イーロン・マスクのSolarCity、全米500万世帯の屋根をソーラー化へ

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エネルギー市場に一石を投じるにはどうすればいいのか? SolarCityはその質問に答える良いアイデアを知っている数少ない会社の一つだ。計画の一つは全米500万世帯の屋根をソーラーパネルで置き換えることだと、 The Guardianは報じている。これはSolarCityの取締役会会長を務めるElon Muskが先月の電話会見で初めて明かした計画だが、もう少し具体的な内容がわかってきた。

その計画では、今ある屋根にソーラー機能を付加するのではなく、太陽電池を直接組み込んだ屋根材を、従来の瓦や金属板に代えて使用する。SolarCityのアプローチの核心は、一般的ホームオーナーにとってのソーラー導入の障壁をなくすことだ。そのために従来の屋根と変わらないプロセスと時間で設置ができ、場違いだったり魅力のない外観にならない製品を作ることだ。

The Guardianによると、SolarCityはソーラーパネルのコストやその他の詳細についてコメントしていないが、価格が大きな障壁になる可能性は高い。同じような製品に取り組んでいる他社の中で、2009年に立ち上げられたDowのプロジェクトは今年になって打ち切られた。従来の屋根と比べて著しく高価だったことが理由だ。

Elon Muskが支配権を持つ企業は、他社が失敗したグリーンテクノロジーを実行可能な消費者製品に変えることで定評がある。しかし、SolarCityの屋根ソーラー化計画の当初目標500万世帯という数字は、Tesla Model S以上に売らなくてはいけないことを意味している。そのModel Sは2012年の発売以来わずか数十万台しか売れていない。

Guardianが報じたSolarCityの目標に時間設定はなく、われわれは未だに製品も価格も目にしていない。しかし、SolarCityはTeslaとの合併も視野に入れて動いており、実現すれば消費者にホームエネルギー貯蔵を含めたパッケージを容易に提供できるようになり、車の充電もできることで完全な自家発電化が可能になる。両者の組み合わせ、特にTesla Model 3の投入による低価格化によるインセンティブが、強力な推進剤となるかもしれない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook