新iPhone SEはこんな時代だから求められる「安かろう良かろう」なスマホ

正直にいって、iPhone SEについて何かとの比較の会話をするのは難しい。このデバイスはiPhone 11と同じ様相を呈しているが、iPhone 11とは別ものだ。

iPhone SEは廉価版だ。Apple(アップル)のほかのラインアップに照らしてこのデバイスを徹底比較しても、iPhone SEの潜在的ユーザーのほとんどにとってはさほど重要ではないだろう。

iPhone SEはシンプルにお買い得なのだ。本当に。本当に素晴らしいスマホだ。ホームボタンなしというスタイルに慣れてしまった私にはそんなに魅力的には見えないが、多くの人にとっては素晴らしいスマホになることは間違いない。そして、この廉価版を発売するタイミングも良い。今、アップルの最新技術を搭載したiPhoneが399ドル(日本では税別4万4800円)から購入できるのは大きい。

iPhone SEをひと言で説明するとしたら「iPhone 11の機能を持ったiPhone 8」だろう。そしてその言葉は、まさに的を射ている。アップルが「スペア」部品でスマホを生産していることにはいささか肩をすくめたくなったが、親愛なる読者の皆さん、その話題についてあなたがどれだけ熱くなるかどうかは、あなたがスマホにどれだけのお金を費やせるのか、そして、カメラの品質やスマホのサイズを皆さんがどの程度重視するかによるのだろう。

それではレビューを始めよう。

サイズ感

小さめだが、小さすぎではない。4インチのスマホが欲しいならその望みはかなわないが、すっきりとした軽量薄型で取り出しやすいのは確かだ。これが重要要素なら、最新の中身が搭載されたこのスマホ一択だと思う。

実をいうとしばらく前に、ポケットデバイスとしてiPhone SEを買ったのだが、私は4インチのスマホではきちんと入力できないことがわかった。

新しいiPhone SEはその点は問題ない。私にとっては4.7インチが正確に入力できる最低ラインだ。もちろん手が小さい人は関係ない。小さい手の持ち主なら逆にiPhone SEは少し大きすぎると感じるかもしれない。だが現在の他のiPhone同様、実質的に小さくできている。

iPhone SEにはTouch IDが登場する。偶然にも我々の多くがしばらくマスクをつける生活になってしまった中、Face IDは自然とその有効性が限定されてしまう

ホームボタンを押すのはとても変な気分だ。iPhone Xのずば抜けた耐久性とスワイプ可能なインターフェイスの実用性が無視されたかたちだ。スワイプ操作はとても自然でやりやすかったので、その動作を変えるのは容易ではない。Touch IDデバイスから乗り換えるのなら大丈夫だが、iPhone Xなどから機種変更する場合は慣れが必要だ。

iPhone 8でわかっているので、デザインについては他には特にいうことがない。持った感触も良くモダンだ。

バッテリー寿命テストを入念に行う時間はなかったが、一見したところ大丈夫そうだ。インデックス付けやその他のバックグラウンド動作のせいで、最初の数日は特に見極めが難しい。また新しいiPhone SEはIP67等級を備えている。つまり水深1mまでの水中に最大で30分間耐えることができる。これは最初のSE以来、iPhoneの事故による破損を最も減らすことに成功した機能の1つだ。

カメラ

iPhone SEに搭載されているのは単眼カメラで、現在のラインアップと比較すると珍しいものだ。焦点距離28mmの広角レンズ搭載シングルカメラが搭載されている。焦点距離は最近のiPhoneに見られるものよりも少々長くなっている。最近のiPhoneのほとんどは焦点距離26mmだ。つまり、写真の画角が主流のラインアップよりも少々狭くなる。iPhone XRのような望遠レンズはついていない。

iPhone SEはiPhone 11と11 Proのまったく新しい画像処理技術が最適化されたかたちで搭載されている。A13プロセッサのISPとニューラルエンジンがさまざまな方法でiPhone SEをサポートしている。現在、写真はそのほとんどがコンピューター数学で作られていることを考えれば特にそうだ。

iPhone 11の画像処理技術を採用しているため、望遠レンズがないという欠点があったとしても、iPhone SEのカメラは市場に出回るスマホカメラでも優れているほうだ。この画像処理技術を採用していなかったら画像の品質に関してはもっと「古い」感じだったと思う。ただ昨今は、ほとんどの写真がレンズやセンサーよりむしろCPUやGPUで処理されている。

私のテストでは、iPhone SEのカメラはiPhone 8よりも大分向上していることが証明され、iPhone XRよりも多くのポートレートモードが使える。追加モードでは、背景から被写体を切り抜くことに重点を置いている。こうした機能はニューラルエンジンの能力(高頻度、低リフト機械学習タスク専用のA13のチップの一部)に直結し、セグメンテーションのマスキングやセマンティックレンダリングを実行する。

また、映画のような安定感で、拡張ダイナミックレンジ4K/30fps動画と4K/60fps動画を録画できる。

ただし、iPhone11の画像処理技術を採用することによるの最大のメリットは、強化されたSmart HDR機能だ。この機能についてはiPhone 11のレビューで説明している。これにより、明るいハイライトから影のディテールまで、幅広い色調範囲のディテールが向上する。iPhone SEがiPhone 11と同等の画像処理デバイスになることはないが、普通のスナップ写真を最高の出来にすることはできる。

鮮明度、演色、ダイナミックレンジに関していえば、「先代」iPhone SEをはるかに凌ぐ。また、iPhone 8よりも明らかに優れている。アップル製品のラインアップの中でiPhone 8はすぐにSEに取って代わられるだろう。

デバイスのダウングレードを考えている方には、ほぼすべての点においてiPhone 11 Proの画像品質にはかなわないことをはっきりとお伝えしておく。まあこれは予想どおりである。iPhone 11 ProはSEよりもはるかに高額なデバイスだ。

iPhone SEにはナイトモードがない。このため暗がりでの写真はiPhone 11よりも明らかに劣る。リアカメラに光学手ぶれ補正が採用されているので多少の助けにはなるが、撮影が難しい状況下では上位機種と同等のパフォーマンスは望めない。

その他のほとんどの方向性でカメラの性能が良いことを考えれば、おそらくはこれが写真撮影という点においてiPhone SEではなくiPhone 11を勧める最大の理由だ。そのような会話になったらばの話だが。ただ、多くの人がiPhoneをメインのカメラとして使っていることを考えると、iPhone 11を持っていて損はないと思う。どんなものであろうと、iPhoneで撮影する写真に満足している方はSEで大満足だろう。技術面やパフォーマンスが強化され、驚愕的とまではいかなくても安定の光学的フロントエンドが実現されている。つまりは「そういうこと」だ

画面

私はiPhone XRよりもiPhone SEの演色を好む。カタログ上ではLiquid RetinaディスプレイとRetina HDディスプレイは同様のパフォーマンスを実現するとされているが、私はXRの色調があまり気に入らない。True Toneをオフにして同じ輝度だと、iPhone SEのほうがもっとニュートラルな暖かさがあり、iPhone XRは寒色寄りのスペクトルになっている。

こうした観察は文字通り所見であって裏付けはない。アップルがiPhone SEで採用しているパネルは特別なものではない。 いつものiPhoneのように普通に「素晴らしい」。iPhone 11 ProのOLED画面は言うまでもなくブラックレベル、色、色調の切り札だ。

iPhone XRとiPhone SEの画面の主な違いは、XRの「端から端まで」のラップアラウンドディスプレイとSEのより標準的な長方形ディスプレイだろう。それと、「タップしてスリープ解除」も違いの1つだ。

XRとSEではピクセル合計数が32%違うというのは、私のテストでは全然気にならなかった。同じ326 PPIなのもそんなに驚くことはない。

ジェスチャー機能については、「タップしてスリープ解除」が本当に恋しい。この機能があるiPhoneを使っていた人にとって、タッチするだけでスリープ解除して画面表示できないことは利便性で一歩後退となる。SEへのダウングレードを考えている人は、この機能がなくなることを踏まえてほしい。

この機能のないiPhoneからの変更なら問題ないが、そうでなければきっと恋しくなるはずだ。

エントリーを円滑に

iPhone SEは、アップルのエコシステムへのエントリーというこれまで最も摩擦があったセクションを円滑にした。以前までのアップルは、転売される中古デバイスか、家族から譲られるお下がりを廉価版モデルへの入り口の「穴埋め」に使っていたが、iPhone SEは最初から自分のものにできる製品になっている。実際、価格に対して素晴らしい価値がある機種だ。

この低価格設定は、純粋に実用的な多くの面を通じて確認できる。安価でアップルのデバイス価格設定表のギャップを埋めるものだ。アップルが最後に手頃な価格帯の商品を発売したのは、2013年の補助金提供時代のiPhone 5cだ。アップルは実質的には「低価格スマホ」戦略にコミットしていなかったので、iPhone 5cは実際に入り口問題の解決の役には立たなかった。同社はみんなが望むローエンドのスマホの代わりに、iPhone 5ユーザー向けのアップグレードパスとして比較的ハイエンドなスマホを発売したのだ。

そしてとうとう今回「低価格」iPhoneがどのように機能するか確認することができる。

アップルの役員たちはこの「低価格」という言葉は嫌いだろうが、私の気に入ってる英国の慣用句に「cheap and cheerful」(価格が安い上に品質も良い)というものがある。そしてiPhone SEはまさにそのとおりなのだ。魅力的で低価格で使いやすい。デバイスにとっては悪くないタグラインだ。

ただ、アップルにとってのメリットは何だろうか?iPhone XRやその他のデバイスの価格を下げることは長い目で見てやる価値があるのか?

同社にとってのiPhone SEのアピールを完全に理解するために、考慮点を箇条書きにしてみた。

2018年、アナリストのHorace Dediu(ホレス・デディウ)氏は、アップルがiPhoneの「長持ち」戦略を重視しているようだと言及した。この戦略では、販売台数よりも用途とユーザーを優先する。これは同社が出荷台数データの報告を停止し、サービスカテゴリーについての指標値が急上昇した際に強化された。

つまり、アップルがiPhoneを長期的に循環させるほど、個別の売り上げは低くなるが、そのエコシステムに人々を長く留まらせておけるようになる。これはすべて、アップルがしきい値を高くするよりも入り口を広げる方法でさらに多くの利益を得ているという事実につながる。iPhone SEはアップルの新しいオーディエンスを広げる。iPhone SEは、iPhoneを初めて使うユーザーや、若者が最初のデバイスとして購入したり、現在予算を切り詰めている人にとって最適なスマホだ。

近代的なスマホ時代にアップルが低価格市場へ参入するのはこれが初めてのことだ。それだけでなく、同社がサービスビジネスに舵を切ってから最初のiPhoneとなる。アップルは、デバイス市場が飽和期に突入するいま、すべてのiPhoneが他社のビジネスやアップルの他部門のビジネスになくてはならないものになると見たのだ。

iPhone SEはアップルのエコシステムに人々を呼び込み、定着させ、人々はこの先何年もアップルのサービスカテゴリーにお金を落とすようになる。デバイスを何年も所有して機種変更することがなくてもだ。

重大な市場混乱で消費者の大きな購入が目立たない中、 アップルは本当のニーズに対応できるiPhone SEの投入タイミングを完璧に見極めた。エントリーへの壁はさらに低くなり、消費者はこの購入がこの先2~5年間、アップルのソフトウェアサポートに完全バックアップされること、そしてアップルが他社よりもはるかに優れたセキュリティとプライバシー保護の実績があることを知っている。自粛生活が続く現在、こうしたポケット機器は人と繋がり、健康で安全に暮らす最善な方法についての情報を提供してくれる。

スマホは、誰もがいつでも、どこからでも情報ネットワークにアクセスするためのデバイスとなり、それは一般的なものとなった。その間、スマホはさまざまな社会病の原因として指差される役割を引き受けてきた。ささいなことに執着しつづけ、人々を怠け者にするような技術の開発にばかり熱をそそいでいると言われることもあった。そうした方程式は今、すべて塗りつぶされている。親たちが自粛生活中のスマホやPCの利用について考え直しはじめたように、ソーシャルメディアは生活を自慢するためのもののではなく、正気を保つための重要なツールになった。また、もしかしたらスマホは、我々と本当の孤立の間にある唯一の防波堤なのではないかと気づかされることにもなった。

iPhone SEはまたとない時期に現れ、アップルはこうしたメリットを幅広いオーディエンスが受けられる機会をつくりだしたのだ。

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(翻訳:Dragonfly)

最高のシングルカメラシステムを搭載した新iPhone SEを4万4800円から発売

アップルは米国時間4月15日に新しいiPhone SEを発表した。ディスプレイのサイズは4.7インチで、物理的なホームボタン、Touch ID、シングルのリアカメラ、A13 Bionicチップを搭載している。価格は399ドル(日本では税別4万4800円)からとなっている。新たなiPhoneユーザーや、初めてスマホを購入する人を主なターゲットとする製品だ。しかし何よりも、現行モデルとして最も小型のiPhoneを求める人にアピールすることは間違いないだろう。

画像クレジット:Apple

iPhone SEの予約注文は、4月17日の午前5時(米国太平洋夏時間)に開始され、出荷は4月24日からとなる。

本体カラーは、ブラック、ホワイト、(PRODUCT)REDの3種類から選べる。リアカメラもフロントカメラもシングル仕様。これがアップルの新しいエントリーレベルのiPhoneとなる。

その他の仕様は、全体的にかなり魅力的だ。何より、iPhone 11や同Proと同じA13チップを搭載している。アップルによれば、SEのプロセッサパフォーマンスは、価格に合わせて引き下げられているようなことはなく、iPhone 11と同等だという。

ディスプレイは、アップルの言うRetina HDユニットであり、通常のLCDパネルだ。iPhone 11やXRのようなLiquid Retinaディスプレイではない。本稿執筆時点では、コントラスト比などの細かいスペックは確認できていないが(実際には1400:1)、True Toneディスプレイとなっている。

サイズを別にすれば、新しいiPhone SEの最大の特徴は、Touch IDを備えた物理的なホームボタンを持っていることだろう。最近のiPhoneは、みなFace IDシステムを採用していただけに新鮮だ。これがサイズの制約からくるものなのか、つまりフロント用にTrueDepathカメラを組み込むスペースの問題なのかどうかは、現時点でははっきりしない。しかしおそらくは、価格を抑えるための手段の1つと考えられる。

Touch IDは信頼性が高く、そちらの方を好むユーザーもいる。私はFace IDの大ファンだが、みながマスクを着けるようになったご時世を考えると、Touch IDのメリットが再び注目を集めているとも言える。実際問題として、顔の半分をマスクで覆った状態では、Face IDを正しく動作させるのは難しい。これは以前からアジア地域では問題だった。アレルギーのシーズンや、体調の悪いときには、マスクを着けるのが習慣になっていたからだ。

iPhone SEもデュアルSIMをサポートしている。無線通信サービスの選択肢が豊富な地域のユーザーや、そこに旅行する人にとっては、嬉しい機能だろう。

大きく進化したカメラ機能

アップルは、いくつかの根拠を示して、iPhone SEが「最高のシングルカメラシステム」であると主張している。思い出してみれば、iPhone XRのリアカメラは、同じ解像度で、やはりポートレートモードをサポートしていた。しかし、新しいiPhone SEは、ISP(Image Signal Processor)およびNeural Engine(ニューラルエンジン)として機能する、最新のA13 Bionicチップを搭載している。これは、セグメンテーションマスクやセマンティックレンダリングなど、特に機械学習分野での著しい進歩を取り込んだもの。その結果、最近のiPhoneモデルの中でも、特に効果的なポートレートモードを実現している。

アップルは、XRでは3種類の照明効果(「自然光」、「スタジオ照明」、「輪郭強調照明」)のみをサポートしていた。いずれも、背景を取り除く必要がないもの。それ以外の照明効果(「ステージ照明」、「ステージ照明(モノ)」、「ハイキー照明(モノ)」)は、レンダリングと分離のパイプラインのために、さらなる処理能力を必要とする。iPhone SEでは、それらも可能となった。またiPhone SEは、iPhone 11に採用された「次世代のスマートHDR」も装備する。これもまた、新しいチップの搭載によって可能となったこと。

新しい画像パイプラインによって、他にも多くのメリットが得られる。たとえば、4Kビデオ撮影では、30fpsまで「拡張ダイナミックレンジ」が使える。また、「映画レベルのビデオ手ぶれ補正」は、4Kで60fpsまで可能だ。一方、静止画撮影でも「次世代のスマートHDR」が使える。さらに、6種類の照明効果すべてが、前面カメラでも利用可能となっている。

こうしてみると、これはiPhone 11 Proの画像処理パイプラインを、シングルカメラシステムで実現したようなものと言えるだろう。しかし、そこには大きな違いもある。ナイトモードがないのだ。ナイトモードは、iPhoneの長い歴史の中でも、最も説得力のあるカメラ機能の1つだ。この点では、新しいSEを選ぶのは、カメラ機能よりも、価格とサイズを優先することになる。

ラインナップの位置関係

新しいiPhone SEの追加によって、現行のiPhone製品は、ほぼ7種類になったと言っていいだろう。iPhone XR、XS(XS Maxを含む)、それからiPhone 11とiPhone 8 Plus、さらにiPhone 11 Pro、iPhone 11 Pro Max、そして新しいiPhone SEだ。すでにApple Storeで扱っていない製品もあるが、私が信頼しているアナリストによると、そうした製品を製造している工場も、まだ残っている可能性があるという。今回のSEの登場で、アップルはiPhone 8の販売を収束させることになるだろう。そしてiPhone 8 Plusは、在庫がなくなるまで特定の地域で販売を続けて打ち止めとする。iPhone SEの、64GBモデルで399ドル(日本では税別4万4800円)という価格設定は、非常に魅力的だ。そこにわずか50ドル(同5000円)を加えた499ドル(同4万9800円)で128GBのストレージが手に入る。また256GBモデルでも549ドル(同6万800円)だ。

今回のiPhone SEをiPhone XRと比較すると、後者のメリットは画面サイズが大きいということくらいだ。しかし、それだけで2万円という価格差は大きいように感じられるだろう。

全体として分かるのは、アップルが、iPhoneの品揃えの中で価格帯の空白をなくそうと懸命に努力しているということ。そうすることで、人々をiPhoneのエコシステムに引き込みやすくしようとしている。いったんiPhoneユーザーとなった人は、さまざまなサービスによるロックイン効果と、高い顧客満足度のために、なかなかそこから抜け出ようとはしないのだ。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

iPhone SE 2にヘッドフォンジャックありとのリーク――背面はガラス、6月のWWDCで発表か

結局のところヘッドフォンジャックにはまだ未来があったようだ。iPhone SE 2のリーク写真とされるものを見ると、背面がガラスでヘッドフォンジャックを備えている。現在のiPhone SE同様、このモデルもクラシックなiPhone 5のデザインをベースにしているようだ。

9TO5Macの記事によれば、次世代iPhone SEは背面がガラスのためiPhone 8、 iPhone Xと似たワイヤレス充電に対応するという。

Appleが新しいiPhone SEをすでに準備しているという噂は根強く流れていた。2016年3月16日にオリジナルが発表され1年後にアップデートされた。モニターは4インチでiPhoneファミリー中でサイズ最小でもっとも安価なモデルだ。

6月上旬のWWDCがAppleが主催する次のメジャー・イベントとなる。新しいSEはここで発表されるはずだ。先月、Appleはシカゴで学校向けiPadの発表を含むイベントを実施した。AppleがiPhone SE 2の発表を6月のWWDCに延ばしたのは新しいiPadから注意が逸らされるのを防ぐためだったと考えれば納得がいく。

AppleはiPhoneのフラグシップモデルからヘッドフォンジャックを排除したが、SEには残されたようだが、これは合理的だ。AppleにとってSEは急成長中の世界の低価格スマートフォン市場で優位性を得るためにカギとなるモデルだ。Appleとしては低価格を武器にしたいはずなので、購入者がワイヤレス・ヘッドフォンなどの高価なデバイスを買わねばならない事態は避ける必要がある。

WWDC(ないしその後のイベント)で発表するiPhone SEは小型でヘッドフォン・ジャックがあるスマートフォンを必要とするユーザーにとって魅力的だろう。実は私にとってもそうだ。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

iPhone SE 2(仮)はいつ出る?デザイン、仕様、価格は?関連するうわさまとめ

eng-logo-2015iPhone SEは2016年3月の発売からまる2年が経過しようとしています。この記事ではもうすぐの発表が予想されるiPhone SE 2(仮)について、現在出ているうわさをまとめてみました。

アップルが2年前に発表・発売したiPhone SEは、iPhone 5 /5sのデザインを踏襲し、4インチディスプレイも、女性や手の小さな人でも片手で操作できるところが好評価を得ています。発売から1年後の2017年3月には、iPhone 7の (RED)スペシャルエディション 、9.7インチiPad発表の陰で、ストレージ容量を「16GBまたは64GB」から「32GBまたは128GB」へ底上げする手入れがなされました。

そして、発売からまる2年が過ぎようとしている2018年の3月を迎え、ラインナップ継続を前提に考えればそろそろiPhone SEにもストレージ以外の仕様をアップデートする新モデルの投入があっても良いと思われる時期になりつつあります。

では、iPhone SE 2(仮)はどんなモデルになるのでしょうか。各部にわけて現時点であがっているうわさを見てみましょう

デザイン

iPhone SE はiPhone 5 /5sをベースとした、エッジのあるデザインが特徴です。いろいろと出回っているアーティストによるコンセプトCGを見れば、iPhone SE 2(仮)も基本的にそのイメージを踏襲することが期待されています。ただ、背面にはiPhone XやiPhone 8 /8 Plusとおなじくワイヤレス充電対応のためガラス素材が採用されると予測されています。

筐体デザインに手が入る場合、iPhone SEには残されているイヤホンジャックが他のモデル同様に廃止されてしまう可能性も考えられます。

なおデザインのコンセプトCGはいわばアーティストによる自由な発想で描かれたものであり、iPhone 6 /6s以降と同様のラウンドシェイプになると予想するものもあれば、iPhone Xのように全面ディスプレイ化したもの(後述)を描いた予想CGもあります。

仕様

うわさの段階なので、当然、技術的仕様についても推測レベルの話しかできません。だれでも考えられる変更としては、まずCPUのアップデートが入るだろうということがあげられます。現行のiPhone SEではA9チップが採用されていますが、iOS 12対応のためこれがiPhone 7と同じA10チップに置き換わると考えられます。

他の部分は価格や現行モデルとの差別化もあり、出ているうわさを総合するとRAMは2GBで据置き、背面カメラも12MPで据置き、自撮りカメラは1.2MPからiPhone 6sと同じ5MPに更新、そしてストレージは32GBおよび128GBの2種類になるといったところ。

その他としてはバッテリー容量が1640mAhから1700mAhへ微増するとの予想があります。その根拠はディスプレイサイズが4インチから4.2インチになるとのうわさから。現状のiPhone SEに比べて、ベゼル幅が狭まった結果、わずかに画面サイズが大きくなるとされます。ただ基本的にはTouch IDつきホームボタンがある従来どおりのデザインにおちつくとの予想です。

なお、この4.2インチディスプレイの採用について9to5Macは「ほとんど意味をなさない」と否定的な見方を示しています。また信憑性は定かでないものの「5.7~5.8インチディスプレイを採用して5~7月に発売」という報道もありました。

発表・発売の時期

当然ながら未発表製品のiPhone SE 2の発売がいつになるかはまだわかりません。しかしまず発表が例年3月後半に行われている新製品発表の場になる可能性は高そうです。Focus Taiwanは2017年、サプライチェーンの動向などから“新しいiPhone SE”が2018年第1四半期に発売されると予想していました。

ただ春のイベントは実際にイベントとして開催となるか、しれっとアップルストアを更新して新製品を発売するだけかは、新製品の注目度によって変わると思われます。

価格帯

アップルオンラインストアにおけるiPhone SEの価格は32GBモデルで3万9800円、128GBモデルで5万800円。もともと低価格なiPhoneとして登場したと考えれば、iPhone SE 2 (仮)が出たとしても価格は据え置きかほとんど変わらないはずです。

実は、iPhone X SE(仮) が出る?

iPhone SE 2(仮)と同じものかどうか判断しかねるものの、iPhone Xと同様に全面ディスプレイ化したiPhone X SE(仮)とでも言うべき新製品に関するうわさも出ています。これはiPhone Xの高すぎる価格への対応として、国によってはiPhone Xの安価なバージョンとして新製品を投入するというもの。台湾の経済日報はそれが6月のWWDCで発表、2019年に発売されるとの見方を示しています。

高級モデルとして登場したiPhone Xに安価なSEバージョンを出すというのは、なんだか矛盾しているようにも思えます。もし本当にiPhone X SEを投入すれば、現行のiPhone 8 /8 Plus(またはその後継モデル)と競合する可能性がすこし心配です。

逆にちょっとしたアップデートでお茶を濁す?

アップル関連のうわさ情報に詳しいKGI証券アナリストのMing-Chi Kuo氏は、iPhone SE 2投入に関して否定的な意見を述べています。Kuo氏の報告によれば、アップルは現在iPhone XおよびiPhone 8 /8 Plusそれぞれの後継モデルの開発で手一杯であり、iPhone SEラインの完全な新設計までカバーする余力がないのだとか。仮にiPhone SE 2なる新製品が出るにしても、iOS 12に対応する、世代の新しいCPUに更新して価格を安くするぐらいだろうとしています。

iPhone SEの役割

iPhone SEは、人気を誇りつつもいったんは消えたiPhone 5 /5sのデザインやサイズ感を気に入っていたユーザーおよび、安価なiPhoneを求めるユーザーのために発売されたモデルだと考えられます。それであれば、現行のiPhone SEユーザーに大幅なデザイン変更というニーズがあるのかは疑問が感じられます。むしろいまのデザイン、サイズ感を維持しつつ、CPUなど時代遅れになりつつある仕様面のアップデートを計るのが、妥当な進化のさせかたでしょう。

一方、高級仕様のiPhone Xが高すぎるからと、あえてそこにSEバージョンを持ってくると言う話にはやや疑問も感じられます。iPhone Xを高いと思う人はiPhone 8 /8 Plusを選択すれば済むことであり、アップルも全面ディスプレイやFace IDをひろく採用したいのであれば、先にiPhone 8 /8 Plusの後継モデルで採用するはず。

ただ、販売する国などの様々な事情によっては、高すぎて多くの人が購入できないiPhone Xの魅力をさらに伝えるために、その安価なバージョンを用意するという話はありえるのかもしれません。

ながながとiPhone SE 2(仮)に関するうわさについて調べてみました。ただ、アップルが例年どおり春の新モデルを投入するのであれば、もう数週間もしないうちにそれはやってくるはずです。もしそうでないならばiPhone SE 2(仮)の大幅な刷新や、もしかすると本当にiPhone X SE(仮)の投入もありえるのかもしれません。

Engadget 日本版からの転載。

Apple、iPhone SEの16GBをようやく廃止、4万4800円で32GBが手に入る

新しい4インチ画面iPhoneは、ストレージが32 GBまたは128 GBとこれまでの16 GBと64 GBからそれぞれ2倍になった。大容量モデルは50ドルアップの499ドルになるが、入門機は399ドルに据え置き。

あらゆるiOSデバイスの例に漏れず、ユーザーが交換可能なメモリーカードで容量を増やすことは一切できない。ストレージは与えられたものを使うしかない ― よって容量の増加は大歓迎だ。

クパチーノはiPhone SEを1年前に発売し、去る2012年にiPhone 5でデビューした4インチディスプレイを復活させた ― そして小さなスマホの愛好者を誘惑した。ただし、大容量ストレージはついてこなかった。

実際Appleは、スマートフォンでリッチメディアをシェアするこの時代にわずか16 GBの端末を売り続けていることを批判されてきた。そして、ようやく耳を傾けた ― 最低価格のiPhone SEを価格はそのままにストレージを倍増した。

