AI契約審査プラットフォーム「LegalForce」が知産関連契約書のレビュー対応類型を拡充、累計10類型に

AI契約審査プラットフォーム「LegalForce」が知産関連契約書のレビュー対応類型を拡充、累計10類型に

AIを活用し企業が交わす契約書内容を審査するAI契約審査プラットフォーム「LegalForce」(リーガルフォース)を提供するLegalForceは6月17日、同プラットフォームの知的財産に関連する契約書のレビュー対応類型を拡充したことを発表した。6月現在で10類型となった。

LegalForceは、AIによる契約書の「自動レビュー」、条文検索などの機能に加え、契約書のひな形や書式集なども提供し、企業の契約書作成を支援するプラットフォーム。2019年4月に正式版をリリースし、この2年間で800社を超える企業や法律事務所が利用している。

「国際競争力の強化、知的財産権侵害案件の増加といった昨今の知的財産権の重要性の高まり」から、知的財産部門のある大手企業などの要望を受け、レビュー対応類型を拡充し、6月現在で10類型となった。また6月中には著作物ライセンス契約、7月以降にはキャラクター商品化許諾契約、商標ライセンス契約が追加される予定。

LegalForceで利用できる知的財産関連契約書のレビューポート対応類型は次のとおり。

  • 共同研究開発契約(対大学・研究機関)
  • 共同研究開発契約(対企業)
  • 共同出願契約
  • 特許ライセンス契約
  • ソフトウェアライセンス契約
  • クラウドサービス利用規約
  • キャラクターライセンス契約
  • ソフトウェア開発委託契約
  • 英文共同研究開発契約(対企業)
  • 英文ソフトウェアライセンス契約

LegalForceは、大手法律事務所出身の弁護士2名が2017年に創業したリーガルテック領域のスタートアップ。独自のAI技術と弁護士の法務知見を組み合わせ、企業法務の質の向上、効率化を実現するソフトウェアの開発・提供するほか、京都大学との共同研究をはじめ学術領域にも貢献している。LegalForce以外にも、2021年1月よりAI契約書管理システム「LegalForceキャビネ」正式版を提供してる。

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カテゴリー:リーガルテック
タグ:契約書(用語)法務 / リーガル(用語)LegalForce日本(国・地域)

AI契約書レビュー支援や契約書管理クラウド提供のLegalForceが30億円を調達

AI契約書レビュー支援や契約書管理クラウド提供のLegalForceが30億円を調達

AI契約書レビュー支援ソフトウェア「LegalForce」、クラウド契約書管理システム「Marshall」 を提供するLegalForceは2月17日、シリーズCラウンドにおける第三者割当増資約27億円と銀行融資約3億円を合わせて、約30億円の資金調達を発表した。増資と融資をあわせたシードラウンド以来の累計調達額は約45億円となった。

引受先は、米WiL, LLC.(WiL)、ジャフコ グループ、三菱UFJキャピタル、みずほキャピタル、SMBCベンチャーキャピタル、DIMENSIONなどのそれぞれが運営するファンド。借入先は、日本政策金融公庫より三菱UFJ銀行との協調融資体制によるもの。

LegalForceは、2017年に大手法律事務所出身の弁護士2名が創業。独自のAI技術と弁護士の法務知見を組み合わせ、企業法務の課題を解決するソフトウェアの開発・提供している。京都大学との共同研究など学術領域にも貢献しているという。

また、2019年4月にLegalForce正式版のサービスを提供開始、2021年1月よりMarshall正式版を提供している。

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LegalForceがクラウド契約書管理システム「Marshall」のオープンベータテスト開始

LegalForce Marshall

LegalForceは8月5日、クラウド契約書管理システム「Marshall」のオープンベータテストを開始した。契約書レビュー支援ソフトウェア「LegalForce」の開発で培った自然言語処理技術と機械学習技術を活用し、契約書管理につきものの入力作業の完全自動化を実現する。

表計算ソフトを利用した、必要情報の手入力による締結後の契約書の管理は、膨大な作業時間を要する上に、入力ミスの防止も難しく、企業の文書管理において大きな課題となっているという。

これに対してMarshallでは、締結済み契約書のPDFデータをアップロードするだけで、自動で全文の文字起こしを施し、「契約締結日」や「契約当事者名」、「契約開始日、終了日」などの情報を抽出して検索可能なデータベースに仕上げるとしている。紙で締結された契約書、電子締結された契約書、両方に対応。

またこれにより、法務担当者は、契約書管理の時間を大幅に削減できるほか、過去に締結した契約書の検索も短時間で行えるようになる。

LegalForce Marshall

LegalForceは、2019年4月に正式版サービスを提供開始した、クラウド型契約書レビュー支援ソフトウェア。契約書のリスクを数秒で洗い出す自動レビュー機能や、社内の契約書データの有効活用を支援するナレッジマネジメント機能により、リスク検出やリサーチにかかる時間を大幅に削減しながら、業務品質を高められる。LegalForce利用者は、平均3割の業務時間削減に成功し、8割以上が契約書業務の品質向上を実感しているという。2020年8月時点で、400超の企業・法律事務所で利用されている。

2017年創業のLegalForceは、独自のAI技術と弁護士の法務知見を組み合わせ、企業法務の課題を解決するソフトウェアを開発・提供。京都大学との共同研究をはじめ、学術領域への貢献も行っている。

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締結済みの契約書を自動でデータベース化、LegalForceがクラウド契約書管理システムの事前登録受付を開始

AIを用いた契約書レビュー支援サービスを展開するLegalForceは5月18日、同社にとって新事業となるクラウド契約書管理システム「Marshall」の事前登録受付をスタートした。

Marshallでは「LegalForce」を通じて培ってきた自然言語処理技術と機械学習技術を活用。締結済み契約書のPDFデータをアップロードすれば、自動で契約書のデータベースが構築される。現在は社内やLegalForceの導入企業にてクローズドβ版を運用しながら機能をブラッシュアップしている状況で、今年の8月を目処にオープンβ版をローンチ予定する予定だ。

LegalForceでCOOを務める川戸崇志氏によると、これまで多くの企業では締結版の契約書を管理するためにエクセルなどで作成した台帳に必要情報を手作業で入力してきた。そのやり方では業務負担が大きい上に網羅性を担保するのが難しく、必要な情報へたどり着くまでに時間がかかるなどの課題があったという。

Marshallではテクノロジーを活用して契約書を自動で整理することによりその課題を解決する。特徴は「契約書のデータを取り込むだけで契約締結日や契約当事者名などの情報がテキストデータとして自動で抽出される」点だ。

要はデータベースを作るための膨大な入力業務が必要ないことに加え(ただし紙の契約書の場合にはスキャンしてPDF化する作業は必要)、情報がテキストデータ化されることで「ある契約書の中に特定の条文や文言が入っているかどうか」を調べたいと思った時などに、ピンポイントで検索できるようになる。

クラウド上で契約書を管理できるシステム自体はすでに存在するが、川戸氏の話では「自動でテキストデータ化する機能がついたものはほとんどない」ので、単にファイルをアップロードするだけではタイトルなど限られた情報しか検索できなかった。そのため欲しい情報を得るには結局全文をチェックする手間がかかり、それを避けるには人手をかけてデータを整備する必要があったという。

「法務部門はそんなに人も多くないので、通常の業務に加えて自分たちで細かいデータを手入力していくとなると大変だ。Marshallは後から検索しやすい形で、契約書の情報が自動ですっと入っていくのが特徴。(人力で対応するよりも)データ化の作業工数が減り、紙で管理する場合と比べれば必要な情報を探すのも簡単だ。紙の契約書を確認する必要もないので、在宅勤務にも対応できる」(川戸氏)

MarshallはLegalForce自身が社内で抱えていた課題を解決するために開発したプロダクトでもある。

同社でも細かい契約内容を確認するために締結版の契約書を見返すことがよくあったそうだが、その際に必要な情報がなかなか見つからないのが課題になっていたとのこと。また直近では新型コロナウイルスの影響で管理部門を在宅勤務に切り替えていることもあり、その環境下であってもスムーズに契約書をチェックできる仕組みが必要だったという。

現在クローズドβ版に搭載されている機能については上記の通りだが、今後はオープンβ版の公開に向けていくつかのアップデートを行っていく計画。契約書レビューサービスでは実装済みの仕組みを使って「締結版の契約書についても自動でリスクチェックをする機能」なども予定しているそうだ。

「契約書の中の情報を単に抜き出すだけでなく、テキストデータ化した後でいかに活用していけるかを追求していく。条項単位でリスクを細かく分析できる仕組みもその1つ。LegalForceを通じて締結前の契約書に対してやってきたことを、締結版の契約書に対してもできるようにしていきたいと考えている」(川戸氏)

契約書レビュー支援のLegalForceが株主総会議事録やファクタリング契約書などを含む書式・ひな形120点を追加

LegalForceは3月11日、法律事務所ZeLo・外国法共同事業と協働し、株主総会・取締役会の議事録書式100点、「ファクタリング契約書」などの専門性の高い契約書ひな形20点の計120点を提供開始したことを明らかにした。法律事務所ZeLo・外国法共同事業は、LegalForceの共同創業者の小笠原匡隆氏が代表弁護士、同社代表取締役CEOの角田 望氏が副代表弁護士を務める弁護士・弁理士事務所。

同社はAIを活用した契約書レビュー支援サービス「LegalForce」を展開している2017年4月設立のスタートアップ。LegalForceでは、これまで約150点のひな形を利用可能だったが、今回の新規追加によって270点超を利用できるようになる。LegalForceのAIが契約内容をチェックすることで、契約書制作の煩雑な作業を軽減できる。なお、今回追加された株主総会、取締役会議事録の書式は2021年6月までに施行が予定されている改正会社法の内容も踏まえたもので、施行後もそのまま使える。

LegalForceは、AIによる契約書の自動レビュー機能のほか、社内の契約書データの有効活用を支援するナレッジマネジメント機能なども備えており、現在250社の企業、法律事務所に導入されている。

AIが数秒で契約書をレビューする「LegalForce」が10億円を調達、導入企業は250社を突破

AIを活用した契約書レビュー支援サービス「LegalForce」を提供するLegalForceは2月21日、WiLなど複数の投資家から総額10億円を調達したことを明らかにした。

LegalForceにとっては2018年に実施したシリーズAに続くシリーズBラウンドという位置付けで、同社の累計調達額は約16億円となる。なお今回新規の投資家はWiLのみ。エンジェル投資家を除く全ての既存投資家が本ラウンドで追加投資を行った。投資家リストは以下の通りだ。

  • WiL
  • ジャフコ
  • 三菱UFJキャピタル
  • SMBCベンチャーキャピタル
  • みずほキャピタル
  • ドリームインキュベータ
  • 京都大学イノベーションキャピタル

契約書のリスクを数秒でチェック、導入企業社数は250社超え

LegalForceはAIを含むテクノロジーの活用によって、契約書のレビューやそれに紐づく業務を効率化するプロダクトだ。

細かい機能については昨年4月の正式ローンチ時に紹介したのでそちらを参照してもらえればと思うけれど、軸となる契約書レビュー機能だけでなく、過去の契約書をデータベース化して有効活用できるようにする「ナレッジマネジメント」の仕組みも備える。

LegalForceではWordやPDFの契約書をアップロードして契約の類型と自社の立場を選択するだけで、数秒〜数十秒後にはリスクを洗い出し、不利な条文や欠落条項を指摘。リスクのある部分については確認すべきポイントとともに修正文例を表示する。正式ローンチ後のアップデートとして「なぜこの論点を確認した方がいいのか」を解説してくれる機能も加わった。

レビュー前の画面。過去の似ている契約書やひな形と差分を比較することもできる

実際のレビュー結果。確認した方がいい箇所がハイライトされ、コメントや修正文例、解説が表示される

現在は業務委託契約を含めて22類型をカバーするほか、英語の契約書への対応も進めている。今の所はNDAに限られるものの「英語の契約書をアップロードすれば問題点は日本語で解説し、修正文例は英語で表示する」こともできるようになった。

レビュー画面では自社のデータベース(ライブラリ)に保存されている類似の契約書と照らし合わせて差分を表示したり、自社の用途に合わせてレビューの重要度をカスタマイズすることが可能。これらの機能を法務担当者や弁護士が使い慣れた“Word”でも同じように使えるのも大きな特徴だ。

Wordのアドイン機能を使うことで、普段から使っているWord上でそのままレビューや条文検索ができる

料金は月額10万円からの定額制で、現在までに250社以上の法務部や法律事務所が導入済み。業界問わず幅広い企業で使われていて、顧客の4割近くが上場企業だという。

今後はナレッジマネジメント機能と英文対応を強化へ

LegalForceのメンバー。中央が森・濱田松本法律事務所出身で代表取締役CEOを務める角田望氏。

LegalForce代表取締役CEOの角田望氏によると昨年4月の正式ローンチ以降、細かいものも含めて40以上のアップデートを実施してきたという。上述したもの以外だと民法改正への対応や法律の専門家が作成したひな形(LegalForceライブラリ)の追加、OCR機能の強化などがその一例だ。

レビュー精度の向上と対応類型の拡充も含めてプロダクトが進化したことで「以前はトライアル後に正式導入には至らなかった企業と契約に繋がるケースも出てきている」とのこと。導入企業社数の拡大だけでなく、規模の大きい企業や法律事務所が複数アカウントを契約するなどボリュームの大きい顧客も増えているそうだ。

今回の資金調達はこの勢いをさらに加速させるべく人材採用を強化することが主な目的となるが、特に今後は2つの領域にリソースを投下していく。

1つは英文契約書への対応だ。「留学経験がある人ならストレスなく読めるが、それでも日本語のものに比べると時間がかかる。慣れていない人だと数倍〜10倍くらいの時間が必要になり負担も大きい」と角田氏が話すように、英文契約書のレビューに対するニーズは高い。

そしてもう1つがナレッジマネジメント機能の拡張。これまでもLegalForceではライブラリという形で、社内の契約書をデータベースとして蓄積できる仕組みを提供してきた。これによって契約書をアップロードしておけば、キーワードに応じて条文単位で欲しい情報を引っ張ってきたり、同じような契約書と比較しながら重要な論点を確かめたりすることができる。

データベースでは自社で保有する過去の契約書だけでなく、LegalForce側で用意したひな形(LegalForceライブラリ)も含めて横断検索・活用ができる

「レビューした契約書自体に価値があるというのが自分たちの考え方。共有フォルダを作れば過去の契約書を共有して蓄積することまではできたが、それを有効活用するのは難しかった。LegalForceではファイルをアップロードするだけで情報が整理され、必要な時に資産として活用できる。共有・蓄積のストレスを軽減しつつ、活用の幅を広げていきたい」(角田氏)

たとえば過去に誰かが同様の契約書を作ってレビューしていれば、それはとても重要な参考資料になる。ただし他の人がどんな契約書をレビューしたかを全て把握するのは困難な上に、ファイルの数が増えてくれば探し出すのも大変だった。レビューを効率化するだけでなく「人間だけでは気づけない、たどり着けない自社に眠るナレッジ」に素早くアクセスできるのもLegalForceの強みの1つだ。

今後はこのナレッジマネジメント機能をアップデートしていく計画で、直近ではバージョン管理機能を搭載する予定とのこと。機能追加に加え、新しいプロダクトラインとして締結した契約書を効率よく管理できる仕組みも開発中だという。

「今まではレビューをメインにしていたが、自分たちがやりたいのは法務業務を総合的に支援すること。現在のレビュー機能だけでは十分ではないので、レビュー業務から派生するナレッジマネジメント機能などにも拡張していくことで、法務担当者や弁護士への提供価値をあげていきたい」(角田氏)

AIが瞬時に契約書の内容をレビューする「LegalForce」が正式ローンチ

アップロードした契約書のリスクをAIが瞬時にレビューしてくれる「LegalForce」。これまでTechCrunchでも何度か紹介してきた同サービスが、ついに本日正式ローンチを迎える。

開発元のLegalForceは4月2日、昨年8月からβ版として提供していた同サービスをアップデートし、本日より正式版として提供することを明らかにした。

契約書のリスクを1秒で提示、AI搭載のレビュー支援サービス

LegalForceは契約書の「自動レビュー機能」を軸に、「条文検索機能」や「文書レコメンド機能」、「件数レポート機能」などを通じて法務担当者の業務効率化をサポートするサービスだ。

同サービス上にWord形式の契約書をアップロードした後、契約書の類型と自社の立場を指定すると「不利な条文がないか」「欠落している条項がないか」を約1秒でチェック。リスクのある部分については確認すべきポイントとともに修正文例を表示する。

これまで人力で各ポイントを抽出するとなると、Excelなどでチェックリストを作って突合作業をするか、全てを頭の中にインプットしておく必要があった。この作業をソフトウェアに任せることで、抜け漏れをなくすとともに作業時間の短縮を見込める点がLegalForceの特徴だ。

昨年11月に紹介した時点では業務委託契約など5類型に対応していたが、正式版では13類型まで拡大。使える幅も広がった。

そして自動レビュー機能と同様に以前から搭載されていたのが、キーワードによる「条文検索機能」だ。これは自社で作成したひな形や過去にアップロードすることで“自社の契約書データベース”を作成できるというもの。

例えば「損賠賠償」と検索すれば、データベース内から損害賠償に関連する条文を一覧で表示できるため、毎回のリサーチ業務を効率化することに役立つ。

この機能も前回よりアップデートされて「LegalForceライブラリ」が新たに追加。ここには法律の専門家が作成した約100点のひな形が収納されていて、社内ライブラリと同様に特定の契約書や条文を参照したい場合に活用できる。

このような法務担当者の契約書に関する業務を、ブラウザを開かずに“Word上で”実行できるのがLegalForceのユニークなポイント。アドイン機能を使うことでWordから同サービスを起動することが可能なため、担当者は「メールで送られてきたWord形式の契約書をWordで開き、そのままレビューまで完結させてしまえる」というわけだ。

LegalForce代表取締役CEOの角田望氏によると、この機能が現場の担当者にはものすごく刺さっているそう。1台のPCを使ってブラウザとWordの契約書ファイルを何度も行ったり来たりするのは担当者にとって負担が大きいため「テクノロジーの利点を活かしつつ、現場の手間を極力省く」ことを重視した結果、このような仕様に行き着いたのだという。

似ている契約書を自動抽出し、差分表示できる機能も追加

上述したような既存機能のアップデートに加え、昨年末から新たに搭載された機能もある。

今見ている契約書と似ている契約書を自動で抽出して、両方の差分を表示する「文書レコメンド機能」もそのひとつ。社内のライブラリに膨大な契約書が蓄積されていたとしても、その中から最も近しい契約書を見つけ、内容を比較した上で重要なポイントをレビューできるようになった。

「典型的な利用シーンとしては過去に似たような契約をしていた取引先などと、また新たな契約を結ぶような時。『以前と何が変わっているのか』を把握するのが重要だが、これまでは自分の記憶ベースでしか似ているものを探せなかった。LegalForceの場合は自然言語処理の技術を用いて自動で探すことができるので、担当者が交代していたり、忘れてしまっていても問題ない」(角田氏)

そのほか、各担当者がどんな契約書を何件レビューしたのかを可視化する「件数レポート機能」や、レビューの基準をコントロールできる「ポリシー制御機能」なども追加。これらの機能を搭載した正式版は月額10万円〜提供する計画だ(ユーザー1人分。追加ユーザー1人あたり2万円)。

今後はPDFや英文の条文検索への対応も

昨年8月のβ版ローンチから約7ヶ月、角田氏によるとこれまでレビューにかけられた契約書は8000件を突破。それに伴い契約書のレビュー精度も上がってきていて、まだまだ類型によって異なるものの「9割5分くらいまでに上がってきた類型も増えてきている」という。

β版の利用企業社数は約240社。7割が上場企業もしくはその子会社と規模の大きい企業が中心で、すでに正式版の導入が決定している企業も40社ほどあるそうだ。

「特に(契約書への記載が)ないものをきちんと検出してくれる部分に対して利便性を感じてもらっている。全て人力で対応していた時に比べてレビュー時間が半分になり、レビューの質も上がったなどの声も複数頂いた。その反面、レビュー精度に関して『間違えますよね』という反応が一定数あったのも事実。その精度を改善してリリースしたのが今回の正式版だ」(角田氏)

今後の展望としては、引き続きLegalForceの軸であるレビュー精度の向上に取り組みつつ、春から夏頃にかけてPDFファイルや紙ベースの契約書(OCR機能)、英文の条文検索への対応などを順次進めていく方針。平行してWordアドイン機能のアップデートも行う予定だ。また中長期的にはレビュー以外の領域へのサービス拡張も考えているという。

「これまでテクノロジーとは無縁に仕事をしてきた法務の現場を、テクノロジーを活用してサポートしていきたいという思いは初期から変わらない。本来やるべきことがもっとあるのに、定型的なオペレーション業務が忙しくて手が回らないというのが多くの現場で共通する課題だ。それを解決するプロフェッショナル向けのツールとして提供していきたい」(角田氏)

LegalForceは森・濱田松本法律事務所出身の2人の弁護士が2017年に創業したスタートアップ。弁護士としての経験に京都大学と共同で研究開発を進める自然言語処理技術を統合して、法務担当者の契約書レビュー業務を支援するサービスを開発してきた。

同社は2018年4月に京都大学イノベーションキャピタルなどから8000万円を、11月にジャフコなどから約5億円(1月には同ラウンドの追加調達として4000万円を調達したことも発表)を調達している。

AIが1秒で契約書をレビューする「LegalForce」が5億円を調達、β版は約3ヶ月で70社が導入

AIを搭載した契約書レビュー支援サービス「LegalForce」を提供するLegalForceは11月30日、ジャフコ、京都大学イノベーションキャピタル、ドリームインキュベータを引受先とした第三者割当増資により約5億円を調達したことを明らかにした。

今回の資金調達は8000万円を調達した4月のシードラウンドに続く、シリーズAラウンドという位置付け。同社では開発体制や人材採用を強化し、正式版のリリースに向けてプロダクトの拡充に力を入れてる。

