企業の物流における意思決定を最適化しテストするnextmvが8.4億円調達

物流企業の配車スケジュールなど、企業の意思決定モデルを最適化しテストするnextmvが米国時間2月9日朝、シリーズAの800万ドル(約8億4000万円)のラウンドの完了を発表した。

同社の既存投資家であるFirstMarkが、nextmvに肩入れしてシリーズAをリードした。その他GitHubのCTOであるJason Warner(ジェイソン・ワーナー)氏やSeamlessの創業者Jason Finger(ジェイソン・フィンガー)氏、StripeのCOOであるClaire Johnson(クレア・ジョンソン)氏、Greenhawk CapitalのAnkit Agarwal(アンキット・アガルワル)氏など、そして2048DynamoAtypicalなどの機関投資家が参加した。

画像クレジット:nextmv

Carolyn Mooney(キャロリン・ムーニー)氏とRyan O’Neil(ライアン・オニール)氏が創業したnextmvは、ロジスティクスにフォーカスした意思決定モデルを最適化しテストする工程を単純化する。たとえば2人が前に仕事したフードデリバリーのGrubhubの場合はどうか。Grubhubは、オーダーが届く度に、デリバリーのスピードや、ドライバーの車の走行距離、全体的な効率などさまざまなプライオリティを計りにかけなければならない。

そのために大量のリソースと人材を要し、そのプラットフォーム上で動いているアルゴリズムを会社の業績評価指標(KPI)に基づいて最適化する。KPIが変わればアルゴリズムを修正し、さらに多くのリソースを注ぎ込んでアルゴリズムの変更をテストしなければならない。

変更をテストするためにはシミュレーションの環境が必要だが、nextmvはそれをローンチ時から提供している。

最新ラウンドの直後から、nextmvはプロダクトの単純化に取り組んでいる。同社はnextmvのクラウドを立ち上げて、オペレーションズリサーチャーだけでなくデベロッパーもソフトウェアを使えるようにした。クラウドサービスにはルーティングとデリバリースペースの即席モデルがあって、デベロッパーが意思決定を自動化できる。また今後は、ロジスティクス以外の別の分野への応用も考えている。

nextmvが存在しないときには、オペレーションズリサーチャーの大きなチームが意思決定モデルの最適化とテスト環境のシミュレーションを行っていた。nextmvが登場してからは、プロダクトを操作するオペレーションズリサーチャーが1人いればいい。さらに現在では、デベロッパーがプラットフォームを実際に使用してみることもできる。

ムーニー氏は、デベロッパーの活用について次のように述べている。「共同創業者もそうだが、世の中には何十万人ものオペレーションズリサーチャーがいて、調査会社や企業内の専門グループでいろいろな問題解決をあたっている。デベロッパーは何百万人もいる。デベロッパーからでも、能力を引き出せるはずだ。すべての技術者がメッセージングの技術者になることができるTwilioと同じ考え方だ」。

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今回の巨額な資金は、同社のクラウドプラットフォームをプロダクトとして完成させることに充てられる。これによりnextmvの技術を広めて、アクセスしやすくし、また一方ではコンテンツ部門を充実してユーザーがそのソフトウェアを探求できるようにしたいという。

nextmvは最終的に、このプラットフォームを軸とするデベロッパーたちが意思決定の自動化の方法を共有するデザインツールFigmaのコミュニティのようなコミュニティを育てたいと考えている。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:nextmv資金調達ロジスティクス

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(文:Jordan Crook、翻訳:Hiroshi Iwatani)