LinkedIn、プロフェッショナル向け教育に参入―オンライン学習大手のLynda.comを15億ドルで買収

プロフェッショナル向けSNSのLinkedInはLynda.comを買収してプロフェッショナル向けオンライン教育分野に本格的に参入する。

Lynda.comは1995年にBruce Heavinとテクノロジー分野の学習書の著者、Lynda Weinmanによって共同創業された。Lynda.comは長年、Photoshop、HTML、CSSなどの入門、マネージメントの基礎知識などをオンラインで得ようとする場合の定番サイトとなってきた。

Lyndaにはエキスパートによって制作されたチュートリアル・ビデオやコースが多数用意されている。eラーニングという言葉が今日のように普及するはるか以前からそれを実践してきたこの分野のパイオニアだ。

買収価格は15億ドルで、52%がキャッシュ、48%が株式によって支払われる。買収手続きの完了は今年の第2四半期が予定されている。LinkedInのプレスリリースによればLynda.comの社員の「大部分」はLinkedInに加わる。

買収を発表した公式ブログ記事で、LinkedInのCEO、Jeff Weinerは「われわれの目的は職を探している人々が実際に職に就けるよう手助けすることだ。LinkedInはこの買収によって職探しに役立つ技能や知識へのアクセスを提供していく」と述べたLynda.comのCEO、Lynda Weinmanは「両社の企業文化は完璧にフィットする」とし、 有用なスキルの教育により、求職市場における需要と供給のギャップを埋めるために大きな貢献が期待できると述べた。 LinkedInのコンテンツ事業の責任者、Ryan Rolanksyは、「LinkedInのユーザーは希望している職に就くために必要な技能が欠けていると気づいた場合、われわれのオンライン・コースによって即刻その技能身に付けることができるようになる」と述べた。.

LinkedInはLyda.comとの統合の具体的な計画を明らかにしていないが、Rolanskyは「当面、Lynda.comは従来どおり運営される」と述べた。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Pixarなども顧客とするクリエイティブ教育のDigital-Tutorsがデベロッパ教育の大手PluralSightに買収

【抄訳】

PluralSightはソフトウェアのプロフェッショナルたちのための教育訓練企業として2004年に創業、2008年にオンライン化したが、近く、クリエイティブ方面の教育訓練サービスDigital-Tutorsを4500万ドルで買収する、と発表した。

Digital-Tutorsを買収することによってPluralSightには、これまでなかったメディアやデザイン関連のコースがおよそ1500ほど加わる。現在のPluralSightには、プロのデベロッパ向けの教育訓練モジュールが3000あまりある。

このところソフトウェアの教育訓練という業種分野には合従連衡のブームがあり、買収等を通じて、今までよりも大きくなって市場を有利に支配したいという動機が伺える。買収に動くのは主に、これまですでに資金状態が良くて大きくなっていたところである。

ソフトウェア技術の世界は技術の革新や変化が常時激しいので、プロたちもコンスタントに勉強せざるをえない。そこで情報技術のための教育訓練サービスが、ビッグビジネスになるのだ。Global Industry Analystsの予想によると、ソフトウェアと情報技術に関してプロたちを教育訓練するための支出は、2015年には1070億ドルに達する。

PluralSightと似た動きを見せているのが、今月初めにカナダのオンラインプログラミング学習サービスCompilrを買収したLynda.comだ。Lyndaもオンライン学習サービスの大手だが、これまで同社になかったプログラマ~デベロッパを育てるコースを、この買収により手に入れたのだ。

“この業界の最近の傾向は、投資家にとっても、また市場の顧客にとってもより明確で分かりやすい業態に脱皮することだ”、とPluralSightのCEO Aaron Skonnardは語る。“今はMOOCが注目を集めているが、その多くは収益化で苦労している。そして、財務基盤が堅固で良いアイデアを持っているところが、そうでないところを取り込んで、より肥大しようとしている”。

PluralSightにとってオクラホマシティのDigital-Tutorsは、ここ8か月で4つめの買収だから、上述のSkonardの言葉も真に迫っている。Digital-Tutorsの顧客には、PixarDreamWorks Animation、 and Rockstar Gamesなどの企業や、大学、そして個人のプロフェッショナルたちが顔を揃えている。なお、今回の買収により両社の既存のユーザは、お互いに相手企業の教材に現在の料金のままでアクセスできる。Digital-TutorsのファウンダでCEOのPiyush Patelは、Pluralのクリエイティブ担当VPになる。

PluralSightがこのところ総額1億ドル近くを投じてかき集めた4つの買収企業のうち、残る3社は、デベロッパにオープンソース関連のコースを提供しているPeepCode、スクリーンキャストを利用してプログラマを教育していたTekpub、そして企業のITスタッフを育てるTrainSignalだ。

【後略】

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


オンライン学習の大古参Lynda.com, デベロッパ需要増の時流を無視できずプログラミング実習のCompilrを買収

オンライン教育/学習の大手老舗Lynda.com(1995年創業)は、創業18年目にしてやっと外部資金1億300万ドルを1年前に導入したが、今日は(これも初めての?)買収を発表した。これからはデベロッパやデベロッパ志願者も同社の生徒とすべく、カナダHalifaxのオンラインプログラミング学習サイトCompilrを手中に収めたのだ。Compilrはcompiler(コンパイラ)のもじりで、学習者はコードを書くだけでなく、それをWebブラウザの中からコンパイルしてもらい、テストできる*。買収額は非公表だが、2000万ドルぐらいらしい。〔*: 書いたコードをコンパイルして動かしてくれるサイトは、相当昔から、いろいろありましたね。〕

Compilrは今や、Lynda.comの一部である。

Patrick HankinsonとTim SpeedItが創業したCompilrも、今日までずっと、ブートストラップ(自己資本のみ)だったようだ。Lynda.comと似た企業文化と気質だ。しかし外部投資のないことは、Compilrの成長を長期にわたって妨げた要因の一つかもしれない。Hankinsonによると、2012年には35社あまりのVCに投資を断られ、月額10ドルの有料制を導入せざるをえなくなっていた。

その有料制がLyndaでも続くのか、Lyndaはまだ何も発表しないが、既存のCompilrユーザは、これからはLynda.comの上で無料のトレーニングを受けられる。

Compilrは実は、Lynda.comの、初めてではなく二度目の買収だった。最初は昨年のオーストラリアのvideo2brainで、同社の国際展開の一環だった。しかしこちらも、ごく近年の初物だ。

CompilrとLynda.comの相性という問題だが、Lynda.comにはすでに大量の、ソフトウェアやテクノロジ、一般的なビジネスの教育訓練、クリエイティブの業界業種、などなどをカバーする広範なビデオ教材のコレクション(計10万本といわれる)がある。生徒にコードを実際に作らせる/書かせるCompilrは、Lynda.comのオンサイトの教育訓練のレパートリーを増やすだけでなく、デベロッパ/デベロッパ志願者という同社にとって新しい生徒層の獲得も意味する。

その点についてLynda.comの社長でCEOのEric Robinsonは、声明文の中でこう言っている:

“Compilrの買収は、会員にさまざまな分野を学習するための最良の方法を提供するという弊社の社会的献身を反映するものであり、それらの学習方法は、弊社が構築する場合もあれば、今回のように買い入れることもある。プログラミング言語の教習に関しては、市場と需要が成長していることを弊社はかねてから承知いたしており、多様で高品質なコンピュータプログラミングのコースを提供することに本格的に取り組んでいる。これは弊社の学習哲学と整合するものであり、弊社をオンライン教育/学習市場のマーケットリーダーとして維持かつ成長させることを、可能にするものである”。

あの有名人VCはかつて、ソフトウェアが世界を食べているのだから、ソフトウェアエンジニアに対する需要の増加傾向は今後も右肩上がりで継続する、と語った。Lynda.comは、ソフトウェアデベロッパのプロジェクトベースの雇用〔not社員/常雇いベース〕は2012年から2022年にかけて22%増加する、という合衆国労働統計局の数字を引用して、“全職種平均よりもはるかに急速に需要が増大する”、と声明文中で述べている。

Compilrは今12種類のプログラミング言語をサポートしてコースを提供し、初心者と上級プログラマの両方を対象にしている。

Compilrの競合相手は、KodingCloud9 IDECodenvyなどだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))