起亜自動車が「EV9」の市販化を発表、2023年に欧州で発売

Kia(起亜自動車)が、2021年のロサンゼルスオートショーで公開したコンセプトカー「Concept EV9(コンセプトEV)」を市販化する日はそう遠くないだろうと思っていた人の推測は正しかった。起亜は、この電気自動車SUVの市販バージョンを、2023年に欧州で発売すると発表した。北米やその他の地域での販売については言及されていないものの、SUVなのだから、米国やカナダの道路を流しているEV9を目にするのも時間の問題かもしれない。

EV9がコンセプトから量産モデルに移行する際にどこが変わるのかということについて、起亜は言及しなかった。しかし、我々はボディの大胆な切込みや、巨大なホイール、格納式ルーフレール、そしてラウンジのような座席モードなど、エキゾチックな機能の多くがカットされると予想する。とはいえ、27インチの超ワイドディスプレイや、ボンネット備わるソーラーパネルさえ、市販モデルに受け継がれたとしても、我々は驚かないだろう。

量産モデルのEV9でも、謳い文句通りのスペックが維持されるかもしれない。コンセプトカーでは、一度の充電で走行可能な距離は最大300マイル(約483km)で、350kWの超急速充電に対応し、バッテリー残量の10%から80%まで10分で充電可能ということが約束されていた。起亜は最近、高速道路でドライバーに代わってEV9を走らせることができる自動運転技術「Automode(オートモード)」についても詳述している。

価格など、まだ明かされていない重要な情報も多いが、EV9は、少なくともいくつかの分野では、起亜にとってこれまでで最も重要な完全電気自動車の1台になる可能性がある。現在のところ、同社が販売している電気自動車「EV6」は好評を博しているものの、一部の市場(特に北米)はクロスオーバーやSUVに大きく偏っている。EV9は、起亜がTesla(テスラ)の「Model Y(モデルY)」や、Volkswagen(フォルクスワーゲン)の「ID.4」のような競合に挑むための助けとなるかもしれない。いうまでもなく「Niro EV(ニロEV)」では興奮しない買い手を引き寄せるためにも貢献するだろう。

編集部注:本記事の初出はEngadget。執筆者のJon Fingas(ジョン・フィンガス)氏はEngadgetの寄稿ライター。

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(文:Jon Fingas、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

起亜自動車EV6の価格は約483万円から、数週間以内に発売

Kia(起亜自動車)のEV6は、Hyundai(現代自動車)のIONIQ 5とプラットフォーム、バッテリー、モーターなどを共有し、1215ドル(約14万円)のデスティネーションチャージを含めて4万2115ドル(約483万円)からと発表された。この金額で、167馬力のモーターと、米国環境保護庁(EPA)の基準で航続距離232マイル(373km)の58kWhのバッテリーパックを搭載した後輪駆動(RWD)のベースモデル「Light(ライト)」が購入できる。このモデルは、7500ドル(約86万円)の連邦税額控除が適用されるため、3万4615ドル(約397万円)まで価格を下げることができる。

これは、IONIQ 5よりも1190ドル(約13万円)高い価格だ。この2台はプラットフォームを共有し、同様の性能を提供しているが、IONIQ 5はよりエッジの効いた角ばったデザインであるのに対し、EV6はよりクラシックで丸みを帯びたデザインになっている。

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KiaのEV6上級モデルは、価格がかなり跳ね上がる。77.4kWHのバッテリーパックと225馬力のモーターを搭載したRWDのEV6「Wind(ウィンド)」は4万8215ドル(約553万円)からで、EPAによる航続距離は310マイル(約498km)だ。一方、GT-Line RWDは、より豪華なオプションを装備しているが、ドライブトレインは同じで、5万2415ドル(約601万円)からとなっている。WindとGT-Lineの両モデルは、それぞれ5万2115ドル(約598万円)と5万7115ドル(約655万円)から全輪駆動(AWD)にアップデートすることができる。EPAによる航続距離は両モデルとも274マイル(約440km)に低下するが、7500ドル(約86万円)の連邦税額控除が適用される。

ちなみに、インセンティブ前の価格で、Ford(フォード)のMustang Mach-Eは4万4995ドル(約516万円)から、Tesla(テスラ)Model 3は4万6490ドル(約533万円)、Volkswagen(フォルクスワーゲン)ID.4は3万9995ドル(約459万円)だ。

IONIQ 5のロードテストでは、Hyundaiは最先端の技術を提供し、運転する喜びを感じられるレトロフューチャー的な勝者を作り出したと評価した。EV6も同じ基準に達することを期待したい。最初のモデルは、今後数週間のうちにディーラーに到着する予定だ。

編集者注:本記事の初出はEngadget。執筆者のSteve DentはEngadgetのアソシエイトエディター。

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(文:Steve Dent、翻訳:Yuta Kaminishi)

LAオートショー2021の高揚感としらけムード

LAオートショーは、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミック下で初めて戻ってきた室内自動車ショーだ。ニュースに乏しく、いつも以上にベーパーウェアが多い中、それでも、いくつかのクルマやテクノロジーや企業が、イベントに先立って行われた2日間のプレスデーで目立っていた。

以下に、2021年のロサンゼルスで良くも悪くもTechCrunchの目に止まったクルマとテーマを紹介する。

グリーン&クリーンへと変わるストーリー

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米国時間11月17日正午前に行われた少数の主要なニュースカンファレンスでは、持続可能性と気候変動が中心テーマだった。そこには企業の偽善的環境配慮と実際の行動が入り混じっていた。

Hyundai(ヒョンデ)とKia(キア)は、環境の認識がいかに大切かを訴える短編動画を流したあと、全電動コンセプトカーとプラグインハイブリッド車を披露した。Fisker(フィスカー)は海洋保護について話した。長年グリーン化に取り組み、国立公園から動物保護まであらゆる活動の支援に多額の資金を投入してきたSubaru(スバル)も、環境保護の支援を継続していくことを強調した。

これは過去においても珍しくなかったことだが、自動車業界全体が二酸化炭素排出量低下に重い腰を上げ、持続可能な生産と調達に革新を起こし、有効な寿命を終えた部品や車両リサイクルと再利用の方法を探求していることは銘記しておくべきだろう。人類の気候変動への影響を減せる時間はあと10年しかないという恐怖の警告は、ショーで行われた複数のプレス会見で言及されていた。

ハリウッドモード

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2021年特に目立った発表の1つが、Fisker Ocean(フィスカー・オーシャン)の量産間近なバージョンだ。全電動SUVが備える17.1インチ巨大スクリーンは、180度回転可能で、同社が「ハリウッドモード」と呼ぶ横位置のランドスケープモードから縦位置のポートレートモードへ回転できる。

横位置モードでは、Oceanが駐車あるいは充電中に、ゲームをプレイしたりビデオを見たりできる。Fiskerは、このスクリーン回転技術の特許を取得していると述べた。

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電化、電化、電化

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2021年のLAオートショー全体のテーマは、(驚くに当たらないが)あらゆるものの電化だ。展示場にはICE(内燃エンジン)駆動の車両が数多く見られたものの、バッテリー電力の世界にいくつもビッグニュースがやってきた。

Nissan(日産)の全電動SUV、Ariya(アリヤ)、Toyota(トヨタ)bz4xと双子車Subaru Solterra(ソルテラ)から、TechCrunchのお気に入りである全電動Porsche(ポルシェ)Sport Turismo(スポーツ・ツーリズモ)セダンの最新モデルとマジックルーフ付きワゴンまで話題は尽きない。

健康被害からあなたを守るテクノロジー

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現行パンデミックが3年目を迎える中、自動車メーカーは利用者を病気から守る方法を考え始めている。HyundaiがLAオートショーで披露した SUVコンセプトカーSEVEN は、垂直空気循環、抗菌性の銅、紫外線殺菌装置などの機能を提供している。

電動化レストモッドがやってくる

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2021年のLAオートショーで目についたトレンドの1つが、何台かの古い車体に電動パワートレインを積んだレストモッド(レジストレーション&モディフィケーション)モデルだ。内燃エンジンのような直感的体験を与えることはないかもしれないが、クラシックカーの新しい楽しみ方を提供するものだ。

自動車製造のスタートアップ、Cobera(コベラ)が展示していたC300は、懐かしいShelby Cobraとよく似た外観だ。しかし、ボンネットの中にはV8エンジンに代わってC300を時速0〜62マイル(0〜約99.8km)まで2.7秒で加速すると同社がいう全電動パワートレインが入っている。Cobera C300は、ハンガリーの乗用車とキャンピングカーの製造に特化した会社Composite-Projects(コンポジット・プロジェクト)が設計・製造した。車両のスイッチを入れると、合成されたサウンドが出て、昔のV8に少しだけ似た音が聞こえる。

Electra Meccanica(エレクトラ・メカニカ)は、LAオートショーで三輪自動車Solo(ソロ)(詳しくは下で解説)も発表している会社だが、もう1台、Porsche 356 Speedsterに似た電動車、eRoadsterを披露した。エアコンディショニング、パワーウィンドウ&ロック、最新インフォテイメントシステムなどを備える。

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新たなパワートレインを搭載したレストモッドを披露したのは比較的無名で小さなメーカーだけではない。Ford(フォード)は11月初旬のSEMAショーに登場した電動化したF-100を持ちこんだ。1978 F-100 Ford Eluminator(フォード・エルミネーター)はFordの電動モーター、E-crate(イークレート)を備えたレストモッド機能で、ユーザーはこれを購入して自分の車両に取りつけられる。

F-100は前輪と後輪に1台ずつモーターを備え、最高出力480馬力、最大トルク634lb-ft(860Nm)を誇る。室内には新型インフォテイメントシステムのスクリーンとデジタル・ダッシュボードがある。

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三輪車

画像クレジット:Kirsten Korosec

例年、会場には少なくとも数台の三輪自動車が登場するが、2021年はいつもより多かった。Biliti Electric(ビリティ・エレクトリック)が持ってきた電動&ソーラー駆動トゥクトゥクは、Amazon(アマゾン)やWalmart(ウォルマート)が世界の人口密集都市のラストワンマイル配達に使える、と同社は言っている。

同社のGMW Taskmanは、すでにヨーロッパ、アジアの各所で使われていて、これまでに1200万個の荷物を配達し、延べ2000万マイル(3200万km)を走ったとファンダーが言っていた。

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Electra Meccanica のもう1台、Soloは同社が2016年のこのショーでも披露したsharyou

で、プレスデーにテスト乗車を提供していた。同社によるとSoloは1回の充電で最長100マイル(約161 km)走行可能で、最大出力82馬力、最大トルク140lb-ft(約190N-m)、最高速度は80mph(約128 km/h)。定員1名で荷物スペースを備え、近距離の移動や都市圏での通勤のために作られている。Soloの価格は1万8500ドル(約211万円)で、アリゾナ州メサで製造されている。

Sondors(ソンダーズ)の三輪電気自動車は、3人乗りで航行可能距離は約100マイル(約160km)と同社はいう。このクルマは、100万ドル(約1億1400万円)以上を集めて成功したクラウドファンディングの後に開発されたもので、33 kWhのバッテリーパックを備え、最大出力170馬力、最大トルク323 lb-ft(約438N-m)を発揮する。

Imperium (インペリウム)も三輪電気自動車、Sagitta(サギッタ)を披露した。ショーに登場した三輪乗用車の中では最大で、4人まで乗ることができるスペースをもつ。Sagittaは車両のスペックを発表していないが、2022年中頃から予約を開始すると同社は述べた。

バービー

画像クレジット:Abigail Bassett

ことしのLAオートはには、バービーまで登場した。Mattel(マテル)はBarbie Exra(バービー・エクストラ)カーの実物大バージョンを公開した。2021年式Fiat(フィアット)500のシャシーに載せたファイバーグラスのボディーはキラキラの白い塗装で飾られ、ウィング式ドアと後部にはペット用プールもある。

ソーラーパワー

画像クレジット:Kirsten Korosec

2021年のショーには、興味深いソーラー充電オプションを備えたクルマがいくつかあった。中国のエネルギー会社、SPI参加のPhoenix Motor Inc.(フェニックス・モーター)が発表したピックアップトラック、EF1-Tの収納可能なソーラーピックアップベッカバーは、最大25〜35マイル(約40〜56km)の走行距離を追加できると同社はいう。EF1-TおよびバンバージョンのEF1-Vは、いずれも巨大な車両で、明らかにまだプロトタイプであり、機能や利用形態について顧客の意見を聞いているところだと会社は述べた。

大きな虫のような外観のEF1-Tは、1回の充電で380〜450マイル(約612〜724 km)走行可能で、2025年の発売に向けて予約を受け付けているという。ずいぶんと遠い話だ。

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(文:Abigail Bassett、翻訳:Nob Takahashi / facebook

ボストン・ダイナミクスを買収した現代自動車が4足歩行ロボットを工場の安全監視に活用

Hyundai(現代自動車)がBoston Dynamics(ボストン・ダイナミクス)の買収を完了させたのは2021年6月のこと。この韓国の巨大自動車メーカーは、マサチューセッツ州に本拠を置くロボット企業の技術を、将来を見据えた多くのコンセプトモビリティ車に統合させるという壮大な計画を持っていることは間違いない。しかし現時点では、既存のロボットを活用することに、より力を入れているようだ。

現代自動車は米国時間9月17日「Factory Safety Service Robot(工場安全サービスロボット)」と名付けられたロボットを発表した。同社は発表文書の中で、簡潔にするためにすぐにこのユニットを「the Robot(このロボット)」と呼び始めたが「Factory Safety Service Robot」と何十回もタイプする時間がある人はいないだろうから、私もそうしたいと思う。

このロボット(わかるよね?)は基本的に、工場の安全点検用に開発された「Spot(スポット)」を改造したものだという。当然ながら、現代自動車は身近なところから始めることにしたようで、子会社であるKia(起亜自動車)のソウル工場で最初の試験運用を開始した。

Spot…ではなくこのロボットには、LiDARと熱検知カメラが搭載されており、空間内の高温になっている場所や火災の危険性、開いているドアなどを検知できる。何か異常を感知すると、安全確認用のウェブページを通じて警告を送信し、リアルタイムでその画像やデータを共有することができる。Spotと同様に自律的に動作することも、人間が遠隔操作することも可能だ。

「Factory Safety Service Robotは、ボストン・ダイナミクス社との最初のコラボレーション・プロジェクトです。このロボットは、産業現場における危険性を検知し、人々の安全を確保するのに役立ちます」と、現代自動車のDong Jin Hyun(ドン・ジン・ヒョン)氏はリリースで述べている。「私たちはボストン・ダイナミクスとの継続的な協業を通じて、産業現場の危険を検知し、安全な労働環境を支えるスマートサービスを、これからも作り出していきます」。

画像クレジット:Hyundai

全体的には、Spotに何ができるかを知っている人なら、センサーが追加されているとはいえ、このロボットの要点をほぼ理解できるだろう。ボストン・ダイナミクスは先週、このロボットにデータ収集機能を追加することを発表している。

画像クレジット:Hyundai

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(文:Brian Heater、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

KiaとUberが提携し欧州20マーケットのドライバーにEV車両を割引価格で提供

Kia(起亜自動車)のe-Niroとe-Soulの購入、リース、ローン、レンタルにかかる特別ディールを欧州の20マーケットに住むUberドライバーに提供するためにUber(ウーバー)とKia Europeがタイアップする。配車サービス大手Uberの二酸化炭素排出抑制の目標達成に向けた最新の取り組みだ。

Uberは2030年までに欧州全体でゼロエミッションモビリティプラットフォームになることに注力していて、同年までにドライバー3万人にKiaのBEV車両に乗り換えて欲しいと考えている。KiaはUberがドライバーに電気自動車の割引価格を提供する取り組みに加わる最新の自動車メーカーとなる。2021年5月にUberは、配車サービスドライバー向け専用電気自動車の生産でEVメーカーArrivalとの提携を発表した。そして2020年9月にはUberはカナダと米国のドライバーに全電動Chevrolet Boltを割引価格で提供すべくGM(ゼネラル・モーターズ)と提携した

関連記事:配車サービス用のEV生産に向けUberとArrivalが提携

欧州連合が最近制定した法律は、2030年までに二酸化炭素排出量を1990年代に比べて少なくとも55%削減することを目指している。UberのKiaとの提携は、欧州で二酸化炭素排出に関する規制がますます厳しくなることを予想してのことだ。規制に対応するためにUberはまた、2025年までに欧州のプラットフォームでEV10万台超を所有し、アムステルダム、ベルリン、ブリュッセル、リスボン、ロンドン、マドリッド、パリでの走行の半分をゼロエミッション車によるものにすることを目指している。

Kiaは2026年までに11種のEVモデルを発売する準備を進めていて、自社のBEV普及のために今回の提携を活用したいと考えている。e-Niroクロスオーバーは航続距離239マイル(約384km)で、DC急速充電を使えば54分でリチウムイオンバッテリーの80%を充電できる。可愛らしい小型デザインのサブコンパクトクロスオーバーe-Soulの航続距離は243マイル(約391km)だ。

しかし割引があっても、Uberのロンドン拠点ドライバーがEVを購入できるポータルのPartnerPointで提供されているKiaモデルはまだかなり高価だ。Kiaが提供している割引幅は8%で、一方日産の割引幅は13%、Hyundai(現代自動車)は22%だ。Kiaの割引後の車両価格は2万9877.40ポンド(約463万円)〜3万6471.40ポンド(約565万円)で、これはロンドンのドライバーの年間給与とほぼ同額だ。

にもかかわらず、ドライバーはこの割引と、5%のローン利子やClean Air Feeなどその他のインセンティブを活用しているようだ。Clean Air FeeはEVのコストにあてるために1回の乗車あたり3ペンスを集めるというもので、Uberによるとドライバーは年平均3000ポンド(約46万円)を節約できる。

2019年にClean Air Planが導入されて以来、ロンドンでは完全電気自動車の乗車が350万回以上あった。ロンドンのプラットフォームに加わる新しい車の50%ほどが今では完全EVで、広域マーケットではこの数字は8%だ。過去1年でUberプラットフォーム上のEV台数は700台から2100台に増えた。同社は2021年末までにさらに倍増させたいと考えている。

今回の発表ではUberはまた、乗客が排気ガスの少ない車両の配車をリクエストでき、一方でドライバーがそうした乗車にかかるサービス料金の15%割引を受けられるUber Greenという取り組みを2021年末までに欧州60都市に拡大する計画だと述べた。このサービスは現在、ロンドンのゾーン1内から乗車する客にのみ提供されているが、今こそドライバーがプラットフォームを通じて安い維持費とさらなる潜在的な収入を手にするときだとUberは話す。

欧州のUberドライバーはドライバーアプリ、ダイレクトメール、ドライバー向けウェビナーでEVについての情報を収集できる、と同社は述べた。車両の価格はドライバーのローケーションによって異なることはない。

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タグ:UberKia電気自動車二酸化炭素ヨーロッパ

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Nariko Mizoguchi

急速充電が可能なKiaの電動クロスオーバーEV6が2022年初頭に米国に登場

Kia(起亜自動車)は米国時間5月18日の夜、内燃機関から電気自動車への構造的変化を目指す「プランS」戦略の一環として、全電動クロスオーバーのKia EV6を2022年初頭に米国で発売するとニューヨークで行われたライブストリーミングイベントで発表した。

EV6は現代自動車グループのHyundai(現代、ヒュンダイ)およびGenesis(ジェネシス)と共通のプラットフォームである新Electric-Global Modular Platoform(エレクトリック・グローバル・モジュラー・プラットフォーム、E-GMP)で構築された初のバッテリー電気自動車だ。E-GMPは新型コンパクトクロスオーバーHyundai Ioniq 5の基礎となったものである。EV6はKiaが2026年までに全世界で発売する予定の11種の電気自動車のうちの1つとなる。

同社によると、新型バッテリー電気自動車名の先頭にはすべて「EV」という称号が付き、それに続いてラインナップの中でのポジションを示す数字が付けられるという。つまりEV6は今後のラインナップの中でも中間あたりに位置することになる。

2021年初めのグローバルデビューの際にも詳細が多く発表されたが、今回さらに公開された情報によると、6月3日から1500台の初代EV6の予約が開始するという。なお、各種機能の価格は明らかにされていない。

関連記事:KiaのEV計画の輪郭がEV6の予告画像と新しい命名戦略から見えてきた

EV6 First Editionはベースモデルと同様に、ARヘッドアップディスプレイ、リモートスマートパーキングアシスト機能、14スピーカーのMeridian(メリディアン)製オーディオシステム、SiriusXMの2年間利用権など多くの技術的な付加価値を備えている。また、ワイドサンルーフ、20インチホイール、デュアルモーターAWD、77.4kWhのバッテリーなど、メカニカル面でもエクステリア面でも特筆すべきアップグレードが施されている。

2022 EV6(画像クレジット:Kia)

基本概要

広々としたスポーツカーのような外観と性能を目指してデザインされたこの4ドアクロスオーバーのEV6は、フロントエンドが低くルーフラインに向かって上がるクーペのような外形となっている。LEDヘッドライトにはセグメントパターンが採用され、また内燃機関車に見られる従来のグリルはなくなっている。

EV6のホイールベースはKia Tellurideと同じ114.2インチのためサイズ感は想像しやすいのではないだろうか。

EV6には58kWhと77.4kWhの2種類のニッケルコバルトマンガンバッテリーが搭載されており、77.4kWhのバッテリーで300マイル(約483km)の航続距離を目標としている。後輪駆動とAWDの2種を備え、電気モーターとバッテリーの構成により167~313馬力を発揮。EV6 GTはより大きなバッテリーと強力な前後の電気モーターを搭載したAWDモデルで、567馬力を発揮する。GTモデルは2022年後半まで発売されないが、0から60マイル(約97km)加速は3.5秒以内だという。

さらに重要なのは400ボルトと800ボルトのDC充電に対応していることだろう。Kiaは350kWの充電器からの800V DC急速充電により、18分以内に最大210マイル(約338km)の走行距離を追加できると説明している。

同社はあらゆる充電機能を搭載。EV6には11kWのレベル2充電器が搭載されており、約7時間でバッテリーを充電することが可能だ。また、EV6には「ビークル・トゥ・ロード機能」と呼ばれる機能が搭載されており、これはEV6が家電製品やパソコンなどのデバイスやツールの電源になり得ることを表現した言葉である。これはバッテリーから充電コントロールユニットに電気を取り込むことにより、1900Wの電力を供給する仕組みだ。

2列目のシートベース前部のソケットにある100Vコンセントを介してこの電源に接続することができ、バッテリーがフル充電されている場合36時間以上連続して電力を得ることができると同社はいう。また、110V充電器と同等の1.1kWというペースではあるものの、車から車への充電にも使用可能だ。

2022 EV6(画像クレジット:Kia)

その他にも運転支援、安全性機能、車載テクノロジーなど数多くの機能が搭載されている。車内にはカーブを描いた2つの12インチスクリーンディスプレイを備え、インストルメントクラスターとインフォテインメントセンターを完備。また、最近では定番となっているBluetooth機能やスマートフォンのワイヤレス充電機能も備えている。

追加料金を支払えばWi-Fiホットスポットのほか、地図やインフォテインメントシステムのソフトウェアをワイヤレスで更新する機能を追加することも可能だ。Kia Payと呼ばれる車載用コマース機能、盗難時のリカバリートラッカー、AppleやAndroidのスマートウォッチを利用してバッテリー状態や車両に関する通知、車両制御を表示するスマートウォッチアクセシビリティ、天気やルート案内などのコネクテッドカー機能なども備えている。

さらにスマートスピーカーと連携させることで、Amazon AlexaやGoogle Assistantを使ってリモートスタートなどの車両機能を遠隔操作することもできる。

車外に設置された4つのカメラが360度の視界を確保。駐車時に障害物を検知する他、ドライバーや同乗者がドアを開ける際に、何かが接近すると検知した場合に警告を発して退出させないようにする安全機能も搭載している。

また、前走車との距離を一定に保ち、車線内の中央を運転するようにする機能など、21種類の高度な運転支援システムを標準装備している。Kiaによると、同機能の新バージョンでは車線変更をサポートして車線内での車体の側方位置を調整することもできるようになるという。

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カテゴリー:モビリティ
タグ:Kia電気自動車

画像クレジット:Kia(screenshot

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Dragonfly)

KiaのEV計画の輪郭がEV6の予告画像と新しい命名戦略から見えてきた

Kia(起亜、キア)は、その社名から「Motor Company」(モーターカンパニー)の文字を削除することから2021年のスタートを切り、内燃機関からEV、モビリティーサービス、自動運転車技術へと事業の舵を切る戦略Plan S(プランS)の一環として、新しいロゴとスローガンを発表した。

現在、この韓国の自動車メーカーは、プランSから発売される最初の自動車の詳細を少しずつ流し始めている。米国時間3月9日、Kiaは同社の新しいElectric-Global Modular Platoform(エレクトリック・グローバル・モジュラー・プラットフォーム、E-GMP)上に構築された初めてのバッテリー式完全電気自動車EV6の予告画像数点を公開した。このプラットフォームはHyundai(現代、ヒュンダイ)との共用で、Hyundai Ioniq(アイオニック)5コンパクトクロスオーバーの土台にもなっている。

これはあくまで予告画像であり、完全な姿はわからない。だが、この小出しの画像だけでも、デザインの特長と、EV6に続く今度の電気自動車に採用されるKiaのデザイン言語が十分に見てとれる。

EV6は4ドアのクロスオーバーだ。米国におけるこの車種の人気を考えると、意外なことではない。低いフロントエンドからルーフに流れるラインはクーペを思わせる。LEDのヘッドライトにはセグメントパターンが採用され、内燃機関の自動車にあった伝統的なフロントグリルは廃されている。

画像クレジット:Kia

同社はまた、新しい命名方式も公表した。これは、ユーザーが他の車種とEVラインアップを容易に区別できるようにするためのものだ。バッテリー式の完全電気自動車は、頭に「EV」が付くとKiaは話している。その後に、ラインアップの中の位置を示す数字が続く。そのため、EV6は、将来のラインナップの中間に位置する車であることがわかる。

Kiaは、2021年第1四半期にEV6のワールドプレミアイベントを予定している。

「私たちの目標は、このブランドの物理的なエクスペリエンスをデザインし、大胆かつオリジナルで革新的な電気自動車を創造することにあります」と、Kiaグローバルデザインセンターの責任者であり上級副社長のKarim Habib(カリーム・ハビブ)氏は声明の中で述べている。

だがKiaの戦略は、単に大胆かつオリジナルで革新的な電気自動車を作ること以上に野心的だ。2020年、KiaはEV時代のパイオニアになりたいと語っていた。ミレニアル世代とZ世代に愛される、チャレンジとイノベーションの象徴になろうとしている。こうしたKiaの向上心溢れる方針の背後には、2025年までにEVを11車種投入、世界のEV市場のシェアを6.6パーセント獲得、2026年までに年間50万台の電気自動車を販売、さらに法人顧客向けに特注仕様の電気自動車を提供するという、販売と生産の目標がある。

画像クレジット:Kia

この取り組みは、2025年末までに最大29兆ウォン(約2兆7700億円)の資金投入に支えられることになっている。Kiaは、この期間内に営業利益率6パーセント、株主資本利益率(ROE)10.6パーセントを目指すという。

EV6はプランSの最初の製品だ。これが、Kiaの壮大な計画が実現可能かどうかを株主と顧客に示すこととなる。つまりEV6は、Kiaにとって非常に重要なクルマとなるということだ。

カテゴリー:モビリティ
タグ:Kia電気自動車

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:金井哲夫)