メモ・ドキュメント・wiki・プロジェクト管理などオールインワンのワークスペース「Notion」が日本語ベータ版提供開始

メモ・ドキュメント・wiki・プロジェクト管理などオールインワンのワークスペース「Notion」が日本語ベータ版提供開始

メモ、ドキュメント、wiki、タスク管理、プロジェクト管理などの作業を統合したオールインワンのソフトウエア「Notion」(ノーション)の日本語ベータ版が、10月13日にリリースされた。サンフランシスコを拠点とするNotion Labsが2018年に公式リリースした製品だが、全世界で利用され、日本でもすでに大手企業の他、1000社以上のスタートアップが導入している。日本語化によって、日本のユーザーサポートを強化されるという。

Notionは、さまざまな機能の組合せをカスタマイズして、企業などのチームのワークフローに即した環境を構築できる。「すべての情報や知識を一箇所に集約することで、より効果的なチーム連携を可能にします」とNotion Labsでは話している。

日本語化されるのは、ホームページ、ブラウザー利用、デスクトップアプリ、モバイルアプリ、ヘルプページ、ガイド、テンプレート、サポートとなっている。デスクトップアプリとモバイルアプリの日本語化は、今後数週間で順次展開される予定。

現在、Notionは、約80%が米国外のユーザーに利用されている。2020年8月から2021年8月までの1年間で、日本を含む世界中でデイリーユーザー数は4倍に増えた。また日本国内には6つの地域コミュニティーがあり、1200人以上が参加しているという。

ちなみに、Notion Labs共同創業者のアイバン・ザオ氏(CEO)とサイモン・ラスト氏は、このソフトを開発中に京都に滞在したことがある。そこで、「職人の細部へのこだわりや日本のホスピタリティー」に感銘を受けた。Notionの製品とサービスには、京都で得たインスピレーションが活かされているとのことだ。

共同作業プラットフォームNotionが全世界のスタートアップに有料プラン用クレジットを無料で提供、AWS・Stripeとも連携

共同作業プラットフォームのNotionは2019年に多くのアクセラレーターやインキュベーターの協力を得て、その投資先のスタートアップがNotionプラットフォームを無料で使えるクレジットを提供した。今度はもっと積極的に、同様のプログラムをすべてのスタートアップを対象に展開する。

Notionは米国時間9月28日にスタートアップ向けの新たなプログラムを開始し、全世界のスタートアップに500ドル(約5万5000円)以上のクレジットを提供して同社製品を無料で試用できるようにした。スタートアップの規模や資金調達の状況は問わない。チームの規模に応じて、スタートアップはこのクレジットでNotionの有料機能を無料で最長1年間利用できる。

Notionの最高執行責任者であるAkshay Kothari(アクシェイ・コサリ)氏はTechCrunchの取材に応じ、同社がこのプログラムを最初に始めたときは「Notionが世界中のスタートアップに受け入れられること」を試していたと述べた。

この2年間で同社の状況は劇的に変化した。直近の資金調達ラウンドで20億ドル(約2200億円)のバリュエーションとなり、多くのスタートアップ(ごくわずかだが例を挙げればFigma、Substack、Modern Health、Mixpanel、Buffer、Headspaceなど)や開発者、クリエイター、デザイナーなどに選ばれる生産性スイートとして頭角を表している。

関連記事:職場の生産性プラットフォーム運営のNotionが約54億円調達

世界中の企業がリモートワークを取り入れたことから、Notionを利用するスタートアップの数はこの1年間で4倍に急増したと同社は説明する。Yコンビネーターに直近で参加したスタートアップの半数以上がNotionのワークスペースを利用し、Forbesが発表したクラウド企業トップ100のうち90社がNotionのチーム向けワークスペースを持ち、Crunchbaseに掲載され100万ドル(約1億1000万円)以上を調達した全世界のスタートアップのおよそ28%がNotionのプラットフォームを使っている。

Notionがそれほど重視していなかった市場であるインドの起業家の間でもNotionはかなり一般的になり、作成したピッチの資料をNotionに保存して潜在的な投資家に公開している。多くのスタートアップがNotionに発表を掲載し、Notionのページでノートを書いてチームで共有している。

コサリ氏は新たな展開の1つとして、Notionはこのようなユースケースでのフリクションを取り除く新しいテンプレートも開発していると述べた。さらにスタートアップ向けのスターターパックも公開した。これはガイド、チュートリアル、ライブストリームのイベント、カスタマーストーリー、FAQを集めたものだ。

同氏は「我々のゴールは、Notionを世界中のスタートアップが意識せずに使えるツールにすることです」と語る。

その規模に到達することを目指して、Notionはスタートアップの多くが高く評価するインフラ大手2社とも連携する。AWSとStripeだ。コタリ氏によれば、両社は今後、自社プログラムを利用する数十万のスタートアップに対してNotionの有料プランで利用できる一定のクレジットを提供する。

AWSとStripeがスタートアップにとって重要な存在になったのと同様に「NotionはAWSやStripeと協力することで情報のインフラになれると考えています」とコタリ氏はいう。さらに同氏は「この連携をスタートしたので、今後も引き続きさらなるパートナーシップを構築する機会を検討していきます」と述べた。

Stripeのスタートアップビジネス責任者であるKrithika Muthukumar(クリティカ・ムスクマール)氏は発表の中で「NotionはStripe Atlasコミュニティに恩恵をもたらし、あらゆる規模の企業が重要なマイルストーンを通じてまとまり、意識を合わせ、従業員同士の距離を縮めるのに役立っています。我々はNotionをAtlasのプログラムに迎え、コミュニティをともに支える新たな方法を探っていくことをうれしく思います」と述べた。AWSは発表の中で、同社の顧客はNotionを「絶賛」し、Notionと戦略的に協業する方法をさらに調査すると述べている。

画像クレジット:Notion

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(文:Manish Singh、翻訳:Kaori Koyama)

オンラインワークスペースNotionの障害はフィッシング苦情が原因

先週、数時間にわたって起きたオンラインワークスペーススタートアップNotion(ノーション)のDNS(ドメインネームサーバー)障害は、同社のドメインレジストラによるとフィッシングの苦情が原因だった。

Notionは米国2月12日午前中のほとんどの時間オフラインとなり、同社がいうところの「レジストリオペレーターレベルでのかなり異常なDNS問題」のためにユーザー400万人超がサービスを利用できなくなった。Notionのドメインがオフラインになり、ユーザーはファイルやカレンダー、書類にアクセス不能になった。

関連記事:オンラインワークスペースのNotionに一時DNS原因の障害発生

Notionは同社のドメインネーム「notion.so」をName.comを通じて登録しているが、すべての「.so」ドメインは、「.so」のトップレベルのドメインレジストリSonicをName.comのようなドメインネームレジストラにつなげることををサポートしている企業であるHexonetによって管理されている。

相互依存の複雑なウェブが、数時間にわたってNotionがオフラインに陥ることになった通信障害の主な原因だ。

TechCrunchへのメールで、Name.comの広報担当Jared Ewy(ジャレッド・ユーイ)氏は次のように述べた。「Hexonetはフィッシングにつながっているユーザーが作ったNotionページについての苦情を受けました。Hexonetはこうした報告についてName.comに知らせましたが、当社は独立して苦情を確認することができませんでした。規則により、HexoneはNotionのドメインを一時保留としました」。

「こうした措置の影響を認識し、全チームがNotionとそのユーザーへのサービス復旧のために取り組みました。全3社のチームは現在、この手のインシデントが再発することがないようにするため、新たなプロトコルで提携しています。Notionのチームとその熱心なフォロワーはすぐに反応し、協業できたことは喜びでした。みなさんの忍耐と理解に感謝します」とユーイ氏は述べている。

繰り返されるサービス一時停止の差し迫った危険はないように聞こえる。

Notionはこの記事が公開される前にTechCrunchの電子メールに反応しなかったが、後に広報担当のCamille Ricketts(カミール・リケッツ)氏は「Notionがフィッシングサイトをホストするのに使われることを当社は許しません。当社のドメインに関連するあらゆるページにある疑わしいリンクをスキャンして削除するセキュリティソフトウェアを自動化しました」と述べた。

「今回のケースではユーザーがどこか別のところでホストしたフィッシングサイトとリンクするNotionページを作り、これにはフラッグが立てられませんでした」と同氏は話した。「今回のようなケースでも、通常ならサービスがブロックされる前にドメインベンダーによって問題を警告されます。しかし今回は通知されませんでした。当社はいま新しい通信プロトコルを運用していて、この種の問題は二度と起こらないと自信を持っています」

Redditには、フィッシングサイトをホストするために使用されているNotionについての懸念を議論するスレッドいくつかある。そしてセキュリティ研究者はアクティブなフィッシングに使われているNotionの例を示した。Notionの従業員は、Notionが自社所有の「notion.com」にドメインを「すぐ」に移す、と1年ほど前に述べている

Notionのサービス一時停止は、2018年にZohoで起きたものとほぼ同じだ。ZohoはNotionと同様、Zohoがホストする電子メールアカウントから送られたフィッシング電子メールに関する苦情を受け、zoho.comをブロックした後にドメインレジストラでのツイートに頼った。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Notionシステムダウン

画像クレジット:TechCrunch / composite

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(文:Zack Whittaker、翻訳:Nariko Mizoguchi

オンラインワークスペースのNotionに一時DNS原因の障害発生

2020年に20億ドル以上(約2100億円)の評価を受けたオンラインワークスペースのスタートアップNotionは、DNS(ドメインネームサーバー)障害の後にサービスが一時停止した。なお公式サイトによると、障害が発生した当日のうちに問題は解決している。

関連記事:職場の生産性プラットフォーム運営のNotionが約54億円調達

共同オンラインオフィスとドキュメントサービスを提供するNotionは東部標準時2月12日金曜日午前9時の時点でサービスが停止し、利用者は誰もクラウドに保存されたデータにアクセスできなかった。

