Limeの新しいeバイクはスクーターにも使える交換可能なバッテリーを搭載

Lime(ライム)は、2021年3月に新しいハードウェアの導入計画を発表して以来、ついに第4世代目のeバイクを街中に送り出すという約束を果たした。今回の新しい自転車には、Limeの最新世代のeスクーターと交換可能なバッテリーが搭載される予定だ。

企業広報のシニアディレクターであるRussell Murphy(ラッセル・マーフィー)氏によると、このマイクロモビリティ事業者は水曜日(米国時間1月12日)にワシントンD.C.で250台の新型自転車を導入し、4月までに2500台のeバイクを徐々に置き換えていく計画だという。Limeは今後1年間、世界の各都市で旧世代と新モデルの入れ替えを行いながら導入を続けていく予定だ。

この動きは、同社が新型eバイクの開発と北米、ヨーロッパ、オーストラリア、ニュージーランドのさらに25都市への展開に向けて導入した、5000万ドル(約57億5000万円)投資の一部である。

前世代のLime製eバイクはロンドン、シアトル、パリ、デンバー、そしてまもなくサウスカロライナ州チャールストンを含む世界50都市で導入される予定だ。同社は当初、2021年夏に第4世代モデルを発売することを目指していたが、サプライチェーンの問題により、昨秋の数回のパイロットを遅らせなければならなかったと、マーフィー氏はいう。

交換可能なバッテリーは、Limeの緑と白の新型バイクの最も注目すべき特徴だ。Limeの最新スクーター「Gen4」の外観ともマッチしたデザインだ。

「これは業界にとって飛躍の可能性を秘めています」と、マーフィー氏はTechCrunchに語った。「車種間でバッテリーを1つに統一すれば、より合理的でマルチな運用ができます」。

Limeは、バッテリーのアップグレードが、車両あたりのコストの改善につながると期待している。充電のために車両を持ち込む必要がなくなるため、共有型マイクロモビリティ事業の運営にともなう最も高いコストの1つになりがちな運用業務が減ることになるのだ。同時に、バッテリーを交換するだけで済むので、より多くの車両がより長く路上を走行することになり、利用者への信頼性が向上し、収益を上げる可能性も高くなるとマーフィー氏はいう。

「また、これまでバイクとスクーターの充電チームが分かれていたのが、1つのチームになり、すべての充電関連業務をこなせるようになります」と同氏はいう。

新しいeバイクは、ライダーが坂道をより簡単に登れるように改良されたモーター、スマートフォンを充電できる電話ホルダー、Gen4スクーターのものと同じ新しいハンドルバーディスプレイ、そして、モーターを動かすために少しペダルを踏む必要がない、よりスムーズにスタートできる自動2速トランスミッションも搭載される予定だ。

Limeがeバイクの規模拡大を続ける計画は、保有車両の大部分を一新し、より多くの都市に進出し、新たな技術を開発してさらなる都市からの提案要請を勝ち取るという、同社が掲げる目標に沿うものだ。同社は11月に、転換社債とタームローンによる5億2300万ドル(約602億円)の資金調達を完了したが、これは2022年株式公開を予定している同社にとって、最後の資金調達となる可能性がある。

Limeは株式公開に向けて準備を進める一方で、より効率的な運営を行い、ハードウェアを充実させることで、業界における支配力を強化しようとしており、今回のアップグレードしたeバイクの導入はそれを補強するものとなっている。一方、同社が手に入る限りの認可をかき集めようとする一方で、Ford(フォード)が所有する競合のSpin(スピン)は先週、公開認可市場から撤退するためのリストラの一環として、従業員の4分の1を解雇する計画を明らかにした。Spinは現在、米国の一部の市場、ドイツとポルトガルの全市場での事業を縮小しており、早ければ2月にもスペイン市場も閉鎖される可能性があるという。

画像クレジット:Lime

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Akihito Mizukoshi)

電動キックボードのLimeが593億円を調達、来年のIPOを目指す

シェア電動スクーターの巨人、Lime(ライム)が転換社債とタームローン(中長期貸付)で5億2300万ドルを調達した。CEOのWayne Ting(ウェイン・ティン)氏はこれを来年のIPOに向けた次のステップだと語った。Limeはこの資金を、脱炭素への取り組み、運用車両の第4世代電動スクーターへの大規模な置き換え、新たな都市への進出、都市からRFP(提案依頼)を得るための新技術の開発などに使用する。

「今回は応募者が大幅に募集枠を超えたラウンドとなり、一分野としてのマイクロモビリティへの関心が見直されていることを反映してると強く感じました。さらに重要なのは、Limeがこの分野の誰もが認めるリーダーであるという認識です」とティン氏が本誌に語った。「企業はIPOに向けた最終ラウンドに転換社債を発行することが多く、投資家は会社が上場することに賭けてラウンドに参加します。なぜなら割引価格で手に入るからです。そして皆さん御存知の通り、4億ドルを超える資金が入ってくるという事実は、来年の上場を目指しているLimeにとって実に大きな節目です」

全調達額のうち、4.18億ドルは転換社債によるもので、Abu Dhabi Growth Fund、Fidelity Management & Research Company、Uber(ウーバー)およびHighbridge Capital Mangementが管理するいくつかのファンドが参加した。この社債はLimeが上場すると自動的に株式に転換される。残りの1.05億ドルは、民間証券グループ、UBS O’Connorのシニア担保付タームローンで調達する。Limeはローンの期間を明らかにしていない。

FidelityとUberは、Limeの既存大口出資者だ。2019年にFidelityはLimeの3.1億ドルのシリーズDでリード出資者であり、昨年Limeがパンデミックに苦闘する中、Uberは1.7億ドルのダウンラウンドをリードし、LimeがUber傘下のマイクロモビリティ・スタートアップ、Jump(ジャンプ)を買収することにつながった。

Limeが来年上場する計画も発表された今回の発表は、ライバルのBird(バード)がSwitchback II CorporationとのSPAC(特別買収目的会社)契約によって上場したことを受けたものだ。ティン氏は来年の〈いつ〉LimeがIPO申請するのか、通常の方法をとるのかSPAC合併を試みるのかについて明らかにしていないが、Limeに詳しい筋は、同社がSPACのルートをたどる可能性は低いと言っている。

「ゴールは私たちのミッションを達成するために必要な資金を確実に得ることにあります。そのミッションとは、シェアできる、手頃価格で、環境に優しい移動方法の選択肢をつくることです」とティン氏は言った。

今週Limeは、同社の炭素排出目標が、Science-Based Targets Initiative(SBTイニシアチブ/科学的根拠に基づく目標)の認証を受けた。SBTは気象科学に基づく排出量削減のベストプラクティスを推進する組織で、パリ協定に従い、2030年までの実質ゼロを目標に活動している。Limeは最新ラウンドで得た資金から2000万ドルを脱炭素への取り組みに投入し、よりクリーンなハードウェアへの投資などによってサプライチェーンの80%が排出量目標を改善することを目指している。車両そのものやそこに使われる材料や生産を含めた資本財は、Lime全体の排出量の44.3%を占めている、と同社の炭素目標レポートにかかれている。スクーター部品や倉庫費用などの事前購入物資とサービスが25.8%を占めている。

「資本投資を通じて会社の運用を変えサプライヤーを後押しすることで目に見える結果を示したいのです」とティン氏は言う。さらに、Limeは自らの脱炭素目標をもたないサプライヤーとは仕事を続けるつもりがないと言い、他の会社も製造パートナーに同じような圧力をかけることを期待している。「脱炭素と輸送について語る時、それはビジネスを意味しています。当社が公開企業になった時、それがこの会社の拠り所であることを投資家に知ってほしいと思っています」

Limeは調達した資金を主に、既存の都市による認証を強化し、今いる市場との関係をさらに深めるために使用する。たとえば、新しい車両モードの開発や、「事業を拡張、拡大するにつれ、当社を都市にとって良きパートナーにする」ようなテクノロジーへの投資などだとティン氏は言ったが、Limeがどんな新モードやテクノロジーに取り組んでいるのか具体的には示さなかった。

