【次世代SNS編】米国SNSの最新事情とZ世代が新しい場所を求める理由(その3)

【編集部注】本稿は米国スタートアップやテクノロジー、ビジネスに関する話題を解説するポッドキャスト「Off Topic」が投稿したnote記事の転載だ。

この記事では、Z世代が求める次世代SNSについて考察していく。TwitterとSnapchatの最新事情についてこちらの記事、InstagramとTikTokの最新事情についてはこちらの記事を参照してほしい。

Z世代にリーチするために知るべきこと

SNSを見るときに最も重要なのは、若者の行動を観察すること。特に今のSNSがダウントレンドなのか、アップトレンドなのかはZ世代を見るのが一番いい。それは次世代SNSは2つの要素で作られていて、その1つが若者、特に10代から20代が作り上げるカルチャーなのだ。Facebookも大学生の中で人気に、Snapchatは高校生、Musica.lyは中高生の中で人気になってから、それぞれ一般化した。

投資銀行のPiper Jaffray(パイパー・ジャフレー)が2019年に出したレポートによると、Z世代の間ではInstagramが一番使われているSNS、一番好かれているSNSはSnapchat。TikTokは三番手で、フィルターアプリのVSCOは横ばい。Facebookの利用頻度がかなり下がっている。ただし、圧倒的にInstagramとSnapchatに寄っている。

Z世代の「BSメーター」

Z世代はSNSを通して新しいビジネス、文化、政治を学んでいる。これは過去ない現象だ。よりクリエイティブであり、カメラの前にいるのが気にならない。短期間の集中力で、圧倒的な「BSメーター」(デタラメに対しての感度)が高い。SNS慣れしているZ世代はとてつもないコンテンツ量を毎日見ている。そのため、何が広告で何がリアルなコンテンツかを一瞬で判断できる能力を持っている。Instagramなどでは広告やインフルエンサーが多いので、変な商品のプロモーションやマーケティングを見るとそのブランドを信頼しなくなる。さまざまなブランドのオプションがある中、信頼性を切ってしまうと二度と戻ってこない可能性が高い。そのためZ世代ユーザーへリーチしたければブランディングをきちんとやらなければならない。それはブランドの裏の人間のストーリー、会社の立ち上げの話、会社のカルチャーも含めて「完全なる透明性+ストーリー+コメント・DMのエンゲージメント=強いコミュニティーとブランド」だ。

Z世代とミレニアル世代の違い

まず認識しなければならないのは、ミレニアル世代はインターネット世代だがZ世代はスマホ世代と言うこと。もちろんミレニアル世代はスマホと一緒に育っているが、Z世代はスマホの前の世界をほぼ知らない。それによってアプリの使い方、考え方、信頼するブランド、見ているコンテンツやセレブが違う。

ミレニアル世代はハリウッドのレッドカーペットで歩くスターを見ている中、Z世代はTikTokやYouTuberを見ている。そして買い物でも、ミレニアル世代は大手リテーラーと比べてD2Cブランドを多少好む程度なのが、Z世代は圧倒的にオンラインで生まれたD2Cブランドを好む傾向にある。

Instagramの使い方も違う。Z世代の多くは過去の写真をアーカイブする傾向にあり、6枚ぐらいの写真しか見せないことが多い。昨日ではなく、今日の自分を表現したいために直近の写真しか見せない傾向だ。

Z世代が求めているプラットフォームとは

自己表現をクリエイティブにできるプラットフォーム、そして自分の弱みや本性を見せられるプラットフォームがいま最も求められている。フィルターなし、ブレるカメラワーク、磨かれてないグラフィックを求めている。ミレニアル世代で統一された「インスタ映え」とは大きく違う方向性で、ユニークさが今のクールになっている。

そして写真ベースなのは明らか。TikTokは音楽メディアとして報道されていて、実際にTikTok上で新しい音楽が生まれているのは確かだが音楽メディアではない。

Z世代は完全に「今日の自分」にフォーカスを当てている。そして明日の自分は変わってもいい、アイデンティティーの入れ替えと変わった人格・表現力が受け入れられているのが現状だ。TikTokはまさにそう言うプラットフォームであり、その影響なのかYouTube上のインフルエンサーのコンテンツも進化し始めている。YouTuberのEmma Chamberlain(エマ・チェンバレン)さんのコンテンツを見ると編集していない風に見せたり、スッピンで家でダラダラしている姿を見せている。

TikTok上では過去なかったコンテンツが存在し、TikTokのフィードによりローカルの文化やMemeが世界展開するのが普通になった。今後のSNSはこのような世界観を入れ込まなければいけない。

なぜいま米国のVCはSNSへの投資を必死に探しているのか?

米国のVCは最近「次世代SNSを探している」とよく言い合っている。Facebook、Instagram、Snapchat、Twitter、TikTokがある中でなぜそう思うのか?それは全体のSNS市場の流れを見るとわかるのが、今のトップSNSプラットフォームはソーシャルからステータスメディアに変わっていて、このシフトにより新しいSNSが誕生するチャンスが出てきている。

ほとんどのSNSは10年~15年前にスタートして、小さくコントロールされたコミュニティからスタートした。Facebookはハーバードの学生、WhatsAppはプライベートグループメッセージ、Snapchatは友達との1対1メッセージ。今は成長率が減速しているため新しい会社を買収したり、ユーザー成長や売上、マージンにフォーカスしている。SNSのサービスが成熟すると、親密なネットワークから放送・配信ユースケースが一番になる。2019年初めにMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏はFacebookはピークに到達して、これからは「街広場」ではなく「リビング」の立ち位置として戻らなければいけないと語った。SNSが成長する中で、ユースケースがエンタメ、コミュニティ、ユーティリティーから「ステータス」に移行していく。この進化は成熟されたどのSNSにも起こる。

本音が言えなくなるプラットフォームに

例えばTwitterで考えてみよう。2006年にローンチしたTwitterは、エンタメとコミュニティー、会話の要素が強かった。Twitterは面白いアップデートをSMS風にウェブ上で遅れるエンタメ感と、友達を集めてお互いの出来事や思いを共有できるコミュニティーだった。当時はステータスやユーティリティーは一切考えてなかった。

Twitter共同創業者のEvan Williams(エヴァン・ウィリアムズ)氏も「誰がこのアプリが役に立つ必要があると言った?」と発言したこともある。2020年版のTwitterは強調している特徴をかなり変えている。ユーザーはTwitterをかなり役に立つ方法を見つけた。まず、ニュースの場として役に立ち、さらにビジネスが顧客とコミュニケーションできる場にもなった。Twitterは あとあとフォロワー数やリツイート数にてステータスを作るようになった。多くのツイートは公開されているためユーザーはステータスを獲得するのが目標となる。そうすると本音を語れない、もともと友達とシェアしていたものがTwitterでは共有されなくなる。

FacebookからInstagramへ、そしてInstagramからSnapchatやTikTokへという流れは各SNSがソーシャルメディアからステータスメディアへ変わり始めたからでもある。Facebookはよりオープン化(そこまで親密ではない友達とつながった)したおかげで、本音の投稿を出さなくなった。Instagramも「親がInstagramに居るから本音が言えない」と語る大学生や高校生が多かったためSnapchatに移行。そしてInstagramの「インスタ映え」に疲れはじめたユーザーは本来の自分を表現できるプラットフォームを求め、TikTokにたどり着いた。

重要視されたステータスによってのプレッシャー

SNSだとユーザーに対してバリューを発揮する瞬間やKPI(重要業績評価指標)がある。Facebookだと友達の数、Instagramの初期だと5人フォローしたらその「マジックナンバー」にたどり着く。友達がいるから投稿したり、会話をしたくなるので、最低限の人たちとつながるように仕組まれるのは当たり前。面白いのはSNSが成熟したタイミングで逆の事が起こる。SNS内で一定のユーザー数を突破するとユーザーは不思議と投稿したくなくなる。これをソーシャルネットワークからステータネットワークへのティッピングポイントと呼べるだろう。

Facebook、Instagram、Snapchat、TikTokで同じ現象が起き続けている。最初に集まったFacebookだったが、10代の子からすると家族につながっているので、高校や大学でパーティーしている写真はなかなか出せない。これによって何を投稿するのかを考え、投稿のハードルが上がる。

Instagramも「インスタ映え」を目指してライフスタイルを変える人や、「いい写真しかあげられない」プラットフォームとして認識されてしまった結果、投稿回数が減ってInstagramに不満を抱える人も増えている。そもそもInstagramもFacebookから離れたい人たちが始めたプラットフォームだが、最近だとInstagramのフェイクアカウント「Finsta」が増えている。10代の子たちが親や家族に見られて良いアカウントを立ち上げ、別途自分用のアカウントを作っている。Instagramではステータスを求めて詐欺アカウントも出てきている。

SNSのティッピングポイントは本音コンテンツの投稿を戸惑う瞬間。親がいるからFacebookからInstagramへ、そしてSnapchatへ、そして今はTikTokへ。Facebookだと「いいね」、InstagramとTwitterだと「フォロワー」が増えるだけ「ステータス」が上がり、それでビジネスやインフルエンサーとして活動できるため「ステータス」を求めるメディアとなった。

総合的に見ると、少なくともFacebookとInstagramはソーシャルの領域を超えて、今はステータスメディアになっていると思う。

アーリーステージのVCであるCanaan PartnersのLaura Chau(ローラ・チャウ)氏が語るには、ソーシャルとステータスのサイクルには以下の5つのステップがある。

  1. 5つの特徴の中からSNSサービスが生まれる
  2. SNSが成長するに応じてユーザーのステータスを求める需要に応えるように機能設計などを行う
  3. プラットフォームのユーザー数が多すぎるとステータスメディアへシフトする
  4. ステータスメディアになると本音コンテンツや繋がりを求めて新しいSNSが立ち上がる
  5. そのSNSはギャップを埋めながら、新しい世代へステータスを引き寄せる新プラットフォームとなる

ステータスが王となり、会話が犠牲者となる。Twitterだけではなく、ほとんどのプラットフォームはこの流れに入ってしまっている。逆に言えば、SNSがこのようにステータスメディアとしてシフトしていく中で新たなSNSプラットフォームが出てくるチャンスでもあると思っている。

注目されている次世代SNSサービス

米国VCが次世代SNSを探している中で、いくつか候補が出ている。中にはFortnite(フォートナイト)、Minecraft(マインクラフト)、Roblox(ロブロックス)などのゲーム内のSNSや、DiscordやClubhouse、TTYLなどの音声からのSNSが候補として挙がっている。もちろんそれ以外に多く次世代SNSを狙っているアプリはあるが、以下は特に気になっているものを紹介しておく。

シリコンバレーのVCが必死に追いかけているClubhouse

米国のVCは最近「Clubhouse」というアプリで大盛り上がりだ。

Twitterのオーディオ版に似ていて、いろいろな人の会話に入り込み、聞いたり、参加することができる。まだベータ版だが、シリコンバレーの著名VCやテック業愛のトップの人たちが必死にアクセス権を獲得しようとしている。このようなVC業界でSNS系にハマったのは、Meerkat、Secret、Foursqure、Twitter以来な気がする。

このアプリの凄いところは、今のところPMF(プロダクトマーケットフィット)を達成しているように見えること、行動変化を及ぼしていること。何名かのVCにヒアリングしたところ、ちょっとした空き時間でアプリをチェックするようになったり、寝る前、起きた時にまず見るアプリになってきているそうだ。ライブで音声会話を聞ける、特に業界トップの人たちの会話をフィルターなしで聞けるのはなかなかない。そして仕事やタスクをやりながらできる手軽さのおかげで評判が高い。

Twitterやポッドキャストとのポジショニングをかぶらないようにする必要があるが、うまくいくとポッドキャスト市場とイベント市場を潰しに行ける気もする。ライブであることがポッドキャスト市場との大きな違い。いまは録画機能がないので、その場にいない限り会話が聞けない。それが人をこのアプリに引き戻せる力でもある。著名ベンチャーキャピタリストであるMarc Andreessen(マーク・アンドリーセン)氏でさえもClubhouseのユーザーのひとりだ。

そしてClubhouseの一部の魅力は半端ないスピードでプロダクト改善、プロダクトリリースをしていること。2人しかいないのに1日に数回新規リリースしている。Y Combinator共同創業者のPaul Graham(ポール・グラハム)氏も言っているが、新しい機能を出せるスピードは意外にスタートアップの成功率と相関する。

まだ初期段階の会社であり、2名体制なので実際にヒットするかはわからない。そして今は親密な感じでアプリを利用できるが、今後はその親密度を保ちながらスケールできる方法を考えなければいけない。そして最近だと調子が悪いと噂されているTTYLなどを見ると、Clubhouseはなぜうまく行っているかが少し不思議。もしかしたらTTYLはコアユーザーが間違っていたのかも?友達間がメインだったTTYLだと、自分で何十人も集めて会話をスタートしなければいけないのと比べて、Clubhouseは知らない人の会話、特に著名人の会話が聞けるのがポイントかもしれない。

もちろんClubhouseは新型コロナウイルスのパンデミックのタイミングだから伸びていると言える点もある。ほかの人の声を聞きたい需要が増えているからだ。ただそれ以外にも、フェイクニュースの広がりの影響もある気がする。Twitter上で知らない人の声を聞くのが面倒、悪いコメントが多すぎる、そして信頼している人と会話ができない環境がある中から生まれたのもある気がする。

参加型SNS

Facebook、MySpace、Friendsterなど初期世代のSNSは、99%の人が見るだけで、1%の人が書くというプラットフォームだった。誰かのプロフィールに行ってコンテンツを見ることが多かった。コメントや返信など多少はしたかもしれないが、大半は見るだけで終わる。Facebookは進化して行った中でmコメントやニュースフィード、「いいね」ボタン、絵文字でのリアクションができるようにして、書くことによりエンゲージさせようとしている。ただ、一個人が情報・コンテンツを共有することをベースにすると圧倒的にコンテンツを書く人が少なくなる。そこで新しいモデルにFacebookは向かっている。それがFacebook Groupだ。

タウンホールからリビングに移行したいFacebookが、Facebook Groupにかけている理由は明らか。それはGroupだと個人が中心として成り立たないから。そのグループの構成、テーマ、コンテンツに重点が置かれる。今後のSNSはパッシブにコンテンツを受け入れるだけではなく、アクティブにコンテンツを作成できるものとなる。

その中では、Discord、Fortnite、Minecraft、Robloxなどが含まれている。アクティブにプラットフォーム上で参加するのが前提・必須となると、よりそのプラットフォームにいる意味合いが生まれる。MinecraftやRobloxは完全にクリエイター側が中心となっているのはその理由だ。この「参加型」と言うのが今後キーワードになってくる気がする。

結論

Twitter、Snapchat、Instagram、TikTokは争っているものの、各自ポジショニングをしっかりしているため、ユーザーが両立できているように見える。ただ、5年~10年スパンでどんどん新しいSNSが生まれてきて、古いSNSが進化しない限りユーザーが違うプラットフォームに写ってしまう。その中、米国VCはすでに次のSNSを探している。

新しいSNSを作るのは2つのドライバーがある。

  1. 10代~20代前半から生まれる新しい文化
  2. ステータスメディアが生む苦しさ

本音が出せない、そしてステータスを求めるプレッシャーでSNSは成熟するほどコンテンツエンゲージメントが悪化してしまう。広告が収益ベースとなるプラットフォームはそうなる運命である。マーケターはすべてのものを台なしにするという話は事実。Facebook、Twitter、Instagram、そして徐々にTikTokもインフルエンサーマーケティングや企業プロモーションであふれ始めている。そうなると、本来作られたユースケースと離れ、金儲けコンテンツへ走ってしまう。プラットフォームもユーザーが増えるとそのマネタイズを支える人たち、インフルエンサーと企業を喜ばせるプロダクト開発を行うので、ユーザーの不満が大きくなる。

いま米国ではTikTokの次のSNSが見つかってない。その候補としてClubhouseなど盛り上がっているが、まだどこも勝ち抜いてない。逆に今がSNSを作る最大のチャンスであると信じているし、どんなユースケースがハマって急成長するアプリを楽しみにしている。

引用記事
Snapchat will launch Bitmoji TV, a personalized cartoon show(TechCrunch)
What’s trending: Experts decode Gen Z(DIGDAY)
NO. 330: GEN Z ARBITRAGE(2PM)
The Era of Participatory Social(Medium)
The Sound of Silence(Posthaven)
Snapchat launches privacy-safe Snap Kit, the un-Facebook platform(TechCrunch)
Snapchat preempts clones, syndicates Stories to other apps(TechCrunch)
To stop copycats, Snapchat shares itself(TechCrunch)
Clubhouse voice chat leads a wave of spontaneous social apps(TechCrunch)

新型コロナ蔓延下ではゲーム性よりソーシャルプラットフォームを優先したゲームが必要だ

この長く退屈な物理的隔離の日々が、永遠に続くベージュ色の廊下のように不確かな未来に向かって伸びる中で、友達との付き合いを、懐かしく思い出さずにいることはできない。特に、何か特定のことをするわけでも、何かのトピックについて話し合うわけでもなく、ただ一緒にぶらぶらしているような付き合いが恋しくなる。

だが、お互いに物理的な距離を置き続けている中で、私たちが持っているツールを使って、社会的な存在感を分け合うことは難しいのかもしれない。たとえZoom や、その他のよりカジュアルなチャットアプリを使用したとしても、ビデオチャットは平板なものに感じるだろう。(そして、幸運にも自宅で仕事ができる私たちにとって、仕事をするのに使用しているものと同じツールを使って、仕事の後友達を訪問することは、必ずしも気分が良いものとは限らない)。しばしば私たちは、決まったビデオチャットスポットに静止して座りながら、自己隔離の様子をやり取りしたり、たぶん猫や1人2人の子供を画面にひっぱりこんで話していることだろう。

しかし、より遊び心のあるビデオ チャット アプリや、FacebookのPortalとその分離したカメラのような、革新的な技術を使って机から離れたとしても、何か別のものがまだ伝わり切っていないのだ。フラットスクリーンを介してでは、物理的な相互関係がほとんどわからない。結局のところ、空間の中での社交体験を、私たちがこれまでどれだけ当然のことと考えていたのかが、明らかになったということだ。だが、ゲーム業界はこれを随分昔から理解してきた。

いま、私たちはこれまで以上に、他の人の存在を感じるための創造的な方法を必要としている。この危機はゲーム業界にとって大きなチャンスであると同時に、仕事の後に「Call of Duty」をせいぜい数ラウンドプレイするようなものではなく、より超越したデジタルソーシャル体験を提供するものとなりそうだ。ひょっとすると、これらの体験はあまりにも豊かな想像力を要求するために、まだどのように見えるのかさえわからないのかもしれない。

もしVRが初期の約束を果たせていたならば、おそらく私たちはみな、現在その世界の中に住んでいただろう。ある種の共有仮想領域を持つというアイデアは今でも有力なものだが、追加のハードウェアは一般の人が使うにはあまりにも法外な価格であることが証明されていて(少なくとも今のところは)、最もクールなVR体験でさえニッチなものに留まっている。それでも、InstagramのDMやメールスレッドを使うだけでなく、共有スペースを移動するアバターとして、私たちが一緒の行動をしたいと思っていることは明らかだ。何らかの手段で。

関連記事:新型コロナの影響で自宅待機中のTechCrunchスタッフを熱中させているもの

仮想世界の正しい理解

もし「どうぶつの森」の幅広い成功が、何らかの兆候であるとするなら、人々は現在仮想空間に対する大きな欲求を持っていることになる(ここでは特に最新作である「あつまれ!どうぶつの森」のことを指している)。たとえ任天堂の使いにくいオンラインマルチプレイであったとしても、友達を訪ねて網でバチバチ闘ったり、新しいグッズを見せ合ったりすることには、何か楽しくて特別なものがある。

どうぶつの森に関して言えば、本当に「部分を合計した以上の体験」を得ることができるゲームだ。私が最近本当に笑って止まらなくなったのは、ゲームが開始された直後に妹のどうぶつの森の島を訪ねたときだった。インターフェース上の少ない感情表現と厳しいキャラクターの制限にもかかわらず、彼女の奇妙なユーモアのセンスは、ゲームの制限を乗り越えて湧き上がることに成功していた。そして、その制約がなぜか特別なものを生み出していた。彼女の島を去るときには、周りに輪をぐるぐる回している、彼女の滑稽で奇妙な姿に別れを告げることが悲しかった。それはビデオチャットからサインアウトしたり、テキストを送り合っていた会話からドロップアウトしたりするのとは異なる感覚だった。

こうした体験は個人レベルだけでなく、集団レベルでも起こっていて、人々は創造的になり始めている。Rogue Oneの作家の1人は、ゲーム内で「どうぶつの森トークショー」を制作した。ショー内には独自の小さなゲストカウチと街並みの景観が備わっている。

完全にどうぶつの森の島の上で開催される開発カンファレンスを立ち上げた、ニューヨークの開発者さえ登場した。通常の会議と同様に、この「Deserted Island DevOps」は、発表者、司会者を揃えており、さらには会議後にはトークがYouTubeにアップロードされることになっている。

多くの人々が先「どうぶつの森」を使ってより親密な集まりも開催している、たとえば先月のラマダン過越祭を祝ったり、遠く離れた友人や家族を1か所に集めたりしたりしているのだ。

今回のパンデミックが示しつつあるものは、この先主流となる仮想存在のスイートスポットは、Zoomのようなビデオ会議以上のもので、かつ完全なVR体験以下のどこかにあるのではないかということである。ビデオゲーム、より具体的に言うならプラットフォームとしてのビデオゲームは、ゲーマーとしては識別されない種類の人々の間でも現在共鳴を起こしているように見える。その最後の点が重要なのだ。

これは、Fortnite(フォートナイト)のメーカーであるEpic Gamesが、ずっと行ってきたことだ。フォートナイトがどうぶつの森のように、ノンゲーマーを迎え入れたのには理由がある。もちろん、Fortniteは楽しくて中毒性があるものだが、そもそも多くのゲームは楽しくて中毒性があるものだ。しかもフォートナイトはそうしたたくさんのゲームよりもはるかに難しいのだ。

Epicが生み出した真のイノベーションは、プラットフォーム間でプレイヤーをシームレスに接続する、バターのように滑らかなソーシャルレイヤーなのだ。友達にアプリをダウンロードさせることができたなら、すでにビジネスに参加したことになる。もちろん、他のゲームでもこれは正しく行われている。もちろん、Minecraftが頭に浮かぶし、ほかのゲームもそうだが、今ではタイミングがすべてなのだ。そしてフォートナイトのチームは、すでに良いことがわかっているアイデアを巧みに繰り返している。

今週Epicは、パーティーロイヤル(Party Royale)と呼ばれる、意図的にのんびりプレイできる新しいゲームモードをフォートナイトに追加した。これは友人たちとぶらぶらするための新しい島だ。投げられるハンバーガーやペイントボール銃のような、適度に奇抜な致死的ではない武器が散らばっている。パーティロイヤルはグループを組んで、他愛もなく意味もないことで楽しみながらチャットを行う場所なのだ。ぎこちなくサッカーボールを蹴ったり(なぜか私は全く見ず知らずの人物と20分ほどそれで遊んだ)、仮想オフロードカーを仮想絶壁から落としたりできる。

そして、Epicの多くのバトルロイヤルヒットのように、島自体には奇妙で、カラフルなライト、巨大なネオンダンサー、そして非常にサイケデリックな雰囲気に溢れた(そしてクスリはなしだ)、海賊船や音楽祭の会場までもが用意されている。メインゲームとは別の領域のような、ドライブイン映画館も用意されていて、これは興味深いことが起こる可能性を示唆している。運良くもしEpic が拡張してくれれば、フォートナイトの最新のカジュアルなオンライン仮想空間はかなり面白いものに進化する可能性がある。

フォートナイトは表向きは、自分が殺される前に相手を殺すことを目的にしたゲームだが、同時にコンサート会場でもあるのだ。そしてそれは多目的なソーシャルプラットフォームとしてのゲームに対してEpicが持つ、より深いアイデアを示唆している。先月、フォートナイトは最新の大規模なゲーム内ショーイベントを開催したが、今回はゲーム内で超高層ビルの高さを誇る有名ラッパーのトラビス・スコットが、ゆっくり回転する万華鏡バージョンのフォートナイトのマップの中で飛び回りながらパフォーマンスを披露した。このイベントには1200万人が参加した。この数は1年前に行われた、より地味なゲーム内EDMショーのMarshmelloの中でプレイした1000万人を上回っている。日頃彼の音楽を聴いているかいないかには関わらず、その視覚的に想像力を掻き立てられるイベントは、誰が見ても最高にクールだった。

ビデオゲームは時代の要求を満たすために進化すべきだ

大規模なマルチプレーヤー型オンラインロールプレイングゲーム(MMORPG)で時間を費やしたことがある人にとっては、これはすべてなじみのある話だ。これらのゲームには、膨大な数の人々を永続的な共有仮想空間に集め、彼らに自分自身を表現させるという、活気のある長い歴史がある。衣装を整えたり、空間を装飾したり、プレイスタイルや同盟の選択をしたりすることは、同じことをしている他の人たちが住む仮想世界の中で、自分自身を表現する方法なのだ。何年もの間World of Warcraftをプレイした人間にとって、これは多くの参加者にとってゲームの真の魅力を伝えてくれるものだった。ゲーム自体(クエスト、ダンジョン、その他)は、二次的なものだった。

10年前のピーク時、World of Warcraftにはトラビス・スコットのイベントに参加したプレイヤーと同数の、1200万人のアクティブなサブスクライバーがいたのだ。それ以降、ゲームは爆発的な勢いで主流となり、2018年の後半までには、フォートナイトのアクティブプレイヤー数は約8000万人を誇るようになった。オンラインマルチプレイヤー自体も、主に大ヒットした一人称視点シューティングゲーム(FPS)の成功によって進化した(FPSは通常残忍で、日頃特定のゲーマーを引き寄せる、漠然とあるいは極端に軍事的な側面を打ち出したゲームだ)。だがフォートナイト、スプラトゥーン、Overwatch(オーバーウオッチ)といった遊び心のあるカラフルなシューティングゲームが登場して、カジュアルなプレイヤー、さらにはノンゲーマーにも手を差し伸べることになったが、オンラインゲーム自身にはシューティングゲームの枠を超えた可能性がある。

Minecraftの人気は協力型ゲームへの道を切り開いたが、それは単に物を作るのが信じられないほど楽しいからだけではない。もちろんそれは真実だが、仮想空間で友達と何か新しいことをやるのは本当にクールだからだ。驚異的なNo Man’s Skyのような小規模ゲームは、Minecraftが構築で行ったことを探検で行うことができる。だがインディーズデベロッパーの予算ではマルチプレイヤーに対する大きなアイデアもせいぜいその程度止まりだ。歴史的に、業界のリソースの大部分は今でも、利益性が確実に高いミリタリースタイルのシューティングゲームに向けられている。しかし、世界が変化することで、トレンドも変化する可能性がある。どうぶつの森のソーシャル風水シミュレーションの売上が、流行の最初の数カ月間で圧倒的なシェアを占めていたことに着目しよう。

ゲームをプレイしない人に対して、魅力的な共通ソーシャル体験を提供できるゲームには、今大きなチャンスが巡って来ている。家に閉じこめられている人にとって、想像力豊かなゲームの世界は、今現在のストレスからの逃避だけでなく、会えないときに空間を共有する方法を提供してくれる。

訪問できるゲームがもっと必要だ。

原文へ

(翻訳:sako)

マイクラアースのAndroid向けクローズベータが5都市で公開

Minecraft Earth(Minecraftのコンセプトが現実世界の冒険、拡張現実/ 、Pokémon GOの収集コンセプトとあわさったものと思ってほしい)のベータ版が初めて公開されたのは7月のことだが、iOSでしか動作せず、実際にプレイできたのはシアトルとロンドンのプレーヤーだけだった。

米国時間8月30日の今朝、ベータ版の対象が大幅に拡張され、Android版のプレイヤーもついに体験できるようになった。また地域制限もここ数週間で緩和され、シアトルやロンドンにくわえて東京、ストックホルム、メキシコシティーでもプレイできるようになった。

不思議なことにiOS版プレーヤーとは異なり、新しいAndroid版のプレーヤーはゲーム内通貨のRubiesのような新機能をすぐに使えるようになる。Rubiesは獲得することも購入することもでき、プレイヤーはブロックの作品を組み立てるためのビルドプレートをさらに購入できる。ベータ版の拡張についてブログ投稿は、ベータ期間中に獲得されたRubiesは公式リリースでもプレーヤーに引き継がれ、Rubiesに対するiOS版のサポートは「すぐに」始まるとしている。

ただし、Google Playストアからダウンロードして参加することはできない。これはまだクローズドベータなので、始める前にサインアップして招待される必要がある。

我々は発表直後にMinecraft Earthのアーリービルドをテストしている―初期インプレッションはこちらの記事から。

[原文へ]

(翻訳:塚本直樹 Twitter

Minecraft Earthのベータ版がシアトルとロンドンで公開

「ポケモンGO」のようなARと、大人気の「Minecraft」が融合したMojang(モージャン)の新しいゲーム「Minecraft Earth」が待ち遠しいあなたにうれしいニュースだ。一部のプレイヤーに対して公開が始まった。

いち早く体験したいかもしれないが、まずはごく一部のプレイヤーのみだ。

クローズドベータ参加者の募集は、数日前に始まっていた。米国時間7月16日午後に一部のプレイヤーを最初のベータに招待したと同社は発表した。

ベータは地域ごとに公開される。最初にアクセスできるようになったのは、ランダムに選ばれたシアトルとロンドンのプレイヤーだ。Mojangは、今後数日のうちにほかのいくつかの都市でも公開するが、詳細は非公表としている。

現時点ではベータはiOS版のみで、Android版は今年夏の後半以降になる予定だ。

TechCrunchのDevin Coldeweyが5月にMinecraft Earthの早期ビルドを体験した。そのファーストインプレッションはこちら

[原文へ]

(翻訳:Kaori Koyama)

Minecraft Earthクローズドベータの事前登録開始

ポケモンGOでの現実世界の探検とMinecraft(マインクラフト)の世界づくり。これを組み合わせたのがMinecraft Earthだ。

Minecraft Earthの公開日は明らかになっていないが、Mojangはクローズドベータをこの夏に開始すると発表していた。いち早くプレイしたいあなたに朗報だ。クローズドベータの事前登録が始まっている。登録ページはこちら

クローズドベータなので、登録したからといって必ずアクセスできるとは限らない。ただしベータに関するFAQには、最終的に「相当数のプレイヤー」に対して公開する予定と書かれているので、登録しておくのは悪くない。登録できるのは18歳以上で、iOS 10またはAndroid 7以降が動作しているデバイスと、マイクロソフトまたはXbox Liveのアカウントが必要だ。

TechCrunchのDevin Coldeweyは5月にこのゲームを試用し、レビューした

米国時間7月11日、MojangはMinecraft Earthが2分半でわかる予告ビデオも公開した。

[原文へ]

(翻訳:Kaori Koyama)

Minecraft EarthはARで現実がブロックの世界になりニワトリも飼える

ゲームのプレイヤー数が1億人を突破すれば、次は2倍の数を目指そうと思うのが自然な成り行き。それは、ゲームがそのまま商品カテゴリーにもなったMicrosoft(マイクロソフト)の「Minecraft」の開発者たち、というかむしろスチュワードも同じこと。このゲームは、さらなる大きな飛躍を遂げた。「ポケモンGO」の流れをくむ、拡張現実(AR)ゲーム「Minecraft Earth」(MCE)に進化したのだ。

米国時間5月18日に発表されたMCEは、iOS版とAndroid版の公式スタートが夏以降とのことだが、完全なMinecraftをモバイル用に、そしてARゲームとして再考したものだ。つまり、どういうこと? エグゼクティブプロデューサーJesse Merriamは、簡潔にこう説明している。「どこへ行ってもMinecraftがある。そしてどこへ行っても、Minecraftで遊べる」。

なるほど、で、どういうこと?もうちょっと詳しく言うと、MCEは他の現実をベースとしたARゲームと同じく、今いる場所の仮想版の中を歩き回り、アイテムを集めたりミニゲームに参加したりできるというものだ。他のARゲームと違うのは、Minecraft: Bedrock Editionが基礎になっているということ。派生版でも、課金を目的にした名前だけのインチキゲームでもない。本物のMinecraftだ。すべてのブロックが揃っていて、モンスターもいれば、レッドストーン回路も自由に作れる。ただそれが、ARになったというだけだ。アイテムを集めて、それを使って世界を作ってその小さなブロックの世界を友だちと共有できる。

このゲームでは、いくつかの楽しいチャンスが増えるのと同時に、ちょっと重要な制約が加えられる。そんなわけで、MCEがどんなゲームなのか、ざっと見ていこう。といっても、マイクロソフトはとてもケチんぼで、ゲーム内の大切な部分をなかなか見せてくれないので、言葉での説明になるけど。

もちろんマップがある

Minecraft Earthであるからには、現実世界の中の特別なMinecraftフィールドに暮らすことになる。ポケモンGoやハリー・ポッター:ウィザーズ・ユナイトと同じく、現実の街や風景の上にレイヤーを重ねるかたちだ。

もちろん外観はブロック状だが、目で見て何がなんだかわからないほどブロック化されているわけではない。地域、私有地、安全な場所、危険な場所などの注釈や推論情報が含まれたOpenStreetMapsデータを使用している。

この夢のマップの上にはタップできる物で満ちあふれている。そのままの表現だが、Tappable(タッパブル、タップできるもの)と呼ばれている。タッパブルはさまざまな形態を取ることができる。具体的には、チェスト、モブなどの形をした資源だ。

チェストにはブロックがたくさん入っていて、丸石やレンガなどに加えて、その他の種類のものも適度にレアな存在として現れる。

モブとは、Minecraftの自然の中で普通に出くわす、ブタやニワトリやイカなどの動物だ。アイテムと同じように取ることができる。モブにもレアなやつがいて、単なる飾りではないものもいる。開発チームは、彼らのお気に入りのモブを紹介していた。ひとつはMuddy pig(泥ブタ)だ。地面に置くと、何もないところで立ち止まり、ひたすら泥浴びをする。Cave Chiken(洞窟ニワトリ)は、タマゴの代わりにマッシュルームを産む。そう、繁殖が可能なのだ。

最後のタッパブルは冒険。資源を集めたり、モンスターと戦ったりできる小さなARインスタンスだ。たとえば、ときどき地面にひび割れがあり、そこを掘ると大量の溶岩が噴き出され、逃げなければならなくなる。溶岩が流れ出した跡には洞窟が現れ、その中でスケルトンが宝のチェストを守っているというような具合だ。こうした冒険を山ほど作ったと開発チームは話していた。

重要なのは、チェスト、Mod、冒険のいずれも、友だち同士で共有できるという点だ。私が見ているチェストは、みんなも見ることができる。そのチェストには、同じアイテムが入っている。冒険は、近くにいる人たちなら誰もが参加でき、みんなで協力して報酬を獲得することができる。

こうしたAR体験とあらゆる行動の土台となる「Build plate」(ビルドプレート)が、ゲームを輝かせている。

ARに関して

「Minecraft EarthをARなしでプレイしたければ、ゲームを止めるしかありません」と、このゲームのディレクターTorfi Olafssonは言う。このゲームのARはNianticのゲームと同様、オプションではない。ARネイティブなのだ。だから、スマートフォンを別の世界を覗き込む窓として使うのが、このゲームをプレイする唯一の方法となる。ただ、それが非常にうまく出来ているので安心できる。

まずは、ビルドプレートについて説明したい。アイテムやミニゲームで、どのようにMinecraftが構成されるのか疑問に思っていた人もいるだろう。構成はされていない。それらは生の素材に過ぎないのだ。

Minecraftで遊びたいと思ったら、開発チームがビルドプレートと呼ぶものを取り出す。これは特殊なアイテムで、テーブルや床などの現実世界の平面の上に仮想的に配置する平らな正方形だ。その上が、小さいながら完全な機能を持つMinecraftの世界となる。

この小さな世界の上に、なんでも好きなものが作れる。地面を掘って洞窟ニワトリのための地下宮殿や泥ブタの楽園を作ったりも自由自在だ。Minecraft自体がそうであるように、ビルドプレートも境界線がない。いや、この言い方は誤解を生むかな。実際、ビルドプレートには厳格な境界線がある。世界はビルドプレートの中だけに限定されるからだ。だが、その中は完全に自分の思い通りになる世界だ。

そこにも、通常のMinecraftのルールが存在する。これはMinecraft Liteとは違う。ただゲームの世界を小さくしただけだ。水も溶岩も物理法則に則って流れる。ブロックも、それぞれ素材に応じた性質を持ちModもごく普通に行動する。

このビルドプレートをミニサイズから実物大に変換したときに魔法が起きる。例えば、机の上で作った城を公園に持っていって3階建ての建造物にできる。廊下を歩けばブタたちは静かに私たちの存在に気付く。間違いなく自分が細部にこだわって作ったその内部に我ながら感心する。刺激的な体験だ。

本当はこんな風に見えるわけではないが、雰囲気だけでも感じとってほしい

他誌の記者といっしょに遊んだデモ版では、ビルドプレートをいくつか使って、実物大の冒険を体験した(正確には現実の4分の3のサイズだが、長さ1mのブロックにはちょっとばかり圧倒される)。それはまったくのカオスだった。みんながブロックを置いたり壊したり、水をあふれさせたり、ニワトリを置いたり。しかし、どれも正常に機能した。

これには、MicrosoftのAzure Spatial Anchorシステムが使われている。仮想空間内の自分の位置を素早く継続的に補正してくれる。更新は驚くほど早く、他のプレイヤーの位置と方向を、遅延なくリアルタイムで示してくれる。一方ゲームそのものは、その空間にしっかり固定される。そこに入って中を歩くときも滞りがない。バグも非常に少ない(それも起こっても仕方がない状況でのみ起きる)。このゲームがマルチプレイヤー体験を強く意識していることはうれしいニュースだ。

開発チームによれば、ARインスタンスとして同時に集まれるのは10人だという。技術的には無制限なのだが、冒険用に設定された舞台やテーブルの周囲など小さな空間に物理的に集まれる人数を考慮してのことだ。64人で大規模な襲撃なんてことは期待できないが、3人か4人の仲間とクモの大群を引き連れて歩くことは可能だ。

開発者の苦闘

開発チームは、これまでのMinecraftと同じ方法でこのゲームを作るにあたり、自然な流れとしていくつかの制限とリスクを設けた。例えば、高速道路の真ん中に冒険アイコンが現れても困る。

その目的のために、開発チームは長期間をかけて、きわめて強固なマップのメタデータを作り上げた。他人の家や庭に冒険が発生しないように。ただし、手で拾える簡単なアイテムは出現する可能性がある。70m先のものまで手が届くので、その人の玄関のドアをノックしてプールの中に洞窟ニワトリがいるので取らせてくれ、なんてお願いする必要はない。

さらに冒険は、道や到達困難な場所には現れないようになっている。例えば歩道や公園など、そこが一般に開放され地区であり、さらに安全で入りやすい場所であることをエンジンが認識できるようにするのに大変に苦労したと開発チームは話していた。

Nianticの『ハリー・ポッター:ウィザーズ・ユナイト』は、ポケモンGo世代の魔法バイキング(本文は英語)

もうひとつの制限は、ARゲームであるため、現実の世界を歩き回らなければならないことだ。しかし、Minecraftの命は仮想性だ。当然のことながら、現実世界にいる限り、仮想的に作られた階段を昇ったり、洞窟に潜ることはできない。プレイヤーである私たちは、二次元の平面上にいる。そこに関わることはできるのだが、その平面の上や下の空間を歩くのは不可能だ(だがビルドプレートには例外もある。ミニチュアモードのときは、スマホを動かして建物の周囲を自由に飛び回ることができる)。

自由に歩けない人には残念なのだが、それでもビルドプレートを回転させれば、別の面にアクセスできるようになる。武器も道具も有効距離は無限なので、遊びの邪魔になるものや障害物を取り除くことができる。

プレイヤーを飽きさせない要素は?

ポケモンGOには、プレイヤーを放さない誘因がある。ハリー・ポッター:ウィザーズ・ユナイトには物語や能力が発展する楽しみがある。Minecraft Earthの場合はどうだろう? そもそも、Minecraftの魅力とは何なのだろう?それは物を作ることだ。それが、スマホの中のARの世界でもできるようになった。

このゲームは物語を追うものではない。詳細は公表されていないもののキャラクターがある程度成長する機能はあるが、Minecraftの本来の遊び方は、物を使ったり作ったりすることだ。レゴで遊ぶのと同じように、ビルドプレートと永続性のある手持ちのアイテムが活気に満ちた砂場になってくれる。

たしかに、ポケモンほどの病みつきになるゲームには見えないかも知れないが、Minecraftが型破りなゲームであることは事実だ。数百万人ものプレイヤーが、物を作ったり、作った物を人に自慢するために、ずっとこれで遊んでいる。最初は、物を人に見せる方法に限りがあるが、将来的には人気の作品を見て回るための手段が提供されるはずだ。

しかし、これでどうやって儲けを出すのだろう?開発チームはこの質問に対して答えをはぐらかしたが、彼らは幸せなことに今はお金のことを心配しなくていい立場にある。Minecraftは歴史的な大ヒットゲームであり大きなドル箱なのだ。たぶん、Minecraftの世界に人々やコミュニティをつなぎとめるためのコストに見合うだけのものが、これにはあるのだろう。

私にとってMCEは素晴らしいものだが、このゲームには誰がどう言おうと、本質的に評価されるべき価値がある。スクリーンショットやゲーム中の動画を紹介できなかったため、それが伝わらないのはよくわかる。ここはひとつ、見た目も素晴らしいしプレイ感覚もよく、あらゆる年代にとって心底楽しめるものだという私の言葉を信じてもらうしかない。

その他、本題から外れた事実を列挙しておこう。対象地域は順次拡大されることになっているが、正式スタートの時点では、今のMinecraftと同じ対象地域で普通にプレイできるようになっているはずだ。

  • スキンも使えるようになる(今のアカウントからスキンを読み込むことも可能にするとのこと)。
  • ビルドプレートのサイズとタイプは数種類用意される。
  • クラフトもできる。だが3×3のクラフト用グリッドがない(?)
  • 荒らしを通報できるが、ゲームの構造上、荒らしが大きな問題になることは少ない。
  • ARエンジンはポイントクラウドを生成し利用するが、寝室の写真を撮るようなことはしない。
  • コンテンツはマップに動的に追加される。ホットスポットもあるが、寂しい場所ではプレイヤーがいるときにコンテンツで満たされるようになる。
  • 当然、AR CoreとAR Kitが使われている。
  • 少し前に見たMinecraftのHoloLens版は、「技術よりも気持ち」を優先させた前任者だ。
  • 知的機能に困難を抱える子どもには冒険は怖すぎるかも。
  • ビルドプレートのブロックを「フレンド」が盗むことができる(寄付もできる)。
  • 面白そう?それならベータ版に登録しよう。

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(翻訳:金井哲夫)

プログラミングをゲームのように遊べるScratchのv.3.0が出た、タブレットでも使える

使うに値する唯一の子ども向けプログラミング言語Scratchが、Scratch 3.0のローンチを発表した。この強力なオープンソースツールに、おもしろい新しい機能がいくつか加わった。

学齢期の子どものいない読者のために説明すると、Scratchはブロック方式のプログラミング言語で、小さなゲームや、スプライトやアニメのある“漫画”を作れる。そのシステムはけっこう複雑で、子どもたちはこれまで、Minecraftのプラットホームや、楽しいアーケードゲーム*、そしてこんなものまで作ってきた。〔*: アーケードゲーム, arcade games, arcadeは日本語で言えば“ゲーセン”。〕

Scratchのこのニューバージョンには、ハードウェアを制御する機能や、新しいコントロールブロックがある。

Scratch 3.0は次世代のScratchで、Scratchでもっといろんなものを、いろんなところで作れるようになった。数十個もの新しいスプライトがあり、サウンドエディターもすっかり新しくなった。そして新しいプログラミングブロックもたくさんある。Scratch 3.0は、ラップトップやデスクトップコンピューターだけでなく、タブレットでも使えるようになった。

Scratchはプログラミングをゲームのように楽しめるツールで、うちの子は今でも、これで何度も何度も遊んでいる。そんな力を持つプログラミング言語は、ほかにない。とくに小学校入学前ぐらいの子どもに最適の、プログラミング入門だ。今度のアップデートをぜひチェックして、そして作ったアニメはぜひクラスでシェアしよう!

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Minecraftのクロスデバイスプレイが可能に

Microsoftの新しいXbox One Xの発表と同時に、ゲーマーたちにはMinecraftの最新ニュースが届けられた。主たる内容は、Minecraftが様々なデバイスで利用可能になったということだ。

MicrosoftはE3での大規模な発表の一部として、最新のMinecraftアップデートについての発表を行なった。

この”Better Together Update” (より良く統合アップデート)は、このゲームのコンソール、モバイル、そしてWindows 10の各バージョンを統合するものだ。

新しいアップデートには、より良いグラフィックスや、Windows 10とモバイルのMinecraftプレイヤーが一緒にゲームをできるようなクロスプラットフォームサポートが取り入れられている。

またアップデートの一環として、Minecraftは、Xbox One、Nintendo Switch、モバイルゲーム、あるいはVRと対応付けられていた専用のブランドを捨て去った。それらは全て”Minecraft”という名前になる。オリジナルになったPCゲーム(まだサポートされ続けている)の”Minecraft:Java Edition”は存続する。

同社によれば、このユニファイドブランディングは、購入者たちが皆同じゲームを手にしていることがわかり、どのようなデバイスを使っていても誰とでも遊ぶことができるようにデザインされている。

統合ゲームプレイでサポートされるデバイスは以下のものだ:

  • Windows 10
  • iOS
  • Android
  • XBox One
  • Nintendo Switch

モバイルやVR用のMinecraftを所有しているプレイヤーたちは、この夏にアップデートを受け取ることになる。Xbox Oneや任天堂Switch用のMinecraftのオーナーたちは新しいアップデートを無償で受け取ることができ、ゲーマーたちが作った既存のワールドは、新しいゲームの中でも利用可能だ。

また新しいアップデート後には、ダウンロード可能なコンテンツは全てのデバイスに対して提供されることになる。したがって、モバイルで購入したパックは、XboxとWindows 10のエディションでも使用できる。

追加特典として、Minecraftは最新のアップデートにゲームサーバーブラウザを投入している。同社によれば、Lifeboat、Mineplex、InPVP、そしてCubecraftの4つのサーバーを立ち上げて、プレイヤーたちが月間数百万人のユーザーを数えるパブリックサーバーに参加できるようにする。

Minecraft Realmsとは異なり、これは小規模なグループで利用できる非公開のクラウドホスト型のサーバーだ。

最後に、より良いライティング、シャドウ、ウォーターエフェクトを提供できる4K表示用の新しいグラフィックパックが追加されたことも発表された。

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(翻訳:Sako)

Nintendo Switch版Minecraft登場

先週開催されていたMicrosoftのBuild 2017イベントの、多数の発表の1つにはなっていなかったが、(米国時間)5月11日朝、Microsoftは、数年前に25億ドルで買収したゲームであるMinecraftが、Nintendo Switchに登場することを発表した。Microsoftによれば、この新しいゲームにはコンソールバージョンと同じ機能が含まれており、さらにマルチプレイヤーのミニゲームBattle and Tumbleも含まれているということだ。

そしてSwitchの柔軟性のおかげで、もし全員がSwitchを持っているなら同時に8人のプレイヤーがオンラインで、もしくはローカルで遊ぶことができる。あるいは1台のコンソールを使って同時に4人が1台のテレビの分割画面上で遊ぶこともできる。もしテレビがない場合には、本体のスタンドを使ってテーブルモードで遊ぶこともできる。この場合でも最大4人のプレイヤーが分割されたスクリーン上で同時に遊ぶことができる。プレイヤーたちは好みに応じて、Joy-ConまたはProコントローラーのいずれかを使用することができる。

Switchはポータブルなので、家を出ても引き続きプレイすることができる。Microsoftによれば、大画面テレビを使っていたとしても、あるいは携帯モードで使っていたとしても、ゲームは720pの解像度かつ60fpsでスムースに動作する。

このエディションでは、MicrosoftはSuper Mario Mash-Up Packも投入している(Wii U版にもMarioのテクスチャとスキンがあった)。

このパックには、マリオの音楽やキャラクターだけでなく、クリボーやパックンフラワー、象徴的なパイプなどのマリオをテーマとしたワールドが含まれている。Super Mario 64からの15曲と、ゲームからは、ピーチ姫、キノピオ、ヨッシー、コクッパ、ワリオといった40のキャラクターが取り込まれている。

Nintendo Switch版Minecraftにはこの他にも、中国神話、ハロウィン、ギリシャ神話といったいくつかのワールドを加わっている。またRedstone Specialists、Battle and the Beastの複数のスキンパック、そして2つの詰め合わせパックを含む多くのスキンパックも加わっている。

Microsoftによればこのゲームは(米国時間)5月11日から公開されるが、まずは北米のNintendo eShopで公開され、翌日にはヨーロッパと日本でも公開される予定だ。物理的パッケージ版も将来登場の予定である。

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(翻訳:Sako)

Minecraftにゲーム内マーケットプレイス機能が登場、クリエイターたちが創作物を売ることが可能に

Minecraftには、この春多数の新機能の追加が予定されているが、最も劇的なものはMinecraftマーケットプレイスだろう。これはユーザーたちがゲーム内での創作物を実際のお金で売買できる店舗機能だ。マーケットプレイスでは、Minecraftのチームによるキュレーションを受けた、マップ、テクスチャパック、スキン、ミニゲームなどが提供される。立ち上げ時のカタログには、Minecraft側が選んだクリエイターたちの作品が並ぶが、やがて最終的には登録ビジネスユーザーに開放される予定だ。登録はここから申し込むことができる

Minecraftマーケットプレイス内で買い物をするためには、Minecraft Coins(アプリ内で実際のお金で購入できる)を利用する。MicrosoftのMinecraftチームは、デバイスをまたいだコンテンツ購入が可能になる方法を探っている。つまりユーザーがWindows 10の上で購入したものがモバイル上で使えたり、あるいはまたその逆ができるようにするのだ。これはXbox Liveアカウントを通して行われることになるが、おそらくMicrosoftにとってはMinecraftファンを他のサービスへ誘い込む良い呼び水となるだろう。

パブリックベータ版はAndroid上で4月中旬にキックオフされるが、このベータ版ではゲーム内仮想通貨のテストが主目的となる。新しいゲーム内コンテンツを見つけて使いたいと思う人は、今春の終わりに予定されているフルローンチまで待つ必要がある。

これは明らかにMinecraftとその経済システムに関する大きな変化だ、なので既存の熱狂的なユーザーベースとの間に、どのような効果が生み出されるのかを興味深く見守ろう。

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(翻訳:Sako)

Windows 3Dの責任者が語る、これからの3Dが果す役割

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Microsoftの未来は3次元だ。これまでに私たちは、同社がHoloLensならびにMinecraftとの仕事を通じて、少しずつその概念を受け容れて行く様子を見てきた。だが今週の初め、ニューヨークシティーでのイベントで、同社は3Dコンテンツ作成をコア原則として掲げ、Windows 10クリエイターアップデートならびにSurface Studioのようなハードウェアの両方に、全力で取り組むことを発表した。

どのくらいの期間、同社がこの領域に注目してきたのかと問われて、Megan Saundersはしばしの沈黙の後、用心深く「ある時点から」と答えた。彼女はWindows 3D Initiativeのジェネラルマネージャーである。彼女はすぐに、以前はHoloLensチームにいて、3Dコンテンツ作成の入門障壁を低くするための仕掛けのインスピレーションを、彼女自身の子供から得たのだと付け加えた。その子は空間に興味があったのだが、複雑なCADプログラムを操作するために必要なスキルを持っていなかったのだ。

「今日の3Dマーケットを見てみると、ほとんどのツールセットがプロ向けのものなのです」と彼女は説明する。「もし人びとに、もっと直接的に3Dの世界へアクセスして貰えるようにできたら、人びとにはよりリッチで、魅力的で、そしてより包括的なことを行う多くの機会が開かれることでしょう。私たちは、それをより親しみやすくするために、皆のために何ができるかを知りたいのです」。

この答の一部はPaint 3Dの形で現れた ‐ とうの昔に、悪いコンピューターアートの代名詞になってしまっていた、同社の古いグラフィック作成アプリケーションの改訂版である。プログラムの新バージョンは確かに、それを使ったユーザーが、自らを「3Dコンテンツ作成者」と呼べるくらい閾値を下げてくれる。とはいえこれまでのPaintで予想できるように、結果のほとんどはとても簡単なものだ。

しかし、Paint – そしてクリエイターアップデート – は、人びとをMicrosoftの大いなる3D戦略に絡め取るための最初の1歩に過ぎないのだ。「エコシステムの構築を目指しています」とSaundersは説明した。「私たちがロールアウトしていくものには様々なものがありますが、Paintはその最初のステップです。誰でもそれをダウンロードすることができますし、Paintと私たちの3Dコミュニティを統合していますので、既存の3Dオブジェクトをリミックスすることも簡単になりました」。

また、計画リストには携帯電話をモバイル3Dスキャナーにする機能も含まれていて、ステージ上でSaunders自身によってデモが行われた。そのときキャプチャされたのはイベント会場に設置された砂の城だ。「私たちはWindows Phone上でのローンチから始めます。まだまた沢山のことを学ぶ必要があります。経験を可能にすることは、挑戦の一種なのです。私たちは、人々がそれを簡単にするにはどうすればよいかを考えるために、多くの時間を投資してきました。それが成長し離陸していく過程で、私たちは人びとのいる場所に行きたいと思っています。皆が自分自身のデバイスの上で経験を楽しめるようにしたいのです」。

今のところそれは、PowerPointのような同社の大きなソフトウェアに付随する断片的な展開である。将来的には、しかし、Saundersとそのチームは、コンピューター利用法と情報共有の中で、3Dコンテンツがより大きくより統合された役割を果すと予測している。3Dは、写真や動画と並んで、私たちが記憶を保存し共有するための新しいカテゴリの1つになるだろう ‐ この先それらを後世のためにデジタルまたは3Dプリントのどちらで残そうかという選択肢は、消費者3Dプリントが広く普及したこれまでの成果を踏まえると、これまでになく現実味のあるもののように思える。

「思い出に新しいカテゴリが生まれるかも知れませんね」とSaunders。「人びとは、心を揺さぶられる瞬間や友人や家族の、写真やビデオを撮影するために、沢山の時間を費やしています。そして私たちはまた、モノにも同じような思い出を宿らせています、でも私たちにはそちらに関しては同じような保存ツールがまだ無いのですよね」。

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(翻訳:Sako)

Minecraftが予見する未来の協働作業

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【編集部注】著者のJim Fowler氏はGEのCIO

子供たちは究極のベータテスターだ。新しい技術が何のためのものであるかを理解するとすぐに、彼らはそれを使って他の何かをさせようとする。彼らは限界を押し広げ、規則を破り、可能なことは何でも使って遊び、そしてリアルタイムでその結果を共有する。

私の息子と彼の友人たちがどのようにMinecraftで遊んでいるかを見たとき、私はエンジニアリングと技術の未来を見たのだ - そしてそれはとてもエキサイティングなものだ。

Minecraftは没入できるデジタルレゴセットのようなものだ。それはあなたに少ない種類のデジタルブロックから、世界全体を組み立てさせる。そうすれば、あなたはMinecraftアカウントを持つ友人たちやその他の人たちを世界に招いて、そこでやり取りをしたり、世界を変えたり、あるいは元の世界をベースにパラレルワールドを作ったりすることができる。

基本を学んでしまえば、組み上げることができる複雑さのレベルは事実上無制限だ。Minecraftを使った遊びのスタイルは、デジタルワークプレイスのための優れた訓練手段でもある。それは協働的で、リアルタイムで、対話的かつ終わりのない活動なのだ。

ゾンビや溶岩湖、そして本当にクールなモンスターたちもいる。

これからMinecraftが予見する未来の協働作業を紹介しよう。

自分自身のデザインした世界の中に住む

2014年に25億ドルでMinecraftを買収したMicrosoftは、このゲームを拡張現実ヘッドセットであるHoloLensと統合した。これが意味するのは、今やプレーヤーたちは目の前の現実世界の上に重ねられたMinecraftの風景を見下ろすことができ、他のプレイヤーたちが小さなアバターとして歩き回っているところを眺めることができるということである。

エンジニアのチームが進行中のデザインに対して、同じことをしていると想像して欲しい。あるエンジニアたちは仮想的な自分を縮小して自分たちのデザインの中を旅することができる。あたかも人体の中を旅する映画「ミクロの決死圏」の中の小さな探検家たちのように。他のエンジニアたちは全体のデザインを一度に眺めることができ、その構築過程をアリがアリ塚を作るのを眺めるように観察できるだろう。

スキルを引き寄せ創造性を解放するプラットフォーム上で働く

Minecraftはゲーム以上の存在である。サードパーティとユーザーはカスタム部品を作ることができ、それが創造性とスキルのためのグローバルなプラットフォームへと発展した。他の人が購入したり遊んだりするためのカスタムアイテム、キャラクター、そして世界は誰でも作ることができる。

ジョージ・R・R・マーティンのゲーム・オブ・スローンズのファンタジー世界全体がMinecraftの中に作られている

皆を引きつけるクールなものを開発し、世界的な創造性の井戸へと投げ込むことによって、Minecraftのデベロッパーたちは大当たりを引き当てている。彼らは1つの会社で雇うことは夢にも思えなかったほどの、多くの創造力を入手したのだ。例えば:ジョージ・R・R・マーティンのゲーム・オブ・スローンズのファンタジー世界全体が、ボランティアの共同体によってMinecraftの中に作られている。また別のグループは、ちゃんと動作する16ビットのコンピュータのモデルを作った。

Minecraftはこれまではゲーム世界の外にいた人たちの想像力にも火を点けている。アイルランドの小説家Julian Goughは、Minecraftの最初の冒険のエンディングクレジットとして画面に流される詩を書いた。そしてデンマーク政府は、ある会社にゲームにデンマークの実物大のマップを作るよう依頼した。

デジタル産業時代には、人を集め創造性を解放する力のあるプラットフォームを開発することができる会社こそがより繁栄するのだ。あなたのソフトウェアはもはや、ただ目の前の問題を解決することだけでは済まされない。それはまた、解決を続けるエコシステム全体への入り口でもあるのだ - その解の一部はあなたが作り、他の部分は顧客やユーザーから得られるものだ。

協働的かつリアルアイムに解かれる問題は複雑すぎるものにはならない

私の息子は学校から戻ってくると、(もちろん宿題を終えた後に)コンピュータにかじりつき5、6人の友人たちと一緒に世界を創り始める。彼ら自身のゲームのための部品(mod)をコードして、それを使って新しい世界を築くのだ。もし私が、彼らがたどり着こうとしている場所の半分でも理解していると言ったなら私は嘘つきということになる。私は世界規模のテクノロジー企業のCIOなのだが。

私の息子と彼の友人たちが一緒に複雑なことを創り上げていく過程で、私を魅了してやまないことは、そこには誰も責任者がいないということなのだ。にも関わらず、必要な変更を加えながら、すべてのものが素早く完全に出来上がるのだ。

私たちは、教室の外にある、アクティブで生涯続く技術への興味を引き出すものも見過ごすべきはない。

私たちは企業の世界における仕事の現場において、すでにこの種の自然発生的な、大いに効果的な協働作業を目撃している。CIOとして私はこれまでに、人びとがデータを使う際により快適に探求と発見を行う自身の方法を見つけていくところを目撃してきた。まだキャリアが浅いころ、私は人びとに技術の使い方を指図しようと躍起になっていた。今私がすることと言えば、データが必要な人に対して、ただ最大限の流量を確保することだけである。ある一定のガードレールは設置するものの、それ以外は人びとが探求し実験するままにしておくのだ。時々私は、リソースとデータを用いた、オープンエンドでオープンソース、そしていちかばちかのゲームの審判を自分がしているように感じることがある。

私の息子と彼の友人たちが苦もなく働くスピードも未来を感じさせる。私はエンジニアたちに与えられた現代の協働デザインツールが、巨大な産業プロジェクトのデザインと最初の製造を、何週間の単位から数日、時には数時間のレベルで行わせるところを見てきた。私の息子の世代が労働力として社会に出るとき、いったい何が可能になるのかを想像してみよう。

科学技術教育はいっそうゲームのようになり、学校くささは減っていく

米国におけるSTEM教育の不足が多いに議論されている、私たちはより多くのハードサイエンスを教室に持ち込むために、公式に力を合わせて努力しなければならない。けれども私たちは、教室の外にある、アクティブで生涯続く技術への興味を引き出すものも見過ごすべきはない。

私のCIOへの道は、父親の薬局のカウンターの後ろにいた子供の頃に始まった。私は1台のIBMコンピュータの上で走る1つの専用アプリケーションが、それまで必要だった月2日の余分な仕事をなくし、保険会社が紙で行っていた時よりも4倍速く父親へ払い戻しをしてくれることに、すっかり魅了されていた。今日私がしている仕事は - 世界的なビジネスのために企業資源計画(ERP)を最適化すること - 最初のIBMを使った時に感じた興奮の延長なのだ。

子供時代に経験するこの種類の魅惑と驚きが、コンピュータサイエンスにおける重要なキャリアをいくつも始めさせてきた。計算科学のパイオニア、クロード・シャノンとダニー・ヒルズは、MITで出会った時二人とも子供の頃3目並べを遊ぶための単純な機械を作っていたことを知って強い絆で結ばれるようになった。やがてシャノンはサーチ・エンジンに用いられる数学を発明し、そしてヒルズは最初のスーパーコンピュータの1つを設計した。

ヒルズとシャノンのようなキャリアをより多くひき起こして、そして我々の将来の労働力がデジタルと産業両方の言葉を確実に使いこなすことができるようにするために、より多くの子供たちを科学、技術、エンジニアリング、そして数学に、自然で自発的かつ創造的なやり方で触れさせなければならない。

最近GEは、私の母校ヴァン・ウェルト高校のロボットクラブに2万5000ドルの寄付をした。設立から5年ほどの間に、このロボットクラブは山のような受賞歴を重ねていた(やるじゃないか!)- しかしそれがGEがチームをサポートを決めた唯一の理由ではない。私たちは全米を横断して様々な組織と、若者たちをテクノロジーへ自然で自発的かつ創造的なやり方で引きつけるために提携を結んでいる。

結局のところ、技術の未来は遊びの中にあるのだ。

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(翻訳:Sako)

教員向けの「Minecraft: Education Edition」は5月にベータ公開

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今年1月、MicrosoftはMinecraftへの投資を拡大することを発表した。Minecraftは、同社が2014年に25億ドルで買収した人気のゲームで、新しいバージョンは教室で先生が使うことを目的にしている。今日(米国時間4/14)Microsoftは、“Minecraft: Education Edition” のベータ版を5月に提供開始すると発表した。

Microsoftによると、ベータプログラムは世界30ヵ国の100以上の学校で行う予定で、参加者は教室内でプログラムをテストできる。学校側は詳細なフィードバックを送り、Microsoftが一般公開前に改善する手助けをする。

その後6月にMicrosoftは、「アーリーアクセス」プログラムを開始し、教師はフィードバックを送ることを条件に、Minecraft Education Editionを無料で利用できる。この時点でソフトウェアは11言語、41ヵ国に対応する。同プログラムは夏まで続けられ、並行してMicrosoftはこれらアーリーアダプターらと協力して、授業プランを作ったり、学習活動のアイデアの共有、再利用可能プロジェクトの作成等を行う。

アーリーアクセスプログラムが終了すると(正式な日付は未定)、Minecraft: Education Editionのユーザーラインセンスを、直接あるいは一括ライセンスチャンネルを通じて購入できるようになる、とMicrosoftは言っている

既にMicrosoftと契約を結んでいる学校や学区は、年内に現行ライセンスにEducation Editionのライセンスを追加できると、Minecraft: Education EditionのFAQに書かれている。教師はオンラインで購入することもできる。大規模機関のための一括ライセンスもある。

これらの計画および価格については今後発表するとMicrosoftは言っている。

また同社は、Minecraft: Education Editionは、最新OSのWindows 10およびMac OS X El Capitanで動作することを確認した。教師と生徒は、学校または学区のメールを使って、無料のOffice 356 教育アカウントに登録する必要がある。

覚えている方もいるだろうが、Microsoftの教室版Minecraftの計画は、学習ゲームメーカーTeacher Gaming LLC買収に続くものだ。同社は教師向けのゲーム、MinecraftEduを作った。ゲームには、教師がMinecraftを使ってSTEM、歴史、言語、美術等をすべてゲームを通じて教えるための授業プランのライブラリーがついてくる。Microsoftは今年、同社を非公開の金額で買収した。

Minecraftを教室へと拡大する動きには、既に多くの学校がカリキュラムの一環としてこのゲームを使っているという背景がある。Microsoftが1月に公表したように、現在世界40ヵ国以上7000以上の教室で、生徒たちがMinecraftを使っている。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Microsof、Minecraftを25億ドルで買収―ファウンダーのNotchは「小さなプロジェクト」に戻る

今日(米国時間915)、MicrosoftはMinecraftの開発会社、Mojangを買収したことを発表した。Microsoftによれば、MinecraftはXboxとPC版だけでなく、今後ともiOS、Android、PlayStation版の提供が続けられるという。Microsoftによれば、「当初、このゲームをXboxに導入するためにMojangと交渉を始めたが、あまりに素晴らしいプロダクトであることに気づき、Microsoftのゲーム資産を多様化するため買収に踏み切った」ということだ。

ファウンダーのNotchこと Markus Persson、 Carl Manneh、Jakbok Porserは買収手続きの完了と共に会社を去ることを発表した。またMojangの公式サイトはこれまでに報道されてきた25億ドルという買収価格を確認している。Mojangによれば、NotchはMinecraftのような世界的大ビジネスを運営するのを好まず、今後は自分の気に入った小さなプロジェクトをきままに手がけていくつもりだという。Minecraftを売却するという決断は、Mincraftの今後の成長を保証すると同時に共同ファウンダーたちにそれぞれの気に入りの生き方をする自由を与えるために行われたという。

MojangはMinecraftの将来について具体的な発表はしていない。ただし当面は「いつもどおり」だという。Microsoftは「Minecraftのブランドと独立性を尊重する」と述べている。2010年以来、Mojangが毎年開催してきたカンファレンス、MINECONも継続される。

当初からのハードコアなMinecraftファンの中にはMicrosoftによる買収を喜ばないものも多いようだが、全体としてみればこの売却は健全だ。さらにNotchがまったく別の新しい「レゴ世界」をもう一度作るチャンスを与えるものでもある。

Notchは今回のMinecraft売却についてこう書いている。

私はMojangを離れる。

私は自分をゲーム開発者だと思ったことはない。私がゲームを作ったのは単に面白かったからだ。私はゲームが好きだし、プログラミングも好きだ。しかし私がMinecraftを作ったのは大ヒットを狙ったわけでもないし、まして世界を変えようなどと考えたわけでもない。Minecraftはたしかに大成功を収め、私は世界を変えたと人によく言われるようになった。それは確かに嬉しいことだったが、同時に、それは私をある種のスポットライトを浴びる公的な立場に置くことになった。

私はかなり以前からMinecraftから離れると決めていた。Jens (Bergensten)は後継者として理想的な人物だ。私は新しいことがやりたくなっていた。私はもう一度何か大きなことをやろうと考えたがうまく行かなかった。私はなにか小さな面白いプロトタイプづくりにこだわっていこうと決めている。

数週間前、たちの悪い風邪で家で寝込んでいるとき、私にはまったく関係ないEULA(エンドユーザーライセンス契約)の問題で、私はインターネットで憎悪の的になって炎上しているのに気づいた。わけがわからず、落ち込んだ。そのことをツイートした。その後YouTubeでThis is Phil Fish を見た〔ゲームデザイナーのフィル・フィッシュを例に、インターネットでの悪評が形作られるプロセスを解説したビデオ〕。そこで自分がインターネットのゲームファンの間で、ある種のシンボルになっているのに気づいた。しかし私はシンボルなどはごめんだ。そういうわけでMojangにとどまる限り、私が好きでもなく、理解もできない巨大な責任を繰り返し押し付けられることになると分かった。私は本質的に起業家でもCEOでもない。私はTwitterで遠慮なく発信するオタクのプログラマーにすぎない。

Microsoftによる買収手続きが完了しだい、私はMojangを離れ、Ludum Dare〔ゲーム開発コンペ〕やウェブでの小さな実験的プロジェクトに戻るつもりだ。

私の一般的なイメージはすでにかなり歪められたものになっているので、Mojangを離れたからといってネガティブ・コメントの洪水を止めることはできないだろう。しかし少なくとも、それをいちいち読む責任からは解放される。【中略】

この決断は金のためではない。私の正気を維持するためだ。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+