Twitterが、コミュニティによるノートを付加して誤情報を防ぐ「Birdwatch」の試験運用を開始

Twitter(ツイッター)が、「誤情報に対するコミュニティベースのアプローチ」を開始した。

この「Birdwatch(バードウォッチ)」プロジェクトは、新機能発見の達人であるJ(ジェーン・マンチュン・ウォン)氏によって、昨年秋に初めて明るみに出た。現在、TwitterはBirdwatchのウェブサイトを介してパイロット版の運用を米国で始めている。

その目的は、Twitterの製品担当副社長Keith Coleman(キース・コールマン)氏のブログ記事で説明されているように、既に同社が物議を醸したり潜在的に誤解を招くようなツイートに適用している「ラベル」を超えた誤情報防止システムを作ることだ。コールマン氏によれば、ラベルが付けられるツイートは「何物かが我々の規則を破ったり、広く世間の注目を浴びる状況」に限定されているという。

Birdwatchのアプローチは「この問題に取り組む声の範囲を広げるだろう」と、コールマン氏は書いている。これらの問題に対してより多くの視点がもたらされ、単なる「このツイートは本当か?」という質問を超えたものになる。だが、この取り組みはTwitterから、個々のコンテンツについてユーザーがその内容をチェックしたり評価付けしたりする熱気を奪うかもしれない。

ユーザーはBirdwatchのサイトにサインアップして、誤解を招くと思われるツイートにフラグを立てたり、ノートを使って文脈を追加したり、他の投稿者が書いたノートを参考にして評価したりすることができる。これらのノートは、今のところBirdwatchサイト上でのみ表示されるが、それらをメインのTwitterで体験できるようにすることが、同社の目標であるようだ。

「このアプローチは、誤解を招くような情報が拡散した際に、人々が信頼し価値の認められる文脈を加えることで、迅速に対応できる可能性があると考えています」と、コールマン氏は言う。「最終的には、世界中のTwitterオーディエンスがノートをツイート上で直接閲覧できるようにして、広範で多様な投稿者から同意が得られるようにすることを目指しています」。

ツイートから多くの議論や反論が広がる可能性を考えると、Twitterがどのように混乱や収拾が付かなくなる状況を避け、あるいは一部の反論に意見が集中することを防げるか、注目されるところである。同社によると、Birdwatchはアルゴリズムによる「評価と合意システム」に基づいてコンテンツのランク付けを行い、コードは公開されているという(Birdwatchに投稿されたすべてのノートはダウンロード可能)。初期のランキングシステムについての詳細はこちらで読むことができる

「このようなコミュニティ主導のシステムを構築するには、多くの課題があることを我々は知っています。特定のグループによる操作を防ぐことから、単純な多数派意見に支配されないようにすること、投稿者の分布が偏らないようにすることまで、試験運用期間中はこれらのことに注力していくつもりです」と、コールマン氏は語っている。

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画像クレジット:Justin Sullivan/Getty Images / Getty Images

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(翻訳:TechCrunch Japan)

Facebook Messengerが自動ステータス機能を準備中、友達が「運転中」などがわかる

Facebook Messengerは近く、自分が車を運転しているのか、ジムで運動しているのか、東京に出張中なのかなどを親しい友達に自動的に知らせてくれるようになるらしい。この機能を搭載したMessengerのプロトタイプが発見された。これは昨年TechCrunchで詳しくレポートしたFacebookがリリースした親しい友達限定のカメラアプリ「Threads from Instagram」の自動ステータス(Auto Status)機能を移植したものだ。

まだリリースされていないが、Messengerの自動ステータスは、現在地、加速度計、バッテリー状態をの情報を利用してユーザーが何をしているか推測し、情報を「親しい友達」リストにあるユーザーと共有する。ただし正確な位置を共有するわけではなく、Messengerのプロフィール画像に映画、自転車、空港、スマートフォン充電中などの絵文字をオーバーレイする。

Messengerがこの機能を公開するスケジュールは明らかになっていない。リリースされた場合、AOLのアウェイメッセージ的なものになるだろう。少数の友達相手でも現在の状態を公開するのはいささか不安だが、友達と密接に連絡を取り合うためには多いに役立つはずだ。友達が「今何をしているか」かがわかっていればオンラインだろうとオフラインだろうと会議やミーティングの調整するのにも便利だ。自動ステータスはチャットを開始するきっかけづくりにもいい。親しい友人が「カフェにいる」、または「リラックスしている」と知れば、「少しいいかな?」などと会話を始めることができる。

2016年に、私は誰がどこにいるかを共有するだけでは意図が伝わらないので、正確な現在地に共有機能は普及しないと書いた。重要なのは、現在地よりもいまどういう状況なのかを共有することだが、どのSNSのそういった機能を提供していなかった。

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その後も、LunchやFreeなどのいくつかの製品が登場した。そして位置情報共有アプリを開発していたZenlyと、同社を買収してSnap Mapという機能を提供したSnapchatにより、現在地を共有するユーザーが2倍に増えた、

それでも我々は、気になる人が自分と同じように退屈していて、一緒にいたいと思っているのではないかと考えることがよくある。

Facebookは、少なくとも2018年初頭に手動の絵文字ステータスが発見されて以来、この分野で実験を続けている。これにより、Messengerのプロフィール写真に自分で選んだ絵文字を追加することができる。その後、10月にFacebookはAuto Statusを発表したが、利用できるのはInstagramのサイドアプリ「Threads」のみだった。

一部のユーザーは当初、Facebookがバッテリーの状態を公開するという考えにうんざりしていた。しかし、Instagramのプロダクト・マネジメント担当ディレクターであるRobby Stein(ロビー・スタイン)氏によると、携帯電話が壊れたり充電器の上に放置されたりするとメッセージに応答しなくなる可能性があるので、何をしているのか知りたがっている友達に伝えるのに役立つ情報だという。

今月初めに、リバースエンジニアリングの達人でこれまでにもTechCrunchに何度も貴重な情報を提供してくれたJane Manchun Wong(ジェーン・マンチュン・ウォン)氏が、Messengerの未リリース版Androidアプリのコードに絵文字を利用した自動ステータス機能が隠されていることを発見した。さらにウォン氏は「FacebookはInstagramの自動ステータスをMessenger移植しようとしている」としてスクリーンショットをツイートした。Instagram ThreadsはFacebookの中では比較的小さなプロダクトだが、 自動ステータスがMessenger本体に導入されるならユーザーベースは一挙に月10億人を超えることになる。

自動ステータス機能が利用できれば、「親しい友達」のその日の行動をかなりよく把握できるようになる。共有できる情報は場所、天候など多様だ。 自動ステータスは特定の友達にしか公開されない。公開相手のリストはいつでも変更可能だ。 位置を共有する場合にもカフェ、映画館、空港などを選ぶだけでよい。運転中、自転車を走らせている、歩いている、といった行動や東京、ニューヨークといった都市名も使える。バッテリー情報の共有を選択すると「電池切れが近い、充電中」などが表示できる。

Facebook Messengerの広報担当者は、プロトタイプに自動ステータス機能が含まれていることを明らか似した。その後Facebookは「Messengerのユーザーエクスペリエンスを改良するために常に新しい機能を試している。自動ステータスはまだ初期段階であり公開テストは行っていない」とツイートした

ソーシャルネットワークでのチャットにおける最大の問題の1つは、「いまチャットができる状態か」を知るには、相手に直接たずねる以外ないという点だ。チャットができない状態の相手にメッセージを送ったために返事がないことを無視された、拒否されたと誤解すればその後のコミュニケーションに悪影響がある。これに対して親しい友だちが何をしているのかおよその状況がわかればいろいろと便利だ。

自動ステータス(Auto Status)がMessengerにリリースされればFacebookを延々スクロールし続けたり、すぐに回答できなかった事情を説明するメッセージを何通も送ったりする煩わしさからいくぶんかでも解放されることになるのではないかと思う。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Facebookが読みたい最新、既読投稿をタブで開ける新フォーマットをテスト中

Facebookは、ニュースフィードを現在と異なるアルゴリズムで簡単に表示できるタブに基づいた新しいフォーマットをテスト中だ。

Facebookはモバイル・アプリでこのタブ利用のプロトタイプをテストしている。これには現在使われている関連性の高さによってランキングする標準のニュースフィードの他に、新しい情報を優先する「最新情報(Most Recent)」、「既読の投稿(Already Seen)」といったタブが簡単に選べるようになる。これらのフィード自体は現在でも提供されているが、「最新情報」はサイドバーのメニュー(「ニュースフィード」の右側の「…」を開く)に埋め込まれており、「既読の投稿」はデスクトップからURL(facebook.com/seen)でアクセスするしかなかった。

タブ方式はまだ一般公開されていないが、 このバージョンが正式に公開されればユーザーのニーズに応じて多様な情報にダイナミックかつ容易にアクセスできるようになる。これはFacebookに活気を取り戻すのに役立つだろう。

「最新情報」はその名が示すとおりリアルタイム性が高く、今何が起きているかを知るのにつごうがよい。また「既読の投稿」タブは興味を感じた投稿だがニュースフィードの中に見失ってしまったときに便利だ。投稿を読んでしばらくしてからリンク先を読みたいとかコメントを付けたいなどと思うのはよくあることだ。インターフェイスがタブ化されれば、この操作がワンクリックでできるようになる。実装されれば、ニュースフィードとして最大のデザイン変更になるだろう。2013年にFacebookは写真、音楽、「友達のみ」など複数のアルゴリズムでフィードを提供するオプションを発表したものの、結局実現しなかった。

タブ版ニュースフィードのプロトタイプは Android版アプリのコード中で発見された。TechCrunchに情報を提供してくれたのは、最近も重要なリバース・エンジニアリングを成功させている専門家、Jane Manchun Wong(ジェーン・マンチュン・ウォン)氏だ。ウォン氏はこのコードから上のスクリーンショットのようにタブ版Facebookの画面を生成することに成功した。

左側スクリーンショットでは投稿上部に「関連(Rlevance)」、「最新(Recent)」、「既読(Seen)」というタブが表示される。右のスクリーンショットはニュースフィードの設定画面で、さらに詳細な設定が可能だ。

マーク・ザッカーバーグは「複数フィード」を発表したが、後に公開を中止

Facebookの広報担当者は、TechCrunchの取材に対して「このプロトタイプを外部で実験する可能性はあるが、今のところ部内のみ公開」だと認めた。ユーザーが「最新情報」や「既読の投稿」にアクセスする手段としてタブ化するのが最適な方法なのかどうか判断するにはまだ少し時間がかかるもようだ。

目的の情報へのアクセスが容易になれば、ユーザーはそれだけ長くFacebookに滞在してくれるはずだ。標準のニュースフィードが退屈な投稿ばかり選んでくる、友達がこの瞬間に何をしているのか知りたい、以前見ておもしろかった写真ををもう一度みたい、などということはよくある。こういうときに投稿のトップにタブが表示されていればワンタッチでアルゴリズムを切り替えることができる。一方、ユーザーの滞在時間が増えればFacebookの広告価値がアップし売上増に貢献する。利益の増加ペースが落ちていると最近ウォールストリートに文句を言われているFacebookとしてはこれが重要な点だ。

部外者の多くにとってFacebookの投稿選択アルゴリズムは巨大なブラックボックスだ。セレブだからというだけで「いいね!」が多数ついた投稿やセンセーショナルというだけで(多分誤った内容の)ビデオばかりが選択されるアルゴリズムでは、Facebookのユーザーに不満を感じさせることになる。すでに成熟したソーシャルメディアなのだから、Facebookはコンテンツに対するユーザーのコントロールをもっと拡大すべきだろう。

[原文へ]

滑川海彦@Facebook

Instagramが「いいね!」数公開を中止を検討、群衆心理の抑制を狙う

Instagramではデザインに小さいが重要な変更を加えることを検討している。これは最近問題になっている群衆心理的なユーザー行動を抑制することを狙っている。Instagramはこう述べている。

「我々はユーザーが単に投稿の「いいね!」数に注目するのではなく、フォローしている相手のコンテンツそのものに注意を払うよう期待している。今回のプロトタイプでは、実際に投稿したたユーザーだけが自分の投稿の「いいね!」数を見ることができるユーザーインターフェイスをテストしている」。

「いいね!」数の一般公開を中止することはInstagramユーザーが群衆心理に陥って暴走するのを減少させるの効果がある。ことにユーザーが投稿を共有するまでば「いいね!」数を知ることができないとなれば数を競い合う傾向を抑えることができるだろう。また「いいね!」の数ではなく、投稿のコンテンツの質に集中するようクリエーターを促す効果もあるはずだ。

新しいUIデザインがテストされていることはリバース・エンジニアリングのプロ、Jane Manchun Wong氏が発見した。Wong氏はこれまでもたびたび正式発表の前にInstagramの新機能を発見し、TechchCrunchに情報提供してくれた。Wong氏はInstagramのAndroidアプリのソースコード中に新UIを発見し、上のようなスクリーンショットを生成することができたという。

画像左側のInstagramのフィードでは「いいね!」数のトータルはわからないが、「いいね!」したユーザーのプロフィールはいくつか表示される。自分自身の投稿には「いいね!」数が表示されるが、「これを見ることができるのは投稿者本人だけ」という注意が表示される。

多くのInstagramユーザーは期待したほど「いいね!」が集まらなかった投稿を削除したり、本来のアカウントに投稿するのがはばかられるようないかがわしいコンテンツをFinstagram(フィンスタ)などと呼ばれる別アカウントに投稿したりする。「いいね!」数が一般公開されなくなれば、こうした無益な競争や気遣いが減少し、投稿のコンテンツにもっと集中するはずだ。

TechchCrunchの取材に対し、Instagramの広報担当者は新しいUIをテストしていたことがあるのを認め、以下のように述べた。

「現在、このプロトタイプのテストは行っていないが、Instagramのユーザーが感じがちな競争的圧力を減らす方策の一環として各種の新しいデザインを検討してきたのは事実だ」。

TechCrunchがこれまで報じてきたビデオチャット、ストーリーのサウン、アプリの利用時間を示すダッシュボードなど、テスト中の新機能はその後すべててInstagramの正式な機能として追加されている。

Instagramのプロトタイプ (左から)フィードへのクイックリアクション、ストーリーで歌詞を追加、ダイレクトメッセージのスタンプ

Wong氏はこれまでもAndroidアプリのソースコードからいくつかプロトタイプを発見している。チャット内スタンプビデオチャットのARフィルターチャットでのビデオ共同視聴ストーリーへのカラオケ式歌詞追加フィードへの絵文字スタンプコマース用ショッピングバッグなどだ。

「いいね!」カウンター非表示のフィード画面

Won氏が発見した他のプロトタイプ機能同様、「いいね!」カウンターの表示範囲制限も近く正式機能となる可能性が高い。この変更は「いいね!」数をめぐる競争が非生産的であり、場合によってはユーザー心理に有害な影響をもたらしているという見方が強まったいることに対応するものだろう。Instagram の共同創業者のケビン・シストロム氏は2016年に私のインタビューに答えてInstagramがストーリーをスタートさせたのはユーザーを「いいね!」競争の重圧から少しでも遠ざけるためだったと語った。

先月、Twitterはリツイート数を知るためには余計にタップする必要があるというプロトタイプをテストしている。これもリツイートの件数を競い合うという不健全なユーザー行動を抑制するのが目的だった。Snapchatはこれまで「いいね!」数もフォロワー数もユーザーに表示したことがない。【略】

こうしたユーザーインターフェイスはインフルエンサーには不利に働くがユーザーが群衆心理で暴走するのを抑えるのには役立つだろう。ユーザーが「いいね!」数に夢中になり過ぎるとナルシシズム、嫉妬、自尊心の喪失などを招く危険性がある。

【訳者注】TechCrunchではNetflixのヒット映画に影響されて目隠して危険な動作をする「バードボックス・チャレンジ」という動画投稿の流行について解説している。InstagramやTwitterなどのソーシャルメディアに投稿して「いいね!」数を競う心理の広がりが「目隠し運転」などの愚行を助長しているという意見が強まっていた。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook