Nookプロジェクトを下りたMicrosoftは一日にいくら損をしたか

Barnes & NobleがAmazonのKindleに対抗して立ち上げたNookプロジェクトが行き詰まり、Microsoftとのパートナーシップは不名誉な終わりを迎えた。B&NはMS社に、わずかばかりの手切れ金を渡すことになる。

公式の提携終結文書によると、MicrosoftはB&N社の3億ドル相当の優先株のすべてを、(i)6242万5006.63ドルのキャッシュと(ii)273万7290株の普通株と引き換えに売ることになる。

Barnes & Nobleの株価は今日急落し、さきほどまた6%強下げて20.88ドルだったから、Microsoftの持ち分は1億1960万ドルになる。巨額ではあるが最初の3億ドルの投資に比べると、ずっと少ない。

1億8040万ドルの減価だ。

このほかに、契約の中にはMicrosoftからの支出項目がいくつかあり、また、ジョイントベンチャーの部分的オーナーとして得られたかもしれない収益(得られなかった収益)も、理論的には損失として計上できる。が、ここでは面倒な計算を避けよう。

Nookのパートナーシップから返金がある現状では、Microsoftが今後このプロジェクトに資金を投ずることはありえないだろう。B&Nは現状でとりあえず、Microsoftに金を払えるのだから。また収益については、それがあればMicrosoftの分け前もあるはずだが、公式文書にその方面の情報はない。で、今後の投資や収益配分についても、この記事では無視。

Microsoftはパートナーシップから得られた収益についてコメントを拒否したが、もしそれがあれば、失敗したパートナーシップによる損失は、(理論としては)そのぶん少ないはずなのだ。

このパートナーシップが発表されたのは977日前だから、1億8040万ドルの損失をその間の日割りにすると18万8331ドルになる。大金だが、実際に何かに使った金ではない。3年近く、毎日20万ドル近くを燃やしてしまったのだから、高価な火遊びだが、Microsoftの総現金保有額や各四半期の所得の額に比べれば、取るに足らない。

仮に、Microsoftに5000万ドルの収益があったとしても、一日の損失は10万ドルを超えている。それなら、Fabの苦境時よりも少ないけど。

それに、Nookによる損失は、悪名高きSurfaceの償却に比べれば大したことない。さらにここで、最近のAmazonのFireスマートフォンの在庫処分の話を持ち出せば、Nook、Surface、Fireスマートフォン、いずれも、ハードウェアビジネスはハードだ、ということの典型例だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


簡単に解読されてしまったNSAの暗号ツイート

NSAが暗号化されたメッセージをTwitterに流していた。

これはいったいなんだろうか。秘密任務の指示なのかとも話題になったが、Business Insiderの読者が暗号解読に成功した。いわゆる換字式暗号(substitution cypher)で、暗号化技法としてはごく初歩的なものだ。上に掲載したNSAのツイートでは、暗号文中の「c」は実は「t」で、「d」が「o」といった感じになる。

対訳形式でみてみよう。

tpfc [Want] cd [to] lfdt [know] tepc [what] ac [it] cplir [takes] cd [to] tdkl [work] pc [at] frp [NSA]? qeiql [Check] hpql [back] ipqe [each] odfgpw [Monday] af [in] opw [May] pr [as] ti [we] izxndki [explorer] qpkiikr [careers] irrifcapn [essential] cd [to] xkdciqcafm [protecting] dvk [our] fpcadf [nation].

おわかりになっただろうか。NASによるスタッフ募集関連ツイートの前宣伝ツイートであったわけだ。平文のみを抜き出すと次のようになる。

Want to know what it takes to work at NSA? Check back each Monday in May as we explore careers essential to protecting our nation.

この暗号を解読できる程度の実力があれば雇ってくれるということだろうか。期待した人には残念だが、そうではない。この程度の暗号を解読できる程度では、NSAにとって必要な人材であるということを示すことはできないのだ。おそらく換字式暗号についてはミリ秒単位で平文にしてくれるオンラインサービスなどもあると思う。

すなわちNSAがツイートした暗号に実用的な意味はない。暗号について興味をもってもらい、そしてNSAの仕事に関心をもってもらおうということで投稿されたものなのだろう。

IMAGE BY FLICKR USER JD Hancock UNDER CC BY 2.0 LICENSE (IMAGE HAS BEEN CROPPED)

原文へ

(翻訳:Maeda, H


Appleのマップに、ネス湖の怪獣はいなかった

真面目な話 、インターネットではAppleマップで見つかった奇妙な画像に関する真剣な議論が起きており、一部の人々はこれをネス湖怪獣の証だと言っている。もちろん「一部」というのは、アマチュアのネス湖怪獣愛好家のことで、そのファンクラブの創設者、Gary Campbellは報道陣に対して、今やバイラルになったこの画像について、彼らのグループでは何ヶ月も前から研究を続けていると語った。

「あれはボートの航跡のように見えるが、そのボートがない。湖岸に係留されているボートは何隻か見えるが、ここにはいない。船舶の専門家にこれを見せたが、彼らにも何であるかはわからなかった」、とCampbellはある英国ニュースメディア(エヘン、タブロイド紙ね)に伝えた
Appleの地図アプリで見つかった衛星写真には、かなり大きな波紋が見られ、航跡のようにも見える。

そしてそれは、結局、航跡だった。

しかし、ロールシャッハテストのインク模様と同じく、そこにはその人の〈見たい〉ものが見えるのだと私は思う。

あなたは航跡と言う、彼らは怪獣と言う。トメイトー、トマトー。

だが待て! なぜボートがないのに航跡ができるのか? 実は、その後いくつか記事が指摘したところによると、動いている物体 ― ボート等 ― が衛星写真から消えることは、よくある現象であり、画像をつなぎ合わせて一枚にするコンピュータープログラムの処理方法によるものだという。接合アルゴリズムがおかしくなると問題が起きるらしい。

数多くのメディアがこの話題を取り上げた ― ニュースのない週末!ページビューだ! ― その後、一部のサイトは、わざわざ以前の衛星写真から取ってきた問題のボートの写真と共に暴露記事を載せていた。

というわけで、あれはボートの航跡であり、巨大なひれ足を持つ体長30メートルの大ナマズではなかった。

ブーーーッ。

Appleには、本誌がインターネットを代表して謝罪の意を表したが、コメントの要求に対する回答はない。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook