JetBrainsのコラボレーションツールSpaceはプロジェクトに参加する多様な役割をサポート

Slackが280億ドルでSalesforceに買収されてから、チームのコラボレーションを支えるツールが燃えている。Notionは今熱々(あつあつ)だし、昨年はFrame.ioが5000万ドルを調達、Microsoft(マイクロソフト)にはFluidがある。そして、これまでさまざまなプログラミング言語のための統合開発環境(IDE)を作ってきたJetBrainsが、クリエイティブのチームのためのオールインワンのコラボレーションプラットホームSpaceの、一般公開にこぎつけた。

昨年からベータだったSpaceは、JetBrainsによるとベータ参加を希望する企業が35000社を超えていた。

Spaceは、チャットやチーム、プロジェクト管理、会議のスケジューリング、ユーザーの業種の特性に合ったワークフロー、そして文書化など、一般的なコラボレーションツールを組み合わせている。ソフトウェアの開発サイクルに合った使い方ができ、今後は企業内の役割や部課などの、特定のニーズを満たすツールを加えていく予定だ。

JetBrainsのCEO、Maxim Shafirov氏は曰く、「JetBrainsはデベロッパーのための企業としてスタートしたが、今ではうちのチームの40%がソフトウェア開発とは異なるクリエイティブを担当している。デザイナーやマーケティング、コピーライター、などなどだ。Spaceを作ったのは、そういう、仕事が異なる連中が一つのチームとして協働できるようにしたかったからだ。しかもそんなニーズは、ほかの企業にも必ずあるはずだ」。

Spaceには無料と有料があり、有料は一人月額8ドルからだ。また通常のクラウドバージョンのほかに、オンプレミスバージョンも近い将来提供する予定だ。

含まれている機能やツールは、チャット、会議、イシューボード、CI/CDの自動化、個人のトゥドゥリスト、そして後から加わった順番制のコードレビューだ。

今後はGoogle CalendarおよびOutlookと同期し、そのほかの人気ツールを統合する。拡張性という面では、SpaceのチームはHTTP APIやWebフック、SpaceのClient SDK、カスタムフィールド、オートメーションなどを導入している。今後はプライベート設定やマーケットプレースアプリケーションも加えたい。そして、もっとほかの拡張機能も。

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画像クレジット: JetBrainsのSpaceプラットホーム

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

プログラミング学習用のJetBrains Academyが新型コロナ対応で無料開放

新型コロナウイルスのパンデミックに対応して、多くの組織が無料、または非常に安価に、人々がスキルアップするのを手助けする講座を提供している。私たちが最終的にロックダウンから抜け出す際に役立つはずだ。

画像クレジット:Cavan Images / Getty Images

プログラミング学習についても、かなり多くのソースがある。例えば、Freecodecampや、General AssemblyのFree Fridaysスキームなどだ。ゲームに興味がある人には、ビデオゲームの開発を通してプログラミングを学べるGamedev.tvが講座料金を80%オフにしている。

ただし、無料または有料を問わず、ほとんどのオンラインのプログラミング講座では、コースの進行に合わせ、受講者にプロジェクトをダウンロードさせたり、コードの断片を示して、そこからコピー&ペーストさせるのが基本となっている。IDE(Integrated Development Environments、統合開発環境)を含んだものはほとんどない。実はそれこそが学習過程で役立つものなのに。

そこで、デベロッパー向けの開発ツールを作っているスタートアップであるJetBrainsは、実際に独自の教育用IDEを開発した。それによって、特にこうしたパンデミックの際には、オンライン学習に新鮮なアプローチをとることができることに気付いたのだ。

同社が独自のIDEを提供することで、一部はブラウザーを利用するとしても、大部分は受講者個人のコンピューターのIDE上で学習できるようになる。つまり受講者は、プロ用と同様のIDEを直接使い、実践的なタスクと、統合されたテストを通じてプログラミングを学ぶことができる。また結果をすぐに確かめることも可能だ。

この新製品は、JetBrains Academyと呼ばれ、新型コロナウイルスの大流行の直前に、ベータ版を脱して正式版がリリースされる予定だったもの。当初は有料にするつもりだったが、パンデミックの最中には、このプラットフォーム全体を無料にすることをJetBrainsは決定した。これにより、家に閉じ籠もっている人や、職を失った人、あるいは一時解雇された人でも、新しいスキルを学ぶことができる。

受講者はJava、Python、またはAndroidアプリ開発に適したGoogle製の言語Kotlinを、60以上のプロジェクトを通じて学習できる。プロジェクトは自分でビルドし、IDEを使って即座に動作を確認できる。各プロジェクトは、概念ごとに独立したトピックから構成される完全なカリキュラムとして提供される。1つのトピックは、約15分で完了することができる。全部で5700以上もの、インタラクティブな課題に挑戦することができる。

またJetBrainsでは、無料の教育用IDE(Educational IDE)も提供する。実践的なタスクと統合されたテストを通して、プロ用と同じ環境でプログラミングを教えることのできるものだ。言語としては、Java、Kotlin、Python、Scala、JavaScript、Rust、C/C++、Goをサポートしており、今後さらに多くの言語が追加される予定。講師は、そのIDEを使って独自のプログラミング教育コースを作成できる。レッスンの数も自由に設定可能だ。作成したコースは、特定の受講者だけに提供することも、公開して広く共有することもできる。

さらに、学生、教師、学校、あるいは講座ごとに、フル機能のJetBrains IDEとチームツールの教育用ライセンスを申請すれば、無料で使用できる。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

