米国の州検事総長がTikTokとSnapに対して他社製ペアレンタルコントロールアプリに対応するよう要望

TikTok(ティックトック)とSnapchat(スナップチャット)にはペアレンタルコントロールの強化が必要だとする書面に、44人の州検事総長が署名した。

米国時間3月29日、全米検事総長協会(NAAG)は10代の間で広く使われているTikTokとSnapchatに対し、一連の懸念を書面で送った。

州検事総長のグループはソーシャルメディアアプリに関して、広い意味で子どもの身体、感情、精神の健康に与える悪影響などさまざまな問題点を挙げている。虐待的な性的関係を表現したコンテンツは子どもの健全な関係に対する考え方を著しく傷つけることがあり、家庭内虐待や人身売買の継続を助長する恐れもあると指摘している。そして書面では、TikTokとSnapchatが他社製ペアレンタルコントロールアプリと効果的に連携して保護者がプラットフォーム上での子どもの行動を監視し制限することに努めていないと強調している。

NAAGはBarkというアプリの調査を引き合いに出した。2021年に30種類のアプリで34億通のメッセージを分析したところ、10代の74.6%が自傷や自殺の状況に関わり、90.73%がオンラインでヌードや性的コンテンツに接し、93.31%がドラッグやアルコールについて話したという。

書面では「ペアレンタルコントロールアプリは保護者や学校に対し、プラットフォーム上のメッセージや投稿が有害で危険な恐れがあることを警告します。子どもが自傷や自殺の願望を示した場合にも保護者に警告できます」と述べられている。

Snapchatにはすでにアプリ内のペアレンタルコントロール機能があり、TikTokにもあるが、州検事総長のグループはプラットフォームに対し他社製ペアレンタルコントロールアプリとの互換性を高めるように要望している。ただし、特定のプロダクトは推奨していない。州検事総長のグループは、ペアレンタルコントロールアプリはプライベートなメッセージなどアプリに内蔵のペアレンタルコントロールでは監視していないソーシャルメディアアプリの機能にもアクセスできることに言及している。さらに他社製アプリは、アプリのメインのフィードに表示されるユーザー生成コンテンツのフィルタリング機能も優れているとしている。

ただし、他社のコントロールアプリには子どもを監視する方法に関して独自の問題がある。

TikTokとSnapchatにはペアレンタルコントロール機能があるが、競合のInstagram(インスタグラム)にはなかった。ソーシャルメディアが10代のメンタルヘルスに与える影響に関する一連の上院公聴会の後、Meta(メタ)はようやくInstagramにペアレンタルコントロールの導入を開始した。

しかしペアレンタルコントロールの有無に関わらず、こうしたプラットフォーム上での10代の安全について米国政府は今も懸念を持っている。バイデン大統領は一般教書演説でソーシャルメディアが10代のメンタルヘルスに与える脅威に言及した。この一般教書演説にはFacebook(フェイスブック)の元従業員で内部告発をしたFrances Haugen(フランセス・ハウゲン)氏がゲストとして参加していた。

10代の間ではInstagramよりTikTokの方が人気があり、Instagramはそれに負けじとTikTokによく似たリールに投資している。しかしTikTokは急速に成長してソーシャルアプリとして地位を守っているため、Metaは自社の存在感を維持するために驚きの行動に出た。The Washington Postが米国時間3月30日に報じたところによると、Metaは共和党系コンサルティング企業のTargeted Victoryを使ってTikTokに対する大衆の反感をあおったという。Targeted Victoryが危険なクチコミトレンドがTikTokで始まったと主張して世論に影響を与えようとしたが、それは実際にはFacebookで始まったものだったというケースもあった。TechCrunchも2018年に、FacebookがTargeted Victoryと組んでFacebookプラットフォームの政治広告費に影響を及ぼす法案の進行を遅らせようとしたことを報じた

Targeted VictoryのCEOであるZac Moffatt(ザック・モファット)氏は声明で「Targeted Victoryの企業活動ではクライアントに代わって両党のチームに対応しています。我々が数年間にわたってMetaと協力しているのは広く知られていることで、我々はこれまでの仕事を誇りに思っています」と述べた。

いずれにしても、アプリを10代にとって安全なものにするためにペアレンタルコントロールにできることは限られている。アプリそのものが、危険なコンテンツを10代に提供しないように努めなくてはならない。

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

原文へ

(文:Amanda Silberling、翻訳:Kaori Koyama)

WhatsAppでは毎日70億回のボイスメッセージが送信されている

インドではスマートフォンユーザーの大半がMeta傘下のWhatsAppを使っている。私も多用している。しかし私は誰かにボイスメッセージを送ったことはただの一度もない。ところが、他の人々は送っているのだ。

米国時間3月30日、WhatsAppは毎日平均で70億回、ボイスメッセージが送信されていると発表した。テキストではなくエンド・ツー・エンドで暗号化されているボイスノートでのコミュニケーションは「表現力豊かな会話」ができるので人気があると、同社は述べた。

同社は「感情や興奮を声で伝えるのは、テキストで伝えるよりも自然なことです」と述べている。20億人以上が同社のサービスを利用し、毎日1000億回以上のメッセージが送信されている(最新の数字ではあるが、2020年のものだ)。

注目すべき、そしてとんでもないことのように思える勢いでボイスメッセージの利用が増えているのは、必ずしも驚きではない。例えば多くの新興市場では、新規スマートフォンユーザーは文字入力よりも音声を好む傾向があることがわかっている(WhatsAppは各国にわたるボイスメッセージの利用状況について見解を述べていない)。

今回の節目の数字にあたり、WhatsAppはボイスノート機能に多くの新機能と改善を加えた。これにはボイスノートの録音を一時停止して後で再開する機能や、録音を最大2倍速で聴くオプションなどがある。

今回の変更点は以下のとおり。

  • チャット外での再生:チャットから離れてボイスメッセージを聴けるので、特定のチャットウインドウを開いたままにしなくてもマルチタスクで他のことができる
  • 録音の一時停止と再開:ボイスメッセージを録音する際に、一時停止し、準備ができたら再開する
  • 波形の表示:ボイスメッセージの音を視覚化する
  • 録音の確認:ボイスメッセージを送信する前に聴くことができる
  • 再生箇所の保持:ボイスメッセージを聴いているときに一時停止すると、チャットに戻って一時停止した箇所から再生を再開できる
  • 転送メッセージの早送り再生:通常のメッセージでも転送されたメッセージでも、ボイスメッセージを1.5倍速または2倍速で再生できる

画像クレジット:Kirill Kudryavtsev / AFP / Getty Images

原文へ

(文:Manish Singh、翻訳:Kaori Koyama)

TikTokが新しい動画作成ツール「TikTok Library」でGIFのコレクションを提供するGIPHYと提携

TikTokは米国時間3月29日、新しいアプリ内作成ツール「TikTok Library」を発表した。クリエイターがエンターテインメントコンテンツにアクセスしたり、トレンドに参加したりしやすくなることを期待している。当初は、GIPHY Clips(ジーフィークリップス)と呼ばれる音声付きGIFのコレクションなど、GIPHY(ジーフィー)から厳選されたコンテンツがライブラリに掲載される予定だ。時間の経過とともに、TikTokは追加のコンテンツソース、オーディオやサウンド、テキストテンプレート、その他のTikTokクリエイターのコンテンツでライブラリを拡張するとしている。

ただし同社は、そうした取り組みのために将来的にどのようなパートナーと提携するのかについては言及を避けた。

2019年にGIPHY Videoとして開始された今日のGIPHY Clipsは、テレビや映画のスタジオ、ゲームメーカー、レコードレーベル、スポーツリーグ、ニュースメディアなどのエンターテインメントパートナーが、GIPHYのプラットフォーム上で適切にライセンスされたコンテンツを共有するための手段だ。この機能は時間とともに拡大し、音声付きGIF(短編動画としても知られている)を活用してGIPHYの数億人のデイリーアクティブユーザーにリーチしたいと考える何千ものコンテンツメーカーが参加するようになった。これらのGIPHY Clipsは、GIPHYの開発者向けツールセットであるGIPHY SDKを介して、ウェブ上のリンク、メッセージングアプリ内、Slackなどの職場用ツール、その他のサードパーティアプリケーション内のどこでも共有することが可能だ。

画像クレジット:TikTok

TikTokによると、さし当たってはリアクション、引用、人物、アイコニック・モーメントといったGIPHY Clipsのカテゴリーをサポートする。

リアクションは、誰かの生の感情をとらえたGIFで、引用は著名人の印象的なキャッチフレーズや格言だ。人物は、有名人やスポーツ選手などファンを抱える人に特化したカテゴリーだ。そしてアイコニック・モーメントは、スポーツの名プレーや授賞式のスピーチなど、大きなイベントでの忘れられない瞬間だ(おそらく、私たちが3月27日にアカデミー賞授賞式で目撃したものなど)。

TikTokへの統合には、GIPHYの幅広いライブラリからの数百万のGIFに加えて、数万のGIPHY Clipsライブラリの一部が含まれると同社の広報担当者は述べた。

TikTokはすでにソーシャルビデオアプリで多くのクリエイティブツールを提供しているが、クリエイターの自己表現をサポートする新しい方法を探し続けているという。そこで、GIPHYとの統合が実現した。

この機能を使うには、TikTokのユーザーはアプリのカメラ画面の垂直サイドバーにある新しい「ライブラリ」アイコンをタップする。ライブラリに入ると、トレンドのコンテンツをスクロールしたり、検索バーを使ってより具体的なものを探したりすることができる。使いたいコンテンツを選んだら、好きな長さにクリップし、撮影画面に戻って動画の撮影を続けることができる。

画像クレジット:TikTok

TikTokによると、ライブラリ機能はまずAndroidの一部のマーケットで展開され、iOSでは来週、そして今後数週間で世界中のより多くのTikTokユーザーへと拡大される予定だ。

もちろん、Facebook(フェイスブック)の最大の脅威の1つとなっているTikTokが、Facebookがかつて4億ドル(約490億円)で買収した会社のコンテンツを活用して短編動画アプリを改良しているという皮肉もそこにはある。しかし、Facebook、現在のMeta(メタ)は英国の競争市場庁(CMA)が反競争的との視点で買収取引を調査したため、GIPHYを完全に統合することを阻止されている。CMAは2021年11月、MetaにGIPHYを売却するよう求める判断をした。Metaは現在、その判決を不服として控訴している。しかし、もしMetaがGIPHYを完全に自社に統合することが許されていたら、このようなTikTokの統合は進んでいたのだろうかと思わざるを得ない。

公平を期して言えば、これはTikTokにとって初めてのGIPHY統合ではない。TikTokは以前、Green ScreenでStickersGIFsを立ち上げた。しかし、GIPHYの動画を活用するのは今回が初めてだ。

TikTokはGIPHY統合をより広範な機能の始まりにすぎないとしているが、考えられる将来のパートナーについての詳細がないため、この追加はまだ初期段階のようだ。「TikTok Library」と呼ぶことで、単純なGIPHY SDKの統合よりもずっと興味深いものに聞こえる。

さらに、この機能がより完全なものになる前にLibraryを発表することで、TikTokは今週末のアカデミー賞授賞式とそれに付随するハイライトや修羅場といった最新のポップカルチャー・モーメントの勢いにすばやく乗ることができ、これらはすでに数百万回試聴されたTikTokビデオに組み込まれている。

画像クレジット:Nur Photo / Getty Images

原文へ

(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

Pinterestがクリエイター向けファンドへの投資を大幅に追加

競合各社がクリエイターに熱を上げる中、Pinterest(ピンタレスト)は米国時間3月28日、Creator Fundへの当初の投資を大幅に増やし、まだ評価を得ていないクリエイター層に対し現金での支援、広告のクレジット、その他のリソースとして追加で120万ドル(約1億4800万円)を投じると発表した。同社は2021年に50万ドル(約6200万円)のCreator Fundを開始すること、および新しいコンテンツポリシーとクリエイター向けツールを発表していた。ただ、Pinterestが投資を増やしクリエイターとの関わりを強化するものの、Meta(メタ)やYouTube(ユーチューブ)、TikTok(ティックトック)、Snap(スナップ)といったソーシャル大手の大がかりな取り組みに比べると、その規模はまだ小さい。

Pinterestは2021年4月にCreator Fundを発表し、同年秋には米国でクリエイターの報酬としてさらに2000万ドル(約24億6000万円)を投じると発表した。この報酬は「チャレンジ」への参加に対してクリエイターに直接支払われる。ただしこの取り組みはCreator Fundの一環ではないとされている。同社は、Creator Fundは資金と教育の両方のリソースを提供して、まだ評価を得ていない層のクリエイターを支援することに特化していると説明している(TechCrunchの問い合わせに対し、同社は新たに投資する120万ドル[約1億4800万円]のうちどの程度を現金で支援するのかについて明らかにしなかった)。

PinterestはCreator Fundの拡張にともない、四半期ごとに5週間のサイクルをコンテンツのテーマを変えてクリエイターに提供する。テーマはファッションとビューティー、ウェルネス、ライフスタイルとホーム、フードが予定されている。2022年の4サイクルのうち最初のサイクルではファッションとビューティーを取り上げ、このサイクルでは初のブランドパートナーとしてL’Oréal USA(ロレアルUSA)の後援を受ける。Creator Fundの参加者はPinterestが提供するトレーニングを受けられる他、L’Oréal USAから美容業界のインサイトとこの分野における専門家のサポートも提供される。参加するクリエイターは現在募集中だ。

Creator Fundの参加者は、現金での支援と広告クレジット、機材の提供を受け、さらにブランドパートナーになるチャンスやクリエイター向けカンファレンスへの参加、さらにPinterestのプロダクトをいち早く目にする機会もあると同社は述べている。

当初のファンド、そして以前に発表された2000万ドル(約24億6000万円)の報酬よりも大幅に増額されたが、それでもクリエイターに対するPinterestの取り組みは競合に遅れをとっている。

比較のために挙げると、TikTokは2020年に独自のクリエイターファンドを2億ドル(約246億円)で立ち上げたが、向こう3年間で10億ドル(約1230億円)以上にまで拡大するとしている。Metaも10億ドル(約1230億円)のクリエイター向けボーナスプログラムを発表した。YouTubeはTikTokへの対抗策としてYouTubeショートのクリエイター向けとして2021年に1億ドル(約123億円)のファンドを発表したが、過去3年間で合計300億ドル(約3兆6900億円)を超えるクリエイターへの幅広い投資を喧伝している。そしてSnapも最近、TikTokに似たSpotlightのクリエイターに対し、2021年に2億5000万ドル(約307億5000万円)を支払ったと述べた。

これらに対し、Pinterestはクリエイターに対する取り組みを始めたばかりだ。この1年間ほど、同社はそのプラットフォームをインスピレーションやアイデア、販売のための画像のピンボードから、動画や動画に関連する収益化の取り組みを通じてクリエイターのコミュニティに資するものにシフトしようと試みている。2021年5月にはクリエイター向け動画ファースト機能でTikTokとストーリーをミックスしたような「アイデアピン」を正式に発表した。Pinterestユーザーは、BGMやトランジション、さまざまなインタラクティブ要素など他のソーシャルプラットフォームと似たツールでクリエイティブなコンテンツを録画し、編集できる。しかしTikTokの動画とは異なり、Pinterestのアイデアピンは、例えばクリエイターがレシピやDIYの製作過程などを共有するページといった動画以外のコンテンツも組み合わせられるようになっている。

2021年秋にPinterestは、ビデオのピンを簡単にスクロールできる「Watch」タブをアプリに追加した。この取り組みがどの程度効果を上げているかは、今のところ明らかにされていない。The Informationは最近、PinterestはオンラインショッピングプラットフォームのVerishopを買収しようとしたが、Pinterestが買収されると取り沙汰される中で決断は先延ばしになったと報じた。Verishopは買収に乗り気ではなかった。

Pinterestによれば、同社Creator Fundプログラムを修了した参加者は平均で60%フォロワーが増えたという。しかし比較の基準がないので、クリエイターの実際の成果やもっと広い意味でのPinterestへの影響はなかなか理解できない。

Pinterestは、2022年後半には米国以外にもCreator Fundを拡大する計画であるとしている。

画像クレジット:Pinterest

原文へ

(文:Sarah Perez、翻訳:Kaori Koyama)

EUと米国、無効にされたプライバシーシールドに代わるデータ移転協定に基本合意

欧州連合(EU)は、大西洋を横断するデータの移転に関する協定の復活について、米国と基本合意に達したと発表した。2020年7月にEU・米国間の「プライバシーシールド」を無効とする画期的な判決が出た後、クラウドサービスを悩ませた何カ月にも及ぶ法的不確実性に終止符を打つ可能性を示している。

欧州委員会のUrsula von der Leyen(ウルズラ・フォン・デア・ライエン)委員長は現地時間3月25日、Joe Biden(ジョー・バイデン)米国大統領との共同記者会見で「我々は大西洋を越えるデータの移転に関する新たな枠組みについて、基本的合意を見出した」と述べた。

「これにより、プライバシーと市民の自由を守りながら、EUと米国の間で予見可能で信頼できるデータの移転が可能になる」と述べた。

EU・米国間のデータ移転に漂う法的不確実性はここ数カ月で、欧州のデータ保護機関がGoogle Analytics、Google Fonts、Stripeなどの製品を経由する個人データの移転を阻止する命令を出す事態を引き起こした。

Facebookの主要EU規制当局も、複数年にわたって同社のEU・米国間のデータの移転に苦情を言い、そして同社が2020年秋の予備的停止命令に対する法的措置に疲れ果てた後、先月ようやく改訂された決定草案をMeta(メタ)に送付した。

SNSの巨人は、まだ実際にEUと米国のデータ移転を停止するよう命じられてはいない。そして、プライバシーシールドの原則合意時と同様に、米国との政治的合意が成立した現在、データ移転の執行を停止することにEUの規制当局が同意すれば、EUと米国の新しいデータ移転協定が最終合意して採用されるまで、何カ月間でも執行停止の猶予期間を設けることができ、この弾丸は完全にかわすことができる。

これは、先の執行を遅らせようとしたMetaが望んでいたことであることは間違いないだろう。

EUと米国が原則的に合意した内容の詳細や、まったく異なる方向性を持つ2つの法体系の間の溝を両者がどのように埋めたのかについては明らかではない。そして、この協定の持続可能性はまさにその細部に左右されるため、今日の発表から政治的ジェスチャー以上のものを得ることはほとんどない。

EUと米国のデータ移転をめぐる不確実性は、実際は2020年よりも前にさかのぼる。「セーフハーバー」と呼ばれる、より長い歴史を持つ先の協定は、EUのプライバシー権と米国の監視法の間の同じ核心的な衝突をめぐって、2015年に欧州の最高裁判所によって無効とされた。

このような動きは、EU市民のデータが米国に流れる際にその権利が適切に保護されることを保証する上で、代替となる協定がどれだけ強固なものであるかを試す新たな法的課題という困難な見通しに直面することを意味する。

「安全保障とプライバシーやデータ保護の権利のバランスを取ることができた」と、フォン・デア・ライエン委員長はさまざまな件についての記者会見の中で短い言葉で示唆した。また、同委員長は今回の合意について「バランスがとれており、効果的だ」という表現を用いたが、実際に何が決まったのか具体的な内容は示さなかった。

欧州委員会は、プライバシーシールド(およびセーフハーバー)に関して、裁判所がまったく異なる見解を示すまでは非常に似たようなことを言っていた。なので、完全かつ最終的な評価は、EUの委員や米国の関係者が行うことではなく、またできないことを理解することが重要だ。

欧州司法裁判所だけが介入できる。

プライバシーを専門とする弁護士で、大西洋を横断するデータ移転取引(通称シュレムスIとシュレムスII)を無効にしたことでその名を知られるようになった運動家のMax Schrems(マックス・シュレムス)氏は、すぐに懐疑的な意見を述べた。

フォン・デア・ライエン委員長の発表を受けて、シュレムス氏は次のようにツイートした。「特にある点で、またプライバシー・シールドが行われるようです。法律や基本的権利よりも政治が優先されています」。

「これは過去に2回失敗しています。私たちが聞いたのは、別の『パッチワーク』アプローチで、米国側には実質的な改革はありません。詳細を待つことにしましょう。しかし私は、それが再び失敗する方に賭けます」。

シュレムス氏は、プライバシーシールドを豚の口紅と呼んだことで有名であるが、それは正しい。したがって、内容に対する同氏の評価は、それが明らかになったとき、間違いなく欧州委員会の評価よりも重みを持つことになる。

シュレムス氏はまた、自身のプライバシー擁護のための非営利団体noybを通じて、EU法の要件を満たさない新しい協定は、民事訴訟と仮処分によって「数カ月のうちに」欧州司法裁判所に差し戻すことができるだろうとも述べている。

「最終文書が届いたら、米国の法律専門家とともに徹底的に分析します。もし、EUの法律に沿っていないのであれば、私たちか他のグループが異議を唱えることになるでしょう。最終的には、司法裁判所が3度目の判断を下すことになります。最終決定から数カ月以内に裁判所に戻されるものと思われます」と声明で指摘し「EUと米国がこの状況を利用して、同じ考えを持つ民主主義国家間で基本保証をともなう『スパイ禁止』の合意に至らなかったことは残念です。顧客や企業は、さらに何年も法的不確実性に直面することになります」と述べた。

データ移転協定がまたもや復活したというニュースに対するテック業界の反応は、予想通り好意的なものだった。

Metaとともに実行可能な妥協点を見出すよう、ここ数カ月間強く求めてきたGoogle(グーグル)はこの発表をすぐに歓迎した。

同社の広報担当者は、声明の中で次のように語っている。

「人々は、世界のどこからでもデジタルサービスを利用できることを望み、国境を越えて通信する際に自分の情報が安全に保護されていることを知りたいと願っています。新しい枠組みに合意し、大西洋を越えたデータ移転を保護するためのEUと米国の作業を賞賛します」

プライバシーシールドの代替案を強く求めて活動してきたCCIAテック産業協会も、今日の発表を「良いニュースだ」と歓迎した。しかし、CCIAのディレクターAlexandre Roure(アレクサンダー・ルル)氏は、今後導入される産業用機器や接続機器のデータ再利用に関するEUの規則について、新たな「データ制限」を導入することになるとして、わずかに不快感を示すコメントを発表した。

画像クレジット:Suebsiri / Getty Images

原文へ

(文:Natasha Lomas、翻訳:Nariko Mizoguchi

ロシアがMetaを過激派認定、FacebookとInstagramを禁止する一方WhatsAppは除外

ロシアがMetaを過激派認定、FacebookとInstagramを禁止する一方WhatsAppは除外

NurPhoto via Getty Images

モスクワの裁判所が3月21日(現地時間)、米Metaが過激派活動の罪を犯していると認定しました。同社のFacebookとInstagramは、すでにロシアでの活動が禁止されていますが、裁判所がそれを追認した形です。ただし、ロシア国内で人気の高いメッセージングサービスWhatsAppは、除外されるとのこと。これはWhatsAppが広く情報を普及させる能力を有していないからだとする裁判所のコメントをReutersが伝えています。

米Metaは、通常は攻撃的な内容として削除対象となる「ロシアの侵略者に対する攻撃(死)」に関する投稿を許可するという規約変更を行っており、ロシア当局はこれへの対応としてFacebookとInstagramをブロックしていました。

ロシア国営メディアのTASSによると、今回の判決により、Metaはロシアでのオフィス開設やビジネスが事実上禁止されるとのこと。ただし、そのサービスを利用している一般ユーザーがただちに過激派として非難されることはないとも伝えています。ただし、人権活動家のPavel Chikov氏は、ウェブサイトや店の入り口、名刺などにFacebookやInstagramのロゴを記載すると、最大15日間の禁固刑の根拠になり得ると指摘しています。

また、対象外とされたWhatsAppですが、デジタル著作権グループであるロシアの非政府組織RoskomsvobodaのSarkis Darbinyan氏は、WhatsAppはロシアで人気があり、政府や国営企業も利用しているために放置された可能性があるものの、一度に閉鎖するのではなく徐々に閉鎖しようとしているのかもしれないと述べています。とはいえ、ユーザーは徐々に離れているようで、ここ数週間でロシア内で最も利用されているメッセージングツールから転落、その座をTelegramに明け渡したとのことです。

(Source:ReutersEngadget日本版より転載)

Meta、企業が広告の掲載場所をコントロールできる新ツールのテストを2022年後半から開始

Facebook(フェイスブック)から社名を変更したMeta(メタ)は、FacebookとInstagram(インスタグラム)のフィードに表示される広告の位置を、広告主がコントロールできるようにする新しいコンテンツツールのテストを開始すると発表した。このツールを使うことで、企業は自社の広告が、政治、悲劇、暴力に関する投稿など、不適切なコンテンツの隣に表示されるのを防ぐことができるようになる。

同社は2022年後半から、この新しいコンテンツコントロールのテストを開始し、2023年初頭より正式に展開を計画している。Metaによると、テスト段階では主に英語圏の市場に注力するとのこと。2023年中に、ストーリー、ビデオフィード、Instagramのエクスプローラーページなどに設置される広告のコントロールを拡大していき、最終的には他の言語にも展開する予定だ。

「広告主が広告を表示する場所をコントロールできるように、Meta全体で適合性コントロール機能を開発しています」と、Metaはこの発表に関するブログ記事に書いている。「私たちは以前、広告がブランドの好みに合わないコンテンツに隣接して表示されるという広告主の懸念に対処するため、コンテンツベースの適合性コントロールを構築するという取り組みを発表しました。我々はGARM(Global Alliance for Responsible Media、責任あるメディアのための世界的同盟)と緊密に協力しながら、GARM Suitability Framework(GARM適合性フレームワーク)に沿ったこれらのコントロールを開発しています」。

Metaは、企業がブランドの適合性を測定できるプラットフォームのZefr(ゼファー)と提携し、Facebookに表示される広告のコンテクストを監視・報告することも発表。広告が適切なコンテンツの隣にのみ表示されるように検証していく。MetaとZefrは、2022年の第3四半期に小規模なテストの開始を予定している。

この新ツールは、広告が好ましくないコンテンツに隣接して表示されないように、広告掲載の管理強化を繰り返し求めてきた広告主からの高まる要望に応えるものだ。

同社はこれまでも、こうした懸念に対応するための取り組みを進めてきた。

2021年11月、Metaは英語で広告を掲載している広告主に対して、ニュースフィードのコントロールを拡大し「トピック除外コントロール」を利用できるようにすると発表した。このトピックとは「ニュースと政治」「社会問題」「犯罪と悲劇」の3つで、広告主がこれらのトピックのいずれかを選択すると、最近これらのトピックに関わった人には広告が表示されないようになる。Metaは当時、このツールでは広告主の抱えるすべての懸念に対応できない可能性があることは認識していると述べ、将来的にはコンテンツベースのコントロールを開発すると約束していた。

Facebookのアルゴリズムは、扇動的なコンテンツや危険な誤報を助長することで悪評が高い。そのため、Metaにはプラットフォームを浄化し、その方法をより透明化するように求める規制当局からの圧力が強まっている。現代のニュースサイクルやオンライン広告の状況では、ブランドが不適切なコンテンツの隣に広告を表示されてしまうことを避けるのは難しい。ほとんどの企業は、広告を作成してMetaの広告オークションに送信するというやり方で広告を購入しているため、広告の配置をコントロールする手段がなかった。これから導入される新しいツールは、そんな状況を変えてくれるはずだ。

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

原文へ

(文:Aisha Malik、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

ウクライナのゼレンスキー大統領が降伏するフェイク動画をMetaが削除

ウクライナ大統領Volodymyr Zelensky(ウォロディミル・ゼレンスキー)氏が軍に降伏を命じているフェイクビデオを、Metaは米国時間3月16日に削除した。動画は、ロシアによる隣国ウクライナへの残忍な侵攻と並行して行われている情報戦争において警戒を要する最新の出来事だが、以前からウクライナ政府とソーシャルメディア企業が予期瞬間でもある。

MetaのセキュリティポリシーのトップであるNathaniel Gleicher(ナサニエル・グレイチャー)氏の説明によると、そのコンテンツは「操作されたメディア」に対する規則を破っているため削除された。マルチメディアによる偽情報の形式の1つで、公人が実際には口にしていないことを言ってるように編集した動画で表現されている。

このビデオは、誤解を招く操作されたメディアに対する、弊社のポリシーに違反しているため迅速に検討して削除し、他のプラットフォームの同僚たちにも通知した。

この誤解を招く動画のMetaによる削除はかなり早かったが、ロシア版FacebookであるVKontakte上ではすでに広まっているようだとAtlantic Councilのデジタル犯罪捜査研究所はいう。同研究所はさらに、Telegramのロシア寄りチャンネルが3月16日にゼレンスキー氏が国の降伏を呼びかけているディープフェイクを掲載したともいう。

国営テレビネットワークのUkraine 24も、ニュース表示が3月16日に同じ目的でハックされたと報じている。その表示は、Zelenskyからと称するメッセージがウクライナ国民に、ロシアの侵略軍への抵抗をやめるよう呼びかけている。

ロシアのハイブリッド戦争が始動。Ukraine 24のテレビチャンネルがハックされた。ニュース表示がゼレンスキー大統領の偽の降伏宣言を表示されるようになった。@ZelenskyyUaはすでにこのフェイクに反論して、彼が武器を置けと要求できるのはロシア軍に対してだけだと述べている。

ウクライナの大統領はすばやくその偽情報を否定して、侵攻の開始以来ゼレンスキー氏のコミュニケーションのスタイルとなったセルフィービデオで、Telegram上でメッセージした。

2022年3月初めにウクライナの戦略的コミュニケーションセンターが、ロシアは変造したビデオを使って侵攻の一般大衆の受け止め方を歪曲するかもしれないと警告した。そのセンターはウクライナ政府の文化情報政策省に属し「外部の脅威、中でも特にロシア連邦の情報攻撃を阻止する」ことに注力している。

同センターは3月2日にFacebookページで次のように述べている。「ウォロディミル・ゼレンスキーがテレビで降伏声明を述べているところを、自分が見ていると想像してみよう。姿も見えるし声も聞こえるからそれは事実だが、しかしこれは本当ではない。用心しよう。これはフェイクだ!」。

画像クレジット:Drew Angerer/Getty Images/Bloomberg, Getty Imagesより/Getty Images

原文へ

(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Hiroshi Iwatani)

MetaがVRヘッドセット発売から3年近く経ちようやく基本的な保護者向け管理ツールを追加

Meta(当時はFacebook)が最初にVRヘッドセットをリリースしたのは2019年5月だったが、ここにきてようやくMeta Questに保護者向け管理ツールを追加する。

Metaは2021年に驚きのリブランドをして以来、VRへの投資は社名変更の価値があったことを証明しようとしていると注目されている。しかし米国政府の最上層部が安全性を重要視する中で、Metaはさまざまな保護者向け管理ツールを公開することで子どもたちにとってより安全なプラットフォームにしようと取り組んでいる。

Meta Quest 2は2021年の年末商戦で販売数を大きく伸ばし、クリスマス後の2週間でOculus Questのモバイルアプリはおよそ200万回ダウンロードされたと推計される。しかしMetaのヘッドセットが普及するにつれ、ペアレンタルコントロール機能の欠如が問題視されるようになった。英国個人情報保護監督機関はこのヘッドセットがオンラインでの子どもの安全規定に違反している恐れがあるとして圧力を強めている。

画像クレジット:Meta

現在、Questヘッドセットではデバイスへのアクセスに関してパスコードなどのロック解除パターンを設定することができる。Metaによれば、4月にこの機能を拡張して特定のアプリに適用できるようにするという。つまり、保護者が共有使用しているヘッドセットで子どもに特定のゲームをプレイさせたくないなら、そのアプリ専用のロック解除コードを設定できるようになる。

同社は5月には、IARC(International Age Rating Coalition、国際年齢評価連合)がその年齢層には不適切とみなしたアプリを10代がダウンロードできないように自動でブロックする機能を追加する予定だ(QuestのプロフィールがFacebookアカウントと関連づけられて年齢が判断される)。ティーンが保護者のログイン情報と関連づけられているアカウントを使用している場合は、この保護機能は動作しないかもしれない。

今後数カ月かけて、MetaはQuestのペアレンタルコントロールを強化していく方針だ。Oculusのモバイルアプリで保護者はペアレントダッシュボードにアクセスし、このダッシュボードで子どものアカウントとリンクする。

Metaはさらに、ツールや保護者向けリソースを集めたファミリーセンター公開した。

画像クレジット:Meta

Metaはブログ記事でアカウントのリンクに関し「プロセスを開始するのはティーンで、保護者とティーンの双方がエクスペリエンスに同意する必要があります」と記している。

モバイルアプリにVR管理ツールを含めるのは、VRヘッドセットよりもモバイルアプリの操作に慣れている保護者にとってはスマートな方法だ。保護者はこのモバイルダッシュボードでティーンのアカウントに対し、例えば全年代向けアプリのダウンロードを事前に承認するというようにレーティングをもとに子どもがダウンロード可能なアプリを管理できる。ティーンが有料アプリを購入したい時に、保護者はそのリクエストを承認または拒否する設定もある。ウェブブラウザや、ヘッドセットをPCのVRゲームに接続するLinkアプリといった特定のアプリを子どもが利用できないようにブロックする機能もある。さらに、保護者が子どものスクリーンタイム、フレンドリスト、ダウンロード済みアプリを見ることもできる。

Questヘッドセットは13歳以上のユーザーを対象にしているが、もちろん13歳未満の子どもも必然的にバーチャルリアリティを利用するようになるだろう。ただし13歳以上のティーンであっても、MetaのソーシャルVRアプリである「Horizon Worlds」や「Horizon Venues」など一部のアプリには年齢制限がかけられている。

「Horizon Worlds」のウェルカムプラザだけは人間のモデレーターがいるが、モデレーターはメタバースでのセルフィーの撮り方に関する質問をするユーザーのサポートに忙しいようだ。

「Horizon Worlds」はすでにコンテンツモデレーションシステムの不備を悪用されている。BuzzFeedによれば、Qアノンの陰謀説のようなFacebookやInstagramで禁止されているコンテンツが満載のテスト用のワールドを作っても、Metaのコンテンツモデレーションシステムはガイドラインに違反していないと判断したという。このプラットフォームでセクハラや痴漢行為に遭ったと報告しているユーザーもいる。この種のハラスメントは残念ながらテキストベースのウェブのフォーラムでも起きるが、没入型の不慣れなバーチャルワールドではことさら強烈に感じられることもあるだろう。これまでMetaはこうした行為を抑制するための試みとして、オプションで他人との距離を一定以上に保つ個人境界機能を導入した。

TechCrunchはMetaに対し、多くのユーザーがすでに子どもたちがこのプラットフォームをうろついていると報告し、Quest Storeのアプリのレビューでは行儀の悪い子どもたちにつきまとわれたという苦情が散見されることから、18歳未満のユーザーが「Horizon Worlds」などのアプリを利用できないようにする方法についてコメントを求めた。

Metaの担当者はTechCrunchに対し「現時点では長いジャーニーの第一歩を踏み出したところであり、今後さらにオプションを増やしていく予定です」と述べた。Metaはアプリごとのロック解除パターンは解決策としてあり得るとしているが、これは保護者に知識と予見があれば18歳以上向けのプラットフォームを子どもが使えないようにするだけのものだ。Metaは「保護者とティーンが当社のプラットフォームに対して何を必要としているかをさらに把握しながら、保護者向け管理ツールの機能を引き続き開発し拡張していきます」と述べた。

結局のところ、ペアレンタルコントロールは保護者とティーンがそれをきちんと使って初めて効果を発揮する。しかし、こうしたガードレールの設置はMetaにできる最低限のことだ。

画像クレジット:Meta / Facebook

原文へ

(文:Amanda Silberling、翻訳:Kaori Koyama)

おや、TikTokにFacebookが現れた

Facebook(フェイスブック)はTikTok(ティックトック)で何をしているのだろう?競合の偵察?TikTokの人気スター、Charli(チャーリー・ダミリオ)にメッセージを送る?ベータテスターのリクルート?広告を買うの?きっと直にわかるだろう。FacebookはTikTokのアカウントを作成し、動画をまだ1本も投稿していないのに本記事英語版執筆時点ですでに1万5100人(日本語版翻訳時点では1万8600人)のフォロワーを集めているのだから。このアカウントはTikTokが認証済みで、Facebookもこれが本物であることを認めている。

ソーシャルメディアコンサルタントのMatt Navarra(マット・ナバラ)氏が数日前にFacebookのTikTok(妙な言い方ですが)を発見した。

このアカウントは認証済みであることを示す青いチェックマークをすでに獲得している。しかしコンテンツはなく、プロフィールも「We believe people can do more together, than alone.(一緒ならもっと多くのことができると信じています、1人よりも。)」とコンマも含めてなんだか不思議な感じで、これが本当にFacebookのアカウントなのかどうかと疑ってしまう。しかも、このアカウントのプロフィールに書かれているリンク先はFacebookのアプリだ。Facebookのウェブサイトでも、何らかの公式なコミュニケーションチャネルでもない。

それに、FacebookはMetaになったはずでは?

どういうことかというと、FacebookはすでにTwitter.com/Facebookを非公開にしている。Instagram.com/Facebookは存在せず、Instagram.com/Metaとなっている。

しかしFacebook、ではなくてMetaは、TechCrunchに対しTikTokのアカウントは本物であると述べた。

Metaの広報は「ブランドは、当社のソーシャルメディアプラットフォームも含め、さまざまなチャネルを活用して日々自社の製品やサービスを利用する人々に対しリーチし、エンゲージします。ブランドのプレゼンスを確立しTikTokなどのプラットフォーム上でコミュニティを育てようとする当社の意図も同じです」と述べた。

画像クレジット:FacebookのTikTok

最近、Facebookは直前の四半期でアクティブユーザー数が横ばいとなり、さらに注目すべきことに1日のアクティブユーザーが初の減少と転じたと報じられた。このことから、FacebookはTikTok(とその広告プラットフォーム)を活用してZ世代のユーザーベースを強化したいと考えている可能性はある。

大手ブランドがマーケティングやコミュニケーションにさまざまなチャネルを使うのは確かにその通りだが、Facebookが最近TikTokについて重大な競争上の脅威であるとしばしば言及していることを考えれば、FacebookがTikTokに現れたのはちょっと奇妙だ。

Metaの2021年第4四半期決算発表でCEOのMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏は投資家に対し、こうした点を繰り返し語った。

同氏は「人々が時間を使う選択肢はたくさんあり、TikTokなどのアプリは急速に成長しています」と述べた。そして「TikTokはすでに巨大な競合であり、極めて大きな基盤からさらに急速な成長を続けています」とも述べた。

MetaはTikTokでの計画に対し、どのようなコンテンツを準備しているのか、このアカウントに広告を掲載するのかどうかなど、詳しい情報を明らかにしなかった(でも何か見かけたら筆者にメッセージをください!)。

TikTok上にあるMetaのブランドはFacebookだけではない。Instagram(インスタグラム)が広告を掲載し、Instagram Creatorsも最近アカウントを開設したようだ。

当面、私たちの気持ちとしてはこんな感じ……。

@angiebhandal

#howdoyoudofellowkids #30rock #stevebusemi #meme

♬ original sound – Angie B

画像クレジット:NurPhoto / Contributor / Getty Images

原文へ

(文:Sarah Perez、翻訳:Kaori Koyama)

マーク・ザッカーバーグ氏、InstagramにNFTを近々導入すると発言

Meta(メタ)は、メタバースの中で暗号資産をマイニングして欲しいと思っている。

SXSWで行われた対談で、Mark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏が、Instagram(インスタグラム)にNFT(非代替性トークン)を「近いうちに」導入する予定であることを明らかにした。MetaのCEOで創業者のザッカーバーグ氏は詳細について多くを語らなかったが、Instagramのチームが技術的な課題を解決すれば、アプリにNFTを統合することが可能になると示唆した。

ザッカーバーグ氏はShark Tank(シャーク・タンク)のDaymond John(デイモンド・ジョン)氏との対談で「近いうちにNFTをInstagramに導入することに取り組んでいます」と述べた。「今日ここでは、正確な発表はできませんが、今後数カ月の間に、お手持ちのNFTを取り込めるようにして、できれば環境の中でNFTの鋳造(ミント)もできるようにしたいと思っています」。

2021年12月には、Instagramの責任者であるAdam Mosseri(アダム・モッセリ)氏が、より多くの人々にこの技術を提供することを目標に、NFTを「積極的に探求」していることを認めていた。モッセリ氏はInstagramのストーリーで「私たちが遊べるおもしろい場所だと思うし、できればクリエイターを助けたいのです」と語っている。

計画はすでに始まっていた。2021年の夏、Instagramは「Creator Week」(クリエイターウィーク)という招待制のバーチャルサミットを開催したが、その招待状にはイベントが「NFTクリエイターのためのプライベートイベント」だと書かれていたのだ。

InstagramのNFTへの関心は、親会社であるMetaの、デジタル商品で満たされ利益を生み出す、相互接続された仮想世界の大きなビジョンと一致している。ザッカーバーグ氏は「Metaverse(メタバース)でアバターが着ている服がNFTとしてマイニングされ、異なる場所へ持ち運べるようになればいいと思います」と語った。

今回のNFTの計画は、Metaの計画を追ってきた人たちにとっては、それほど大きな変化ではないが、この技術を嫌うクリエイターにとっては、この統合は大いなる悩みのタネになるだろう。

Twitterは2022年初めに、プレミアムユーザーがNFTプロフィール写真を使えるようにした。この統合はMetaが今回示唆したものよりも簡単なものだ。しかしJack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏の暗号資産宣伝と、Twitter上での既存NFTコミュニティの間では、そのNFT機能はInstagramのものよりも親しみを持たれているだろう。

また、Metaがこれまで提供した暗号世界での実績は、控えめ目に言っても不完全だ。中央銀行や規制当局の逆風にさらされた同社は、独自の暗号資産に関する壮大な計画を縮小し、業界を揺るがすイノベーションという当初の宣言とは似ても似つかぬものにした。

関連記事
YouTubeがNFT導入を検討中、CEOが書簡で示唆
Twitter Blue利用者はNFTをプロフィール写真として使用可能に
フェイスブックが「Meta」に社名変更、メタバースを中核事業に

画像クレジット:Alexander Koerner/Getty Images/Getty Images

原文へ

(文:Taylor Hatmaker、翻訳:sako)

メタバースの内と外で生まれるビジネスは「インターネット」の進化をなぞる?

今、国内ではメタバースが熱い。「Oculus」(現在は、ブランド名が「Meta」に変更されている)が2018年から販売しているスタンドアロンVRゴーグルのおかげで、高価なPCや接続に関する複雑な知識なしに、メタバースの世界に入れるようになったからだ。また、マスメディアで報道されるようになったことも要因だろう。

早くからメタバース(当初はVRと呼ばれていたが)に着目し、今やメタバースに住んでいると言っても過言ではないShiftallのCEO岩佐琢磨氏は、自社でメタバース関連のアイテムを開発している。

そんなメタバース界の当事者である岩佐氏には、メタバースの楽しさや、他国との温度感の差、メタバース内での生活を快適にするアイテムなどについて聞いてきた。3回目となる今回は、メタバースとそれにまつわる今後のビジネスなどについて話を伺った。

関連記事
自らもメタバースの住人で専用デバイスも開発、Shiftall岩佐氏に聞く「メタバース周りの現状」
ヘビーユーザーだからこそ生まれたメタバースでの時間をリッチにするShiftallの新製品

メタバースでの滞在時間が長くなることで生まれる新ビジネス

人は実生活において、住まいの居心地を良くしたり、人に会うときには好印象を持ってもらうためきれいな身なりをするように心がけるものだ。そのために、より快適な家を求めたり、家具を買ったりするし、美容院に行く、流行の服を買うといった消費が発生する。

同様に、メタバース内で生活する人が増えれば、その空間(ワールド)や自分(アバター)をより良いものにしたいというニーズが生まれ、そこにビジネスも生まれる発生する。

「すでに、経済活動が行われています」と岩佐氏はいう。「例えばアバター作家といった職業も誕生しています。しかもそのビジネスは国境を超えたものです。現在、日本のメタバースシーンで人気を博しているアバターは、日本だけでなく韓国のクリエイターによるものも多いです。現在のところ、まだメタバースに足を踏み入れている人の数は決して多くはありませんが、今後、その人数は増えていくでしょう。自分を表現するアバターはとても大切なものです。そこで1つ5000円のアバターでも購入されることは十分に考えられます。それを全世界規模で、例えば100万人が買うようになったらかなりの経済規模になります」。

また、ワールドにはもっとビジネスチャンスがありそうだ。

「今後、ホームページを持つように企業はそれぞれワールドを持つようになるかもしれません。またイベントを開催するときなどに特設ページを用意するように、企業がメタバースでイベントを行う際、そのイベントごとにコンセプトや雰囲気が違うワールドが必要になると思います」と岩佐氏はいう。

それはたとえば人気コミックを販売している出版社が、昔の日本を舞台にした作品と海を舞台にした作品でそれぞれイベントを行いたいと考えた場合、それぞれのイメージに合った会場を用意するのと似ている。

「今後、ホームページ以上に多様なワールドが必要とされ、作られていくのではないかと思います。そのため、ワールドを作ることができる人へのニーズが高まり、経済が回っていく日は遠くないでしょう」と岩佐氏は語る。

このようにメタバース内でのビジネスで暮らして人たちが登場する時期はまったくわからないというが、すでにアバタービジネスをグループで行っている人たちが出始めていることから「数万人から数十万人規模の人が、メタバースの世界の中で作ったもので生活できるようになるのには、そう長い時間がかからないのではないか」と岩佐氏は予測している。

NFTがメタバース内のビジネスとして成り立たない理由

また「メタバース」と同じく新しい技術としてNFTも注目を集めている。ブロックチェーン技術を使ったNFTなどのサービスは、デジタルで作られたもう1つの世界であるメタバースと親和性が高いのではないかと漠然と考えていた。

しかし、岩佐氏は「NFT×メタバースは現時点ではあまり相性が良くない」とバッサリ否定する。それぞれのユーザーと事業者がお互いに異質な存在になっているというのがその理由だ。

「NFTで売買したデータ、それ自体はいくらでもコピーできます。ただ、NFTであればその正当な所有権が誰にあるのか、というトランザクションの履歴をチェーンの上に保存でき、それを改ざんできないという特性があるだけです」という。

つまり、NFTアートを購入した場合、買った本人は権利を持っているということで自尊心が満たされ、さらにその権利を売って儲けることもできるだけだともいえる。

「メタバースの中で大切なことは、絵の所有権ではなく絵そのもの。ワールドにそれを飾ることに価値があるのです。すばらしい絵が飾られているすばらしい空間があることに意味があります」と岩佐氏は語る。飾る絵を選び、用意することが重要なのだ。NFTアートである必要はないのだ。

また、現在のところVRChatを提供しているプラットフォームSteamは、暗号資産やNFTを全面的に禁止している。これは余計なトラブルを避けるためのルールでもあるのだろうが、暗号資産、NFTがメタバースで現状、その成長に必要なものではない、ユーザーに強く求められているものではないということでもあるだろう。

求められるであろうガジェット

メタバースを巡るビジネスは、その中だけのものにとどまらない。

例えば前回の記事で紹介した、メタバース内での生活をより快適にするためのガジェットとしてShiftallはヘッドマウントディスプレイ「MeganeX」や、自分の動きを自在にトラッキングしてくれる「HaritoraX」、また仮想空間の温度をリアルに感じられるようにするウェアラブルデバイス「Pebble Feel」を開発、提供する。

メタバースを楽しむために開発されたアイテム。左上から時計回りに「MeganeX」、音漏れを防ぐBluetoothマイク「mutalk」「Pebble Feel』

「ヘッドマウントディスプレイ、コントローラー、トラッキングデバイスが、現時点でのハードウェア3大デバイスでしょう」と岩佐氏。「ただ、今後はもっとさまざまな分野のものが増えてくると考えている」と語る。

「CES 2022 では、メタバース内で触れられたときに、その触覚を感じるスーツのようなものが発表されていました。そうしたハプティクススーツとHaritraXのようなトラッキングデバイスがセットになったようなものが出てくるかもしれません。

現時点では、ヘッドセットの下に表情をセンシングするフェイシャルトラッカーデバイスを装着して現実の表情とアバターの表情を同期させている人もいます。デバイスの形状や種類は、どんどん変化していくのではないでしょうか」(岩佐氏)

そのような中で、VRChatがOpenSound Control(以下、OSC)という新しいプロトコルに対応したことが発表された。OSCは、オーディオ機器と音楽パフォーマンス向けのコントローラーを接続するためのプロトコルだが、その他の機器との接続にも利用可能でアイデア次第でこれまでなかった機器をメタバースの世界につなげることができる。

「例えば、脈波センサーを付けて、脈拍が上がったら、アバターの顔を赤くする、現実世界の室温が25℃を超えたらアバターが上着を脱ぐ。逆に、アバターが靴を脱ぐ操作をしたら、エアコンの温度を2℃下げるなど現実世界側を操作することも可能になります」と岩佐氏。

VRChatがOSCに対応したことで、脈波センサーを付けて、脈拍が上がったらアバターの顔を赤くするといったことも可能になる

また、コミニケーションをとる上で壁となる言語についても、OSCを使ってText to Speachで話す、外部ツールに話す内容をいったん投げて翻訳させるといったこともすでにできるようになる。とはいえ「まだまだ翻訳ツールには改善の余地があるため、言語ごとに人が集まっているのが現状。時間の経過とともに解決されるのではと期待している」とのこと。

電子工作が得意な人たちが、すでにさまざま操作を個人的にテストしているが、今後、それらのアイデアが製品化することも十分考えられる。

Metaをはじめとするテック企業が新しいビジネスのフィールドとして新サービスをスタートさせることも多いが、まだまだ始まったばかりの「メタバース」。今後、その体験を現実のものに近づける(もしくは現実では不可能なことを可能にする)新たなガジェットや新サービスが発表されていくだろう。

現在、私たちの周りに当たり前のように存在するインターネットと同様に、メタバースももっと身近なものになり生活の一部になる可能性は大きい。特にコロナ禍で人と人との距離感が変わった今、遠く離れていても目の前にいるかのように他人とコミュニケーションがとれるメタバースは加速度的に進化していくかもしれない。

そしてそれにともなって、そこで生きる、生活の糧を得る人も生まれてくる。インターネット黎明期、まずそこにアクセスしホームページで情報を公開したり得たりすることだけで興奮していたが、現在そこは、eコマースをはじめとしたビジネスの舞台にもなっている。メタバースでもまた同様のことが起こることが予想される。新しい世界は、また新しい可能性に満ちている。

メタ、南アフリカで独占禁止法違反の疑いで起訴される

Meta(メタ)は、南アフリカの競争規制機関である競争委員会(Competition Commission)が、政府のスタートアップであるGovChatと#LetsTalkが同社のWhatsApp Business APIを使用することを阻止する意図が競争的でないと判断したため、起訴の危機に直面している。

2021年3月から同社に対する不公正行為の申し立てを調査してきた同委員会は、支配的地位の濫用や制限的慣行に関する苦情を裁定する競争審判所(Competition Tribunal)にMeta(旧Facebook)の起訴を付託した。

その付託の中で、規制当局はMetaに「最大ペナルティ」である米国企業の現地での売上高の10%の罰金を払わせるよう勧告している。

同委員会は、Metaが「2020年7月か同時期」に、GovChatと#LetsTalkが同社のWhatsApp Business APIを使用できないようにすると脅したと主張している。さらに、Metaはスタートアップによるデータ使用について不当な制限を課し、Metaの製品と競合する可能性のある新製品やサービスを革新して開発する能力を制限したと付け加えている。

「……WhatsApp Business APIへのアクセスを規定する規約は、GovChatがもたらす潜在的な競争や、Facebookが新しいサービスや製品の開発を可能にするために取得した膨大なデータなどの面でFacebookを保護し、競争から遮断するために設計されています」と規制当局は声明で述べている。

GovChatは、WhatsApp Business APIを使用してリアルタイムのコミュニケーションを促進する市民エンゲージメントプラットフォームとして、南アフリカ政府によって2018年に立ち上げられた。現在、政府のデータによると、870万人のアクティブユーザーを抱え、5億8200万件以上のメッセージを処理している。

GovChatは、道路の穴などの市民問題に関する警告や苦情の発信源となっているほか、新型コロナのパンデミック時の救難支援など、社会保障の申請処理に政府によって利用されてきた。GovChatのプラットフォームを通じて、これまで1330万件以上の申請が提出されている。

今回の送検は、南アフリカを含むアフリカ5カ国の競争監督機関が、アフリカのデジタルプラットフォームの出現と拡大を制限する障害に対する共同行動を促進することなどを議題とする覚書に署名した数日後に行われた。この合意の他の締約国は、エジプト、ケニア、モーリシャス、ナイジェリアである。

MetaはTechCrunchに送った声明の中で「WhatsApp(ワッツアップ)が市場から企業を排除しようとしたり、反競争的行為を行ったことを示す証拠はない」と述べ、一方でGovChatは「当社のオンボーディングプロセスを経ずにWhatsApp APIに組織を登録することにより設定条件に違反した民間企業です。これは、当社サービスの利用を希望するすべての組織に要求されるもので、当社のサービスを誰が利用しているかを把握し、組織が当社のプライバシー保護方針に同意していることを意味します。WhatsAppは、独自のWhatsApp Business APIと世界中のユーザーの利益を守るために、あらゆる合理的な手段を講じる権利を擁護します」と述べている。

また、南アフリカのWhatsApp広報担当者は次のように述べた。「WhatsAppは、信頼できる情報源から重要な情報を人々に提供するのに役立っており、南アフリカ国民と政府をつなぐ役割を担っていることを認識しています。だからこそ、国際的に認められた規制基準を遵守してGovChatと協力し、このサービスを提供したいのです」。

「ですが、GovChatは、国民とその情報を保護するために作られた我々のポリシーに従うことを繰り返し拒否し、国民よりも自らの商業的利益を優先させることを好んでいます。我々は、WhatsAppを悪用から守り、ユーザーを保護し続けます」と広報担当者は述べている。

世界的に見ても、Metaは反競争的な行為の可能性があるとして、さまざまな監視の対象となっている。つい先週、欧州委員会は、MetaとGoogle(グーグル)の間のオンラインディスプレイ広告サービスに関する協定(コードネーム「Jedi Blue」)がEUの競争規則に違反しているかどうかを評価するため、正式な反トラスト調査を開始した。

2018年9月のJedi Blue契約は、MetaのAudience NetworkがGoogleのオンライン広告枠入札プログラム「Open Bidding」に参加できるようにしたもので、この動きは他のアドテクサービスプロバイダーを排除して「オンラインディスプレイ広告の市場における競争を歪め、パブリッシャー、ひいては消費者に不利益を与える可能性がある」と欧州委員会は指摘している。

一方、米連邦取引委員会は、ソーシャルメディア大手のMetaが、約10年前にInstagram(インスタグラム)とWhatsAppを買収するなど、反競争的行為によってSNSの独占を違法に維持しているとして、メタを違法独占で提訴している。

本記事はMetaからのコメントを含め更新された。

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

[原文へ]

(文:Annie Njanja、翻訳:Den Nakano)

Meta、Horizon Worldsでアバターがお互いに約1.2m近づけない機能をオンオフ切り替え可能に

Meta(メタ)の新しいVR空間であるHorizon Worlds(ホライゾンワールド)とVenues(ヴェニュー)で、すでに女性が体を触られたりセクハラを受けたりしているという報告を受け、Facebook(フェイスブック)として知られていた会社は2022年2月、各アバターの周りに半径約60cmの泡を作る新しい「Personal Boundary(パーソナルバウンダリー)」機能を展開した。この機能により、アバターが互いに約1.2m以内に近づくことができなくなった。米国時間3月14日、Metaはこの機能をカスタマイズし、ユーザーがオプションでこの設定をオフにしたり、有効にするタイミングを制御できるようにした。

Horizon Worldsのすべての体験でバウンダリーをデフォルトでオンにする代わりに、すべてのインタラクションでこの設定を有効にするかどうかをユーザーが選択できるようにすると、Metaは発表した。これにより、VRユーザーは、この機能が開始される前の標準的な設定であったように、約1.2mのパーソナルバウンダリーをオフにすることができるようになる。望まないインタラクションを防ぐための小さなパーソナルバウンダリーはまだ存在すると、同社は言っているが、それは、過去にMetaの仮想世界で悪質な業者がレイプのシミュレーションを行うのを防ぐには、十分ではなかったことに注意するべきだ。

またユーザーは、友達以外に対してパーソナルバウンダリーを有効にすることができる。この場合、初対面の人と一緒にいるときは安全機能を有効にし、フレンドリストに載っている人とバーチャルに遊んでいるときはオフにすることができる。また、これまでと同じように、すべての体験でパーソナルバウンダリーを有効にすることもできる。

しかし、Metaによると、友達以外にだけパーソナルバウンダリーをオンにするよう初期設定を調整しており、このことは安全機能を少し後退させていることになる。Horizon Worldsが新しいソーシャルネットワークであることを考えると、人々は、仮想空間で出会った後、現実には知らない他のユーザーと友達になるかもしれない。つまり、ユーザーの友達リストは、そのユーザーが明確に信頼する人のリストとはまったく違うかもしれないのだ。というわけで、ここでも多少の注意が必要だ。

画像クレジット:Meta

Metaは、2月にパーソナルバウンダリー機能を展開した後、コミュニティからのフィードバックに基づいてこの変更を行ったと主張している。同社は、この新しいオプションにより、Horizon Worldsで他のアバターとハイタッチ、ガッツポーズ、自撮りをより簡単に行えるようになると考えている。

