JapanTaxiがGrabと連携、Grabアプリから日本のタクシーを呼べる

JapanTaxiは11月18日、シンガポール拠点で東南アジア各国で配車やデリバリーのサービスを展開しているGrabと連携を発表した。この連携は英国とシンガポールに拠点を置くモビリティマーケットプレイスのSplyt Technologiesとの協業によるもので、11月19日から訪日時にGrabのアプリと決済方法を使って、JapanTaxiと提携しているタクシー会社のタクシーを呼び出せる。JapanTaxiとしては、訪日外客数2位の韓国・カカオT、3位の台湾・LINE TAXIに続く連携となる。なお、Splyt TechnologiesはGrabの出資先企業だ。

サービス開始時点の対象エリアは、東京、京都、札幌、名古屋・沖縄の5拠点で、タクシー運営会社36社、タクシー台数1万3620台をGrabから呼び出せるようになる。対応するのは即時配車のみで予約配車には非対応。もちろん、ユーザーは日本語を話せなくても、乗車地と目的地をアプリに入力するだけで日本国内をキャッシュレスで移動できる。

Grabは、シンガポール、インドネシア、フィリピン、マレーシア、タイ、ベトナム、ミャンマー、カンボジアの8カ国で展開しており、1億6300万台のモバイルデバイスへダウンロードされ、ユーザーは900万以上の運転手や商店などでサービスを利用できる。交通サービスだけを見ても、2012年の創業以来、ユーザーの合計乗車数は40億回以上になるそうだ。

国内ではDiDiの参入で盛り上がっているタクシー配車サービスだが、東南アジア最大手のGrabが国内最大手のJapan Taxiと連携したことでアジアからの訪日客の取り込みではJapan Taxiがより優位な立場に立ったといえるだろう。

JapanTaxiといえば、11月14日にティアフォーと自動運転タクシーについて提携を発表したばかり。国内外での同社の攻勢が続く。

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タクシー相乗りアプリのNearMeでJapan Taxiの配車が可能に

タクシー利用者同士をマッチングするサービスを提供中のNearMeが公開している同名のマッチングアプリ「NearMe」で、「Japan Taxi」アプリを呼び出せるようになっている。

道路運送法では、タクシーは1回の運送につき1つの運送契約という決まりがあり、原則として相乗りは禁止されている。しかしNearMeでは、最後までタクシーに乗る利用者がすべてのタクシー料金を支払うため、タクシー会社側からすると1つの運送契約と見なされるため合法。相乗りした乗客は、NearMeアプリに登録したクレジットカード経由で、最後までタクシーに乗車している利用者にキャッシュレスで料金を支払う仕組みだ。女性同士や顔見知りだけなど、相乗り相手を選ぶこともできる。

距離や人数によって異なるが、一人でタクシーに乗るよりもタクシー料金が20〜40%程度安くなる。NearMe側はマッチングした複数の利用者の合計金額から手数料を取ることでマネタイズする。

NearMeが利用できるのは、東京都、神奈川県、埼玉、新潟県長岡市の一部エリアから目的地に向けて発車するタクシー。NearMeが開発したアルゴリズムにより、マッチング時に複数の降車地を経由する最適なルートや各自が支払う料金が計算される。利用エリアについては順次拡大予定とのこと。

これまでは、NearMeでマッチングに成功したあと、最初に乗る人が自分で手を挙げるか配車アプリを使ってタクシーを呼ぶ必要があったが、今回の連携によりNearMeアプリからJapan Taxiアプリを呼び出しての配車が可能になる。特に流しのタクシーがなかなかつかまらない郊外などではアプリによる配車は重宝するはずだ。

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政府は2019年度中に合法的な相乗りタクシーを解禁する予定で、すでに数回の実証実験を済ませている。もちろんNearMeは、相乗りタクシーの解禁後でも利用できるうえ、マッチング相手を選ぶことも可能だ。

Origami Payでタクシー初乗り半額に、横浜や埼玉はコスパ高

Japan Taxiのタブレットを導入しているタクシーの初乗り料金が半額に。Origamiは3月17日まで、タクシー初乗り料金が半額になるキャンペーンを実施中だ。モバイル決済サービスのOrigami Payを利用することで、期間中は初乗り料金が何度でも半額になる。なおOrigamiとJapan Taxi、そして日本交通(東京)は2017年1月24日に提携を発表しており、実は2年以上前からタクシー内でOrigami PayとAlipayが使えていた。

