アメリカでも麻疹大流行YouTubeは予防接種反対ビデオの広告収入をゼロ化へ

BuzzFeed Newsに指摘されたYouTubeは、予防接種反対派のビデオを同社の広告収入源にすることをやめる。また同社は新しい情報パネルを予防接種反対ビデオの前に置き、そこに“vaccine hesitancy”(予防接種躊躇)のWikipedia記事のリンクを置く。YouTubeが誤報と戦う努力〔日本語記事〕の一環である情報パネルは、すでに麻疹(はしか)やおたふくかぜ、風疹(ふうしん)のワクチンに関するものが、それらに言及する予防接種反対派ビデオの前に置かれている。

BuzzFeed Newsへの声明文でYouTubeはこう述べている:

“弊社には、どんなビデオなら広告が現れてもよいかに関する厳格なポリシーがある。予防接種反対のコンテンツを助長するビデオは、そのポリシーに違反している。弊社はこれらのポリシーを強力に執行しており、それらに違反するビデオを見つけたときには直ちに反応し広告を取り去っている”。

今週YouTubeのアドバタイザーズが広告を停止せざるをえなくなったのは、これが二度目である。前回はネスレやディズニーなど数社の大型アドバタイザーズが、広告を停止する、と発表した。それは、YouTube上のクリエイターMatt Watsonが、YouTubeのリコメンデーションのアルゴリズムが、彼が“ソフトコアの小児性愛グループ”と呼んでいる連中に悪用されていることを暴(あば)いたからだ。

BuzzFeed Newsは、予防接種の安全性に関する検索で最初に上位に出てくるのは病院などのまともなソースだが、YouTubeのUp Nextアルゴリズムがそれらの次に出してくるリコメンデーションは、予防接種反対のビデオであることが多い、と指摘している。広告はYouTubeの広告アルゴリズムが勝手に出しているものだが、それらのビデオの多くにも広告は表示される。YouTubeはBuzzFeed Newsに、Up Nextアルゴリズムを書き換えて、予防接種反対ビデオの拡散を防ぐ、と言っている。

アメリカなどの国で麻疹が大流行し、FacebookやGoogleなど、ソーシャルメディアをはじめとするテクノロジー企業は、誤報の拡散を防ぐための自分たちの役割を、真剣に引き受けざるをえなくなっている。

BuzzFeed Newsが取材したアドバタイザーズの中で、自分たちの広告が予防接種反対ビデオの前には出ないようにしたい、と答えた企業は、Nomad Health、Retail Me Not、Grammarly、Brilliant Earth、CWCBExpo、XTIVIA、そしてSolarWindsだった。VitacostはBuzzFeed Newsに、自分たちは児童搾取問題が知れ渡る前からすでに広告を取り去っていた、と述べた。

予防接種反対のチャネルから広告を取り去る企業に、VAXXED TV、LarryCook333、そしてiHealthTubeが加わった。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

広告業界インサイダーのグループが、広告賞にロシア疑惑を推薦

少人数の広告業界インサイダーのグループが、今年の広告賞シーズンに向けて斬新なキャンペーン制作し、ロシアの偽情報活動をノミネートした。

The New Yorkerの報道によると、この広告インサイダーたちは、自ら制作したロシア疑惑のケーススタディー —— “ProjectMeddle.com” —— をWebby Awardsに推薦した。

Webbyアワードは「インターネット最高の作品」に対して称賛と謝意をこめて贈られる賞だ

Project Meddleの応募ビデオだけでも一見の価値がある。

広告専門家からなる同グループは有志の協力を得て、ロシアの妨害活動を強く訴える事例を、マーケティングの名作にしあげた。

グループはロシアのプロパガンダと偽情報を流布するシステムの露骨なやり口を注意喚起するべく、マーケティングの手法を使った。

ロシアが支援する活動がポケモンGOなどの人気アプリやソーシャルメディアを悪用して、自分たちの作戦を推進する「ニュース」を創作しようとしたことも、キャンペーンは指摘している。

ロシアの一連の行動が、選挙結果に何らか影響を与えたことは、運動のスコープと到達範囲から考えて疑いの余地はない。

キャンペーンを賞に応募したことで、広告業界は自らの偽善的行為と直面することになった。これが上層部が行動を起こすきっかけになれば理想的だ。

「私の願いは、あの部屋に座っている力の強い人たちの何人かだけでも『こういうことが再び起きないために、私は何をしているのだろう?』と気づいてくれること」とある参加者がThe New Yorkerに話した。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook