Amazonが悪徳業者追放のためビデオ会議で出店業者の身元確認をテスト

Amazonは2020年4月26日、ビデオ会議を使って出店業者の身元確認を行う新システムのテストを開始すると発表した。この方法は、自社プラットフォーム上の詐欺対策として出店者の身元確認を行うAmazonの一連の取り組みの中のひとつだ。これにより2019年には250万件の怪しい業者によるAmazonでの製品販売を阻止できたと、同社は主張している。

2020年の初め、Amazonは実際の面接で出店業者の確認を行うテストを開始した。だが、新型コロナウイルスの大流行と社会的距離の確保要請のために、2月からリアルタイムのビデオ会議に切り替えたという。

この試験プログラムは現在、米国、イギリス、中国、日本の市場で実施されている。今日までに、1000件を超える出店業者がこの試験的な審査によるアカウント登録に臨んだと、Amazonは話している。

出店業者の審査では、Amazonの担当チームがビデオ会議を立ち上げ、個人IDが本人と一致するか、提出された申請書の内容が正しいかを確認する。またAmazonでは、第三者の情報源を使った追加確認も行う。さらにこのビデオ会議では、業者の登録に関して問題があればそれを伝え、解決法の指導にも利用される。

「Amazonは、誠実な起業家が滞りなく販売アカウントを開設し事業が始められるよう、出店業者のエクスペリエンス向上に努めると同時に、悪徳業者のブロックも積極的に行っています」と、Amazonの広報担当者は今回の新しい取り組みについて述べた。「私たちは社会的距離の確保を実施しているため、出店を望む業者の確認をビデオ会議で可能にする方法を試しています。この試験運用により、私たちは出店を望む業者と個別につながることができると同時に、不正な業者はますます隠しごとがしにくくなります」とのことだ。

ビデオ会議に加え、独自の機械学習システムを使用して、出店前の業者の確認を行うとも同社は話している。このシステムは、数百種類ものデータポイントを分析して潜在的リスクを特定する。例えば以前にAmazonから排除されたアカウントとのつながりはないか、などだ。さらに承認までの間に、熟練の調査員による申請書類の審査が行われる。

だがこの出店業者の確認は、Amazonが行ってきた詐欺対策の1つに過ぎない。

業者が偽商品を売りまくり消費者をだますという深刻な問題は、オンライン通販サイト全体を悩ませ続けているNike(ナイキ)Birkenstock(ビルケンシュトック)のように、そこまで苦労してAmazonで販売する意味はないと判断した業者もある。

詐欺問題を避けているとして、Amazonはずっと以前から非難されてきたのだが、つい最近になって数十億ドル(数千億円)を投じてこの問題に対処することを誓った。不正な販売業者や偽商品の販売業者を相手取り、法廷闘争にも打って出た。

例えば2018年にはファッションデザイナーのVera Bradley(ヴェラ・ブラッドリー)と、モバイルアクセサリーのメーカーOtterbox(オッターボックス)と共同で、偽商品に関する3つの訴訟を起こしている偽レビューを購入している出店業者と、偽レビュー産業に携わる業者に対しても訴えを起こした。

2019年にAmazonは、Project Zero(プロジェクト・ゼロ)の展開を発表し、Amazonの詐欺との戦いを支援する数々のツールのブランドへの提供も行っている。ブランドはロゴ、登録商標、その他の重要なデータをAmazonに任意で提供すると、それを使ってAmazonは、販売されている無数の製品から偽物と疑わしき商品を、より積極的に抽出できるようになる。

もうひとつのツールにシリアライゼーションがある。製造段階で各製品に一意のコードを与え、後にそのコードをスキャンすれば正規品だと確認できるというものだ。「トランスパレンシー(透明性)」と名付けられたこのツールは、2019年夏にヨーロッパ、カナダ、インドの市場にも拡大された

しかしこうした初期の取り組みと違うのは、出店業者の確認は一旦販売リストに掲載された後の商品の削除や、不正商品の消費者への発送を止めるだけではない点だ。そもそも、販売リストに掲載される不正商品を減らそうという試みなのだ。

画像クレジット:Beata Zawrzel / NurPhoto / Getty Images

[原文へ]
(翻訳:金井哲夫)

Google PayのPayPal統合がオンライン販売業者に拡張

GoogleとPayPalは、これまでも戦略的パートナーだった。両社は2017年にPayPalがAndroid Payの決済方法になると発表した。Android PayはのちにGoogle Payになった。昨年、Google Payの決済方法にPayPalを加えたユーザーは、Google PayのPayPalオプションでGmailやYouTube、Google PlayなどのサービスやGoogle Storeでの買い物に支払えるようになった。そしてこれからは、ウェブサイトやモバイルアプリでGoogle Payを受け入れているオンラインの販売業者が、同様の統合を享受できることになった。

