Bezosが買ったThe Washington Post紙が今度はKindle上で無料に

Washington Postが、AmazonのタブレットKindle Fireの無料アプリで提供される。これは、AmazonのCEO Jeff Bezosが同紙を買収してから1年あまり後の発表となる。

Bloomberg Businessweekの記事によると、アプリを開発したのはPost内部のProject Rainbowと呼ばれるグループだ。プロジェクトのリーダーKerry Lauermanが今後、このアプリ向けの記事や写真を選んでいく。そのアプリは現在、大型のKindleの上で無料でダウンロードできる。WaPoのそのほかのデジタル提供物と同じく、いずれは有料制が導入されるものと思われる。これから買うKindle Fireには、このアプリがすでにインストールされている。

1年前にBezosが同紙を買ったことは、奇妙に思えた。紙に印刷されたニュースの不人気によりWaPoは、同紙を売る直前に利益が55%落ち込んでいた。だから、Bezosが何をするつもりなのか、よくわからなかった。しかしAmazonのCEOがキャッシュと100名あまりの新たな社員を注ぎ込んだため、この名門紙は息を吹き返した。Timesによると、今年の7月の同紙の読者は前年同期比で63%増加した。

The Washington Postの役員級編集者Marty Baronが、The New York Timesにこう語っている: “記者たちの不安感を一掃する必要がある。自分や仲間がクビにならないこと、安心して仕事に専念できること。楽観主義は、悲観主義と同様、社内に伝染する”。

同紙はすでにiOSとAndroidのアプリがあり、モバイルWebからの提供もある。いずれも、印刷版から選んだ良質なコンテンツを無料で提供し、有料バージョンもある。Web上の購読料は14ドル99セントからだ。

Kindleの新聞アプリはほかに、USA TodayやThe New York Timesがあり、どれもKindle Fire上で無料だ。

〔訳注: この記事からは今回のKindleアプリと、既存のiOS/Androidアプリの違いがよく分からない。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


ドローンの商用化は予想より急ピッチ―AirewareはドローンOSとバックエンド・クラウドを構築中

ジェフ・ベゾスが去年、クリスマス商戦を控えて60 minutesのインタビューでAmazonは商品配送のためにドローンを利用することを研究していると発表したとき、大方の反応は「PRのための派手なパフォーマンスだろう」といったものだった。しかしドローンの商用利用は一般に考えられているよりもはるかに急ピッチで進んでいるというのが事実だ。荷物の配達を含めてドローンがビジネスで利用されるようになる日はかなり近い。

向こう10年程度で、ドローンが日常生活でありきたりの存在になることは間違いない。現在では、ドローンといえばまず軍事利用が思い浮かぶが、今後は人手で作業することが困難、危険、コストが合わないなどの場面に広く導入されるはずだ。すぐに考えつく応用分野は捜索、救難、石油やガスなど天然資源の探査、農業、ライフラインの保守、そしてもちろん商品配送などだ。

しかしドローンが広く使われるようになるためには単に機体が進歩するだけでは不十分だとAirwareのCEO、Jonathan Downeyは強く主張する。Downeyは先週マサチューセッツ州ケンブリッジのMIT(マサチューセッツ工科大学)で開催されたEmTechカンファレンスで講演し、ドローン向けOSを開発していることを紹介した。Downeyの会社はさまざまな商用ドローン・システムのプラットフォームとなるべきソフトウェアを作るろうとしている。

Downeyのビジョンによれば、ドローンのプラットフォームには3つのレベルが想定されるという。つまり、オペレーティング・システム、バックエンドとなるクラウド処理サービス、そして各種のハードウェアだ。

Downeyは「われわれは中立のサードパーティーとしてドローン向けOSを提供したい。そのため、自らドローンの開発を行うことはしない。われわれのOSの上に各種のドローンが開発されることになる。その点、Microsoftが Windows OSを提供するだけで自社ブランドのパソコンを販売しなかったことに似ている」と述べた。

MicrosoftのWindowsに似て、DoneyのOSの上にサードパーティーのデベロッパーはさまざまな目的に応じたドローン管理アプリケーションを開発することができる。

ドローン向けに関連するビッグデータ処理を行うクラウド・サービスについては、先月のTechCrunch DisruptでBoxのCEO Aaron Levieがその必要性を論じていた。Levieはドローンが収集する膨大な情報を意味のある有用な情報に加工するビッグデータ処理の分野にBoxが進出する計画があると述べた。

BoxのサービスがDowneyが開発しているクラウドサービスとバッティングするものなのかは不明だが、Downeyは自身のOSとBoxのようなクラウドサービスがオープンAPIを通じて協調動作するのはあり得ることだと述べた。Boxはすでに商用ドローン・サービスのSkycatchとデータ収集処理で提携している。

またDowneyは規制当局やASTM(米国材料試験協会)の標準化委員会と協力して商用ドローンの利用に関するルールづくりにも取り組んでいる。またNASAのドローンによる交通管制システム構想uにも協力している。

Airwareは去る7月にシリーズBのラウンドで2500万ドル万ドルを調達したのを始め、総額4000万ドルの資金を得ている。

今後ドローンが社会的な認知を得るまでには安全性、プライバシーなどさまざまな面でハードルが予想される。

ベゾスがテレビ番組で吹聴した商品の配送に関してはドイツのDHLがドローンを利用する実験を始めたことが報じられている。これは他の手段ではアクセスが困難な離島に医薬品を届けるもので、ドローンの利用として理解が得られやすそうだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


筋萎縮性側索硬化症チャリティーでティム・クック、ビル・ゲイツ、ジェフ・ベゾスもバケツの氷水をかぶる

まさかビルやティムはカメラの前でバケツ一杯の氷水をかぶらないだろうと予想した読者は、残念ながらハズレだ。筋萎縮性側索硬化症の治療法研究を支援するためのチャリティーで、まずビル・ゲイツがマーク・ザッカーバーグの挑戦を受けて立った。

下のビデオによれば、ご苦労様にもゲイツは紐を引くとバケツがひっくり返る仕掛けをトーチ片手に作ったらしい。

ステーブン・ホーキング博士が罹患していることで知られる筋萎縮性側索硬化症(ALS)は神経を侵して体を麻痺させ、最終的に死に至る難病で、まだ有効な治療法がわかっていない。ALS協会への寄付はこちら

このチャリティーでは挑戦を実行した人物は新たに3人の挑戦者を指名できる。ゲイツはイーロン・マスク、TEDカンファレンスのキュレーターのクリス・アンダーソンらを指名した。マスクのビデオはきっとテスラかロケットがかかわるに違いない。楽しみだ。

(おい、そこの「こんなことやって何になるんだ? 億万長者はただ100ドル寄付しておけよ」というコメントした奴。ALSはこのキャンペーン開始後、驚くほどの寄付の洪水を経験しているという。それにiビル・ゲイツはチャリティーに天文学的な額を投じている)。

それからこちらはフィル・シラー上級副社長の挑戦を受けて、Appleキャンパスで集まった大勢の社員の前でCEOのティム・クックが氷水を浴びているところだ。

アップデート:こちらは今日(米国時間8/15)の午後、Amazonの全社員集会で氷水を浴びるジェフ・ベゾス。 ベゾスが挑戦者に指名したのはまず氷水をかぶりそうにない面々―スタートレック・シリーズのカーク船長、ウィリアム・シャトナーと共演者のパトリック・スチュワート、ジョージ・タケイだった。下のビデオでベゾスが氷水を浴びるのは3分あたり。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


Amazonを描いたノンフィクションの決定版、Everything Storeの著者インタビュー:起業家がベゾスに学ぶべき点は?

ジェフ・ベゾスの妻、マッケンジー・ベゾスはブラッド・ストーンの新刊にAmazonの読者レビューで 1つ星をつけて批判した。しかし大半の批評家はストーンの大作ノンフィクション、The Everything Store: Jeff Bezos and the Age of Amazon(エブリシング・ストア―ジェフ・ベゾスとAmazonの時代)たいへんな力作と評価している。ウォルター・アイザクソンのスティーブ・ジョブズの伝記、Googleの歴史を描いたスティーブン・レヴィのグーグル ネット覇者の真実と並んで、ストーンの本はジェフ・ベゾスとAmazonを描いたノンフィクションの決定版となりそうだ。

ストーンは「Amazonはガレージから出発したスタートアップが世界を変えたというストーリーの典型だ」という。ストーンが即座に指摘するとおり、Amazonのストーリーは終始ジェフ・ベゾスが圧倒的に大きな役割を果たしている。おそらく、現存する起業家の中でベゾスはスティーブ・ジョブズに匹敵する唯一の存在だろう。

私はストーンに「スタートアップ起業家がベゾスから学ぶべきなのはどういう点か?」と質問した。ストーンによれば、第一の教訓は「ビジョンに固執する」ことだという。ドットコム・バブルが弾けた2001年はAmazonにとってもっとも暗い時期で、そのビジネスモデルはアナリストからの攻撃にさらされたが、ベゾスは断固として基本的な信条を守った。第二に、他のウェブの巨人、YahooやeBayとは違い、ベゾスとAmazonは決してイノベーションの手を緩めなかった。KindleからクラウドコンピューティングサービスのAmazonWeb ServicesまでAmazonは決して成功の上にあぐらをかいて前進を止めるということをしない。

ではAmazonとベゾスの将来は? ストーンは非常に楽観的だ。Amazonはディスラプトの手を休めることなく成長を続け、やがてタブレットなどのデバイスを利用したデジタルコンテンツ配信市場の支配を巡ってGoogleとAppleの手強いライバルとなるだろうという。

ブラッド・ストーンが正しいなら、Amazonとジェフ・ベゾスにとって「お楽しみはこれからだ」ということのようだ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


メーデー!メーデー!Amazonのオンデマンドサポートはスケーリングの悪夢を呼ぶかもしれない

問題をGoogleするよりテクニカルサポートに電話した方が簡単だと何が起きるか? Amazonは、新しいタブレットKindle Fire HDXの持ち主が、同社のオンテマンド・ビデオ・カスタマーサポート機能をどれだけ使うかによっては、その答えが高価なものになることを発見するかもしれない。Amazon自身がどう行動するかによっても。

Mayday は、Kindle HDXのクイック設定メニューのトップにあるボタンだ。24時間年中無休で、サポート・エージェントが映しだされた小さなビデオウィンドウがポップアップする。相手からこちらは見えないが、声を聞き、しゃべりかけ、画面に描いて指示することもできる。画面を制御して助けてくれることさえ可能だ。

Farhad Manjooが言うように、Maydayは最大の技術的問題の一つを解決することはできないかもしれない。ネットがつながらない時だ。それでも、老若を問わず始終困惑する人たちから来る大量の問い合わせに答えなければならないことに変わりない。Maydayを利用しているところのビデオはここで見られる。

もしAmazonがMaydayをスケーリングできたら、それは驚くべきことだ。多くの人々のテクノロジー生活を楽にするという意味でも、並ひ外れたロジスティックの偉業という意味でも。これは、高付加価値サービスの業界ベンチマークになるかもしれない。是非成功してもらいたいものだ。

サポート乱用のハードルがない

今日、多くの企業がオンラインサポートに力を注いでいるが、人間に構まってもらいたければ、それなりの努力が必要だ。

Appleのジーニアスバーを見てほしい。予約を取り、小売店に出向き、時間通りに現れなくてはならない.これはユーザーにとって障壁であると同時に、本当に手助けが必要な時のための選択肢を与えているこのにもなる。

電話によるカスタマーサポートでは、電話番号を調べ、音声ガイダンスをくぐり抜け、待たされ、何をしてほしいかを、事実上計器飛行しているサポート担当者に説明しなくてはならない。

このあらゆる摩擦が悪悪だ。ではなぜ存在するのか? 費用効率がいいからだ。

オンデマンドでデバイスと直接つながるサポート要員が山ほどいることは素晴らしい・・・かつAmazonにとって非常に高くつく可能性がある。Maydayはこの端末の大きなセールスポイントになり、返品の損失を防ぐことで自らペイするかもしれない。しかし、人々があのボタンを必要以上に押しまくるかどうかは、ギャンブルだ。

問題は、Amazonがどこまでそのビジョンを妥協できるかだ。同社は記者団に対して、Maydayが毎回15秒以内にユーザーがサポートを受けられるようにしたいと語った。忙しいクリスマスの朝にも。回数の制限もなく。Amazon CEOのJeff BezosはMaydayについて、同社の他のコールセンターと同じように機能すると本誌に語った。結局のところ、この会社はEコマースのスケーリングにおいて相当数のミラクルを演じてきている。

それでもしかし、Maydayサービスの乱用を防ぐための但し書きを入れておく必要はあるかもしれない。寂しいからMaydayしたり、ネコの写真を見せたくてMaydayしたりする人は切り捨てる必要がある。猥褻画像を見せたり言葉のテロリズムを仕掛ける輩は、永久追放する必要があるかもしれない。しかし、ひたすら怠惰なユーザーが、毎日ギリギリまともな質問をし続けたらどうするだろう。Amazonはどこに線を引くかを決めなくてはならない。

