需要増を受けLimeがJumpの電動自転車をロンドンに再配備

Jump(ジャンプ)の自転車がロンドンに戻ってくる。ただし今回オーナーはLime(ライム)だ。

Jumpの自転車を、Uber(ウーバー)が2020年5月に行われた複雑なディールの中でLimeに譲渡して以来、Jump自転車が戻ってくるのは欧州ではロンドンが初めてだ。LimeはUberがリードし、既存投資家Alphabet、Bain Capital Ventures、GVが参加したラウンドで1億7000万ドル(約183億円)を調達した。このディールの一環としてLimeは、Uberが2018年に約2億ドル(約215億円)で買収した電動自転車・スクーター部門のJumpを買収した。

ディールがクローズしたとき、米国にあった何千台ものJumpの自転車は処分され、そしてJumpチーム全体が解体されて従業員400人ほどが職を失った。米国での取引がクローズした数週間後にLimeは欧州でのJump買収をクローズした。これまで、欧州にあるJumpの自転車が米国にあったものと同じ運命をたどるかどうかは明らかにされていなかった。

何千台ものJumpの自転車がベルリンやブリュッセル、リスボン、ロンドン、マドリッド、マラガ、ミュンヘン、パリ、ローマ、ロッテルダムといった欧州の街から撤去された。Limeが自転車を再びこれらすべての街に戻すのはありそうにない。LimeはJumpのスクーターと自転車をロンドン、パリ、ローマ、バルセロナにも再配備する計画だと情報筋は語った。本日7月3日の発表はその第1段階となるようだ。

当面の間、Jumpの自転車はロンドンのUberアプリで利用できる。現在進められているシステムの統合が終われば、Jumpの自転車は今後Limeのアプリに追加されると同社は述べた。展開はまず電動自転車100台で始まり、需要に応じて増やす。価格は解錠に1ポンド(約134円)かかり、その後は利用1分ごとに15ペンス(約20円)となる。自転車はカムデン地区とイズリントン地区に配備されるとのことだ。

自転車に対する需要を受けて、LimeはJumpをサービスに戻した。ロックダウン規制が緩和されて以来、Limeの電動自転車レンタルサービスはこれまでになく利用が増えていると同社は述べた。ユーザーはこれまでよりも長距離を移動し、自転車の利用頻度は増えているという。Limeはまた、2020年6月中旬の週末に4000人超の新規ユーザーを獲得し、1日あたりの利用としては最多を記録した。ロンドンでの電動自転車利用は150万回を超えたとも述べた。

Jump自転車のロンドンへの再導入は、同都市での存在感を高めるためのLimeの幅広い計画の一環だ。今週初め、英国は電動スクーターパイロットプログラムを7月4日土曜日から開始する(未訳記事)と発表した。Limeは英国における同社の電動スクーター利用者に保険を提供するために保険大手Allianz(アリアンツ)と提携した、と述べた。そして2022年3月までの2年間にわたる安全キャンペーンをAllianzと共同でデザインしたことも明らかにしている。

画像クレジット:Lime

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(翻訳:Mizoguchi

自転車シェアのJUMPが米国の複数の都市でサービスを中止

Uberが所有するシェアリングサービスのJUMPがここ数カ月、自転車やスクーターをいくつかのマーケットから引き上げている。直近でこの影響を受けた都市はサンディエゴで、同市では海軍基地2カ所を除き9月19日をもって利用できなくなる。

「日々の通勤や通学にかなり大きな影響を及ぼすことは承知している。サービスをこれ以上提供できないことを申し訳なく思う」とサンディエゴの顧客にあてた電子メールに書いている。

この決断は、財政的に責任を持てる方策を見出せるまでサンディエゴ市におけるスクーターサービスを凍結することを市評議員Barbara Bry(バーバラ・ブライ)氏が要求したことを受けた措置だ。

「我々は、現在のマイクロモビリティ規則では運営環境を持続できないとするサンディエゴの当局に同意する。この指摘が、今日サービス提供をやめるとした理由だ」とUberの広報はTechCrunchに対し語った。「より良い規制の検討で市当局に協力したい」。

今週はじめ、JUMPは破壊行為や誤使用にかかる条例を受け、ロードアイランド州プロビデンスから自転車を撤去した。JUMPはまた今月、9カ月しかサービスを展開していなかったアトランタからも自転車を撤去した。しかしスクーターはまだ残されている。

「我々はアトランタで展開している電動自転車サービスを終わらせつつある」とUberの広報はTechCrunchに語った。「スクーターは今後も展開し、市のトップと我々がいかに交通の選択肢を広げていけるか対話を続けることを楽しみにしている」。

アトランタでのサービス中止は、市当局がドックレス自転車に関する許可プロセスを中止し、夜間の使用中止を実施したことを受けてのものだ。一方、JUMPはダラスサンアントニオからも何の説明もなしに自転車を引き上げた。スタテン島では、当局がJUMPに自転車を撤去するよう命じた。6月以来、JUMPは少なくとも6つのマーケットで自転車サービスを取りやめている。

「我々のゴールはJUMPの電動自転車とスクーターを交通エコシステムにおける持続可能な選択肢にすることだ」とUberの広報は語った。「現在、世界25都市でJUMPを展開していて、それぞれの状況に応じて運営を判断している」。

そうしたケースバイケースの決断は、少なくとも部分的には利用状況や破壊行為、盗難などそれそれの点を鑑みてのことのはずだ。

一方、サンフランシスコはJUMPの自転車事業にとっていいマーケットのようだ。8月、JUMPのサンフランシスコにおける利用が100万回を達成した。サンフランシスコでは2018年1月に自転車500台でサービスが始まった。今年はじめ、JUMPは他のドック型自転車サービスのプロバイダーに比べて高い利用率であることをアピールした。ただ、他の自転車シェアプロバイダーの展開を阻止しようと、つい最近裁判所がLyftの試験展開を承認したことを考えると、そうした状況はすぐに変わるかもしれない。

もちろん、マイクロモビリティの運営で問題に直面しているのはUberのJUMPだけではない。7月、Lyftはバッテリー火災を受けてサンフランシスコから電動自転車を引き上げなければならなかった。そして8月、Limeの自転車がシアトルで火災を起こした。Uberにとって、自転車やスクーターの火災を起こしていないのは少なくとも前向きなことといえる。

言いたいのは、マイクロモビリティは手軽なビジネスではないということだ。法規制、破壊行為の可能性、不全バッテリーなど、成功に向け多くの要因が立ちはだかっている。

画像クレジット: PHILIPPE LOPEZ/AFP/Getty Images / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi)

Uberは自転車やスクーターを前線に配備

Uberは、マイクロモビリティをコアサービスの中に取り込むため、新たな一歩を踏み出しつつある。米国時間7月1日から、UberはJUMPの自転車とスクーター、そしてLimeのスクーターを、Uberアプリを起動すると最初に開くメインマップに表示しはじめた。まずはジョージア州アトランタと、カリフォルニア州サンディエゴからだ。

Uberがサードパーティのサービスを、自社のアプリ内で目立つように表示したのは、今回が初めてのこと。Uberは、パートナーのLimeを通じて、いくつかのアプリを数か月前から提供してきたが、これまではそれほど目立つようなものではなかった。さらにLimeは、上記の都市で、スクーターにUberブランドを表示し始めた。UberとLimeが正式に提携して、ほぼ1年が経過してからのことだ。

「人々が、持っているすべての選択肢を把握できること、そしてその中から自分に最適なものを選べるようになることを願っています」と、UberのNew Mobility Platform部門の責任者、Billy Guernier氏はTechCrunchに語った。

新しいモビリティのサービスが、より目立って表示されるようになったことで、自動車から自転車やスクーターへと、ある程度利用が移行していくことをGuernier氏は期待している。かつてUberがサンフランシスコで、JUMPの自転車をアプリに追加したときには、Guernier氏は「ライドビジネスから、新たなモビリティビジネスへの真の動き」を目指しているのだと語っていた。

将来、こうしたサービスをより幅広く展開することが計画されているが、それについての具体的なスケジュールは明らかにされていない。

画像クレジット:Uber

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

Uberの自転車シェアサービス「JUMP」は回転率が高い

昨年サンフランシスコでは、JUMPの電動アシスト自転車を6万3000人以上が62万5000回利用したと同社は今日(米国時間2/10)発表した。サンフランシスコのJUMPバイクは、1台あたり1日に平均7回利用された。ドック方式レンタル自転車業界の平均は1日あたり1~2回だ。

JUMPは昨年始めに250台の自転車を導入し、10月に250台追加した。運行台数が少ないために1日あたりの利用が多いとも考えられるが、250台から500台に増やしてからも利用状況は変わっていないとJUMPは言っている。

現在サンフランシスコにはFord GoBikesが1200台あり5500人のアクティブ利用者がいる。昨年Ford GoBikesの総利用回数は140万回だったと市交通局は報告している。10月時点での利用回数は、Ford GoBikesが1台あたり1~2回なのに対してJUMPは8~10回だった。業界全体でみると、ドック方式では1日1台あたり平均1~2回利用されたと2017年の全米都市交通協会の報告書に書かれている。

その一方で、JUMPの利用によって、Uberの利用回数は減り続けている。昨年7月、Uberは自動車利用回数が10%減ったのに対して、JUMPとUberの合計は15%増だった。

