カレンダーの使い方を再定義、コラボレーションツール化を目指すMagicalが約3.5億円調達

カレンダー。それは私たちの仕事や会議を整理する中心的な存在だ。しかしカレンダーの全般的なエクスペリエンスをモダナイズしようとする試みは常にあるものの、OutlookやGoogle Workspace(旧G Suite)のカレンダーのエクスペリエンスは現在も根本的には変わっていない。近年、CalendlyやReclaimAIなどのスタートアップが取り組んでいる分野は主にスケジューリングだ。

Magicalはテルアビブを拠点とするスタートアップで、カレンダーのエクスペリエンスを根本から作り直し、カレンダーを単なる個人の時間管理サービスではなくチームのコラボレーションツールにすることを目指している。米国時間2月18日、同社はResolute Venturesが主導するシードラウンドで330万ドル(約3億5000万円)を調達したと発表した。このラウンドにはIbex Investors、Aviv Growth Partners、ORR Partners、Homeward Ventures、Fusion LAそしてプロダクティビティ分野のエンジェル投資家が参加した。

このサービスのアイデアは、ワークスペースとプロダクティビティを扱う大きなコミュニティであるSupertoolsでのディスカッションから生まれた。Supertoolsも、Magicalの創業者でCEOのTommy Barav(トミー・バラブ)氏が始めたものだ。

画像クレジット:Magical

このコミュニティからのフィードバック、そして自身が手がけるFortune 500に名を連ねる巨大多国籍企業のコンサルティング業務から、バラブ氏は時間管理はビジネス上の未解決の問題であると認識した。同氏は筆者に対し「時間管理の分野は非常に細分化されています。時間を管理するための小さなツールやフレームワークはたくさんありますが、そうしたものはメインのワークフローであるカレンダーに組み込まれていません」と語った。

これまでのカレンダーは大きなプロダクト群のアドオンで、その中に閉じ込められているとバラブ氏は主張する。「Outlookのカレンダーはメールの相棒ですが、実は1日の中心です。このように、カレンダーを時間管理のハブとして使うという満たされていないニーズがあります」(同氏)。

Magicalはまだプライベートベータで、AIスケジューリングや自動化ツールなど最近のスケジューリングやカレンダーのスタートアップが取り組んでいる多くの機能の統合を目指している。しかしMagicalの野望はこれにはとどまらない。

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「まずはカレンダーの使い方を再定義したいと考えています。これまでのイノベーションの多くはスケジューリングに関するものでした。自分のスケジュールを立て、会議のスケジューリングを効率化し、カレンダーの表示を変えるといったことです。【略】しかし我々は優れたカレンダーを提供し、スケジューリングや調整、利用といったワークフローをカレンダーに組み込んで、時間管理を再定義しようとしています。モダンなワークスペースにおけるカレンダーの利用を再定義しているのです」とバラブ氏は説明する。

Magicalはまだスタートしたばかりで細部を作っているところだが、たとえばカレンダーを会議資料の中心的なリポジトリにするというのが大まかな考え方だ。資料の共同作業や共有のツールも搭載しようとしている。チームメンバーは会議に出席しなくても資料をフォローできる(あるいは会議に関するメールで入手できる)。

バラブ氏は「無駄な会議を減らすのに役立つでしょう。そのために、他のサービスもカレンダーのエクスペリエンスに統合しようとしています。一般的にはZoomやSlackですが、たとえばSalesforceやNotionなども考えられます」という。

Magicalに投資しているResolute Venturesの創業パートナーであるMike Hirshland(マイク・ハーシュランド)氏は「市場機会をこれほど明確に認識している起業家には滅多に出会えません。トミーとMagicalのメンバーは3年間にわたり多くのユーザーと話をして機会を認識し、市場のニーズに合うプロダクトをゼロから設計しました。今こそ『出発の時』であり、私はこのジャーニーの一員であることを嬉しく思っています」と述べた。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Magicalカレンダー資金調達

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Kaori Koyama)