ValveがLinuxベースのゲーム専用機SteamBoxを発売か?CEO曰く: ゲームの未来はLinuxにあり

今日(米国時間9/16)から行われるLinuxconの幕開けキーノートで、ValveのファウンダでCEOのGabe Newellが、ゲームの未来はLinuxにある、と言い、同社が来週実際に、Linuxをベースとするゲーム機を発表するらしきことを匂わせた。

彼がLinuxにそこまでの確信を持っているのは、同社のオンラインプラットホームSteamの経験からだ。昨年春のローンチ以来、すでにデベロッパたちがその上で198のゲームを作った。

彼によると、Steamの現状が示唆しているのは、ゲームがネットワークの、ひいてはオンライン経済の、ノードになる未来の姿だ。それらのノード(節点)の上で、企業ではなく個人が、様々な物やサービスを作り、共有し、交換していく*。〔*: それが、Linuxの開発史の姿そのものでもある。〕

Linuxのバラ色の未来が生まれた温床は実は、PCのベンダがプロプライエタリな技術で支配していた往年の日々だ。その壁を打ち破るためにオープンなシステムが出現し、プロプライエタリなハードウェアは徐々に影が薄くなっていった。今イノベーションを引っ張っているのはPCゲームだが、その中のもっとも興味深い開発はオープン技術のコミュニティから生まれている。

彼によると、プロプライエタリなシステムは業界に不和軋轢をはびこらせ、イノベーションの足かせとなる。たとえば、と彼は言う、今AppleでiPad用ゲームのアップデートを承認してもらうために、6か月もかかる。しかしLinuxをベースとするオープンな環境では、そんなとんでもない牛歩はありえない。

PC市場にも、同様の変化が訪れている。PCハードウェアの売上は年々減少しているが、PCゲームはそれに付き合って下降をたどることはなく、むしろ、オープンソースでイノベーションフレンドリーな環境で栄えている。またそのおかげで、昔のような、ゲームの制作者と消費者という明確な区別がなくなりつつある。たとえばTeam Fortressの場合は、コミュニティが作るコンテンツの方がValveのデベロッパが作るものよりも10倍も多い。

Newellは、彼が近未来のLinuxゲーム機によって構想しているらしいLinuxのリビングルームへの進出について、こう言った: ハードウェアはそれぞれ複雑なプロプライエタリなシステム(ドライバなど)を必要とするが、Linuxはそれらをすべて単一のシンプルで普遍的なものへと抽象化している。だから未来の開発環境として優位である。彼は、Linuxはモバイルとリビングルームとゲームを普遍的に一元化する、と言う。そして人びとも、それぞれ特殊な知識や特殊な周辺機器を必要とする複雑でプロプライエタリな製品よりも、シンプルで普遍的でオープンな、わかりやすくて使いやすいものを求めるだろう、と。以上が彼の、Linuxの未来はバラ色説の根拠だ。

前からの噂では、Valveが近くローンチするゲーム専用機はSteamBoxという名前らしい。もちろんそれは、Linuxマシンでもあるはずだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))