たった10グラムで、その10倍分の野菜の栄養が摂れるパウダー「Nice n Easy」が法人向けプログラム

朝食からしっかりとした食事をとるべき、というのは分かっているけれど時間がない。結局、トースト1枚で済ませてしまう。そんな人にぴったりの商品を日本のスタートアップが提供している。

Techbookが提供する食品パウダー「NICE n EASY(ナイスンイージー)」は、野菜・果物・フルーツを粉にしたものを独自のレシピで配合したパウダー製品だ。水や牛乳などと混ぜて飲むことで、簡単に野菜などの栄養をとることができる。

現在販売されているレシピは2種類。トマトをベースに、ビーツ、人参、パオアブを加えた「Enji(エンジ)」と、ほうれん草、かぼちゃ、バナナを配合した「Moegi」だ。酸味が特徴のEnjiは水やスポーツドリンクなどと相性が良く、甘みのあるMoegiは豆乳やホットミルクと混ぜるとおいしく飲めるという。

Techbookはもともと、デジタルマーケティング分野を専門としていた企業。その同社がなぜ食品を作ることになったのだろうか。Nice n Easyのアイデアが生まれたきっかけについて、Techbook代表取締役の清水拓也氏はこう語る。「トーストやシリアルだけで済ませていた自分の朝食に課題を持っていた。母親からもらったミキサーでスムージーを作ってみたりもしたが、野菜を切ったりミキサーを洗ったりするのが面倒になり、長くは続かなかった」(清水氏)

Techbookは2017年末にクラウドファンディングサイトの「Makuake」で資金を募り、目標金額を集めることに成功した。2018年2月からは商品化も始めている。

Nice n Easyの最大の特徴は、その製造方法だという。Nice n Easyの食品パウダーはTechbookと提携する九州ベジパウダーが製造しており、その工程には「ターボドライシステム」と呼ばれる独自の技術が利用されている。これは、“加熱と粉砕”にかかる時間を通常の製粉技術よりも大幅に短縮した技術だ。これにより、野菜を乾燥させる過程で失われる栄養素を最小限に抑えることができる。そのため、10グラムのNice n Easyを食べるだけで、100グラム分の野菜の栄養素を摂ることが可能になった。

Nice n Easyは定期購入と通常購入の2種類の方法で購入することができる。より価格の安い定期購入では、30食分のパウダー入りのパックが9820円で販売されている。つまり、1食あたり327円ということになる。1本100円程度で野菜ジュースが売られていることを考えると少し高い気もするが、清水氏は「野菜ジュースのなかには甘くするために角砂糖3個分の糖分が入っている商品もある」と話す。だから野菜ジュースは飲みやすいということもあるのだけれど、それだと逆にお腹周りが心配になってしまう。

また、Nice n Easyを飲むことで、野菜をサラダにして食べるよりも効果的に栄養素を摂ることができるという。野菜は加熱することで初めて細胞膜が破壊され、中から栄養素がにじみ出てくる。だから、火を加えないサラダでは十分に野菜の栄養素を摂ることができない。一方で、Nice n Easyではパウダー化する段階で熱を加えているため、野菜に含まれた栄養素を効率的に摂ることが可能なのだという。

Nice n Easyを提供するTechbookは2月14日、企業のオフィスにNice n Easyを導入する法人向けプログラムを開始すると発表した。その導入第一号は中古住宅の流通プラットフォームなどを手がけるツクルバで、同社が運営するコワーキングスペース「co-ba shibuya」への導入が決まっている(清水氏はこのco-ba shibuyaでNice n Easyの企画・開発をしている)。

Techbookは本日より法人向けプログラムの事前登録を開始。オフィスシーンでのニーズや利用の様子を観測しながら、事前登録した法人に優先的にプランを案内していく方針だという。

Techbook代表取締役の清水拓也氏