ディズニーがインド首相批判のジョン・オリバーによる新エピソードを封印

3億人以上のユーザーを抱えるインド最大のオンデマンドビデオストリーミングサービスでありディズニー傘下であるHotstarは、米国の放送局HBOによるNarendra Modi(ナレンドラ・モディ)首相に批判的な『Last Week Tonight with John Oliver』の最新エピソードの配信を停止した。世界最大のエンターテインメント市場の1つであるインドでのこの判断は、Disney+が2020年3月にローンチされる前に多くの顧客を失望させた。

Donald Trump(ドナルド・トランプ)大統領のインド訪問数時間前に放映されたこの番組で、番組でホストを務めるJohn Oliver(ジョン・オリバー)氏は、インド政府の疑わしい政策とモディ大統領の市民権政策に関する「物議を醸す人物像」への最近の抗議について語った。19分間のニュース要約と論評は、信頼できる報道機関から情報を得たものだ。

このエピソードはインドではHBOのYouTube公式チャンネルで視聴でき、400万回以上視聴されている。HotstarはインドのHBO、ShowtimeおよびABCの独占共同パートナーだ。

TechCrunchはHotstarを運営するStar Indiaと、Foxとの契約の一環としてインドの主要放送ネットワークを買収したDisneyの広報担当者に何度かコメントを求めたが、回答は得られなかった。

 

インドで情報、放送、映画、報道を規制する情報放送省の報道官は、政府は検閲についての議論には関与していないと述べた。

インドの多くの顧客は2月24日の月曜日に、HotstarがNetflixやAmazon Prime Videoのように、一部のコンテンツを自主検閲するのではないかと推測した。通常、オリバー氏の新しいエピソードをは火曜日の午前6時から配信される。

そして2月25日の火曜日、ディズニー傘下のプラットフォームにはスポンサーをからかうようなスケッチも含め、多くのセンシティブな題材を検閲する手段があり、政府を批判するようなリスクは冒さないことが明らかになった。

2019年にAmazonは、CBSの番組『Madam Secretary』第1話のインドにおける配信を停止した。Netflixはサウジアラビアで、サウジアラビアの皇太子を批判したHasan Minhaj(ハサン・ミンハジ)氏の『Patriot Act』のエピソードを取り下げた

[原文へ]

(翻訳:塚本直樹 Twitter

番組で中国に言及したジョン・オリバー、中国インターネットから抹消される

HBOのニュース風刺番組、Last Week Tonightが中国の過激な施策を呼んだ。6月17日の放映後、中国政府はジョン・オリバーのあらゆる痕跡をインターネットから抹消しようとしている。

番組には習近平主席と中国政府を扱う20分間の部分があった。具体的に、オリバーは習氏の任期撤廃に言及し、毛沢東との比較までした。

さらにオリバーは、政敵に対する拷問やWeChatデータを使って良い市民であるかどうかを決める悪名高き実験や天安門事件、ノーベル平和賞受賞者劉暁波氏の最近の死亡、そしてもちろん、オンライン検閲の話題も取り上げた。

皮肉なことに、この放映の結果オリバーのショウ自体が中国で検閲され視聴不可になっている。このことは、中国の人権と報道の自由への道ははるかに遠い、というオリバーの指摘を証明している。

またオリバーは、習氏がくまのプーさんと似ていると言われたがらないことにも忘れずに触れた。昨年中国当局は、くまのプーさんに対するあらゆる言及を禁止した

New York Timesによると、放映後ソーシャルネットワーク、Weiboで多くの投稿がジョン・オリバーに言及した——ホストに注目した。しかし今、「ジョン・オリバー」と書かれた記事を投稿しようとするとエラーメッセージが出る。

GreatFire.orgも、HBOのウェブサイトが土曜日か日曜日以降ブロックされていることを報じている。VPNやプロキシーを使った手段を持っていない限り、中国インターネットでオリバーを見つけることはできない。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook