、提示できないことを意味している。

この新機能は、iOS 15.4を搭載したiPhone 8以降のデバイスと、watchOS 8.4以降を搭載したApple Watch Series 4以降でサポートされている。当面は、フェニックス空港を皮切りに、一部のTSAチェックポイントのみがこの機能をサポートし、順次追加していく予定だ。Appleは、法執行機関との提携を含め、将来的には他のユースケースにも取り組んでいくとしている。

画像クレジット:Apple

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(文:Sarah Perez、翻訳:Akihito Mizukoshi)

【レビュー】iPhone 13/13 Proの新色グリーンを実機でチェック!iOS 15.4のマスクありFace IDも試した

iPhone 13/13 Proの新色グリーンを実機でチェック!iOS 15.4のマスクありFace IDも試した

第3世代iPhone SEの予約受付が開始されましたが、忘れてはいけないのがiPhone 13シリーズの新色。iPhone 13、13 miniには「グリーン」が、iPhone 13 Pro、13 Pro Maxには「アルパイングリーン」が追加されます。

グリーンと言えば、iPhone 11 Proで採用された「ミッドナイトグリーン」を思い出す人も多いのではないでしょうか。同色は、ロボットアニメファンから「むせる」など評され、話題になりました。

そんなグリーンですが、iPhone 12シリーズでは残念ながらテイストが大幅に変更され、ミッドナイトグリーンは廃止に。iPhone 12、12 miniには「グリーン」がありましたが、どちらかと言うと薄緑といった色合いで、ミッドナイトグリーンのような渋さはありませんでした。そんな中、満を持して登場したのが上記のグリーンとアルパイングリーンです。早速iPhone 13 miniのグリーンから、その実機を見ていきましょう。

iPhone 13 miniのグリーン

iPhone 13 miniのグリーン……と言っても、正面からだと違いはわかりづらい

iPhone 13 miniのグリーン……と言っても、正面からだと違いはわかりづらい

背面の写真は以下のとおり。同じグリーンという名称ですが、iPhone 12 miniのそれとは異なり、かなり深い緑色であることがわかります。光の当たり方によっては、黒にも見えるほど。強めの光を当てると少し鮮やかになりますが、蛍光灯下での実際の見た目としては、以下写真のフラッシュなしの方に近い色味です。

フラッシュありで撮影した背面。光沢感はこんなイメージ

フラッシュありで撮影した背面。光沢感はこんなイメージ

フラッシュなしで撮影。蛍光灯下での色味は、こちらが近い

フラッシュなしで撮影。蛍光灯下での色味は、こちらが近い

側面は以下に。iPhone 13 miniにはアルミフレームが採用されています。光沢感があるため、背面よりも少し緑が鮮やかめ。光を反射すると、緑の色合いが強調されてキレイ。カジュアルな印象の強い背面に対して、やや高級感が強くなっています。アルミフレームもグリーンで統一されている

アルミフレームもグリーンで統一されているアルミフレームもグリーンで統一されている

アルミフレームもグリーンで統一されている

アルミフレームもグリーンで統一されている

iPhone 13 Proのアルパイングリーン

次に、iPhone 13 Proに行ってみましょう。iPhone 13 Proの背面にはすりガラスのようなガラスが採用されており、アルパイングリーンでもそのデザインは踏襲されています。サラッとした質感で、光を美しく反射し、色合いがやや薄く鮮やかになるのが特徴です。蛍光灯下では深みが出ますが、iPhone 13 miniより繊細な処理で高級感は満点です。

iPhone 13 Pro、13 Pro Maxはアルパイングリーンという名称

iPhone 13 Pro、13 Pro Maxはアルパイングリーンという名称

深い緑で、iPhone 11 Pro、11 Pro Maxのミッドナイトグリーンよりほんの少しだけ緑の色合いが強い印象。こちらはフラッシュあり

深い緑で、iPhone 11 Pro、11 Pro Maxのミッドナイトグリーンよりほんの少しだけ緑の色合いが強い印象。こちらはフラッシュあり

フラッシュなしで撮影した背面

フラッシュなしで撮影した背面

続いてフレームは以下に。ProモデルのiPhoneはステンレススチールを採用するため、光沢感がかなり強め。色は背面同様、深めのグリーンで統一されています。

フレームもグリーンで統一されている。ステンレススチールのため、光沢感はかなり強め。光の当たり方で色合いが大きく変わるフレームもグリーンで統一されている。ステンレススチールのため、光沢感はかなり強め。光の当たり方で色合いが大きく変わるフレームもグリーンで統一されている。ステンレススチールのため、光沢感はかなり強め。光の当たり方で色合いが大きく変わる

フレームもグリーンで統一されている。ステンレススチールのため、光沢感はかなり強め。光の当たり方で色合いが大きく変わる

フレームもグリーンで統一されている。ステンレススチールのため、光沢感はかなり強め。光の当たり方で色合いが大きく変わる

ちなみに、筆者私物の「シエラブルー」との比較は以下のとおり。iPhone 13 Pro、13 Pro Maxは素材の光沢感を生かすためか、「グラファイト」以外は薄めのカラーリングになっていましたが、重めのカラーが好みの人にはいい選択肢になるのでは、と思いました。

シエラブルーとの比較。濃いめの色が好みの人にはオススメ

シエラブルーとの比較。濃いめの色が好みの人にはオススメ

iOS 15.4のマスクありFace IDも試してみた

試用したiPhone 13 mini、13 Proには最新の「iOS 15.4」がインストールされていたため、話題のマスクありFace IDも試してみました。

Face ID設定時にマスクあり用の顔登録を促されるため、そのまま登録。眼鏡をかけている場合は、眼鏡をつけたまま登録した後、眼鏡を外して顔を登録することが求められます。

iOS 15.4も試してみた。マスク着用時のFace ID用に、顔を改めて登録する仕組み

iOS 15.4も試してみた。マスク着用時のFace ID用に、顔を改めて登録する仕組み

眼鏡を着用したまま設定を進めたところ、眼鏡なしの顔の登録も求められた

眼鏡を着用したまま設定を進めたところ、眼鏡なしの顔の登録も求められた

結果として、顔登録をしたところ、マスクをつけたままでもスムーズにロックを解除することができました。

うれしいのは、Apple Watchでのロック解除とは異なり、Apple PayマスクありFace IDが有効なところ。これで、支払いのときにパスコードを入力したり、感染リスクを冒してマスクを少しズラしたりする必要がなくなります。iOS 15.4は来週配信予定ですが、登場が今から楽しみです。

マスクのままロック解除ができ、使用感が大幅に上がった印象

マスクのままロック解除ができ、使用感が大幅に上がった印象

ロック解除だけでなく、Apple PayなどのFace IDにも有効になる

ロック解除だけでなく、Apple PayなどのFace IDにも有効になる

(石野純也。Engadget日本版より転載)

【実機先行レビュー】iPhone SE 第3世代はやっぱり高品質

第三世代iPhone SE。カラーは「ミッドナイト」

第三世代iPhone SE。カラーは「ミッドナイト」

「iPhone SE」第3世代モデルをいち早く使ってみた。本稿ではその模様をお伝えする。

デザインも変わっていないしハイエンドじゃないし……と思っていないだろうか。まあ確かに、そんなに「新しい」感じがするわけではない。

だが、触ってみるとなるほど、Appleの狙いが見えてくる製品でもあるのだ。

ロングセラーになった定番デザイン、色調は第2世代とは異なる

今回のiPhone SEは3世代目になるわけだが、2020年発売の2世代目と同様、デザインは「iPhone 8」(2017年9月発売)と同じになっている。

色も、第2世代・第3世代で同じ……と言いたいところなのだが、白・黒・赤というおおまかな色としては同じであるが、色合いがそれぞれ変わっている。

レビュー機材として貸し出されたのは「ミッドナイト」。黒にほんの少し青が混ざった「深夜の空の色」を感じさせる色合いだ。表側の黒い部分と比較すると、色の違いがわかりやすい。

背面。ちょっと光を強めに入れてみると、黒というより「極めて深い青」であることがわかる。まさに「ミッドナイト」

背面。ちょっと光を強めに入れてみると、黒というより「極めて深い青」であることがわかる。まさに「ミッドナイト」

このデザインも、実際にはiPhone 6世代(2014年9月発売)をベースとしているわけで、なんとも息が長い。第2世代と同じく2年で次の「SE」だとすると、最低でも2024年まで使われる「10年選手」ということになる。

だからiPhone 13世代と比較すると、画面周囲の空白の大きさなど、さすがに古さを感じる。

左がiPhone 13 Pro Max、右がiPhone 13 Pro。中央のiPhone SE(第3世代)を比較すると、画面サイズはかなり違う

左がiPhone 13 Pro Max、右がiPhone 13 Pro。中央のiPhone SE(第3世代)を比較すると、画面サイズはかなり違う

背面。左から、iPhone 13 Pro Maxの新色である「アルパイングリーン」、iPhone 13の新色「グリーン」、iPhone SE(第3世代)の「ミッドナイト」。アルパイングリーンのiPhone 13 Pro Maxはかなり「むせる」色合いだ

背面。左から、iPhone 13 Pro Maxの新色である「アルパイングリーン」、iPhone 13の新色「グリーン」、iPhone SE(第3世代)の「ミッドナイト」。アルパイングリーンのiPhone 13 Pro Maxはかなり「むせる」色合いだ

ただ、Appleの考えとして、ここで細かくデザインを変えていくのは「違う」と考えているのだろう。

ソフトウェア開発上、画面のバリエーションが増えるのは避けたいだろうし、大量に調達しているパーツを使ってコストを下げたい、という思惑もあるので、彼らとしては「この形でこういうパターンで出す」ことしかあり得ないのだ。

ここからの2年で供給価格はさらに下がり、携帯電話事業者による割引を組み合わせて、安価に提供するiPhoneになっていくのは間違いない。だとするなら、「機能や特質を変えず、できる限り長く、安価に提供できるバランス」のものを作ることを最優先にするというのはもっともだろう。

性能はiPhone 13並み、カメラも「日常的撮影」ならかなり良好

というわけで、ちょっと使ってみた感じはまさに「iPhone SE」だ。

価格だけでなくサイズ感含め「これがいい」という人もいるはず。そういう人があまり悩まずに買えるバランスになっている。

画面こそ(本体サイズの割には)狭いが、それでもiPhone 13シリーズと比較すれば、miniを除くとぐっと小さい。全体の作りの良さはさすがだ。

サイド部。アルミボディ+ガラスの仕上げは上質

サイド部。アルミボディ+ガラスの仕上げは上質

第3世代iPhone SEはプロセッサーが「A15 Bionic」になった。そのため、性能はかなり上がっている。

「GeekBench 5」でのテスト結果では、CPU側の性能ではiPhone 13 Pro Maxとほとんど差がない。GPUについてはコア数が違うようで、iPhone 13 Pro Maxの方が流石に性能は高い。メモリ量も、6GBから4GBに減っていると推察される。

SE(第3世代)と、13 Pro MaxのCPUベンチマーク結果。マルチコア性能が若干劣るが、差は小さい。左がSE、右が13 Pro Maxの結果

SE(第3世代)と、13 Pro MaxのCPUベンチマーク結果。マルチコア性能が若干劣るが、差は小さい。左がSE、右が13 Pro Maxの結果

SE(第3世代)と、13 Pro MaxのGPUベンチマーク結果。GPUコア数が違うためか明確に13 Pro Maxの方が速い。左がSE、右が13 Pro Maxの結果

SE(第3世代)と、13 Pro MaxのGPUベンチマーク結果。GPUコア数が違うためか明確に13 Pro Maxの方が速い。左がSE、右が13 Pro Maxの結果

まあ、このあたりはそんなに問題ではない。画面サイズが小さい分、GPUへの負荷も小さいだろう。「フラッグシップのiPhoneとほとんど差がない性能」と考える方がわかりやすい。

そしてプロセッサー性能が効いてくるのがカメラだ。

iPhone SEは第2世代も第3世代も、まったく同じレンズ・全く同じセンサーを使っている。一方で、プロセッサーに搭載されたイメージシグナル・プロセッサ(ISP)やカメラ関連ソフトウェアが改良され、カメラに使える処理能力も高くなっているので、画質は上がってる……ようだ。

残念ながら手元には第2世代SEがないので、横並びでチェックすることはできていない。

だが、2020年にiPhone 11 ProとiPhone SE(第2世代)で撮り比べた写真の傾向と、今回、iPhone 13 Pro MaxとiPhone SE(第3世代)で撮り比べた写真の傾向を比べると違いが見えてくる。

第2世代SEはiPhone 11 Proに比べ、少し眠く、精細感に欠けた写真になる印象があった。だが今回、そこはあまり差を感じない。センサー特性の違いか、色の乗りは第3世代iPhone SEの方がまだ悪い気がするし、暗い場所の写りではiPhone 13 Pro Maxの方が良いが、一般的な撮影ではさほど問題なく快適に使えるのではないだろうか。

iPhone SE(第3世代)

iPhone SE(第3世代)

iPhone 13 Pro Max

iPhone 13 Pro Max

iPhone SE(第3世代)

iPhone SE(第3世代)

iPhone 13 Pro Max

iPhone 13 Pro Max

とはいえ、光学での望遠や人間以外のポートレート撮影は搭載していないし、HDRでのビデオ撮影も、「シネマティックモード」でのビデオ撮影もできない。そこは上位機種との差別化点である。

iPhone SE(第3世代)

iPhone SE(第3世代)

光学での望遠撮影ができるiPhone 13 Pro Maxはやはり画質がいい。SEはデジタルズーム。iOSはデジタルズームが他社のハイエンドスマホに比べ、弱い傾向にある印象だ。こちらがiPhone 13 Pro Max

光学での望遠撮影ができるiPhone 13 Pro Maxはやはり画質がいい。SEはデジタルズーム。iOSはデジタルズームが他社のハイエンドスマホに比べ、弱い傾向にある印象だ。こちらがiPhone 13 Pro Max

5Gの速度はSEが劣るが……?

今回は5Gに対応したこともポイントだ。iPhone SEのユーザー層を考えると「5Gになったから買う」というものではない、とは思う。むしろ「これから買うのだから5Gであるのが当たり前」「買ったら5Gだった」というところではないだろうか。スタンダードなスマホであるiPhone SEが5Gになるのは、そういう意味を持っている。

ただ、これは筆者の手元でのテストがたまたまそうだったのかもしれないが、iPhone 13 Pro Maxに比べ、5Gでの通信速度がちょっと劣る。サイズや設計の制約により、5Gの感度が少し弱いのかもしれない。

東京都・五反田駅近辺で、ソフトバンク回線を使って計測。iPhone SEは下り速度で最大25%程度遅い。何回か計測し、ばらつきもあるが、SEの方が遅めであることに変わりはなかった。左がSE、右が13 Pro Maxの結果

東京都・五反田駅近辺で、ソフトバンク回線を使って計測。iPhone SEは下り速度で最大25%程度遅い。何回か計測し、ばらつきもあるが、SEの方が遅めであることに変わりはなかった。左がSE、右が13 Pro Maxの結果

日常的な使い勝手で極端な速度差を感じたわけではなく、ベンチマークを測ったりすると「確かに違う」という感じだ。感度は良いに越したことはないが、これを問題だ、と思うなら「iPhone 13を買うべき」ということなのかもしれない。

「最高の性能ではないが、作りが良くて安価でちょうどいい」、iPhone SEの位置付けは第3世代でも変わっていないということか。

(西田宗千佳。Engadget日本版より転載)

【レビュー】iPhone SE(第3世代)は観念的なスマートフォンの理想像

私がiPhone SE派の人なら良かったのにと思う。2020年に再登場して以来、エントリーモデルのiPhoneであるSEは遺物のようなサイズ感から、「必要なものだけ、それ以上はなし」スマートフォンの代表格に変貌を遂げた。

Apple(アップル)は、4.7インチサイズの小型スクリーンとTouch ID認証システムを維持しながらも、SEモデルの内部を積極的に強化し、驚くほどコスパの高い製品に仕上げている。2022年モデルは、最上位機種のiPhone 13 Proにも搭載されているA15 Bionicチップで動作する。これは、基幹コンピューティングの観点から見ると、予備の部品を収納しておくもののようなiPhoneではない。

