化粧品ECの「NOIN」とKDDIが資本提携、コスメ販売でのオンラインカウンセリング導入など新購入体験を創造

化粧品ECの「NOIN」とKDDIが資本提携、コスメ販売でのオンラインカウンセリング導入など新購入体験を創造

化粧品ECプラットフォーム「NOIN」(ノイン)を運営するノインは1月26日、KDDIとの協業を目的として「KDDI Open Innovation Fund 3号」(KOIF3号)より出資を受けたと発表した。同提携により、両社協力のもとノインのメインユーザーである20代・30代の女性向けに、化粧品販売におけるオンラインカウンセリングの導入など新たなオンラインでの化粧品購入体験の創造に取り組んでいく。

NOINは、最先端技術を使ったオンラインカウンセリングや、自身に似合う化粧品のオンライン版タッチアップ・レコメンドのシステム実装により、ユーザーが感じる「ネットでコスメを選びにくい」をオフラインでもなくしていくという。

また、au Payのような決済、コマースサービスとの連携、KDDIが運営するプラットフォームとのシナジー創出により、さらに多くの「コスメ選び」に悩む女性とつながり、ひとりひとりの課題を解決するとしている。

近年のEC市場の拡大により、日用品などはオンライン購入が一般的となったものの、経済産業省「令和元年度電子商取引に関する市場調査」によると化粧品についてはオンラインの購入比率は約6%と低く、対面のカウンセリングが可能な店舗での購入が中心という。

一方ノインの調査「外出自粛期間前後の化粧品購入に関する意識調査レポート」によると、コロナ禍により、外出自粛期間中はスキンケア商品などを中心にオンライン購入比率が約64%に上昇するなど、今後オンライン販売の拡大が期待されているとした。

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外出自粛期間前後の化粧品購入に関する意識調査レポート」、調査対象:化粧品プラットフォーム「NOIN」に登録するユーザー、調査方法:アプリ内でアンケートを実施、対象地域:全国、調査期間:2020年5月28日~2020年6月3日・有効回答数:2350名

KDDI Open Innovation Fundは、スタートアップ企業を支援するコーポレートベンチャーファンド(CVC)。KDDIとグローバル・ブレインで2018年4月に立ち上げた「KDDI Open Innovation Fund 3号」は、運用総額約200億円規模で、エンターテイメント、ホーム、IoT、ビッグデータ、フィンテックなどを注力分野としている。

ノインでは「誰でも自分に合う化粧品に、あたりまえに出会える世界」を目指し、化粧品ECプラットフォーム「NOIN」事業をはじめ、化粧品ブランドのEC進出支援などを実施。現在ノインで取り扱う化粧品は1万5000点を超えているという。

またメイクアップ術やメイクの悩みを解決するオリジナル記事の提供などを通じ、顧客に最も適した化粧品をアプリ(Android版iOS版)で見つけるサポートも展開。アプリは累計ダウンロード数250万を突破し、月間アクティブユーザー数も10代から30代前半の女性を中心に約60万ユーザー超となっているそうだ。

化粧品ECの「NOIN」とKDDIが資本提携、コスメ販売でのオンラインカウンセリング導入など新購入体験を創造

このほか、プライベートブランドとして、ヘアオイルtioo(ティオ)、トレンドのメイクアップアイテムsöpö(ソポ)も開発・販売している。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:KDDI資金調達(用語)ネットショッピング / eコマース(用語)NOIN美容(用語)メイクアップ / 化粧(用語)日本(国・地域)

化粧品ECのスタートアップ「NOIN」が総額8億円調達、メーカーへCRM解放へ

化粧品のECプラットフォーム「NOIN」を運営するノインは7月8日、DGインキュベーション、STRIVE、500 Startups Japan、みずほキャピタル、DK Gate、AGキャピタルなどから約8億円の資金調達(払込予定分を含む)を発表した。

今回の調達ともない、リードインベスターであるDGインキュベーションの上原健嗣氏が社外取締役に就任する。なお、3月にはGunosyで執行役員を務めていた千葉久義氏が取締役に就任している。

写真に向かって左から、DGインキュベーションの上原健嗣氏、ノインで社長を務める渡部賢氏、同社取締役の千葉久義氏、STRIVEの堤達生氏

経済産業省の調査「我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」によると、化粧品のオンラインでの購入率は約6%とオンラインストアが普及している現在でも未成熟な市場。同社は、オンラインストアと化粧品のミスマッチを解消するために化粧品ECプラットフォーム「NOIN」を立ち上げた。メディアとしての側面もあり、化粧品の購入だけでなく、メイク術や悩み解決といった記事をテキストや動画で手に入れることもできる。

今回の資金調達では、人材採用や育成、NOINのブランディングおよび認知拡大を目的としたプロモーションを強化。同時に、連携する化粧品メーカー各社への購買データ展開、CRMツールの解放など実施する予定だ。

今回の資金調達についてTechCrunchは以下の質問について同社から回答を得た。

——化粧品はやはり試してみないとなかなか購入につながらないと思うのですが、オンライン購入率を向上させる施策があれば教えてください。

実際に試すという点においては、店舗でテスターを用いて試せるものは数としては限られています。また、試すにあたっても直接顔につけるというよりも手元での色みやテクスチャーの確認というものが多いかと思います。当社では商品詳細のコンテンツに力を入れており、商品イメージの写真やタッチアップした際のスウォッチ画像、記事コンテンツ、動画コンテンツと1つの商品に対してのコンテンツがかなり充実しています。実際、商品詳細コンテンツを充実させた商品の売れ行きはないものと比較すると購入率は大きく違います。コンテンツのカバー率も高まっており、店頭よりもカバーできている商品は多いです。

また、ユーザーの平均年齢は25.8歳とかなり若いですが、1回あたりの購入単価が4000円を超えるほど高くなっています。当初は2000〜2500円程度を予想していましたが、かなり購入単価が高めです。コンテンツを通じてよいものであるという理解が深まると購入意欲も引き上げられるのだと考えています。

——ほかのコスメ系ECと差別化できるポイントを教えてください。

取り組み先のメーカー、ブランドに対して販売データを提供している点は差別化ポイントと考えています。アプリに溜まってきている「ユーザーがどのような商品と比較検討の末、その商品を購入したのか」「一緒に購入される商品にはどのような傾向があるのか」など、ブランドのマーケティング活動に有益となるデータをメーカーやブランドと共有しています。

「ブランドの商品をお気に入り登録しているユーザー」「過去購入経験のあるユーザー」というようなセグメントを切り、そこに対して各ブランドのCRMのツールとして使ってもらえるような機能提供も考えており、こちらも差別化ポイントとなるのではないかと思います。

——今回の資金調達で採用を強化するとのことですが、具体的なポジションや職種などあれば教えてください。

エンジニア採用を強化します。ユーザーの手元に届いて使ってもらうまでが我々のプロダクトでの体験だと考えているので、CSやロジスティクスの体制に関しては最重要と捉えています。多量の受注を受けても迅速にお客様に商品をお届けできるよう、ピッキングや配送などの倉庫管理のアプリケーションを完全に内製で開発しているほか、CS部門をツールを含めて充実させることにより、トラブルの際には利用者の問い合わせに対し、社内の配送データなども使って迅速なトラブル解決ができるフローを整えています。加えてメーカーに渡すマーケティングデータの解析ツールの開発も行わなければなりません。

――今回の資金調達で強化する、プロモーションについて具体的に決まっていることがあれば教えてください。

CMなどの大型のプロモーションも次の施策として進めていきます。リアルの場でのユーザー接点も重要と考えており、夏フェスのようなリアルなイベントへの協賛も行っていく予定です。プロモーション以外の資金使途としては 、化粧品メーカー・ブランド向けのマーケティングデータの解析ツールやCRMツールの開発に当てていこうと思っています。

――今回の資金調達で強化する、ブランディングついて具体的に決まっていることがあれば教えてください。オリジナルブランドなども検討されていますか?

オリジナルの商品に関しては検討していますが、完全にオリジナルということではなく、メーカーやアーティストと一緒に新しい商品やブランドを立ち上げていくという方向性で考えています。現在進行中のものとしては、ヘアメイクアップアーティストと一緒にヘアオイルの開発を進めているところです。

——新たにCOOに就任された千葉氏は、どのような組織改革を進められる方針ですか。

ノインはこれまでCEOの渡部を中心として対ユーザーに全力で向かい合い、toC向けのプロダクトを磨き上げるという方向に関しては素晴らしいものがあると思っています。一方でパートナーであるコスメブランドやメーカーとの関係構築はこれからの課題です。toBでのパートナーの課題解決ができる組織にしていきたいです。組織全体としては、やはりプロダクトや各種施策に対しての数値感覚の強い人を一人でも多く育てていきたいです。

“商品ありすぎ、チャネル多すぎ”な化粧品の購入体験を変革、コマースメディア「noin」が3億円を調達

「コスメの最安値がわかるのが便利」「コスメに特化した価格.comのようなもの」——化粧品コマースメディア「noin」のApp Storeのレビューには、そのようなコメントが並ぶ。2017年10月にiOSアプリをリリースし、12月にはApp Storeのライフスタイルカテゴリで1位を獲得。レビュー数はリリースから約5ヶ月で5000件を超える。

そんなnoinを提供するノインは3月28日、グリーベンチャーズ500 Startups JapanKLab Venture Partnersみずほキャピタルおよび個人投資家を引受先とした第三者割当増資を実施。約3億円を調達したことを明らかにした。またこれに合わせて、グリーベンチャーズの堤達生氏が同社の取締役に就任するという。

化粧品の「選定時」と「購入時」の課題を解決

noinは大きく2つの特徴を持つ、動画コマースアプリだ。1つは冒頭でも触れたように、気になる化粧品の最安値を整理したECとしての機能。そしてもう1つが新作情報やメイクのハウツーを紹介する動画メディアとしての機能だ。

ユーザーはAmazon、yahoo!ショッピング、楽天、マツモトキヨシといったショッピングサイトの最安値を横断で把握できるだけでなく、人気ブランドのセール情報を取得可能。動画を通じて商品の特徴や使い勝手も知ることもでき、気になる商品をお手頃価格で購入したい人を中心に支持を集めている。

もともとは分散型の動画メディア「noin.tv」を2017年2月にスタート。10月にコマースメディアとしてnoinをリリースした。ノイン代表取締役の渡部賢氏によると、化粧品の領域においては情報の発信者となるメーカーやショップと、受け手となる消費者の間に「情報の非対称性」が2つ存在するという。

「1点目は『化粧品選び』の課題。たとえばリップだけで約5000点の商品が販売されているように、商品がありすぎて、本当に自分に合ったものがわからないという女性も多い。そして2点目は『購入時』の課題。販売チャネルが多様化した結果、在庫と価格のブレが生じている。各ショップがすべての商品を揃えているわけではないし、知らないだけで実はもっとお得に買える場所があることもある」(渡部氏)

つまりノインでは動画コンテンツを通じて化粧品選びの、コマース機能を通じて購入時の情報の非対称性を埋めようとしているわけだ。

化粧品のEC化を推進、経験財からの脱却へ

もっとも化粧品領域の「動画メディア」については、すでに複数のプレイヤーが存在する。そこにはC Channelのような女性向けの総合メディアや、美容系のYouTuberも含まれるだろう。ノインでも動画制作のノウハウや実績はあるというが、軸になるのはコマースの部分。それによってユーザーの利用シーンも違ってくるというのが渡部氏の見解だ。

「(商品購入体験の初期段階に)情報収集の目的で使われるメディアは、購入までに距離がある。欲しい商品を見つけてもすぐに買うわけではなく、口コミアプリなどで参考になるレビューを探す消費者が多い。その後、店舗で試すなど検証をして、納得のいく価格を見つけた上で購入する。ノインの特徴は、確度があがった“購入寸前”のユーザーが利用するアプリだという点にある」(渡部氏)

たとえばamazonは商品詳細ページから購入までのコンバージョンが平均で3%と言われているが、noinから送客したユーザーの購入率は平均で10%になるそう。化粧品メーカーなどブランド側としては最終的に自社製品を買って欲しいため、購入意欲が高いユーザーが多いことは大きな価値になるという。

近年、化粧品のEC化率は伸びてきているものの、2016年では約5%ほどというデータもあるように決して高いとはいえない(『電子商取引に関する市場調査』における、化粧品、医薬品のEC化率)。一般論として化粧品はいわゆる「経験財」で、実際に試してみてから購入するものであると考えられてきたため、約5%という数値はそこまで驚くものではないだろう。

ただこの考え方については、若い世代を中心に少しずつ変わってきていると渡部氏は言う。

「『タグる』という言葉が広がってきているように、SNS上などで自分に近い人や共感する著名人が発信する情報を参考に商品を購入するというケースも増えてきている。noinでも動画のアプローチなど、コンテンツの見せ方や届け方を工夫することで、EC化率をもっと上げていきたい」(渡部氏)

実際noinを使っているユーザーの90%以上はF1層の女性。特に20代前後が多いため、従来とは違ったプロセスで化粧品の情報にアクセスし、購入に至る割合も高そうだ。

化粧品業界の新しい流通プラットフォーム目指す

写真左がノイン代表取締役の渡部賢氏、右はグリーベンチャーズの堤達生氏

ノインは2015年1月の創業。代表の渡部氏が個人事業として始め、2016年11月に法人化している。渡部氏はネイバージャパンでキャリアをスタートし、グリーでスマホ版のGREE NEWSの立ち上げなどに従事。その後プロデューサーとして複数のサービスに携わってきた。

「検索サイトもニュースも、受け手が欲しい情報と発信される情報のミスマッチをなくしていくことは同じ。さまざまなサービスに関わる中で情報の非対称性をなくしていくことが自分の得意分野であり、興味のある領域だとわかった。動画制作に携わる中で知見も貯まっていたので、これらを活かして何か新しい変化を起こせる市場がないか、それを探っていった結果noinに行き着いた」(渡部氏)

2017年2月から分散型メディアをスタートし、同年7月には500 Startups JapanとKLab Venture Partnersから4000万円を調達。今回の資金調達はそれに続くラウンドとなる。

ノインでは調達した資金をもとに人材採用の強化、広告投資の強化を進める方針。またAndroid版の開発に加え、化粧品メーカーや小売業者がnoin上で商品の販売を行えるように事業提携を進め、化粧品業界の新しい流通プラットフォームを目指していく。

「たとえばライブコマースや共同購入の仕組みなども含めて、商品を購入するまでのプロセスを楽しめる要素を増やしていく。(そこで収益化したいという意図ではなく)noinをたくさん開いてもらうきっかけを作り、アクションメディアとしてのバリューを拡大していきたい」(渡部氏)