3Dアニメーションを投影できるLooking Glassはピクセルの金魚鉢

まず最初に断っておかなければならないが、Looking Glassの写真を納得できるように撮るのは極めて難しい。ちょっと想像してもらえらればわかると思うが、3Dの画像を2Dの写真に収めなければならないのだ。

もう1つ言いたいのは、Looking Glassは本当にクールだということ。「直接会って見なければわからない男」というわけではないが、まあ、実際に自分の目で見てみなければわからないだろう。TechCrunchのライターであるLucas Matney(ルーカス・マトニー)は、昨年に箱状のLooking Glassを見たとき「ピクセルの金魚鉢」のようで、「奇妙で魅力的」と表現した。11月に発表されたこの8Kディスプレイは、少なくとも形状について言えばずっと単純明快だ。箱ではなく、一般的なディスプレイに近い。それで3D画像のアニメーションが表示できる。

このシステムには3320万ピクセルがあり、45エレメントの光照射野を備えている。それにより、実に印象的なホログラフィック効果を生み出している。ただし、その効果が本当にうまく発揮される範囲は、はっきりと限られている。正面から45度の範囲が特等席だ。それを外れると、画面はぼやけてくる。また、上の人間の顔の3D画像のように、ホログラムが画面から飛び出し過ぎると、ピントがずれる傾向もある。この場合、鼻の部分が6インチ(約15cm)ほど飛び出しているが、その部分はかなりぼけている。

Looking Glassは、会社設立から4年が経過した。2月上旬までに、シリーズAの資金として約1400万ドル(約15億3000万円)を調達する予定だ。そこには、SOSV、Lux Capital、Foundry Groupなど、今回の資金調達ラウンドをリードした著名な投資家が参加している。この技術には、デモを見た投資家たちを唸らせるものが確かにある。

「今では、世界中に何千ものシステムがあります。そうしたシステムを購入するデベロッパーのほとんどは、大企業にいる人たちです」と、共同創業者でCEOのShawn Frayne(ショーン・フレイン)氏はTechCrunchに語った。「多くの点で、彼らは伝道者なのです。独自のアプリを開発している場合もありますが、私たちが開発ユーティリティを使うこともできます」。

このスタートアップは、米国ブルックリンに拠点を置いている。企業内での利用だけでなく、たとえばビデオチャットのような基本的な用途も含め、一般ユーザー向けのアプリケーションも模索している。フレイン氏によると、同社はゲームについても議論を重ねており、HTC Viveコントローラーに装着した懐中電灯を利用した素晴らしいデモも披露している。ディスプレイに向けると、フェイクのライトが、写真の奥行きに印象的な効果を与えるというもの。

この技術は、大衆市場のユーザーにとっては、まだまったく実用的なものとは言えない。しかしそうしたシンプルなデモでも、強い没入感のある体験を共有できるような、ワクワクする将来の大きな可能性を垣間見せてくれる。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

一人じゃないVR、クリエーター感涙のホログラムディスプレイ「Looking Glass」

クラウドファンディングサイトの「Makuake」は2月26日、ホログラムディスプレイ「Looking Glass」の支援者募集を開始した。8.7インチモデルのスタンダードタイプは支援額が6万4000円から、15.6インチのラージタイプは30万5000円からとなる。募集期間は60日のAll or Nothing(達成後支援型)。つまり、目標額を達成しなかった場合は支援金は返金され、製品は受け取れない。なお、募集期間中の送料は無料となる(通常は8800〜1万3800円)。

このホログラムディスプレイは、2018年にクラウドファンディングサイト「Kickstarter」で9300万円の資金を集めたハードウェア。日本からの申し込みがかなりの数を占めたことから、このたび日本語マニュアルがついたモデルがMakuakeに登場することになった。

Looking Glassは、3Dシーンを45の異なる角度で映し出しており、複数人が同時に異なる方向から見ても立体的に見えるのが特徴だ。もちろん、特許は出願中だ。

具体的には、3D統合開発環境のUnityなどで作成したキャラクターを立体的に映し出せる。具体的には、Unityに「HoloPlay Unity SDK」を組み込んで3Dモデルを作成することでホログラム投影が可能になる。OBJ、FBX、STL、gLTFなどの3Dフォーマットのデータは「3D Model and Animation Importer App」でLooking Glass用データに変換可能だ。3Dモデルだけでなく、Looking Glass用に撮影した実写映像を取り込んでホログラム投影することもできる。

キャラクターを出力するにはPCが別途必要で、Looking GlassとはHDMI、USB Cで接続する。スタンダードタイプはバスパワー駆動、ラージタイプは別途ACアダプターが必要になる。対応するOSは、Windows(64ビット)で、推奨GPUはNVIDIA GTX 1060以上。GPUパワーをかなり使うため、WindowsのゲーミングPCを利用するのが望ましいとのこと。開発者によると「Macでも頑張れば使えるが、GPU性能が低いため表現の幅は狭まる」そうだ。

さらに、赤外線で動きを感知する「Leap Motionコントローラー」を併用することで、ポログラム投影された3Dモデルの視線を誘導したり、バーチャルな手で3Dモデルを掴んだりすることが可能になる。