クラウド稟議・ワークフローを手がけるkickflowがSmartHRからMBOにより独立、約2億円をシード調達

クラウド稟議・ワークフローを手がけるkickflowがSmartHRからMBOにより独立、約2億円をシード調達

クラウド型稟議・決裁ツール「kickflow」を提供するkickflowは10月21日、SmartHRからのMBO(マネジメント・バイアウト)実施、またシードラウンドにおいて第三者割当増資による約2億円の資金調達を発表した。引受先は、Headline Asia、mint、GREE Ventures。なお、今回のMBOによる運営メンバー・提供サービスに変更はなく、同日、これまでベータ版として提供していたkickflowの正式リリースも明らかにした。

同社によると、SmartHR経営陣と成長戦略を議論する中で、経営・資本政策について両社の考えに相違が見つかったため、両社による合意のもとでMBO実施に至ったという。

調達した資金は、ソフトウェアエンジニアやセールス・カスタマーサクセスを主軸とする人材採用、機能開発・サービス連携、顧客獲得の加速に対する投資にあてられる。クラウドによる稟議やワークフローにおける「フォーム(帳票)や承認経路」「組織と権限」「外部連携(API)」といった企業が抱える課題の解決を推進し、業務フローの効率化と経営スピードの向上に一層貢献したいという。

昨年5月にベータ版としてリリースされたkickflowは、企業特有の組織図や承認経路、社内ルールにあわせた柔軟な設定が可能なクラウド型稟議・ワークフローツール。300社以上のヒアリング調査をもとに開発されており、中規模から大企業、上場企業を中心に利用が進んでいるそうだ。

クラウド稟議・ワークフローを手がけるkickflowがSmartHRからMBOにより独立、約2億円をシード調達

HRテックのEDGEが約1.5億円を調達してMBO完了、社員の価値観を可視化する新サービスも提供開始

左から3人目がEDGEの佐原資寛代表

HRテックのスタートアップEDGEは4月20日、第三者割当増資で9600万円とりそな銀行から融資6000万円を合わせ総額1億5600万円の資金調達を行い、人事課題解決に特化した「エアリーシリーズ」を提供する旧EDGEの株式65%超を取得したと発表した。同日付でEDGEは旧EDGEを合併し、経営陣が自らの会社を買収するMBO(マネジメント・バイアウト)の手続きをすべて完了した。

今後、EDGEは既存事業はもちろん、社員の価値観などを見える化する「エアリーマネジメントクラウド」と、1on1ミーテイングの質を高める「エアリーフィードバッククラウド」の新事業に力を入れていく。なお、引受先はエアトリ取締役会長の大石崇徳氏、PCIソリューションズ、インサイト、Legaseedとなる。

昨今のコロナ禍によって、企業における働き方は大きく変わり、マネジメントや組織開発の難しさが顕著になっている。旧EDGEは2017年4月にHRテクノロジー「エアリー」を主力事業として創業して以来、社内SNSを活用した組織内コミュニケーション支援事業を展開してきた。

コロナ禍の状況を踏まえ、これまでよりスピード感を持ち、課題解決策を提供していくため、MBOに踏み切ったという。旧EDGEの筆頭株主だったガイアックスは引き続き株主として一部の株式を保有する。

「エアリーマネジメントクラウド」でより適正なマネジメントを

社員1人ひとりに重点を置く診断

エアリーマネジメントクラウドは、発達心理学などをベースにした診断から、社員の価値観や幸福度を可視化して組織課題を改善するサービスとなる。今回の発表に合わせ、4月20日からサービス提供を始めた。

働き方改革などが進む中、社員のキャリアや働き方に対する価値観や考えを把握する重要性が増している。ただ、EDGEが取引先に行ったヒアリングによると、上司と部下間で信頼関係の構築が上手くいっていないケースが多かったという。コロナ禍により対面でコミュニケーションを取る機会が減ったことで、上司は以前にも増して社員の思いを汲むことが難しくなった。

エアリーマネジメントクラウドでは、これまでの組織診断ツールとは異なり、平均値ではなく社員1人ひとりの状態を把握することに重点を置いた。社員には自身の価値観に関する50個程度の質問をウェブ上で受けてもらい、意識構造のどの階層にいるかを診断する。

客観的な診断結果からマネジメントができる

同社は「価値観は意識構造に関連しているので、その意識構造では何に価値を感じ、どのような思考をするかを診断結果から提示できます。また幸福度については、目の前の仕事に没頭しているかなどの短期的な満足度と、未来の理想像に近づいている実感があるかという中長期的な満足度も計測し、総合的にスコア化しています」と説明した。

上司はこれらの情報を、社員の個別フォローや目標設定、適正配属などの決定に活用していく。客観的な診断結果から判断できることで、より適正なマネジメントを行えるようになるのだ。EDGEは2021年中に、100社へのサービス導入を目指す。

1on1ミーティングの質を高める「エアリーフィードバッククラウド」

音声分析により感情を可視化

エアリーフィードバッククラウドは音声分析から上司と部下の感情の推移を可視化して把握し、理想的な1on1の実施を支援するサービスだ。

近年、社員の生産性向上や人財育成の観点から、上司と社員が定期的に1対1でミーティングを行う1on1が注目されている。ただ「部下とどのように個別に話をすればいいのかわからない」「価値観や考えを引き出すことができない」といったノウハウ不足などの理由から、1on1導入に踏み切れない企業も多い。

このため、EDGEは2020年からエアリーフィードバッククラウドのベータ版を提供して質の高い1on1の特徴を分析してきたが、2021年5月初旬を目途に製品版をリリースする。製品版ではベータ版の分析を元に、上司が1on1を振り返って改善し「互いに本音をぶつけあうことができる」といった心理的安全性の高い状態を実現できるようになるという。

製品版リリース時には、上司と部下間における発話割合の測定機能を実装する予定だ。これにより、上司が1on1中に一方的に話すことなどを防ぎ、部下の意見もしっかりと引き出せるようにしていく。

また、音声分析から感情の推移を把握した後、相手にどのような印象を与えているかを客観的に評価してフィードバックする機能も追加する予定だ。この他、1on1開始時と終了時で、部下の活気スコアが増えているかなどを分析し、ポジティブな方向に導けているかをフィードバックする機能なども加えていくという。なお、この2つの機能の実装時期は現時点で未定となっている。

カテゴリー:HRテック
タグ:EDGEMBO日本資金調達買収

画像クレジット:EDGE