NianticがポケモンGOユーザーがアップした画像データで独自の3Dマップ構築へ

ポケモンGOを開発したゲームデベロッパーのNiantic(ナイアンティック)は会社評価額40億ドル(約4300億円)で4億7000万ドル(約505億円)の資金を調達し、AR(拡張現実)サービスの構築に乗り出すことを宣言した。

NianticはポケモンGOの成功で一般消費者にも認知されるメインストリーム企業になった。このブランド力とここで得たノウハウを活かしてFacebook(フェイスブック)やApple(アップル)のものに匹敵する本格的なARプラットフォームを制作するという。

米国時間5月26日にNianticはポケモンGOプレイヤーからの情報を3Dデータ化することを発表した。ユーザーは他のユーザーがアップした実際のポケストップやジムの画像、動画を共有できるようになる。Nianticはこのクラウドソーシングで詳細な3Dマップを作成する。

Nianticのブログ記事によれば「コンピュータで処理可能な3Dマップにより各種デバイス(スマートフォンや将来はスマートヘッドセットなど)を通じて、現実世界をその複雑さのままに立体的に把握できるようになる」という。

Nianticがユーザーからのリッチデータを収集し高度に処理を行うことなるため、このプロジェクトはプライバシー上の議論を引き起こす可能性がある。データ収集のターゲットをポケストップとジムに限定したのは、個人の家の中などのプライベートな場所のデータを収集してしまうリスクを最小化するためだ。プレイヤーは(少なくとも当初は)この機能を利用するために事前承諾する必要がある。同社によればサーバーにアップロードされたデータは匿名化され、顔やナンバープレートは自動的にぼかされる。

この発表は、世界の3Dマップをクラウドソースで構築することを目標としたARスタートアップ6D.aiをNianticが買収してからわずか2カ月後に行われた。

ポケモンGOは2016年に発表され大評判となったが、このタイトルはNianticにとって現在も金の卵だ。アナリストの推定によれば、ポケモンGOの2019年にこのゲームとして最高の9億ドル(約967億円)の売上を記録したという。

Nianticは3Dデータ収集のターゲットを多くのユーザーに拡大することでARプラットフォームの構築でライバルに対する優位性を確立しようしている。「ハリー・ポッター」をベースにした新しいゲームタイトルに加えて、同社はNiantic Real World Platformを構築中だ。サードパーティデベロッパーはこのプラットフォームを利用して独自のゲームやソフトウェアを開発できる。

デベロッパーを集める上で、NianticはアップルのARKitプラットフォームやフェイスブックがスタートさせたSpark ARプラットフォームとの厳しい競争に直面している。3Dマップのデータへのネットワークアクセスをデベロッパーに提供できる点を同社のプラットフォームの優位性のカギとしようとしているのかもしれない。これにより大規模かつ画期的なARプロジェクトが可能となる。そのサービスのユーザーがデータをNianticに送り返してくればプラスのフィードバックがかってプラットフォームはさらに強化されるだろう。

3Dデータの収集機能はレベル40以上のポケモンGOユーザーに対して、2020年6月に公開される。その後すぐに他のユーザーにも拡大される計画だ。

画像クレジット:LLUIS GENE / AFP / Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Niantic、会社評価額39億ドルで2億ドル調達か?

ポケモンGOを開発、運営しているNianticは、シリーズCラウンドで39億ドルの会社評価額で2億ドルの調達を図っているという。このラウンドはIVPがリードし、SamsungとaXiomatic Gamingが参加するとWSJのKaty Roofが報じている

これにより、Crunchbaseのデータでは、同社の調達総額は4億2500万ドルとなる。 Nianticの直近のラウンドの評価額は30億ドルだった。

われわれはNianticにコメントを求めている。

ARテクノロジーに注力してきたNianticは最近アップデートされたIngressや近く登場が予定されているハリー・ポッターなどのモバイルゲームを開発、運営している。同社は2010年にGoogleの社内スタートアップとして設立されたが、2015年に独自の事業としてスピンアウトした。大ヒットとなったポケモンGOをリリースしたのは独立の翌年だ。

同社は現在、ポケモンGOに続くヒットを目指して、ハリー・ポッター・シリーズをテーマとした拡張現実モバイルゲーム、Harry Potter:Wizards Unite〔邦題未定〕の開発に取り組んでいいる。ポケモンGOの成功が巨大だったこともあり、次作の成功はNianticにとって極めて重要なものとなるだろう。ゲームのリリース日程はまだ明かされていない。


画像:Niantic

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滑川海彦@Facebook Google+

Niantic、ポケモンGOに個人対戦モード導入へ――PvPは年内に実装か?

Pokémon GOが正式にスタートしてから2年半経ったが、大ブームを起したこのゲームには重要な機能が欠けたままだった。プレイヤー間の対戦モードだ。

それがいよいよ導入される。

公式アドレスからそれを予告するツイートが続けてアップされた。Nianticはプレイヤー・バトル・システムの導入準備を進めていることを認めたが、時期については「近く」としか明かさなかった。

これはいったい?

なんと! 

期待せよ! トレーナー・バトルが近くやってくるぞ。 

個人間のバトル・モードはユーザーがいちばん強く望んでいた機能だろう。もう一つ大勢のユーザーが望んでいたポケモンのトレード機能は半年前に実装されている。もちろん以前からプレイヤーはジムでチームに所属してバトルをプレイできたし、巨大、凶悪なポケモンを捕獲するために共同することもできた。ただしリアルタイムでのプレイヤー間対戦システムは導入されていなかった。

この8月にNianticは for 今年中に対戦モードを導入するという計画を発表していた。上に貼ったツイートを見ると、どうやらスケジュールは守られることになりそうだ。

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ポケモンGOにシンオウ地方のモンスターが登場する――アップデートで新機能も多数

このところ新しいポケモンが登場しないのでポケモンGOをお休みしていたという読者も多いかもしれない。それなら再起動の準備だ。2007年のポケットモンスター・ダイヤモンド・パール/プラチナでお目見えしたシンオウ地方のポケモンがポケモンGOに登場する。

単に100種類の新しいポケットモンを追加すればすむ話ではない。テクノロジーの観点からするとこれは簡単ではない事業だったはずだ。新顔は何波かに分けられて徐々にやって来る。いちばんありふれたモンスターは今日にも登場する。もっとクールで珍しい種類は数週間かけてやって来るはずだ。

今回のアップデートは第4世代のポケモンとなるが、そのうちどのモンスターがまず登場するのか(そもそも移植されるのか)はまだ明らかでない。任天堂とNianticはモンスターを少しずつ登場させてプレイヤーの興味をなるべく長く惹きつけておこうと試みるだろう。

ヒトコザル(Chimchar)はなかなかかわいいので近く誰もが肩に乗せるようになるはず。しかしプレイヤーが目指すのはドラゴン・タイプのディアルガだろう。これはジムに多数出てくるだろうと思う。私自身はしんせつポケモンのグレイシア(Glaceon)の進化を狙うことになると思う。

この他、各種の新機能が予告されているのですでに捕獲したポケモンにも新しい価値が生まれるはずだ。

トレーナー諸君、すぐにアプリをアップデートだ。バッテリーの電力消費がまた激しくなりそうだ。なお、この木曜日にロサンゼルスで開催されるTechCrunchのAR/VRセッションNianticのRoss Finmanがやって来る。このエリアにいるなら話を聞くチャンスだ。

〔日本版〕engadgetにも関連記事

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滑川海彦@Facebook Google+

ピカチュウが現実の物体の影に隠れるようになる――Niantic、新テクノロジーと開発中のゲームをデモ

AR〔拡張現実〕空間になんらかのオブジェクト(たとえばピカチュウ)を描写することを考えてみよう。このとき現実の空間で人間や自動車が手前を通り過ぎたとする。するとAR空間のオブジェクトは現実のオブジェクトの後ろ側になる。ここで非常に厄介な問題が生じる。

仮想オブジェクトを現実のオブジェクトによって「隠す」作業は極めて複雑だ。システムは描写中のピクセルが別のピクセルの「手前」にあるのか、「向こう側」にあるのか、中間にあるのかを判断できなければならない。自動運転車のように複数のカメラやレーザーレンジファインダーを使うのは非常に役立つがスマートフォンが通常備えるようなRGB感光素子の単一カメラで、しかもリアルタイムでこうした識別を行うのは至難の技だ。ほとんどのARアプリでオブジェクトがごく近くの空中に浮かんでいるような描写になるのはこうした理由からだ。

ピカチュウが活躍するポケモンGOのテクノロジーを支えるNianticは、まさにこの問題に取り組んできたスタートアップ、Matrix Millを買収した。

2017年にロンドンのユニバーシティー・カレッジのプロジェクトからスピンアウトして企業となったMatrix MillはMonodepthと呼ばれるテクノロジーを提供する。このツールは単一のRGBカメラから得たデータをニューラルネットで処理し、リアルタイムのゲームに利用可能な速度で距離情報を出力する。

同社は昨日(米国時間6/27)、少数のジャーナリストを招いてMonodepthのデモを行った。下にエンベッドしたサンプルではNianticの現行のARエンジンで描写したピカチュウとMatrix MillのMonodepthテクノロジーで処理したピカチュウを比較している。

2番目のバージョン(0:33から始まる)では通行人がピカチュウを隠している。またピカチュウはプランターを通り抜けるのではなくて、きちんと後ろに回り込む。レンダリングはまだ完全ではなく、ときおり不整合やノイズが出ている。しかし開発段階のこのデモでもリアルさが大きく向上していることが見てとれる。残念ながら、ポケモンGOにこのテクノロジーが導入される時期についてはまだ情報がない。買収の金額など詳細についても不明だ。

Nianticはこれ以外にもきわめて短いレイテンシーでAR体験を共有できるテクノロジーを利用したゲームのデモをいくつか行った。いずれもまだ実際のゲームには導入されていない。

たとえばNeonというコードネームで呼ばれる実験的ゲームではプレイヤーは広い場所を走り回って「弾薬」を拾い、他のプレイヤーに向けて射つ(下のビデオ)。:

このゲームではシステムが他のプレイヤーを認識して、それぞれにマーカーを付与してトラッキングしていることが注目される。ゲーム内を飛び交うARの「ロケット」はプレイヤーだけでなく、アプリを通すかぎり室内の観戦者もリアルタイムで見ることができる。プレイヤーが持つ複数のデバイスからの情報を共有することでシステムはリアルタイムでゲームマップを更新し、各プレイヤーの相互の位置関係を把握する。Niantic/Portkeyが準備中のハリー・ポッター・ゲームにおける魔法使いのバトルにこのテクノロジーが応用されることは十分予想できる。

共有ARというコンセプトは実験的な3次元ARパズルゲームのTonehengeにも使われている。Nianticはこのゲームを数日で開発したという。

これもハリー・ポッターに出てくる「魔法のチェス」を思わせる雰囲気があった。

最後にNianticはReal World Platformを紹介した。これはiOSとAndroidにまたがるクロスプラットフォームのツールとAPIのセットで、サードパーティーのデベロッパーがARゲームを開発するためのベースとなる。ポケモンGOと同様のメカニズムを備えた独自のゲームが開発できる。ユニークなコンセプトを用意すれば、マップ、スプーフィング対策ツール、世界のゲーム可能地点の巨大なデータベースなどをNianticが提供する。

Nianticでは今年中に「少数の選ばれたサードパーティー」に対してこのツールの提供を開始するという。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

ポケモンGOでついにトレードできるようになった――フレンドにギフトも贈れる

ポケモンGOがリリースされてからもうすぐ2年になるが、ついに待望のポケモンのトレーディングができるようになる。つまり、すべてのポケモンを捕まえるという終わりなき旅の助けとして、手持ちのポケモンを他のプレイヤーのポケモンと交換できる。

トレーディングは今週末にリリースされる「フレンド」機能をベースとしている。トレーディングはフレンド機能のリリースの「すぐ後」に公開されるそうだ。ただしNianticは具体的な日時を明らかにしていない(その前になんらかの問題が発見される可能性に備えているのだろう)。

プレイの仕組み

    • トレーディングをするにはまずゲーム内で「フレンド」を作っておかねばならない。かつそのフレンドが100メートル以内にいる必要がある。
    • フレンドになるには相手にリクエストを送り、承認されたらプレイヤー固有のトレーナー・コードを共有する必要がある。
    • フレンドになると共同でゲームを楽しむための各種の特典が得られる。ジムバトルやレイドバトルで共同して戦うとアタックボーナスがつく。レイドバトルでは、プレミアボールの数が増える。

    • 共同作戦の数が増えるほど「仲良し度」も増える。
    • 一部のポケモン(伝説のポケモン、色違いのポケモン、「ずかん」に載っていないポケモンなど)の交換は「特別なポケモン交換」となる。これは「仲良し度」が「友達」以上の相手でなければならない。つまりこれまで共同の冒険に参加したことがない単なる「知り合い」は不可だ。これはネットでポケモンを売ろうとする不届きな連中を排除するためだろう。
    • 「特別なポケモン交換」は1日に1回だけ実行できる。
    • トレードには「ほしのすな」というゲーム内資産が必要だ。交換するポケモンが希少であればあるあるほど「ほしのすな」の消費量も増える。ただし「仲良し度」がアップすると、「ほしのすな」の必要量が減る。下にスクリーンショットを貼った。左の例ではとうてい不可能な100万ポイントが必要なのに対し、右の例だと4万ポイントすむ。「仲良し度」は画面右上のハートのアイコンの数で示される。

フレンド機能には、トレーディングと別に、ギフティングというまったく新しいコンセプトも導入された。ポケストップやジムでフォトディスクを回すと「ギフト」というアイテムが手に入ることがある。ギフトはプレイヤー自身では開封できないが、フレンドに贈ることができる。この通知にはギフトを手に入れた場所の写真が添えられるのでいわば絵葉書として使える。これにはいくつかの「有用なアイテム」が含まれるということだが、Nianticはどんなアイテムなのか具体的に説明することを避けている(ただしギフトには「アローラの形をしたポケモンが生まれてくるタマゴ」が入っていることがあるもよう)。

「ほしのすな」の必要量が変わることや1日1回などの回数制限などトレーディングはなかなか込み入った仕組みだが、これは無料のトレーディングが直面しがちな「タダ乗りして儲ける」連中の出現を防止する上で必要なのだろう。放っておけば、どうにかしてレアなポケモンを手に入れてeBay(にせよどこにせよ)で売り出す不心得モノが出てくることは容易に想像できる。しかしトレーディングには過去にポケジムなどでいっしょにプレイした履歴が必要だとなればハードルが高くなる。つまりこうしたインチキで一儲けしようとしても旨味がだいぶ減るわけだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Niantic、ポケモンGOの次はハリー・ポッターと発表――噂のARゲームは来年リリースへ

Niantic LabsのポケモンGOは世界的ヒットとなった。モバイルデバイスで作動するロケーション・ベースのAR〔拡張現実〕テクノロジーと膨大なファンを持つIP〔知的財産〕を組み合わせたことが同社の大成功のカギだった。ならばハリー・ポッター・シリーズをテーマにしても同様の熱狂的なファンの反応を期待してもよいはずだ。

Harry Potter: Wizards Unite〔ハリー・ポッター:ウィザーズ・ユナイト〕と題されたARゲームは2018年にリリースされる。開発はNianticとWarner Bros. Interactiveおよびその新たな子会社のPortkey Gamesだ。

NianticがポケモンGOスタイルのハリー・ポッター・ゲームを開発しているという噂は昨年、同社がハリー・ポッターのゲーム化ライセンスを取得したときから出ていた。しかし近くゲームが公開されるという噂はすぐに否定され、オリジナル記事もウェブから削除された。

ハリー・ポッター・ゲームの存在はついに公式のものとなったが、詳細はまだ明かされていない。リリース時期についても「来年のいつか」というだけだ。ただし内容についてはNianticのARゲーム、Ingressの影響を強く受けたものになる。このゲームではプレイヤーは2つの陣営のいずれかに所属し、現実世界を広く歩き回り、パワーアップ・アイテムを集め、ポータル地点を守り、コントロール範囲を広げていく。

このIngressの仕組みはハリー・ポッターの世界観に非常にうまく適合する。IngressのSF的設定を剥がせばその骨格はハリー・ポッターをARゲーム化するために生まれたといっていいぐらいだ。また当初Ingressで(後にポケモンGOで)収集された位置情報データベースがそのままゲーム化に活用できるはずだ。

アップデート: Nianticの公式発表はこちら。Harry Potter: Wizards Unite

画像:Warner Bros.

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

ポケモンGO、7/23早朝から伝説ポケモンが出現する

ポケモンGOに伝説ポケモン(Legendary Pokémon)が登場する。伝説ポケモンは専用機のゲーム中で神話や伝承と共に言及される非常に珍しく非常に強力なポケモンだ。伝説ポケモンは黒く輝くタマゴとして最近導入されたレイドバトルに登場するという。倒すことができれば、他のポケモン同様、捕らえて利用できる。

伝説ポケモンが最初に登場するのは7月22日〔日本では7月23日〕なのでカレンダーに印をつけておこう。まず姿を現すのはシカゴのグラントパークで開催されるPokémon Go Festだ。ここに集まったトレーナーたちが協力して伝説ポケモンを倒すと、世界のレイドバトルにそのポケモンが現れるようになる。

伝説ポケモンは「とても強力なので…倒すためには皆で協力することが必要」だとNianticとポケモンGO社は述べている。この種のイベントを組織する上で非常に賢明な戦略だ。伝説ポケモンの登場がプレイを止めてしまった人々を呼び戻す力があるかどうかは分からないが、現行ファンにプレイを続けさせるクールさは十分あると思う。

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【以上】

Niantic、ポケモンGOの集客単価を発表――マクドナルドは最大1日300万ドル支払った計算

Nianticによれば、同社のゲーム、Pokémon GOは日本で延べ5億人の訪問者をマクドナルドなどの店舗に誘引したという。こうした提携スポットでは特別なデジタル・グッズが入手できる。ただしNianticはこれまで誘引した客1人当たりスポンサーがいくら支払っているかは明かしていなかった。

しかし昨日(米国時間5/30)、ブラジルの新聞、Globoに掲載されたインタビューでNianticの戦略的提携担当副社長、 Mathieu de Fayetは (翻訳によれば)「プレイヤーがある場所に行けばアイテムをゲットできるようにすることで、そういう場所の所有者であるパートナーから客単価で0.15ドルが支払われている。われわれは日本でこのシステムにより、すでに5億人を誘引している。[昨年夏のポケモンGOゲームのピーク時には]マクドナルドのは各店店舗1日あたり平均2000人を集客していた」と述べている。

しかしこの記事に対してNianticの広報担当者が訂正を加えた。それによると「0.15ドル」という数字は誤りだという。 おそらく翻訳の際に混乱があったのだろう。Nianticによれば同社の「集客1人あたりコスト(CPV)モデルでは、パートナーは提携スポットでは1日あたりユニーク客ごとの支払い額は0.50ドル以下としている」という。

0.15ドル/人で計算するとこうした提携によるNianticの売上は7500万ドルとなるが、0.5ドルという高い方の数字を採用すれば、2億5000万ドルだ。

日本のマクドナルドが3000店舗でポケモンGOと提携したとすると、ゲームの最盛期には客単価0.15ドルの場合90万ドル、客単価0.5ドルなら300万ドルが毎日Nianticに支払われた計算だ。

提携店舗を「ポケジム」にした場合、プレイヤーはバーチャル対戦ができる。「ポケストップ」の場合はタマゴやポケボールなどのモンスター捕獲アイテムを入手できる。

ポケモンGOはアメリカでSprintとStarbucksの7800店舗と提携している。両者ともこの拡張現実ゲームのマニアであるティーンエージャーや若い大人の歩行客を店舗に集める助けになると期待している。

ただし任天堂の取り分は売上のほんの一部だ。Nianticはライセンス料をPokémon Companyに支払うが、任天堂はこの会社の議決権の32%を所有している。

ポケモンGOがスポンサー企業にとって成功だったとしても、歩行客を現実店舗に呼び込むことを目的とするアプリは一つではない。ただYelpのようなサービスはレストランや店舗に客を送り込んだ成果を数量化するのに苦労している。客がYelpの情報によって行く店を発見したり、決めたりしたとしても、それを証明する方法がない。店舗にジオフェンスのような仕組みあってアプリに情報がフィードバックされるのでなければ客がどのような経緯で来店したか知ることはできない。

ポケモンGOの場合、プレイヤーはスポンサー企業の店舗に行くことで特定のバーチャル・グッズを手に入れるなどできる。ポケモンGO側では客が増えても追加コストはほとんどゼロだがス、ポンサーは集客1人ごとに最大0.5ドルを支払ってくれる。

位置情報ベースの各種の集客アプリも人気の高いバーチャルグッズや割引きクーポンなど追加コストがゼロに近いインセンティブを発見する必要があるだろう。こうすればスポンサーが拡大するにつれて利益率が急激に増加し、サービス開発の初期投資を回収できるようになるはずだ。しかしわざわざ特定の店舗に足を運び、手間をかけて獲得できる賞品がつまらないバッジやスタンプだけだったらYelpのユーザーは失望するだろう。アプリ側はもっとクリエーティブな才能を働かせる必要がある。

画像: Kentaro IEMOTO/Flickr UNDER A CC BY-SA 2.0 LICENSE

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

バレンタインのポケモンGO、ルアーモジュールの効果が6時間になり、レアポケモンの出現頻度もアップ

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マニア的ポケモンGOプレイヤーは、大幅に減ってしまったのかもしれない。しかしホリデーイベントを仕掛ければ、まだまだ(ある程度の)プレイヤーを呼び戻すことができる。そしてふたたび熱心にプレイし始める人もいることだろう。

そんなふうに考えるナイアンティック(Niantic)は、ハロウィーン感謝祭、そしてクリスマスなどにイベントを仕掛けてきた。そして、来たるべきバレンタインデーにもスペシャルイベントを行うようだ。

内容は以下の通りだ。

  • ピクシー、ラッキー、およびポリゴンなど、「ピンク」ポケモン(外見にピンク色が含まれているポケモン)の出現率がアップする。ラッキーやポリゴンは、たいていの場所で非常にレアなポケモンとして知られている。出現する傾向もよくわかっておらず、このバレンタインがゲットする大チャンスになるわけだ。これを機にポケモン図鑑の完成を狙っている人もいることだろう。
  • ピンクの「ベイビィポケモン」はタマゴを孵化させてゲットするわけだが、イベント中はベイビィポケモンの孵化率が上がることになるようだ。ナイアンティックによれば、対象となるのはピィ、ププリン、およびムチュールなどであるとのこと。なお余談ながら、個人的にはこれらベイビィポケモンが、タマゴからしか入手できないのが気に入らない。そのような設定にする理由がよくわからないのだ。
  • バディポケモンと一定の距離を歩いたり、あるいはポケモンをゲットしたり博士に送ったり、はたまた孵化させた際にゲットできるアメの数が倍になる。
  • ルアーモジュールの有効時間が「6時間」に延長される。通常は30分しか効果がないので、なんと12倍に延長することになるわけだ。

ルアーモジュールの効果時間を伸ばすことで、あらためて大勢の人の盛り上がりを復活させることができるのかどうかは注目してみたいところだ。ご存知のこととは思うが、ポケストップにルアーモジュールを配置すれば、周辺でのポケモン出現率がアップして、周辺の人みんなが恩恵をうけることができる。効果持続時間が長くなれば、近接したポケストップが一斉にルアーオンの状態になって、ひとびとが大挙して訪れるというようなことも期待されているのだろう。大勢の人が集まってニュースになったような場所に、ふたたびたくさんの人が訪問するようなこともあるのかもしれない。

バレンタインイベントは、2月9日早朝から、2月15日早朝にかけて実施されるとのことだ。

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(翻訳:Maeda, H

ポケモンGO、売上5億ドル達成はゲーム史上最速―App Annieが詳細レポート発表

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ポケモンGOはデビュー以來数々の記録を達成してきた。たとえば、 最初の1週間で史上最多のダウンロードGoogle Playでの最速の5000万インストール などだ。このゲームがまた新記録を樹立した。ゲーム史上最速の売上5億ドル達成だ。

モバイル・アプリのアナリティクス企業、App Annieの最新レポートによれば、ポケモンGOはiOSとAndroidを通じ、世界で5億ドルの収入を上げた。またこのペースなら年末までに売上10億ドルを達成するという。

App Annieは「ポケモンGOはリリース後わずか60日でまた記録を作っった」と述べている。

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このニュースに先立って、昨日、NianticはAppleのiPhone 7発表イベントに登場し、デビュー以來世界で5億回ダウンロードされたと発表した。ポケモンGOのトレーナーが地球を歩きまわった距離が合計で46億キロになるという。ポケモンGOはApple Watchにも移植された。 Appleの別の発表によれば、App Storeは最後の2ヶ月だけで対前年比106%の急成長を遂げたというが、その原因の大きな部分はおそらくポケモンGOだ。

App Annieは8月上旬のレポートで、ポケモンGOは7月初めのデビュー以來、売上3億5000万ドルを確保したはずと述べている。

それから1月足らずで記録はさらに大きく伸びたことになる。

他の人気モバイルゲームの場合、5億ドルを売り上げるためにははるかに長い時間がかかっている。キャンディークラッシュは200日、クラッシュ・オブ・クランとパズル&ドラゴンズでは400日以上必要だった。

App Annieのレポートによれば、ポケモンGOの収入はアプリ内課金の売上だけではない。ポケモンGOは他のブランドのプロモーションを手助けするために提携契約を結び始めている。たとえば,ファーストフードチェーンのマクドナルドは日本で最初にポケモンGOと契約した。これによって日本のマクドナルドの3000近い店舗がポケストップ、ポケジムなどのスポットとなった。

今月に入って、Nianticは日本の大手モバイル・キャリヤ、SoftBankとの提携を発表し、3700箇所の店舗がポケモンGOの公式スポットになった。

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App AnnieによればポケモンGOのユーザー忠実度は衰えを見せていない。デビュー後30日間におけるユーザーの再帰率ではスクラブルに似たZyngaのソーシャル・ワードゲーム、Words with Friendsにやや遅れを取っているが、キャンディー・クラッシュやクラッシュ・オブ・クランより依然として上だ。

同レポートではさらに、「ポケモンGOが他のモバイル・アプリから時間を奪っている兆候はやはり見いだせない。おそらく非モバイル活動から一定の時間が奪われているのだろう」としている。

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画像:: Bryce Durbin

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

「ポケモンGO」、日本マクドナルドがコラボレーションを正式に認める

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米国でのローンチ以降、何かと話題を振りまいているNianticのスマートフォン向けARゲーム「ポケモンGO」。米TechCrunchが「日本でのリリースは7月20日」だという記事を掲載したことを契機に、その熱気はさらに高まっていた(その後米TechCrunchはローンチ延期に関する記事を掲載した)。

冒頭の記事では、マクドナルド(日本マクドナルド)が日本のローンチパートナーとなると記載されており、その後同社の内部資料らしき画像もネット上に流出。各種メディアでの報道が相次いだが、その日本マクドナルドの持ち株会社である日本マクドナルドホールディングス(日本マクドナルドHD)が7月20日19時半付の適時開示でコラボレーションの実施を正式に認めるアナウンスを出した。内容は以下の通り。

日本マクドナルド株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長兼 CEO:サラ・エル・カサノバ)はiOS/Android向け『Pokémon GO』(読み方:ポケモン・ゴー)とのコラボレーションを近々実施する予定です。

『Pokémon GO』は、世界で人気の位置情報を活用したモバイル向けのゲームアプリケーションです。
現在、サービススタート時のご不便がないよう、開発元が鋭意準備していると伺っております。環境が整い次第、速やかにコラボレーションの詳細を含め、ご報告させていただきます。

※本日の新聞等における様々な報道は当社が発表したものではございません。

上場企業が適時開示を出すと言うことは、すなわち投資判断に重要な影響を与える情報だということ。IPを提供する任天堂の株価がこの2週間で2倍超になった(7月8日に1万4935円だった株価は7月19日には3万1770円。20日には2万7765円となった。いずれも終値)。マクドナルドの発表もこういった影響があるということだろうか。日本マクドナルドHDの7月20日の終値は前日比9.84%増の3515円となってる。

だがここまで来ても、ポケモンGOの公式サイト、Nianticの特設サイトとも正式な日本ローンチのアナウンスは出ていない。僕もいちファンとして、そのローンチを見守りたいと思う。

Pokémon Goは現実の人の流れを作り出した―ポケストップ、ポケモン・ジムも登場

2016-07-12-pokemon-paying-customers

ごく珍しいポケモン・アイテムを探しているときに上のような張り紙―ポケモンは有料のお客様に限ります―を見つけたらどうすべきだろう? 私ならたぶん金を払って中に入ってどんなポケット・モンスターが店内に棲息しているのか確かめようとするに違いない。

Ingressと任天堂は、まだ入場料を払ってPokémon Goがプレイできる現実の場所というビジネスモデルをスタートさせていない(おそらくアプリ内課金だろう)。しかしこのアプリには現実世界で人の流れを作り出す力があることは否定できない。上の画像はNeoGAFという掲示板に投稿されたものだが、似たような例は多数、報告されている。

一部のビジネスはこれを逆に利用して、Pokémon Goがプレイできることを宣伝して客を呼びこもうとしている〔日本版:下の画像がそのポケストップの立看板〕。

Screen Shot 2016-07-11 at 9.16.47 AM

現在Pokémon Goがプレイできるこうした場所はPokéStopやPokémon Gym(これは覚えておくべき用語だ)などと呼ばれている。Pokémon Goのプレイヤーはこれらの場所に集まって珍しいアイテムを手に入れたり、技を競い合ったりしている。こうした地点はユーザーの申請によってIngressの地理情報データベースに登録される。申請は自由にできるが、公開データベースへの登録はNianticによって審査される。

Ingresはゲーム内ロケーションの登録を収益化のために活用している。 東京三菱UFJ銀行はNianticと提携してIngressを使った大がかりなブランド・キャンペーンを展開した。たとえばMUFG銀行のATMがIngressのポータルとなったり、MUFG銀行ブランドのゲーム内アイテムが登場したりした。Zipcar、AXA、Circle Kなど多数の企業がIngressの拡張現実ロケーション情報を利用している。

Nianticのプロダクト・マネージャー、Brandon Badgerは以前、gamesindustry.bizによるインタビューの中で、ブランドによるロケーションを導入する方式でIngressの収益化を図るビジョンを説明している。

Pokémon Goはすごいことになっている。写真は〔ニューヨークの〕セントラルパーク。事実上Pokémon Goの本部化している。 

すでにNianticと任天堂がPokémon Goに用意した仕組みを使って現実世界で人の流れを作り、ビジネスに結びつけようとするユーザーが多数現れている。たとえば、Forbesの寄稿者、Jason Evangelhoの記事には大勢のプレイヤーを無我夢中でPokéStopに押しかけさせるために頭のいいビジネス・オーナーがどのような手法を利用しているかが詳しく報告されている。

しかしどんな手法にせよ、そもそもPokéStopがすでに開設されているのでなければ利用できない。当然ながら大小さまざまなビジネスが自分たちの場所をポータルとして登録するようNianticに申請中だ。

ゲームの人気を利用して現実の人の流れを作り出したことがあるのはNianticばかりでなく、任天堂もそうだ。 ニンテンドーゾーンは専用ゲーム機の通信機能を利用して特定の場所に設置されている機器と通信し、特別なコンテンツをゲーム機にダウンロードできるサービスだ。任天堂は日本ではマクドナルド、アメリカではWiFiキャリヤのBoingoと提携し、無料でコンテンツがダウンロードできるようにしている。 Chris ScullionはMcDonaldとの提携方式がPokémon Goでも利用できるとして次のようにツイートしている。

マクドナルドなどの企業が大金を払ってチェーン店のすべてをポケモン・ジムに変え始めるまでに6ヶ月と考えている 

ゲームがこれほどの成功を収めたことが明らかになると、大小を問わずビジネスとしてはこのゲームを利用する方法を考えた方が、歩道に昔ながらの看板を立てておくより、はるかに賢明なのは間違いない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

GoogleとNintendoが支援するARポケモンゲームPokémon Goが今日からiOSとAndroidにローンチ

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おや、びっくり! GoogleもNintendoも投資しているあの待望の拡張現実(AR)ゲームPokémon Goが今日(米国時間7/6)、あなたの手の中にあるAndroidとiOSデバイスにやってくる。

このゲームはアメリカで5月にベータでリリースされたが、今日ついに、そのほかの多くの国のiOSとAndroidユーザー向けにも発売されるようだ。最初はニュージーランド限定だったが、これはアプリが世界展開されるときのよくある第一歩で、もうすぐ市場が一気に大きく広がる前触れだ。この記事を書いている時点では二大市場のアメリカとイギリスはまだだが、今日の水曜日中には各国で手に入るようになるはずだ。

本誌TechCrunchの常連ライターGreg Kumparakはやや前にこのゲームをプレイし、そのあと、”awesome”(すごい、すばらしい、とってもいい)という言葉しか出てこなかった。

Pokémonゲームで育った人は、今でもプレイしている人はもちろん、必ずGoへ行くだろう。スマートフォンにPokémonのキャラクターを登場させ、戦闘はあなたが選んだ現実の場所で行われる。ゲームのダウンロードは無料だが、一部のキャラクターはアプリ内購入でアンロックする。このゲーム用の35ドルのウェアラブルが、今月の終わりごろ発売される。

go plus

ゲームはIngressにとてもよく似ている。それはPokémon Goを作ったNiantic Labsの名を上げたゲーム、そして同社は昨年、Googleからスピンアウトした企業だ。Ingressは二つのチームが全世界のテリトリーを奪い合う戦闘ゲームで、これまでのオンラインゲームと違って、ARによって現実の世界がゲームの戦場になるところがおもしろい。

現時点〔日本時間7月6日18時〕ではニュージーランドのみだが、iOSはここ、Androidはここでダウンロードできる。ほかの国でもできるようになったら、リンクを更新しよう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

任天堂とNianticのPokemon Goのリリースは今月末頃か—Go Plusデバイスは35ドルと判明

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すでにかなりのことがPokémon Goについて報じられている。Ingressの開発チームが任天堂と協力してiOSとAndroidでプレイできるクレージーな拡張現実ゲームを開発した。実際、私はもうプレイしてみた

しかし一つだけミステリーが残っている。リリースの日付」だ。開発したNianticはリリース・スケジュールに関してはスーパー沈黙を守ってきた。それでも若干のニュースが聞こえてきた。

今朝(米国時間6/15)、任天堂、The Pokemon Company、Nianticは共同でライブのQ&Aセッションをアメリカに配信した。この中で任天堂の伝説的なゲーム・プロデューサー、宮本茂氏は大方の意表を突いてPokemon Go Plusのリリースのスケジュールを明らかにした。Go Plusはこのゲームのオプションとなるハードウェアだ。屋外でスマートフォンの画面を見続けなくても、このGo Plusがあればポケモンの位置を知ったり、捕まえたりすることができる。

go plus

宮本氏によれば、Go PlusはJuly月末まえにリリースされ、価格は34.99ドルだという。

ライブ画像ではこのニュースに対してパネリストたちが驚いて身じろぎする様子を見ることができた。つまり、このデバイス自身はゲームと連動するのでなければ、見た目がクールだという以外に役に立たない。それが7月末に出荷されれるのであれば、ゲーム本体は当然それより前にリリースされていなければならない。

The Pokemon Companyの石原恒和CEO・社長はすぐにこの意味に気づき [通訳を介して]こう述べた。

「宮本さん、あなたはGo Plusデバイスの出荷日をお話になったのだと思いますが…そうなると当然アプリはその前に出ていないといけない。皆さんを失望させないために、われわれは全員これからハードワークをこなす必要がありますね。」

もちろんこれは具体的な日付ではない。しかしリリース・スケジュールに関して今のところいちばん詳しい情報だ。Nianticの社員の1人は私の取材に対して、「最終的なローンチ日付はまだ公開できる段階になっていない :(」と返事してきた。

また石原氏は私が前回の記事で書いたこのゲームの詳細をいくつか確認した。リリース当初、プレイヤーはPokemonをトレードすることはできない。しかしその機能は将来追加される、などだ。

このゲームについて簡単におさらいしておくと、Pokemon Goはわれわれにとって馴染み深いGameboy/DSゲームからのゲーム・コンセプトのドラスティックな転換といえる。われわれは画面の中に入り込むのではなく、現実の世界に出る。われわれはiPhone/Androidのカメラを通じて拡張現実の世界を見ることができ、そこでPokemonを探すことになる。詳しくは私のゲーム体験レポートで。

〔日本版〕こちらはTechCrunch Japanの5月下旬のPokemon Go記事

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

IngressのNianticラボがアメリカでPokémon GOをベータ・リリース―一般公開近づく

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GoogleがAlphabetに改編された直後にGoogleからスピンアウトしたゲーム・スタートアップのNiantic Labsは、今日(米国時間5/25)、開発中の位置情報を利用した新ゲーム、Pokémon GOのベータ版をアメリカ向けにリリースすると発表した

今月に入って熱心なゲームファンはNianticの最新ベータ版にアクセスするための登録ができるようになった。登録したフィールド・テスターは一般公開に先立ってNianticにさまざまなフィードバックを送信することが期待されている。

ベータテストはすでに日本、オーストラリア、ニュージーランドで実施されているが、いよいよアメリカでもベータ版が公開されるということは一般公開が近づいていることを意味するのだろう。

Nianticは2015年に株式会社ポケモン、 Google、任天堂の各社から シリーズAのラウンドで2000万ドルの資金を調達したのと前後してPokémon GOの開発を始めている。NianticチームはGoogleの組織再編にともないAlphabetの傘下で活動するより、外部の独立したスタートアップとして起業する道を選んだ。NiantiのCEO、John Hankeは以前、TechCrunchのインタビューに対して、「独立企業であれば意思決定がより迅速なる。また外部の企業やチームとの協力の方法もスムーズになる」という意味のことを語っている。

しかし独立企業であることの裏側は当初から成功が必要だということでもある。期待の高いモバイル版のPokémonタイトルはなんとしても成功し、固定したファンをつかまねばならない。これまでPokémonゲームにタッチしたことのない層を新たに取り込むのが理想だ。

今日の公式ブログでNianticはゲーム自体についてもいくつかの情報を明かした。Nianticの前作、Ingressは現実世界とゲームを緊密に結びつけることで大ヒットとなったが、Pokémon GOも現実世界における場所移動をテーマとしている。

プレイヤーはゲーム内でPokémonの進化を助けるだけでなく、 家の外に出ていわゆるPokémonエッグを探したり成長したPokémonを見つけたりしなければならない。Niantecの説明によると、卵を孵すまでどんなPokémonが出てくるかわからない。また卵を孵すには一定の距離を歩く必要があるという。

またプレイヤーはPokémonジムという現実世界の一定の場所Pokémonの能力を競わせるバトルを楽しむことができる。勝者となってジムの支配権を得るのは3組のチームのうちの一つで、プレイヤーはこのバトルをするためにどれかのチームに所属する必要がある。

スマートフォンの各種センサーと位置情報を用いて現実世界とゲーム世界を結びつけるのはNianticゲームの最大のセールスポイントだ。これにゲーム世界のアイコンともいうべき高い知名度を誇るPokémonが加わるのはIngressの場合よりはるかに広い層にアピールできるだろう。

現実世界では100匹以上のPokémonが発見を待っているという。プレイヤーがこうしたPokémonに近づくとスマートフォンのプッシュ通知がそのことを教えてくれる。ゲームの詳しい情報―PokéボールでPokémonを捕まえる方法とかPokéStopsの使い方とか―はこちらで発表されている

ベータ・テストに加わっていない場合でも、まだ登録を受け付けているようなので試してみるとよい。ただしプレイを許可されるベータ・テスターの総数は明らかではない。ゲームはiOS版とAndroid版が用意され、今年中に一般公開される予定だ。

〔日本版〕 記事中のスライドショーのインポートが一時的に不調なため、とりあえず最初の画像のみ掲載。 Pokémon GOについてはポケモン・カンパニーのサイトに日本語で詳しい説明があり、紹介動画もアップされている。なお、Nianticはゴールドラッシュ時代にサンフランシスコに入港した船の名前で「ナイアンティック」と発音する。Hankeのビデオで2:30あたりから。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

IngressのNianticラボ、新ゲームPokémon GOを開発―(株)ポケモン、任天堂、Googleから2000万ドルを調達

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現在コンピューティング・ナードの諸氏に大人気のゲーム、Ingressを作っているNiantic Labsが本体のGoogleからスピンアウトしたのはほんの2ヶ月前のことだ。先月、新生Niantic, Inc.はPokémon GOといいうプロジェクトに取りかかったことを発表した。

そして今日(米国時間10/15)、NianticはシリーズAラウンドで2000万ドルの資金調達に成功したことも公表した。投資家は株式会社ポケモン、任天堂、そして旧親会社のGoogleだ。Nianticが今後所定の条件をクリアすればさらに1000万ドルの追加資金が提供されるという(残念ながらその条件は明らかにされていない)。

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新会社が取り組んでいるPokémon GOはまだ完成していないが、未公開の「所定の条件」はおそらくこのプロジェクトの成否に関連しているのだろう。Pokémon GOが完成した段階で残る1000万ドルの支出が検討されるものと思われる。

ゲーム・スタートアップにとってはかなりの資金ではあるが、Nianticのファウンダー、CEOのJohn Hankeには驚くほどの金額ではないかもしれない。Hankeは、2001年に衛星画像処理システムKeyholeを開発し、これが後にGoogleに買収されてGoogle EarthのベースとなったHankeは引き続きGoogleで地図情報グループの指揮を取り、いわばその副産物としてIngressとNiantic Labsを現実化したわけだ。

Nianticへの投資について株式会社ポケモンのCEO、石原恒和社長は次のようにコメントしている。

PokémonがNianticに戦略的投資を行ったのは、ソーシャルかつモバイルな体験の普及に道を開くための絶好のチャンスと見たためだ。われわれPokémon Companyは今後もNianticやこれと同様のコミュニティーとイノベーションにコミットする精神に溢れた企業と提携していく。

正確に言えば、Nianticは新規に再編されたAlphabetからのスピンアウトではなかったが、現在は小さなスタートアップとしては驚くほどの特権を保持しており、優秀なゲーム・デベロッパーをコミュニティー・マネージャーを採用中だ。近い将来、没入的ゲームという新しいジャンルのパワーハウスとなる可能性は十分だ。

私はJohn Hanke〔JH〕に直接取材して独立企業としてのNianticの進路などについて詳しい話を聞く機会があった。

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TC: Googleからのスピンアウトについて詳しく聞かせて欲しい。
JH: 私はGoolgeで長年ジオ( Geo)グループにいた。それでNianticをスタートさせることができたわけだが、 Googleの友人たちが私にNianticを企業としてインキュベーションする機会を与えてくれた。当時われわれは位置情報とモバイル・テクノロジーを組み合わせて、足でリアルタイムで現実世界を動きまわる新しいアドベンチャー・ゲームの構築に取り組んでおり、新会社を作ることはたいへん理にかなっていると思えた。この夏になって、Ingressのコミュニティーには外部からのパートナーが参加することなり、プラットフォームの規模拡大の道筋が見えてきた。それで〔新会社は〕ますます理にかなっていることとなった。

TC: スピンアウトでいっしょにGoogleを出たメンバーはどのくらい?
JH: 相当の人数がいっしょに来た。現在われわれの会社には35人の社員がいるが、さらにサンフランシスコ、シアトル、ロサンゼルスで求人を行っている。.

われわれはIngressを「友達と足で歩いて体験する新しいアドベンチャー」と呼んでいる

— John Hanke


TC: その間、Googleはどのような援助を行ったのか?

JH: Googleは大きな助けになってくれた。特にリソーの提供の面だ。オフィスのスペース、Googleのさまざまな部門へのアクセス、コンピュータ・テクノロジー、それに人事管理まで全面的に援助してくれた。加えてGoogleの優秀な頭脳がさまざまな助言をしてくれた。それに長年慣れ親しんだ位置情報グループからスムーズに新会社に転換できたことは大きなメリットだった。

TC: Googleから独立した企業になったわけだが、新会社は今後どこに向かうのか?
JH: 独立企業になったことで、取締役会とのコミュンケーションを含め新会社の意思決定は迅速化される。仕事の進め方がまったく変わってくる。新しいプロダクトを作り出し、プラットフォームのスケール化、それにふさわしい販売チャンネルの構築を試みているとき、この意義は大きい。

【後略:原文参照】

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Ingressを産んだNiantic Labs、Googleから独立して新たな成長を目指す

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Googleが設立するAlphabetに関連して、まだまだいろいろな動きが出てきそうだ。米国時間で8月12日には、Google内のとあるグループが別会社になる旨がアナウンスされた。Alphabet傘下にとどまるのかどうかについては、まずはみなさんで想像してみて欲しい。

独立するのはNiantic Labsで、Google+のIngressアカウントから以下のようにアナウンスがあった。

Important Account Information:Niantic Labsが独立した企業となります。Googleとも新たな協力/バックアップ関係を構築しつつ、さらに魅力的で面白いプロダクトを、いっそう多くの人にむけて提供していきたいと考えています。Ingressはこれまでに1200万ダウンロードを達成しており、世界中のライブイベントにも25万人以上の人が参加してきました。ゲーム参加者は探索や発見を大いに愉しみ、各参加者の移動距離を合計すると太陽から地球までの距離にも相当します。

さて、Alphabet傘下にとどまるのかどうかだが、結局完全に独立した企業としてやっていくことになるようだ。「NはNianticのN」ではなかったわけだ。もちろんGoogleとNiantic, Inc.の関係が完全に切れてしまうというわけではない。

Ingress Missions

TechCrunchの取材に対応してくれたスポークスパーソンは、今後の関係について次のように述べている。

Niantic Labsは、モバイルの世界に非常にイノベーティブなエクスペリエンスをもたらしてくれました。Ingressはその成果のひとつです。これまではGoogleのインキュベーションのもとにありましたが、すでに独立した企業として成長を求めていく段階に到達しているのです。これからも投資家やパートナーとして、全面的な協力関係を築いて行きたいと考えています。Nianticはこれからも世界中の人々に新しい、そして面白いプロダクトを問うていくことになるでしょう。そのような企業をサポートしていくことに、私たち自身も大いに期待しているのです。

Nianticは、Google内のスタートアップとして2010年にJohn Hankeが設立したものだ。そして多くのテック系の人々が熱中するIngressという拡張現実ゲームや、Field Tripというアプリケーションを世に送り出している。なるほど、NianticのプロダクトはGoogleの他プロジェクトと重なるものではないのかもしれない。そこで独立という成長の機会が与えられたということなのだろう。

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(翻訳:Maeda, H

Niantic Labs、Ingressにユーザーが新しくミッションを作れる機能を追加

GoogleのNiantic Labsは、人気のAndroid版、iOS版の拡張現実ゲーム、Ingressユーザー生成のミッションという新機能を追加した。ユーザーは友達あるいは一般プレイヤーのために、独自のミッションを作れるようになった。作成にはブラウザ・ベースのミッション・クリエーターを利用する。

といっても、すべてのユーザーがすぐにこの機能を利用できるわけではない。Niantic Labsは、レベルの高いプレイヤーから順次機能を公開していくという。そうしたプレイヤーの反応や作成されたミッションの実績を見ながら徐々に利用範囲を広げていくようだ。Niantic Labsのプロダクト担当副社長、John Hankeは「この機能は当初、一定の基準をクリアしたユーザーに対して公開される。将来は一般ユーザーも利用できるようになるだろう」と述べた。

ミッション作成ツール自体はかなりシンプルだ。Ingressのスキンを載せたGoogleマップが表示されるので、作成しようとしているミッションでプレイヤーが行かねばならない場所にマーカーを落とせばよいだけだ。場所の特定にはNiantic LabsのField Tripアプリのデータを用いてもよいし、非常にあいまいにして、ヒントだけを残しておくこともできる。 現実の世界である地点に到達したとき、プレイヤーはその地点を「スキャン」しなければならない。この動作でプレイヤーが目的地を実際に踏んだことを確認する。

他のプレイヤーが作ったミッションの表示はAndroid版でアプリではサポートされている(iOSでは近くサポートされる)。ただし表示されるミッションは自分がプレイしている都市中のものに限られる。たとえばオークランドの自宅でベッドに寝そべったままサンフランシスコのミッションを表示することはできない。これに対して世界中どこにいてもあらゆる場所でのミッションの作成が可能だ。外国で素晴らしい休暇を過ごして帰ってきてから自宅で現地でのミッションを作ることもできる。自分が気に入った景色や名所旧跡をミッションに逐一追加して、現地を訪れた友達を案内するなどということも可能だ。

IMAGE BY Niantic Labs

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+