【日本語版注:日本では32GBが4万4800円、128 GBが5万5800円】

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

3分で分かるアップル発表:iPhone SEやiPad Pro 9.7型、Watch値下げなど

アップルは米国時間3月21日10時(日本では22日午前2時)からイベントを開催。iPhoneの最新版である「iPhone SE」をはじめとした新製品を発表した。ここでは今回発表された内容を、翻訳記事を中心にまとめてご紹介する。これだけ読んでいればひとまず今回の発表の概要は理解することができるだろう。

新型iPhoneは5/5sサイズに6sのスペックを詰め込んだ「iPhone SE」

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かねてからのうわさ通り、今回発表された「iPhone SE」は、iPhone 5/5sをベースとしたデザインで、4インチ(1136×640ピクセル、326ppi)のスクリーン、12メガピクセルのカメラを持つ。ボディサイズはiPhone 5/5sと同じながら、iPhone 6sとほぼ同等の処理速度を持つ。

3D Touchには対応しないが、写真の撮影前後の動きを保存する「Live Photos」などに対応。カラーはシルバー、ゴールド、スペースグレイ、ローズゴールドの4色。容量は16Gバイトと64Gバイトの2種類。価格は399ドルと499ドル(日本ではそれぞれ5万2800円、6万4800円)。発売は3月31日から。

詳細:お待ちかねのiPhone SEが発表、昔みたいに手に収まる4インチ

9.7インチのiPad Air 2は「iPad Pro」に

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2014年から「iPad Air 2」として販売されていた9.7インチ(2048×1536ピクセル)のタブレットの後継機種として「iPad Pro」を発表している。これにより、iPad Proは9.7インチと12.9インチの2種類がラインアップされる。

サイズこそ旧製品と同じだが、ディスプレイは光の反射を40%削減。発色も改良したほか、これまでのiPadシリーズで最大の明るさを実現。スピーカーは4基内蔵。LTEやWi-Fiの接続も高速化。4K撮影可能な12メガピクセルのカメラも搭載する。

詳細:iPad Airの後継機は9.7インチiPad Pro―Appleの考えるコンピューターの未来

Apple Watchは価格改定、春モデルの交換用バンドも

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スマートウォッチ「Apple Watch」については、38mmケースとスポーツバンドの組み合わせて4万2800円からだった価格を3万6800円からに改定。さらに、今春モデルとして新素材「ウーブンナイロン」製の交換用バンドが発表された。

詳細:Apple、新しいApple Watch用バンドを披露。ウーブンナイロン製も

リユース向けのリサイクルロボット「Liam」

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イベントのキーノートでは、リユース(再使用)、リデュース(削減)、リサイクル(資源の再利用)への取り組みが紹介されていたが、その取り組みの一環として発表されたのがリサイクルロボットの「Liam」。スクリーンを一瞬にしてはがす様子を動画で紹介する。

詳細:これが古いiPhoneを解体するAppleのリサイクルロボ「Liam」の全貌だ

iOS9.3は本日から利用可能

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イベントに合わせて、最新版となるOS「iOS 9.3」への無償アップデートもスタートした。アップルのGreg Joswiakによれば「小数点〔現行9.2から9.3へ〕のアップデートとしては過去最大級のリリース」だそう。

ブルーライトカットや色温度の暖色系への変更などを行う「Night Shiftモード」の搭載のほか、メモアプリのパスコード/TouchIDによる保護機能、ニュースや音楽、地図アプリなどさまざまなアップデートが行われている。
詳細:iOS 9.3、今日からダウンロード可能―夜間モード追加、ヘルス、CarPlayなど強化

Apple TVにも新機能。対応アプリは5000個以上に

Apple TVについても発表がされている。フォルダーや音声入力機能が追加されたほか、iCloudフォトライブラリーのLive Photo対応、App StoreのSiri対応などが行われた。Apple CEOのTim Cook氏によると、Apple TVで利用できるアプリの数は5000個以上になっているという。

詳細:Apple TVにフォルダー、音声入力、Live Photo機能がアップデート

【今回のAppleの発表関連記事】

お待ちかねのiPhone SEが発表、昔みたいに手に収まる4インチ
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これが古いiPhoneを解体するAppleのリサイクルロボ「Liam」の全貌だ
Apple TVにフォルダー、音声入力、Live Photo機能がアップデート
Apple、個人向けヘルスケアアプリ開発の新ツール「CareKit」ローンチ