後に削除されたツイートの中で、Notionは「Name.comの連絡先を知っているユーザーはいないですか?」と尋ねた。これは、Notionがドメイン名を依存しているウェブホストだ。Name.comは返信の中で、「このドメインの所有者と協力して、この問題にできるだけ早く対処します」と述べた。Notionは「この件に対処するため、どこにメッセージを送っているのか教えてください」と返信している。

すでに部分的に削除されている、Notionの停止を指摘するツイートのスレッド(画像クレジット:TechCrunch)

最初のツイートが公開された直後の声明で「DNSの問題が発生しており、多くのユーザーがサイトへとアクセスできない原因となっている。我々はこの問題を積極的に調査しており、詳細な情報が判明した際にはTwitterのステータスページを更新します」と同社はTechCrunchに対して述べている。

 

NotionはDNS問題の原因について、具体的には言及していない。DNSは、インターネットの仕組みにおいて重要な機能だ。ウェブサイトにアクセスする度に、ブラウザはDNSサーバーを使用してウェブアドレスをIPアドレスに変換し、インターネット上のウェブページの位置を特定する。しかしウェブサイトやDNSサーバーが正しく設定されていなければ、ウェブサイトが読み込まれない原因となることがある。

このDNS問題の原因は、正確には明らかになっていない。Name.comの広報担当者に連絡を取ったがコメントは得られておらず、またNotionが利用している国別コードのトップレベルドメイン「.so」を管理してるソマリアに拠点を置くレジストラのSonic.soも、コメントに返信していない。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Notionシステム障害

画像クレジット:TechCrunch / composite

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(文:Zack Whittaker、翻訳:塚本直樹 / Twitter

全人代開催のタイミングで作業コラボのNotionが中国で突然利用禁止に

バリュエーションがこのほど20億ドル(約2150億円)に到達した急成長中の作業コラボツールNotion(ノーション)は米国時間5月25日、同社のサービスが中国で使用できなくなっているとTwitter(ツイッター)で明らかにした。

ノートやwiki、タスク、チームコラボを統合したオールインワンのプラットフォームを利用しようと、生産性アプリのNotionは中国を含め世界中のスタートアップやテックワーカーを引きつけてきた。サンフランシスコで創業されて7年になるNotionのアプリは、2004年にサービス展開を始めたEvernote(エバーノート)の手強いライバルとして広く認識されている。

Notionは「状況を注視しており、引き続き随時アップデートする」と述べたが、使用禁止となったタイミングは、中国の全人代開催と明らかにかぶっている。全人代は新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックのために2カ月遅れで5月22日に開幕した。中国で鍵を握る全人代の開催前後は通常、インターネット規制や検閲が厳しくなる。

Notionにコメントを求めようとしたが、すぐさまコンタクトを取ることができなかった。

中国で利用できるようになったものの現地の法律が適用されていないNotionや他のアプリにとって、突然の弾圧はほぼ予想されていた。中国のサイバーセキュリティ監視機関はNotionのノートシェアの自由な状態を問題あり、と判断したのだろう。一部のユーザーはNotionの使い勝手の良いデスクトップバージョンを個人のウェブサイトに変更しさえした。もしNotionが中国で存在感を維持しようとするなら、中国における全コンテンツ制作プラットフォームに適用されるのと同じ規制に従う必要がある。

例えばEvernoteは2018年に合弁企業を立ち上げ、Yinxiang Bijiというブランド名で中国版をリリースした。Yinxiang Bijiでは機能が制限されていて、ユーザーデータが中国内に保存される。

作業コラボアプリの競争

App Annieのデータによると、中国で禁止になる直前の5月21日に、Notionは中国内のAndroidストアで最もダウンロードが多い生産性アプリになった。ダウンロード急増は、Notionが主な機能を個人ユーザーに無料で提供すると決定したことを受けてのものだ。また、Notionにそっくりだとしてデベロッパーコミュニティの間で議論が巻き起こった中国の模倣アプリHanzhou(寒舟)とも関係しているようだ。

Hanzhouの幹部で、以前ByteDanceが支援する書類コラボアプリShimoで働いていたXu Haihao(徐海豪)氏は、5月22日付の謝罪投稿の中で「Notionをベースにプロジェクトを展開した」と認めた。

「我々は初めから間違っていた」と徐氏は書いた。「しかし私は誰かを傷つけるつもりはなかった。(Notionの)テクノロジーから学ぼうという意図だった」。解決策として、Hanzhouは開発とユーザー登録を停止する、とした。

中国の最大のテック企業の一部は、職場生産性の業界を狙っている。新型コロナウイルス危機で最近にわかに需要が高まっている分野だ。Alibaba(アリババ)のDingtalk(ディントーク)は2019年8月に、1000万超の企業と2億人以上の個人ユーザーが同プラットフォームに登録したと述べた。Tencent(テンセント)のWeChat Work(ウィーチャット・ワーク)は2019年12月までに250万社とアクティブユーザー6000万人がサービスを利用したと明らかにした。

関連記事:生産性プラットフォーム運営のNotionが個人向け無料アカウントの機能制限を大幅に解除

[原文へ]

(翻訳:Mizoguchi