SpaceはSlackを超える開発者向け新プロジェクト管理プラットフォームになるか

ファイル共有、タイムトラッキング、電子メール統合、ガントチャート、予算管理などが、平均的なプロジェクト管理プラットフォームに最も求められる機能の一部だが、それでも何かを管理する問題に対して、さまざまなアプローチをとるツールが次々に生まれている。

今では技術者のほとんどが、Slack、Asana、Notion、Trello、Azure DevOps、GitLab、そしてGitHubになじんでいる。だが、この領域はまだ活気を見せている。先月にはMicrosoft Teamsのアクティブユーザー数は、7月の1300万人から増加して2000万人を超えた。Slackは、第2四半期には毎日1000万人以上のアクティブユーザーを数えたことを報告 した。アドビはコラボレーションツールを立ち上げたばかりで、Notionは人気沸騰中だ。そしてFrame.ioは5000万ドル(約54億円)を調達し、MicrosoftはFluidを提供する。WordPressでさえこの動きに参入してきている。

(ジャーナリストのために誰かが何かを作ってくれるのはいつだろう?いや、私たちは貧乏なんだった。忘れてたよ)。

それでも。そうそれでも、開発者向けのプロジェクト管理はいまでもスタートアップにとっての人気分野のままだ。ということで、またこの領域(スペース)向けの新製品が発表された。そして、それは実際にSpace(スペース)という名前だ。

Space は、メッセージング、チームおよびプロジェクト管理、内部ブログ、会議スケジューリング、ソフトウェア開発プロセスを1つのプラットフォームに載せた、統合チーム環境だと宣伝されている。

現在「Organizationプラン」が初期ユーザーに無償で提供されている。このプランには、1ユーザーあたり25GBのストレージ、月間1万回までのCI(継続的インテグレーション)クレジット、ユーザーあたり125GBのデータ転送量が含まれている。

Spaceを使用することで、チームが扱う必要があるすべてのデータが1カ所に保存され、ソフトウェア開発ツール(ソースコード管理、コードレビューとブラウジング、継続的インテグレーション、デリバリーとデプロイ、パッケージリポジトリ、課題トラッキング、計画ツール、プロジェクトドキュメント)がコミュニケーションとアイデンティティのサポートに統合される。

基本的な狙いは、新しい従業員の追加から、CI/CDパイプラインへの要求をマージするためのルールの構成まで、あらゆるワークフローを自動化できるようにするということだ(CIは継続的インテグレーション、CDは継続的デリバリーならびに継続的デプロイメント)。会議、プロジェクト、タスク、コミット、コードレビューなどをスケジューリングすることもできる。

Spaceは、Androidの半公式言語であるKotlinを支えるJetBrainsからの新製品だ。JavaはAndroid開発の公式言語だが、その学習曲線は急勾配だ。そのためJetBrainsがKotlinを開発したとき、それは大成功し二次的な「公式」Java言語となった。なので理論上は、彼らはそうした内容を熟知しているはずだ。

JetBrainsのCEOであるMaxim Shafirov(マキシム・シャフィロフ)氏は次のように語る、「ほとんどのデジタルコラボレーション環境は、開発ツールからタスク管理まで、さまざまな問題に対処するソリューションの単なる詰め合わせです。このためユーザーはツールやタブを切り替えながら、情報を手動でコピーすることになりますが、一般的に時間と創造的な流れを失いがちです。JetBrains Spaceはこれを変えて行きます。つまり、ソフトウェア開発を含む、創造的な仕事の基盤を変えて行くのです」。

JetBrains Spaceは、無料のサブスクリプションモデルを通じて始めることができるが、有料プランはアクティブユーザー1人あたり月額8ドルからのスタートとなる。Spaceの究極の目標は、デザイナー、マーケティング担当者、販売、経理などを含む幅広いクリエイティブチームに、拡張された統一的な全社プラットフォームを提供することだ。

Spaceが離陸し、Slackのような製品を締め上げ始めることになるかどうかは、時間が経てばわかるだろう。Slack嫌いの1人としては、そう願いたいものだ。

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(翻訳:sako)

Google、KotlinをAndroidアプリ開発言語に選定―I/O会場から大喝采

今日(米国時間5/17)のGoogle I/OでKotlinがサポートされることが明らかになった。Kotlinは静的型付けされたプログラミング言語でJava仮想マシンで作動する。GoogleはAndroidアプリ開発にあたってKotlinを第一級言語の一つに選定した。

Kotlinの主要スポンサーはIntelliJなどのツールで知られるJetBrainsだ。KotlinはJavaと100%互換で、すでにGoogle自身のAndroidアプリ開発の主要言語となっている(もちろんC++も利用されている)。

Googleによれば、今後(JetBrainsと協力して)Kotlinの開発環境を提供していくという。JetBrainsは2012年にKotlinをオープンソース化していたが、1.0がローンチされたのは1年前だった。Google自身のAndroid StudioがJetBrainのIntelliJ Java IDEをベースにしているのは重要な点だ。次世代Android Studio (3.0)はデフォールトでKotlinをサポートすることになる。

KotlinはJava互換なので、 これまでもAndroidアプリを書くことができたが、今後GoogleはKotlinをプログラミング言語として全面的にプッシュするようだ。Kotlinには現在Javaでサポートsれていない機能が多数含まれている

GoogleはキーノートでKotlinのサポートは「追加であり、既存のJavaや C++のサポートを置き換えるものではない」と念を押している。

今日のGoogle I/OのキーノートでKotlinのサポートの発表は聴衆から最大の喝采を受けたことは注目すべきだろう。


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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+