「調査結果が公開された7月以降も、傾向は変わっていない」とJUMP CEO Ryan Rzepeckiはブログに書いた。「全体(Uber + JUMP)の利用が増えるなかで、Uber車の乗車は減っていて、ピーク時には、UberアプリでJUMPを使い始めたユーザーのUber乗車がさらに減っている。

数ヶ月前、JUMPは4G機能を搭載した次世代電動アシスト自転車を発表した。ほかにも内蔵診断システム、引き込み式ケーブルロック、スマートフォン用マウントなどを備えている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Uber、電動自転車とスクーターにも自動運転を適用へ

Uberは自動運転技術を自転車とスクーターのシェア事業に統合しようとしている。詳細はほとんどわかっていないが、3D Robotics CEOのChris Andersonによると、Uberは週末行われたDIY Roboticsイベントでこのことを発表し、開発チームはUberで電動オートバイ/スクーターのシェアサービスを担当するJUMPグループに所属するという。

Micromobility Roboticsという新部門が研究するのは、電動自転車/スクーターが充電のために自走したり、利用者が必要な場所まで自動運転する技術だ。Telegraph誌によると、Uberはこのチームのためにすでに採用を始めている

「Uberの新しいMobilitiesチームは、当社が貸し出す電動スクーターと電動自転車の安全性、ライダー体験、および運用効率を、センサーやロボット技術の応用によって改善する方法を研究している」とUberのAdvanced Technologies Groupが求人用Googleフォームに書いた。

昨年12月、 Uberは自己診断機能や交換可能バッテリーを搭載した次世代JUMP電動自転車を披露した。

「これは、システム活用、オペレーティングシステム、実車時間など車両シェアの運用に不可欠な要素の大きな改善だ」とJUMPのプロダクト責任者NIck Foleyが先月本誌に語った。「バッテリーが交換できるということは、充電するために自転車やスクーターを持っていかなくてもよいことを意味している。これはビジネス的にも良いことだ」

自動運転自転車/スクーターはUberのMicromobilityシェアビジネスの人間による充電への依存を減らす。Uberがフル充電の電動自転車/スクーターを、バッテリー残量の少ない車の多い地域に配車するところが想像できるだろう。交換可能バッテリーと合わせて(車両が車庫に戻ってきたらすぐにバッテリーを交換して再度配車できる)、Uberは整備された利用可能台数を増やすとともに、ライダー体験全体を改善することができる。

Uberはコメントを拒んだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

電動自転車のSocial Bicyclesが1000万ドル調達、Jump Bikesに再ブランド

Social Bicyclesは、正式名称をJump Bikesに変え、1000万ドルのシリーズAラウンドを完了した。Menlo VenturesのリードでSinewave Ventures、Esther Dysonらも参加した。

「われわれMenlo Venturesの投資チームは、世界を変える使命を担う起業家を支援している。人々が移動する方法を変えることもその一つだ」とMenlo VenturesのManaging Director、Shawn Carolanが声明で語った。「当社は2011年のUberへの投資で、都市交通テクノロジーの課題と可能性について重要な教訓を得た。JUMPとパートナー関係を結べたことはMenloの誇りであり、同社のドック不要の電動自転車ネットワークは、パズルを完成させるための決定的なピースの一つだ」。

Jumpは、ドッキングステーションを必要としない電動アシスト自転車を作っている。調達した資金は新規市場への参入、追加雇用、既存ハードウェア・ソフトウェアの改善などに活用する。

このわずか数日前、同社はサンフランシスコ市営交通局から同市で最初のステーションレス自転車サービスの認可を受けており、3月までに250台のドックレス電動自転車を市内に配置する予定だ。

「電動自転車には、自転車と車のギャップをつなぐ需要がある」とJumpのCEO Ryan Rzepeckiが声明で語った。「JUMPの電動自転車は、利用者がより遠くへより速く移動することを可能にし、しかも驚くほど楽しい。これは初期の調査結果が証明している。当社の電動アシスト技術は、人々が市内を移動、探索する方法に革命を起こすと信じている。Menlo Venturesというパートナーにラウンドをリードしてもらったことは、われわれのアプローチを同社が信頼していることを裏付けるものだ」。

JumpはすでにワシントンDCで電動自転車ネットワークを開設し、今年中にカリフォルニア州サクラメントおよびロードアイランド州プロビデンスにも進出する予定だ。同社のハードウェアとソフトウェアは、都市、キャンパス、企業などの第三者を通じて、ポートランド、ニューオリンズ、アトランタを始めとする40の地域で運用されている。

ニューヨーク拠点のJumpは、2013年に設立された。今回のラウンド以前には、2013年のシードラウンドで110万ドルを調達している。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook