自動運転OS開発のティアフォーと韓国LGが自動運転のクラウドシミュレーターで戦略的提携

オープンソースの自動運転ソフトウェア「Autoware」を開発・提供しているティアフォー(Tier IV)は1月8日、韓国LGエレクトロニクスとの戦略的提携を締結した。LGが自動運転向けに開発したLGSVLシミュレータを利用して、Autowareの各種実証実験をさらに進めていく。

ティアフォーの創業者でCTO、Autoware Foundationの理事長を務める加藤真平氏。2019年11月に開催したTechCrunch Tokyo 2019では、JapanTaxiとの協業で自動運転タクシーの実証実験を進めることを発表した

LGSVLシミュレーターは、LGが3Dゲーム開発環境として知られるUnityで開発したソフトウェアだ。シミュレータ上に構築した仮想マップ上で多数のNPC車両を走らせ、その中で自動運転のアルゴリズムを検証できる。ティアフォーでは2019年2月にLGSVLシミュレータを利用した自動運転の実証実験についてブログ記事で触れており、今回の戦略的提携によって自動運転技術の精度がさらに増すことが期待される。また同社は、LGSVLシミュレーターとAutowareを使った自動運転チュートリアルも公開している。

ティアフォーの創業者でCTO、そしてAutoware Foundationの理事長を務める加藤真平氏はリリースの中で「ティアフォーは、今回の戦略的パートナーシップ、そしてLGSVLシミュレーターとAutowareの統合により、自動運転のシミュレーション環境を誰でも簡単に使えるソフトウェアとして提供する予定です。この環境を使うことで、Autowareベースの自動運転車で効率的で費用対効果の高いテストと検証を実現できるでしょう」と語る。

シリコンバレーにあるLGのAdvanced Platform Labでエンジニアリング担当副社長を務めるSeonman Kim(キム・ソンマン)氏は「高性能シミュレーションエンジン、広範なデータおよびコンテンツ生成パイプライン、シームレスなローカルおよびクラウドシミュレーションの統合機能により、LGはさまざまなユースケースをシミュレーションの力で解き放つことができる独自のポジションにいます。LGSVLシミュレータとAutowareを組み合わせることにより、両社は共同で自動運転開発のパイプラインを有効にし、より安全でより信頼性の高い製品とサービスを短期間で作成できます」と語る。

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