AI活用のレビュー支援と契約書データベースで法務の負担を削減

以前紹介した通りLegalForceは森・濱田松本法律事務所出身の2人の弁護士が2017年に創業したスタートアップだ。弁護士としての経験に、京都大学と共同で研究開発を進める自然言語処理技術、万単位の契約書を分析することで得た知見を統合。法務担当者の契約書レビュー業務を支援するソフトウェアを開発してきた。

メインの機能は、サービス上にアップロードされたWordの契約書を瞬時にレビューする「レビュー支援」と、契約書データベース内での「キーワードによる条文検索」の2つ。これらによって契約書に潜むリスクの判定から、条文例のリサーチまでを一括でサポートする。

実際に使う際はLegalForce上に契約書をアップロードした後に、契約書の類型や自社の立場などレビュー条件を指定する。その上でレビューを実行すると自社に「不利な条文がないか」「欠落している条項がないか」を約1秒でチェック。リスクや抜け漏れのある部分が検出されるとともに、該当する箇所の修正文例が提示される。

8月のオープンβ版リリース時には秘密保持契約(NDA)のみが対象で、レビュー結果もCSVでダウンロードする必要があったけれど、現在は業務委託契約など5類型に対応。結果もブラウザ上ですぐに確認できるようになった。

また代表取締役CEOの角田望氏の話ではレビューの精度もリリース時より向上しているそう。たとえば初期から提供していたNDAの場合、8割ぐらいだった精度が今では9割5分くらいまで上がってきているという(精度は類型によっても異なる)。

LegalForceには類型ごとにチェックリストが搭載されていて、アップロードした契約書が各項目にヒットするかどうかをAIが判定する構造。精度が8割の場合だと10個コメントが表示された時、そのうち2つが間違えているようなイメージだ。

「自分自身もレビュー業務で使ったりするが、8割の精度では『まぁまぁ間違えているな』という感覚だった。これが9割5分まであがると『基本的には大丈夫』に変わる。実際に使ってもらっている現場のユーザーからも、かなり業務が楽になったという声が多い」(角田氏)

同サービスはそもそも支援ソリューションであり、法務担当者を完全に代替するわけではなく「単純な繰り返し業務をサポートする」もの。人間のチェックとAIのチェックを合わせることで、効率的かつ抜け漏れのない契約書レビューを実現するサービスだ。

そのためAIだけでレビューが完結するわけではないけれど、精度があがることでレビュー業務全体のスピードも上がり、法務担当者がより多くの時間を他の業務に使えるような効果が生まれている。

もうひとつのキーワードによる条文検索機能は、あらかじめ過去の契約書や自社のひな形をアップローしておくことで「社内に蓄積されてきた契約書のナレッジ」を有効活用できる仕組みだ。

たとえば損害賠償に関する条項を検討している際に「損賠賠償」で検索すると、データベース内のそ雲外賠償に関連する条文を一覧で表示することが可能。従来は過去のファイルをひとつひとつ開きながら実施していたリサーチ業務の工数を大幅に削減できる点が特徴だ。

3ヶ月で大手企業や法律事務所など約70社が導入

オープンβ版の提供を始めてから約3ヶ月で大手企業や法律事務所を含む約70社が導入(2018年11月時点)。業界問わず、特に上場企業など法務部の専任スタッフが複数名いる規模の企業での活用が進んでいるという。

「特に大企業の法務部ではグローバル展開に向けた海外のリーガルサポートや、ガバナンスに関する難易度の高い仕事が増え、法務の仕事がどんどん拡大している。その一方で日常的な契約書関連の業務も疎かにはできず、各担当者の負担を軽減する仕組みが必要だ。人口減少などもあり法務部の人材を簡単には採用できないような状況だからこそ、LegalForceでは『法務部をどれだけ楽にさせられるか』をテーマにプロダクトを開発してきた」(角田氏)

β版のリリース以降も現場の担当者の負担を少しでも減らすという視点で随時プロダクトのアップデートを実施。新たに追加されたWordのアドイン機能も、その考え方から生まれたものだ。

これは簡単に言ってしまうとLegalForceの機能をWord上でそのまま使えるというもの。裏側ではクラウドと紐づいているので、Wordのアドイン機能を通じてレビューした履歴がクラウド上に残るほか、クラウド版と同じようにWord上でデータベースを活用した条文検索もできる。

実際に顧客にプロダクトを試してもらう中で、1台のPCを使ってブラウザとWordの契約書ファイルを何度も行ったり来たりする担当者の様子を見ていて「単にリスクをAIで判定するだけでは足りないと感じた」(角田氏)ことが背景にあるそう。

法務部の業務フローにギリギリまで寄り添いながら、一方でテクノロジーの恩恵もしっかりと受けられる形を考えた結果として、Wordのアドイン機能というアイデアが生まれたのだという。

今回調達した資金もプロダクトのさらなるアップデートに向けた開発体制や人材採用の強化に用いる方針。レビュー精度の向上のほか、対応類型の拡充や多言語対応、カスタマイズオプションの追加などに取り組む。

現在のβ版は無料で提供しているけれど、2019年の上旬にはいよいよ有料の正式版をローンチする予定。まずはスタートアップ向けのプランを先行で提供した後、大企業の法務部に対応したプランも整えていく計画だ。

弁護士が作るAI契約書レビューサービス「LegalForce」のオープンβ版が公開

法律事務所や企業の法務部門が日々担っている契約書のレビュー業務。従来はアナログな側面が強かったこの業務を、テクノロジーを用いることでスマートにしようとしているスタートアップがある。

4月にTechCrunchでも一度紹介したLegalForceがまさにその1社だ。森・濱田松本法律事務所で働いていた2人の弁護士が立ち上げた同社では、AI活用の契約書レビュー支援サービス「LegalForce」を開発。8月20日よりオープンβ版の提供を始める。

現在のLegalForceでできるのは「契約書の自動レビュー支援」と「契約書データベースの作成」の大きく2つ。これらによって契約書のリスクや抜け漏れを自動でピックアップすることに加え、社内に眠るナレッジを有効活用できるような環境を提供する。

自動レビュー支援機能はLegalForce上に契約書のワードファイルをアップロードした後、契約類型と自社の立場を選択すれば、リスクを抽出したり条項の抜け漏れを検出したりするものだ。

たとえば秘密保持契約書において「その他のアドバイザーに対して秘密情報を開示できる」という旨の記載があった場合。秘密情報を渡す側からすると比較的広い範囲の相手に開示されてしまう可能性があるため、そのリスクを自動でコメントしてくれる。

またLegalForceでは記載のある内容についてレビューするだけでなく、“本来は入れておいた方が望ましいけれど、現時点では契約書内に含まれていない内容”も抽出する。

「情報の抜け漏れのチェックはコンピュータが得意なこと。人間が全てきちんと抽出しようとすると、チェックリストを頭の中にインプットしておくか、Excelなどでリストを作って突合作業をする必要があった。ソフトウェアなら瞬時にできるので、抜け漏れをなくすと同時に作業時間の短縮も見込める」(LegalForce代表取締役の角田望氏)

現在対応しているのは秘密保持契約書のみだが、今後はニーズの多いものから順に類型を広げていく方針。またレビュー結果も現状はcsvでダウンロードする仕組みになっているが、9月末を目処にブラウザ上でそのまま表示できるようにアップデートする予定だという。

そしてLegalForceにはもうひとつ、契約書のデータベース機能が搭載されている。これは社内に眠っている契約書ファイルをアップロードすることで、各社独自のデータベースを作成できるというものだ。

LegalForceにアップした契約書は自動で条単位に分割されるため、キーワード単位で過去の条項を参照することが可能。たとえば「損害賠償」と検索すると、これまで作成した契約書の中から損害賠償に関する条項のみを探し出せる。

「契約書を作成していると、過去に作った契約書の条項を参考にしたい時がある。これを探そうと思うとエクスプローラーなどに溜まっているファイルをキーワードで検索し、その上でファイルをひとつひとつ開いて確認しないといけなかった。この手間を無くし、ダイレクトに欲しい条項にアクセスできるのが特徴だ」(角田氏)

LegalForceは4月からクローズドβ版の提供を開始。花王やサントリー、電通を始めとした複数の大手企業をプロダクトパートナーに迎え、実証実験を重ねてきた。

角田氏によるとすでに約1.5万件の契約書を分析しているそうで、今後はこれらのナレッジを蓄積しつつ、レビューやデータベースの検索精度を上げていくフェーズ。今回のオープンβ版を経て、2019年1月には正式版をリリースする計画だという。

なおAIを活用した契約書レビューサービスと言えば、こちらも以前紹介した「AI-CON」などがある。ただしAI-CONがスタートアップやフリーランサーも含めたエンドユーザーの利用も想定しているのに対し、LegalForceのターゲットは契約書をチェックする立場の法律事務所や企業の法務部門だ(角田氏によると、今のところエンドユーザーへの提供は考えていないとのこと)。