その代わり、ディスプレイ部門の技術を整頓するというアプローチをとっている。Retina HDスクリーンは美しく見えるが、iPhone 13 Proのユーザーなら誰でもAppleの120hz ProMotionディスプレイがないことにすぐに気がつくだろう。3つのカメラシステムの代わりに、背面カメラは有能だが比較にならない12メガピクセル広角レンズ1つだ。iPhone 8 Plusでマルチカメラ搭載のスマートフォン競争が始まる前に私たちが慣れ親しんでいたものだ。

思い返すと初代iPhone SEは、iPhone 5のスタイリングと小型サイズを復活させ、最後の砦とする「スペシャルエディション」という位置づけが強かった。それ以来、世界は非常に小さなスマホから離れた。しかし、使いやすさや必要性の欠如のために 4.7インチというフォームファクターをまだ好む人々がいる。2021年のデバイスと同様、4.7インチは筆者が今快適に入力しているものの下限のままだ。

ナイトモード用のLiDAR、超広角レンズ、望遠レンズ、シネマティックモード、ドルビービジョンもない。しかし、シンプルなカメラでありながら、スマホの中で最も優れた画像を撮影することができる。このiPhone SEのワイドレンズは2020年版のものと機能的には同じだが、ISPとA15のニューラルエンジンによって、低照度性能の向上、HDRの改善、写真スタイルのポートレートモード、ポートレート照明、ディープフュージョンなどの機能が強化されており、これらはSEの7メガピクセルのフロントカメラとしては初となる。

特に、iPhoneを写真撮影の道具としてではなく、最も便利な思い出づくりツールとしてとらえている人にとっては、非常に手堅いカメラだ。静止画にナイトモードがないことは全体としておそらく最も残念な点だが、それ以外はまったく問題のない小さなカメラシステムだ。

日中や明るい室内で撮影した画像は、一般ユーザーにとっては非常によく似ているものになり、その一方でフラッシュなしで撮影した画像は、ナイトモードを搭載したマルチレンズのiPhone 13のラインナップの驚くべき能力とは比較にならない。

筆者が見る限り、Appleは少なくともベンチマークや実用的な観点から、A15の性能を調整していない。このスマホは、日々の活動のドライバーとしてはiPhone 13と同じような速さに感じられるだろう。

筐体もハイエンドのスマホにはない心地よい薄さと軽さだ。密度が濃く、エッジと質感がシャープで、宝石のようだ。iPhone SEは、スリムなサンドブラスト加工された丸みを帯びたガラスの破片だ。持っていても、使っていても、非常に心地よく、自己主張してこない。それは、存在感を示すためではなく、役目を終えて消えていくためにある。

Touch IDが電話との関わり方を変えてしまうという問題は、2020年発売のSEについて筆者が書いたレビューからまだ続いている。筆者はiPhoneのトップエンドモデルを何年も使ってきて、シームレスなスワイプの仕組みとパラダイムを単純に気に入っている。多くの人は気にしておらず、偽のボタンを押すハプティックスと親指認証で問題ない。それはまた「良い」と「ひどい」の間ではなく、2つのまともなオプションの隙間にある妥協点だ。

429ドル(日本では税込5万7800円)という価格は前のSEからわずかに上がったが、それでもiPhoneのラインナップの中でははるかに手頃な価格だ。もっと安価なスマホも買えるが、SEをスマートフォン市場で最高のお手頃オプションとしてお勧めする要素がいくつかある。まず、Appleはこのデバイスに、上位機種のiPhoneと同じパワフルなチップを搭載した。2つ目は、発売から約5年間、セキュリティ、機能、クオリティ・オブ・ライフのアップデートをサポートするという、業界においては珍しい姿勢を見せていること。そして、3つ目は、ハイエンドな機能はないものの、デザインや素材に高級感があることだ。

エコノミークラスのシートで旅するように、高価格帯のシートを選ばないと不愉快な扱いを受けることに人々は慣れてしまっているのではないか。iPhone SEは、A地点からB地点まで移動するために選択することが、軽蔑されることに耐えなければならないということを意味しないという、稀有な状況を生み出している。

数日間このスマホを使ってみて、筆者はiPhone SE派でありたいと思った。残念ながら、筆者はハイエンドデバイスが画面やカメラ技術にもたらす最先端の進歩にこだわりすぎていて「最新」以外のものには心から満足できない。これは、筆者が写真に魅了され、限界に挑戦することの副産物であることは十分に承知している。そして、それが私の仕事のようなものだ。

もし私が違うタイプの人間で、シンプルで有能な携帯電話を持つことに興味があるなら、iPhone SEを使った生活は大いに魅力的なものとなる。もしあなたが、核の周りを回る電子のようにテクノロジーに振り回される人生ではなく、より充実した人生を送りたいのであれば、この選択肢はあなたのためのものかもしれない。

画像クレジット:Matthew Panzarino

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(文:Matthew Panzarino、翻訳:Nariko Mizoguchi

iOS 15.4公開、iPhoneでマスク姿でのロック解除がついに利用可能に

Apple(アップル)のビッグイベントから1週間弱、同社は3つのOSの最新バージョンをドロップした。米国時間3月14日、 iOS / iPadOS 15.4とmacOS 12.3がついに公開された。ベータテストに参加していない人たちにとって、これはマスクを着用したままで使えるFace IDによるロック解除や、iPadとMac間のさらにシームレスな統合を提供するユニバーサルコントロールなどの主要機能の数々を意味する。

これらのOSは、新しいiPhone SE(先にレビューした)とMac Studioに先駆けて登場した。マスク着用時のロック解除の件は、過去2年ほどの間、かなり大きな悩みの種となっていた。AppleはApple Watchでロックを解除するという応急処置としては悪くないソリューションを提供していたが、この新バージョンでより多くのユーザーが利用しやすいものになる(しかし再び、SEで親指にこだわり続けるのももちろんアリだ)。

画像クレジット:Apple

筆者はベータ版を数週間使ってみたが、満足のいく結果が得られている。マスクとメガネを着用しても問題なく動作するので、パンデミックが始まってから初めて行った本格的な旅行では役に立った。もちろん、メガネが曇ったときは苦労したが、それはおそらくHoneywell(マスク)とWarby Parker(メガネ)のせいだろう。OSは、当然ながら顔全体に頼った方が安全であることを警告しつつ、このオプトイン機能のセットアップ過程を案内してくれる。

また、携帯電話側の新機能として、カードリーダーを介さず、iPhoneユーザーがNFCチップを介して支払いを受けられる「Tap to Pay」機能が搭載されている。また、新しい絵文字は全部で37種類。とろけるような顔や、覗き込むような顔が収録されている。先週のイベント「Peek Performance」の名前は、まさかこれからインスパイアされたものではないだろうが(訳註:Peek=覗き見、チラ見を「Peak」とかけていた)、誰も確かなことは言えない。

もうひとつの大きなニュースは、iPadOS / MacOSサイドにある。AppleはこれをSidecarキラーと位置づけているわけではないが、多くのユーザーにとってその役割を果たすことは間違いないだろう。この機能により、MacとiPadの間でキーボード、トラックパッド、マウスを同期させることが可能になる。つまり、デバイスとOSの間でファイルをドラッグ&ドロップでき、よりシームレスなバージョンのAirDropを効果的に使用することができるのだ。

どちらのオペレーティングシステムも、対応するデバイスで現在配信が開始されている。

編集部注:ベータ版と同様であれば「マスク姿でFace ID解除」が可能なのは、TrueDepthカメラの性能が改善されたiPhone 12と13に限られる。

Read more about the Apple March 2022 event on TechCrunch

画像クレジット:Nora Tam/South China Morning Post / Getty Images

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(文:Brian Heater、翻訳:Den Nakano)

第3世代iPhone SE、ついに5G対応もミリ波がない理由―iPhone 14シリーズ、日本でミリ波対応はありえるのか

第3世代iPhone SE、ついに5G対応もミリ波がない理由―iPhone 14シリーズ、日本でミリ波対応はありえるのか5G対応のiPhone SE(第3世代)が、3月18日に発売となる。日本ではNTTドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイルが取り扱うが、今回はUQモバイルやワイモバイルといったサブブランドも同時に発売する。

