ファイルやデータを複数のクラウド間で移動するサービスKloudless

今日(米国時間4/29)Disrupt NY 2013でデビューしたKloudlessは、異なるクラウドを結びつけるコネクタサービスで、ユーザはメールを使ってクラウド間のデータ移動ができる。

このサービスを利用するためには、Outlookでは専用のプラグインを、 Gmailなどではブラウザのエクステンションを使う。Kloudless自身にはデータやファイルは保存されない。あくまでもコネクタないしパイプとして機能するだけだ。

Kloudlessはiftttなどのサービスに似ているが、しかしそれほどきびしい自動化はせず、メールからクラウドサービスへのデータフローをユーザがかなりカスタマイズできる。つまり、データ移動に関しユーザに自由、柔軟性を与えることがねらいだ。たとえばSalseforce.comにデータを放り込むときには、その前にそれなりのカスタマイズが必要だろう。CEOのEliot Sunによると、同サービスはたとえば、アクセス分析ツールからのデータをYammerのようなサービスのディスカッションに持ち込むこともできる。

VC企業Draper Fisher JurvetsonのTim DraperとYammerの協同ファウンダDavid Sacksはこのアイデアをとても気に入り、同社にシード資金を提供した。同社のこれまでの資金調達額は90万ドル弱だ。Draperらは、Kloudlessが市場に打ち込まれる楔となり、企業が必要としていた自動化と柔軟性を提供する、と見ている。またこのサービスは、カスタマイズを伴うデータガバナンスを提供する。企業が必要とするコンプライアンスのために何らかの統合化を行う場合でも、そのほかの自動化システムにできない自由性がある。

Kloudlessは、技術的にはクラウドのための“メッセージバス”だ。メッセージバスはシステムに常在するレイヤで、イベント駆動型で動くミドルウェアだ。イベント、たとえば何かのリクエストが発生すると、メッセージバスを起動して正規化されたデータが目的の場所へ、適切なコンテキストで送られる。Tibcoのように、メッセージバス技術で財を成した企業もある。

またMulesoftやSnapLogicはトップダウンのシステムを提供している。しかしKloudlessは、ボトムアップ方式だ。消費者向けアプリケーションのようにダッシュボードを管理職たちやチームリーダー、IT部門などに提供して、データのオーナーシップやワークフローを分かりやすく可視化し、また複数のアプリケーションにまたがるポリシーの設定機能も提供する。

Kloudlessは、料金体系も消費者アプリ的だ。無料版があり、機能のより充実した有料版は月額3ドルからだ。そのネットワーキングの基盤は既存のメールサービス/アプリケーションだから、企業の管理職たちにとって買いやすくて使いやすいサービスだといえる。

Sunは、消費者向けアプリケーションも構想している。最初はクラウド検索を考えたが、あまり売れなかった。しかしKloudlessのようなファイル移動サービスには、需要がありそうだ。今ではベイエリアで行われるイベントや、あるいは大企業のデータ設計担当者たちに売り込みをかけている。

Kloudlessの経営者たちは、CEOも含めて、見た目にはまるで高校の同窓会ふうだが、でもGlideのCEO Eli Rubelが先週、同社についてこう言った: “データは嘘をつかないからね”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))