Maydayのスケーリングにおけるこの根本的問題は、現在AmazonにはアクティブなKindleユーザーが、Benedict Evansが想像するほど膨大にはいないことを示しているのかもしれない。AmazonはKindleの売上とアクティブ利用者数に関して秘密主義で知られているので、HDX端末がどの程度売れ、サポートが必要なのかわれわれにはわからない。

しかし、もしこのすべてを成功させ、われわれをサポート電話メニュー地獄から救える人間がいるとすれば、それはBezosだろう。法外な費用のかかるファンタジーをギリギリのリアリティーに変えることは、彼の十八番だ。そしてもし、問題がMaydayのユーザー当たり質問数ではなく、Kindle HDXがたくさん売れたためであれば、それは悪い話ではない。Microsoft Surfaceに聞いてみるといい。

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(翻訳:Nob Takahashi)


ジェフ・ベゾス、ワシントンポスト紙をポケットマネー2.5億ドルで買収―その中味を検討する

ジェフ・ベゾス(Amazonではない)が2億5000万ドルのキャッシュを投じて名門紙、Washington Postを買収したというショッキングなニュースが飛び込んできた。ベゾスが買収したのはWashington Post本紙だけでなく、いくつかのローカル紙、 Washington Postのウェブサイト、Comprintという印刷会社も含まれる。Post自身の発表はこちら

ところでベゾスが購入したこの資産の健全度はどの程度なのだろう? まずは公開されている数字を見てみよう。ただし、Washington Postグループで売上の内訳を公表しているのはPost本紙だけだという点に注意する必要がある。

今年の第2四半期に、Postグループの新聞事業部の売上は1億3840万ドルで、対前年同期とほぼ同額だった。つまりベゾスが買った新聞事業は、ありきたりのイメージとは違って、急速に没落しているわけではない。

紙媒体のWashington Postの広告収入は5450万ドルで対前年同期比4%のダウンだが、これもまずは安定した状態だ。Washington PostとSlate.comのオンライン収入は合計で2980万ドル、前年同期比で15%の増加だ。BezosはSlateを買収しなかったのでPost単独での数字はこれより多少下がるだろう。しかしWashington Postの方が圧倒的に大きいので、その差はわずかだろう。

オンラインの広告収入は前年同期比で25%アップしている。ただしオンライン案内広告の収入は7%のダウンだ。これはどういう意味なのだろう? 簡単にいえば、Washington Postのオンライン広告は、部分的なダウンはあるものの全体として順調なペースで成長しているということだ。

紙媒体のからの収入の減少は発行部数の低迷を反映している。2013年上半期の日刊発行部数は前年同期比で7.1%減少して44万7700部だった。

Washington Postが赤字を出しているのか、出しているすればどれほどの額かを推定するのは難しい。主要業務である新聞事業部は2013年の上半期で4930万ドルの赤字を計上している。ただしそのうち3970万ドルは年金経費だ。さらにこの時期には1960万ドルの早期退職、レイオフ関連の費用が計上されている。

こうした年金、早期退職経費を除けば新聞事業は単体としては黒字である可能性もある。

証券取引委員会への提出書類にはこうある。

購入者は現在のPost従業員の退職後の福祉に関してすべての責任を負う。売却者は以前のPost従業員の退職後の福祉に関してすべての責任を負う。

つまりベゾスは過去の従業員の年金問題を引きずる必要がないわけだ。

非公開企業であるため、Postグループの財務情報には不明な点が多い。そのためベゾスが今回購入した会社のの正確な価値を推計するのは困難だ。しかしPostのデジタル収入が増加傾向にあり、紙媒体の漸減をカバーできる可能性がある。 ごく大まかに言えば、希望のもてる状態といえるだろう。この規模の新聞社に対して、異例に楽観的な評価と思われるかもしれないが、ベゾスが今後ビジネスモデルの舵取りに成功するなら、Postが金食い虫で終わることはないかもしれない。

もうひとつ考慮すべき点は、ベゾスがファウンダー、CEOであり大株主であるAmazonとの関係だ。たとえば、ベゾスはPostの有料購読をAmazon Primeサービスの一環に取り込み、それに対して(比較的少額だろうが)収入の一部を分配するといったことができるだろう。

ちなみにPost紙の運営コストは今後、減少していくはずだ。第2四半期の決算報告によれば紙媒体の経費は第2四半期で17%、上半期で14%で減少している。その主な理由は、発行部数の減少によるものという。なるほど。

トップ画像: Jon S

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+