【ポッドキャスト】GoogleのMaterial Designのリーダーが同社のデザインビジョンの起源を語る

[筆者: Jared Erondu, Bobby Ghoshal]

Rich Fulcherは、GoogleのMaterial Design UX and Engineeringのトップだ。今回はわれわれのHigh Resolutionシリーズの第14回で、Material Designがどのように作られたか、自分が勤める会社で自分独自のデザイン表現(デザイン言語)をどうやって作り出すか、デザインという工程では強力な文化性が重要な役割を演ずること、などを語ってもらった。

Larry PageがGoogleのCEOに復帰したとき、彼は非常に幅広い指示を出した。 それは、“Googleをビューティフルにすること”だった。その指示の下でGoogleのデザイン部門は、同社のプロダクトの呈示のされ方を根本から考え直すことになった。しかしながら、Googleほどの大きな企業で統一的なデザイン言語を作ることは、容易ではなかった。そこでFulcherは工程をいくつもの小さなステップに分割し、それを積み重ねていくと全体像が見えてくる、というやり方を選んだ。いくつかの大きな部品がまとまると、そこからSearch(検索), Maps, Gmail,などの消費者向け中核製品への実装過程が始まった。

自分の会社の普遍的なデザイン言語を作る過程が、複雑である必要はない。必要なのは、真剣に取り組むこと。それは、完成までに長期間の集中と献身を要する、今でもまだ進行中のプロジェクトだからだ。Fulcherは、デザイン言語が会社のビジネスにもたらす価値を説明している。そのステップは、あなたが今日からそれをやり始めるとしても、十分に参考になるだろう。

Jared EronduBobby GhoshalHigh Resolutionのホストだ。このポストと各回の注記は、フリーのライターGannon Burgettがまとめた。High Resolutionの各回は月曜日の太平洋時間午前8時に、本誌TechCrunchに載る。iTunesOvercastでも聴ける。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

デスクトップ版YouTubeのデザインが一新――見た目以上に大きな変更が

今週の月曜日にYouTubeは設立12周年を迎え、これを記念し5月2日にはデスクトップ版YouTubeのデザインが一新された。Googleが提唱するデザインフレームワーク「Material Design」が反映された新しいインターフェースは、さらにすっきりとしたシンプルなデザイン、そしてデバイスを超えた統一感を意識してつくられている。ダークモードの導入や検索機能・チャンネルページの一部変更、フルスクリーンを利用せずに動画を大きく表示できるシアターモードのアップデートなど、機能面でもいくつか変更が加えられた。

しかし中身をよく見てみると、今回のアップデートはYouTubeにとってこれまでで1番大きな変化なのかもしれないと気づく。

同サイトは、数年前に行われたディベロッパー向けのGoogle I/Oカンファレンスで発表された、オープンソースJavaScriptライブラリーのPolymerをベースに再構築されているのだ。彼らはPolymerを採用することで、ウェブコンポーネントを再利用することができるようになった。

Polymer上にYouTubeを作り直すというプロジェクトは1年ほど前にはじまった。ユーザーはその変化にあまり気付かないかもしれないが、これこそがデザイン変更のもっとも重要なポイントだ。

「いったんPolymerで何かを構築すれば、そのコンポーネントをすぐに再利用できるようになります」とYouTubeでプロダクトマネジメント担当VPを務めるManuel Bronsteinは、Polymerについて説明する。「Polymerは特定の機能に関するテクノロジーというよりは、むしろリリースまでの速度を上げる仕組みようなものです。Polymerを利用することでもっといろんな可能性を模索できるので、必然的に私たちが出来ることの幅も広がってきます」と彼は話す。

例えば新たに導入されたダークモードに関して言えば、Polymerを使うことで開発プロセスを簡素化することができた。

このテーマは先月の時点で発見されていたが、当時ユーザーはダークモードを有効化するためにChromeの設定を一部変更しなければならなかった。

しかしデザイン変更により、今ではYouTube上のスイッチをクリックするだけでダークモードのON/OFFを切り替えることができる。既存の白い背景を黒に変更することで、暗い場所や夜間でも動画を見やすくするというのがダークテーマの狙いだ。さらに画面のまぶしさが抑えられることで、目にも優しく、ユーザーは動画の本来の色彩を感じることができる。

まだパソコン以外のデバイス向けのアプリにダークテーマが展開されるかどうかは発表されていないが、YouTubeはまずユーザーに広く受け入れられるかどうかを確認すると話している(とは言っても、モバイル版にもダークテーマが導入されるのが当然のように感じられる。というのも、結局のところTwitterにある機能であれば、YouTubeにも搭載されるはずだからだ)。

写真上: 旧サイト

写真上:新サイト

しかし、初めて新しいサイトを訪れたときに最初に気がつくのは、Material Designの影響が見受けられる箇所だ。左側に配置されたナビゲーションバーは、スクリーンの左上にあるハンバーガーメニューをクリックすると隠すことができ、現状のモバイルアプリと同じような見た目になる。

ナビゲーションバーのトップに表示されているセクションは、ホーム、急上昇、登録チャンネルの3つで、その次にライブラリ(保存・購入した動画、再生リストなど)、個別の登録チャンネルが続く。

また、ホームページをスクロールしていくと、無限スクロールが採用されていることに気がつく。新サイトでは、下に行けば行くほど登録チャンネルの動画や、ユーザーの視聴傾向をもとにYouTubeがオススメする動画が表示されるようになっているのだ。

チャンネルページに飛ぶと、こちらも少し雰囲気が変わっている。

写真上:旧チャンネルページ

写真上:新チャンネルページ

新しいチャンネルページでは、バナーがブラウザの幅いっぱいに表示されるようになっており、ヒーローメディア(チャンネルについて紹介している動画や最新の動画など)も以前に比べて大きくなっている。

チャンネルページのナビゲーション(ホーム、再生リスト、チャンネル、フリートーク、概要など)も前より大きくなり、さらにシンプルになった。チャンネルセクションはサイドバーからタブ下に移動されているほか、以前よりすっきりしたサイト上では赤い「チャンネル登録」ボタン(こちらも前より大きくなった)もかなり目立つようになっている。

さらに実際に動画を見てみると「シアターモード」が以前より少し大きくなり、背景が黒くなったことに気がつく。

検索結果のリスト内でもチャンネル登録ボタンが目立つようになっており、新デザインでは検索内容とチャンネルがマッチしていると同ボタンがトップに表示される。またその影響で、検索結果内でチャンネルと動画を見分けやすくなった。

すぐには気づかないかもしれないが、新しい機能を試しているうちにサイトのスピードも上がったように感じる。もちろんスピードには回線速度や使っているデバイスなど、さまざまな要因が関係しているが、もしも早くなったと感じる人がいたらそれは気のせいではない可能性が高い。

Polymerへの移行により、YouTubeのチームはレイテンシーの改善に注力できるようになったのだ。

「レイテンシーには常に改善の余地があります」とBronsteinは話す。「どうすればユーザーにメディアを届けるスピードを上げられるか、ということを私たちは常に考えています。ユーザーが見たいと思うコンテンツを届けるのにかかる時間は、短ければ短いほどいいですからね」

現時点で新サイトを利用するためには、youtube.com/newから設定を有効化しなければいけない。そしてアカウントメニューの「以前のYouTubeに戻す」を選択すれば、旧デザインに戻すこともできる。

YouTubeは新デザインがまだ完全には出来上がっていないと話しており、新しいサイトを試せる人の数には上限が設定される予定だ。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

Google PlayアプリストアのDeveloper Program Policy Centerが新装オープン、ルールをアップデート

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Googleが今日(米国時間3/1)、Developer Program Policy Center日本語)のルック&フィールを一新して、デベロッパーがガイドラインを見つけやすいように、読みやすいように、そして理解しやすいようにした。ページデザインにはGoogle自身のカラフルな”Material Design“を採用して、ポリシーをテーマ別にまとめている(”Restricted Content”(制限されているコンテンツ)、”Privacy and Security”(プライバシーとセキュリティ)など)。それだけでなく、ルールもアップデートされ、違反解決のためのポリシー施行に関する情報が拡大され、また、よくある違反に関しては実例や詳細な指針を視覚的に示している。

Google Playで許容されるアプリのタイプについては、GoogleはAppleほど制約的ではないが、でも長年のあいだに少しずつ、監視を強化している。昨年(2015年)は内部でひそかにアプリ検討チームを立ち上げ、アプリのポリシー違反などを調べるようになった。マルウェアなど、コンテンツの違反を、Googleは自動的にスキャンしている(性的なコンテンツや著作権の侵犯など)。

しかし、アプリのコンテンツや振る舞い、広告の使い方など、一連のガイドラインをGoogleはデベロッパーに前から伝えているにもかかわらず、依然として提出後に拒否されるアプリが跡を絶たない。

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Googleによれば、Developer Program Policy Centerのデザインを変えた目的は、ポリシーの伝え方を改善して、デベロッパーの無自覚なミス(うっかりミス)を防ぐことだ。

これまでのような、ポリシーの箇条書きに代えて、まず、各セクションがグリッド(格子)上のカラフルなカードに書かれている(上図)。こちらの方が、箇条書きの項目を読みながら探すより、探しているポリシーの分類分野(セクション)を見つけやすいだろう。デスクトップでも、あるいはモバイルのデバイスからでも。

そして、ひとつのトピックに飛び込むと、今度は具体的な指針が図解で説明されている。その下には、文章で詳しい説明がある。

“施行”のセクションを拡張

もうひとつの重要な変化は、ポリシーの施行のされ方を詳述するセクションが拡張された日本語)ことだ。それによりデベロッパーは、違反が生じた場合の解決方法を詳しく理解できる。

以前のこのセクションは、アプリの削除や格付け、ユーザーのコメントなどに関する、Googleの問い合わせ先のURLが、リンクとしてあるだけだった。また、深刻な違反や繰り返される違反はデベロッパーのアカウント閉鎖に至る、と厳しい文章もあった。

[ポリシーの範囲]
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今度のセクションはGoogleのポリシーを詳説し、低品質なユーザー体験を与えるアプリはGoogle Playでプロモーションの対象にならない、などと書かれている。また、ポリシー違反の管理と報告のところには、アプリの検証や控訴の手続き、アカウント閉鎖の理解など、さまざまなヘルプページへのリンク集がある。

このように、ポリシーの施行について詳しく説明することによってGoogleは、アプリの提出過程に関するデベロッパーの不安や心配を取り除こうとしている。これまでは、アプリがGoogle Playから追ん出されたとき、説明へのリンクが示されていても、デベロッパーには理由がよく分からないことが多かった。

そしてデベロッパーがヘルプや詳しい説明を求めると、そっけない定型文の返事が来るだけだった(AppleのiTunes App Storeでもそれは同じだ)。しかし今度の、ポリシーの施行に関する拡張セクションにより、アプリが拒絶されたときでもデベロッパーはその理由や過程について、十分な理解を得ることができる。

ポリシーの変更

Developer Program Policy Centerのルックスを新しくしたことに加えてGoogleは、いくつかのポリシーを、実際に行われていることに合わせてアップデートした。ポリシーを熟知している長年のデベロッパーでも、それらの変更は知っておいた方がよいだろう。

たとえば、Googleは広告のポリシーをアップデートして、デバイスの機能を損なうようなものなど、不適切な広告を禁じた。また、システムの電源管理機能をバイパスするアプリは、デバイスとネットワークの濫用にあたるとして制限した(たとえばDozeのような機能があるとするアプリを、Marshmallow以外の環境で使うこと)。

さらにGoogleは、ユーザーデータポリシーの一環として、ユーザーからコンタクト情報や電話のデータを集めるようなアプリは、プライバシーポリシーがアプリの要件として適用されることを明らかにした。

ほかにももっと変わったことはあると思うが、それをほじくりだすためには、アップデートされたポリシー全文を精読することが必要だ。

Policy Centerの変化はGoogle Playのユーザーに直接関係がある変化ではなく、あくまでもデベロッパー向けだが、全世界のデベロッパーに対してルールを明確かつ単純化することによってGoogleは、毎月10億のビジターが訪れるアプリストアのアプリケーションのクォリティーを上げようとしている。

新しいポリシーセンターはすでにローンチしており、変更に対するフィードバックが求められている

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Googleの”マテリアルデザイン”はすべてのAndroidデバイスのアプリを統一する

Androidオペレーティングシステムの最新バージョンLollipopのリリースにより、Androidアプリ上のユーザインタフェイスの新しいデザイン方針である”material design”(マテリアルデザイン)の本格的な普及も始まる。

Googleがこのデザインを初めて発表したのは今年の夏だが、先月(10月)の本誌の記事では、Googleがその日発表したマテリアルデザインの詳細を紹介している。全体としては明るくて強い色が強調され、アニメーションや対話的機能の動きは、現実世界における物の動きをそのまま再現しようとしている。

今回、Androidのデザイン担当VPのMatias DuarteとデザイナーのNicholas Jitkoffに取材したが、話はマテリアルデザインの詳細よりも、それらを支える思想の話が多くなった。

まずJitkoffの説明では、目標は、Googleのすべてのプラットホームで共通的に使われるデザインシステムを作ることだった。同じデザインをスマートフォンアプリにもラップトップPCのアプリケーションにも使えて、どちらにも使いづらさなどがないこと。すなわち“エレガントなスケーラビリティ”が目標だ。Jitkoffによると、画面が大きくなるといろんなものを詰め込みたくなるものだが、マテリアルデザインでは、そういうことをしなくても大型画面上で十分サマになることを目指した。

さきほど、現実世界の物の動き、と言ったが、DuarteとJitkoffが見せてくれた写真では、本物の紙製のオブジェクトのようなものを、このデザイン方針の下(もと)で使っている(トップの写真)。ただしマテリアルデザインの方針は、現実世界でできない/起きないことをやってはいけない、とは言っていない。この取材の席では、期待していたskeuomorphismスキューモーフィズム)は見られなかったが。

“現実の世界には、マテリアルデザインのデザイン要素のようにスケールしたり形を変えたりするものはない”、とDuarteは語る。そこで目標は、画面の中に独自の世界があることをユーザに認識してもらうことだ。そしてその世界の中では、オブジェクトが現実世界の物とほぼ同じように、動いたりするのだ。

DuarteとJitkoffは、マテリアルデザインに基づいて改作された既存のサードパーティアプリケーションについて話してくれたが、でもほかの企業でも、デザイナーたちは、そうやってマテリアルデザイン的な物理モデルを作る/作らされることになるのだろうか。Jitkoffは、それは一度限りの実験だった、とは言うが。

Duarteによると、マテリアルデザインはGoogleがほかの企業に強制するルールではない。“ルールなら、それを強制するための方法が必要だが、Googleにはそんなものはない”(罰則などはない)、と彼は言う。むしろGoogleのガイドラインや技術的枠組みは、“いちばんやりやすい方法”を示唆しているだけだ。

ただしGoogleが作る今後のアプリケーション/アプリは、すべてマテリアルデザインになるだろう。最近話題になったGoogleの新しいメールアプリInboxも、その例だ。

“社内的には鞭を入れている”が、しかしそれでも、全社的徹底には時間を要する。なにぶんにもまだ、スタートしたばかりのプロジェクトだ。

詳細は、Googleのこのブログ記事にある。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Chrome OSの画面が‘Material Design’的になるとどうなるか、というプレビューが登場

Googleのユーザインタフェイス部品はそのうちすべて’Material Design‘ふうになり、Android LやChrome OSも、この徹底的なビジュアルのオーバホールから免れることはない。 9to5Googleによると、Googleの”Happiness Evangelist”(幸せのエヴァンジェリスト)François Beaufortisが今日(米国時間7/18)ポストしたプレビューには、Material DesignをベースにしてアップデートされるGoogleのモバイルOS、Android Lでお目見えした、カード状のマルチタスク画面らしき、きわめて初期的なデザインが見られる。

この新しいルックスは、まだラフスケッチ的ではあるが、GoogleのそのほかのMaterial Designの画像とはっきり似ており、Chromium OSのプレリリースビルドとしてならすでに可利用であり、怖いもの知らずの何でも試したいタイプの人は、その上で今後のアップデートをリアルタイムで目撃することもできる。

このルックスがおもしろいのは、GoogleのそのほかのMaterial Design努力に似ているだけでなく、AppleのTime Machineや、MicrosoftがWindows 7で導入したスタック的(積み重ね的)なマルチタスク画面にも似ていることだ。こういうカード的なレイアウトのマルチウィンドウは前からあるが、それが今後はGoogleのあらゆるUIを支配するのだ。ただしもちろん今はテストの段階だから、Chrome OSの最終リリースではかなり変わっているかもしれない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Google I/O:デザインでもAppleに対抗へ―ユニバーサル・デザイン言語、Material Design発表

Googleは昨日(米国時間6/26)のGoogle I/Oカンファレンスで、Material Designという新しいユニバーサル・デザイン言語を発表した。これは次世代のAndroid OS、“L”シリーズの重要な部分となる。Googleによれば、このデザインは「モバイル、タブレット、デスクトップ、そしてそれ以上」のデバイスに統一的なルックアンドフィールを与えるという。

「われわれは、ピクセルが色だけでなく奥行きも持っていたらどうなるか想像してみた。また状況に応じてテクスチャーを変えられるような素材があったらどうだろうと考えてみた。これがMaterial Designを開発するきっかけになった」とAndroid OSのユーザー体験の責任者、Matias Durateは語った。

新デザインにはシステムフォント、Robotoのアップデート版、大胆なカラースキーム、滑らかなアニメーションなども含まれている。

DurateはI/Oキーノートで概要を説明したが、詳細はgoogle.com/designで公開されている。Googleのプラットフォームで開発を行うデベロッパーはすべてこのフレームワークを利用することを求められる。これによってアプリは作動するデバイスを問わずすべて統一感のあるルックアンドフィールを持つことになる。この役割はAppleがMacとiOSのデベロッパーに課しているガイドラインに似ている。

Google自身が率先してこの新デザインを用い、モバイルとデスクトップの双方でGmailやカレンダーなどフラグシップ・アプリのアップデートに取り組んでいる。先月、Gmaiの開発中の新デザインが一部のブログでリークされたことを覚えている読者もいるだろう。シンプルでクリアなあのデザインがMaterial Designを用いたものだった。

オープンソースのフレームワーク、Polymer去年のGoogle I/Oで登場したが、今回もデベロッパーがMaterial Designと共に利用すべきツールとして紹介された。Polymerは 対話性に優れたウェブサイトを素早く構築できるプロトタイピング・ツールで、カスタマイズ可能なさまざまなエレメントがライブラリーとして用意されている。GoogleがQuantum Paperというコードネームで準備している包括的なデザインのアップデートについてはわれわれもこの記事で詳しく紹介している。

Google Designのウェブサイトによれば、Material Designの目的は以下のようなものだ。

  • 古典的なビジュアルなグッドデザインとテクノロジーのイノベーションを統合する
  • プラットフォームの種類、デバイスのサイズにかかわらず統一的なUIシステムを構築する。モバイル対応はもっとも重要な要素だが、タッチ、音声、マウス、キーボードなども主要入力手段して包含される。

Googleは新デザイン「紙とインクのデザインの優れた前例を参考としながら最新のテクノロジーを応用し、想像力を働かせて魔法に近づける」ものだとしている。

Material Designの各要素は「印刷ベースのタイポグラフィーの伝統に従い、慎重に計算されたカラースキーム、画面をいっぱいの裁ち落としの画像、多様なフォント、意図的に残された空白などを用い、ユーザーに強い印象を与える没入的な視覚インターフェイスを構築する」のだという。

もう一つの重要な要素はアニメーションだが、Googleはその利用にあたっては、「アニメーションは適切な場面ではっきりした意味を持つように用いられ、ユーザーの注意を引きつけ、ストーリーの連続性を確保するために役立てられる」べきだとしている。

Appleは以前からデベロッパーに対して厳格なデザインガイドラインを課し、消費者にAppleは優れたデザインを提供するというイメージを強く植え付けるのに成功している。今後GoogleはAppleとデザインの品質でも競争していこうとするのだろう。

Appleは逆にクラウドなどGoogleの優勢な分野の強化を図っている。情報源によればGoogleは自分たちのインフラ面での優勢よりAppleのデザイン面での優勢の方が大きいのではないかと考えてこうしたAppleの動きに神経を尖らせているという。Material DesignでGoogleがデザインの抜本的改良に乗り出した背景にはこういう事情もありそうだ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+