Luminox P-38は、暗闇で明るく光る機械式クロノグラフ

Luminoxは、無駄のない三針クォーツ腕時計と、そのユニークなトリチウム管発光針で知られている。この驚くほど明るくコンパクトな時計は、軍隊および警察で人気が高い。しかし、第二次大戦時代の戦闘機乗りはどうだったのか? 誰が彼らのために時計を作るのだろうか。この会社がついている。

Luminox P-38 Valjoux Automatic 9461(P-38 Chronoと呼ぶことにする)は、ロッキード P-38 ライトニングを称える最新モデルだ。黒と白を基調とした伝統的クロノグラフで、縁のタキメーターと、標準的な時分秒に加え中央に秒針が配置されている。日付/曜日窓もあり、竜頭の上下にある隠れたボタンで制御する。かなりの厚みがあり、厚手の皮ベルトが付属している。

3000ドルという価格は、Valjoux[バルジュー]のクロノグラフとしてはお買い得だ。Valjouxはスイスの時計ムーブメントのメーカーであり、Luminoxがこのモデルで使用している7750は、名品であり非常に入手が困難になってきている。Luminoxにとって、このよう歴史ある高価なムーブメントを使うことは、新たな展開であり同社がより稀少な領域に移行しようとしている兆候かもしれない。

しかし最大の呼び物は、Luminoxのトリチウム管だ。この時計は暗闇でまるで懐中電灯のように光る。クロノグラフの小さな針には発光処理が施されていないが、時針と分針はグリーンに光る。このトリチウム管による発光は、光に当てなくとも25年間続くという。

私は以前からLuminoxのファンだったが、彼らがクォーツムーブメントに力を入れているというだけの理由で、これまで避けてきた。自動巻への移行という決断は感激的であり、これはスイスアーミーその他の、かつてクォーツ中心だったブランドと同じ方向性でもある。高級腕時計の人気は高く、将来スイスにApple Watchの波が押し寄せてくることを踏まえると、時計メーカーは、安物のケースに入ったクォーツムーブメントより少し良いものを提供する必要がある。

この時計は特別にユニークというわけではないが ― 7750は今やどこででも見かける ― Luminoxとして新しい何かを提供するものであり、特に発光機能はすばらしい。デザインはオメガ・スピードマスターから派生したものだが、小さな針にも発光体が付いたところを是非見たいものだ。価格、サイズ、製造品質いずれも完璧だ。もし、暗い場所で見やすく見た目もおしゃれで(あまり)高価すぎない腕時計を探しているなら、このP-38は最強だ。


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(翻訳:Nob Takahashi / facebook