速報:新 iPhone SE (第三世代)発表。初の5G対応・A15で高速化・バッテリー駆動時間延長

各キャリアとって、5G対応のiPhone SE(第3世代)は待望といえるだろう。5Gにおいては日本は世界から普及が遅れていると指摘されている。

2020年3月に3キャリアで5Gが始まったものの、これまで特に盛り上がることなく2年が経過してしまった。5Gエリアは、4G周波数帯を転用することで、広がりを見せている。しかし、5G対応スマートフォンが爆発的に売れることもなく、地味に普及している状態に過ぎない。

菅政権の圧力により、料金値下げが注目され、オンライン専用プランなど小・中容量プランが世間の注目を浴びた。キャリアとしては5Gスマートフォンに乗り換えてもらい、データをバカスカ使ってもらうことで、ARPUをあげ、さらに使い放題プランへの乗り換えを促したいというのが本音だ。

KDDI高橋誠社長は「5Gスマートフォンユーザーは4Gスマートフォンユーザーより2.5倍もデータトラフィックが多い」と語る。

iPhone SE(第3世代)が普及すれば、それだけデータ通信を多く使うユーザーが増え、結果として、キャリアの通信料収入の回復が見込まれるのだ。

今回のiPhone SE(第3世代)、5G対応と言ってもSub-6のみの対応となる。アメリカではiPhone 12シリーズ、さらにはiPhone 13シリーズはミリ波に対応していた。ベライゾンなどがミリ波の展開に積極的であったため、アップルとしてもiPhoneでミリ波の対応を余儀なくされたようだ。一方で日本で売られているiPhone 12シリーズやiPhone 13シリーズはSub-6のみの対応だ。

アメリカで売られるiPhone SE(第3世代)もSub-6のみであり、ミリ波には非対応だ。

第3世代iPhone SE、ついに5G対応もミリ波がない理由―iPhone 14シリーズ、日本でミリ波対応はありえるのか
画面サイズが4.7インチと筐体がコンパクトなiPhone SE(第3世代)であるため、ミリ波のアンテナなどが入れずらかったのかも知れない。また、本体が小さく手で全体を覆いやすくなりがちのため、ミリ波は受信しづらくなる可能性もある。

「なぜ、アップルはiPhone 12と13ではミリ波に対応したのにiPhone SE(第3世代)ではミリ波対応を見送ったのか」が気になって、取材を進めたところ、どうやら「アメリカでも4G周波数の転用が進んでいたり、Cバンド(3.7G~4.2GHz帯)の導入が見えてきたから」というのが理由にあるようだ。

ベライゾンは5Gスタート時には、ミリ波を中心にエリア展開を行っていた。しかし、その場合、5Gに期待される通信速度は出るものの、エリア展開の広がりは期待できない。そこで、ベライゾンではDSS(Dynamic Spectrum Sharing)という技術を投入し、4G周波数帯に5Gを混ぜるかたちでサービスを提供し、エリアを広げた。ミリ波の5Gほど通信速度は出なく、むしろ4Gよりも遅くなる傾向があるのだが、それでもエリアを広げたいという狙いがあった。

さらに昨年末から今年頭にかけて、一部報道で、アメリカのCバンド(3.7G~4.2GHz帯)が話題となった。

ベライゾンとAT&Tが共同でCバンド周波数の競売に共同で809億米ドルを出資。Cバンドによるサービスを開始しようとしたら、米国連邦航空局に警告を受けて、サービス開始時期の延期をせざるを得なくなったというものだ。Cバンドが民間航空会社の用いる高度計と干渉し、航空機運航に影響を及ぼす可能性を指摘されたのだ。

今後、Cバンドが本格運用できれば、そこそこ高速でありながら広いエリアで5Gサービスの提供が可能となる。

こうした背景からアップルとしてはiPhone SE(第3世代)で無理してミリ波に対応しなくてもいいという判断が下ったようだ。

ただ、先日、スペイン・バルセロナで行われたMWC22では、クアルコムのプレスカンファフェンスで「5G mmWave Accelerator Initiative」が紹介され、そこにはNTTドコモやVerizonの名前があった。世界的にミリ波の活用を盛り上げていこうというわけだ。

NTTドコモでは4Gユーザーが多く、4G周波数を5Gに転用するのが難しい。そのため、4G周波数帯の転用には消極的で、5G用に割り当てられた周波数帯でのサービス提供を重視している。また、楽天モバイルの三木谷浩史会長は「ミリ波は(日本で)うちだけががんばっているが、海外でミリ波を使っている人は本当にデータの使用量が多い」と語る。楽天モバイルのように従量制の料金プランを提供しているところは、一刻も早く5G、しかもミリ波で提供することでARPUをあげて収益を確保したいというのが本心だったりする。

メーカーとしてはミリ波対応といった面倒くさいことはせず、Sub-6だけで5G対応をしておきたい。一方で、キャリアとしてはミリ波対応であれば(ミリ波の基地局を設置しなくてはいけないが)ARPUの上昇が期待できる。

今秋、発表されるであろうiPhone 14シリーズは、日本でもミリ波対応はあり得るのか。アップルとキャリアの間で駆け引きが行われているかも知れない。

(石川温。Engadget日本版より転載)

【レビュー】iPhone SE(第3世代)「Touch IDよ永遠に、Face IDよ無縁に」

Appleは、地球全体に広がるぜいたくなビックリハウスの格安チケットを提供し続けることを、ありがたくも決断した。それはiPhone SE(第3世代)。もしこの有益な商品が販売中止になっていたら、私はiPadに乗り換えるかAndroidに戻るしかなかった。なぜなら、代わりになるべきiPhoneには醜い切り欠きとFace IDが必ず付いてくるからだ。幸い、新しいSEは我々分別ある人々の思いを遂げさせてくれるだろう。ただし、Appleが(USB-AやSDカードスロットでやったように)Touch IDの位置づけを考え直すまでは、

なぜ私や、その他見識ある人たちはSEを選ぶのか?まあ、たしかに一番安く手に入るiPhoneだというのはある。一部の人たちの議論はそこに始まり、そこに終わる。それ以外の人にとって、決め手はTouch IDだ。しかし、他にも、高いお金を払って手に入るものにそれだけの価値があるのか、という合理的な疑問がある。

大きい画面?たしかに、しかしそれが邪魔になる人もいる。SEは、Appleが作った史上最高傑作だった頃ほどポケットにやさしくないかもしれないが、世に出ている多くと比べると、かなりほっそりしている。そして「全部を画面」にするアイデアも、私にアピールしたことはない。そのためにボタンのあるべき位置の画面の角は丸くなり、上端の一部は切り取られている。いりません。

カメラが増えて良くなった?私はここで「640KBあれば十分」的議論をするつもりはない(それは90年代の連中)、しかしカメラ品質はすでに飽和状態に達していて、SEのカメラ(前の世代のことを言っている)は、我々が普通に写真を撮る上で必要なことを十分こなしている。

正直になろう。ほとんどの人にとって、手のひらより大きいiPhoneの写真を見るのはAppleイベントのときだけだ。iPhone 13 Proのカメラがすばらしいのは確かだ。しかし、すべてはInstagram(インスタグラム)で3/4秒間、5インチ画面で60cm離れて見れるようになる。携帯カメラで良い結果を手に入れたい人は、過去数年間に発売されたどの携帯でも使える。


他には……計算能力?スマホで大量のビデオ編集やエフェクト作業をしますか?それとも、ほとんどがメッセージとソーシャルメディアと、おそらくハイエンドのグラフ電卓でも動くであろうカジュアルゲームですか?アプリをすばやく切り替えられて、重いウェブサービスでもダウンしないのはすばらしいことだが、CPUチップははるか昔にその境界を超えている。

AppleがA11、A12、A13 Bionic(バイオニック)などの新しいプロセッサーを出すたびにいっていることを思い出して欲しい。2倍速くなった!4倍速くなった!6倍速くなった!この数字は累積していることをお忘れなく。我々のスマートフォンは、数年前よりも約1000倍速くなっていることになる。あなたは1000倍速く感じるだろうか?ノー。なぜならみんながスマホでやっていることは、1000倍速くなる「必要」がないからだ。もちろん、もっと見えにくいプロセス、例えば Computational Photography(計算写真学)や言語エンジンなど、専用チップによって可能になったものもあるが、過去数年、スマートフォンで性能が問題になったことはほとんどない。

そして、Face IDだ。はい、これを好きな人たちがいることを私は知っている。しかし、そうでない人がたくさんいる。理由の一部は不気味さだ、顔で、ほんとに?おそらくそれは古い考えなのだろう。しかし、もっと大きい理由は実用性だ。実に多くの場面で、スマホをアンロックするのに親指(あるいはそれ以外の指)を使う方が、正対して画面を見つめるよりもありがたい。その逆が真であるケースはごくごく稀である、少なとも私にとって。


アンロック機構が、常時オンの顔スキャナーだと、それはユーザーの制御範囲を超えている。有効に「したくない」ときはどうするのか?指紋スキャナーに指を置くことは意図的行動であり、スマホをアンロックしたいといユーザーの明確な意志だ。ポケットの中でもできるし、デスクに置いたままでも使える、どちらの手を使っても。それはシンプル、かつうまくいく。スマホを手に持って見つめることは、ほとんどの人が1日の半分、いずれにせよ、やっていることだ。そこにユーザーの意図はあるのだろうか?

ボタンと安全に持つためのベゼルのあるデザインチョイスも悪くない。発売以来、iPhoneの大きな魅力はホームボタンがもたらす簡潔さだった。何をしているときでも、電話で話しているときも、ゲーム中でも、仕事の文書を読んでいる時でも、あのボタンさえ押せば画面は消えてホームに戻る。ボタンがあることは「良い」ことである。

関連記事:最近のiPhoneは不細工

実際私はiPhone 6~8のデザインを好きになったことはない。まるでジェリービーンズみたいだ。それでも最近のよりはマシだ。私は古い5sのデザインか、なんなら13 miniのフォームファクターで切り欠きのないのに変えたい、ただしTouch IDがあれば。Touch IDが最初に出てきた時、我々は懐疑的だったが、すぐにセキュリティと利便性のベストバランスな方法になった。

私はAppleが過去数年付け足してきた機能のほとんどすべてを、本当にとうでもいいと思っている。反対する人が大勢いることは知っているし、幸い最新機種はその人たちにとってすばらしいものになりそうだ。しかし、そこに選択肢がある限り、私はTouch IDの付いた伝統的スタイルを選ぶ。

もちろん、これまで書いてきたことが少々硬直な印象を与えていることはわかっている。それは構わない。私は硬いパンの耳が好きだし、あなただってそうかもしれない。さあ、私と一緒に雲に向かって叫ぼう!

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(文:Devin Coldewey、翻訳:Nob Takahashi / facebook

アップルが「Peek Performance」で発表した最大のニュースまとめ

Apple(アップル)イベントの日がやってきた!Appleが(再びリモート / バーチャル)ステージに立ち、最近舞台裏で取り組んでいたことのすべてを明らかにする日だ。

ライブ配信を見る時間がなかった?大丈夫、我々がいる。今日の最大のニュースをすべて取り上げ、サラッと流し読みできるよう1つのパッケージにまとめた。気になる話題があればリンクをたどってさらに深く掘り下げ、それ以外は読み飛ばせばいい。エンジョイ!

新型iPhoneSE(第3世代)

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Appleのお財布に優しいiPhone、iPhone SEがアップグレードされた。A15 Bionic(iPhone13と同じチップ)を搭載し、ライブテキスト(カメラの画像から現実世界の文字をコピーする機能)のような処理ができるようになるとのこと。5Gに対応し、バッテリーの持ちも「向上」した。主に昔のiPhoneが懐かしいと思う人たちのために、4.7インチのディスプレイで(iPhone 13と同じ、より耐久性の高いガラスにアップグレードされた)、まだホームボタンがある(指紋リーダー付き)。

価格は429ドル(日本での価格は税込5万7800円)からで、3月18日に発売予定。

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関連記事:iPhone SEが税込5万7800円で再登場、クラシックなデザインはそのままTouch ID搭載

新型iPad Air

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Appleがノートパソコン製品ラインに最初に搭載した特注チップがこの最新世代に採用され、iPad AirがM1になる。また、広角の前面カメラが部屋の中をパンして、ビデオ通話中に自動的にユーザーの顔をフレームの中心に保つセンターフレーム機能もAirに搭載されている。

この最新世代のiPad Airは599ドル(日本での価格は税込7万4800円)からで、3月18日に出荷開始される予定だ。新しいiPad Airに関する詳しい記事はこちら

関連記事:アップルが「M1チップ」搭載のiPad Air 5を発表、ノートパソコンの代わりに

M1 Ultra

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Appleがまた新しいシリコンを手に入れた!ただしM1からM2へのジャンプではなく「M1 Ultra」でM1ラインを拡張した。つまり現在、M1、M1 Pro、M1 Max、M1 Ultraがある。基本的には2つのM1 Maxをブリッジして、OSからは1つのチップに見えるようにしたもので、超高効率でとんでもないパフォーマンスをもたらす。

M1 Ultraについての詳しい記事はこちら。しかし、Appleはこれをどこに入れるのだろうか?まず、M1 Ultraは新型の……..

関連記事:アップルがM1シリーズ最上位版「M1 Ultra」を発表

Mac Studio

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7.7×7.7×3.7インチ(19.7×19.7×9.4cm)という大きさのMac Studioは、まるでMac Miniが……そんなにMiniでなくなったようなデザインだ。Appleによれば、この新しいマシンはM1 Ultraのおかげで、CPUの処理速度が最速の27インチiMacの2.5倍、16コアXeonプロセッサを搭載したMac Proよりも50%速くなっているとのこと。

背面には、4つのThunderbolt 4 / USB-Cポート、10Gbイーサネットポート、HDMIポート、2つのUSB-Aポート、オーディオジャックを備えている。前面にはさらに2つのUSB-Cポート、SDスロットがある。

M1 Max搭載のMac Studioは1999ドル(日本での価格は税込24万9800円)から、ピカピカの新しいM1 Ultra搭載の場合は3999ドル(日本での価格は税込49万9800円)から。3月18日に出荷を開始する。詳しい記事はこちら

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関連記事:アップル、まったく新しいMac「Mac Studio」を発表

Studio Display

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新しいAppleディスプレイを待っていた方には朗報。Studio Displayと名付けられた最新モデルは、27インチの5Kディスプレイだ。12MP超広角カメラ(センターフレーム対応)内蔵、3マイクアレイ、空間オーディオに対応した6スピーカーサウンドシステムを搭載している。背面には3つのUSB-Cポートに加え、Thunderboltポートを1つ搭載している。Appleによると、傾斜スタンド、傾斜 / 高さ調整可能なスタンド、VESAマウントオプションと、複数の異なるマウントオプションが用意されるとのこと。

Studio Displayの価格は1599ドル(日本での価格は税込19万9800円)から。他の製品同様、3月18日に出荷開始予定だ。Studio Displayの詳細については、こちらの記事で読んでいただける。

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関連記事:アップルの新27インチStudio Displayはほぼ本体のないiMac

その他の発表

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(文:Greg Kumparak、翻訳:Den Nakano)

iPhone SEが税込5万7800円で再登場、クラシックなデザインはそのままTouch ID搭載

SEを復活させてから2年、Apple(アップル)がもう一度SEを復活させる。このiPhoneの小さな兄弟は、フラッグシップモデルに代わる低価格の製品として2018年に発表され、支持を得た。このラインは、iOSソフトウェアの鮮度を保ちつつ、古いデザインと一部の前世代コンポーネントの流用によって低価格を維持するための手段だ。

またIPhone X以降、アップルデザインの糸が切れた人にとっては、よりクラシックなデザインを使い続けられるのは喜ばしい。そして、おそらく最も重要なことは、フラッグシップモデルが1000ドル(約11万6000円)を超えるのが当たり前の時代に、Appleのエコシステムにとどまる1つの方法を示していることだ。新機種は、最新のフラッグシップモデルであるiPhone 13にも搭載されているA15 bionicチップへとアップグレードされている。加えて5Gにも対応し、最新のスマートフォン技術が全ラインにもたらされた。

予想通り、この廉価版の新バージョンは、4.7インチのRetina HDディスプレイ(iPhone 13からのダウングレード)を中心にしたガラスとアルミニウムの旧来のデザインにこだわっている。IP67の防水性能を実現したこの機種で、おそらく最も注目すべき点はプレミアムなFace ID搭載デバイスから消えて久しいTouch IDボタンが残されていることだ。バッテリーの持ちは前モデルより改善されているが、それが容量のアップなのか、単に新チップの搭載によるものなのかは不明だ。

画像クレジット:Apple

カメラは12メガピクセルのレンズでアップグレードされ、新しいチップに付随する数多くのコンピュテーショナルフォトアップグレードもともなう。肌の質感の向上や写真のノイズの低減などが実現されている。これも、バッテリーと同様、ハードウェアの大幅なアップグレードというよりも、新しいチップによる直接的な影響だと思われる。

画像クレジット:Apple

同じようなスペックの旧機種を使い続けず、新しい携帯電話を購入する大きな動機となるのがソフトウェアだ。そのため、新しいデバイスは「今後数年間」iOSのアップデートを受け続けることになるとAppleは語る。この端末は、前世代の399ドル(日本での価格は税込4万9800円だった)は上回るものの、依然としてiPhoneファミリーの中で最も安価な端末だ。今回は429ドル(日本での価格は税込5万7800円)からと、まだリーズナブルだ。今週米国では金曜日から予約受付を開始し、3月18日に店頭に並ぶ予定だ(日本での予約開始は3月11日午後10時から。発売は3月18日)。

画像クレジット:Apple

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(文:Brian Heater、翻訳:sako)

今晩午前3時からのアップルイベントで期待される新製品、iPhone SE、MacBook、iPad Airそして新チップ

一連のバーチャルイベントについていえることは、メーカーが我々に近づく確かな方法を手に入れたということだ。古き良き出張の時代、大きなショーの数週間前には、Palo Alto Travelodge(パロ・アルト・トラベロッジ)(良好のWi-Fiと、そうでもない朝食)の宿泊を予約したものだ。バーチャルへの移行は、企業が社員にパソコンの前で1時間過ごさせるために、スターの登場を約束する必要がなくなったことも意味している。

最近のニュースに流れる絶え間ないリークからは、Appleにとってかなり控えめなイベントが予想される。その予想は、会社の標準的リリース間隔によっていっそう増強される。Appleは2021年秋のイベントに、それはそれはたくさんの商品を詰め込んだ。そこにはiPhone 13、Apple Watch 7、iOS、そしてショーの人気をさらったいくつかのiPadがあった。半導体の遅れとホリデーシーズンが完璧に重なり合って、最近の記憶の中で最大のAppleイベントになった。

画像クレジット:TechCrunch

というわけで今週はiPhone 14もApple Watch 8もない。それでも新しいiPhoneは見られそうだ。Appleが新しいiPhone SEを出す期限を過ぎているというわけではない。なぜならこのお手頃端末のリリース間隔は、よくいって不定期だから。今回は、2016年と2020年に続くSE第3世代になる。お手頃iPhone(前世代は399ドル、日本では4万9800円からだった)は過去数年にわたって多くのファンを獲得し、その1人でもあるTechCrunchのDevin Coldewey(デビン・コールドウェイ)記者は、かつて同製品の「死」を悼んだこともあった。

このラインは、Appleの歴史的工業デザインの最後の痕跡を残す商品としてよく知られている。iPhoneがフルスクリーンになって切り欠きが付く前のデザインだ。長年のApple予言者であるMing-Chi Kuo(ミンチー・クオ)氏は、2年の空白の後にこの端末が戻ってくることをいち早く指摘した1人だ。同氏は、ほとんど変わらないデザイン、A15チップ、ストレージは64~256 GBと伝えている。しかし、ショウの呼び物は、入門レベル機種への5Gの追加だ。

iPadが再び話題をさらうかもしれない。第5世代のAir(エア)が予想されており、2021年のmini(ミニ)から多くの特徴を引き継ぐだろう。iPhone SEと同じく、この機種も2020年以来改定されていない。オプションの5G、A15チップ、カメラハードウェアとソフトウェアのアップグレードなどが噂されている。

画像クレジット:TechCrunch

2021年は2020年版M1チップのスーパーチャージ版が2種類登場したが、2022年のどこかの時点でM2がやってくる可能性が高い(イベントのタイトル、Peek Performanceにあるパフォーマンスのチラ見せはこれのこと?)。Appleが新しいチップを発表するとすれば、まず間違いなく新しいMacハードウェアと一緒だ。2022年、噂の先頭を切っているのは、薄くて軽い長年の人気機種、MacBook Airの新バージョンだ。Mac Miniも、そして大きくてよりPro(プロ)ライクなiMacも期待されている。

画像クレジット:TechCrunch

噂の最後を飾るのは27インチのAppleディスプレイだ。現在同社が販売している32インチPro Display XDRのハードルを下げるものだ。ここ数年で世界の大部分がリモートワークに移行していることから、この種の製品の需要が高まっていることをAppleは間違いなく知っている。しかし5000ドル(日本では58万2780円)という価格はどうみてもほとんどの人の手には届かない。

最後に、この種のハードウェア・イベントには、いくつかのOSアップデートが必ずついてくる。macOS、iOS、およびiPadOSのアップデートが予想される。

イベントは米国時間3月8日太平洋時刻午前10時、東海岸時刻午後1時(日本時間3月9日午前3時)に始まる。それでは現地でお会いしましょう。

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画像クレジット:TechCrunch

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(文:Brian Heater、翻訳:Nob Takahashi / facebook

ウクライナ侵攻を受けた販売停止によりロシアでアップル製品価格が暴騰

ウクライナ侵攻を受けた販売停止によりロシアでアップル製品価格が暴騰

DIMITAR DILKOFF via Getty Images

アップルはウクライナ侵攻を受けてロシアでの製品販売を停止しましたが、それによりロシア国内の小売業者が経済制裁とインフレに備えてか、iPhoneやMacの価格を大幅に引き上げていると報じられています。

ロシアのテック系サイトiPhones.ruによると、アップルがロシアでの一時的な販売停止を発表した後に、同社の製品は「ほぼ全ての場所で」価格が急上昇していると伝えられています。

最たる製品は16インチMacBook Pro(2021)のM1 Max/RAM 64GB/1TBモデルで、2日時点での価格は113万8070ルーブル、およそ110万円以上と見積もられます。ちなみに、ここ数日ルーブルは暴落しているので、全ての円換算は「およそ」となります。

ウクライナ侵攻を受けた販売停止によりロシアでアップル製品価格が暴騰
またiPhone 13 Pro Max(1TB)は30万ルーブル以上で、ほぼ29万円ほど。iPhone 13系で最も安いiPhone 13 mini(128GB)でも約9万円以上となっています。またApple Watch Series 7の最も高価なモデルは約19万円、12.9インチのM1 iPad Pro(2TB)は35万円ほどという高騰ぶりです。

またロシア国内では、欧米がロシアの大手銀行5行への経済制裁を実施したことから、それらの口座に紐付けられたApple Payも利用停止となっています

ウクライナの人々はもちろん、物価の高騰や物資不足に苦しめられているロシアの方々、原油や天然ガスなどが途絶する危機に晒されている全世界を救うためにも、ロシア軍の侵攻が一刻も早く中止されることを祈りたいところです。

(Source:iPhones.ru。Via iMoreEngadget日本版より転載)

ウクライナ副首相がアップルのクックCEO宛て公開書簡、ロシアでの製品販売停止とApp Store遮断を要請

ウクライナ副首相がアップルのクックCEO宛て公開書簡、ロシアでの製品販売停止とApp Store遮断を要請

JIM WATSON via Getty Images

ロシア軍の侵攻が続くウクライナの副首相兼デジタル・トランスフォーメーション担当大臣ムィハーイロ・フョードロフ氏が、アップルのティム・クックCEOに対してロシア国内におけるアップル製品の販売停止とApp Storeへのアクセス遮断を要請しました。しかし記事執筆時点では、クックCEOはこの要請に対する反応を示していません。

フョードロフ氏は「私はあなたに要請します。あなたはこれを聴くだけでなく、ウクライナ、欧州さらには民主世界全体を血まみれの権威主義の侵略から守るべく、可能な限りのことをするものと確信しています。どうかApp Storeのアクセス遮断や、ロシア連邦へのアップルのサービスや製品の供給を停止してください」と記した書簡をTwitterで公開しました。ロシアからアップル製品の供給を引き揚げることで、ロシア国内、特に若者たちの間で反戦の機運が高まることが期待されるとの主張です。

アップルは現在、ロシアでオンラインストアを運営しており、iPhone、iPad、Mac、AirPodsといった各種製品をユーザーにダイレクト販売しています。またロシアのApp Storeは最近、ロシア国内産アプリのユーザーへの推奨を手厚くするよう変更が施されていました。

ロシアは昨年、アップル、Google、Metaなどのハイテク企業が国境内に物理的な拠点を持つことを義務付ける法律を施行しており、アップルもここ数か月の間にロシアに事業所を設置し、モスクワで求人情報を出していたとBloombergは伝えています。

ティム・クックCEOは木曜日にTwitterで「ウクライナの状況を深く懸念しています。我々は現地チームのためにできる限りのことをしており、現地の人道的支援活動にも協力していくつもりです。我々は今まさに危険にさらされている人々のことを思い、平和を求めるすべての人々とともに行動します」とコメントしてはいました。しかし今回のウクライナ副首相の要請に対する回答はまだ確認できません。

(Source:BloombergEngadget日本版より転載)

弁護士・ジャーナリストを標的に使われたスパイウェアPegasus、誤動作で残した偽画像ファイルから暴き出される

弁護士・ジャーナリストを標的に使われたスパイウェアPegasus、誤動作でiPhone内に残した偽画像ファイルから暴き出される

Nir Elias / reuters

昨年(2021年)7月、iPhoneやAndroid端末のユーザーを攻撃・監視するスパイウェア「Pegasus」が、世界中の人権活動家や弁護士、ジャーナリストを標的に使われたことが判明しました。その後アップルが本格的な対策に乗り出し、ついにはPegasusを開発・販売したイスラエル企業NSOグループを提訴するに至っています。

本来Pegasusは標的としたユーザーのデータを抜き出して政府などに送信したあと、自らが存在した痕跡をすべて消し去るものです。そのため被害者が監視されていたと気づくことや、スパイウェアがどのような挙動をしているか知ることが困難でした。

では、どうやって手がかりがつかめたのか。それは2021年初め、攻撃対象とされたiPhone内から見つかった偽の画像ファイルがきっかけだったと報じられています。

米Reuters報道によると、2021年2月にサウジアラビアの刑務所から釈放された女性活動家のルージャイ・ハスルール(Loujain al-Hathloul)氏は、Googleから国家支援型のハッカーが彼女のGmailアカウントに侵入しようとしたとの警告メールを受け取ったとのこと。iPhoneもハッキングされたことを恐れたハスルール氏は証拠になりそうなものがないか、カナダのセキュリティ研究機関Citizen Labに調査を頼んだそうです。

その半年後、Pegasusの誤動作により、iPhone内に悪意ある画像ファイル(本体のコードが含まれていた)が残されていたと判明。そのファイルが後に、スパイウェアがNSOグループにより作られたことを示す直接的な証拠となりました。Citizen Labの研究員は「これはゲームチェンジャー(流れを大きく変える出来事)でした」「あの会社が捕まえられないと思っていたものを捕まえたのですから」と語っています。

このファイルがPegasusを使ったハッキングを特定するために使われ、それによりアップルは国家支援型攻撃の標的になったと考えられるユーザーに通知できたとのことです。またアップルがPegasusが利用した脆弱性を修正するためにiOSを更新し、さらにはNSOグループへの訴訟を起こすことにも役立ったそうです。

1月には、イスラエルの警察がPegasusを使って裁判所の令状なしに自国民を監視していたことが明らかとなりました。また米FBIが2019年にPegasusを購入して使用を検討していたとも報じられており、調査が進めば波紋がさらに広がることになりそうです。

(Source:Reuters。Via AppleInsiderEngadget日本版より転載)

保証つき中古iPhoneを再生・再販するSwappie、欧州での事業拡大に向け約142億円を調達

サミ・マルティネン氏とエマ・レイヒコイネン氏(画像クレジット:Swappie)

フィンランドを拠点とするSwappieは、中古iPhoneの再生・再販を行う企業だ。すべてのプロセスを請け負い、整備されたデバイスは12カ月間の保証付きで、独自のマーケットプレイスで販売される。2020年には、欧州の新しい市場に進出するために、3580万ユーロ(約47億円)のシリーズBをクローズした。

同社はこのたび、グロースエクイティ企業であるVerdaneがリードする1億800万ユーロ(約142億円)のシリーズCラウンドを実施した。既存投資家であるLifeline Ventures、Inventure、Reaktor Ventures、TESIも参加した。今回のラウンドにより、同社の累計調達額は1億4900万ユーロ(約196億円)を超えた。

Swappieの共同創業者兼CEOであるSami Marttinen(サミ・マルティネン)氏は、声明の中でこう述べている。「当社は、品質を標準化し、サステナビリティの役割を擁護し、中古車を購入するのと同じように整備されたスマートフォンを購入することを一般的にすることで、Swappieがこの分野における消費者の認知度と信頼性を高められると心から信じています」。

中古・整備済みスマートフォンの市場全体は、2022年から2027年の間に年率10.23%で成長すると予測されている。スマートフォンは、2022年には1億4600万トンのCO2を排出すると予測されている。Swappieによれば、人々が携帯電話を1年でもより長く使用することで、約200万トンの排出量を削減できるという。

VerdaneのパートナーであるJanne Holmia(ヤンネ・ホルミア)氏はこう述べている。「人々や企業がより持続可能なライフスタイルへと移行していく中で、iPhoneの再生やリコマースの分野は大きく成長しており、それにともない、Swappieは再生済みスマートフォンにおける欧州のマーケットリーダーとなる可能性を示しています」。

しかし、欧州の電子機器リフレッシュ市場を制するための競争は、まだ終わっていない。

2021年、欧州の再生電子機器マーケットプレイスであるRefurbedは、Evli Growth PartnersとAlmaz CapitalがリードしたシリーズBで5400万ドル(約62億4000万円)の資金を調達した。Refurbedは、130社の再生品業者が同社のマーケットプレイスで販売するという、少し変わったアプローチをとっている。

ドイツ、オーストリア、アイルランド、フランス、イタリア、ポーランドで事業を展開している同スタートアップは、他の3カ国にも拡大する予定だ。

この分野では他に、Back Market、Swappa(米国)、Amazon Renewなどが競合している。また、ドイツにはRebuyもある。これからも、まだまだ競争は激化していくだろう。

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(文:Mike Butcher、翻訳:Aya Nakazato)

キオクシアの三重県四日市工場と岩手県北上工場の一部操業停止により、SSD用チップが最大10%高騰する可能性

キオクシアの三重県四日市工場と岩手県北上工場の一部操業停止により、SSD用チップが最大10%高騰する可能性

iFixit

アップル製品向けにNANDフラッシュメモリを供給する主要サプライヤーの1つが生産工程の一部を停止したため、今後NANDフラッシュの価格が最大10%上昇するかもしれないとの予想が報じられています。

今月10日、半導体メーカー大手のキオクシア(旧東芝)は四日市工場と北上工場で生産工程の一部を停止したと発表しました。3次元NAND型フラッシュメモリ「BiCS FLASH」の部材に不純物が混入していたとされており、少なくとも6.5EB(65億GB)分の製造が減少すると述べています。

今回の件につき市場調査会社のTrendForce社は、SSDの主要構成要素であるNANDの価格が最大で10%高騰する可能性があると警告しているしだいです。

アップルはiPhone 13やM1 Pro/Max MacBook Pro、iPad Proなど、多くの製品にキオクシアのNANDフラッシュを使っていることで知られています。たとえば修理業者iFixitがiPhone 13 Proを分解した際にはキオクシア製のNANDフラッシュが1つ、16インチのM1 Pro搭載MacBook Pro(SSD 256GB)ではキオクシアのKICM225UZ0460 128GB NANDフラッシュが2つ確認されました。

世界的な半導体不足のなか、2021年のPC出荷台数は前年比15%増との調査結果もあり、2022年にはさらに伸びるとの予想もありました。そこにNANDフラッシュの不足や価格が高騰する可能性が生じたことは、今後数カ月にわたって影を落とすかもしれません。

TrendForceによれば、米ウェスタンデジタルとキオクシアの提携はNANDフラッシュ市場の約30%に相当するとのことです。両社は主にPC用のSSDとeMMcストレージを供給しており、それだけPCの生産量に深く関わっているといえます。

混入の原因は明らかになっておらず、市場に出回っている製品を回収する必要があるかどうか、また生産をいつ再開するかも不明です。

米9to5Macは、もしもNANDフラッシュが値上がりしても、アップルが自社製品の価格を引き上げる可能性は低いと推測しています。

なぜならアップルは部品の調達交渉をかなり前から行う傾向があり、今後の契約ではコストが上がる可能性はあるものの、直近の製品に影響するとは考えにくい。その後も影響があるのは数カ月だけで、そのコストはアップルが負担して価格に上乗せしないと思われる、というわけです。

ただし該当する工場で作られたNANDフラッシュを使ったアップル製品が、今後リコールされる懸念はあるとの趣旨も述べられています。アップルで何か動きがありしだい、本誌でもお伝えする予定です。

(Source:キオクシア。Via the VergeEngadget日本版より転載)

アップル、iPhoneで非接触型決済を可能にする「Tap to Pay」機能を発表

Apple(アップル)は、iPhoneを非接触型決済端末にする新機能「Tap to Pay」の導入計画を発表した。同社によると、2022年後半に米国の事業者はiPhoneとパートナーが対応したiOSアプリを使ってApple Payやクレジットカード、デビットカードといったその他の非接触型決済を受け付けられるようになる。

この機能は、iPhone XS以降のモデルで利用できる。iPhoneを使ったTap to Payは、決済プラットフォームやアプリの開発者が、顧客の決済オプションとして自社のiOSアプリに組み込むことができる。Stripeは、新しいShopifyアプリでTap to Payを顧客に提供する最初の決済プラットフォームとなる。Appleによると、別の決済プラットフォームやアプリは2022年後半に加わる予定だ。

Tap to Payの提供が始まれば、事業者は対応するiOSアプリを通じて非接触型決済を利用できるようになる。会計時に、顧客にiPhoneまたはApple Watchを事業者のiPhoneに近づけてもらうと、NFC技術を使用して支払いが安全に完了する。非接触型決済を受け入れるために追加のハードウェアは必要ない。Appleはまた、iPhoneでのTap to Payでは顧客の決済データは保護され、この機能を通じて行われる取引はすべて暗号化されるとしている。

同社は、Apple Payはすでに米国の小売店の90%以上で利用されており、この新機能を使って顧客はよりシームレスに精算できるようになるとしている。Tap to Payは2022年後半に米国内のApple Storeの店舗でも導入される。Appleは、決済プラットフォームやアプリ開発者と緊密に連携し、米国内のより多くの事業者にTap to Payを提供する。Tap to Payは、American Express、Discover、Mastercard、Visaなど多くの決済ネットワークによる非接触クレジット / デビットカードで利用できる。

Apple PayおよびApple Wallet担当副社長のJennifer Bailey(ジェニファー・ベイリー)氏は「デジタルウォレットやクレジットカードで支払いをする消費者が増えている中、iPhoneでのTap to Payは、安全かつプライベート、そして簡単に非接触型決済を受け入れ、iPhoneのパワー、セキュリティ、便利さを活かした新しい精算体験を企業に提供します」と声明で述べた。

Appleによると、Tap to Payは今後リリースされるiOSソフトウェアのベータ版で、参加する決済プラットフォームとそのアプリ開発者パートナーが利用できるようになる。

画像クレジット:Apple

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(文:Aisha Malik、翻訳:Nariko Mizoguchi

アップルの次期ハードウェアイベントは3月上旬か、新iPhone SE、iPad Air、27インチiMac Pro登場のウワサ

Bloombergによると、Appleは3月8日前後に次のハードウェアイベントを開催する予定だ。このイベントでは、第3世代のiPhone SE2020年のiPad Airの後継モデル、Apple Siliconチップを搭載した新しいMacが発表されるという。BloombergのMark Gurman(マーク・ガーマン)氏は、この日程は以前AppleがSEのデビューのために設定した3月から4月のタイムフレームと一致するが、潜在的な生産の遅れにより、同社が計画を変更せざるを得なくなる可能性があると警告している。

これまでどおり、記事ではiPhone SEシリーズとしては初となる5Gに対応すると報じられている。また、より高速なプロセッサやより優れたカメラも搭載されると予想されているが、現行モデルのiPhone 8時代のデザインは維持されるという。新型iPad Airにはプロセッサが刷新され、5G接続が追加される。Bloombergは、Appleが同イベントで発表するかもしれない新型Macについて多くを語らなかったが、最近のほとんどの報道では、同社が27インチのiMac Proの新モデルを発表すると指摘している。

新しいiPhone SEの話がいまいち盛り上がらなかった人への朗報は、AppleがiOS 15.4も2022年3月前半にリリースするとBloombergが報じていることだ。このアップデートでは、マスクを着用していてもFace IDでiPhoneのロック解除できる機能が追加される予定だ。

関連記事:ついにマスク姿でもiPhoneのロック解除可能に!アップルの最新ベータ版OSはマスク着用に対応したFace IDや待望のユニバーサルコントロールを提供

編集者注:本記事の初出はEngadget。執筆者のIgor BonifacicはEngadgetの寄稿ライター。

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(文:Igor Bonifacic、翻訳:Hiroshi Iwatani)

アップル、iPhoneの販売台数がサプライチェーンの不足を克服し過去最高に

全世界的なパンデミックが始まった直後にガイダンスをやめていたAppleが、四半期の売上高で過去最大の売上を記録したことには、笑顔になるべき理由がたくさんある。パンデミックの不確実性とサプライチェーンの制約に直面しても、ハードウェアの巨人は投資家の予想を上回り、売上高が11%増加した。

iPadの売上が予想を下回り、前年同期比14%減となったことを除けば、ハードウェア部門は全体的にバラ色だった。iPhoneは、2021年9月下旬に発売されたiPhone 13シリーズに続き、堅調な伸びを示した。スマートフォンの売上は716億3000万ドル(約8兆2710億円)で、前年同期の656億ドル(約7兆5740億円)から9%増加している。

世界的なサプライチェーンのボトルネックとチップ不足を考慮すると、この結果はより顕著になる。Tim Cook(ティム・クック)氏は決算説明会で、サプライチェーンの問題は今後、緩和される見込みであると言及している。

「過去最高となった当四半期の業績は、これまでで最も革新的な製品およびサービスのラインアップによって実現された。接続することがかつてないほど重要な時代に、世界中のお客さまから反響があったことをうれしく思います」とCEOはいう。さらに彼は、Appleが現在進めているカーボンニュートラルへの取り組みについても言及した。

このニュースは、私たちが以前から知っていたことを確認するものだ。Appleのスマートフォンが大ヒットしたこの四半期は、主に最近の中国における成功のおかげだ。Counterpoint Researchの発表によると、Appleは世界最大のスマートフォン市場である中国でシェア1位を獲得している(Vivo、Oppo、Honor、Xiaomiなどがそれぞれ2位から5位であることを考えると、これは小さな成果ではない)。

一方、Huawei(ファーウェイ)は、制裁措置により重要な技術へのアクセスが遮断されているため、自国でも苦戦が続いている。

2021年1月初め、Canalysは、他のメーカーもサプライチェーンのボトルネックやチップ不足に悩まされ続けている中、Appleは世界第1位に躍り出たと指摘している。同社は、特定の市場における需要に対応するのに苦労していた前四半期に比べて、大幅な伸びを示した。

サプライチェーンの制約により、一部の市場において需要を満たすことが困難な状況が続いていることは事実だが、こうした状況は、サプライヤー間の影響力が弱い中小メーカーに対して過度に影響を与える傾向がある。

上述したようにiPadが目標を下回った一方で、Macの売上高は前年比25%増の108億5000万ドル(約1兆2550億円)を記録した。これは主にiMacとMacBook Proのここ数年で最も有意義なアップデートを含む、M1モデルのリフレッシュが主な要因だ。Apple WatchやAirPodsなどを含むウェアラブル、ホーム、アクセサリーは147億ドル(約1兆7000億円)に成長し、サービス部門は195億2000万ドル(約2兆2570億円)を記録している。

画像クレジット:Apple

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(文:Brian Heater、翻訳:Katsuyuki Yasui)