デジタルコミックのスタートアップ「Madefire」が閉鎖

R.I.P.。Madefireは新しいフォーマットやプラットフォーム向けにコミックを再構築するために、著名なアーティストを採用していたスタートアップだ。

Madefireのウェブサイトに掲載されている通知によると、同社は2021年4月初めに「債権者のための利益の譲渡」(「破産に類似した州レベルの倒産手続き」と説明されている)を行ったとしており、これは米国時間4月29日朝のThe Beatでも報道されていた。その結果、新しい書籍は出版されず、ユーザーは追加で書籍を購入することができなくなり、購入したコンテンツは今月末までにすべてダウンロードすることが推奨されている。

このニュースは、Madefireの技術で作られた他のアプリにも影響を与えている。Archieのコミックアプリも同様に停止しており、出版社は「これが驚きであることは理解していますが、私たちは忠実な顧客へとあらゆる努力をしています」と述べている。具体的には、読者にComixology Unlimitedの1カ月間の無料購読を提供している。(Amazonは2014年にデジタルコミックプラットフォームのComixologyを買収し、その2年後にUnlimited購読サービスを開始した)。

Madefireは出版社がモーションコミックのようなフォーマットを試していた2012年に、最初のサービスを開始した。Madefireはアニメーションやエフェクト、より伝統的な読書体験を組み合わせたタイトルをモーションブックと呼んでいる。

共同創業者兼CEOのBen Wolstenholme(ベン・ウォルステンホルム)氏は当時「モーションコミックは受動的な体験であり、悪いアニメーションと同じような視聴体験であり、映画を見るようなものです」と述べていた。「モーションブックは読書体験であり、読者によってアクティブに制御される。私たちの目標は、iPad用に開発された最高の読書体験になることです」。

Madefireでおそらく最も印象的だったのは、Dave Gibbons(デイブ・ギボンズ)やBill Sienkiewicz(ビル・シンケビッチ)など、立ち上げ前に参加していたアーティストだろう。

最近ではMadefireはSnapchat(スナップチャット)や、経営難に陥っているAR(拡張現実)企業のMagic Leapなど、他の技術プラットフォームとの提携を発表していた。

Crunchbaseによると、MadefireはTrue Ventures、Plus Capital、Kevin Spacey(ケヴィン・スペイシー)氏、Drake(ドレイク)氏などの投資家から1640万ドル(約18億円)の資金を調達していたが、The Beatによるとその総額は「それ以上」だったとのことだ。

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(文:Anthony Ha、翻訳:塚本直樹 / Twitter