新型MacBook Airは再びタイプしたい気にさせてくれるノートPC

誰もがわかっているけれど、口にしたくない不都合な真実について話しておくことにしよう。家を出ることを禁じられているときに、ウルトラ軽量のノートブックをレビューするなんて、これ以上の皮肉があるだろうか。もちろん、Apple(アップル)がこの状況を予想していたはずはない。おそらくビル・ゲイツを除いて、誰も予測できた人はいないだろう。

もちろん思い出す必要もない、現在のこうした悪い状況を、わざわざ思い出してもらいたくてこんな話を持ち出したわけではない。ただ単に、現在の状況が新型MacBook Airをテストするものとしては理想的とは言えないことを、お話ししておくことが大切だと考えたからだ。今朝MacBook Airが私のニューヨークの1ベッドルームのアパートに届いてから、私はこれを持って一度も家を出ていない。

実際のところ、最初私は大きくて持ち歩くことは想定されていないデスクトップコンピューターの真ん前に、このノートブックを置いて作業をしていた。しかし、挑戦心をちょっと刺激されたので、ベッドに腰を掛け膝の上にAirを置いてこれを書いている。そして、これはなかなか調子がいい。

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MacBook Airについて、私からは読者がまだ知らないようなことをあまりお話できない。MacBookシリーズの主力の1つであるAirは、2020年1月に12歳になった。それはオリジナルのデザインが、10年以上経ってもいまだに新鮮さを失っていない証拠の1つだ。もちろん、長年にわたってこのデバイスには重要なアップデートが行われてきたが、オバマ大統領の最初に就任したほぼ1年前に市場に登場したこのノートブックは、今でもその原型をとどめたままだ。

「薄さ」と「軽さ」は、今でもAir自身を表すための特徴だ。これは、他のMacBookファミリーに比べたときの処理能力を手放すことと引き換えに、飛行機の目の前のシートポケットにすっぽりと収まるデザインを採用した製品なのだ。実際、このデバイスが重いビデオ処理やその他のリソースを大量に消費するアプリケーションを必要とするユーザーに必要とされたことは、 一度もなかった。そして、2020年モデルでは重要な内部のアップデートを行ったものの、やはりヘビーな用途には向かないという性質は変わらないままだ。

だが、もし腰痛が気になるユーザーなら、おそらくこれが選ぶべきMacBookだろう。

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おなじみのくさび形はもちろんそのままだ。数世代前には、そのデザインはユニボディデザインと天板の反射するアップルのロゴとともに、他のMacBookシリーズが採用しているものと同様になった。

Thunderbolt 3/USB Cポートは変わらず2つだけだ。今回も両者は同じ側にある。これは再デザイン以来、常に大きな不満の1つだった。両側に2つずつというのがベストだが、そうでなければせめて両側に1つずつにしてほしい。そうすればお互いに干渉することもないし、座る位置によって変化するコンセントからの電源ケーブルを、どちらの側からでも挿しやすくなる。

だが、2020年モデルへの最大のデザイン変更は、はるかに繊細なものだ。MacBookのキーボードはここ数年、消費者から訴訟を何度か起こされ、数え切れないほどキーの不具合に悩まされてきた。そしてアップルはついに、2019年の16インチMacBook Proから新しいデザインを採用したのだ。ありがたいことに、そのアップグレードはAirにももたらされている。

システムは、シザー構造に戻った。とりわけ大事なことは、これによってキーがより多く動くようになったということだ。つまり、従来のキーボードのように、タイピングに従ってキーが実際に押し込まれてくれるということである。これには雲泥の差がある。

バタフライ構造は、アップルの明らかな失敗だった。触覚フィードバックが不足していることに加えて、キーがノートブックとほぼ同一平面上にあることで、もしゴミが詰まってしまうと使えなくなってしまう可能性があったのだ。少なくとも私の場合、Sキーが働かなくなってしまい、緊急にエアダスターを必要とする場面が一度はあった。それは心すべき重要な点だ。

これまでアップルが繰り返し採用してきたバタフライ構造を改良する試みとは異なり、シザー構造に戻ることは著しい改善となる。今回のキーは他のシステムと比較した場合でも、まだ比較的柔らかいが、感触は大幅に改善された。タイプ中の感触が良くなったことは言うまでもない。

ここで得られる感触は、アップルのBluetooth接続のMagic Keyboardで得られるものと、とても似通っている。正直なところ、これだけでも価値あるアップグレードになっている。上部にTouch Barはないが、その代わりに標準的なファンクションキーが配置されている。ただし、Touch Barの最も優れた機能であるTouch IDは搭載されている。

Airの多くの部分は、2018年の大規模なオーバーホールからあまり変更はない。もちろんRetinaディスプレイを搭載しており、解像度は2560×1600ピクセル。これは2017年より前のAirからすると大きな進化だ。

新しいのは内部の重要なアップグレード。デフォルトの構成では、第10世代の1.1GHzデュアルコアIntel Core i3が搭載されている。今回のデバイスは、2019年の第8世代チップ搭載モデルから進化したが、このモデルには標準でCore i5が搭載されていた。明らかにアップルは、新型Airでシステムの基本価格を引き下げるための計算をしている。今回のデバイスをMacBook Proなどのほかの製品とさらに差別化したいと考えているようだ。

ただし、基本的な使い方しかしないユーザーであっても、1万円を追加して、Core i5にアップグレードすることをお勧めする。それが現在手元にあるマシンに搭載されているチップだ。システムはGeekbench 4のシングルコアテストで5244、マルチコアテストで14672を獲得し、2018年に私たちがテストした最後のモデルから性能が大幅に向上している。

チップレベルでのもう1つの重要なアップデートは、Intel UHD 617からIris Plus Graphicsへの切り替えだ。とりわけ、これは外部モニターのサポート機能に役立つ。Airはディスプレイ圧縮の助けも可能で、最大6Kの外部モニターをサポートすることができる。メモリーはデフォルトで8GBであり、16GBにアップグレード可能だ。一方、ストレージに関わるはるかに大きなニュースは、ベースモデルが従来の128GBから256GBにアップグレードされ、最大容量も従来の1TBから2TBまで増やせることだ。

興味深いことに、発表されたバッテリー寿命は12時間から11時間に短くなっている。もちろん、それは使い方に大きく依存する。数時間の利用後、使っているマシンのバッテリー残量は35%になった。私は明るさや他のすべてを設定をデフォルトで使用していて、常時タイピングを行い、ChromeとSlackを使い、Spotify経由でヘッドフォンで音楽を聴いていた(ときどきベンチマークを行いながら)。

いろいろな仕事をしながら使う際には、1日バッテリーが持つという説明で十分なような気もするが、11時間というのはおそらく誇張だろう。こうした寿命は、多くの要因に基づいて、かなり違ってくる可能性があることに注意してほしい。私は実際には、まだこのノートブックを丸1日使ったに過ぎない、この先、必要に応じてアップデートをお届けしたい。

他にも素晴らしいアップグレードがある。キーボード、プロセッサー、そして2018年モデルで行われたオーバーホールなどを通して、アップルが最初の導入から12年もの間、愛されている製品ラインを新鮮なものに保ち続けているのを知ることはうれしい。

多くの人にとって、今回のAirが新しいiPad Pro(およびその新しいキーボード)と一緒に発表されたという事実は、製品間の境界線がどれほど曖昧になっているかを認識させるものになったのではないだろうか。例えばサムスンが幅広い製品を提供する傾向があるのに対して、アップルはこれまで製品ラインに対して比較的ミニマルなアプローチを採用してきた。そのため評論家たちがこの先アップルに関して語る際に、この境界線に関する疑問を口にする者が多いだろう。

だが、パーソナルコンピューティングが複雑になるにつれて、ニーズも変化する。そしてそれに応じて、アップルのラインアップも変化する。ここしばらくの間、MacBook Airは標準のMacBookにその地位を譲り、徐々に消えていくように見えていた。しかし結局、Airは生き残り、それは納得できるものとなった。

(iPadOSと比較して)macOSのワークフローの汎用性と組み合わせて考えた場合、ポータビリティに焦点を当てたことは強力なセールスポイントとなる。Airはその点に少々こだわりを持っているように見えるが、それはアップルユーザーにとってありがたいことだ。

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(翻訳:sako)

新型キーボード採用のMacBook Airは性能も強化して10万4800円から

アップルは、第10世代のインテルプロセッサと、容量2倍のストレージ、その他の内部仕様を強化したMacBook Airの新しいバージョンを発売した。正直に言って、多くの人にとっての最大のニュースは、新型のキーボードを装備したことだろう。これにより、ここ何世代かの間くすぶっていたキーボードへの不満を一掃するねらいだ。

アップルが長年にわたって力を注いできた、この薄く、軽いノートブックの最新版は、10万4800円からという価格ながら、アップルに言わせれば、これまでと比べて最大2倍の性能を実現している。これは、新しい世代のインテルプロセッサの採用によるもの。エントリーモデルでは、1.1GHzデュアルコアIntel Core i3だが、オプションで最高1.2GHz(Turbo Boost使用時最大3.8GHz)クアッドコアIntel Core i7にまでアップグレードできる。

また内蔵グラフィック機能として、Intel Iris Plus Graphicsを装備する。やはり同社によると、これまでよりも最大80%速くなっているという。エントリーモデルでも、256GBのストレージを装備する。これも従来モデルの2倍だ。またオプションで、最大2TBのSSDを内蔵することも可能。標準構成のメモリ容量は8GBだが、やはりオプションで16GBまで増設できる。

なんと言っても最大のアップグレードは、昨年に登場した16インチのMacBook Proで導入されたMagic Keyboardを採用したことだろう。これは、新たなシザー式のメカニズムを採用したもので、MacBookが初めて採用したバタフライ式のものよりもストロークが深くなり、安定感も増している。ボディーカラーは、写真に示したような「ゴールド」と、「シルバー」、「スペースグレー」から選べる。また13.3インチのRetinaディスプレイを搭載し、2つ装備するThunderbolt 3ポートには、6Kモニターを接続することも可能だ。これはAirとして初の機能となる。

標準モデルとして2種類を用意する。価格は、それぞれ10万4800円と、13万4800円。いずれも、最大限にアップグレード(1.2GHzクアッドコアIntel Core i7、16GBメモリ、2TBストレージ)すると、22万9800円となる。すでに、オンラインのApple Storeで発注可能だ。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

アップルはシザー式キーボード採用の新MacBookをもうすぐ発売か

アナリストのMing-Chi Kuo(ミンチー・クオ)氏からの新しいレポートによると、Apple(アップル)は、シザー式キーボードを採用した新しいMacBook Proと、MacBook Airを発表する可能性が高いという。最初にこのレポートに目を止めたのはMacRumorsだった。TechCrunchも、それに関する考察メモを入手した。

アップルは昨年11月に、大きいほうのMacBook Proをアップデートした。ディスプレイのサイズは、15インチから16インチへとわずかに拡大されたが、全体的なサイズとしては特に意味のある変更ではなかった。ただしアップルは、物議をかもしてきたバタフライ式キーボードを破棄した。16インチのMacBook Proは、以前に使われていたシザー式キーボードを採用したのだ。

そしてクオ氏は、アップルが2020年の第2四半期のある時点でシザー式キーボードを採用する新たなMacBookを発売すると考えている。つまり近い将来に、MacBook Airと小さいほうのMacBook Proのアップデートが期待できるということ。またアップルは、この機会を利用して、13インチMacBook Proのディスプレイのサイズを拡大する可能性もある。

このようなマイナーながら重要なアップデートに加えて、アップルはすでにMacBookシリーズの大幅な変更を計画しているといううわさもある。同社が設計したARMプロセッサを搭載する最初のノートブックが、2020年の第4四半期または2021年の第1四半期に発売される可能性もあるのだ。

ただしこの変更は、デベロッパーに対する影響が大きい。ARMプロセッサ上で実行できるようにするために、アプリを再コンパイルする必要があるからだ。アップルは、ARMベースのノートブックを市場に導入する前にあらかじめロードマップを示し、サードパーティのデベロッパーが対応するための十分な時間を確保できるようにすることになるだろう。

2021年の第2四半期、あるいは第3四半期には、まったく新しいデザインのノートブックが登場することも考えられる。しかしクオ氏も、この点については歯切れが悪い。アップルの計画が変更される可能性もあるからだ。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

MacBook Air/Proの新モデルが値下げ登場、ProはTouch Barなしモデルがなくなる

アップルは7月9日、ノートPCのMacBook Air、13インチMacBook Proの新モデルをリリースした。

MacBook Airは、True Toneテクノロジーを採用したRetinaディスプレイを新搭載。ストレージ容量128GBのモデルの価格は税別で11万9800円と従来モデルに比べて1万5000円の値下げとなる。主な仕様は、True Tone対応Retinaディスプレイ、第8世代 Core i5 プロセッサ(2コア1.6GHz、最大3.6GHz)、8GBメモリー、128GBストレージ(SSD)、Intel UHD Graphics 617など。

13インチMacBook Proは、Touch Bar非搭載モデルがなくなった。新たに加わった最下位モデルは、第8世代Core i5(4コア1.4GHz、最大3.9GHz)、Intel Iris Plus Graphics 645。メモリー8GB、ストレージはSSDで128/256GB。税別価格はそれぞれ、13万9800円と15万9800円。

今回は教職員ならさらに安くなるという情報も盛り込み、大学などでの利用を訴求しているのが特徴だ。国内では9月ごろまでに大学生協の推奨PCが決まるので、絶妙のタイミングでのリリースだ。

MacBook Airレビュー:12インチMacBookよりいい買い物

3年間、MacBook Airは不在にしていた。といっても、もちろんこの超ポータブルなPCがAppleのサイトから消えていたわけではない。しかし「Appleはなぜ他のMacBookラインを見直しているのに、最も人気のプロダクトの一つであるMacBook Airを無視し続けるのだろう」とプレゼンがあるたびに思っていた。

だが先月ブルックリンで開かれたイベントで、Appleはとうとう10年半前にMacBook Airが発売されて以来最大のアップデートを発表した。熱狂的な聴衆で埋まったイベントで、Airはいとも簡単に最大の拍手喝さいを浴びたー喝さいはiPad Proより大きく、おそらくMac Miniよりも大きかった。

ファングループは明らかに新Airを待ち望んでいた。

Airを正しいものにするというのは手際を要する仕事だ。AirはMacBookシリーズで最も薄い製品であるばかりでなく、最も安い。その組み合わせにより、Airは旅行を頻繁にする人や、MacOSエコシステムに入る最も安いルートを探している人にとって人気となっている。ラインに追加されるハードウェアというのは値段が上がる傾向にある。たとえばMiniの場合、499ドルから799ドルへと大幅に上がり、これによりエントリーレベルという特徴をMiniは失ってしまった。

Airの価格も上がったが、Appleは総合価格と相対価格という点で抑制することができた。1199ドルというラップトップのローエンドバージョンは、Macエコシステムに入るのに最も安いものだ(古いAirを除けばの話で、こちらはまだ999ドルで購入できる)。

最新アップデートでAirはMacBookラインナップの中でようやく居場所を見つけたようだ。現在のイテレーションは2015年の大きなオーバーホールからのことだ。MacBookクラブの仲間入りするというのは、USB-Cへの移行、内部の強化、そしてもちろん長く望まれていたRetinaディスプレイの搭載など、美しいアップグレードを意味する。

AppleはMacOSデバイスと、iPad Proの追加を通じてiOSでも再びクリエイティブなプロフェッショナルを取り込むことになり、そうした移行の最中でAirは登場する。iPad Proでは、コンピューテーション力の肩を並べることでAppleのオペレーティングシステムの線引きを曖昧なものにする。

今のところ、AirはiPad ProとローエンドのMacBookの中間に位置しているーしかしAirとiPad Proの価格差は100ドルで、AppleがAir再生に有利になるようにベースラインプロダクトを密かに終わりにしてしまうのに気づいてかなりショックを受ける人がいるかどうかはわからない。特に根強いAirの人気を考えたとき、Airを最近の位置付けのままにしておく十分な理由はない。

Airの価格を抑えるためにいくつか犠牲になっている点はあるー最も目に付くのがTouch Barだ。AirにTouch Barを搭載しないという今回の決定は、Appleがタッチスクリーン近くにあるこのテックから離れようとしているサインだという推測もある。しかし理由はもっとシンプルなものだろう:Touch Barを搭載するとエントリーレベルの価格を押し上げてしまうことになるーそしてMacBookを覆い隠してしまう。

その代わり、Appleはそれよりもいいアプローチをとった。Touch BarからTouch IDだけを取り出したのだ。私の仕事用とプライベート用のどちらのPCにもTouch Barがあるようになって数年経つが、指紋スキャナーだけが唯一(音量調整などのスタンダードなファンクションキーを除いて)私が毎日う使うものだ。長期的には、意識的にTouch BarとTouch IDの連結を解くことでTouch Barを少しお荷物な存在にしてしまうかもしれない。しかしAirにとっては値段の上昇を招かずに最も便利な機能を搭載するという、理想的な決定となっている。

キーボードは最新のMacBook Proと同じものだ。これは長らくAirを愛用しているユーザーを二分するものになりそうだ。しかしながら、もしあなたが2015年の悪名高いバタフライスイッチのオーバーホール以来MacBookキーボードを触っていないのなら、近くのAppleストアに行って試してみることを勧める。前モデルに比べるとまだ浅い感じがするのは事実だが、2つの大きなアップデートによって過去3年間で改善している。

最新世代のものは静かで、感触も良い。そして、新しくゴムがひかれたブラダーによるメリットもある。これは何かをこぼしたときや、あるいは粒子状物質からも守ってくれるはずだ。以前のモデルは皆にとって破滅のもとだった。真面目な話だが、私は以前、Amazonイベントの前に圧縮空気の缶を探そうとシアトルの街を必死になってさまよったことがある。

初期のAirモデルからのアップグレードに手を出さなかった人は調整期間が必要かもしれないが、初期の2015年MacBookでもそうだったように移行はすごく簡単だ。トラックパッドも今やMacBookの仲間入りを果たした。前のAirより20%大きくなり、表面全体にわたって均一のレスポンスを持たせるためにForce Touchを採用していて、どちらも歓迎すべき変更だ。

当然、新Airの内部は2015年モデルより全体的にアップグレードしている。しかしMacBookとの差があいまいになった感はある。実際、この2つのプロダクトが同時に存在していることは買い手を困惑させうるー当然のことながらそうだろう。もしこれまでどのMacBookを買うか選ぶのに難しさを感じたことがあるのなら、Appleは今回さらにこれを複雑なものにした。

RAMは8GB、16GBどちらのシステムでも同じだ。これについては驚きはないーMacBookライン全体に一貫している。一方、基準のストレージは低い数字から始まっているが、最も大きなものはMacBookを超えている。最も少ないストレージは128GB(MacBookは256GB)で、そこから最大1.5TBにまで増える。もちろん、ストレージを大きくするのはいつも値が張り、最大ストレージ量を選ぶと追加で1000ドルかかる。

この新たなモデルではプロセッサはAirよりも値段の高いベースラインのMacBookよりアップグレードしていて、1.2GHzデュアルコアのIntelコアi3から、1.6GHzデュアルコアIntelコアi5プロセッサになっている。つまり、この点では現在のところコンフィギュレーションは1つで、よりパワーが欲しければProへのアップグレードを真剣に考えたほうがいい。コアi5に8GB(ストレージ以外の全てでスタンダードだ)を組み合わせたとき、Geekbenchを使ったテストのスコアはシングルコアが4297、マルチコアで7723だった。

新たなチップは、2017年MacBookのシングルコア3527、マルチコア6654を上回るが、上のグラフをみると、AirとProの差は一目瞭然だ。新たなモデルはユーザーの日々のタスクのほとんどではきびきびと働くが、よりヘビーな作業をしたいのならーゲーミングだったり、ビデオ編集のようなインテンシブな作業などーProに乗り換える価値はある。

一方、バッテリーはというと、MacBookを超えた。Air最大の13.3インチのフレームで(それに対しMacBookは12インチ)、フル充電で“最大12時間”駆動する。MacBookは10時間だ。これは私のニーズにぴったりだ。最大12時間ビデオをストリームできるーこれでほとんどのフライトをやり過ごせることになる。

もちろん、大きなスクリーンやバッテリーは重いラップトップを意味する。Airの2.75ポンドというのはMacBookより4分の3ポンドほど重い。象徴的な斜めのデザインにもかかわらず、12インチモデルより少し厚くなっている。しかし2.96ポンドある古いAirより軽量化を図っている。

宣伝されたように、ディスプレイは前モデルより大幅にアップグレードしている。もしあなたがRetinaディスプレイを使ったことがあるなら、その素晴らしさを知っているだろう。大きく、明るく、そしてそしてカラーバランスもいい。数字を挙げると、1440×900ピクセルから2560×1600ピクセルになっている。227 PPIになり、古いモデルは128PPIだった。これは明らかなアップグレードだー多くのAirユーザーが追加に手を出さずにいたのには理由があるのだ。新Airでのマルチメディア体験はアップグレードしたスピーカーにより完全なものになっている。スピーカーはキーボードの横のエリアを少し占めているだけにもかかわらず、大音量が出せる。

デザインランゲージはアップグレードには間に合わず、一見すると13インチのProと同じようだ。そしてもちろん、iPhone XRのような低価格デバイスではカラーオプションがあるように、ゴールドが用意されている。

フレームで最も特徴的なのは、Thunderbolt 3 (USB-C)の搭載であることは明らかだ。当然、驚くことではない。全てのアクセサリをアップグレードするまでは“ドングルライフ”となるのは覚悟しなければならない。2つのUSB-Cポートは同じ面にある。つまり、新ポートは古いモデルより多目的に使えるが、充電するときはやや巧妙な操作を要する。MacBookと同じセットアップだ。Proではこのポートの数は倍になる。

新Airは大きなアップデートとなったのは間違いない。値段も上がったが、Mac Miniよりコントロールされている。アップグレードと低めの価格でもって、Airはどの面においても事実上12インチMacBookを明らかにしのいでいる。

実際のところ、将来大きなアップデートがなければ、12インチの存在は時間の問題だ。しかしそれでも全く構わない。新Airが12インチMacBookよりいい買い物なのは明白だ。

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(翻訳:Mizoguchi)

AppleのセキュリティチップT2はMacBookのマイクロフォンからの盗聴をハードウェアレベルで不可能に

Appleの最新のMacBookは、マイクロフォンからの盗聴がさらに困難になっている。

この前発売されたMacBook Proから、今日のMacBook Airに至るまで、最新のMacBookには、セキュリティチップT2が内蔵され、それが暗号鍵やストレージ、指紋データ、そしてセキュアブート機能を護る。

このチップのことはこれまでほとんど知られていなかったが、発表されたばかりのセキュリティガイドによると、このチップにはマイクロフォンとデバイス本体との接続をハードウェア的に切る機能があり、本体の蓋を閉めると必ずそれが作動する。

ガイドにはこう書かれている: “この断線機能はハードウェアのみで実装されているから、いかなるソフトウェアからも操作できない。macOSのroot特権やカーネル特権、それにT2チップ上のソフトウェアですら、蓋が閉められているときマイクロフォンに関与することはできない”。

ただし、カメラは切断されない。“蓋が閉じていると視界が完全に遮(さえぎ)られるから”だ。

Appleによると、この新しい機能はMacに“これまでなかった”高いレベルのセキュリティを賦与する。Macはマルウェアに感染しない、というストレートな言い方はしていないが…。

Webカメラを利用するハッカーの脅威は何年も前からの現実で、それはリモートアドミニストレーションツール(“RATs”)を使ってのぞき屋たちが、ラップトップのカメラからリモートでターゲットをスパイする。そのため、Webカメラのレンズにポストイットを貼ることが流行(はや)った。

AppleのWebカメラはライトがハードウェアに接続しているので、ユーザーが知らない間に(ソフトウェアが勝手に)Webカメラを起動することは不可能、と信じられていた。Macには、Webカメラののぞき攻撃に対する十分な免疫がある、と思われていた。しかし昨年、セキュリティ研究家のPatrick Wardleが、この神話を破壊したFruitflyマルウェアを発見した。

そのパラノイアは神話ではなく現実だ。イギリス政府の諜報機関GCHQは、その“Optic Nerve”プログラムの一環として長年、Webカメラの悪用を調査した。FacebookのCEO Mark Zuckerbergでさえ、自分のWebカメラとMacBookのマイクロフォンにガムテープを貼っていると報道された。ただし、マイクロフォンが拾う音を数枚のガムテープで遮断することはできない。

Webカメラやマイクロフォンが作動したらアラートするWardeのOversightのようなツールはあるけど、高度なマルウェアがこっそりとMacBookのマイクを使って環境音を聞き取ることを、防げるものはほとんどない。

でも蓋が閉められるときマイクロフォンをMacBookのハードウェアから切断したら、その眠っているデバイスがユーザーをスパイすることは、きわめて難しい。

Apple Fall Event 2018

画像クレジット: Apple, クリエイティブコモンズND 4.0ライセンスによる

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

これが今日のイベントで発表されたAppleの新ハードウェアだ

ニューヨークで開催されたハードウェア・イベントでAppleはiPadからMacBook Airまで各種の新製品を発表した。すでに報じたものも含めて、今朝のイベントでデビューしたプロダクトを以下にまとめた。

MacBook Air

MacBook AirにやっとRetinaディスプレイが採用された。MacBook Proがハイレゾになってから6年後にAppleのスリム・タイプのノートもRetina化された。

新しいMBAは13.3インチのスクリーンを備え、ベゼルは細くなった。色もアルミのシルバーからブラックに変わった。キーボード右上部にTouchIDセンサーが装備されて指紋を読取る。ちなみに新しいキーボードではApple独自のバタフライ・キーが採用されている。またファンクションキーも物理キーになった。バカバカしいタッチバーは廃止された。

Force Touchトラックパッドは面積が20%広がった。Appleによれば、スピーカーの音量も25%アップし、低音は2倍に増強された。またMBAの筐体はリサイクル・アルミニウム100%だという。

Thunderboltポートを2つ備え、CPUはIntel i5で最大16GB、 2133MhzのRAMを備える。ストレージは最大1.5TBで重量は1.25kgだ。価格は1199ドルから。予約は今日から受付を開始し、11月7日にから出荷される。

Mac Mini

Mac Miniが最後にアップデートされたのは4年も前になるので、Appleはこのシリーズを見限ったのかと思ったユーザーも多いだろう。さいわい、そんなことはなかった!

新しいMac Miniは4コア、6コアのモデルがあり、メモリーは64GB、SSDのストレージは最大2TBだ。冷却システムは一新され、空気の流量は2倍になった。ギガビットイーサネット対応(アップグレードで10ギガビットイーサネットにも対応する)。ポートはThunderbolt x 4、HDMI、USB-A x 2だ。新しいMacBookと同様、100%リサイクル・アルミニウム製だ。

ベースモデルは799ドルから。出荷は11月7日から。

iPad Pro

いちばん目立った変化はホームボタンがなくなったことだ。新iPad Proはベゼルが大幅に細くなり、これにともなって現行iPhone同様ホームボタンは廃止された。

ベゼルの縮小により、筐体のサイズは変えずに従来10.5インチだったスクリーンが11インチになった。 従来同様、12.9インチのディスプレイを搭載した大型モデルもある。

搭載チップはApple製のA12X Bionicで8コアCPUと7コアGPUを備える。 Appleのセキュア・エンクレーブを装備し、新しいストレージ・コントローラーは最大1TBまで管理できる。Appleによれば、新しいiPad Proは「パソコンの92%の機種より速い」という。

FaceIDを搭載するので覗き込むだけでiPadをアンロックできる。フロントカメラは7メガピクセル、背面カメラは12メガピクセルだ。

もう一つ重要な点はiPad ProがLightningポートを捨ててUSB-Cを採用したことだ。このUSB-Cポートは5Kディスプレイに接続できる。また必要があればiPhoneにも充電できる。

11インチのiPad Proは799ドルから、12.9インチは999ドルからとなる。.今日から受付開始、出荷は11月7日からというのはMacと同様だ。

Apple Pencil

新しいApple PencilはiPad Proに磁力で吸着する。取り付けられると自動的にペアリングされ、ワイヤレスで充電される。 iPadからスタイラスが突き出したり置き場に困ったりすることはない。Apple
PencilでタップするとiPad Proは即座に起動し、Notesが開く。またPencilではジェスチャーがサポートされ、側面をダブルタップするとツールの切り替えができる。これでPhotoshopでのズームイン、ズームアウトなども簡単になった。

iOS 12.1

すでに報じたとおり、新しいiOS 12も今日から一般公開される。新機能としてはFacetimeでのチャットがグループをサポートしたことだろう。32人の相手と同時にビデオチャットが可能だ。また新しい絵文字も70種類導入された。iPhone XS、iPhone XS、Max、iPhone XRではデュアルSIMがサポートされた。

〔日本版〕Appleの日本語公式ページによれば、Touch ID搭載の13インチMacbook Airは134,800円(税別)から、11インチiPad Proは89,800円(税別)からなどとなっている。アメリカ同様、11月7日発売予定。

Apple Fall Event 2018

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滑川海彦@Facebook Google+

新型MacBook Air発表、RetinaディスプレイとTouch ID搭載で価格は1199ドルから

日本時間10月30日に開催中のAppleイベント「There’s more in the making.」で新型MacBook Airを発表された。新型MacBook Airは、2008年の初代MacBook Air発売から約10年ぶりにデザインを刷新。RetinaディスプレイとTouch IDを搭載した新しいMacBook Airの価格は1199米ドル〜と発表された。

旧型のMacBook Airはベゼル部分がアルミだったが、新型ではMacBook Proのような黒ベゼル、1枚ガラスのディスプレイに変更。ディスプレイのサイズは13.3インチだ。

新型のトラックパッドは旧型よりも20%大きくなった。軽いタップと深く押す操作の違いを判別するフォースタッチにも対応している。タッチバーは採用せず、物理的なファンクションキーが採用されている。Touch IDは今回バージョンで初採用となる。キーボードも“第3世代”となりシザー式のキーボードからバダフライ式のキーボードに変更。ここ数年間で販売されたMacBook、MacBook Proで採用されているキーボードと同じタイプのものだ。

僕は何かと便利だと感じるUSB-AとSDカードリーダーは廃止され、新型にはThunderbolt 3端子が2つ搭載されることになった。CPUは8世代インテルCore i5プロセッサ、最大ストレージ容量は1.5TB、最大16GBのRAMが搭載可能。バッテリーはWiFiをつないだ状態のWeb閲覧で最大12時間持続する。本体は旧型よりも10%薄くなり一番太いところで約1.54センチ、重さは約1.24キログラムと軽量だ。

米国では11月7日より販売開始。価格はCore i5プロセッサ、8GBのRAM、128GBストレージの構成で1199ドル(約13万5000円)からと発表されている。

新iPad Pro登場は確実か、Apple Special EventをTC&Engadgetが今夜実況生放送

【新型iPad発表!?】アップル新製品発表イベント実況生放送~Engadget日本版 & TechCrunch Japan

日本時間の10月30日23時、アップルは米国ニューヨーク・ブルックリンでスペシャルイベントを開催する。既報のとおり、Face IDを搭載したベゼルレスの新iPad Proシリーズが発表される確率が非常に高い。

applespecialevent

長らくアップデートがなかったiPad miniの新モデルやMacBook Airのアップデートがあるというウワサもある。サイトから抹消されている純正ワイヤレス充電パッド「AirPower」の登場も考えられる。

TechCrunch Japanでは、このスペシャルイベントに合わせてニコニコ生放送で実況中継することが決定した。スペシャルイベントの映像自体は放映できないが、現地取材しているEngadget日本版の矢崎編集長が撮影した写真や動画を披露しながら、アップルの狙いなどを解き明かしていく。

Apple、MacBook Airの新モデルを発売か

Bloombergの記事によると、Appleは複数のMacを準備中だ。中でも注目なのは、Appleが歳を重ねたMacBook Airに変わる新しいエントリーレベルのノートパソコンを発売する可能性があることだ。

MacBook Airがリフレッシュされる噂はこれが初めてではない。Appleは12インチのRetina MacBookをすでに発売しているが、価格はMacBook Airよりずっと高い。また、USB Type-Cポートを1つしか備えていないためAirより汎用性も低い。

ともあれMacBook Airが近年Appleで最も人気の高いデザインのノートパソコンであることは間違いない。多くのMacBook Airユーザーが今も信頼できるこのデバイスを使い続けており、現時点で明確な後継機は存在していない。Bloombergによると、新しいMacBook Airにはretinaディスプレイがつくらしい。その他の詳細は未だ不明だ。

Appleは2015年3月にMacBook Airを改訂した後、しばらくこのノートパソコンを放置してきた。2017年6月に改訂されたものの、ごく些細な変更でありあたかもMacBook Airは生命維持装置につながれたかのように思われた。

エントリーレベルの13インチMacBook Pro(Touch Barのないモデル)も12インチのMacBookも、MacBook Airほどには顧客の関心を引かなかったようだ。

BloombergはMac Miniの新型についても触れている。Mac Miniの物語もよく似ていて、この製品も数年来放置され続けてきた。Appleが最後にMac Miniを改訂したのは2014年10月——もう4年ちかくにもなる。

そしてAppleが2014年のMac Miniを未だに売り続けているというのは実に残念な事実である。もっと安くて小さくてパワフルな小型デスクトップパソコンはいくらでもある。もちろんmacOSは動かないが、それが唯一の欠点だ。

ノートパソコンがパソコン市場を席巻していることは明らかだ。デスクトップパソコンはニッチ市場になった。新しいMac Miniが、ホームサーバーは欲しいがRaspberry Piを弄り回したくはない、という人々に焦点を絞ることができるのはそのためだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

AppleのMacBook Airが10歳を迎えた、ノートブックの革命を作ってまだ健在

10年前の今日(米国時間1/15)、サンフランシスコのMoscone Convention CenterでSteve Jobsは、茶色い大判の事務封筒を頭上に掲げ、集まった聴衆の喝采を誘った。ささいな演出だったが、その意味は確かに伝わった。MacworldでiPhoneを披露してから1年後のその日、同社はまたひとつ、重要な製品をそのレパートリーに加えようとしていた。

その後の10年で7つの世代を経たMacBook Airは、美学を重視するAppleにしては珍しく、デザインはほとんど変わっていない。第二世代のMagsafeコネクターやポートの変化など、小さな手入れはあったが、そのくさび形をした“世界最薄のノートブック”は一貫して不変だった。

最初のAirは、2008年2月に発売され、そのときの重さがわずか3ポンド(1360グラム)、その後わずかにダイエットしたが、ほとんど変わっていない。同じ画面サイズのMacBookより900グラム軽い。

スマートフォンからキーボードが消えるきっかけを作ってから1年後に登場したAirには、フルサイズのQWERTYキーボードがあった。Jobsは“妥協はしない”と約束したが、薄くそして軽くするためには、何かをせざるをえなかった。

そしてJobsはまず光学ドライブを貶(けな)し、Appleによって墓場へ送られる者をまた一人増やした。しかもそれには、正しい目標があった。また2010年には、一部のポートをフリップダウンハッチ(flip-down hatch, 引き下げ式の開口部)へ隠した。しかしこのラップトップの美は損なわれなかった。その前のiPhoneやiPodと同じく、それはAppleの最高の製造技術を示していた。

最近では、このラップトップはかなり沈滞している。それは、同社が13インチのMacBookのデザインを一新したせいもある。AirのファンはAirそのものの大型アップデートを諦め、そしてAppleはラップトップ全体の戦略をシフトした。

そしてこの製品は同社の主力からは外れたものの、しかしAirには、消えてしまわないだけのパワーがある。どこかの時点で廃版になることはなく、自然消滅の道をたどるのだろうが、もしそうであっても、競争の厳しい消費者電子製品市場で10年の健在ぶりは、すごいことだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

AppleのMacBook Airが10歳を迎えた、ノートブックの革命を作ってまだ健在

10年前の今日(米国時間1/15)、サンフランシスコのMoscone Convention CenterでSteve Jobsは、茶色い大判の事務封筒を頭上に掲げ、集まった聴衆の喝采を誘った。ささいな演出だったが、その意味は確かに伝わった。MacworldでiPhoneを披露してから1年後のその日、同社はまたひとつ、重要な製品をそのレパートリーに加えようとしていた。

その後の10年で7つの世代を経たMacBook Airは、美学を重視するAppleにしては珍しく、デザインはほとんど変わっていない。第二世代のMagsafeコネクターやポートの変化など、小さな手入れはあったが、そのくさび形をした“世界最薄のノートブック”は一貫して不変だった。

最初のAirは、2008年2月に発売され、そのときの重さがわずか3ポンド(1360グラム)、その後わずかにダイエットしたが、ほとんど変わっていない。同じ画面サイズのMacBookより900グラム軽い。

スマートフォンからキーボードが消えるきっかけを作ってから1年後に登場したAirには、フルサイズのQWERTYキーボードがあった。Jobsは“妥協はしない”と約束したが、薄くそして軽くするためには、何かをせざるをえなかった。

そしてJobsはまず光学ドライブを貶(けな)し、Appleによって墓場へ送られる者をまた一人増やした。しかもそれには、正しい目標があった。また2010年には、一部のポートをフリップダウンハッチ(flip-down hatch, 引き下げ式の開口部)へ隠した。しかしこのラップトップの美は損なわれなかった。その前のiPhoneやiPodと同じく、それはAppleの最高の製造技術を示していた。

最近では、このラップトップはかなり沈滞している。それは、同社が13インチのMacBookのデザインを一新したせいもある。AirのファンはAirそのものの大型アップデートを諦め、そしてAppleはラップトップ全体の戦略をシフトした。

そしてこの製品は同社の主力からは外れたものの、しかしAirには、消えてしまわないだけのパワーがある。どこかの時点で廃版になることはなく、自然消滅の道をたどるのだろうが、もしそうであっても、競争の厳しい消費者電子製品市場で10年の健在ぶりは、すごいことだ。

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意外な展開:MacBook Airはまだ生きている

MacBook Airはどっこいまだ生きている。昨年Appleは薄く軽くなったMacBook Proを発売したが、みんなはやっぱり新しいMacBook Airを欲しがっている。MacBook Proの重さは13インチのMacBook Airと変わらないが、まだ値段が高い。それがみんなまだMacBook Airを好きな理由だ。

MacBook Airを完全に消すのではなく、Appleはまだ売り続けていて実際よく売れている。さらに嬉しいことに、このノートパソコンのCPUがアップグレードされた。Appleのプレスリリースに次の一行があった。「本日Appleは、13インチMacBook AirのCPUを1.8 GHzに変更した」。

あああああ゛…それだけ。Retinaディスプレイや大きなストレージやRAMを期待してはいけない。MacBook Airは明らかに生命維持状態にある。IntelのKaby Lakeプロセッサーもつかない。

これで足りないという人たちのために、Appleは13インチMacBook ProのTouch Bar無しの入門機を値下げした。1499ドルから1299ドルになり、MacBook Airをスキップする誘惑を少しだけ大きくした。

Before:

・128GB PCIeベースSSD
・256GB PCIeベースSSD オプション:512GB SSDに変更可能

・1.6GHzデュアルコアIntel Core i5(Turbo Boost使用時最大2.7GHz)、3MB共有L3キャッシュ
 オプション:2.2GHzデュアルコアIntel Core i7(Turbo Boost使用時最大3.2GHz)、4MB共有L3キャッシュに変更可能

After:

・128GB PCIeベースSSD オプション:256GBまたは512GB SSDに変更可能
・256GB PCIeベースSSD オプション:512GB SSDに変更可能

・1.8GHzデュアルコアIntel Core i5(Turbo Boost使用時最大2.9GHz)、
3MB共有L3キャッシュ

 オプション:2.2GHzデュアルコアIntel Core i7(Turbo Boost使用時最大3.2GHz)、4MB共有L3キャッシュに変更可能

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13インチMacBook Airはまだ生きている

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驚いた。MacBook Airはまだ生きていた! この新しいMacBook Airは、Appleの新たな低価格ノートパソコンだ。12インチRetina MacBookがMacBook Airに取って代る、と誰もが思っていたがそうはならなかった。Appleは発表イベントの終了直後にウェブサイトを更新した。11インチMacBook Airは永遠に消えた(R.I.P.)が、13インチMacBook Airにはマイナーな改訂が施された ― RAMの追加だ。

「MacBook Airの13インチモデルは引き続き当社の製品ラインに残る」とマーケティング担当上級副社長のPhil Schillerが壇上で語り、MacBook Airの状況について他には何も話さなかった。その時の様子がこれだ:

今日まで13インチMacBook Airは、RAM 4GB、1.6GHz Core i5プロセッサー塔載で、999ドルからだった。新しいMacBook Airも同じプロセッサーで999ドルから ― ただし、RAMは8GBになった。他のスペックは変わっていないようだ(128GB SSDストレージ、バッテリー寿命12時間等)。

従来の1199ドルモデルも8GB RAMで同じプロセッサーだが、ストレージは256GBになった。つまり、お手頃価格のパソコンが欲しかった人にとっては、新しい999ドル機が少しパワフルになったことになる。

MacBook Airが消えゆく運命にあることは明らかだ。しかし、最低価格の13インチMacBook Proや12インチRetina MacBookは多くの人にとってまだ高価すぎる。だからAppleは、13インチMacBook Airに生命維持装置を付け、他のノートを1000ドル以下にできるまでの間生かし続けることにしたのだ。

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今年のAppleのハードウェアのアップデートはパワーユーザーが主なターゲット

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Appleの今年後半以降のロードマップは、高額機とパワーユーザーがターゲットらしい。BloombergのMark Gurmanが記事にした‘内部情報’はそう言ってるようだ。Gurmanの記事はいつもまともだが、とにかくiPad, MacBook AirとPro, そしてThunderboltディスプレイのアップデートを楽しみに待とう。

iPhone SEと超簡素なMacBookという昨年のシンプル指向から、今度はその逆に振り子は揺れるようだ。高機能なSurface Bookに誘惑されたかもしれない‘プロ的ユーザー’の、心を掴みたいのだ。

確かに、MacBook Proは新装してもよい時期だし、Airは(ぼくの場合のように)4年以上前の機種は確実に古めかしい。Gurmanの記事でも強調されているすこし前の報道では、複数のポートのある薄型ボディーと、その上に、便利だけれどちょっと古くも感じるFキーに代わってOLED上の“dynamic function row”(動的可変的ファンクション列)が載る、となっている。AirにはUSB-Cが載り、仕様も強化されるが、レティナディスプレイはまだだろう。

以上は、早くも今年の10月には発売されると思われるが、9月7日の発表では触れられないだろう。Gurmanの予想では、9月7日の主役はあくまでもiPhoneのニューモデル、そしてGPSや健康診断機能が内蔵されたニューバージョンのApple Watchだ。すでにベータに入っているiOS 10も、もちろん強調されるだろう。

数か月前から5KのThunderboltディスプレイをめぐる噂が飛び交っている。大量の細かいピクセルを際立たせるために、特製のGPUを使う、となっているが、その後の詳報はどこにもない。しかし新しいMacに合わせるとなると、意外と早いかもしれない。このLGとのコラボレーション製品は、写真やビデオのエディターが主なねらいで、iMacで我慢したくない連中がターゲットだ。

愛されたりがっかりされたりしているiPad Proは、スタイラス入力がサポートされるが、それがハードウェアのレベルでのサポートか、それともソフトウェアによるのか、両方か、などは不明だ。いずれにしても、この新ジャンルのデバイスを心から歓迎したアーチストなどは、今回のアップデートも歓迎するだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Appleの新たな裏切り


「本気でアタマに来た」とM.J.はツイートした。この人はAppleとこの会社が最近発表した新MacBookのことを言っている。同じ感情を表したツイートやコメントは他にも無数にある。今彼らの露な怒りはこの会社に向けられている。多くの消費者がこの新しいMacBookのデザインに裏切られたと感じている。この件に関する本誌の最初の記事は2万5000回以上シェアされた。正当な理由があるからだ。

新しいMacBookの考え方は普通と違う。普通のノートパソコンよりむしろタブレットと共通点がある。iPadにキーボードが付いてOS Xが動いていると考えればいい。私はiPadが好きで、ポートは1つしかついていないが、それがこの怒号の原因だ。

殆どのパソコンは周囲にいくつかのポートが散在している。充電のために1つ、様々な用途のためのUSBポートがいくつか、そして何らかのビデオ出力のためのポートが付いているのが普通だ。新しいMacBookはこの3つを、唯一つのUSB-Cポートにまとめた。これはつまり、ユーザーはパソコンとiPhoneを同時に充電することができないことを意味している。あるいは、USBドライブからデータを入力しながら外部モニターにビデオ出力することも。

ここはAppleの世界であり、われわれはそこで生きていくしかない。

あえてAppleを擁護すれば、そんなパソコンの市場は確かに存在するだろう。使っている低消費電力Intelチップセットではコンピュータゲームに必要なパワーは得られないだろうが、GIFの表示には十分だ。これはカウチ・パソコンだ。FacebookやTwitterのためのマシンだ。立派なプログラミング・コンピュータなのかもしれない。昨日のAppleイベントを見てほしい。この会社は新しいMacBookの上で何ひとつ新しいソフトウェアをデモしなかった。Photosアプリも。要するにこの新MacBookは写真編集に向いていないのだ。

Appleに対する期待は大きい。もしHPやLenovoが新MacBookのように水で薄めたパソコンを発売したら、怒号ではなく含み笑いの渦が起きるだけだろう。何らかの理由により、Appleファンはこの会社が常に自分のニーズに合った製品を作ることを期待している。そうでない時、彼らには裏切りの感情がしのび寄る。それは初代MacBook Airの時に起きた。

Appleは最初のMacBook Airを2008年に発売した。価格は1799ドルで、新MacBook同様、それはほっそりとした驚きのテクノロジーだった。しかし、ポートがなかった。業界は電源ポートと1つだけのUSBポートとMicro-DVIポートしかないことを指摘して非難を浴びせた。CD-ROMポートもEthernetポートもなかった。これは2008年においては一大事だった。ソフトウェアはまだCD-ROMで配布され、Wi-Fiは見つけるのが困難だった。Appleファンは裏切られたと思った。捨てられたと。消費者はもしAppleの最新最高のマシンを欲しければ、CDドライブも有線インターネットも使えないパソコンを受け入れなければならない。

最終的にAppleは全MacBook製品からEthernetを排除し、MacBook Airは現在Appleが販売する最も安いノートパソコンだ。

新しいMacBookは、MacBook Air、MacBook Proに加わる。いずれの代替でもない ― 少なくともまだ。しかし、MacBookというかつて引退した名前が付けられている。Airでもなく、Proでもなく。ただのMacBook、これはAppleのMicrosoftに対する強いメッセージだった。

今後1~2世代のうちにAppleがMacBookの価格を1000ドル以下に下げる可能性は極めて低い。MacBook Airは生き残るのか? 恐らくそれはない。AppleはMacBook Proを小さくし続けている。将来MacBookが唯一の低価格ノートパソコンになり、わずかにスリムになったMacBook Proが もう一つの(複数のUSBポートやSDカードやMagSafeアダプター等のヘんな物が欲しい人のための)選択肢になることは容易に想像できる。

それまでの間は、13インチMacBook Airの方が、新MacBookよりも賢い買い物だ。バッテリー持続時間はほぼ同じで、よりパワフルでポートも十分にある。そして何よりも、自分のMacBook Airがもう少し薄ければよかった、と言った人などいないのだから。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


ハードウェア薄型化に見るAppleの戦略


新モデルを出すたびにボディーをスリム化するのは、今やAppleの常套手段だ。おかげでマーケティング部門は、より薄くパワフルになった新機種を、新しいスクリーンと共に自慢できる。

もし、次世代MacBook Airに関するが本当なら、Appleはデバイスの厚みを半分にしつつ、画面を11インチから12インチに拡大しようとしている。殆どはベゼルを減らすことによるので全体の大きさは殆ど変わらない。

わずかな隙間に多くを詰め込むためには犠牲も必要だ。厚さ(薄さ)6.9mmのiPhone 6と7.1mmのiPhone 6 Plusは、ベンドゲート[曲れ折がり疑惑]の洗礼を受けた。

そこまで薄くない方がズボンの尻ポケットに入れて何時間か座っても大丈夫だったと思うが、Appleの作ったiPhoneはそうではなかった。

もっともBendgateなど薄型化による最大の苦情に比べれば何でもない。バッテリー寿命だ。物理的制約からバッテリー容量は限られる。これは毎年膨らませることが許されない。

Appleはハードウェアとソフトウェアをやりくりして常に同じ ― 時にはわずかなに改善された ― バッテリー寿命を提供しているが、注目を引くような改善はない。派手に見出しを飾るのは、新しいチップセットやディスプレイの改善、あるいは上に書いた薄いフォームファクターに限られている。

理由のひとつは、バッテリー技術の進歩が他のテクノロジーと比べて緩やかなことだ。しかし、Appleのiデバイス内部に対する外的デザインからの要求によるものでもある。スリムになり続けるガジェットが諦めなてはならないものは、バッテリー寿命の著しい改善だ。

ヘビーユーザーは予備のバッテリーや充電器を持ち歩かなければならない。このため、最も薄く最も魅力あるはずのデバイスが、壁につながれていたりバッテリーパックを引きつれたりしているのは何とも皮肉だ。

かつて、ホームコンピューターがデスクの大部分を占め、「ポータブル」がハンドルのついた重量物を持ち歩くことを意味していた頃を知っている人は、Appleが必死にスリム化しなければならない気持ちを理解できるだろう。

しかし、サイズはもはや問題にならない段階まで来ている。今やスマホやノートパソコンは、ファッションにこだわるガジェットオーナーにとってさえ十分に薄い。それでもAppleは薄くし続ける。

こうした一貫性によって、スリム化が明快な戦略となっている。しかし、Appleのよくできた薄さの背後にある論理は何なのだろう。

ライバルを蹴落とす

最薄のデバイスを作る、あるいは少なくともその方針を示し続けて薄さを支持することによって、ハードウェアデザインに関してAppleのライバルたちにできることは殆ど残されていない。Appleはハード、ソフト両面で最も得意とする技術を駆使し、ライバルは同じことを強要され、あるいは失敗する。

薄さの追究に失敗したライバルのガジェットは,iデバイスとのサイズと重さの戦いにおいては必然的に不利となる。

その一方でAppleはバーを上げ続け、iクローンの先を行く高級感を維持しなければならない。

スリム化は差別化

今やスマートフォンもタブレットも、ノートパソコンでさえもハードウェアによる差別化は終った。コンピューティングデバイスは、殆どがスクリーン、あるいはスクリーン+キーボードだ。決められたレシピの中に差別化できる物理的材料を探すことは困難だ。

今や残された差別化はスリム化だけだ。

カラーも可能性の一つでありAppleも時折そこで戦うこともあるが、大体はフラグシップ以外(iPodやiPhone 5c)のデバイスやアクセサリーだ。
真のハイエンド機は概してカラー化されず、ミニマリストなモノクロームとメタリックに焦点を合わせている。このためAppleがデザインで目立つためには、毎年デバイスを薄くする必要がある。

より厳重な制御

薄いデバイスのもう一つの特質は、ユーザーの選択肢を自然に減らしていることにある ― 物理的入口の数は少なくなっていく。それは塀に囲まれた庭への誘いである。物理的ポートやスロットは最小限に抑えらている。ストレージのユーザー拡張もできない。バッテリーは交換不能だ。

これらすべてが、ユーザーのiOSエコシステムに対してできることを制限し、彼らの行動をより予測可能、制御可能にしている。その結果Appleは、よりアクセスしやすい環境を作り、選択の幅を狭めることによって、シンプルで誰にでも使いやすいインターフェースを提供することができる。

ユーザーが自分でストレージを拡張したり、バッテリーを交換したりできなければ、Appleはユーザーがクラウドストレージを買ったり、新しいiデバイスにアップグレードするよう誘導しやすくなる。すべては、ユーザーをクパチーノ支配下のパイプに送り込むためだ。

こうした制約は、エコシステムへの囲い込み促進にもなる。ユーザーはiOSエコシステムとApple iCloudへの投資が増えれば増えるほど、同社のハードウェアを手離せなくなり、蓄積されたデジタルコンテンツと共に、他のプラットフォームへの移行を難しくする。

つまり、スリムに、小さくなったデバイスは、Appleのビジネスに継続力を与えるエコシステム囲い込みのビジュアル表現なのである。

限られた寿命

より薄いハードウェアを作ることは、iデバイス内で最も消滅しやすいテクノロジーであるバッテリーを、ケースの中に密封することも意味している。ユーザーによるアクセスが不可能になったことで、モバイルデバイスの寿命は、バッテリーの寿命と(文字通り)表裏一体になった。

さらには、バッテリー容量の制約が、バッテリー疲弊を早めるようユーザーの充電パターンを導いているとさえ言える。スマホユーザーは毎晩充電する人が殆どだが、バッテリーの寿命は有限であり、昼間長時間使えば完全に放電することもあるだろう。これはリチウムイオン電池を長持ちさせるうえで必ずしも最良の扱い方ではない…

ともあれ重要なのは、ユーザーがデバイスをアップグレードするとAppleが儲かり、高級な材料から作られた高価なデバイスを販売することが同社のビジネスでありながら、最も多い買い換え理由 ― もちろんApple製モバイル端末に関して ― はバッテリーの寿命にあることだ。こうしてハードウェアの薄さは、Appleの反復する売上を生み、制御するのに役立っている。

次は、Apple Watch

では最後はどうなるのか。Appleはいくらてもiデバイスを薄くし続けられるのか?もちろん原子レベルでは何らかの限界はあるが、そこへ行くまでにはまだ数ミリあるそうだ。ただし、今の製品サイクルが続けば、残された年数は少ない。

その一方でAppleは、新しいウェアラブル端末、Apple Watchの発売を(噂では)3月に控えている。これはAppleにとって新たな領域であり、このスマートウォッチは、戦略上同社の中核コンピューティング機器を補助する位置付けにある。

Apple Watchは、親機たるiOSデバイスのスリムさを維持しつつ、新たな機能とデザインの広がりを付加する補助的デバイスである。

これは既存のiOSユーザーの財布から、さらに金を引き出すという意味でも補助的である。もちろんiOS囲い込みの新たなインセンティブでもある。そして、ウェアラブルが消費者家電としてパッとしない今、Appleはこの壁を打ち破ろうとしている ― 歴史的にそうしてきたように。

Appleには、自社ビジネスとの共食いを辞さない歴史もある ― 例えばiPhoneを作ってiPodの機能を吸収した。最近では、小さなiPadとのオーバーラップが多いにもかかわらず、ファブレットサイズのiPhoneを作った。Apple Watchがこの機能オーバーラップ・スペクトラムのどの辺に位置するかはまだわからない。

いずれにせよAppleのハードウェアビジネスにとっては結構なことだ。Apple WatchはBluetooth経由でiPhoneとつながることによって機能する。Appleにとって最大の関心時は、Apple WatchがiPhoneユーザーにもう一つの買い物をさせるだけの利用価値を提供できるかどうかだ。

Apple Watchの効用の一つは、かばんやポケットの中を探ることなく通知をチェックできることだ。ウォッチに目をくれる必要すらないかもしれない(触覚フィードバックで曲り角を教える等)。そうすればiPhoneをチェックする回数は減るかもしれない。

AppleのBluetooth制御方法にもよるが、Apple Watchは実質的にiPhoneのウェアラブル予備バッテリーとして機能するかもしれない ― 主要モバイル端末の仕事を補助ウェアラブルに十分移行できれば。

もしそうなれば、Appleの2015年の隠し玉は、より薄くなったにもかかわらず一見バッテリー寿命が延びたように見えるiPhoneなのかもしれない ― 同時にそのユーザー基盤からさらに稼ぎながら。

もしAppleにそれができれば、大したトリックだ。

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次世代MacBook Airは12インチ、エッジ・ツー・エッジ・キーボード、USB-Cコネクタ装備か

しばらく前からApple MacBook Airの12インチ新モデルが登場するという噂が流れているが、Apple情報に関して一貫して正確なサイト9to5MacのMark Gurmanが非常に具体的な情報を伝えている。それによれば、12インチMacBook Airのリリース時期は、ごく近々か、おそくても2015年半ば以前で、厚さや入出力ポートなどを含め、全体にぎりぎりまで削ぎ落とされた新しいデザインだという。

12モデルは現行11インチモデルの半分の厚さで、端のもっとも薄い部分からもっとも厚い部分へのテーパーは現行モデルに比べてずっとゆるやかだという。画面が大きくなったにもかかわらず占有面積は11インチモデルとほぼ同様。これはエッジ・ツー・エッジデザインのキーボードを採用したおかげだ。また画面周囲のベゼルも現行モデルに比べて細くなっている。

Appleは大胆にも、この新モデルではほとんどすべての入出力ポートを廃止した。残されたのは3.5mmオーディオジャックとUSB-Cコネクター1基だけだ。USB-CはLightningと同様、リバーシブルで裏表なしに挿し込める。また高精細度ビデオの入出力と電力供給ができる。したがって新しいMacBook Airは単一ポートにもかかわらず、これまでよりも多様な機器の接続が可能になる。

もし上記のような記事内容が正しければ(実際、TechCrunchが確認できた限りでは、現時点の開発状態を正確に伝えていると考えてよいようだ)、Appleは、ユーザーがもっとも重視するのが携帯性とミニマルなデザインだと考え、それに賭けているようだ。現在ではI/Oポートはワイヤレス接続で十分に代替できる。もちろん実機をテストするまではっきりした評価はできないが、USB-Cコネクタの能力が評判どおりなら私も入出力ポート数の少ないことには問題を感じない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+