また、Metaによると、パーソナルバウンダリーは、2人が初めて会ったときに、より制限の多い設定にデフォルトで変更される。例えば、1人のパーソナルバウンダリーがオフで、もう1人のパーソナルバウンダリーがオンに設定されている場合、プラットフォームは2人の間に1.2mの空間を設定する。そして、ライブイベントのVR体験「Horizon Venues」に参加するすべての人のパーソナルバウンダリーは、およそ1.2mでデフォルトがオンになるようになったという。

この変更についての発表の中で、Metaは、VRのための開発が「もはや固定視点と従来のフラットスクリーンデバイスに制限されない今、我々がコンピューティングの世代で取り組んだ最も難しい挑戦の一部である」ことを代表していると認めている。

この声明は、同社のVR空間における女性を守ることができなかった以前の失敗の責任を、VR世界のための構築は新しいものであり、したがって、いくつかの試行錯誤が含まれるという事に責任逃れしているだけのようにみえる。そもそもMetaがより多くの女性エンジニアやゲーマーの意見を求めていれば、この話題が出なかったとは考えにくい。結局のところ、仮想空間における性的暴行は、他の仮想現実ゲームや、Second Life(セカンドライフ)のようなVRの先駆け、さらにはRoblox(ロブロックス)の子ども向け仮想ゲームでも繰り返し起こっていることなのだ。Metaが新しいVR環境を設計する際に、ビルトインの保護機能を考慮しなかったとは信じられない。また、成長や規模を第一に考え、ユーザーの安全を第二に考えるというFacebookの傾向は、Horizon Worldsのような新しいプロジェクトにも受け継がれていることがわかる。

同社は、パーソナルバウンダリーがVR体験に与える影響についてより多くのことを学びながら、改善を続けていくとしている。

画像クレジット:Meta

原文へ

(文:Sarah Perez、翻訳:Yuta Kaminishi)

ロシア、脅迫どおりInstagramのアクセスをブロック

ロシアは現地時間3月14日、Meta(メタ)傘下のInstagram(インスタグラム)をブロックするという脅迫を実行し、同国のユーザー数千万人へのアクセスを遮断した。

ロシアではInstagramは人気だ。Sensor Towerのデータによると、Metaのアプリの中で、ユビキタスなメッセージングサービスWhatsApp(ワッツアップ)に次いで2番目に人気がある。2014年以降、ロシアのApp StoreとGoogle Playで合わせて1億6600万回インストールされていて、Facebook(フェイスブック)の3倍人気がある。

ロシア政府は48時間の「移行期間」を経てInstagramへのアクセスを制限すると同国の検閲機関Roskomnadzorが発表した後、InstagramのトップAdam Mosseri(アダム・モセリ)氏は同国の8000万人に影響を与えるロシアの行動を非難した。

「ご存知のように、Meta Platforms Inc.は3月11日、同社のソーシャルネットワークFacebookとInstagramにロシア市民に対する暴力の呼びかけを含む情報の投稿を許可するという、前例のない決定を下しました」とRoskomnadzorは3月11日のブログ記事で、Metaがロシア人に対する暴力を助長したと非難している。

ロイターは先週、ロシアのウクライナ侵攻を踏まえてMetaがコンテンツポリシーを密かに調整し、ウクライナ国内でのロシア兵に対する暴力の呼びかけを認めていると報じた

同社のグローバル問題担当のNick Clegg(ニック・クレッグ)社長は、このポリシーの変更を「自衛の表現としての言論に対する人々の権利を守る」ための一時的な変更と位置づけ、これを擁護した

「事実、もし私たちが何の調整もなしに標準的なコンテンツポリシーを適用した場合、私たちは今、侵攻する軍に対する抵抗と怒りを表現する普通のウクライナ人のコンテンツを削除することになり、それは当然受け入れ難いとみなされるでしょう」とクレッグ氏は書いている。

ロシア政府によるInstagramの制限は厳しいように聞こえるが、経験豊富なユーザーはブロックされた同アプリにアクセスするためにVPNとTorを使って自分の位置情報を隠す方法を見つけることができる。Twitter(ツイッター)は先週、ロシアの規制を考慮して独自の検閲回避策を開始し、ユーザーを専用Torバージョンに誘導している。

画像クレジット:Bryce Durbin/TechCrunch

原文へ

(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Nariko Mizoguchi

Meta「Quest 2」VRヘッドセットのフィットネストラッキングがついにApple「ヘルスケア」と連携

FacebookのMeta(メタ)のOculus Quest 2ヘッドセットは、「Beat Saber」や「Supernatural」のようなソフトウェアを使ってカーディオエクササイズをする人々がいるため、ハイテクエクササイズ機器として驚くほど大きなニッチを切り開くことに成功した。しかし、VRヘッドセットのスタンドアローンという特性上、その体験には限界があった。

米国時間3月10日、Metaは、Oculus Moveのワークアウトデータを新しくAppleの「ヘルスケア」と同期させること、さらにOculusモバイルアプリでヘルス統計へのアクセスを提供すると発表した。以前は、活動時間、消費カロリー、ゴール / プログレスを含むヘルスデータは、ヘッドセット内でのみ閲覧可能だった。

Metaは、長年にわたってプライバシーに関する問題で必ずしも好意的に思われていないため、ヘッドセットから電話や「ヘルスケア」アプリへの動作データのエクスポートは厳密にオプトインによるものであり、このデータは広告推奨には使用されないと明記している。

これは同ヘッドセットにとってかなり控えめな(そして長い間待ち望まれていた)アップデートだが、頻繁に使用するユーザーの多くにとっては、ついに自分のデバイスにやってきたことを喜ぶ機能だろう。

最近のConnect基調講演で、Mark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)CEOは、ワークアウトデバイスとしてのQuestの人気を特に強調した。

ザッカーバーグ氏はその際こう述べていた。「みなさんの多くは、すでにQuestを使って健康維持をしていますが、まったく新しい方法でワークアウトをすることができます。Peloton(ペロトン)のようなものですが、自転車の代わりに必要なのはVRヘッドセットだけで、ボクシングのレッスンから剣の戦い、ダンスまで何でもできるのです」。

関連記事:ザッカーバーグ氏がフィットネス機器としての「Quest 2」を紹介、「Pelotonのようなものだ」

原文へ

(文:Lucas Matney、翻訳:Den Nakano)

フェイスブックがグループ管理者向けにコミュニティを管理し誤報を減らすための新ツールを展開

Facebook(フェイスブック)は米国時間3月9日、Facebookグループの管理者がコミュニティを安全に保ち、交流を管理し、誤った情報を減らすための新機能を展開することを発表した。特に注目すべきは、サードパーティチェッカーによって虚偽の情報が含まれていることが確認された投稿を、管理者が自動的に拒否できるオプションが追加されたことだ。Facebookは、この新しいツールにより、管理者がグループ内での偽情報の拡散を防ぐことができるとしている。

同社はまた「ミュート」機能を拡張して「サスペンド(一時停止)」に更新し、管理者が参加者の投稿、コメント、リアクション、グループチャットへの参加などを一時的に停止できるようにする。この新機能は、管理者がグループ内の交流を管理しやすくし、悪質な参加者を制限することを目的としている。

画像クレジット:Meta

さらに、メンバーへの質問に回答したかどうかなど、管理者が設定した特定の条件に基づいて、メンバーのグループ参加リクエストを自動的に承認または拒否することができるようになった。グループの「管理者ホーム」ページも更新され、デスクトップでは、デスクトップ版では管理者が注意すべき点をすぐに確認しやすいよう、概要セクションが設けられた。モバイル版では、管理者がグループの成長とエンゲージメントを理解するのに役立つ、新しいインサイトサマリーが追加された。

また、Facebookは、グループを成長させ、コミュニティに参加する適切な人々を見つけたい管理者を支援する新しいツールを導入した。

同社は、グループへの参加を呼びかけるために、管理者がメールで招待状を送信するオプションを追加した。また、管理者がダウンロードして、オフラインも含め好きな方法で共有できるQRコードも追加された。QRコードを読み取ると、そのグループの「情報」ページが表示され、参加したり、参加を申し込んだりすることができる。

この新しい変更は、全世界のすべてのユーザーに展開された。

画像クレジット:Meta

9日の発表は、過去数年にわたり、有害なコンテンツや誤った情報を広めようとする人々によるFacebookグループの利用が拡大していることがニュースになったのを受けたものだ。Facebookグループは、そのプライベートな性質から、健康に関するデマ、反科学的な運動、陰謀論など、さまざまな危険なコンテンツの温床になっている。今回発表された新機能は、こうした問題のいくつかに対処し、管理者がコミュニティをよりコントロールできるようにすることに主眼を置いているが、ネット上の偽情報との戦いには数年遅れの到着となる。

Facebookが管理者のグループ管理権限を強化するのは、今回が初めてではない。

2021年6月、同社はFacebookグループの管理者がオンラインコミュニティをよりよく管理できるようにすることを目的とした新しいツール群を発表した。その中でも興味深かったのは、機械学習(ML)を利用した機能で、グループ内で行われている不健全と思われる会話に対して管理者にアラートを発するというものだ。また、グループメンバーの投稿頻度を制限することで、管理者が白熱した会話のペースを落とすことができる機能もある。当時Facebookは、世界中で7000万人以上の管理者やモデレーターによって管理されているグループが「数千万」存在すると発表していた。

Facebookは、管理者がグループを管理するために必要なツールを確保すると同時に、グループ製品全体の強化にも注力している。2021年11月のFacebook Communities Summitで、ソーシャルネットワーキングの巨人である同社は、管理者がグループの文化をよりよく発展させるために設計されたツール、およびサブグループやサブスクリプションベースの有料サブグループ、モデレーターのためのリアルタイムチャット、コミュニティの募金活動のサポートなど、新しい追加機能を含むFacebookグループの一連のアップデートを発表した。同社は、これらの変更は、親会社であるMeta(メタ)が今後計画している「メタバース」構築において、Facebookグループがどのような役割を果たすかを見越したものであると述べていた。

画像クレジット:Meta

原文へ

(文:Aisha Malik、翻訳:Den Nakano)

Instagramがロシア国営メディアをシェアしたユーザーに警告、ロシアとウクライナのユーザーのフォローリストを非表示に

Instagram(インスタグラム)は米国時間3月8日、ロシア政府のプロガンダを弱体化し、ウクライナとロシア全体のユーザーのプライバシーを保護する一連の手段を講じることを発表した。

同社は、ロシア政府関連メディアによる投稿のランクを下げる措置を開始した。これらの報道機関の発信した記事は他のニュース源のコンテンツよりも下に置かれるようになる。該当するアカウントから発信された記事をシェアしようとしたユーザーには、ポップアップが表れ「ロシアの国家支配下にあるメディア」を拡散しないようにというメッセージが表示される。

「Instagramは、この投稿を作成したアカウントが部分的あるいは完全にロシア政府の編集管理下にあると確信しています」とメッセージに書かれている。

画像クレジット:Instagram

ロシア国家メディアに関連付けられたドメインを指し示すリンクスタンプのある記事をシェアしようとしたユーザーも同じ扱いを受ける。ロシア国家支配下アカウントのコンテンツは、Instagramがアルゴリズムで収集した発見エリア(リールや発見タブなど)には表れなくなる。検索結果にも表示されない、とInstagramは言っている。

ロシアのウクライナ侵攻に関する国家主導の誤情報拡散を防ぐInstagramによる行動は、Facebook(フェイスブック)の同様の取り組みを追従している。Facebookは、ロシア国家メディアを警告ラベルとランク下げによって埋没させる同様の試みを先週発表した。当時、Meta(メタ)のセキュリティポリシー責任者Nathaniel Gleicher(ナサニエル・グレイチャー)氏は、警告ラベルの付加は「数日以内」に実施すると言っていた。

関連記事:フェイスブックとInstagramがロシア国営メディアの情報拡散を抑制、紛争地域のIGユーザーに暗号化DM提供へ

Instagramは、ウクライナとロシアを拠点とするユーザーの一部に対して、新たなプライバシー対策も実施する。これらの国の個人アカウントは、フォロー中およびフォロワーのリストをプライベートに設定し、友達リストを隠すことが可能になる。実世界の社会的つながりを覆い隠すことで、新たな保護レイヤーが追加される。

以前、InstagramとFacebookの親会社であるMetaは、ウクライナとロシアの成人ユーザー全員に暗号化されたDMの利用を可能にし、コンテンツとアクティビティの一括削除を容易にすると発表した。

関連記事:Instagram、ダイレクトメッセージ暗号化機能をウクライナとロシアで提供

画像クレジット:LIONEL BONAVENTURE / Contributor / Getty Images

原文へ

(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Nob Takahashi / facebook

Metaの社内研究開発グループNPE TeamがグループのためのToDoアプリ「Move」を発表

Metaの社内的な研究開発グループ「NPE Team」が、「Move」という新しいソーシャルアプリをローンチした。これは個人とグループ両用のToDoリストで、ユーザーはこのアプリで、個人でもグループでも何かしらのプロジェクトのために集まり、ToDoリストを作成し、まだ終わってない作業に関する注意や催促などすることができる。従来のToDoアプリと異なるのは、全体がゲーム化されている点で、終わった作業に対してユーザーがポイントを得たり、またアルパカで表現されるアバターに帽子や服、サングラスなどを着せてカスタマイズすることもできる。

その狙いはどうやら、グループへの参加を促すことにありそうだ。たとえばアバターのカスタム化では、グループのどのメンバーが生産性が高かったかを表現できる。たとえばアバターが何もアクセサリーを付けていなかったら、その人はグループのプロジェクトにまだ参加していないといった感じで。それを軽いプレッシャーにして、参加を促すこともできそうだ。

Metaによると、Moveは同社のNew Product Experimentation(NPE)の、まだ小規模の初期テスト段階であり、完成したらコミュニティの事業やクラスのプロジェクトで使われるだろうと考えている。彼らによると、これは一種の「ソーシャルタスキング」ツールであり、グループのToDoがアクセスしやすく、より透明になる。アプリはローンチの前に、コミュニティのリーダーたちにテストしてもらい、フィードバックを得ている。

Moveは、学生のグループプロジェクトや婦人会 / 女子会、同好会、ルームメートたちのToDoリスト、地区会、コミュニティのプロジェクト、あるいは個人のToDoリストや家族の雑用にも使えると同社は提案している。

MetaのNPE Teamは最近フォーカスを変えて、次世代の新しいソーシャル体験を作るよりも、もっとグローバルな視野を持っている。Metaがこれまで投資してきたのは、AIでバーチャルキャラクターを作るデベロッパープラットフォームInworld AIや、元服役者の社会復帰やこれから親になるLGBTQの家族を助ける、特にソーシャルではないアプリだ。同社によると、このようなNPEの方針変更には、小規模な起業家チームへの投資も含まれるという。

Moveの立ち上げは、このグループがソーシャルのプロジェクトを完全に放棄したのではないことを示しているようだ。しかしこのアプリは、12月からのNPEの方針転換よりも前に開発されていた。

アプリは現在、米国のApple App Storeで無料でダウンロードできる。アプリ内支払いやサブスクリプションはない。Metaによると、このファーストリリースからより多くを学びたいという。

画像クレジット:Meta

原文へ

(文:Sarah Perez、加筆:Manish Singh、翻訳:Hiroshi Iwatani)

Instagramのアプリ「Boomerang」と「Hyperlapse」がアプリストアから姿を消す

Instagram(インスタグラム)が「Reels(リール)」などの新しい取り組みに注力するため、独立した動画アプリ「IGTV」を終了する計画を明らかにしてから1週間後、同社がさらに2つの古いアプリをアプリストアから引き上げたことが確認された。2014年に初めて登場したタイムラプス動画アプリ「Hyperlapse(ハイパーラプス)」と、2015年にリリースされたループ動画アプリ「Boomerang(ブーメラン)」だ。

Apptopia(アップトピア)からTechCrunchに提供されたデータによると、HyperlapseとBoomerangが削除される前のアプリストアにおける最後の日付は、2022年3月1日だったという。

この2本のアプリのうち、インストール数が多かったのはBoomerangの方だ。Apptopiaのデータによると、Boomerangの通算グローバルダウンロード数が3億100万であるのに対し、Hyperlapseはわずか2300万に留まっている。さらに、Boomerangは削除された時点においても1日平均2万6000件のダウンロードがあったと、Apptopiaは言及している。しかし、BoomerangはApple(アップル)のApp Store(アップ・ストア)とGoogle Play(グーグル・プレイ)の両方で提供されていたが、HyperlapseはiOSでのみ利用可能だった。

Instagramはブログで削除を正式に発表してはいないものの、ソーシャルメディアコンサルタントのMatt Navarra(マット・ナヴァラ)氏や、Twitter(ツイッター)ユーザーの@KenSchillinger氏、@WFBrother氏など数名が、アプリが削除されたことについてツイートしている。

この2つのアプリが廃止されても驚きはない。どちらも元々は、Instagramの旗艦アプリを停頓させることなく、Instagramユーザーに新たなクリエイティブツールを提供するためのものだった。しかし、そのメインアプリに、あまりにも多くの機能を詰め込みすぎることに対する同社の懸念は、すでに過去のものとなっている。現在、Instagramでは、写真や動画の投稿、Stories(ストーリーズ)、TikTokのような短い動画コンテンツ(Reelsのことだ)、ライブ動画オンラインショッピング限定商品を紹介するDrops(ドロップ)などさまざまな機能が提供されている。実際、現在はInstagram内で多くのことが行われており、同社がメインの投稿作成ツールである「コンポーズ」ボタンを、画面中央下から右上の届きにくい場所に移設したほどだ。

一方、Instagramにとって、クリエイティブエフェクト用アプリの必要性も、もはや意味がない。もうかなり前に、クリエイティブツール一式がInstagramカメラに統合されてしまっているからだ。例えば、Instagramが数年前にBoomerangに新しいエフェクトを追加した際には、SloMo(スローモ)やEcho(エコー)、Duo(デュオ)のように、直接Instagram自体に導入された。そして今、Instagramがユーザーにクリエイティブな動画作成を望む場合、同社はそのような機能をReelsに追加する。

さらに、IGTVの停止を確認した際にInstagramが言ったように、今はメインアプリの中から、できるだけシンプルに、動画を発見したり作成したりできるようにしたいと、同社では考えているのだ。

また、「Phhhoto(フォート)」というアプリで知られるかつてのInstagramのライバルが、2021年11月にMeta(メタ)を訴えたことも注目に値するだろう。Phhhotoは、当時のFacebook(フェイスブック、現在のMeta)が、PhhhotoをInstagramのソーシャルグラフから切り離し、その上、Phhhotoの中核機能であるループ動画をコピーしてBoomerangを展開したとして、反トラスト法違反の疑いで訴えている。

HyperlapseとBoomerangがアプリストアから消された一方で、写真からコラージュを作成できるInstagramの「Layout(レイアウト)」アプリは、当分の間、利用可能のままになるようだ。InstagramはLayoutを削除しないことを認め、Boomerangの機能は引き続きアプリでサポートするとしている。

「私たちはメインアプリにより力を注ぐため、スタンドアロンのBoomerangとHyperlapseアプリのサポートを廃止しました」と、広報担当者は述べている。「私たちは、Instagramで人々が創造的になり、楽しむことができる新しい方法に、引き続き取り組んで参ります」と、彼らは続けた。

画像クレジット:Jaap Arriens/NurPhoto / Getty Images

原文へ

(文:Sarah Perez、翻訳:Hirokazu Kusakabe)