支払いページのコンバージョンを改善する7つの原則

LPOに力を入れているSEO Japanですが、最近LPO関連の記事が少なかった、ということで、今回は天才ウェブマーケッター、ニール・パテル大先生による支払ページのコンバージョン改善方法を7点伝授。 — SEO Japan

checkout page

売り上げにつながらないなら、どんなにトラフィックが多くても、あるいは、どんなにサイトが格好よくても意味はない。売り上げの数は、事業のパフォーマンスに影響を与える。

そこで今回は、支払いページのコンバージョンを改善する方法を伝授する。このページは、ファネルの一つの領域に過ぎないが、重要度はとても高い。

それでは、業界に関わらず、支払いページに必要とされる7つのアイテムを挙げていく:

適度な量のフォームの入力欄

入力する欄が少なければ少ないほど、コンバージョン率は高くなる、と言う指摘は定番である。しかし、支払いページに関しては、72%の確率でこの指摘は誤っていることを私は見出した。

考えてもらいたい…クレジットカードの番号、有効期限、そして、CSC(セキュリティコード)のみが求められているなら、怪しげな行為が行われていると疑いたくなるのではないだろうか?

cc fields

クレジットカードの情報を入力する前に、名前、eメールアドレス、住所、郵便番号の入力を求められる方が、安心感を持つはずである。

そのため、入力欄を極限まで少なくした、大幅に簡素化された支払いページを作る前に、特に請求先住所等の欄を加えて、テストしてもらいたい。

入力欄を加えていくと、顧客の信頼感が増していくことに気づくだろう。その結果、支払いのプロセスを完了する人は増加する。しかし、残念なことに、入力欄に情報を入力する人が増えても、必ずしも、売り上げが増えるとは限らない。欄が増加すると、情報を入力する際にビジターが入力を誤る確率も高くなり、その結果、クレジットカードが拒否されるケースが増えてしまう。

それでは、どのように対応すればいいのだろうか? 入力ミスの問題に対しては、追加の入力欄を維持し、支払いプロセッサにアクセスして、「住所の確認」等の確認ボックスのチェックマークを外す方法が最も効果的である。

authorize credit cards

こうすることで、誰かが小さな入力ミスをしても、請求は成立する。

ビジターの考え方を変える

支払いを行ってもらう最も単純な方法は、何もリスクがない点を分かってもらうことだ。「返金保証」や「無料トライアル版」のバッジを掲載することで、リスクの認識をやわらげる手もある。しかし、この手法は、必ず成果が上がるとは限らない。

unleash your thin

上の画像を見て、Unleash Your Thinが、とても賢い取り組みを行っていることに気づくだろうか?このサイトは心理を利用して、買う気持ちにさせている。製品のメリットだけでなく、満足することが出来なかった場合でも、リスクがない点を伝えるテキストを用意しているのだ。また、チェックボックスがあると、買う前に製品を「認めている」ような気分にさせる効果がある。

Unleash Your Thinが利用している戦略は、ダイレクトメール業界特有の戦略であり、このアプローチは、宣伝用のハガキで採用されている。支払いページで試すことを薦める。コンバージョンにプラスの影響を与える可能性があるからだ。この手法を実際に採用した私の友人は、16%も売り上げを増やしていた

信頼の要素をファンネル全体に表示する

TRUSTeやVeriSign Secured等のバッジを掲載すると、コンバージョン率が増加することは、既にご存知なのではないだろうか。しかし、支払いページのみにこのバッジを掲載している状態では、コンバージョンは変化しないことは、あまり知られていない。

security

サイトを初めて訪問した際に安全だと感じないなら、支払いページまでクリックしてアクセスする前に、サイトを去る。

セキュリティのバッジをファンネル全体に掲載することで、この問題を解決することが出来る。つまり、フロントエンドのページから、支払いページに至るまで、バッジを掲載することで、支払いページのみにセキュリティバッジを貼った場合よりも、コンバージョン率が高くなる可能性があるのだ

私自身、支払いページのみにセキュリティバッジを掲載してみたが、大した変化は見られなかった。一方、サイト全体に加えたところ、コンバージョン率に目に見える変化が生じた。ただし、この手法を利用する前に、幾つか知っておいてもらいたいことがある:

  1. セキュリティバッジがコンバージョン率を10%以上改善するケースはごく稀である。
  2. TRUSTeやVeriSignのバッジを購入する余裕がなくても、資金を投じることなく自分で一般的なバッジを作ると、同じようにコンバージョンを改善する効果が見込める。
  3. この手法は、融資や健康等、スパムが多い業界で特に効果が高い。

よくある質問

何をしたところで、ビジターの多くは、支払いページに到達すると、疑念を持つ。そのため、ビジター全員をコンバートすすることは不可能である。しかし、疑念を晴らすことが出来れば、コンバージョン率は高くなる

支払いページでQualarooを用いると、次のような質問をビジターに投げ掛けることが出来るようになる:

このページで他にどのような情報を提供すれば、安心してお買い物をして頂けますか?

すると、購入を完了することに懸念を持つ人達から、多くのレスポンスが寄せられるはずだ。このフィードバックを使って、答え付きのよくある質問のリストを作り、支払いページで提供してもらいたい。

faq

この手法を支払いページで利用する際は、FAQのセクションをページの上の方、もしくは、下の方に掲載し、テストしてもらいたい。なぜなら、配置によって、コンバージョン率に差が生じる可能性があるためだ。

ステップは1つよりも2つの方が良い

ビジターが踏むステップを減らした方が、コンバージョン率は高くなる…こんなデタラメを言い始めたのは誰だろうか?以前私が綴ったフープ理論に関する記事に目を通してもらえば、2段階の支払いプロセスに見られるように、ビジターに少しずつ決断を下してもらう方が、通常は、コンバージョン率は上がる。

顧客の名前とeメールアドレスを1ページ目で要請し、クレジットカードの情報を2ページ目で要請することで、この法則を活用することが可能である。

two step check out

通常、この手法は、コンバージョン率を10%高める。Crazy Egg(私が運営するサイト)では、大きな効果があり、また、ティモシー・サイクス氏のサイトでテストを実行したところ、コンバージョン率は12%改善された。

この手法がうまくいくのは、既に名前とeメールアドレスを提供しているため、その他の情報も提供しても構わない、と言う心理が働くためだ。また、支払いのプロセスを完了しなかった場合、eメールを送信して、サイトに戻ってもらう試みを行うことが出来る。クーポンを使って誘うことも、あるいは、リマーケティングキャンペーンを策定して、注目を勝ち取る手もある。

ライブチャットでビジターを支援する

ライブチャットを試したとしても、大半の企業は、コンバージョン率を上げることは出来ない。それには、次の2つの理由がある:

  1. 24時間チャットの対応係を用意していないため、質問に答えてもらえない。
  2. サイトの全てのページに掲載するため、ビジターの気を散らしてしまう。

ライブチャットをテストしたいなら、24時間対応しなければならない。24時間スタッフを常住させることが出来ないなら、Chatter Lime等のサービスを使ってみよう。各チャットのリクエストに対応してもらえるようになる。

livechat

さらに、支払いページのみでライブチャットを提供するテストを行ってもらいたい。支払いページは、最も多くの疑問と懸念をビジターにもたらすページだからだ。また、ホームページで提供すると、ビジターは、製品を購入してもらうためのマーケティングのコピーを読む行為よりも、質問を入力する行為にエネルギーを使ってしまう。

ソーシャルプルーフ

企業のロゴ、あるいは、現在/過去の顧客の推薦文を加えると、顧客候補に対して、良質な製品やサービスを提供していることを再確認してもらえる。あまり重要ではないように思えるかもしれないが、ウェブ上には、無数のガラクタのような製品が存在し…しかも、消費者は購入している

その結果、消費者は、オンラインショッピングに失敗し、後悔することになる。ソーシャルプルーフ(社会的証明)を支払いページに掲載すると、支払いページのプロセスを完了する買い物客は増加する。

logos proof

製品を購入している会社のロゴを利用するつもりなら、様々な規模の会社のロゴを掲載するべきである…こうすることで、あらゆる規模の顧客を対象にすることが可能になる

また、証言広告を利用するなら、このブログの記事で挙げられているステップに従ってもらいたい。個人のフルネーム、場所、または、写真のない証言広告は、コンバージョンにマイナスの影響をもたらす可能性がある。そのため、この手法を用いるなら、適切に利用してもらいたい。

まとめ

上述した原則に従えば、支払いページのコンバージョン率が上がるはずだ。しかし、あらゆるコンバージョンの最適化の取り組みに言えることだが、A/B テストを実施する必要がある。

なぜなら、ある会社にとって効果的な手法が、たとえ同じ業界であったとしても…別の会社の役に立つとは限らないからだ。

最後に、支払いページのコンバージョンの最適化に関する意見を聞かせてもらいたい。コンバージョン率の改善に役立つその他の手法をご存知なら、紹介してもらいたい。


この記事は、QuickSproutに掲載された「The 7 Things Every (Great) Checkout Page Needs」を翻訳した内容です。

どれもよくある改善ティップスに出てくる内容とは一味違う、具体性がありチャレンジする価値がある項目ばかりでしたね。やっぱり目の付け所が違うニール・パテルでした。もちろんどの策もきちんとテストして効果検証をすることが重要です。自社で賄いきれない場合はDLPOなんてツールもありますよ(棒読みPR)。 — SEO Japan [G+]

SEOの最適化を考える

「SEOの最適化」?「SEO対策」ばりに意味不明な言葉の使い回しだろ、、、と思われた方もいるかもですが、いえいえ、全く正しい使い方です。Googleの進化と共に消え去りつつある従来のSEOに変わる今後のSEOモデルの形を考えてみようという記事をお久しぶりのSEO Bookから。今後の方向性に悩むSEO担当者とSEO業者の皆さんは読むべし?– SEO Japan

SEOは、常に獲得に焦点を絞って行われる。

キーワードでの上位へのランクインを目指すマーケティング戦略は、新たにビジターを獲得するために行われる。競合するサイトよりも上位にランク付けされると、新たなビジターの獲得が上位のサイトにプラスに働き、下位のサイトにマイナスに働くようになる。

SEOは強力なセールスポイントを持つ。クライアントは、ランクを維持する限り、新たなにビジターを着実に獲得し、競争におけるアドバンテージを満喫することが出来る。

SEOの密接なパートナーとされているのが、PPCである。SEOと同じように、PPCは、新たなビジターをサイトに呼び込み、巧みに入札を行い、適切な広告を用意している場合、競争上のアドバンテージを得ることが出来る。PPCとは異なり、SEOは、クリックごとに課金されることはなく(正確に言うと、SEOの料金を考慮した場合、クリックの単価が遥かに低い)、SEOの方が強固なセールスポイントを持っていると言える。また、検索エンジンのユーザーが、自然な検索結果を有料の結果よりも信頼している点も大事なポイントの一つである。

インターネットで製品やサービスを購入する際、91%のインターネットユーザーは、自然な検索結果を好む。[情報源: Tamar Search Attitudes Report -- Tamar 2010年7月]

台無し

しかし、偶然、そして、意図的に行われる、グーグルによるアルゴリズムの変更によって、SEOの立場が揺らぐようになった。

上位にランクインするメリットはそのまま残っているが、結果が以前ほど確実ではなくなった。また、さらに多くの取り組みが必要とされるものの、コストが高くなってしまった。結果を得る上で、SEOを行うリスクはますます高まっている。その一方で、十分に資金を投じている限り、結果は保証されているため、アドワーズが一層魅力的に映るようになっている。

グーグルにとって、アドワーズは優れたシステムである。競争が激しくない分野を見つけた広告スポンサーにとっても、良いシステムである。問題は、通常、競争のレベルがとても高い点である。

競争が激しく、また、オークションモデルが採用されているため、入札額は自然に高騰する。入札額が高騰すると、高いクリック単価でもROIを達成することが可能な会社のみ、入札に参加するようになる。理論的には、ROIが高ければ高いほど、入札価格も高くなる。後れを取ることを嫌う場合、競合者も同じ行動に出る。

そのため、業績を伸ばす手段として、顧客の獲得に力を入れたPPCの広告スポンサーは、クリック単価が上がるにつれ、より多くの収益をグーグルに渡すことになる。 検索チャンネルを介して、顧客の獲得を狙う場合、やがてコストの高騰に直面する。PPC経由では、時間の経過と共にROIの維持は難しくなる。だからこそ、SEOが魅力的に映る。グーグルが、SEOに狙いを定めるのは、当然と言えば、当然である。

アドワーズ、そして、SEOの根本的な問題点は、顧客の獲得のみを成功の基準にしていることであり、これは、長期的な戦略には向かない。

この点に関しては、後ほど詳しく説明する。.

ホワイトハットSEOは滅亡した

「ホワイトハットSEO」と言う用語が、一度でもあっても重要視されたことは、意外である。

検索エンジンのアルゴリズムを操作する試みは全て、検索エンジンの怒りを買う。検索エンジンのランク付けの基準を分析して、通常よりも上位にランクインするための取り組みは、操作に該当する。一方、検索結果で上位にランクインすることを意図して、リンクの獲得、キーワードに焦点を絞った記事の作成を行う取り組みもまた、ランキングを操作する取り組みに値する。要は程度の問題である。

マーケッターは、全く問題があるとは考えていない。

検索マーケティング業界は、「悪意のある行為」を慎めば、上位にランクインするチャンスがあると考えている。リンクを求める試み、トラフィックをもたらすキーワードを探す試み、そして、このキーワードに焦点を絞ったページの投稿 — かつては、より確実に利益を得ることが出来た。

サイトが確実にクロールされるものの、成果が保証されないなら、SEOを行う必要はあるのだろうか?ページを投稿して、グーグルがどの位置にランク付けするのか確かめるしかない。SEOがランキングを操作しないなら、単純にクロール可能なコンテンツを配信する以外にメリットはあるのだろうか?SEOは、「システムを操作する」を礼儀正しく表現しているだけである。

グーグルに役割を決めさせてしまった人達は、慌てて、役割を決め直している。「インバウンドマーケッター」は人気が高い。もちろん、この肩書きに問題があるわけではない。SEOと呼べることが出来ずに苦労しているのだ。SEOは、PRであり、マーケティングであり、コンテンツの作成である。このようなアクティビティの副作用として、検索エンジンの結果ページで上位にランクインする(と言うことも出来る)。映画「ファイトクラブ」のようなものだ。ファイトクラブのルール その1…

数年前、最後に残るSEOはブラックハットだと予測したことがある。どうやら、この予測は現実のものになろうとしている。SEOと言う用語は、予想通り、恣意的に用いられるようになり、軽視されるようになった。 今でも、使い捨てのドメインを使うことで、キーワードを積極的に狙うことで、そして、大量のリンクを買う/構築することで、システムを巧みに操作することが出来る。しかし、グーグルには、到底受け入れてもらえない。完全に情報を公開することなく、この取り組みをクライアントに売るのは難しい。たとえ何もかも打ち明けたとしても、やはり、なかなか首を縦に振ってもらえないはずである。

話を本題に戻そう….

新しい環境での最適化とは

ブラックハットは、今後も活動を続けるはずである。そもそも、ブラックハットは、検索エンジンの指示に従うはずがない。

大勢のSEOの関係者が、様々なイニシアチブをまとめて、検索から焦点を外そうと試みている。インバウンドと呼ぶ業者もある。実際には、マーケティング、コンテンツの作成、そして、PRを組み合わせた取り組みであり、アルゴリズムのハッキングとは距離を置いている。

インバウンドを成功に導き、検索で良い結果を得るには、SEOモデルを正反対に捉える必要がある。サイトにアクセスしてもらう点は同じだが、サイトを訪問してもらうためのコストが上がったため、ビジター一人一人を重要視する必要がある。検索の価値を維持するためには、クリックの後の行動に力を入れるべきである。

オファーが適切ではないなら、そして、オファーへのルートが適切ではないなら、全くリハーサルを行っていないバンドのコンサートにオーディエンスを呼び込むようなものだ。オーディエンスが姿を現したら、オーディエンスが求めるものを提供しなければならない。さもなければ、二度と足を運んでもらえなくなる。当然、バンドの人気は一気に落ちてしまうはずだ。

SERPで上位にランクインするためのコストが安価であった時代は、この点はあまり重要ではなかった。若干トピックが外れたトラフィックが多く寄せられたら、一大事ではあるが、コストが(大幅に)増加するわけではなかった。しかし、最近は、上位にランクインするためのコストが上がったため、「獲得をベースに成長」する方針は、苦戦を強いられつつある。

次の二つの分野での最適化を検討してもらいたい(まだ着手していないなら)。

1. 最適化のオファー

検索エンジンのユーザーは、欲しい情報を見つけられない場合、SERPに戻る — これはSEOの関係者なら誰でも知っている。クリックバックは、2つの問題をもたらす。まず、ビジターをサイトに導くために費やした時間と資金が無駄になる。そして、グーグルは、関連性の判断材料として、クリックバックの回数を数えている。

オファーがユーザーにとって適切かどうかを把握するには、どうすればいいのだろうか?

実績のある方法を一つ紹介する。幾つか4つのP — Product(製品)、Price(価格)、Promotion(宣伝)、Place(流通)を精査すると良い。あくまでもインターネット上の取り組みであるため、Place(流通)はそれほど関係ない。しかし、地域をベースとした製品やサービスを販売しているなら、Placeにも力を入れると良いだろう。Promotion(宣伝)はSEOの取り組みそのものである。Promotionによって、サイトに訪問してもらえるようになる。

しかし、特に注目してもらいたいのはProduct(製品)とPrice(価格)である。製品を最適化するには、幾つか根本的な疑問に答える必要がある:

  • 顧客はこの製品またはサービスを求めているのか?
  • この製品はどんなニーズを満たしているのか?ページを見て数秒間でその点は伝わるのか?
  • このニーズを満たすには、どのような機能を用意する必要があるのか?その点を説明しているか?
  • 見過ごしている機能はあるか?ニーズを満たす機能を全て説明しているか?
  • 顧客が利用しないコストの高い機能を盛り込んでいるか?
  • 顧客は製品をどのように、そして、どこで利用するのか?
  • 顧客の目にはどのように映るのか?顧客はどのような体験するのか?
  • どのサイズ、色を用意するべきか?
  • 何と呼ぶべきか?
  • どのようにブランドを位置付けているか?
  • 競合者の製品との違いは何か?
  • 提供するために最もコストが高く、それでも、十分に利益を得られるものは何か?

特にクライアントのビジネスに手を貸している場合、上述した領域に対して、SEO業者がコントロールすることが出来る取り組みは限られている。それでも、この質問を問い掛ける価値はある。クライアントが質問に答えることが出来ないなら、競合者に対して、アドバンテージを何も持っていないことになる。恐らく、競合者と同じようなサイトを運営しているのだろう。このタイプのサイトは、そもそもプロモーションに向かない。

歴史があり、かつては、競合者との差別化に成功していたものの、利益の少ない一般的なサイトに位を下げてしまったサイトもある。アマゾンやeBay等の大きなサイトが持つカタログは日に日に拡大していくためだ。

アグレッシブに攻めない限り、右に倣えのサイトを担当すると、苦戦を強いられることになる。そのため、クライアントを検査する際は、戦略的なアドバンテージを考慮すると良い。根本的なビジネスのアドバンテージを持っていないなら、SEOに取り組むガッツがあるかどうか自分自身に問いかけてもらいたい。

Price(価格)に関する質問:

  • 買い手にとっての製品またはサービスは何か?
  • この分野で、製品やサービスに対して、確立された価格は存在するか?
  • 顧客は価格に敏感か?価格を少し下げると、マーケットのシェアを増やすことは出来るか?それとも、少額の値上げなら、認識されず、利益を増やすことは出来るか?
  • 販売会社、または、業界のその他の特定の業界にどのようなディスカウントを提案するべきか?
  • 競合者の価格と比べ、自分の会社の製品の価格は、遜色がないか?

繰り返すが、上に挙げた領域に対して、ほとんど、または、全くコントロールすることが出来なくても、質問を投げ掛ける価値はある。活用することが可能なビジネスの潜在的なアドバンテージを見つけ出してもらいたい。

オファーを最適化したら、次にコンバージョンを詳しく見ていく。

2. コンバージョンの最適化

大半の検索マーケッターが認識している、明らかなコンバージョンのルートが存在する。インターネットユーザーがランディングページに到着する。 オファーされているものを購入するユーザーもいれば、ランディングページを去るユーザーもいる。コンバージョン/閲覧回数 x 100が、コンバージョン率として導き出される。

しかし、SEOにおいては、ランディングページのコンバージョン率だけに注目していればいいわけではない。PPCとは異なり、エントリーページを思い通りにコントロールすることが出来ない。そのため、コンバージョンを最適化するには、サイトにアクセスしたページを全て調べ、エントリーポイントと考えて、最適化する必要がある。

ページに到着したら、何をしてもらいたいのか考えるべきである。

全てのページに対して、理想の行動を思い描いてほしい。登録かもしれないし、ブックマークかもしれない。何かを買ってもらうことかもしれないし、あるいは、ツイートしてもらうことかもしれない。それが何であれ、各ページで、ビジターに対して、分かりやすいエンゲージメント(参加を介した交流)のメッセージを大きく、目立つように掲載しなければならない。。グーグルが直帰率をチェックしていることを忘れないでもらいたい。つまり、サイトの全てのページにコンバージョン率があり、ページによって、異なる可能性が高い。

例えば、買い物カゴのプロセスについて考えてもらいたい。買い手(モバイルデバイスのユーザー)は、複数のフォームを全て記入するだろうか?数回のクリックで、購入を行う環境は整っているだろうか?ペイパルやアマゾンの支払いシステムの統合は、コンバージョン率を改善するだろうか?サイトのスピードはどれぐらいだろうか?当然だが、早ければ早いほど良い。コンバージョンの多くは、プロセスから、ナビゲーション、そして、サイトのスピード等 — 簡素化が重要な鍵を握っている。

ここで、このようなコンバージョンを計測し、数量化するにはどうすればいいのか、そして、大きなサイトではコンバージョンのファンネルをどのように計測することが出来るのか、気になっている方が多いのではないだろうか?確かに難しい。通常、十分なサンプルのサイズを得るのは、不可能に近い。

しかし、だからと言って、コンバージョンの最適化を避けるのは賢明とは言えない。広範囲で計測を行い、時間の経過と共に、徐々に計測する項目を増やしていくことが出来るはずだ。ページ全体における1点の変更、ルートにおける1点の変更が、当該のページやルートにおいて小さな変化を導き出すことがある(見つけにくい変化も含む)。それでも、コンバージョンの最適化を行う会社が、とりわけ過去にこの取り組みを実施していない場合、大きなメリットを得られる点は十分に立証されている。

すべてのステップを数値化することは可能であり、実際に一部の企業は実施しているが、今回紹介した2つの総合的なコンセプト — オファーの最適化を行い、続いて、オファーに導くページとルートを最適化(簡素化)する — に従うだけで、様々な利益を容易に得られる。曖昧なことがあるなら、ハッキリさせれば良い。ビジターに行動を起こしてもらいたいなら、求める行動を明記する必要がある。動きが遅い要素があるなら、スピードアップさせるべきである。

すべてのオファー、ページ、そして、ルートでこの取り組みを行い、結果を計測してもらいたい。


この記事は、SEO Bookに掲載された「Optimizing SEO Model」を翻訳した内容です。

前半は若干のSEO Book節が顕在でしたね。後半は、もはやSEOか?という議論はありますが(実際、私もコンバージョン施策は別会社で行っています)、それがすべてでは無いにせよ一つの方向性としてはありますよね。従来の形でいう「SEO業界」は瀕死状態に等しい日本の現状ですが、さてさて3年後にはSEOを取り巻く環境はどうなっているのでしょうか。 — SEO Japan [G+]

Eコマースの売り上げを倍増する17のSEOベストプラクティス

クリスマスシーズンを前に日本のEコマース業界も盛り上がってまいりました!今年も(こそ?)クリスマスを自社のEコマースサイトの 売上拡大にフル活用したいウェブマスター&マーケッターにお送りするEコマースの売上を倍増するためのベストプラクティス集をSEO Japanからのクリスマスプレゼントとしていち早くお届け。この手のリスト記事は良くあると思いますが、かなり具体的でEコマースをやりこんでいる方にもヒントになる内容が多くありそうです。 — SEO Japan

SEOを活用すると、Eコマースの売り上げが2倍に増えるとクライアントに初めて伝えた時、なかなか信じてもらえなかった。しかし、ノルウェーで、8つの効果的なSEOのテクニック(日本語)を用いて、SEOでEコマースの収益を2倍に増やした具体例(日本語)を挙げると、態度は一変した。

実感が湧かないかもしれないが、事実である。EコマースSEOとコンバージョンの最適化を行うと、トラフィックと売り上げを2倍に増やすことが出来る。証拠を見せたところ、トラフィックを増やす方法、コンバージョンを高める方法、買い手と交流し、ファンになってもらう方法等について、次々と質問が寄せられた。以下に、特に一般的な疑問、そして、私なりの答えを挙げていく。

Best Practices In E-Commerce SEO

質問 #1:在庫切れの製品にはどう対処すればいいのか?

複数の要因に左右されるが、個人的に推奨する対策を紹介する。

そのままにしておく。 後で在庫が回復するなら、そのままの状態にしておくと良い。削除したり、隠したり、あるいは、交換したりするのはやめよう。また、別の製品を加えたり、ビジターを別のページにリダイレクトする行為も薦められない。

別のアイテムを提案する。 ある製品が売切れたら、その製品との関連性が高い製品をサイトのウィジェットを介して、提案してみる手がある。幾つか例を挙げていく:

  • 別の色の同じ製品
  • 新しいモデルや新しいバージョン
  • その他のブランドの同一の製品
  • 質と価格が一致する同じカテゴリーの別の製品

顧客に素晴らしいサービスを提供すれば、顧客は満足する。また、検索エンジンは、関連するページを発見し、サイトの構造をより正確に理解するようになる。

在庫が回復する日をユーザーに伝える。 製品が在庫に戻る予定日を伝え、ユーザーがいつサイトに戻り、製品を買えばいいのか分かるように工夫しよう。

取り寄せを提案する。取り寄せ注文を行い、製品が届いた時点で送ることを約束する。製品を喉から手が出るほど求めている買い手候補は、数日間余分に待たなければいけないとしても、飛びつくはずだ。

ダメージを和らげる。 在庫が届いたら、値引き価格で提供する等、何らかの慰めを用意する。こうすることで、後で買う気が起きるかもしれない。

質問 #2: 旧品種/期限切れの製品にはどのように対応すればいいのか?

頻繁に新しいモデルやスタイルの製品が届く家電製品やファッション衣料品店のように、あらゆるオンラインショッピングサイトに、二度と入荷しない製品が必ず存在する。

多くのEコマースサイトは、ページを削除して、後は何もしない。SEOの観点では、この行為は薦められない。SEOのバリューを失い、URLをブックマークしてくれたユーザーに、エラーメッセージを与えてしまうからだ。

適切な解決策は、ケースバイケースである。

  1. 期限切れの製品を掲載しているページのURLを301リダイレクトにする。 期限切れの製品が、新しいモデルに差し替えられているなら、301永久リダイレクトを古い製品のページから新しいページに用いる。すると、新しいページをランク付けしてもらいたい旨をグーグルに伝えることが出来る。 この処理のおかげで、SEOのバリューを維持する効果が見込める。
  2. 親カテゴリーにリダイレクトする。 この手法は、ビジターの問題を解決することを意図している。期限切れの製品と同じ意図を持つ関連製品があるなら、その製品の親カテゴリーにビジターを導くことが出来る。
  3. 期限切れの製品のページ、コンテンツ、URLを永久に削除する。 期限切れの製品に密接に関連する製品がないなら、410ステータスコードを使って、当該のページを削除する手もある。このステータスコードは、ページが永久に削除され、二度と戻って来ないことをグーグルに伝える。
  4. URLを再び利用する。 技術の仕様とモデルの番号がバラバラのノーブランド製品を販売しているなら、URLを再び利用することも可能である。こうすることで、ページのオーソリティを維持し、また、グーグルで上位にランクインする確率を高めることが出来る。
  5. 残す必要のある製品に注意する。 特定の製品のページは、既存の顧客、または、リサーチを望む人達に対して、情報を提供するページとしての存在意義を持つ。このタイプの製品のページは残すべきだ。以前購入した買い手が戻り、ページを介して、情報、アドバイス、そして、サービスを得るためだ。

質問 #3: 季節商品にはどのように対応すればいいのか?

製品のカテゴリーを強化することを目指すべきである。製品のカテゴリーに力を入れ、製品ページの説明欄のブレッドクラムおよびリンクを使って、季節商品を製品のカテゴリーに結びつけよう。最もポテンシャルが高く、最も重要な製品のページを最適化し、残りのSEOの予算を使って、製品のカテゴリーを強化しよう。

人気の高い製品を売り出し、その製品に対して大きな需要があることが分かっているなら、URLに「coming soon」(発売間近)ページを加えて、独自のコンテンツを提供し、さらに、通知プログラムおよび予約注文フォームを作成してもらいたい。また、ソーシャルメディアをこのページに統合して、ユーザーが作成したコンテンツを介して、買い手候補を盛り上げる手もある。

1年ごとにリリースし、製品を入れ替えることが分かっているなら、[website.com/category-sub-category/product-name-2012/]のようにURL内に年を加えて、新しいバージョンをリリースしたら、[website.com/category-sub-category/product-name-2013/]に301リダイレクトしよう。

質問 #4: 新製品に対するSEOはどのように行えばいいのか?

良質なインフォメーションアーキテクチャ、ウェブサイトの構造、そして、内部のリンクの構造は、新しい製品のページを上位にランクインさせる上で、絶対に欠かせない。ホームページからカテゴリーのページに、そして、カテゴリーのレベルから製品のページにリンクを張ろう。こうすることで、グーグルに早くコンテンツをインデックスしてもらえるようになる。また、親のカテゴリーのページからもリンクを張るべきである。

ウェブサイトのテーマ(テンプレート)を最適化して、新製品が、必ずホームページに掲載され、見つけてもらい、インデックスしてもらえる環境を作る必要がある。優れた内部リンクの構造により、新製品のページを早い段階でインデックスし、ランク付けしてもらえる。

質問 #5: 固有のコンテンツがほとんどない、または、全くない製品ページにはどのように対応すればいいのか?

Eコマースビジネスには、製品ページのコンテンツを重要視する会社が非常に少ないと言う問題が見られる。多くの会社は、データベースから製品の情報を引き出し、その結果、コンテンツが重複する問題に直面する。

製品の写真しか掲載されていないページもある。これでは、検索エンジンは、ページの内容も、検索エンジンのユーザーに対する関連性も把握することは出来ない。

  1. 特に人気が高い製品にコンテンツを加える。 ウェブ分析ツールを使って、売り上げが多く、人気の高い製品のページを特定し、コンテンツを介して手動で更新していく。
  2. 製品のカテゴリーを強化する。 10万点の製品に対して、テキストを作成することは不可能である。そのため、製品の親のカテゴリーを強化するSEOの取り組みに焦点を絞るべきである。内部リンクの構造、ブレッドクラムを改善し、関連する製品を加えて、検索ボットにサイトの内容を伝えよう。
  3. ユーザーが作成したコンテンツを追加する。 ウェブ上のその他の重複する製品との差別化を効果的に行うことが出来る。満足したユーザーや顧客による推奨やレビューは、SEOキャンペーンを強化するだけでなく、売り上げへのコンバージョンにもプラスの影響を与える。

質問 #6: メーカー側の製品の説明をどのように表示すればいいのか?

グーグルは、重複するコンテンツを嫌う。メーカーの説明文をそのままコピーするだけでは、コンテンツの重複が起きてしまう。しかし、大規模なショッピングサイトの場合、全ての製品の説明文と仕様を書き直すことは、事実上、不可能である。

ユーザーによるコメントやレビューを加えることで、この問題を回避することが出来る。ユーザーにコメントを求め、ソーシャルネットワークを統合し、ユーザーに体験談を語ってもらうべきだ。満足している顧客は、マーケティングの取り組みを助けてくれる。

  1. 製品ページにコンテンツを加える。 ユーザーの問題を解決することを目指して、コンテンツに個性を与え、コンテンツの質とオリジナリティを高める。情報、画像、動画、または、提案をコンテンツに加えてもらいたい。
  2. コンテンツの「心理」の層を加える。 通常の製品の説明文は、面白味に欠け、専門用語を多用している傾向が見られる。しかし、気持ちや感覚が買い物に大きな影響を与えている。そこで、ストーリーを加え、製品の説明欄に息吹きを吹き込もう。

質問 #7: 製品の多様化にどのように対処すればいいのか?(色やサイズ等)

見た目はほぼ同じだが、色やサイズのバリエーションを持つ製品もある。適切に対処しなければ、コンテンツの重複と見なされてしまい、その結果、ランキングが低迷し、同じ製品のバリエーションの間で共食いが発生する可能性がある。また、誤ったキーワードで、製品が取り上げられてしまう危険もある(レッドジーンズが、キーワード「ブルージーンズ」で格付けされてしまう)。アダム・アウデッテ氏が、このニュアンスについて、レポートの中で分かりやすく説明しているので、参考にしてもらいたい。

ウェブサイトを見直すと、適切なキーワードに対してランク付けされることで、販売数が増える製品が次々に見つかるかもしれない。

質問 #8: カテゴリーページにはどのように対応すればいいのか?

ホームページの次に強力であり、人気の高いのが、カテゴリーページである。

  1. カテゴリーページを個別のホームページとして扱う。 関連性の高い製品ページを含むサイロ、または、ニッチとして対処するべきである。
  2. カテゴリーページにコンテンツを加える。 この記事で取り上げられている優れたアドバイスを参考にしてもらいたい。
  3. ディープリンクを製品ページに構築する。 ソーシャルメディアに加え、ゲスト投稿、コンテンツマーケティング、さらには、広告もプラスに働く。
  4. ソーシャルシェアをタグ付けする。 グーグルプラス、ツイッター、そして、その他のネットワークでのリンクのシェアを狙いを持って実施する。
  5. 見せる/展示する内容をコントロールする。 検索エンジンとユーザーに最高の体験を提供することを意識して、カテゴリーページをデザインする。
  6. 検索フレンドリーなURLを利用する。 検索エンジンに対して、URLの内容に関して分かりやすいヒントを与えつつ、ビジターには有益な情報を提供することが出来るため、この取り組みは、割と早い段階で成果を上げる — ただし、キーワードスタッフィングを避ける必要がある。以下に、カテゴリーページ(および製品ページ)において、特に有効なURLの構造を挙げていく:
  • カテゴリーページ: Website.com/category/
  • サブカテゴリーページ: Website.com/category/sub-category/
  • 製品ページ: website.com/category-sub-category/product-name/

質問 #9: 内部リンク構築と構造をどのように管理すればいいのか?

内部リンク構築は、SEOとランキングに良い影響を与える。しかし、結果を改善するためには、「リンク構築」を行うだけでなく、リンクのアーキテクチャが必要になる。内部リンクは、検索エンジンのスパイダーのみを考慮しているわけではない。ユーザーフレンドリーの度合いもまた重要だ。確固たるリンクアーキテクチャを作成するには、綿密な計画が必要があり、また、時間もかかる

  1. カテゴリーレベルのナビゲーションを用意する。 サブカテゴリーと製品ページの内容をユーザーが判断しやすくなる。周りとの関連性を保つことを心掛けてもらいたい。
  2. カテゴリーレベルで関連する製品にリンクを張る。 意図とニーズを考慮して、ユーザーの視点で考え、さらに、適切なキーワードに対して最適化を行ってもらいたい。
  3. 全てのページとカテゴリーページでブレッドクラムを利用する。 こうすることで、ユーザーとグーグルを、1つ上の階層へとナビゲートし、親のカテゴリーに導くことが出来るようになる。

質問 #10: ユーザーが作成したコンテンツをどのように活用すればいいのか?

製品やサービスに関する正直な意見を恐れているなら話は別だが — 積極的にユーザーが作ったコンテンツを利用するべきである。ユーザーが作ったコンテンツには、SEOのメリットが2点ある:

  • コンバージョン率と売り上げが上がる
  • 独自のコンテンツは上位にランク付けされ、「新鮮さ」をもたらす

ユーザーが作成したコンテンツは、製品ページに盛り込まれると、サイトを活性化し、良いレビューは、売り上げへのコンバージョンを高める。ユーザーは、満足したコミュニティの一員となり、顧客候補は、活気のあるアクティビティを目にすると、製品を買う意欲が高くなる。

  1. 満足したユーザーの「コミュニティ」を作る。 顧客の推薦とレビューを配信する。満足した顧客が投稿したブログの記事をシェアすることも可能だ。また、前向きなレビューを抜粋して、ビジターに信頼してもらうべきである — 信頼は最も重要であり、ソーシャルメディアは、この信頼感を効果的に示す上で役に立つ。
  2. schema.orgを利用する。schema.orgのマークアップ「レビュー」を利用すると、SERP内で個別の製品ページのリスティングの隣に星印を掲載することが出来る。これは、クリックスルー率に影響を与える。
  3. ソーシャルメディアを製品ページに統合する。 インスタグラム、フェイスブックのコメント、ピンタレストのピン、そして、グーグルの+1をサイトに統合して、ソーシャルプルーフ(社会的証明)をアピールすることが可能だ。製品を利用している満足した顧客の写真を投稿することも出来る。

新しいSEO」では、ウェブサイトのテクノロジーよりも、ビジターの気持ちを重要視しなければならない。

質問 #11: SEOをウェブデザインのプロセスに組み込むにはどうすればいいか?

ウェブデザインは、見た目をアピールするだけではない。経験が豊かであり、SEOコンサルタント、アナリスト、コンバージョン率のエキスパート等と協力したことがある、Eコマースサイトのウェブデザインのエキスパートが必要である。エキスパートとして活躍してもらうために、スペースと予算を与えなければならない。

構造をはみ出すページやURLが存在しない状態で、ウェブサイトのデザインとインフォメーションアーキテクチャが、連動するようになると、新しい製品ページを配信する度にサイト全体を強化し、検索スパイダーに早い段階でクロールしてもらえるようになる。また、快適なビジター体験を約束する優れたデザインとコンテンツは、売り上げを増やす。

  1. 計画を怠ると失敗する。 計画の早い段階で、SEOをビジネス/ウェブサイトに組み込む必要がある。サイトがローンチされた後では手遅れであり、ワイヤーフレームやデザインのプロセスに着手する前が理想的だ。良質なカテゴリー/セクションのテンプレートを作り、内部リンクを介して製品ページを宣伝する手法は、とても効果が高い。
  2. Eコマースサイト向けのSEOは、通常のSEOとは異なる。 EコマースSEOには、複数の分野のスキルを持ち、人間の心理、コンバージョン率の最適化、分析、ウェブデザイン、開発、ソーシャルメディアマーケティング、コミュニケーション、コピーライティング、経済、ユーザビリティ、そして、ユーザー体験に造詣が深いコンサルタントが欠かせない。また、最高のEコマースSEOのスペシャリストは、コマースの見解および理解が深く、小売ビジネスの仕組みを十分に精通している。
  3. Eコマースのウェブデザインは、永久に「完成」しない。 A/Bテストを継続的に実施し、最もパフォーマンスの良いバリエーションを探す取り組みが続く。適切な「ツール」も重要だが、最高のコンサルタントやエージェンシーの方が重要度は高い。「安価」なコンサルタントよりも、遥かに多くの売り上げをもたらすことが出来るなら、高価なコンサルタントは高価ではなくなる。

質問 #12: 関連する製品をサイトでどのように整理すればいいのか?

製品ページに関連するアイテムを提示すると、売り上げは増える。Product Information Management(PIM: 製品情報管理)のメタデータは、表示されている全てのアイテムが、関連し、パーソナライズされており、そして、在庫があることを裏付ける。また、ウェブデザイナーとディベロッパーには、内部リンクのアーキテクチャにも力を入れてもらいたい。

  1. 関連させる。 ビジターが、例えば、最新のiPhoneの製品ページに辿り着いたなら、コスト、品質、そして、買い手の特徴に基づき、その他の関連する製品も提案するべきである。最新のグーグルネクサスは、似ているかもしれないが、アップルの愛好家なら、絶対に購入しないはずだ。製品の提案を計測し、最適化する努力が求められる。
  2. 場所と配置。 目立つ、人目を引く場所に製品を掲載する。十分なスペースを与えるべきである。その他の製品の提案で、散らかしてもらいたくはない。また、売り上げが少なく、人気のない製品を目立つ場所に掲載するのもあまり薦められない。

質問 #13: 内部のサイト検索をどのように活用すればいいのか?

信じられないことだが、グーグル検索に対してサイトを最適化するものの、Eコマースサイトのサイト内検索に対する最適化を怠っているサイトがよく見受けられる。内部検索の役割を見過ごす、または、軽視していることが理由だ。スペルをミスした状態での検索、類義語の検索、ハイフンを使った検索、または、誤ったスペースでの検索は、適切な製品ページに導かない。思い当たる節があるなら、改善するべきである。

  1. サイト検索の追跡を有効にする。 サイトでビジターが検索しているキーワードを特定し、当該のキーワードがもたらす収益を計算することが可能なツールを利用する。
  2. 人気の高い検索をカウントする。 これは、製品の人気が高く、収益性が高いことを意味する。また、サイトを尋ねた目的の製品をビジターが見つけていないことを意味する可能性もある。
  3. Crazy Egg等のクリックを計測するツールを使う。 ホームページ、重要なカテゴリーページ、そして、製品ページでのビジターの行動を理解する。
  4. サイト検索の結果ページを「ランディングページ」扱いする。 検索結果は、適切であり、ユーザーの問題解決に貢献している必要がある。検索結果を「noindex」する処理を忘れないように注意してもらいたい。
  5. キーワードリサーチにサイト検索を盛り込む。 ビジターが探している対象を分析し、新製品のアイデアを探そう。また、改善する余地がある領域を見つけ、人気の高い製品を特定し、検索およびユーザビリティの問題点を克服する取り組みも重要である。
  6. サイト検索を試し、エラーを修正する。 発見したキーワードを内部検索に入力し、結果として表示されたページを確認する。誤りを修正すると、売り上げは大幅に増える。
  7. 内部検索を最適化する。 すべての内部検索が、適切な製品を導くことを確認する。そのためには、eコマース内のメタデータを調整する必要がある。メタデータを介して、処理を行うことで、不正確なワードやスペルミスが多く詰まったページを作らなくて済む。

質問 #14: 製品の写真と動画を最適化するにはどうすればいいのか?

写真、画像、そして、動画の質は、製品に対する感情に影響を与える。製品のメリットを顧客候補に感じてもらう取り組みの価値を絶対に軽視するべきではない。

面白い写真は、ピンタレストを含むソーシャルネットワークでシェアされる。写真にタグを付け、コメントを投稿してもらうと、コンテンツをユニークにする効果がある。口コミが広がると、ブランドは力強く成長していく。また、イメージを最適化すると、グーグルの画像検索からトラフィックを引き出すことも可能になる。

  1. 質の高い写真を使う。 ムードを作る写真を使って、顧客候補に何かしらの感情を持ってもらう。このような写真は、売り上げを増やす効果がある。コストは高いものの、人気の高い製品においては、意義のある投資になる。動画はさらに効き目がある。
  2. 画像を最適化する。。ファイル名、altテキスト、キャプション等は、簡潔であり、それでいて、分かりやすい名称を用意する必要がある。イメージの内容の手掛かりをグーグルに与えることが出来るためだ。
  3. オプションをA/Bテストで検証する。 ある写真と別の写真を試し、どちらがコンバージョン率が高いか確認する。

質問 #15: セール中の製品のページをアピールするにはどうすればいいのか?

セール中の製品ページのHTTPヘッダーで、正規のURLを指定する。この処理は、別のURLと重複しており、このページではなく、固有のページをランク付けするようグーグルに合図する効果がある。

質問 #16: モバイルデバイスに対して、どのようにデザインすればいいか?

EコマースSEO戦略において、モバイルは重要な鍵を握っており、決して、無視することは出来ない。MetronetとVaimo NorwayでEコマースの顧客に対して、同僚のケネス・グヴェインが行った調査では、モバイルEコマースは、通常のEコマースよりも、成長率が2-3倍高いことが分かった。生き残りたいなら、モバイル化を推進する必要がある。

すべてのURLのデスクトップ版を提供してもらいたい。一部のユーザーは、モバイルデバイスであっても、通常のウェブ版を好む。モバイル版とウェブ版を切り替えることが出来るように工夫しよう。多くのEコマースサイトに倣って、ホームページに返してしまう行為は認められない

質問 #17: セキュリティはどうすればいいのか?

当然だが、顧客は、インターネットのセキュリティに懸念を持っている。個人情報と金銭的なデータをサイトのオーナーに一任するためだ。そのため、安全であることを保証する必要がある。

ビジュアル面での手掛かりを提供しよう。セキュリティの基準に従っていることを保証するロゴとテキストを表示することが出来る。SSL、Visa、または、その他のセキュリティおよび暗号化の標準や認証の情報を提供するべきである。Eコマースサイトでの買い物が、100%安全であることを分かってもらう必要がある。こうすることで、コンバージョンは大幅に増える。

多くのショッピングサイトが、この情報をページの一番下に隠すか、あるいは、当然だと考え、わざわざ表示する必要はないと誤解している。このような過ちを犯さないでもらいたい。

ベストプラクティスと繰り返し — すべてのEコマースサイトに送る最高のアドバイス

1. 定期的にSEO分析を行う: SEOもEコマースサイトも静止しているわけではない。サイトとコードは変化する。ディベロッパーが、善かれと思って、ある問題を解決するものの、別の問題を作り出してしまうことがある。戦略的なSEOのフレームワーク(日本語)を用いて、全ての取り組みが収益および戦略の目標と一致している点を確かめてもらいたい。

2. グーグルウェブマスターツールを使う: この無料のツールは、SEOの厄介な問題を見つけ、修正する上で役に立つ。次の作業を習慣として行ってもらいたい:

  • 404エラー、ソフト 404エラー、その他の問題を探す
  • SERPでの、ウェブサイト、製品、そして、ページのパフォーマンスを計測する
  • 人気の高いキーワードやフレーズ、人気の高いページ等を把握する

グーグルウェブマスターツール、グーグルアドワーズ、そして、グーグルアナリティクスを活用して、無料で有益な情報を得るべきである。

3. 行動を起こす: データをモニタリングしているだけでは、不十分である。手を加えることが可能なアイテムを探して、改善を続けなければならない。何を探すべきか、そして、その理由を把握してもらいたい。インデックス、コンテンツの重複、グーグルによる手動のペナルティ等の問題点を特定するべきである。その後、すぐに問題の解決に向けて、行動を起こそう。

4. SEOツールに資金を投じる: Moz、Search Metrics、Raven SEO Tools、Deep Crawl等のツールは、問題を特定する上で効果的であり、修正に関する提案を受けることが出来る。行動を起こすことが可能なレポートシステムを策定し、問題を解決するためのルーティンを確立するべきである。すべてのツールが独自の利点を持っている。コンサルタントとして、EコマースSEOを行う際は、幾つかのツールを組み合わせて利用することを薦める。

5. 手動の(サンプル)テストを行う: Screaming Frog SEO Spiderを使って、Eコマースサイトのページとセクションが持つ問題を特定する。特に重要な製品の分野を選び、特定のカテゴリーとサブカテゴリーで分析を行おう。時折、すぐに修正することが可能な、CMSが原因のサイト全体に広がる問題を見つけることが出来る。

6. データ分析は宝の山: あらゆる取り組みを改善することが出来る。しかし、そのためには、リソースが必要である。改善の優先順位を決めるために、分析を行ってもらいたい。ダッシュボードで作業を実施することが可能な情報を整理しよう。

7. モバイル革命を真剣に考慮する: モバイルデバイスは急速に増加している。モバイルサイトの開発の遅れは、オンラインビジネスを滅亡に導く。モバイルユーザーにどのような体験を提供しているのか、どのように改善することが出来るのか、自分自身に問い掛けてもらいたい。

1本の記事でEコマースSEOの全てを網羅するのは不可能である。今回提供したアドバイスは、多くのEコマースサイトが、売り上げと収益を大幅に増やす上で役に立っているものの、あくまでも氷山の一角である。

その他にも有益なアドバイスを持っているなら、コメント欄で提供して頂きたい。どんな意見が飛び出るのか、楽しみにしている。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「17 SEO Best Practices That Could Double Your E-Commerce Sales」を翻訳した内容です。

いきなり在庫切れ製品の対応には驚きましたが汗、最近見たリスト記事の中ではトップクラスの実用度を誇る充実した記事でした。ここに書かれていることの幾つかを徹底的に実践するだけでも売上アップには確実に貢献しそうな雰囲気です。私も幾つかECサイトを運営していますし、早速できることから実践して今年のクリスマスを楽しく過ごしたいと思います! — SEO Japan [G+]

ECサイトのコンバージョンを改善する11の鉄則

SEOによる集客やコンテンツ・インバウンドマーケティングを活用した顧客育成が大事といっても、やっぱりECサイトにとっては最後のコンバージョンをいかに起こさせるかが重要。今回はECサイトにおけるコンバージョンの鉄板ルールを11紹介した、新たなECサイト担当者も多いであろう4月にふさわしい記事を。 — SEO Japan

あらゆるeコマースが、商品を販売するウェブサイトの力に依存している。店舗内で顧客に「何かお探しですか?」と尋ねる販売員がいないため、ウェブサイトに販売を任せるしかないのだ。

多くの会社の経営者は、消費者をセールスファネル内で動かす上で、コンテンツに頼っている。戦略的な意味で、そして、消費者に購入を説得する上で、サイトのコンテンツは当然鍵を握っている。しかし、コンテンツ以外にも、サイト自体もまた重要である。コンテンツがメッセージを伝える間、サイトは、消費者が購入プロセスを進む行為を促進しているだろうか、それとも、妨げているだろうか?

11 ways to improve e-commerce website page conversion rates

イメージ

買い物客は、商品を購入するためだけにウェブサイトにアクセスしているわけではない(サイトの運営者側にとっては、最も望まれる行動)。商品を学び、リサーチを行い、競合者が提供している商品と比較するためにサイトを訪問している可能性もある。

- 内部のサイトナビゲーション、または、外部のサイト検索を介して – 商品ページにアクセスする際、買い物客は、情報のニーズが満たされなければ、購入について検討すらしない。

だからこそ商品ページは重要なのだ。商品ページは、買い物客が求める情報を提供するだけでなく、顧客が関連する価格の情報、配送料、保証、返品の条件等を見つける上でサポートする役目を担っている。

効果的な商品ページは、ビジターの様々なニーズを満たすことが出来る。商品の情報だけでは不十分である。ユーザビリティとコンバージョンを考慮して商品ページをデザインする必要がある。効果的な商品ページは、知識および感情のレベルで(コンテンツ)、そして、潜在的なレベルで(ユーザビリティ)ビジターをコンバートする力を持っている。

以下に、商品ページを最高の販売スタッフへと変える上で役に立つ、商品ページのコンバージョンの最適化に関する11点のアドバイスを挙げていく。

商品ページのレイアウトに一貫性をもたせる

ある商品から別の商品に対して、出来るだけビジュアル面で継続性を持たせるように努力してもらいたい。CMS(コンテンツ管理システム)では、単一のテンプレートを利用するべきである(または良く似たテンプレート)。

イメージ、商品の説明、仕様、そして、価格は、商品ページから別の商品ページに移動するビジターのために、全て同じ場所に掲載する必要がある。この一貫性があるおかげで、それぞれの商品で情報を探しまわる必要がなくなり、また、遥かに情報を比較しやすくなる。

プリンターフレンドリーなページを提供する

中には購入の準備が整っていないビジターもいる。商品の情報をプリントアウトし、後で見直す、または、他の誰かに見てもらうことを望む人もいる。商品ページをプリンターフレンドリーにして、商品の情報が、読みやすく、比較しやすく、さらにはメモを取りやすいフォーマットで、印刷され、保存され、そして、回覧されるように工夫しよう。

以下に、プリンターフレンドリーではないページの例を掲載する。印刷されたページで不要な箇所を全て赤で囲んだ。

Non Printer Friendly Page

このページ、そして、プリンターフレンドリーなページでは、ブレッドクラムやその他のコンテンツに向かうリンク等、不要なナビゲーションの要素を取り払う必要がある。念のために言っておくが、印刷されたページでナビゲーションリンクをクリックすることは出来ない。実際に私は試したことがある。

また、全ての関連する情報が明確に印刷されることを確認してもらいたい。フォントのスタイル、フォントのサイズ、そして、印刷されたページの情報の配置を検討する必要がある。不要な要素を全て取り除いたら、残りのコンテンツが鮮明に印刷されるだけの十分のスペースを確保することが出来るはずだ。

連絡先の情報を公開する

理想を言うと、商品ページで販売を完了したいところだが、必ずしも完了するわけではない。事実、買い物客が、ウェブサイトでは提供されていない情報を求めていることがあり、質問に答えてもらう手段を用意する取り組みは、購入を完了する上で欠かせない。

連絡先の情報を提供することで、サイトで答えが提供されていない質問に関するeメールや電話が増えるものの、この情報がない場合、顧客を完全に失ってしまうリスクがある。ウェブサイトで情報を探し出すことが出来なかった、もしくは、さらに説明が必要であったために、ビジターは連絡を取る。そのため、ニーズを満たす人物に連絡を取ることが出来る手段が用意されていない場合、購入してもらえる確率は激減する。

Contact Info on product page.

商品をしっかり説明する

すべての商品に、商品のサマリー、概説、または、説明を付ける必要がある。この情報は、商品が何なのか、何をするのか、そして、何を達成するのかを買い手に説明する上で最も重要度が高い。商品ページの要であり、買い物客を、当該の商品が求めている、または必要としている商品であると説得する上で(または説得に失敗する)鍵を握る。

詳細な商品の情報を提供する

商品の要約に加え、商品の機能、仕様、そして、メリットに関する詳細な情報を提供するべきである。一部の機能にさらに情報を加える必要がある場合は、より詳しい情報が掲載されたページへのリンクを加えることも可能である。出来るだけこのページに多くの情報を詰め込み、ビジターがなるべく商品ページを去らなくても済む状況を作り出してもらいたい。

高画質の画像を利用する

イメージは、買い物客が、購入を検討している商品を理解し、判断する上で、極めて重要である。また、モニターの質が急速に改善されていることもあり、高画質の画像のみを利用するべきである。

Hi-res vs. fuzzy images

右側の画質の低いイメージが、大幅に見劣るわけではないが、若干目にかかる負担は大きい。画質の低いイメージが利用されていると、商品に対する印象まで低くなってしまう。良質な画質のイメージは、商品に対するイメージも改善する。

高度な画像を加える

商品を判断する上で、画像1枚だけでは物足りないことがある。さらに画像、そして、エンハンスト画像を加えて、買い物客がよりインタラクティブなフォーマットで、画像を見ることが出来るように工夫してもらいたい。様々な角度から見た商品の画像、使用中の商品の画像、収納した商品の画像、拡大した商品の画像、動画、あるいは、拡大するオプション等の追加を検討してもらいたい。

Alternate Image Views

このような高度な画像を通じて、ビジターは、実際に手に取ることが出来ない商品をより正確に評価することが可能になる。この評価を行うことが出来るかどうかが、購入の決定を左右する可能性がある。

商品の比較を組み込む

出来るだけ、商品を横に並べて比較する機能を導入し、それぞれの商品の機能やメリットの違いを紹介するべきである。この比較により、買い物客は、求めている商品であることを再確認することが可能になり、その結果、返品の確率は減少する。横に並べた比較は、店で実際に買い物をする際のメリットを模倣しており、オンラインではあまり味わうことが出来ない。

価格の情報を目立たせる

全ての商品の価格の情報を、商品ページの分かりやすい場所に表示させなければならない。大半の買い物客にとっては、価格に折り合いがつかなければ、商品の質や価値は何の意味も持たないことになる。

最終的な価格を掲載することが絶対に不可能な場合を除き、価格情報を隠したり、「詳細は電話でお問い合わせください」等のメッセージを掲載するべきではない。「価格を最初に確認」することで、期待の目安となり、購入しないビジターからの電話や問い合せを除外する効果が見込める。

海外向けの価格情報を掲載する

商品を海外に向けて販売しているなら、様々な通貨で価格の情報を表示することを薦める。ビジターに自国の通貨を選択させて、その場で計算させることが出来る。サイトに異なる通貨の価格を表示することが出来ないなら、通貨の変換を行うサイトへリンクを張り、買い物客が自分で容易に計算することが出来るようにひねりを加えてもらいたい。

コール・トゥ・アクション

最後に(最も重要)、全ての商品ページに、コール・トゥ・アクションを少なくとも1つ(もしくは1つ以上)掲載しておく必要がある。何よりも重要なアクションは「今すぐ買う」だが、必要に応じて、別のアクションを加えることも出来る。例えば: 「今すぐ購入する」、「買い物かごに加える」、「保存して後で確認する」、「ウィッシュリストに加える」、「比較する」、「印刷」する等が考えられる。

それぞれのコール・トゥ・アクションは、具体的な意図を持ち、買うか去るかの二者択一を強制することなく、ビジターに引き続きサイトを利用してもらうことが出来る。ただし、選択肢を大量に詰め込むのではなく、ビジターにとって価値のあるものだけ提供するように心掛けてもらいたい。

calls to action

情報提供と販売が、商品ページの大きな2つの役割である。通常、十分な情報を提供しない限り、購入は行われない。情報が多ければ多いほど、当該のページが「販売スタッフ」として好成績を上げる可能性は高くなる。

十分な情報を得た買い物客は、単に購入を行うだけでなく、最善の買い物を行い、再び、戻ってくるだろう。

早く売れたものの、利益が損失に変わる問題が発生することがある。しかし、適切な商品を探す上で、そして、情報に基づいた購入を行ってもらう上で、必要な情報をビジターに与えるべきである – こうして利益は生まれる。後は、その利益が今後も続くことを願うばかりである。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「11 Simple Conversion Strategies Many Product Pages Fail To Incorporate」を翻訳した内容です。

どれも基本的なモノばかりでしたが、改めて読むと自身のサイトを基本に忠実か見直してみたいと思える内容でしたし、これからECサイトを手がける方には是非参考にしてほしい基礎知識ばかりでした。拡大を続けるEC市場ですが、ソーシャルコマース等、新たな試みも色々ありますが、常に基本は外さないようにしたいですね。

また冒頭のくだりで思い出しましたが、少し前までアニメや疑似人工知能、チャットを使ったウェブコンシェルジェ的サービスが色々と存在し、導入テストをしていたECサイトも多かったと思いますが、今ではすっかり見なくなりましたね。結果(=コンバージョン)につながらなかったから衰退したのでしょうけど、ネットショッピングは限りなく能動的な行動なのでしょうか。この記事を参考にユーザーが思うままに自由にふるまえる環境を提供することが何より大事なのでしょうね。 — SEO Japan [G+]

ランディングページに死を

最近、SEO以上にLPOに力を入れている私の会社ですが(テレビ東京のWBSでも紹介されました!)、サーチエンジンランドにて気になるタイトルの記事を見つけたので思わず翻訳&ご紹介。 — SEO Japan

今週、SMX Advancedカンファンレスで、私はプレゼン「ワンパターンのランディングページに死を」(リンクをクリックすると、スライドシェアでデックが開く)を行った。このスライドは、ほとんどがグラフィックで構成されているため、このサイトで詳しく説明させてもらう。

実は、私はランディングページ推進派であった。7年間に渡って、ランディングページの構築に携わってきた。弊社は、多くの一流の企業に対して、ランディングページの作成およびテストを行うソフトウェアを販売している。つい最近は、ランディングページの素晴らしさを絵で表現していた。ランディングページは、パフォーマンスマーケティング、コンテンツマーケティング、そして、テクノロジーが交差する部分である。これでは、好きにならずにはいられない。

しかし、これほどランディングページを愛しいても(少なくとも理想的なランディングページに関しては)、大半のランディングページは質が低く、毎日、胸を締め付けられるような思いをしている。

劣悪なランディングページの原因

ランディングページの質を下げる理由は次の2つのうちの1つであることが多い。(a)マーケッターが具体的なインタラクションについて考慮せず、ユーザーエクスペリエンスがひどい。(b)具体的なインタクションを考慮しているものの、ビジターが求めることではなく、自分達が求めること(コンバージョン)ばかり考えている。このモバイル支払い処理サービスは、その典型的な例だ(社名を隠している):

Landing Page Assault

このタイプのランディングページは、誘い文句のようなものだ。浅はかであり、「取引を成立させるために」最適化されている。正直に言うと、大半のビジターは、このようなアプローチに親切に反応することはない。だからこそ、大抵の場合、ランディングページの直帰率は95%前後に達するのだ。

この点について深く考えてもらいたい。何も問題がないなら、広告をクリックした20人のうち19人が、いきなり戻るボタンをクリックしないはずである。バーでナンパしたところ、20人のうちの19人に拒絶されるなら、誘い文句を変えるだけでは不十分である。全く異なる – そして、より誠実な – アプローチを採用する必要がある。新しいデオドラントを試した方がいいかもしれない。冗談はさておき、この拒絶反応は、ブランドにとって死に等しい。

しかし、幸いにもこの状況を変えることが出来る。

救済への道は – 直観とは相容れないかもしれないが – ランディングページについて考える行為を止めることだ。ランディングページは、マーケッターが生み出した作品である。「早く、あの企業のランディングページを見てみたい」等と願う人はいない。

その代わりに、エクスペリエンス/経験について考えよう。顧客候補の視点になって考えよう。広告をクリックしてランディングページにアクセスした際、求めているものを与えているだろうか?自分のことを好きになってもらえる理由を与えているだろうか?

コンテンツマーケッターは、望ましいブランドのインパクトを作る上での適切なエッセンスを持っている。しかし、良質なコンテンツが、必ずしも十分な勢いを得ているとは言い切れない。

コンバージョンの最適化の原則は、顧客候補の背中を押すことだが、優れたコンテンツが存在しない状況では、中古車のディーラーの戦術に成り下がってしまう。しかし、この戦術自体は問題ではない。この2つを連動させることが可能である。これが、卓越したポストクリックマーケティングの秘訣である。

ランディングページの既成概念を突き破る

様々な方法が考えられるが、ここでは1つの方法に焦点を絞って説明する: 1つのページのみに制限する必要はない。ランディングページはページである。ランディングページのユーザーエクスペリエンスを、型にはめる必要はなく、ビジターにとって最適な形式を採用するべきである。

先程紹介したひどいページは、いろいろな意味で、典型的なリード生成型のランディングページだと言える。このランディングページは、「無料」や「保証」等の用語、箇条書きした機能やメリット、Verisignやベター・ビジネス・ビューローからの信頼の目印、受賞経験による社会的証明、「start here」に導く赤い大きな矢印、コール・トゥ・アクション、500ドルを提供するオファー等、所謂ベストプラクティスを所狭しと詰め込んでいる。

しかし、自分がビジターだった場合、少し落ちつかない気分になるのではないだろうか?店に入って、店内を見渡した瞬間に、店員からしつこく購入を求められるケースを想像してもらいたい。これはマーケティングにおける攻撃とも言える。コンバージョンが一部発生する可能性はあるが、購入しない人達は、当該ブランドと決別するだろう。

1ページ – 顧客をコンバートさせるページが1ページしかないと考えていると、このような集中砲火型の攻撃につながる可能性がある。

同じキーワードフレーズで見つけたIntuitのランディングページと比較してもらいたい(クリックすると拡大する):

Microsite Example

ビジターが到着するページには、全てランディングページのDNAが共有されている。ヘッドライン – Get paid on the spot – があり、「start now」ボタンが用意され、無料のカードリーダーに対するコール・トゥ・アクションが提供されている。また、メディア「Wired」と「Wall Street Journal」に取り上げられており、社会的証明が存在する。プロセスと対応する電話機に関する箇条書きのような文章が用意されている。iPhoneを使ったハロー効果が用いられている。また、どこにでもあるようなストック写真ではなく、動画が用いられており、このデバイスを実際に利用するデモを見ることが出来る。

レベルの高いランディングページだと言えるだろう。

単一のページのランディングページとこのランディングページの違いは、コンテクストに沿ったナビゲーションを上部に用意している点である。これはマイクロサイトである。大変な作業を要すると思う方もいるかもしれないが、実は割と簡単に作ることが出来る。一つのページに全ての要素を詰め込もうとするのではなく、複数の関連するページを利用しているのだ。HTMLでページを結びつけるのは、難解な作業ではない。

こうすることで、顧客候補にとって、1つ目のページで納得した場合、「start now」をクリックする選択肢が生まれる。 しかし、コンバージョンする前にさらに情報が欲しい場合、より深く情報を追求することが出来る。

製品の利用を説明するために1ページまるまる割かれている。価格を詳細に説明するページ(通常は小さな活字で済ましてしまうか、あるいは、提供しないページもある)も用意している。このような詳細な情報を提供するページは、強力なコンテンツの役目を務めている。Intuitは、会社の経営者が知りたい情報: 月額料金、スワイプ利用料金、キー利用料金、手数料 – を全て明確に提示することで、信頼を構築している。

コール・トゥ・アクションが全てのページに登場している点に注目してもらいたい。ビジターに向かって叫んでいるわけではないが、忍耐強く待っている – 準備が済んだら、すぐに取引に移ることが出来る。

それだけではない。社会的証明にうんざりしている人もいるだろう。顧客候補の一部は、確実に飽きている。Wall Street Journalのロゴは、同紙がサービスを高く評価していることを示唆している。しかし、必ずしも、高く評価しているとは限らない。酷評している可能性もある。このようなマイクロサイトは、本当の意味での、社会的証明を提供する余地を得ている。ロゴだけではなく、ヘッドライン、配信された日付、そして、実際の記事に向かうリンクを加えることも出来る(クリックすると拡大する):

Genuine Social Proof

顧客の推薦広告にも同じことが言える。どこの誰かも分からない人物が「最高の製品だ!」と推奨するいかにも怪しい広告は避けるべきである。そうではなく、証言者の名前と組織を明かすべきである。この会社は、動画の証言も組み込んでいる。これは本物の推薦であり、信頼構築およびブランド構築の効果が見込める。

その他のランディングページを振り返ってもらいたい。顧客を獲得する点において、どのランディングページが優れていると思うだろうか?

マイクロサイトの形式にこだわる必要もない

確かにマイクロサイトは効果が高いかもしれない。しかし、このフォーマットに拘る必要もない。1つのページに執着する姿勢を正せば、オーディエンスを魅了する様々な方法が思い浮かぶはずだ。

例えば、California Closetsが提供するこの相談ガイドを見てもらいたい。専門用語で表現すると、所謂「コンバージョンパス」と言われるアイテムである(クリックすると拡大する):

California Closets

このクリックパスは、対立しない一連の選択肢をビジターに与え、求めている製品に導く。このガイドでは、まず「クローゼットの整理」か「部屋の整理」を選択する。クローゼットを選択すると、今度は「ウォークイン」か「リーチイン」を選択する。ビジターの関心に合わせて、既にイメージとコピーが調整されている。ウォーキンクローゼットを欲しい場合、ショールームに足を運ぶか、または、お宅訪問相談を選ぶ。

このインタラクティブな会話は、当該のビジターの求めに応じて完全に調節されたコール・トゥ・アクションのページでクライマックスに達する。理想のウォークインクローゼットに関する相談を自宅で無料で受けることが出来る。3-Dのレンダリングを実施し、予算内で見積もりを立て、忙しい生活にスケジュールを合わせると謳い、そして、短いフォームを用意している。

注記: これは多目的のウェブサイトではなく、PPCのランディングページである。ちなみに、このようなユーザーエクスペリエンスは、タブレットやスマートフォンでも抜群の効果を発揮する – タップに向いているからだ。

また、マルチページのランディングページによるユーザーエクスペリエンスは、「進行形のコンバージョン」を可能にする – BlukeCross BlueShieldの例に見られるように、会話のようなコンバージョンを介して、ビジターをゆっくりと進ませる(クリックすると拡大する):

Progressive Conversion

「少なければ少ないほど、得られるものは多い」と言うデザインの有名な原則が存在する。大量の要素を投じて、大声で注目を呼び込む行為を回避することで、本当の意味で有意義なコミュニケーションが生まれる。ジョージア州の85000の中小企業。活発なフェイスブックのコミュニティ – 社会的証明。郵便番号の入力 – シンプルな3つの手順の1つ目の段階 – でこのランディングページはスタートする。

ステップ2でも手間はかけていない: 何人の従業員が働いているのか?また、規模に応じた補償や解決策等、主なメリットが幾つか取り上げられている。

最後のステップに到達する頃には、勢いが増しており、ここで、簡素な見積もりのフォームを提供する。ちなみに、このページのコンテンツはビジターに合わせて調整されており – 郵便番号、会社の規模等 – 各種のプランが用意される仕組みになっている。ビジターは、この会話のそれぞれの段階で提供した情報の量よりも、多くの情報を入手する気になっている。「Finish」と記された緑色のボタンが、これが最後のステップであることを強調している。

コンバートだけでなく、印象を与え、刺激し、説得する

最後にもう1つ例を紹介したい。再びマイクロサイトを取り上げるが、このサイトは、マルチページのカンバスを巧みに利用している。

The Center for Arts and Technologyは、芸術関連の複数のプログラムを用意する専門学校である。このマイクロソフトは、Fashion Design & Merchandisingプログラム向けであり、生徒候補に対するリード生成を考慮している(クリックすると拡大する):

A Very Creative Microsite

1つ目のページに到着すると、まず何が目に入るだろうか?ファッション性の高い美しいイメージが視界に飛び込んでくる。単なるモデルの写真ではなく、ページの構造に組み込まれている。このページでは、情熱に従い、クリックしてさらに情報を得る – または、上部のナビゲーションバーで、何を学びたいかを自分で選ぶことも出来る。

プログラムの詳細を調べることも可能だ。単なる箇条書きではない。ファッション業界での輝かしい未来を語る心躍るストーリーである。コール・トゥ・アクションには「Start My Future!」が用いられ、イメージにシームレスに統合された短いフォームが用意されている。しかし、ここでも最大の要素はファッション自体である。

それでも、コンテンツは十分に用意されている。就業の機会を紹介するためだけのページがあり、このプログラムが導く可能性のある、様々な仕事がリストアップされている。実際に何を学ぶのだろうか?必修科目から選択科目、パターンのドラフトから、ファッションショーの演出に至るまで、提供されているコースの全容を紹介するページが用意されている。

各ページにメインのイメージが掲載されている。このイメージは、ショーの本質を表現しており、言葉ではなく、プログラムの面白さを直観的に伝えている。私はファッションとは無関係の人間だが、それでも、興味をそそられた。単一のページのランディングページでは、このような気分にさせるのは不可能である – 単純に物理、または、概念におけるスペースが足りないのだ。

創造性の面での自由が生まれるが、技術的な難易度は決して高くはない。必要とされているのは、HTML、CSS、そして、複数の良質なイメージだけである。

ただし、多目的のウェブサイトでもなければ、スライドショーでもない点を忘れないでほしい。これは、コンバートさせるための、PPCのランディングページのユーザーエクスペリエンスである。このユーザーエクスペリエンス全体を通じて、コール・トゥ・アクションとコンバージョンのメカニズムは一貫している必要がある。ビジターの準備が整い次第、次のステップに進んでもらうためだ。ただし、ビジターを説得するのはボタンのラベルではなく、あくまでもコンテンツである。

ワンパターンのランディングページを拒絶する意欲が湧いてきただろうか?競合者との差別化を行い、好印象を残すことで、ビジターをコンバートさせるだけではなく – 当該の分野で最も優れた製品としてビジターの心に深く刻まれることになるだろう。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「Death To The Cliche Landing Page」を翻訳した内容です。

最初の事例のランディングページが凄すぎましたが、まぁ、日本でもチラシの延長で情報過多、デザインも意味なく派手すぎるランディングページもなくはないですけどね。記事の内容自体は色々書いてありますが、結論からいうと、ランディングページ作るなら、テスト&効果検証もね、という話なんですが、それもないまま、何となく「広告経由のユーザーを受けるページが必要」という前提の元、自身の感性でデザインしたランディングページを作成し、ユーザーに訴求したい要素をテンコ盛りにしてしまった挙句、良い結果も出せず悶々としているマーケッターも意外と多いのでしょうか。。。

それはともかく、途中からの事例は、単一のランディングページではなくマイクロサイトを多数紹介していましたが、確かにこのアプローチは日本ではあまり見られませんよね。記事タイトルは単一ランディングページだけでなくマイクロサイトもリードジェネレーションの選択肢として考慮すべき、という意味でつけられたことも同時に分かるわけですが、記事でも触れられているようにタブレットやスマホ時代にマイクロサイトは改めて注目したいアプローチであることは間違いないと思います。 — SEO Japan [G+]

心理学に学ぶ購買プロセスを最適化する6つの説得技術

サイトの色合いについて心理学に学んだり、究極の交渉術を考えたりしてきたSEO Japanですが、今回はユーザーの購買プロセスを最適化するために必要な「説得の技術」を心理学的に考えてみよう、という中々に興味深い記事をSEO Bookから。 — SEO Japan

説得を最適化する方法は数多くある。

SEO業者は、検索エンジンのアルゴリズムを考慮してサイトを最適化し、ランキングを改善する試みを行う。その結果、トラフィックが増える。他の分野の最適化は、ビジターがページにアクセスした後に効力を発揮する。

その一つが説得の最適化である。

ビジターをページに迎える取り組みを行ったものの、「戻る」をクリックされてしまうようでは、それまでの努力が無駄になる。ビジターにはサイトに留まり、メッセージを読んでもらい、そして、行動を起こしてもらいたいのだ。

説得する方法は多い

アリゾナ州立大学で心理学を教えるロバート・チャルディーニ教授は、一般的な説得の手法の6つのカテゴリを特定している。それは、返報性、一貫性、社会的証明、好み、権威、そして、希少性である。

このような手法を用いて、コンテンツとサイトのデザインを最適化し、ビジターがサイトに留まる確率および理想的な行動を取る確率を高めることが出来る。

ビジターの心理を操っているように見られるかもしれないが、それは、利用方法に左右される。善意で利用するなら、自分の意見を他の人達に訴えかける取り組みの一部になり得る。いずれにせよ、このような手法の存在を知っておくことで、自分達に対して使われた時に容易に見つけ出すことが出来るようになる。

1. 返報性

返報性とは、誰かに何かを与えると、恩を返しをしたくなる心理を意味する。返報性を意識した行動は私達の文化に刷り込まれており、頼みごとをしてもしなくても、もしくは、お互いを知っていてもいなくても起こり得る。

返報性は義務感を生み出す。

製品を確認して、何かしら価値を与えることが出来るかどうか調べてもらいたい。例えば、情報製品のベンダーなら、製品の一部を無償で提供したり、もしくはトライアル期間を延長する手が考えられる。受け取る側は、残りのセクションや製品全体を買うことで、報いるかもしれない。ベンダーが何も与えていないなら、このような行動を取ってもらえる可能性は低い。オーディエンスに何をしてもらうのかよりも、オーディエンスに対して何が出来るのかを考えよう。

譲歩も返報性を利用する方法の一つである。何か小さなことを譲歩すると(ただし分かりやすく)、相手側はもっと大きなことを後ほど譲歩するべきだと感じる可能性がある。

例えば、まずは何か大きな願い事をしてみよう。その願いが断られたら、今度は、前から望んでいた適度な願い事をしよう。2度目のリクエストは、既に譲歩しているため、こちらも譲歩しなければならないと言う感情が生まれ、受け入れてもらえる可能性が高い。

2.約束と一貫性

人は相手に一貫性を求める。

一貫性のない人物は、信頼できない人物、もしくは嘘つきと見られる可能性がある。一貫性があると、難易度は下がる。なぜなら、相手が決定を下す度に評価を繰り返さなくなるためだ。一貫性があるなら、過去の評価、そして、過去の決定を変える必要はない。しかし、行動に変化が生じると、再び評価が行われるようになる。

ウェブサイトにも同じことが言える。

メッセージが矛盾している場所を探してみよう。製品に関するコピーの過ちのような明白なものもあれば、意見のトーンの変化のように目立たないものもある。一貫性のあるトーンおよびデザインを用いて、ページの流れに一貫性を持たせ、また、メッセージの矛盾や脱線を避ける必要がある。

当然ながら例外はある。驚かせようとしているなら、あるいは通常とは違うことをして注目を集めようとしているなら、一貫性に逆行する価値はある。しかし、一貫性に反する行動を取る前に、まずは一貫性を確立する必要がある。

3. 社会的証明

他の人達が価値を認めている証拠がそのサイトには掲載されているだろうか?推薦、レビュー、つながり等が社会的証明に挙げられる。

社会的証明は、既存の信頼関係を活かすことで、手っ取り早く信頼関係を構築する効果がある。サイトで紹介したつながり – 例えば「ニューヨークタイムズでも取り上げられていたように」 – を信頼してもらえるなら、もしくはユーザーが自分の判断よりも大勢の判断を信じるなら、信頼してもらえる可能性は高い。

早く信頼関係を構築する取り組みはオンラインでは非常に重要である。なぜなら、ユーザーは「戻る」をクリックする権利を持っているからだ。そのため、社会的証明は、とても力強い助っ人になり得る。

ただし、怪しいと思われてしまうと瞬く間に信頼関係は崩れる。サイトが提供する社会的証明が有名な人物である場合、オーディエンスが説得に応じる可能性は高い。オーディエンスがよく知り、信頼しているのは誰だろうか?誤って存在感の薄い人の推薦を利用するサイトが一部見受けられる。

4. 好み

誰もが自分の好きな人と仕事をしたいはずだ。

良くも悪くも魅力的な人達は説得力がある。受け手が前向きな特徴を当てはめようとするためだ。身体的に魅力的な男性や女性のモデルは広告業界にとって欠かせない。これは基本である。また、高度なレベルでは、受けては自分と同じような人の言動に反応する。魅力は、類似に基づいているのだ。

ウェブマーケティングにおいては、「好感度」のレベルはオーディエンスに左右される。流行りの洋服を売るサイトは憧れが中心的な役割を担う – 実際のオーディエンスとは似ていなくても、オーディエンスが憧れる魅力的な特徴を提示している。テクノロジーによるソリューションを販売しているサイトは、共感と親近感に力を入れるべきだろう。重いテーマのサイトは知性をクローズアップするのではないだろうか。これは、好きなってもらうために、オーディエンスをそのまま、あるいは、オーディエンスが持つイメージを反映する手法である。

好みの別の領域として、つながりが挙げられる。ビジターが好きな団体や人物に自分を関連付ける手段を考えてもらいたい。一般的に用いられているのは、チャリティ、セレブ、または業界のイベントとの提携である。

5. 権威

権威のある人物に反応する人は多い。

「適切な振る舞い」は権威に左右される。例えばSEO業界での「ホワイトハット/ブラックハット」の位置づけは、権威のある人物、この場合は検索エンジンと検索エンジンの代表者によって決まる。

ウェブサイトでは、シンボル、資格、そして、つながり等を使って、権威を表すことが出来るものの、過去と比べると、現在は権威を軽視する傾向が見られる。オーディエンスは権威の主張を疑って、主張の証拠を提示せよと要求し、与えられた情報が信頼に値する場合、関係の構築を望むようになるだろう。

そのウェブサイトには、主張の証言や証拠が用意されているだろうか?

6. 希少性

私達は豊富なものを過小評価し、希少なものを過大評価する癖がある。

この手法に関しては、とりわけ詐欺の世界で、人為的に希少な状態を作るあからさまな手法が存在する。希少性をアピールするため、場所/製品が~個しか残っていないことを主張するマーケッターを皆さんも見たことがあるはずだ。これは衝動的な行動を期待した手法である。

チャルディーニ氏は、希少性について次のように指摘している:

「心理的な反応の論理により、人々は自由の欠如に反応し、自由をさらに求める。特定の製品やサービスを手に入れる自由もその一つである。動機を与える要因として、心理的な反応は人生のほとんどの場面に存在する。なかでも顕著に現れるのが魔の2歳児(第一反抗期)と10代である。 この期間では、個性が芽生え、抑制、個人の権利、そして、自由等の問題が気になり始める。そのため、この2つの期間を迎えると、人々は制限に特に敏感になる。」

通常は、今までは希少ではなかったものが希少になった時に最も引き付けられ、次に他の人が同じリソースを欲しがっている時に魅力を感じる。ウェブサイトにおいては、この2つのコンセプトを組み合わせることが出来る。期限が近づき、供給が追いつかない状態である。当然ながら、これは社会的証明の形式でもある。

まとめ

カリスママーケッターのセス・ゴーディン氏は、かつて「マーケッターは嘘つきだ」と語ったことがある。

マーケティングには操作およびストーリーテリングの要素が存在する。ウェブマーケティングの大きな失敗例の中に、この要素が関わっていることは疑いようもない。しかし、優れたマーケティングに中にも存在する。また、毎日の生活の中で、場合によっては、知らないうちにこのような手法を誰もが用いている。

ウェブサイトでこういったアイデアを組み合わせるとプラスに働く可能性がある。競合者を今回紹介した6つのカテゴリで評価してみよう。うまく活用しているだろうか?過剰に利用しているだろうか?その後、自分のサイトを調べ、実験を行い、変化を記録しよう。

説得の取り組みを少し強化すると、既に手に入れたトラフィックの価値を活用する上で大きな効果が見込める可能性がある。


この記事は、SEO Bookに掲載された「Persuasion Optimization」を翻訳した内容です。

いきなり「返報性」という専門用語で重たそうな記事だな、、、と思いましたが意外とそうでもなく、読み物としても面白く、勉強にも参考にもなる内容でした。どれも普通に納得できるものでしたが、気になるのはやっぱり最初の「返報性」ですかね。これが例えばネットサービスで、どのように適応できるのか、という点は気になります。例えば無償で何かを提供して、その後に有償サービスへの登録をお願いする、といったギブ・アンド・テイク的手法がわかりやすいのでしょうか。デパートで試食したものを、つい店員に押されて(気兼ねして?)買ってしまう心理は日本人らしくてわからなくもないですが、ネットの場合は対面効果がないですし。。。さり気ない仕掛けや卓越したライティング能力が求められそうです。 — SEO Japan [G+]

必ず試しておきたい11種類のA/Bテスト

SEO屋の私がいうのもなんですが、サイトのコンバージョンを最も劇的に改善する手法といえばLPO。LPOサービスを自ら始めた位に惚れ込んでいるウェブマーケティング手法ですが、名前や内容は知っていても意外とちゃんと実施したことがないサイトやウェブマーケッターが未だに多すぎることに嘆いている最近です。多変量テストや行動ターゲティングとはいわずとも、A/Bテスト位は定期的にやっていきましょうよ、、ということで、今回は米国カリスマウェブマーケッターのニール・パテル氏が自らの経験を元にA/Bテストで実施するべき項目を11まとめた面白くてためになる記事を。 — SEO Japan

既存のトラフィックからもっとお金を絞り取りたいのなら、A/Bテストの実施を開始する必要がある。少なくとも毎月10,000人のビジターがいるなら、毎月でないにしろふた月に一度は一つ新しいA/Bテストを実施することを検討すべきだ。

私のビジネスでは、通常、2週間ごとに一つのA/Bテストを実施する。そのテストの多くが失敗するが、大抵4回に1回は、最低でも20%はコンバージョン率を押し上げる勝者を見つける。

私が大成功することができている主な方法の1つは、他の企業から学ぶことだ。毎週、私を含む起業家のグループで、成功もしくは失敗したA/Bテストについて議論する。私たちはお互いにデータを共有し、それが新しく試すA/Bテストを思い付くのに役立つ。

ここでは、あなたが試してみるべき11種類のA/Bテストを紹介しよう:

テスト1: 広告内にFREEという言葉を加える

TreeHouseEric Siuは、毎週、広告購入に数千ドルをやりくりする。彼の主な獲得チャンネルの1つがリマーケティングだ。彼は数多くの異なる広告タイプをテストしたが、顧客獲得単価(CPA)がおよそ60ドルであることが分かった。広告の色や行動喚起やその他広告内のたくさんの要素を変えたが、CPAに大きな影響を与えるものはなかった。

そこで彼は、自分の広告内に“FREE”という言葉を入れてテストした。

そのたった一つの言葉が、CPAを60ドルから43ドルに下げる結果となったのだ。

テスト2: 説明動画を作る

私はいくつか説明動画を作ったことがあったが、それらはみんな間違って作られていた。コンバージョンを上げる手助けをする説明動画に必要な要素が何であるかを学ぶと、私はコンバージョンがすぐに上がるのを目にした。

CrazyEgg.com上のホームページのコピーと全く同じメッセージが入った動画を追加することによって、私たちはホームページのコンバージョンを64%上げることができたのだ。私がそこで学んだ大きな教訓は、人々はテキストを読むのが好きではない場合もあるが、製品やサービスを説明する短い動画に耳を傾けることには抵抗がないということだ。

テスト3: 登録ボタンを一緒にスクロールする

TreeHouseのライブラリページで、人々はコンテンツを読んでスクロールダウンしていたが、登録ボタンはクリックしていないということに彼らは気が付いた。そこでまず彼らは、登録ボタンをグレーからグリーンに変えることを試した。

色の変更はいくらかの影響を及ぼしたが、それは十分な大きさの影響ではなかった。そこで彼らは、Facebookがやっていることに似たコンセプトをテストした…メインのナビゲーションバーが読者と一緒にスクロールするのだ。そして、登録ボタンはナビゲーション内にあるため、人々がそのボタンに気付くようになるのだ。

このシンプルな変更がこのページのコンバージョンを138%上げた。

テスト4: フォームフィールドを削除する

NeilPatel.comでは、オンライントラフィックおよびオンライン収益を上げることに興味のある個人と企業からのリードを集める。私の登録フォームには以下の4つの項目があった:

  • 名前
  • Eメール
  • URL
  • 収入

私は、4つのフォームフィールドがあることがコンバージョン率に影響を与えるとは思っていなかった。なぜなら、それらに入力することにはそれほど時間がかからないからだ。しかし、収入を共有したくない人もいるかもしれないため、収入のフィールドを“どのようなご相談ですか”と尋ねるオープンフィールドに置き換えることがコンバージョンに影響を与えるかどうかを見るために簡単なテストを実施した。

そのテストは、私のコンバージョン率に影響を与えなかった。そこで私は、“収入”フィールドを削除して、3つのフィールドに絞った。

それがコンバージョン率を26%押し上げた。

テスト5: 2ページのチェックアウトプロセスを作る

私は、人々が通過しなければならないページロードとステップの数を減らすことがコンバージョンを上げるのに役立つと強く信じていた。そのため、Crazy Eggのチェックアウトプロセスはシンプルだった…最初に自分のプランを選択して、次のページでアカウントを作成して支払情報を入力するのだ。

Conversion Rate Expertsは、私に3ステップのチェックアウトプロセスをテストさせた。つまり、最初に自分のプランを選択し、アカウントを作成するページへと連れて行かれ、その後に支払情報を入力する別のページへと連れて行かれるのだ。フォームフィールドの合計数は2ステップのチェックアウトプロセスと同じだが、それを2つの異なるページに分けたのだ。

合計817のコンバージョンの後、私たちは勝者を手にした…この3ステップのチェックアウトプロセスが、10%のコンバージョン増加をもたらした。

テスト6: スクリーンショットの代わりに製品デモを見せる

大部分のソフトウェア会社では、登録前に人々に本物を試してもらうのではなく、アプリケーションのスクリーンショットを見せる傾向がある。

かつてQualarooは、ホームページ上で自分たちのアプリケーションのスクリーンショットを見せていたが、アンケートを通して、人々がこの製品が何をするか完全に理解していないことに気が付いた。そこで彼らは、ホームページ上に自分たちの製品を置いて、人々が実際にそれを試せるようにしたのだ。

ホームページ上に自分たちの製品のデモバージョンを埋め込むことによって、彼らはコンバージョン率を38%上げた。

テスト7: 無料トライアルVS.返金保証

私は、30日間の返金保証と事前にクレジットカード情報を入力する必要のある無料トライアルには違いがないと思っていた。なぜって?もしあなたが最初の30日間で製品に満足しなければ、それに対して請求されないからだ。

私は間違っていた!

30日間の返金保証と無料トライアルとテストしたところ、結果は大成功だった。

全ての返金保証のバッジを無料トライアルのバッジに置き換えることによって、さらには“30日間の無料トライアル”という言い回しをCrazy Wggウェブサイトの全てのページに配置することによって、登録数を116%増やすことができたのだ。

テスト8: トライアルの長さ

無料トライアルは長ければ長いほど良い、そうでしょう?私の共同創設者KISSmetricsで30日間の無料トライアルと14日間の無料トライアルをテストしたがるまで私はそう思っていた。

彼が30日間の無料トライアルに対して14日間の無料トライアルをテストした時には、フロントエンドのコンバージョンには違いがなかった。それぞれのトライアルで同じ人数の人がサインアップした。しかし、大きな違いは、30日のトライアルに対して、14日のトライアルでサインアップした人は製品の使用が102%増加したことだった。

トライアルの長さを減らすことが、人々にできるだけ早く私たちの製品を使わなければならないと感じさせるのだということがすぐに分かった。30日のトライアルでは、人々はたくさんの時間があると感じて、私たちがEメールリマインダーを送ってもそれを使うことを忘れてしまったのだ。

そして使用量が多いことが、収益を押し上げるのに役立った。より多くの顧客がKISSmetricsのパワーを体験したからだ。

テスト9: 時間ベースの特典

かつて私はQuickSprout Traffic Systemを197ドルで販売していた。インターネットマーケティングコースがあなたの受信箱に届けられ、デジタルマーケティングについてあなたが知っておくべき全てのことを教えるというものだ。

最初は何の特典も提供していなかったが、いくつか無料のものを含めることにした。主な特典は、動画コースと無料のソフトウェアプラグインだった。それら2つの特典は私のコンバージョン率を11%だけ押し上げた。

Michael Williamsは私に、時間ベースの特典のアイディアを与えてくれた。最初に登録した50人と、100人は他の人は手にできないものを獲得するというものだ。

最終的な結果は、後でではなく今すぐ登録することを促す時間ベースの特典による47%のコンバージョン率上昇だった。

テスト10: 無料オファーに価格を追加する

全ての人が今すぐに購入する準備が整っているわけではない。もっと学びたい、あなたやあなたの会社についてもっと知りたい、そしてあなたのことを信頼したら、あなたが何を売っていようと購入することを厭わないという人達もいる。

このため、あなたの製品やサービスを購入することに興味はあるが、まだ引き金を引く準備は整っていない人のEメールアドレスを集めることが重要だ。

私はQuick Sproutでは何も売っていないのだが、それでも新しいブログ記事を書いた時にお知らせできるようにEメールを集めている。かつて私は、あなたに何も提供せずにEメールアドレスをただ聞いていた。そこで私は、無料のeブックと30日のコースを提供することをテストしたが、コンバージョンはたった6%上がっただけだった。

しかし、私がサイドバーに300ドルの価値がある無料コースを提供しているように、その無料の情報に価格を追加したところ、コンバージョンが上がったのだ。

以前と同じ無料の情報に価格を設置することによって、Eメールオプトインを22%増やすことができた。

テスト11: ボタンの色

約4年前、私がカンファレンスで話をしていた時、パネリストの一人がGmailでA/Bテストを実施していた。彼は私に、どのようにして自分たちが50以上のブルー系の色をテストして最もコンバージョンの高い色を見つけたかについて話していた。あなたはたぶん自分のウェブサイトで50種類もの色をテストすることはできないかもしれないが、ボタンの色をいくつかテストすることはできる。

コンバージョンを上げるとは私が思ってもみなかったボタンの色の1つが赤だ。Performableがあるテストを実施した。ホームページ上の行動喚起ボタンを赤と緑を使ってテストしたのだ。

驚いたことに、赤がクリックスルー率で21%上回った。これは、ある特定の色がネガティブな意味を持つからと言って―通常あなたは赤をストップサインかエラーメッセージと結びつける―、その色をテストする価値がないと仮定することはできないということを示す。私も赤という色はテストする価値がないと思っていた。

テスト12: 人々にあなたに話しかけるように言う

リスト投稿にはボーナスがつきものだ。11種類のA/Bテストがあると言ったことは分かっているが、実際には12種類あった。

私の相棒Leoは、コーヒーショップで今までに目にしたことがないものを目にした。誰かが、自分のノートパソコンのカバーにこんなものを付けていたのだ:

彼が、このノートパソコンのメッセージによって何人がアプローチしてきたかをこの紳士に尋ねると、“3週間で数十人”と答えた。もしあなたが自分のところにやって来る人を増やしたいなら、自分がしていることを伝え、自分のところにやって来て話しかけるべきだと伝えるノートパソコンのカバーを購入しよう

私はまだこれを試していないが、ビジネスに新しい顧客を獲得する素晴らしい方法だと思うので、やってみるつもりだ。

結論

先に述べたように、私はたくさんのA/Bテストを実施して失敗してきた。上に紹介したテストが大きな成功を収めているからと言って、あなたが実行する全てのテストが成功するという意味ではない。それよりも、あなたはA/Bテストからたくさんのことを得ることができ、単にあなたはそれに時間とエネルギーを注ぐ必要があるということを示している。

あなたはこの他に成功もしくは散々な失敗をしたA/Bテストを実施したことがあるだろうか?もしあれば、コメント欄でそのテストと結果について説明してほしい。


この記事は、Quick Sproutに掲載された「11 Obvious A/B Tests You Should Try」を翻訳した内容です。

結論にもあるように、上記例がそのまま他のサイトに当てはまるというわけではありませんが、少なくともあなたのサービスやランディングページで今日からテストできる要素が大量にあることだけはわかってもらえたのではないでしょうか?Googleも無料のテストツールを提供していますし、自分でやるのが面倒な人には私の会社のLPOサービスもあります m(_ _)m 最先端のアドテクやメディア、ツールに躍らさられるを追いかけることも大事ですが、日常的にテストする習慣をつけ、実施するマーケティングの効果改善をきちんと行っていけば、あなたのウェブサイトも少しずつ成功に向けて進んでいくこと間違いなし。 — SEO Japan [G+]

オバマ大統領はA/Bテストでホワイトハウスを勝ち取った?

色々と問題を抱えながらも2期目継続を昨年勝利した米国のオバマ大統領。選挙にかかる費用や綿密に計画されたプロモーション戦略が特に話題になりますが、その一つにA/Bテストを精力的に実施していることをご存じの方はどれ位いるでしょうか?今回は、オバマ大統領が前回の選挙戦で実際に活用していたメールマーケティングにおけるA/Bテストの活用事例を紹介します。 — SEO Japan

2012年大統領選挙は終わったが、だからと言って私たちがもうそこから学ぶことができないというわけではない。

ソーシャルメディアとオンライマーケティングがこれまで以上に重要になっている今、統計データと詳細が、大統領のEメールマーケティングとソーシャルネットワーキングチームがどれくらい効果的だったかについて明らかにしている。

オバマキャンペーンメールの背景にある科学

オバマ/民主党のファンもしくは支持者だった方々、あなたは恐らく選挙までの数か月の間にたくさんのEメールを受け取ったことだろう。また、彼らのキャンペーンにお金を寄付する絶好の機会もあっただろう。

私が“絶好の機会”と言うのは、送信された全てのEメールが、極めて効果的になるような方法で構築され書かれたからだ。

Business Weekが、EメールキャンペーンのEメールの異なるタイトルと言葉遣いのA/Bテストがいかに効果的であるかについて示した素晴らしい記事を出した。

この情報はキャンペーンの最中に発表されることはなかったが、選挙が終わった今、全ての情報が公開されている。それは読んでおくべき優れた記事で、あなたの膨大なリストにメール送信をする前に少ないグループでA/Bテストをすることの重要性を示している。

全てに目を通さずにこの記事から大切なことだけを知りたい?

結論:オバマの資金集めを目的としたEメールチームは、何百もの魅力的な件名をテストした。そして、最も成功したのが、何百万ドルももたらした“Hey”というカジュアルな挨拶だった。

そして、選挙は終わったが…今すぐにでもホワイトハウスからのメールを見ることを止めようなんて思わないこと!


この記事は、Zac Johnsonに掲載された「How Split Testing Won the White House」を翻訳した内容です。

Business Weekで紹介されたオバマ大統領のメールキャンペーンのA/Bテストの結果を紹介しただけの記事でしたが、ここまでリアルなデータを公開していることにまず驚きです。Business Weekの記事により詳細な解説があったので紹介しますが、前回の選挙戦で集めた600億円以上の選挙資金の大半をメール経由で集めたそうです。何百万人というリストに一斉配信する前に18種類前後のサブジェクトの文言を一定のリストで配信テストし、その後、最も効果が高いサブジェクトを採用して一斉配信していたようですね。さらにサブジェクトの文言以外にも募集している金額もテストしていたとか。

20人の専属ライターを抱えていたらしいこの選挙チーム、「テスト前に私たちが予測したサブジェクトラインが勝つことは滅多になく、それが私たちにテストを続けさせた」というコメントも書かれていましたが、どれだけ優秀なライターチームがあっても、きっちりテストをして科学的なマーケティングを実践しているのが日本より一歩も二歩も先を進んでいる感じです。 — SEO Japan [G+]