しかし、先月ティン氏は、Limeが歩道検出テクノロジー・クラブへの参加に関心を持っていることを、WSJのテック・イベントで言及した。当時同氏は、Limeが第3四半期に2度目のEBITDA黒字を達成したことを宣言した。そこに至った大きな理由は最終利益の成長であり、同社が統制の取れた会社であることを意味している。しかし、COVID(新型コロナウイルス感染症)は、新規利用者と売上成長に影響を与え続けており、これは同社が今年80件の契約を得たにも関わらずである。

Limeの主要な使用事例である通勤と旅行は、徐々に立ち直っている。つい最近米国政府は、ワクチン2回接種済みの欧州人旅行者の入国禁止を解除すると発表した。 新たな都市への拡大もLimeのIPO前ロードマップに載っている。ティン氏は、Limeは北米・欧州の拡大を目標にしているが、中東にも関心があると語った。中東は本ラウンドのリード・インベスターが拠点をおいている場所だ。

「実際、都市間の移動は大幅に増加しており、2021年の収益は2019年のパンデミック前レベルに戻る見込みです」とティン氏は言った。「人々は安全で手頃な一人乗り移動の手段を求めています。そして、多くの人々が移動手段をLimeのようなマイクロモビリティー・プラットフォームに変えています。2022年には、そんな利用者との関係を深める機会があることを期待しています」

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Nob Takahashi / facebook

Limeがニューヨーク市に電動モペッド100台導入、デブラシオ市長による7月1日の完全解禁宣言を受けて

ニューヨーク市の電動スクーターシェアリング事業の入札を、最初の企業として勝ち取ってから数週間後、マイクロモビリティー大手のLime(ライム)は、ニューヨークの街に電動モペッドを導入する。ニューヨーク市で複数の形態のマイクロモビリティーシェアリングを展開するのは、Limeが初となる。

米国時間4月30日、Limeはブルックリン区の路上に100台の電動モペッドを展開する。今後数週間で、対象地域はクイーンズ区とマンハッタン区の南区域に広げる予定だ。ニューヨーク市は、自動車の排気ガスによる大気汚染と温暖化に悩まされてきた。2050年までにカーボンニュートラルを実現したいならば、同市は電動マイクロモビリティーをもっと快く受け入れる必要がある。

Limeの直接の競合相手は、ニューヨーク市でLimeの他に唯一電動モペッドのシェアリング事業を展開しているRevel(レベル)だ。Revelは先日、全電気自動車による配車サービスの開始を発表したばかりだ。Limeが最初に運用を開始する地域は、ウィリアムズバーグからグリーンポイント、さらにブルックリンハイツにかけてのブルックリン区北部のほぼ全域というRevelの対象地域と、だいたい重なっている。だが、Limeの広報担当者によれば、Limeは南西部のフラットランズまで対象地区を広げるという。

2021年4月初め、LimeはワシントンD.C.とパリでも電動モペッド事業を開始している。どちらの地区でも、Limeが力を入れているのがライダーと他の道路利用者の安全だ。そのための機能として同社は、AIによるヘルメット検知、免許証確認、活性テストを導入している。活性テストとは、指示に従っていくつかの表情を見せ、ライダーが本物の生きた人間であることを証明するためのもので、他人の顔写真で誤魔化すことを防ぐ。Limeの広報担当者は、この活性テストは免許証の人物とライダーの照合にも使われると話している。

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さらにLimeは、米モーターサイクル安全財団の監修で構築したライダー教育カリキュラムの受講をライダーに義務づけている。サービスは自賠責保険でカバーされ、ライダーが運転中に人や器物に損害を与えた場合の金銭的な補償がなされる。ただし、ライダー自身の怪我や器物の損害は対象外となる。

ライバルのRevelは、こうした安全対策の導入を苦い教訓から学んでいる。2020年夏、ヘルメットを装着しないライダーの死亡事故や通報が相次いだことを受け、同社は電動モペッドのシェアリングを数週間停止し、市当局の不安を払拭するための安全対策を練った。現在Revelでは、利用者にヘルメットを着用した自撮り画像を要求している。また初めて利用する人はみな、乗車前に、安全訓練クイズ21問に答え、教則動画を見ることが義務づけられている。Revelのアプリには、コミュニティ通報ツールも組み込まれていて、悪質なライダーを見かけた人は、誰もが通報できるようにもなっている。

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ライダーの安全を守るためのLimeとReveの取り組みは、ニューヨーク市交通局(DOT)に指示されたものではない。DOTによる電動スクーターの承認には長い時間を要したが、電動モペッドには市の規制がない。

「私たちはDOTと協力して作業を進め、私たちの取り組みを逐一報告し、質問に答え、あらゆる問題点に対処しています」とLimeの広報担当者はTechCrunchに話した。

Limeは今後、Pell Grant(大学生向けの米連邦政府による給付型奨学金)の受給者、休職中の人、各種助成を受けている人の料金を割り引き、さらにパンデミックの影響を強く受けた最前線で働く人、教師、非営利団体の職員、アーティスト、接待業の人たちは無料にするLime Aid(ライムエイド)プログラムを実施する予定だ。

より多くのニューヨーク市民がワクチン接種を受けて、街の活動が元どおりに解禁されたとき(7月1日に完全解禁という計画が発表されたばかりだ)、Limeはマイクロモビリティ提供者の主導的地位を確立したいと考えている。彼らにとって、パンデミック後の夏は、この上ない好機だ。

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タグ:Limeニューヨーク電動モペッドマイクロモビリティ

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:金井哲夫)

その求人情報からNYCとロンドンの電動キックスクーターパイロット参加企業が見えてきた

Twitterでのつぶやき、そして求人情報からLime(ライム)やSuperpedestrian(スーパーペデストリアン)といった企業が、スクーターシェアリングサービスにとって最後のフロンティアであるロンドンとニューヨーク市でのサービス展開の準備を進めていることがうかがえる。

求人情報をチェックすると、企業のウェブサイトやLinkedInでLimeやDott(ドット)がロンドンでのサービス開始を準備していて、一方でLimeとSuperpedestrian、そしておそらくSpin(スピン)もニューヨークでの立ち上げを準備している。求人情報はこうした企業が切望している事業許可を与えられたという決定的な証拠ではないが、どの企業が許可を勝ち取りそうかは示している。

都市居住者が社会的距離が取れる移動手段を模索していた2020年夏に、ロンドンの交通当局とニューヨーク市議会はそれぞれ電動スクーターのパイロット事業を承認した。ロンドンのパイロット事業は2021年初めに開始するはずだった。そしてNYCはもともと3月1日に立ち上げられる予定だった。しかしいずれの都市もどの企業に許可を与えるかまだ決まっていない。情報筋によると、ロンドンは5月6日の市長選が終わるまで発表しないようだ。NYCの交通当局はコメントを却下した。

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ロンドンではDott、Tier、Lime?

ロンドンのパイロット事業では、Dott(ドット)とLime、そしておそらくTier(ティア)が展開することになるとの憶測がある。DottとLimeのウェブサイトにある情報、LinkedInプロフィール、そして採用ページでロンドンのポジションで募集をかけている。業界情報筋はTechCrunchに、すでになくなっているが、Tierのホームページにはロンドンでの求人が掲載されていたと話した。

英国でまだ事業を展開していないDottは「英国でゼロから事業を立ち上げる」ための英国居住のオペレーションマネジャーを募集している。同社はまた「Dottの英国マーケットのための声」となる公共政策マネジャーも募集している。

Dottのウェブサイトにあるサービスエリアを示すマップでは、ロンドンのところに小さな黄色い旗が立っている。旗をクリックすると「ページが見つかりません」のエラーメッセージが表示される。

世界をあっという間に席巻しているようにみえるモビリティ企業Limeは、すでにJumpの電動自転車という形態で昨夏からロンドンで事業を展開している。LinkedInの新たな求人からするに、Limeは事業拡大の準備をしているようだ。

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同社のLinkedInページではロンドン拠点のゼネラルマネジャーを募集していて、業務には「英国のマーケット成長を支える運用インフラ」の構築・実行がある。この求人は1週間前に投稿され、同社は積極的にLinkedInで人材募集をかけている。

約1カ月前に、Limeはロンドン拠点のオペレーション・マネジャーの職の募集をかけ、まだリクルート中のようだ。

LinkedInでの求人からするに、Voiもまだパイロット事業のレースに残っているかもしれない。4月8日に同社はロンドンで6カ月限定のアンバサダーとスーパーバイザーの募集を追加した。これは現場での役割のようで、その職務が一時的であるというのはロンドンでの1年間のパイロット事業と関係があるかもしれない。同社が展開している英国の他の都市を管理するためにロンドンに置く人材を探しているだけ、ということもあり得る。

Birdはすでにロンドンのオリンピック公園で夏からサービスを展開しており、道路や歩道でのスクーター使用に関するロンドンの規制を変更するためのロビー活動を積極的に行った。オリンピック公園で展開しているためにBirdのサービス展開マップはロンドンを目立たせているのかもしれないが、同社がロンドンでのオペレーションと英国全体のオペレーションを管理するオペレーションアソシエートを募集していることがことをややこしくしている。

ニューヨークはLime、Superpedestrian、その他

画像クレジット:Lime

LimeはNYCにすでに馴染みがある。同社jは電動自転車をクイーンズのロックアウェイで展開してきた。そして現在、メカニックオペレーションスペシャリストの2つの職種で求人をかけている。Lime電動スクーターのマネジメント、メンテナンス、展開・回収と業務説明にはある。

マサチューセッツ州ケンブリッジ拠点のSuperpedestrianは自社ウェブサイトとLinkedInで4件の求人をかけている。NYC居住を理想とするCEO補佐役を探している。また、ゼネラルマネージャーの職も募集していて、この職には「ニューヨークとニュージャージーにおけるスクーターシェアリングを成長・成功させること」が求められている。

LinkedInでSuperpedestrianはNYCでの2つの職種で求人を出している。まず1つが1週間ほど前に投稿された、スクーター充電や安全点検、スクーターの展開、スクーターの修理・組み立てを管理するオペレーションアソシエートだ。もう1つが1カ月前に投稿されたスクーターメカニックだ。しかし公平を期していうとこの求人には「当社がNYCでのオペレーションを許可された場合」という注意書きが含まれる。

Spinもまた(1週間ほど前)ニューヨーク拠点のオペレーション人材の求人を出した。職務は「Spinの日々のオペレーション、ドライバーとメカニクスの管理、高効率なオペレーションチームの構築」だ。Ford傘下のSpinがNYCのパイロット事業の認可を得たことを正確に示してはいないが、募集をかけている職は立ち上げ業務に関わっているようにみえる。求人情報はまた、新規採用がSpin車両の構築・展開につながっていることをにおわせている。

欧州では大規模に展開しているが米国では今からというVoi(ボイ)はNYCが米国参入の足がかりとなることを望んでいる。同社はNYCの業務の求人を一切出していないが、求人情報にある勤務地のドロップダウンメニューにはNYCが含まれている。

最後にBirdだが、同社はニューヨーク勤務の求人2件をLinkedInに出し、推測の混乱に輪をかけている。4週間前に投稿され、今も積極的採用をかけているゼネラルマネジャーの職はかなりニューヨークに関われる人物を求めているようだ。4月7日に投稿されたオペレーションアソシエートの職務がNYCでの勤務になるのかどうかについては、やや曖昧なものとなっている。

カテゴリー:モビリティ
タグ:電動キックスクーターロンドンニューヨークLimeSuperpedestrianLinkedIn

画像クレジット:Photo by TOBIAS SCHWARZ/AFP via Getty Images / Getty Images

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Nariko Mizoguchi

電動キックスクーターシェアのLimeがアプリ不要の乗車機能を展開、予約料金も撤廃

Lime(ライム)はさらに多くの利用者を引きつけようと、電動キックスクーターをアプリのダウンロードなしに借りることができるなど、いくつかの新機能を展開する。

マイクロモビリティ企業の同社は米国時間3月24日、新規ユーザーにとっての障壁をなくしてスクーターへのアクセシビリティを向上させるためにデザインされた一連の機能を発表した。新機能には最長10分間の無料スクーター予約、最寄りのスクーターのレコメンデーション、ダークモードでのアプリ閲覧オプションなどが含まれる。

アプリ不要のエクスペリエンスはすでに同社の130のマーケットの半分超で提供されており、デベロッパーが使用状況をモニターし、分析している。この機能は電動スクーターでのみ利用できる。同社デベロッパーによると、無料の車両予約とレコメンデーションの機能は、同社の全マーケットで電動スクーターと電動自転車を借りるときに使うことができる。

「アプリやアプリに関連する機能を構築するために当社はライダーのフィードバックを使います」とシニアプロダクトマネジャーのVijay Murali(ヴィジャイ・ムラリ)氏はTechCrunchに話した。アプリストアのレビュー、機能あるいは機能の欠如についての顧客からのクレーム、顧客調査、世界中のライダーとの研究セッションなどを参考にしてデベロッパーが新機能に取り組む際の方向性を決める。最新のアップデートについて、同社のチームは顧客が求めている3つの項目で目標を設定した、とムラリ氏は話した。

「まず1つは、多くのユーザーがこの新たな交通手段を試す用意ができているものの、アプリをダウンロードしたりコミットしたりしたくないということでした」と同氏は述べた。「2つめは、当社の車両を頻繁に利用している人が持つ価格に関する懸念。そして3つめが特に大都市で最も近くにある車両を簡単に見つけられるようにすることでした」。

現在、顧客がアプリを立ち上げると、最寄りの車両へと案内され、無料で予約するオプションが提供される。これについて、ムラリ氏はスクーターに飛び乗るプロセスを合理化し、乗車を毎日の習慣にするのをサポートする、と語った。

アプリなしでの乗車機能は、マイクロモビリティの利用が初めてという人、アプリをダウンロードする容量がスマホに残っていない、あるいは高い国際データプランを使っている人向けだ。

この機能を使うには、顧客はカメラアプリでQRコードをスキャンする必要があり、そうすることでAppleのApp ClipsあるいはAndroidのInstant App機能につながる。すると顧客は乗車を確認し、Apple PayかGoogle Payを使って乗車を開始できる。テクニカル的にいうと、ユーザーは実際にはミニアプリをダウンロードしている。フルバージョンのアプリが100MBなのに対して、ミニバージョンはたったの10MBで、スマホに留まるのは8時間のみだ。平均的なライダーにとって、その作業はファイルやアプリをスマホで開けるかのようだ。アプリをダウンロードし、アカウントを作って決済方法を設定して使用方法を読むのには5分ほどかかるが、ミニアプリは30秒しかかからず、ずっと早い。

この機能は結果的にLimeアプリのダウンロードを少なくし、そのためユーザーデータも減少する。しかし現時点では販促により関心があると同社は話す。

「比較的高いダウンロードへの変換率も目の当たりにしています」と別のシニアプロダクトマネジャーZach Kahn(ザック・カーン)氏は述べた。「手間、そして決済方法や車両を選択する必要性を抑制すると、コンバージョンが増し、最初の乗車でそれなりの割合を占めます」。

同氏は、アプリなしの乗車を経由してLimeを利用するようになった人のコンバージョンレートを明らかにしなかった。ムラリ氏は、Limeがコストを排除した時にテストを行っている都市の多くのライダーが車両の予約をし始めたと語った。以前は予約の浸透率は低く、3%ほどだった。

「すべては、社会の異なるセグメントの人々、特にサービス提供が不十分のエリアの人々がLimeの車両にアクセスする際の障壁を少なくするためです」とムラリ氏は話した。「サービス浸透が不十分のコミュニティでは、スクーターに乗車するのにいくらかかるかというのが真っ先にきます。ですので、そうした不要な予約料金を排除することは、人々をもっと乗ろうという気にさせます」。

Uber(ウーバー)とAlphabet(アルファベット)の出資を受けているLimeはブロンクスで展開されるニューヨーク市のパイロット電動スクータープログラムを獲得しようとしている企業の1社だ。ブロンクスは多くの低所得コミュニティを抱え、公共交通手段が乏しいところだ。各企業はそれぞれにユニークなセールスポイントを持っている。例えばSuperpedestrian(スーパーペデストリアン)はファーストクラスの安全機能とジオフェンスコンプライアンスの強化を選んでいる。しかしLimeの優位点は純然たるサイズと新機能をすばやく実行できる能力にあるとムラリ氏は話す。

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「当社はライダーファーストというだけではなく、どうやってそれを実行するかを正確に理解していて、そうした機能や改善がアプリで起こるようにします」とムラリ氏は述べた。「それが他社と差別化を図っている点です。どれくらいのスケールと早さで、どれほど重要な進展を遂げているか。たとえば当社はApp Clipsというかたちの新しいテックを持っていて、最初にそれをテストしてマーケットに持ってきて、そしていまあらゆるマーケットで展開中です」。

声明の中で、Lime はアプリレスの乗車を提供する初のマイクロモビリティ企業だと主張した。しかしAppleはSpinからのスクーターを借りてApp Clipsを宣伝したようだ。SpinもまたニューヨークのRFP(提案依頼書)に応じた。同社の広報担当は、同社が将来App Clipsエクスペリエンスを電動キックスクーターに持ってくるためにAppleと協業していると話した。

カテゴリー:モビリティ
タグ:Lime電動キックスクーター

画像クレジット:Lime

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Nariko Mizoguchi

Limeがスクーターとバッテリー互換可能な新型eバイクを発表、53.4億円を投資して新市場25都市に拡大

共有モビリティスタートアップのLime(ライム)は米国時間3月1日、同社のバイクシェア事業に5000万ドル(約53億4000万円)を割り当てたと発表した。この投資は新しいeバイク(電動アシスト自転車)の開発に使われ、2021年中に北米、ヨーロッパ、オーストラリア、ニュージーランドの25都市に新たに拡大するための資金となるという。

同社がその目標を達成すれば、2021年末までに世界50都市でLimeのバイクシェアサービスが稼働することになる。

社内では6.0として知られている最新世代のeバイクは、Limeの最新スクーターと互換可能なバッテリーを搭載している。eバイクの追加アップグレードには、モーターパワーの向上、携帯ホルダー、新しいハンドルバーディスプレイ、前世代のケーブルロックに代わる電気ロック、自動2速トランスミッションなどが含まれる。この新しいeバイクはこの夏にローンチされ、スケールアップする予定だ。

このハードウェアのアップグレードは、当初は2020年に展開される予定だった、Jumpが開発した自転車「5.8」をベースにしている。しかし、Jumpを所有していたUberが、2020年5月に発表された1億7000万ドル(約182億円)の複雑な投資ラウンドの一環としてこのユニットをLimeに譲渡したため、それは本格的に実現しなかった。

Limeの社長であるJoe Kraus(ジョー・クラウス)氏は、最近のインタビューでこう語っている。「Jumpはすばらしいハードウェアを作りました。そして、新しいバイクでは、その上にさらにいくつかの改良を加えました」。

ハードウェアのアップグレードと拡張は、外部の投資家からの新たな資金調達ではなく、自社の運営資金で賄われたとクラウス氏は述べている。この資金調達が可能になったのは、Limeが2020年に初の四半期黒字化を達成した結果だという。

「収益化を達成する方法がわかったので、これに資金を投入するのです」とクラウス氏は語った。

Limeは新型バイクに新しいモーターを追加しただけでなく、低速での扱いやすさと、坂道を登るのに十分なパワーを持たせるためにモーターの位置も移動させた、とクラウス氏は語った。そして互換性のあるバッテリーが、おそらく収益性に直結する最も重要なアップグレードだったと同氏は付け加えた。

「当社の業務チームは街中をさまよってバイクやスクーターの車両を管理するわけですが、それによって収益性を保つとともに、手頃な価格設定を継続することが可能になります」とも。

Limeのeバイク事業への新投資は、同社のマイクロモビリティプラットフォームに電動モペッドを追加する計画が発表されてから1カ月後のことで、Limeは近所の店にちょっと買い物に行くというような短距離の用事から5マイル(約8km)ほどの距離の移動まで、都市部の移動範囲を支配しようと目指している。同社はこの春、ワシントンD.C.で600台の電動モペッドをプラットフォーム上に配備することにより、この取り組みを開始しようとしている。最終的には、今後数カ月間に「ひと握りの都市」で電動モペッドが提供される予定だ。

「都市内で5マイル(約8km)の距離を移動するためのサービスを、どうすればもっと提供できるかという構想が、当社がマルチモダリティ戦略を続けている背景の1つにあります」とクラウス氏はいう。「スクーターのある都市にeバイクのような新しいモダリティを追加したり、eバイクのある都市にスクーターを追加することで、両方のモダリティの利用率が上がるのです」。

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タグ:Lime電動自転車

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Aya Nakazato)

共有モビリティのLimeが10km先にも行けるペダルつきの電動バイク「モペッド」導入を発表

Lime(ライム)が、そのマイクロモビリティプラットフォームに、同社のシグネチャーグリーンに塗られた電動モペッド(ペダルつきのバイク)を追加し始めている。近所の商店へのちょっとした買い物から、10kmほど離れた比較的遠い場所への移動まで、都市部における移動手段を拡大することが狙いだ。

Limeは米国時間1月27日、この春に600台もの電動モペッドをワシントンD.C.で導入すると発表した。同社はパリでも自治体と協力してこの電動モペッドの試験的運用に取り組んでいる。最終的には、今後数カ月の間に「いくつかの都市」で提供される予定だ。

中国の電動バイクメーカーのNiu(ニウ)から提供されるこのモペッドは、2名乗車できるように設計されている。ヘルメットが入るコンパーメントには赤外線カメラのようなテクノロジーが装備されており、走行中に使用されているかどうかを検知する。これは正しく使用し安全を高めるための取り組みで、ヘルメットを常に着用することなどのLimeのポリシーに繰り返し違反した場合は、プラットフォームから追い出される。乗車開始時にはヘルメットを被り、その様子を自撮りしなければならない。

このヘルメットは、米国ではMoon(ムーン)、欧州ではNikko(ニッコー)から供給される。

モペッドの最高速度は45km/hで、1回の充電で140kmの距離を走行可能だ。Limeのスクーターは、ギグエコノミーの労働者が収集と充電を行い、街中に再配備することでお金を稼ぐことができるが、モペッドは交換可能なバッテリーを採用しており、Limeの正社員たちが維持管理を行う。

モペッドが以前からLimeの長期計画に含まれていたかどうかは不明だが、同社の新しいモビリティの責任者は、電動化された都市交通の将来に何を導入することができるか、同社は常に考えているとTechCrunchに語った。

「会社として成長していく中で、我々はユーザーが求めているもの、つまりより遠くへの移動をフォローする必要があると理解しました」と、LImeのニューモビリティの責任者を務めるSean Arroyo(ショーン・アロヨ)氏は語る。「いつでも、どこでも、どんな移動にも対応できる能力は、当社の基盤にあるものです。実際に我々のユーザーがこの方向性を示してくれたのです」。

LimeのCEOであるWayne Ting(ウェイン・ティン)氏は2020年末、スクーターやバイクを超えた「第3の交通手段」が、2021年の第1四半期に計画されていることを初めてほのめかした。同時に、サードパーティーの企業が同社のプラットフォームに加わることも示していた。

Limeは2020年、同社のアプリにWheelsブランドの電動バイクを取り入れることも開始した。ティン氏は当時、ユーザーはこのようなパートナーシップに期待してもよいと述べていた。

モペッドへの事業拡大は、Limeが新型コロナウイルスに汚染された暗い時代をなんとか乗り切ったという表れだ。同社は2020年4月に一連のレイオフを実施し、翌月にはUberから投資を受けることで、評価額は10億ドル(約1047億円)を割った。新型コロナウイルス感染が起きた初期の1カ月間、Limeはほとんどの業務を停止した。

しかし、同社はそれ以降、回復した。ティン氏は2020念11月に、同社が第3四半期に営業キャッシュフローの黒字とフリーキャッシュフローの黒字の両方を達成し、2021年には特定のコストを除き(EBIT)、通年黒字になるペースであると語った。同社また、モペッドに進出するのに十分な現金、またはそのためのアクセスを持っていた。

問題は「より多くのモードが進行中なのか」ということだ。

アロヨ氏は具体的なことは言わなかったが、より多くのモードが登場することは確かなようだ。

「2021年はモードだけでなく、オプション性も含めて、当社が本当に拡大していくのをご覧いただけると思います」と、アロヨ氏は述べている。「我々にとって、すべての移動に利用できるプラットフォームを持つことが何より重要です。また、利用者にとって合理的なオプションを提供できるようにしたいと考えています。共有モビリティは事業の巨大な要素ですが、その中には様々なレベルの共有できるモビリティがあります。2021年を通して、我々のモードが拡大するにつれて、かなり多くの異なるオプションを提供することになると思います」。

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Hirokazu Kusakabe)