東京23区や武蔵野市、三鷹市などは初乗り料金(1.052kmまで)が410円なので205円引き。横浜、川崎、横須賀、三浦、埼玉では初乗り料金(2㎞まで)は730円なので365円引き。福岡では初乗り料金(1.194kmまで)は580円なので290円引きとなる。初乗りの料金が安い代わりに適用される走行距離が短いエリアではお得感は低いが、神奈川や埼玉から都内に通っているビジネスパーソンにとっては遅い帰宅の際に重宝するはずだ。

初乗り料金が半額になる条件として、Japan Taxiが提供する広告・決済機付きタブレットを搭載する以下のタクシー運営会社の車両を利用する必要がある。タクシー料金は法律できちんと決めらており、タクシー運営会社が割引を適用することはできない。そのため決済端末と連動したタブレットを利用して料金情報をクラウドに送信し、そのデータを基にOrigamiが還元する流れとなる。

少しややこしいのは、大阪と兵庫、京都。日本交通という同名のタクシー運営会社が存在するので、乗る車両が東京・日本交通のタクシーかどうか確認する必要がある。東京・日本交通のマークは「赤い桜のマークに白抜き文字のN」、大阪・日本交通のマークは「赤文字で日交」だ。

今回のOrigamiのキャンペーンは、吉野家、DEAN & DELUCA、ケンタッキーフライドチキンに続く第4弾。関係者によると、店舗を絞ったキャンペーン展開により、吉野家のヘビーユーザーが初めてDEAN & DELUCAに訪れるという現象も起きたそうだ。個人的には吉野家のヘビーユーザーがDEAN & DELUCAで何のメニューを頼んだのか気になるところ。他社とは異なるキャンペーン展開により、ユーザーに新しい行動を促すのがOrigamiの特徴になってきた。

  • 北海道
    安全永楽交通
    金星自動車
    トーコーグループ
  • 東京
    日本交通
    帝都自動車交通
  • 神奈川
    横浜無線
    日本交通横浜
    スタジアム交通
    ワールド交通
    京浜ハイヤー
  • 埼玉
    日本交通埼玉
  • 大阪
    東京・日本交通
  • 兵庫
    東京・日本交通神戸(一部車両)
  • 京都
    東京・日本交通京都
    高速タクシー
  • 福岡
    福交無線(一部車両)
    明交運輸事業協同組合(一部車両)

JapanTaxiとフリークアウトが進める“新世代タクシー広告”「Tokyo Prime」が全国展開、決済機能付き新端末も

2018年に入ってから、国内タクシー業界の競争が激化している。

日本交通の子会社で、国内ではトップシェアを誇るタクシー配車アプリ「全国タクシー」運営元のJapanTaxiが2月にトヨタから75億円未来創生ファンドから10.5億円の資金調達を実施。タクシー向けのコネクティッド端末や配車支援システムの共同開発など、今後のチャレンジを明らかにした。

競合他社も黙ってはいない。中国を中心に配車アプリを展開する滴滴出行(DiDi)はソフトバンクとの協業を発表。Uberも第一交通と提携の協議を進めているし、ソニーがタクシー会社6社と組んでAIを使った配車サービスに取り組むことも明らかになった。

ユーザーにとってみれば、健全な競争によって少しでも日本のタクシーが使いやすくなることを期待したいところであろう。

利便性という観点では、配車だけではなく車内の設備やサービスも含めた「乗車中の体験」も重要だ。この「タクシーの乗車体験の向上」というチャレンジに、タブレット端末と広告という観点から取り組んでいる企業がある。JapanTaxiとフリークアウト・ホールディングスの合弁会社として2016年に設立されたIRISだ。

同社が展開するのはタクシー搭載のデジタルサイネージ「Tokyo Prime」。これまで都心を走る日本交通のタクシー4500台に端末を設置、動画広告を配信してきたが、2018年6月より日本交通以外の車両も対象に全国展開を開始する。

2020年までに5万台のネットワークを目指す

IRISが手がけるTokyo Primeについては、会社設立時にTechCrunch Japanでも詳しく紹介している。従来は「コンプレックス商材」が多かったタクシー広告。その概念を変え、都心でタクシーを利用する高所得者層をターゲットにした「プレミアム動画広告」を2016年にスタートした。

同社取締役COOの飽浦尚氏によると、立ち上げ当時は従来のイメージもあって顧客の開拓に苦労したそう。流れが変わったのは、トヨタが父の日キャンペーン(「Loving Eyes – Toyota Safety Sense」はSNSでも話題となった)の広告を出向したタイミングだ。これをきっかけに大手企業からの引き合いも増加。2017年9月以降は満稿状態が続き、10~12月の販売額は前年比で14.4倍に成長しているという。

「最初は(車内の広告について)邪魔くさいだけでは?という意見も周りからはあった。ただ実際にやってみると反響が大きく、ユーザーにもきちんと見てもらえるという手応えを感じている」(飽浦氏)

すでに述べたように、IRISでは6月から「日本交通のタクシー」「都内」という枠を超えて、Tokyo Primeの全国展開を始める。3月9日の時点で7都道府県、約1.5万台のタクシーへ端末の導入予定があり、2020年末までに合計5万台のネットワークを目指すという。

飽浦氏の話では、全国展開を通じて実現できることが大きく2つあるそうだ。1つは広告の観点で、(広告主にとって)リーチできる層が全国に広がるということ。もう1つは(ユーザーにとって)地方のタクシーの利便性向上だ。

Tokyo Primeでは主にナショナルクライアントの利用を見込んでいるため、全国規模で商品展開をしたい広告主にとってはより魅力的な広告商材になりえる。これはシンプルな話かもしれない。

一方で、地方のタクシーがより使いやすくなるという点についてはどういうことか。「(IRISの端末を導入することで)広告を流すだけではなく、アプリを通じた決済にも対応できる。決済端末として期待してもらっている側面も強い」(飽浦氏)

同社の端末を導入すると全国タクシーアプリ内の「JapanTaxi Wallet」機能だけでなく、スマホ決済サービス「Origami Pay」や「Alipay」からQRコードを用いてスムーズに代金を支払えるようになる。

開発中の新端末スクリーンの右側がカードリーダー

地方のタクシーに乗った際に、クレジットカードで支払いができなくて焦った経験のある人もいるかもしれない。対応できた方がいいことはわかっていても、決済端末の価格や決済手数料がネックとなって、地方にはカード決済を導入していないタクシー会社も多いという。

IRISの場合は端末の初期費用を抑えることに加えて、広告収益の一部をタクシー会社に分配(レベニューシェア)している点が特徴。まだ先の話にはなるかもしれないが、今後広告収益が増えれば「その収益で(端末導入費や決済手数料といった)コストを相殺できるようになるところまで目指したい」(飽浦氏)そうだ。

なお端末に関しては、これまで外部(レノボ)から調達していたものの、今後はオリジナルの新端末に変更。全国に展開していく予定だという。新端末はスクリーンの横にカードリーダーを搭載。クレジットカード決済やICカード決済にも対応する。また同時に、バッテリーを排除して車両から給電する。実はタクシーの車内というのは意外とハードな環境だ。毎日20時間ほど振動し、季節によっては温度上昇も大きい。これに耐えられる設計になっているという。

「決済機と戦うつもりはなく、新しい乗車体験を提供して、タクシーの全国の利用を変えていきたい。タクシー会社はこれまで決済費も通信費も手数料も、すべて『支払う側』だったが、広告での収入も得ることができる。さらに決済も、乗務員はタブレットで作業を見ているだけでいい。実は乗務員の高齢化は課題。日本交通では新卒を採用しているが、東京以外では厳しいところもある。機械に慣れていない乗務員が(新しい決済手段を)覚えるのも課題になっている」(IRIS代表取締役社長であり、JapanTaxiの取締役CMOでもある金高恩氏)

タクシー広告をデジタル広告に近づける

IRISでは全国展開に加えて、新たに2つの取り組みを始める。1つ目はGoogleが提供する「DoubleClick Bid Manager」から動画広告の買付をできるようにすること。つまり屋外・交通領域のタクシー広告をデジタル広告のようにオンライン上で買付、効果検証できるようにすることだ。

従来の屋外・交通広告では「表示回数やリーチ人数、購入人数などをログベースで計測できない」「データを活用した広告の出しわけや絞り込みができない」といった点が課題となってきた。

「たとえばFB広告と比べてどちらが良かったのかなど、デジタル広告と横並びで比較することができなかった。つまりROIがわかりづらく『(タクシー広告は)結局効果があったのか?』と言われる部分があった。(今回の取り組みにより)段階的にではあるが、デジタル広告のいいところを屋外広告にも取り入れられるようになる」(飽浦氏)

大手ブランドが最初の広告主としてすでに掲載を開始していて、今後本格的に拡大していく方針だ。

日経電子版の記事配信も

またもう1つの取り組みとして、4月2日よりTokyo Prime内で「日本経済新聞電子版」の新着記事をリアルタイムに近い状態で配信する。これは「タクシーの乗車体験を向上させたい」という同社の目的を考えると、もっともわかりやすい取り組みかもしれない。

現在Tokyo Primeではのべリーチ人数が月間で300万人を超えるが、その半数以上は都内勤務のビジネスパーソン。日経新聞を普段チェックしている人も多いだろうから相性はいいはずだ。

日経電子版がデジタル・サイネージに記事を提供するのは本件が初めてとのこと。Tokyo Prime内で配信される日経電子版の新着記事への広告掲載も4月2日週より開始するという。

全国展開、オンライン上での広告買付と効果測定、日経電子版記事の提供——。これらの取り組みを通じてIRISが目指すのは「タクシーの乗車体験を全国規模で変えていく」(金氏)こと。

加えて、日本語、英語、中国語、韓国語の4言語への対応や、音声、パネルタップ操作による翻訳通訳機能なども予定中。こちらは都内を拠点にする日本交通のタクシー100〜200台でテストを行うという。

「タクシー業界としてもこれまで乗車体験の向上にはずっと取り組んできたが、もっと改善できる部分もある。毎回の決済を楽にしたり役に立つコンテンツを届けたり、タブレットは(ユーザーの)乗車体験を良くすることに活用できる。普段からタクシーを利用する国内のユーザーだけでなく、これから増えるインバウンドのユーザーにもいい体験を提供できるように取り組んでいきたい」(金氏)

トヨタのジャパンタクシーは注目の的――ハイブリッドでタクシー専用車のスタンダードを目指す

日本から新しいタクシーの国際標準が登場するかもしれない。トヨタが(適切にも)ジャパンタクシーと名付けたモデル(屋根の上のサインボードにJpn Taxiと書かれている)はすでに路上を走っている。デザインは有名なロンドン・タクシーに多少似ている。ロンドンといえばあの黒いタクシー、ニューヨークといえばイェローキャブを思い浮かべるが、トヨタの新しいタクシーのデザインもそれと並んで東京を代表するアイコンとなることを目指している。また高齢化が急速に進む日本の社会状況も考慮に入れられているということだ。

ジャパンタクシーはオリンピックが開催される予定の2020年には東京の街を多数走ることになる。万人向けの交通手段であると同時に高齢者や運動能力にハンディキャップを持つ人々の便宜を考えている。このモデルのチーフエンジニア、粥川宏氏は「バリアフリーを目指している」と説明している。

新しいタクシーのもうひとつの目的は環境にフレンドリーであることで、パワートレインはハイブリッド電気モーターだ。また乗客の快適さにも高い優先順位が与えられており、乗降がしやすく室内空間も広い。また驚異的に耐久性が高い。

ジャパンタクシーのデザインの特長としてフロアが低くフラットなことが挙げられる。乗客が主として乗り降りする左側ドアはスライド式で、ドライバーがリモート操作できる。これならスーツケースを持っていても簡単に乗り込める。またリアのスペースは車椅子を載せられるよう簡単にアレンジを変更できる。

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コクピットはこれまでのタクシー車にくらべてはるかにドライバー・フレンドリーだ。Aピラーの改善により視界はきわめて良い。ハイブリッド専用LPGエンジンは燃費に優れておりCO2排出量も従来車にくらべて大きく低減している。

ジャパンタクシーの特徴的なインディゴ・ブルーのカラーは日本語で「こいあい」(濃藍)と呼ばれる。日本では天然の藍を用いた染の技術が長年にわたって伝えられてきたという。これが「高品質かつフォーマルでありながら手頃でもある」という感覚をもたらすという。東京オリンピックのシンボルカラーも「濃藍」だ。

トヨタによれば現在日本で運用されているトヨタのタクシーの70から80%はタクシー専用車として開発されたコンフォートないしクラウンのセダンだという。ジャパンタクシーはコンフォート・スタイルの後継車となる。これいよりコンフォート・タクシーは22年にわたる歴史に幕を下ろすことになる。

トヨタによれば、オリンピックが開催される2020年に東京だけで1万台のタクシーが走っているはずという。

情報開示:私の東京モーターショー取材に際してトヨタは交通・宿泊費を提供した。

〔日本版〕トヨタのジャパンタクシー専用サイトはこちら。日産もタクシー専用車、NV200を販売中。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+