18金のApple Watchは理想的な大馬鹿者発見器

編集部: ケビン・ローズ(Kevin Rose)はDiggのファウンダー、 ベンチャーキャピタリスト、North TechnologiesのCEO であり、ニュース・アグレゲーターWatchvilleの開発者でもある。

私はアナログ腕時計のコレクターで、自他ともに認めるAppleファンだ。そこで私もApple Watch Edition(EditionというのはAppleが発明した「金」という意味のマーケティング用語)を好きになろうと努めた。しかし私にはApple Watch Editonに含有する金の価格(1トロイ・オンスの18金は900ドル程度)以上の価値があるとはどうにも思えないのだ。

テクノロジー愛好家としてもコレクターとしても魅力を感じない。少し詳しく説明してみよう。

テクノロジー愛好家として

テクノロジー愛好家の小切手帳は最新テクノロジーに飛びついたときに流した血で真っ赤だ。

Watch Editionがテクノロジー愛好家にとって魅力的であるためには、もっとハイテクである必要がある。これほど高価なモデルなら、安価なモデルにないセンサーが付加されているとか、ディスプレイがさらに高精細度だとか、コストの関係で大量生産モデルでは実現できなかった機能が採用されているべきだ。そういう付加価値があってこそテクノロジー愛好家は法外な出費を自分に納得させることができる。RetinaディスプレイがMacBookに採用されたとき、われわれがそれに飛びついたのは、画面の美しさそのものよりむしろそれが最新のハイテクだったからだ。

残念ながらWatch Editionにはそういう特長は一切見られない。金側であるという以外、内部は安いモデルと全く同一だ。それで値段は7000ドル高くなっている。

コレクターとして

腕時計のコレクターが求めるのは、語り伝える価値のある職人技のストーリーだ。われわれは何十年にもわたって時を刻む時計を作るために注がれた職人の技を愛する。

こういうストーリーを売る広告としてパテック・フィリップは「あなたはパテック・フィリップを所有するのではありません。あなたはパテック・フィリップを次の世代に伝えるためにその面倒を見るのです」と宣言している。

Apple Watch Editionは次世代まで残るのだろうか?

腕時計コレクターとして私がEdtionを欲しくなるためには、Appleは外部だけでなく内部にももっと洗練された高度な素材と製造技法を用いる必要がある。特に耐久性は重要だ。テクノロジーそのものとして時代遅れになっても、私の孫のために時計としてはきちんと機能してもらいたい。古いiPodのようにクローゼットの隅に放り出されて埃をかぶっているのでは困る。

たとえば、裏蓋も透明なサファイアガラスにして内部を見せるというのもよいだろう。FPJourne Eleganteのデジタル版だ。内部が見えるようにして、そこに特別な機能が組み込まれているのが見えればコレクション価値がアップする。

しかし現在のところ、349ドル版とまったく同じ内部機構の時計が金側になったとたんに1万ドル以上になる。コレクション価値をどこに見い出せばいいのか?

時計師のロジャー・スミスが偉大な時計師、故ジョージ・ダニエルズ博士(同軸エスケープメントの発明者)について語った言葉がコレクション価値について的確に述べている。

「コレクターがダニエルズの腕時計を買うのは、ダニエルズがその時計を完成させるまでに払った努力の歳月だけを買うのではない。コレクターはダニエルズがかくも偉大な時計を作り出す偉大な時計師になるまで払った自己犠牲の積み重ねを買うのだ」

中国で大量生産されたデバイスからそうした偉大な職人技、そのオーラを感じることはない。コレクターズアイテムにはこのオーラが必須だ。.

ゴールド愛好家に売る

Appleはファッションブランドになる必要はない。なるべくたくさんの腕時計が売れるようにすることを目的にすべきだろう。ゴールド(素材ではなく色)はファッション界ではトレンドのようんだ。それならゴールドの腕時計が多くの消費者の手にわたるようなテクノロジーの開発に努力すべきではなかったのか? たとえば「これまでよりも10倍丈夫なゴールド・コーティング」には大きな価値があるだろう。私ならそのアップグレードに500ドルから1000ドル出してもいい。しかし数年もすれば使い捨てになるようなデバイスに18金無垢のケースは要らない。