定型的な契約書レビュー業務を効率化することで、弁護士や法務部の担当者の負担を減らし、より高度な仕事にチャレンジできるようにサポートしていきたいという。

AIを用いて法務の仕事をスマートに——弁護士起業家が立ち上げたLegalForceが8000万円を調達

業界の課題を現場で体験した専門家が起業し、テクノロジーを駆使して新しいソリューションを提供する。近年のスタートアップをみるとそんなケースが増えたきたように思う。

今回紹介するLegalForceもそのひとつ。もともと森・濱田松本法律事務所で働いていた2人の弁護士が2017年4月に設立した、「テクノロジーの活用で企業法務の効率化」を目指すスタートアップだ。

同社は4月2日、京都大学イノベーションキャピタル、SMBCベンチャーキャピタル、京都大学学術情報メディアセンター/情報学研究科知能情報学専攻兼担 森信介教授を含む複数名の個人投資家から8000万円の資金調達を実施したことを明らかにした(資金調達は2018年2月〜3月にかけて実施)。

条文の内容をAIがレビューし、修正案を提案

LegalForceが現在開発を進めているのは、自然言語処理を用いた契約書レビュー支援サービス「LegalForce」。同サービスではAIやクラウドによって契約書のレビューにかかる負担と、それにまつわるコミュニケーションや情報管理の手間を削減する。

大きな特徴となりえるのがAIによる修正案のサジェスト機能だ。これは契約書内の条項を選択すると、過去の修正履歴やLegalForceのデータベースをもとに修正内容が提案されるというもの。イメージとしては「ここの箇所に漏れがあるので、○○のように修正してはどうですか?」といった具合だ。従来は担当者がフォルダを引っ張り出して、手作業で行っていた業務を自動化する試みとなる。

開発中のサジェスト画面のイメージ

LegalForce代表取締役の角田望氏によると、この機能はレビュー業務の効率化はもちろん、担当者が気づいていなかった要素を“発見”できるメリットもあるという。「すでに記載のある内容を修正することは、そこまで難易度は高くない。一方で『もともと書かれていないが、本来は書いておくべきこと』をゼロから発見することは難しい」(角田氏)

これまでであれば、担当者の経験や知識レベルに依存する部分もあっただろう。だからこそ過去のデータを基に、抜け漏れも含めてAIが修正案のチェックをサポートする利点も大きい。

ただ角田氏の話では「技術的にチャレンジングな領域」であり、同社の株主で自然言語処理技術の専門家の森教授と開発を重ねている段階だという。契約書は企業ごとに色があるため、ユーザーごとにデータを蓄積していき、個々に最適な提案をする必要もある。今後のステップとしては、企業の法務部や法律事務所とパートナーシップを組み、実証実験という形から始める方針だという。

法務担当者の負担を削減する業務支援サービス目指す

また上述した通り、LegalForceは契約書レビュー時のオペレーションを効率化する機能も備える。これは角田氏の言葉を借りると「(契約書に特化した)グーグルドキュメントとチャットワークを足したようなもの」に近い。

開発中の契約書レビュー画面のイメージ

ドキュメントの共有やステータスの管理、関連するコミュニケーションをクラウドに一元化。各条文ごとにチャット機能を備えることで、従来はWordのコメントやメール、ビジネスチャットで行っていたコミュニケーションをLegalForce上だけで完結できるようにする。

「実際に現場でレビューしていて、コミュニケーションの部分で課題を感じることが多かった。たとえばチャットでやりとりする場合は情報がどんどん流れてしまうし、メールでは話が混線してしまう。大事な内容を見落とす原因にもなるので、やりとりを一元化したいという思いがあった」(角田氏)

まずは4月末を目処にベータ版の公開、そして複数社との実証実験にも着手する予定。ベータ版にはAIを活用したサジェスト機能は搭載されず、正式版からの提供になるという。

「契約書×テクノロジー」といえば、弁護士ドットコムの「CloudSign(クラウドサイン)」やリグシーの「Holmes(ホームズ)」など契約書の作成や締結をスムーズにするサービスの印象が強い。LegalForceのようにレビュー支援に着目したサービスはあまりなかったように思う。

「弁護士や法務部の担当者に聞いても(レビューを含む)契約書業務が大変という話をよく聞く。なにより自分自身もそうだったので、自然言語処理の技術をはじめとするテクノロジーによってもっと便利にできるのではないかと感じていた。最近はAIというと『仕事を奪う』という文脈で捉えられることもあるが、そうではなく弁護士や法務担当者の負担を削減し、自分の価値を発揮できる仕事、クリエイティブな仕事により多くの時間を使ってもらえるような業務支援サービスを目指したい」(角田氏)