Fordは自動車の生産方法を変えようとしている…プラットホームからアーキテクチャへ

115歳になるFordはこれまで、数多くの変化を経験してきた。同社は今年もまた、変わろうとしているようだ。

今日Fordは、ミネソタ州ディアボーンの開発センターの奥深くにある劇場に、数百名のジャーナリストを集めた。その建物は、技術研究所や試験施設に囲まれている。通りの向こうには、テストコースがある。その向こうに本部の建物があり、駐車場からはThe Henry Ford Museum(ヘンリー・フォード博物館)が見える。ここは、Fordの発祥の地だ。

説明会の内容は半分がオフレコで、残る半分は説明資料に載っている。同社はその製品戦略を開陳し、その中には(オフレコの)、まだ誰も見たことのないコンセプトカーもあった。CEOのJim Hackettがジャーナリストたちの前に座り、彼がMark Fieldsの仕事を引き継いで以来の、同社の計画の進化を詳しく述べた。その中には、開発サイクルを短くすることや、外国の自動車メーカーとのパートナーシップなどがあった。

Fordは従来の自動車企業のプレスカンファレンス(記者招待催事)にほとんど必ずあった、プラットホームの話を避けた。これまでの自動車メーカーは、自動車のプラットホームというものを作った。それは、複数の車種が共有する共通基本設計のことだ。ひとつのプラットホームをベースに、小型セダンからSUVまで、いろんな車種を作る。プラットホームについて話すことによって自動車メーカーは、共通のパーツから複数の車種を作れる自社の柔軟性を示すことができた。Fordはそれをさらに前進させて、自動車の複数のアーキテクチャ(基本設計構造)を作ろうとしている。

これは、言葉と方法論における、小さいけど重要な変化だ。Fordによると、これによってスケッチからショウルームまでの開発時間が20%短くなる。

ひとつひとつのアーキテクチャに実装の柔軟性があり、基本となるアーキテクチャは5種類ある:

  • ボディー・オン・フレーム
  • 前輪駆動ユニボディー
  • 後輪駆動ユニボディー
  • 商用バン・ユニボディー
  • 電池式電気自動車

これら(上4)にさらに電動タイプと内燃機関タイプがあり、それが、構成のすべてだ。

Fordによると、同社はエンジニアリングの効率性に40億ドルを投ずるつもりであり、このアプローチが目標の達成に大きく貢献する、という。自動車メーカーはこれまで、パーツやエンジンや構造材を複数の車種で共有してきたが、しかしこのアプローチはFordの柔軟性をさらに増し、例えば上図のFord Explorer STのような、もっとユニークな車種を可能にするだろう。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

フォードのCEOが交代、自動運転車子会社のトップが就任へ

Ford Motorsは、CEO Mark Fieldsに代わり、自動運転車を開発する子会社のトップが新CEOに就任する。New York Timesが伝えた。

Fordは、Ford Smart MobilityのJim Hackett会長の新CEO就任を月曜日(米国時間5/22)に発表する見込みだ。昨年設立されたFord Smart Mobilityは、つながった車と自動運転車の技術を開発している。

今月行われたFordの年次株主総会で、FieldはCEO就任以来株価が40%下落した責任を問われた。自動運転車に関してはほかにもArgo AIとのジョイントベンチャーに10億ドルをつぎ込んでいるが、低迷する自動車売上は、新技術の開発コストを賄うことができていない

FordのライバルはGoogle、Waymo、Tesla(同社の時価総額は先月ついにFordを越えた)といったテクノロジー企業だけではない。同じ自動車メーカーのGeneral Motorsが世界最大の自動運転車の一団を展開するらしいことがIEEE Spectrumが発見した文書からわかった。

本誌はFordにコメントを求めている。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook