Magic Leapがヘルスケア関連企業に新型ARヘッドセットへの早期アクセスを提供、2022年半ばの発売に先駆け

Magic Leap(マジックリープ)は、2022年後半に予定されている企業向けのリリースに先駆けて、ヘルスケアスタートアップ4社に第2世代ARヘッドセットへの早期アクセスを提供した。この早期アクセスプログラム企業の1つであるSentiARは、医師が患者の手術中に心臓の3Dモデルを見ることができるソフトウェアを提供している。また、Brainlabは、同社のMixed Reality ViewerソフトウェアをMagic Leap 2で利用できるようにしたいと考えている。

Magic Leapが最新のウェアラブルをデジタルヘルスケアのスタートアップに最初に提供しているのは驚くことではない。2021年4月の時点で、Peggy Johnson(ペギー・ジョンソン)CEOのはそう示唆していた。「拡張現実(AR)は、少なくとも短期的には、他のどの業界よりもヘルスケアを変革する可能性があります」と同氏は当時述べ、発売時には企業顧客に焦点を当てるとしていた。

Magic Leapは、シリコンバレーで最も注目されているスタートアップの1つとして登場して以来、苦境を強いられてきたことで有名だ。2019年には、2300ドル(約26万円)のヘッドセット「Magic Leap One Creator Edition」が発売されてから半年間で6千台しか売れなかったことが報じられた。その後、3億5000万ドル(約401億2000万円)の投資によって新たな命を吹き込まれるまでの数カ月間、従業員の解雇を繰り返していた。

編集部注:本稿の初出はEngadget。著者Igor Bonifacic(イゴール・ボニファシッチ)氏は、Engadgetの寄稿ライター。

画像クレジット:Bram Van Oost / EyeEm / Getty Images

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(文:Igor Bonifacic、翻訳:Aya Nakazato)

「約2240億円の評価額で約560億円調達」から7年、ARグラスのMagic Leapは変わらず「約2240億円の評価額で約560億円調達」

Magic Leap(マジック・リープ)は苦しい道のりを歩んできた。彼らの名誉のために言っておくと、投資家はまだ同社に資金を喜んで供給したいようだ。

拡張現実を扱うスタートアップである同社は米国時間10月11日、既存の投資家から20億ドル(約2240億円)のバリュエーションで5億ドル(約560億円)を調達したと発表した。2014年10月に20億ドルのバリュエーションで5億4200万ドル(約607億円)を調達したときと同じ条件だ。その間に幾多の出来事があった。

不思議なことに、Magic Leapは今回の資金調達に参加した投資家を特定する情報を公表しないと決めた。Crunchbaseによると、同社は現時点で35億ドル(約39億円)の資金を調達している。これまでに参加した投資家のほとんどは、あまり良い結果を得ていないことになる。

直近のバリュエーションは、同社が2019年に達成した67億ドル(約7500億円)から随分かけ離れているが、2020年清算寸前だったことを考えれば、もっと悪かった可能性もあった。Magic Leapは2020年、スタッフの大部分を解雇し、切り下がったバリュエーションの下で数億ドル(数百億円)の資金調達を余儀なくされた。また、創業者のRony Abovitz(ロニー・アボヴィッツ)氏に代わって、Microsoft(マイクロソフト)の副社長を努めたPeggy Johnson(ペギー・ジョンソン)氏がCEOに就任した。

同社は、法人顧客に力のすべてを注ぎ、状況を好転させようと試みてきた。軍との契約を巡りMicrosoftと競合し(失敗した)、法人顧客をめぐってMicrosoftと競合した(成功した)。その一方で、非常に高価なヘッドセットを使う高価なゲームを提供することで消費者の目に留まろうとしてきた。

今回の新ラウンドのニュースと同時に、同社の次のARグラス製品の新しいレンダリング画像がCNBCで公開された。デバイスはかなり小さくなったようだが、Magic Leapはその新しい機能についてあまり多くを語らなかったようだ。同社はプレスリリースで、Magic Leap 2と呼ばれる新しいハードウェアを来年中に展開することを明らかにした。

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(文:Lucas Matney、翻訳:Nariko Mizoguchi