さて困った。私にはWatch Editionが誰をターゲットにしているのか想像がつかない。

最新のハイテクでもなければコレクターズアイテムとしての価値もないとすると、唯一残された価値は自分には金があると見せびらかすことだけになる。それなら中国の一部では十分な数が売れるのかもしれない( (ヒツジ年だということを忘れずに)。ドバイも市場として思いつく。

しかしそれ以外の地域では、Watch Editionは女優のアナ・ケンドリックがツイートしたような役割しか果たさないのではいかと思う。:

Appleがそういうイメージを喜ぶのかどうか私には謎だ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


Kevin Roseの新アプリ、Tiinyはサムネイル写真をシェアして24時間後に消す

Digg、Milk、およひRevision3のファウンダー、Kevin Roseは、最近Google Venuresを離れ、新たなモバイル開発会社、Northを立ち上げた。そして、近々公開される同社初のアプリTiinyの詳細が一部明らかになった。Tiinyの基本的アイデアは、サムネイルサイズの写真とGIFアニメをグリッドに配置した画像を友達のスマートフォンに送り、その画像は24時間後に消滅する、というもの。Instagramのようにフルサイズの画像をスクロールさせるのではなく、Tiinyは、たくさんの友達が今何をしているかを常に一目で見ることができる。

RoseはTechCrunchファウンダーのMichael Arringtonに、アプリは現在iOS App Storeの承認待ちで、ごく近いうちに公開されるはずだと語った。Roseのチームによると彼はまだアプリについてそれ以上話すことができないということだが、時期が来たら本誌でさらに詳しく報じるつもりだ。

実はきのう私は、少しだけアプリを見る機会があり、なかなかいい感じだった。下の写真からある程度想像できるかもしれないが、画面の上部には3列4行からなる写真とGIFアニメのグリッドがあり、下には撮影してシェアするためのボタンがある。同じ画面で複数の画像が動くのを見ることは、新鮮で勢いを感じる。Instagramのような静的なアプリはもちろん、Vineでさえ同時に一つしかビデオを見られないので、Tiinyはそれ以上にチェックするのが癖になるかもしれない。他の公開型あるいはメッセージ型の画像シェアアプリを置き換えたり、直接競合するというよりも、Tiinyは補完的な位置付けを狙っているように思える。

他にもまだ機能があるに違いないが、それは公開まで待たねばならない。

先月本誌が報じたように、Northは特異な戦略を持っている。一つのアプリを作ることに消耗するのではなく、3人程度の小さなチームで、新しいモバイルアプリを3ヵ月毎に公開しようとしている。この方法によってNorthは、アプリを次々と壁に投げ付けては、何がユーザーに定着するかを見ることができる。ソーシャルアプリを開発することが奇跡を起こすことに例えられる今、この多様なアプローチは、Northが誰も望まないものの開発に1年を費やすつもりがないことを意味している。もしTiinyが失敗に終れば、次のアプリに移るだけだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


反IT活動家、 「パラサイト」呼ばわりするビラをケビン・ローズ宅周辺に配布

Google Venturesのパートナー、Kevin Roseによると、今日(米国時間4/6)彼のサンフランシスコの自宅を活動家が訪問し、彼を「パラサイト」呼ばわりする横断幕を掲げ、近隣にも同じ内容のチラシを配った。

彼がそんな目に遭う理由はあるのか? そう、彼はスタートアップに投資した。

Roseは、近所に配られた彼について書かれたチラシの写真をInstagramに載せた。そこには例えばこう書かれている。

Goolge VenturesのパートナーVCとして、Kevinは、Googleからサンフランシスコを崩壊させているITスタートアップバブルへと流れる資金を制御している。彼が出資したスタートアップは大量の若い起業家を呼び寄せ、サンフランシスコとオークランドの景観を踏みにじった。

チラシが代弁していると称するのは、「彼らにコーヒーを出す、彼らに食事を届ける、彼らのcockをsuckする[?]、彼らの子供たちを見る、彼らの床にモップをかける」サービス従事者たちであり、殆どのIT技術者は「Kevin Roseと同じ」だと不満を述べている。しかし、IT関係者が大金を稼いでいることを指摘する以外、具体的な批判はない。

サンフランシスコのITブームが与えた影響に焦点を絞った抗議活動はもちろんこれが初めてではないが、これまでの標的は、企業や業界全体(Googleバスは格好のターゲット)であり、個人の自宅を狙ったものは聞いたことがない。

Roseは抗議を不快に感じている一方で、こうもツイートしている、「家賃の上昇、サンフランシスコ文化の維持、家主による追い出し等の問題を解決する必要がある、という点では私も彼らに同意する」Rose(彼はFoundationビデオインダビューシリーズを通じてTechCrunchに貢献している)には追加コメントを求めているので、新しい情報が入り次第続報をお伝えするつもりだ。活動家たちにも接触しているが、私の知る限り責任者を名乗る特定の団体はいない。

アップデート: 活動家サイトIndybayの、”The Counterforce” が投稿した記事に、なぜRoseが特に標的にされているかの詳細が書かれている。記事は、”IMA SNIP SNIP YR BALLZ -:)” と書かれた横断幕の写真に始まり、Roseの起業家、投資家としての歴史が書かれ、こう結論付けられている:

この目的を達成するために、われわれはまずGoogleに対して明確に要求する。Googleは、われわれの指定した無政府組織に30億ドルを渡すこと。この金はベイエリアおよび北カリフォルニアに自立的、反資本主義、および反人種差別的コミュニティーを設立するために使用される。これらのコミュニティーでは、サンフランシスコであれ林の中であれ、何人たりとも家賃を払う必要がなく、居住はフリーになる。われわれはこのGoogleからの30億ドルによって、ベイアリアの居住危機を解決し、無政府世界は可能であるだけでなく、実は抑制不能であることを世界に証明する。機会が与えられれば、殆どの人はより自由で解放された道を進むだろう。現状は、Kevin Roseのような人間だけが自らの世界を作り直す機会を与えられ、その機会をどう生かすかを考えている。

さらに補足しておくと、写真はチラシの一部のみを写したものらしい。また、少なくとももう1件、あるGoogle社員の自宅に対して抗議活動があったようだ。

[image via Instagram/Kevin Rose]

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Kevin Roseがアライグマから愛犬を救ったビデオが大評判―「この小僧っ子はどうやって43秒でアライグマを放り出せたのか?」

週末のニュース当番はだいたいにおいて退屈な仕事だ。この程度のニュースでも起きればよい方だ。そういうわけでTwitterのストリームをぼんやり眺めていたら、おい、なんだこりゃ、あのケビン・ローズがアライグマを放り投げた、だって?

いや本当にそうだった。

この歴史的「アライグマ放り投げ」は午前1時ごろKevin Roseが愛犬のToasterが階下で痛がって悲鳴を上げるのを聞いたことで始まった。今やGoogle Venturesのゼネラル・パートナーとなっているDiggのファウンダーは愛犬の救助に階段を駆け下りた。Roseはとっさに攻撃的な家宅侵入者のアライグマの胴をつかんで窓から階段の下へはっしとばかりに投げ出した。

無礼なアライグマがかくも見事に懲らしめられたのはインターネット史上初だろう。

動物虐待にうるさい連中に強調しておかねばならないのは、これはあくまで正当防衛(というかRoseの愛犬の防衛)のためだったという点だ。もっともYouTube「喧嘩を売ったのはどちらか不明だ」というコメントが投稿されていた。なるほど、おとなしくしているアライグマにToasterが襲いかかったのではないとは言い切れない。

ともあれ、Toasterは軽い噛み傷、ひっかき傷以外は無事だったようだ。その後インターネットは狂犬病の血清を注射するためにToasterを 獣医に連れていくよう勧める声で沸き返った。

われわれはKevin Roseにさらに取材中なのでなにか判明したらアップデートする。ともあれこういうツイートがあった。

〔ファウンダー諸君。ベンチャーキャピタリストは皆、スタートアップを守るというが、アライグマと取っ組み合ってくれるのはケビン・ローズくらいなものだ。〕

〔原題の"How This Kid Tossed One Raccoon In 43 Seconds"というのはKevin RoseがDiggを売却したとき、Sarah Lacyが書いたHow this kid made 60 million dollars in 18 months(この小僧っ子はどうやって18ヶ月で6000万ドルの財産を作ったのか?)というBusiness Weekのカバーストーリーのパロディ。〕

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+