アプリ解析・マーケティングツール「Repro」運営元が3億円の資金調達で米国進出へ

Repro代表取締役の平田祐介氏

Repro代表取締役の平田祐介氏

モバイルアプリ向けのアナリティクス・マーケティングツール「Repro(リプロ)」を提供しているReproは3月7日、ジャフコ、VOYAGE VENTURESおよび個人投資家などを引受先とした総額3億円の第三者割当増資を実施したことをあきらかにした。アプリ開発に向けた人材獲得を進めるほか、米国進出に向けてテストマーケティングなどを進める。

TechCrunchでも何度かご紹介しているRepro。2015年4月の正式版リリース時点では、スマートフォンアプリ上でタップされた位置や離脱した画面などの行動を動画で取得する「モバイルアプリ解析サービス」の色が強かったサービスだったが、最近ではアプリの解析にとどまらず、プッシュ通知やアプリ内メッセージの送信といったマーケティング向けの機能を充実させている。

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「アプリの数字を読み取り、解析までできる人は少ない。社内向けのレポートを作成するためにアナリティクスツールを使っても、数字からアプリの改善までを実現するのは難しい。であればそれを支援できるようにと思った」(Repro代表取締役の平田祐介氏)

現在のReproであれば、アナリティクスとマーケティング向けの機能を組み合わせることで——例えばファネル分析でユーザーの離脱率が高い画面を特定し、そこで離脱したユーザーを抽出してプッシュ通知を送り、アプリの再利用を促すというようなことを実現できる。

サービスは現在、18カ国・1400アプリで利用されている。特にEC関連のアプリでの導入が進んでいるという。同社は2015年9月に招待制イベント「B Dash Camp」内のピッチコンテストで優勝したが、そういった露出を契機にして引き合いが大幅に増えたという。

導入の9割以上は国内のアプリだが、「海外でもMixpanelAppboyといった競合製品から乗り換えてくれるユーザーも出てきた。アナリティクスデータを活用しながらマーケティングができるツールとして、いよいよ世界で戦える準備ができたと思っている」(平田氏)。Reproの開発と並行してアプリ向けのコンサルティング事業も展開。業績も順調に積み上げており、今夏にも単月黒字化できる状態にあるという。また今後はReproをMA(マーケティングオートメーション)向けのツールと定義して機能追加を進めるとしている。

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マーケティングオートメーションからAIとデータの会社へ——「B→Dash」提供のフロムスクラッチが10億円の資金調達

マーケティングプラットフォーム「B→Dash」を提供するフロムスクラッチは11月30日、電通デジタル・ホールディングス、グローバル・ブレイン、日本ベンチャーキャピタルおよび既存株主を割当先とした総額10億円の第三者割当増資を実施した。同社は5月に、Draper Nexus Venture Partnersおよび伊藤忠テクノロジーベンチャーズなどから総額約3億円の第三者割当増資を実施している。

同社が提供するB→Dashは、企業のマーケティングプロセス全体のデータを統合し、一気通貫で分析するSaaS型のマーケティングプラットフォームだ。ウェブでの集客から顧客管理まで、マーケティングの「入口から出口」までを一元管理できる。

マーケティングオートメーション(MA)なんてキーワードが話題だが、マーケティングの「入口から出口」に至るには、解析ツールをはじめとして、複数のツールのデータを連携する必要がある。だが複数のツールの間でデータ間の断絶が起こり、運用の工数やコストが増える、いわば「ツギハギ」のような状況が起こるケースが多々あったのだという。これに対してB→Dashは集客から顧客管理までの機能を1つのプラットフォームで実装。スムーズなデータ連携を実現する。

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理屈は分かるのだが、たとえツギハギだらけであろうが、既存のツール群からのスイッチングコストは気になるところ。B→Dash導入の提案に対する質問もそこに集中するという。フロムスクラッチ代表取締役の安部泰洋氏は、社員約100人のうち30人以上というコンサル部隊を抱えることで、その課題に答えているという。

「導入前の企業に言われるのはスイッチングコストの大きさ。だがスイッチングコストとはかみ砕けば1つはコミュニケーションコストのこと。我々は営業、開発、コンサルを自社に持つ三位一体構造を強みにうたっている。米国のMAツールなどは開発から営業までを自社で行うが、納品は代理店が行うというケースがほとんど。代理店による導入支援後は電話やメールでのサポートが中心になり、『使い切れない』『運用できない』ということになる。我々はB→Dashがいかに運用に載るかを導入企業とともに設計していく。開発会社が自ら『伴走期間』を提供していることがイノベーションだ」(安部氏)

料金はプラットフォーム開発費用が100万円〜、月額課金が50万円〜。2014年11月に販売を開始。当初はBtoC企業の顧客が中心だったが、BtoB企業を含めて約100社が製品を導入している。

同社では今回の調達をもとに、(1)ビジネス上における、あらゆるビッグデータの取得・統合の実現、(2)人工知能によるビッグデータの活用——の2点を進めていく。

MAの仮面をかぶったデータと人工知能の会社に

今後はSMB向けのツール提供や海外市場向けの製品提供を進めることでユーザーの幅を拡大。さらにはその拡大したユーザーのほか提携企業などから、デジタル領域外のデータの取得・統合を進め、さまざまなビジネスデータをB→Dashに一元集約していくのだという。

それと並行して人工知能の開発を強化。前述の通りB→Dash上に集約したデータを解析し、収益の最も高いユーザーの行動法則を可視化できる仕組みを作っていくのだという。「今は(コンサル部隊による)パワープレイで導入企業の伴走をしているが、今後は抽出されたデータを人工知能に渡せば伴走をしてくれるという状況を作りたい。例えばiPhoneのSiriや、Excelのイルカのようなナビゲーションを実現できるだろう。我々はMAという仮面をかぶりながら、裏側ではデータと人工知能の企業になっていく」(安部氏)