Googleの説明によると、何億もの顧客がすでに自分のGoogleアカウントに決済方法を保存している。2018年の統合により、その一部はPayPalだ。

統合の今回の拡大により、オンラインの販売業者はGoogle Payの統合の設定の中でPayPalを決済方法に指定できる。彼らのWebサイトでGoogle Payがすでに実装されていれば、とても簡単なことだ。許される決済方法のリストを、下図のように一部書き換えるだけだ。

そうすると今後は、Google Payを使って支払いをするオンラインの買い物客は、PayPalを選んで決済できる。

この統合によりGoogle PayからPayPalを使おうとする消費者がいちいちPayPalにサインインしなくてもよくなり、チェックアウトまでにやるべきことが相当減る。そして、便利になればコンバージョンも増える。PayPalのPurchase ProtectionReturn Shippingにもアクセスできる。

オンラインの販売業者がPayPalを利用しているとき、顧客がGoogle PayからPayPalを選べば、その販売業者のPayPal Business Accountには数分後にお金が入る。

PayPalがかつてのコンペティターだったAppleやGoogleを受け入れるようになったのは、数年前からだ。それは今でも続いており、ますます多くのテクノロジープラットホームがそのサービスを統合している。

PayPalがライバルのVisaMastercardAppleGoogleSamsungWalmartなどとの提携を始めたのは、小売店のPOS(Point-of-Sale)と、人気のあるモバイルウォレット(Apple、Google、Samsungなど)の両方で利用者を増やしたいからだ。今日ではこれらのモバイルウォレットの中でPayPalは、他の決済カード–クレジットカードやデビットカードなど–と共存している。

販売業者は支払い方法をなるべく多様化したいから、自分でデジタルウォレットプラットホームのサポートを加えるが、いわばPayPalはそれにただ乗りしてやってくるのだ。

Google PayのPayPalオプションは、顧客がPayPalのアカウントをGoogle Payにリンクできる24の国で利用できる。

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

PayPal、 iPadベースのPOSレジのメーカーRevel Systemsと提携して現実店舗への進出に意欲

今日(米国時間10/14)、PayPalはiPadベースのPOSシステムのメーカーRevel Systemsと提携し、店頭POSレジ分野への参入をさらに一歩進めた。Revel Systemsは対前年比400%もの成長を記録しており、Dairy Queen、Goodwill、Popeyeなどの大手チェーン店をクライアントとしている。これまでPayPalはPOS分野に関して、最近独自ハードウェアのBeaconデバイスをローンチしたが、急成長を続けるSquareなどのライバルに対して内製の独自ハード、ソフトだけでは不十分だと気づいたもようだ。

この数ヶ月、PayPalはいくつかのPOSレジのメーカーと提携して既存システムにPayPalを追加させることに成功している。その中でも影響が大きいのは今年始めに発表されたNCRとの提携で、レストラン、駅、コンビニなどで広く利用されている老舗メーカーのレジ・システムでPayPalによる支払いができるようになった。

しかし今回のRevel Systemsこれまでとは異なる分野の支払いシステム分野で急成長している。Revelこの夏、シリーズBのラウンドで1010万ドルの資金を調達している。投資家はHungry JackのCEOで元McDonaldの東南アジア担当上級副社長、Tim Tigheと連続起業家のSean Tomlinsonだ。

Revelは2012年12月当時、TechCrunchの取材に対して「われわれはすでに黒字化を達成している。今回の投資はもっぱら成長を加速するために利用される」と説明した。

Revelは2010年でサンフランシスコで創立され、レストラン、食料品店など各種店舗を中心iPadベースのPOSレジ・システムを販売している。単に売上処理だけでなく、給与管理、在庫管理、顧客管理などのサービスも提供している。先月はアラバマ州立大学と契約を結び、iPadベースのポスレジをフットボール競技場の30箇所の売店に設置した。

Revelとの提携によってPayPalは多様な現実店舗での支払業務に進出する重要な足がかかりを得たことになる。PayPalは最近いくつかの有名ブランドのチェーン店と契約して、アメリカ中、何千箇所もの目立つ場所でPayPalによる支払いを行えるようになった。また最近スタートしたPayment CodeはユーザーのスマートフォンにQRコードを生成し、店舗側のスキャナーで読み込むというユニークな支払テクノロジーだ。

Revelは現在、サンフランシスコ、サンノゼなどに100人人の社員がおり、年商30万ドル以上のクライアントが2000社ある。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+

jp.techcrunch.com/achve